説明

オプション給紙装置および印刷装置

【課題】印刷装置の給紙分離部ユニットを容易にオプション交換できるようにする、具体的にはフリクションパッド方式またはリバースローラ分離を採用している印刷装置において、お客様・ユーザの要望に応じて給紙装置を「エアー分離ベルト吸引方式」に容易に変更できるオプション給紙装置および印刷装置を実現し提供する。
【解決手段】オプション給紙装置200は、印刷装置本体側に設けられた分離パッド21およびピックアップコロ15と、給紙台29と、給紙台29を昇降する給紙台昇降手段と、穴明き無端ベルト37と、穴明き無端ベルト37を回転駆動するベルト駆動手段と、エアー吸引手段と、フロントエアー吐出手段と、サイドエアー吐出手段と、印刷装置本体へのエアー給紙装置の装着時に、印刷装置本体側のピックアップコロ15の下方に位置してピックアップコロ15との間で所定の押圧力で接触し従動するように設けられ、エアー分離された用紙を搬送する従動コロ52とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプション給紙装置および印刷装置に関し、さらに詳しくは、デジタル孔版印刷装置のように多種多様な用紙を給送する給紙装置を備えた印刷装置本体に、オプションのエアー給紙装置を装着可能なオプション給紙装置および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や印刷機においては、画像形成部に対して給紙台上に積載された印刷用紙(以下、単に「用紙」ともいう)を順次1枚ずつに分離して送り込むための給紙装置を有している。これまでの給紙分離方式としては、「フリクションパッド方式」や「FRR(リバースローラ分離)方式」、あるいは「エアー分離ベルト吸引方式」などが知られている。それぞれの方式はメリットとデメリットを有しており、印刷装置に求められる給紙性能や機能とコスト上から方式が選定されて採用されている。
【0003】
「フリクションパッド方式」は、最もシンプルな構造であり、低コストで実現できるが、積載された用紙を上から順次1枚ずつに分離する分離性能とその信頼性の点で、紙種により他の方式と比べて劣っているといえる。また、分離部で用紙に局部的なブレーキ負荷が加えられるために薄紙ではシワが発生しやすく、厚紙では紙ムケが起こりやすいという欠点を有している。
【0004】
「FRR(リバースローラ分離)方式」は、限定された範囲の用紙に対しては高い分離性能を有しているが、機構が複雑になり、トルクリミッタがコスト高を発生させている。また、分離搬送速度においても高速には弱いという欠点を有している。局部的に用紙にブレーキ負荷が加えられるという点では、程度の差こそあれ「フリクションパッド方式」と同様である。
【0005】
「エアー分離ベルト吸引方式」は、例えば特許文献1などに開示されているように、積載用紙に対してサイドからエアーを吹き込んで用紙間に空気層を作ることで分離を行い、穴明きエアー吸引ベルトによって最上紙のみを吸引して送り込むという方式である。この方法は、用紙に対するダメージが最も小さく、薄紙から厚紙までの広範囲の紙種で使用できる方法であり、しかも高速給紙への対応力も非常に高いという長所を有している。特に、表面塗工されたコート紙を分離給送する場合には、「フリクションパッド方式」や「FRR(リバースローラ分離)方式」では分離が困難であるため、「エアー分離ベルト吸引方式」を採用せざるをえない状況にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、「エアー分離ベルト吸引方式」は、構造が複雑になり、吸引ファンと穴明き駆動ベルトとサイドエアー吹き付けファンとを有するために、大きさやコストの点で他の方式に比べて劣ることになる。しかもサイドエアー吹き付けの強さは実際には用紙種類に応じて変える必要がある。
【0007】
一方、比較的安価ながら高速かつ低コストで多部数印刷が可能な装置として、デジタル孔版印刷装置が知られている。デジタル孔版印刷装置は、これまで、文教市場や官公庁で簡易印刷装置としてフリーオペレータで使用されてきた。この印刷装置では、一般に「フリクションパッド方式」が採用されている。もちろん、コストと大きさと簡単操作という要望に応えるためである。
【0008】
近年では、このデジタル孔版印刷装置が一部の小規模印刷業でも使われるようになってきている。これは技術の進歩により画像品質が向上し、その他の機能や信頼性も向上してきたためである。こうした一部の小規模印刷業では、コストや大きさおよび操作性に対する制約がほとんどないが、その代わり高性能の給紙分離品質の装置を求める声がある。用途によっては「フリクションパッド方式」でも十分なユーザの場合もあり、また別の用途のユーザでは「エアー分離ベルト吸引方式」にしたいという場合もある。
【0009】
給紙台と給紙台昇降部を分離可能なユニットにすることは、例えば特許文献2で既に知られているが、同文献では「エアー分離ベルト吸引方式」を装着するための課題とその解決策については全く言及されていない。
【0010】
「エアー分離ベルト吸引方式」それ自体は、例えば上記した特許文献1を含め、特許文献3など多数の先行技術に示されているが、最初からこの方式を採用した複写装置や印刷装置ということで示されているものであり、着脱可能にしてオプションで装着することに関して記載されたものは見当たらない。
【0011】
そこで、本発明は、上述した要望に応えるために、印刷装置の給紙分離部ユニットを容易にオプション交換できるようにする、具体的には「フリクションパッド方式」または「FRR(リバースローラ分離)方式」を採用している印刷装置において、お客様・ユーザの要望に応じて給紙装置を「エアー分離ベルト吸引方式」に容易に変更できるオプション給紙装置および印刷装置を実現し提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、印刷画像形成手段と、該印刷画像形成手段に用紙を給送する給紙装置とを有する印刷装置において、前記給紙装置は、印刷装置本体に対して着脱可能な、用紙を積載する第1の給紙台と、前記印刷装置本体に対して着脱可能な、第1の給紙台を昇降する第1の給紙台昇降手段と、前記給紙台上の最上の用紙に接触して該用紙に搬送力を付与する、前記印刷装置本体に設けられた給紙手段と、該給紙手段における用紙搬送方向の下流側で用紙を分離しながら搬送する、前記印刷装置本体に設けられた分離搬送手段と、該分離搬送手段に用紙を押し付けながら用紙を1枚ずつに分離する、前記印刷装置本体に設けられた摩擦式の分離手段とを備え、第1の給紙台と第1の給紙台昇降手段とが前記印刷装置本体から取り外された該印刷装置本体に、オプションで装着可能なオプション給紙装置であって、前記オプション給紙装置は、用紙を積載する第2の給紙台と、第2の給紙台を昇降する第2の給紙台昇降手段と、エアー吸引性のベルトと、該ベルトを回転可能に保持する少なくとも2つの回転部材と、前記ベルトを回転駆動するベルト駆動手段と、前記給紙台上の最上の用紙を吸引するエアー吸引手段と、前記給紙台上の用紙の前面側にエアーを吐出するフロントエアー吐出手段と、前記給紙台上の用紙の側面側にエアーを吐出するサイドエアー吐出手段と、前記印刷装置本体への前記オプション給紙装置の装着時に、前記給紙手段の下方に位置して該給紙手段との間で所定の押圧力で接触し従動するように設けられ、エアー分離された用紙を搬送する給紙従動手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオプション給紙装置が装着される印刷装置において、前記給紙従動手段の前記用紙搬送方向の下流側に設けられ、用紙の先端を検出する用紙検知手段と、前記用紙検知手段が搬送されてきた用紙の先端を検出してから所定時間経過後に、前記ベルトの駆動を停止し、その後、前記給紙手段および前記給紙従動手段が用紙を搬送するように制御する第1の制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、第1の給紙台上の最上の用紙の高さを検知する第1の高さ検知手段と、第2の給紙台上の最上の用紙の高さを検知する第2の高さ検知手段と、前記オプション給紙装置が装着されたことを検知する給紙装置検知手段と、前記給紙装置検知手段が前記オプション給紙装置の装着を検知した場合に、第1の高さ検知手段からの信号を無効にするとともに、第2の高さ検知手段からの信号を有効にする第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のオプション給紙装置が装着される印刷装置において、前記分離手段の押し付け力を電動で切り替える分離圧可変手段と、前記オプション給紙装置が装着されたことを検知する給紙装置検知手段と、前記給紙装置検知手段が前記オプション給紙装置の装着を検知した場合に、前記分離手段の前記分離搬送手段に対する押し付け力を解除するように前記分離圧可変手段を制御する第3の制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記課題を解決して新規なオプション給紙装置およびこのオプション給紙装置が装着される印刷装置を実現し提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、前記構成により、分離搬送手段に分離手段を押し付けながら用紙を1枚ずつ分離する摩擦分離方式(例えば分離パッド給紙分離方式)を搭載した印刷装置でも、ユーザの要望や用途に応じて、第1の給紙台と第1の給紙台昇降手段を取り外すだけで、オプション給紙装置としてエアー分離式給紙装置を簡単な操作で入れ替え装着することができ、用紙分離後の用紙についても給紙手段(例えばピックアップコロ)と給紙従動手段(例えば従動コロ)とによって確実に搬送力を付与して用紙搬送方向の下流に搬送することが可能になる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、前記構成により、エアー吸引性のベルトは用紙の必要な部分だけ搬送することになり、次の用紙を過剰に搬送してしまうことを防止して、それ以降は給紙手段と給紙従動手段とによって用紙搬送方向の下流側の例えばレジスト手段まで正確に搬送位置決めすることができるようになる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、前記構成により、給紙台上昇時の停止位置をそれぞれの給紙装置にとって最適な方式で最適な高さ位置になるように検出できるようになり、給紙高さバラツキによる給紙トラブル発生を未然に防止することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、前記構成により、オプション給紙装置を装着した場合でも、摩擦分離機構(例えば分離パッド給紙分離機構)を取り外すことなく、しかも同摩擦分離機構部が用紙搬送の抵抗になって用紙シワや不送りを発生させることもなくオプション給紙装置を使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態であるオプションのエアー給紙装置を孔版印刷装置に装着したときの給紙装置周りの概要を示す正面図である。
【図2】図1からオプションのエアー給紙装置を取り外した印刷装置本体の状態を示す拡大正面図である。
【図3】図2の印刷装置本体に標準の給紙台および給紙台昇降装置が装着された状態を示す正面図である。
【図4】分離圧可変装置の分離圧可変機構および従動コロの位置制御機構を説明する正面図である。
【図5】図1の実施形態の主要な制御構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の印刷装置に係る孔版印刷装置の全体構成を示す簡略的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品等)については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0022】
まず、図6を参照して、本発明の印刷装置に係る孔版印刷装置の全体構成とともに動作を簡明に説明する。同図では、給紙装置の詳細は示していないが従来の摩擦分離方式である分離パッド方式を採用した給紙装置を搭載している。
【0023】
図6において、符号1は、原稿画像を読み取るためのスキャナ部であり、その上面には開閉可能な圧板を有し、更に複数枚の原稿を自動的に順次送るためのADF(自動原稿搬送装置)部2を有している。スキャナ部1で読み取られた原稿の画像データは画像処理が行われてサーマルヘッド駆動基板(図示せず)に送られる。
一方、ロール状に巻かれたマスタとも呼ばれる孔版原紙3は、プラテンローラ4によってサーマルヘッド5に押し付けられ、サーマルヘッド5は上記画像処理済された画像データに応じて孔版原紙3に穿孔製版を行う。穿孔製版された製版済みの孔版原紙は、プラテンローラ4の回転駆動で搬送され、その後、印刷ドラム6の外周の一部に設けられた原紙クランパ7に先端をクランプされてドラム外周に巻き付けられ、その製版済みの孔版原紙の後端はカッタ8により所定長さに切断される。こうして製版済みの孔版原紙が印刷ドラム6の外周に装着されるようになっている。印刷用紙(以下、単に「用紙」ともいう)9は給紙装置で搬送されて、印刷ドラム6とプレスローラ10との間に挿入され、印刷ドラム6上の製版済みの孔版原紙にプレスローラ10で押し付けられて印刷画像が形成される。印刷済みの用紙は、排紙搬送装置87によってその裏面側が吸引搬送されて排紙台88上に順次積載される。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態であるオプション給紙装置を、前述した図6の孔版印刷装置に装着した部分の給紙装置部の概要を示す図である。この図1では、オプションのエアー吸引ベルト搬送式給紙装置(以下、「エアー給紙装置」という)が装着された状態を示している。
用紙を印刷部に送り込むための本発明に係る「オプション給紙装置」は、印刷装置本体側が保持している「本体側給紙装置」と、そこにオプションで装着されたエアー給紙装置210との両方を備えて構成されている。
【0025】
まず、「本体側給紙装置」を説明する。図1において、符号11は、用紙9を分離しながら搬送する分離搬送手段としての分離搬送コロであり、軸12の周りに回転駆動されて用紙9に搬送力を付与する。そのためにタイミングベルト13によって給紙駆動モータ14の駆動力が伝達されるようになっている。また、分離搬送コロ11の手前(用紙搬送方向Xの上流)には、給紙手段としてのピックアップコロ15が軸16の周りに一方向クラッチ(図示せず)を介して回転可能に保持され、タイミングベルト17によって同じく給紙駆動モータ14の駆動力が伝達されるようになっている。
【0026】
ピックアップコロ15の軸16は、給紙コロアーム18で保持され、給紙コロアーム18は、軸12の周りに揺動可能に設けられている。そして給紙コロアーム18の一部18aを上方から押し付けて、印刷用紙上面へのピックアップコロ15の押圧力を変える給紙圧可変装置19が設けられている。給紙圧可変装置19の詳細機構は省略するが、内部には押圧バネ部材(図示せず)とそのバネ部材の位置を変えるための図5のみに示す給紙圧可変モータ19Mが設けられている。また、給紙コロアーム18の一部18aの揺動位置によって用紙最上面高さを検知するための、後述する図3で詳述する上死点検知センサ20が設けられているが、エアー給紙装置210がオプション装着された場合には機能しない。すなわち、後述する制御手段による制御によって上死点検知センサ20からの信号を無効とされる。
【0027】
分離搬送コロ11の下方には、分離搬送コロ11に所定の押し付け力(押圧力)で接触することでピックアップコロ15から給送された用紙の分離を行うための、摩擦式の分離手段としての分離パッド21が設けられている。さらに、この分離パッド21の押圧力を可変する分離圧可変装置22が設けられている。これも詳細機構は省略するが、内部には押圧バネ部材とそのバネ部材の位置を可変するための図5のみに示す分離圧可変モータ75が設けられている。
分離圧可変装置22は、分離パッド21の押圧力をゼロにすることが可能になっている。図1の場合には、分離パッドの押圧力が作用しないように分離搬送コロ11との間に隙間ができた状態にある。
【0028】
分離搬送コロ11における用紙搬送方向Xの下流側には、用紙9の搬送をガイドする給紙案内板23と、用紙9の先端の到着を検知する用紙検知手段としての用紙先端検知センサ24と、図6に示した印刷ドラム6およびプレスローラ10等の印刷画像形成手段を備えて構成される印刷部に用紙先端のタイミングを合わせて送り込むためのレジスト手段としての、レジストローラ下25とレジストローラ上26とが設けられている。分離搬送コロ11の給紙駆動モータ14は、例えばパルス入力で駆動するステッピングモータからなり、用紙先端検知センサ24が用紙の到着を検知してから所定パルスに応じたステップ数分だけ更に回転して、用紙先端をレジストローラ下25とレジストローラ上26とのニップ部に送り込んでから若干の撓みができた状態まで回転してそこで停止する。次に、所定タイミングでレジストローラ下25がレジストローラ駆動モータ(図5参照)により回転駆動されて印刷部まで用紙を送り込む。以上が「本体側給紙装置」を構成する部分である。
【0029】
次に、オプションで装着されたエアー給紙装置210を説明する。図1において、符号27は、エアー給紙装置210の構造フレームである。構造フレーム27は、この構造フレーム27の図において左端側に形成された溝部27aが印刷装置本体側の軸28に係合する部分で印刷装置本体と位置決め接続されている。また、符号27bは床面に対して保持するための脚部である。この脚部27bには、高さ調整装置27cが設けられている。
【0030】
符号29は、用紙9を積載保持する第2の給紙台であり、この給紙台29は、構造フレーム27に設けられた図示しない案内装置によって上下方向に昇降可能に保持されている。給紙台29と一体的に昇降ラック30が設けられ、この昇降ラック30は、構造フレーム27に固設された昇降駆動モータ31で回転駆動されるピニオンギヤ32と噛み合っている。給紙台29を昇降する第2の給紙台昇降手段は、上記した昇降ラック30、ピニオンギヤ32、駆動手段としての昇降駆動モータ31を備えている。
給紙台29上には、紙面手前および紙面奥に対応した左右一対の用紙サイドフェンス33がその間隔を変えられるように、用紙搬送方向Xと直交する幅方向にスライド可能に保持されている。この用紙サイドフェンス33の位置によって上記幅方向の用紙サイズを検知する用紙幅サイズ検知手段としての用紙サイズ検知センサ34と、用紙搬送方向Xの用紙サイズを検知する用紙長さ検知手段としての用紙検知センサ35とが給紙台29に設けられている。また、給紙台29上には、用紙後端押さえガイド36が用紙搬送方向Xの前後にスライド可能に設けられている。符号82は、給紙台29上の用紙9の有無を検知する用紙有無検知としての用紙有無検知センサである。
【0031】
給紙台29上の最上面の用紙9を吸引するエアー吸引手段は、図1に示すように、穴明き無端ベルト37、エアー吸引ダクト42、エアー吸引ファン43等を備えている。
穴明き無端ベルト37は、エアー吸引性のベルトとしての機能を有し、構造フレーム27に回転可能に保持された2本の回転部材としてのガイドローラ38,39によって、走行・回転可能に保持されている。ガイドローラ38は、タイミングベルト40を介して、構造フレーム27に固設されたベルト駆動モータ41の駆動力が伝達されるようになっている。
穴明き無端ベルト37の内部には、エアー吸引ダクト42が配設されていて、穴明き無端ベルト37の穴(図示せず)を通して給紙台29上の最上面の用紙9を同ベルト37下面に吸着するようになっている。エアー吸引ダクト42には、パイプを介して連通された強力なエアー吸引ファン43が背面側に設けられている。
【0032】
給紙台29上の用紙9の側面側にエアーを吐出するサイドエアー吐出手段は、図1に示すように、サイドエアー吐出部44、サイドエアー吐出ファン45等を備えている。
サイドエアー吐出部44は、給紙台29上に積載された用紙(用紙束)9の側面側にエアーを吹き付けて用紙間に空気を入れることで用紙間を分離させる機能を有する。サイドエアー吐出部44は、構造フレーム27に保持されており、積載された用紙の上部数枚から十数枚に渡り側面からエアーを吹き付けてこれらをバラバラにして浮上させる働きをする。サイドエアー吐出部44には、パイプを介して連通された強力なサイドエアー吐出ファン45が背面側に設けられている。
【0033】
また、給紙台29上の最上の用紙の高さ位置を検知するための第2の高さ検知手段としての上死点検知センサ46が構造フレーム27に支持されて設けられている。上死点検知センサ46は、一端が構造フレーム27に揺動可能に支持された揺動アーム47と、揺動アーム47の中央部に用紙9に接触可能に設けられたコロ48と、揺動アーム47の他端に係合可能に設けられた透過型の光学センサ49とからなる。光学センサ49は、構造フレーム27に固設されている。
【0034】
給紙台29上の用紙9の前面側にエアーを吐出するフロントエアー吐出手段は、図1に示すように、フロントエアー吐出部50、フロントエアー吐出ファン51等を備えている。
フロントエアー吐出部50は、給紙台29上に積載された用紙(用紙束)9の前面側にエアーを吹き付けて用紙の間に空気を入れることで用紙間を分離させる機能を有する。フロントエアー吐出部50は、構造フレーム27に保持されており、積載された用紙の上部数枚から十数枚に渡り前面からエアーを吹き付けてこれらをバラバラにして浮上させる働きをする。フロントエアー吐出部50には、吐出エアーを作り出すためにフロントエアー吐出ファン51が設けられている。
【0035】
図1において、符号52は、ピックアップコロ15の下部に位置して軸53の周りに回転可能な、給紙従動手段としての従動コロである。従動コロ52は、軸53を介して構造フレーム27に回転自在に支持されている。軸53は、揺動アーム54に回転可能に保持されている。この部分の詳細は後で説明する。
ピックアップコロ15と従動コロ52との接触によりニップ部が形成され、用紙9はピックアップコロ15と従動コロ52との上記ニップ部に挟まれて、用紙9に搬送力が与えられることになる。従動コロ52の用紙搬送方向Xの前後には図4にのみ示す案内板56が配設されており、従動コロ52の用紙搬送方向Xの下流側に用紙9の先端の到着を検知する用紙検知手段としての用紙先端検知センサ57が設けられている。以上がエアー給紙装置210を構成する部分である。
【0036】
図2は、図1からオプションのエアー給紙装置210を取り外した状態を示す拡大図であり、図3は、図2の印刷装置本体に標準の「給紙台および給紙台昇降装置」が装着された状態の標準の給紙装置100を示す図である。
図3を参照して、印刷装置本体側の給紙台および給紙台昇降手段としての給紙台昇降装置について説明する。「本体側給紙装置」部分は、図1に示した構成と共通である。
【0037】
図3において、符号60は、印刷装置本体に対して着脱可能な構造フレームである。構造フレーム60には、U字形状の溝部60a、60bが形成されていて、これら溝部60a、60bが、それぞれ印刷装置本体側に植設された軸28,62と係合することで、印刷装置本体と位置決め接続されて保持されている。
【0038】
符号63は、用紙9を積載する第1の給紙台である。この給紙台63は、構造フレーム60に設けられた図示しない案内装置によって上下方向に昇降可能に保持されている。給紙台63と一体的に昇降ラック64が設けられ、この昇降ラック64は、構造フレーム60に固設された昇降駆動モータ65で回転駆動されるピニオンギヤ66と噛み合っている。
給紙台63を昇降する第1の給紙台昇降手段は、上記した昇降ラック64、ピニオンギヤ66、駆動手段としての昇降駆動モータ65を備えている。
【0039】
給紙台63上には、紙面手前および紙面奥に対応した左右一対の用紙サイドフェンス67がその間隔を変えられるように、上記幅方向にスライド可能に保持されている。この用紙サイドフェンス67の位置によって上記幅方向の用紙サイズを検知する用紙幅サイズ検知手段としての用紙サイズ検知センサ68と、用紙搬送方向Xの用紙サイズを検知する用紙長さ検知手段としての用紙検知センサ69とが給紙台63に設けられている。符号70は、給紙台63上の用紙9の有無を検知する用紙有無検知としての用紙有無検知センサである。この場合には用紙後端押さえガイドは設けられていない。
【0040】
図3において、給紙コロアーム18の一部18aの揺動位置によって、給紙台63上の最上の用紙の高さを検知する第1の高さ検知手段としての上死点検知センサ20が機能するようになる。すなわち、ピックアップコロ15の揺動による上下方向位置によって給紙コロアーム端部18bの高さ位置が変わるので、これを上死点検知センサ20によって検知して昇降駆動モータ65の動作を制御することで、給紙台63上の最上の用紙面の高さを一定に保持することができるようになっている。
また、図3の構成においては、分離パッド21が機能して用紙分離を実施するようになるので、分離パッド21の押圧力を可変する分離圧可変装置22を用紙種類に応じて最適に制御することになる。
【0041】
図4は、分離圧可変装置22の分離圧可変機構および従動コロ52の位置制御機構を説明する図である。
図4に示すように、分離パッド21は、上面に、用紙9に対して高摩擦係数の合成ゴムからなる分離面21aを有した構造体71が、上下方向にスライド可能に保持されている。分離パッド構造体71は、部材73との間に介装された圧縮バネ72で上方に向けて付勢されている。圧縮バネ72の下端を受ける部材73は、印刷装置本体に配設された図示しない案内装置に昇降可能に案内支持されている昇降ラック73aと一体になっており、昇降ラック73aの歯と噛み合うピニオンギヤ74を有する分離圧可変モータ75で分離圧が可変制御されるようになっている。分離圧可変モータ75は、例えばステッピングモータからなり、印刷装置本体に固設されている。符号76は、昇降ラック73aの位置を検知する分離圧可変検知センサであり、分離圧可変制御の際の昇降ラック73aのホームポジションを検知をする。
【0042】
従動コロ52は、上記したように揺動アーム54の軸53の周りに従動回転可能に保持されている。揺動アーム54は、図1に示した構造フレーム27に設けられた軸55を中心として、軸53側の自由端部が揺動自在になっている。揺動アーム54の一部には、コロ付きのカムフォロア58が設けられている。このカムフォロア58は、構造フレーム27に支持されたカム軸77aを備えた偏心カム77との係合によって、その高さ方向位置を変えることができるようになっている。すなわち、カムフォロア58と回転される偏心カム77との係合によって、揺動アーム54の自由端部の従動コロ52の高さが変わることとなる。
【0043】
回転カム77は、ウォームホイール78と同軸上で一体になっていて、ウォームホイール78と噛み合うウォーム79で駆動される。ウォーム79は、構造フレーム27に固設された従動コロ位置可変モータ80の出力軸に設けられており、同モータ80で回転駆動される。
図4において、符号81は、揺動アーム54の自由端部の高さ方向位置を検知することにより、ひいては従動コロ52の高さ方向位置を検知する給紙従動手段位置検知手段としての従動コロ位置可変位置検知センサであり、用紙種類や環境条件等によって従動コロ52の高さ方向位置を最適に変える制御に用いられる。
【0044】
上述したとおり、オプション給紙装置200は、印刷装置本体側に設けられた分離パッド21およびピックアップコロ15と、エアー給紙装置210側の給紙台29と、給紙台29を昇降する第2の給紙台昇降手段と、穴明き無端ベルト37と、穴明き無端ベルト37を回転駆動するベルト駆動手段と、エアー吸引手段と、フロントエアー吐出手段と、サイドエアー吐出手段と、印刷装置本体へのエアー給紙装置の装着時に、印刷装置本体側のピックアップコロ15の下方に位置してピックアップコロ15との間で所定の押圧力で接触し従動するように設けられ、エアー分離された用紙を搬送する従動コロ52とを有する。
【0045】
図5を参照して、本実施形態の制御構成を説明する。図5は、本実施形態の主要制御構成要素のブロック図を示している。同図において、符号84は、印刷装置本体の主として給紙制御を行うために配設された制御装置を、符号86は、オプション・エアーベルト給紙装置の給紙制御を行うために配設された制御装置を、符号85は、図1の孔版印刷装置を構成する各装置部に動作指示を与えたり、各装置部の動作状態を確認したりするために、印刷装置本体側に配設された操作部としての操作パネルを、それぞれ示す。
操作パネル85には、孔版印刷装置を起動するためのスタートキーや、用紙種類を入力するための用紙種類設定キー、印刷枚数を指示を行うテンキー等、各装置部の動作状態や上記各キーで入力した内容を視認するためのLCD(液晶表示装置)や表示器等が配設されている。
【0046】
制御装置84と制御装置86とは、共に図示を省略した、CPU、I/O(入出力)ポート、ROM、RAMおよびタイマ等をそれぞれ備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータをそれぞれ具備している。制御装置84と制御装置86とは、相互にシリアル通信を行うことにより、オン/オフ信号やデータ信号、あるいは指令信号を送受信している。
【0047】
制御装置84の上記CPUは、上記入力ポートを介して、操作パネル85の上記した各種キーや、図5等に示した各種センサと電気的に接続されていて、各種の出力信号を受信する。制御装置84の上記CPUは、上記出力ポートを介して、操作パネル90の上記したLCDや表示器、あるいは図5に示した各種モータと電気的に接続されていて、各種の指令信号を送信してこれらを制御する。
制御装置86の上記CPUは、上記入力ポートを介して、図5等に示した各種センサと電気的に接続されていて、各種の出力信号を受信する。制御装置86の上記CPUは、上記出力ポートを介して、図5に示した各種モータや各種ファンと電気的に接続されていて、各種の指令信号を送信してこれらを制御する。
【0048】
従動コロ52の高さ方向位置は用紙種類に応じて最適位置になるように制御される。すなわち、操作パネル85の図示しない用紙種類設定キーで用紙種類を設定・入力すれば、上記ROMに予め記憶されたデータに従って、制御装置86の上記CPUは所定の高さ位置になるように偏心カム77を回転させるように従動コロ位置可変モータ80を制御する。
一般的には厚紙を使用する場合では、高さ位置を下げて通過を阻害しないようにする。また、厚紙使用の場合ではその搬送力を大きくする必要があるので、ピックアップコロ15に対する従動コロ52の押し付け力が大きくなるように従動コロ位置可変モータ80を制御する。また、厚紙使用の場合では穴明き無端ベルト37の吸引力と前面および側面のエアー吐出力が大きくなるように、エアー吸引ファン43、各吐出ファン51,45を制御する。
【0049】
給紙圧可変モータ19Mは、「分離パッド方式」の場合もエアー給紙装置210の場合も同様に機能させるが、その押し付け力は両者で別々のデータ値(上記ROMに記憶されている)を有していて、それぞれ用紙種類・紙種別に最適数値を記憶しておいてそれに合わせるように制御する。
同図において、符号83は、エアー給紙装置が装着されているかを検知する給紙装置検知手段としての給紙ユニット種類検知センサを示す。
【0050】
次に、図1における給紙動作を説明する。図1は、印刷装置本体には「分離パッド方式」に対応した図3に示した給紙台63と給紙台昇降装置とが装着されていたが、それを取り外してその代わりにエアー給紙装置210を装着した状態を表している。この図1の状態において、給紙ユニット種類検知センサ83からの信号に基づいて、印刷装置本体の制御装置84はエアー給紙装置210が装着されていることを識別・認識する。この際、制御装置84は第2の制御手段として機能する。
【0051】
更に上記の場合には、制御装置84は上死点検知センサ20から入力される信号を無効にして、分離圧可変モータ75を駆動制御して分離圧(ピックアップコロ11に対する分離パッド21の押し付け力)が作用しないように分離パッド21の押し付け力を解除した上で、下記の動作を実行させる。この際、制御装置84は第3の制御手段として機能する。
【0052】
給紙台29は最下点位置に下がっている。そこで給紙台29上に用紙(用紙束)9をセットして本体印刷装置の操作パネル85でスタートキーをオンすると、本体印刷装置の制御装置84はエアー給紙装置210の制御装置86に給紙動作スタート指令を出す。制御装置86は昇降駆動モータ31を駆動して給紙台29を上昇させ、上死点検知センサ46を構成する光学センサ49からのオン信号で上昇動作を停止する。ここで、エアー吸引ファン43とサイドエアー吐出ファン45とフロントエアー吐出ファン51とを動作させる。すると、給紙台29上に積載された用紙9の上部10枚程度が、前面と側面からの吐出エアーによってバラバラになって浮上する。そして最上の用紙9の1枚だけが穴明き無端ベルト37に吸引される。
上記動作の際、制御装置84および制御装置86の少なくとも制御装置84は、給紙ユニット種類検知センサ83からのエアー給紙装置210の装着に係る信号に基づいて、上死点検知センサ20からの信号を無効にするとともに、上死点検知センサ46からの信号を有効にする第2の制御手段として機能する。
【0053】
次いで、ベルト駆動モータ41がガイドローラ38を回転させ、これと同期するように給紙駆動モータ14が分離搬送コロ11とピックアップコロ15を回転させる。その結果、穴明き無端ベルト37が回転駆動されて最上の用紙9が吸着搬送され、図4に示す案内板56に沿って搬送されて回転駆動されているピックアップコロ15と従動コロ52との間で更に搬送される。用紙先端検知センサ57が用紙9の先端を検知したらベルト駆動モータ41を停止させ、ここから先は給紙駆動モータ14が駆動されることにより、ピックアップコロ15と従動コロ52が用紙9を搬送する。
【0054】
分離パッド21は図4のように完全に圧解除されているので抵抗になることなく、その用紙搬送方向Xのレジストローラ上・下26,25のニップ部まで搬送される。そして用紙先端検知センサ24が用紙9の先端の到着を検知してから所定パルス分だけ送られたところで給紙駆動モータ14が停止する。この時、用紙9の先端はレジストローラ上・下26,25のニップ部に追突して必要な撓みを形成した状態になる。次いで、レジストローラ下25が駆動されて用紙を印刷部に向けて送り出すことになる。こうした給紙動作が繰り返されて次々と用紙が給紙搬送される。
【0055】
給紙された用紙9は印刷ドラム6とプレスローラ10との間に挿入され、印刷ドラム6上の製版済みの孔版原紙にプレスローラ10で押し付けられて印刷画像が形成される。印刷済みの用紙は、排紙搬送装置87によってその裏面側が吸引搬送されて排紙台88上に順次排出・積載される。
【0056】
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術は、上述した実施例を含む実施形態に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
上記実施形態例では、従来から採用されている標準の給紙装置100とオプション給紙装置200とで共通の構成要素・部品、すなわち印刷装置本体側に配設された「フリクションパッド方式」および給紙手段の構成例で説明したが、これに限らず、例えばフリクションパッド方式を採用した場合の利点・効果をそれ程望まなくてもよいのであれば、共通の構成要素が「FRR(リバースローラ分離)方式」を採用してもよいことは無論である。
用紙は、孔版印刷に使用可能な薄紙から厚紙、はがきや、封筒、コート紙等まで、印刷画像形成可能な全てのシートを含むものである。
なお、上位概念用語では、用紙はシートと、給紙台はシート積載台と、給紙装置はシート給送装置と、給紙手段はシート給送手段とも呼ばれることを付記しておく。
【符号の説明】
【0057】
1 スキャナ部
2 ADF部
3 孔版原紙
5 サーマルヘッド
6 印刷ドラム(印刷画像形成手段)
10 プレスローラ(押圧手段、印刷画像形成手段)
11 分離搬送コロ(分離搬送手段)
14 給紙駆動モータ(給紙手段)
15 ピックアップコロ(給紙手段)
20 上死点検知センサ(第1の高さ検知手段)
21 分離パッド(摩擦式の分離手段)
22 分離圧可変装置(分離圧可変手段)
29 給紙台(第2の給紙台)
31 昇降駆動モータ(第2の給紙台昇降手段)
37 穴明き無端ベルト(エアー吸引性のベルト)
38,39 ガイドローラ(回転部材)
41 ベルト駆動モータ(ベルト駆動手段)
43 エアー吸引ファン(エアー吸引手段)
45 サイドエアー吐出ファン(サイドエアー吐出手段)
46 上死点検知センサ(第2の高さ検知手段)
51 フロントエアー吐出ファン(フロントエアー吐出手段)
57 用紙先端検知センサ(用紙検知手段)
52 従動コロ(給紙従動手段)
63 給紙台(第1の給紙台)
65 昇降駆動モータ(第1の給紙台昇降手段)
75 分離圧可変モータ(分離圧可変手段)
83 給紙ユニット種類検知センサ(給紙装置検知手段)
84 印刷装置本体の制御装置(第1〜第3の制御手段)
85 操作パネル(操作部)
86 エアー給紙装置の制御装置(第2、第3の制御手段)
100 給紙装置(標準の給紙装置)
200 オプション給紙装置
210 エアー給紙装置
X 用紙搬送方向(シート搬送方向)
Y 用紙幅方向(直交方向、シート幅方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2010−132371号公報
【特許文献2】特開平7−125855号公報
【特許文献3】特開2010−89955号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像形成手段と、該印刷画像形成手段に用紙を給送する給紙装置とを有する印刷装置において、
前記給紙装置は、
印刷装置本体に対して着脱可能な、用紙を積載する第1の給紙台と、前記印刷装置本体に対して着脱可能な、第1の給紙台を昇降する第1の給紙台昇降手段と、前記給紙台上の最上の用紙に接触して該用紙に搬送力を付与する、前記印刷装置本体に設けられた給紙手段と、該給紙手段における用紙搬送方向の下流側で用紙を分離しながら搬送する、前記印刷装置本体に設けられた分離搬送手段と、該分離搬送手段に用紙を押し付けながら用紙を1枚ずつに分離する、前記印刷装置本体に設けられた摩擦式の分離手段とを備え、
第1の給紙台と第1の給紙台昇降手段とが前記印刷装置本体から取り外された該印刷装置本体に、オプションで装着可能なオプション給紙装置であって、
前記オプション給紙装置は、
用紙を積載する第2の給紙台と、第2の給紙台を昇降する第2の給紙台昇降手段と、エアー吸引性のベルトと、該ベルトを回転可能に保持する少なくとも2つの回転部材と、前記ベルトを回転駆動するベルト駆動手段と、前記給紙台上の最上の用紙を吸引するエアー吸引手段と、前記給紙台上の用紙の前面側にエアーを吐出するフロントエアー吐出手段と、前記給紙台上の用紙の側面側にエアーを吐出するサイドエアー吐出手段と、前記印刷装置本体への前記オプション給紙装置の装着時に、前記給紙手段の下方に位置して該給紙手段との間で所定の押圧力で接触し従動するように設けられ、エアー分離された用紙を搬送する給紙従動手段とを有することを特徴とするオプション給紙装置。
【請求項2】
請求項1記載のオプション給紙装置が装着される印刷装置において、
前記給紙従動手段の前記用紙搬送方向の下流側に設けられ、用紙の先端を検出する用紙検知手段と、
前記用紙検知手段が搬送されてきた用紙の先端を検出してから所定時間経過後に、前記ベルトの駆動を停止し、その後、前記給紙手段および前記給紙従動手段が用紙を搬送するように制御する第1の制御手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、
第1の給紙台上の最上の用紙の高さを検知する第1の高さ検知手段と、
第2の給紙台上の最上の用紙の高さを検知する第2の高さ検知手段と、
前記オプション給紙装置が装着されたことを検知する給紙装置検知手段と、
前記給紙装置検知手段が前記オプション給紙装置の装着を検知した場合に、第1の高さ検知手段からの信号を無効にするとともに、第2の高さ検知手段からの信号を有効にする第2の制御手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1記載のオプション給紙装置が装着される印刷装置において、
前記分離手段の押し付け力を電動で切り替える分離圧可変手段と、
前記オプション給紙装置が装着されたことを検知する給紙装置検知手段と、
前記給紙装置検知手段が前記オプション給紙装置の装着を検知した場合に、前記分離手段の前記分離搬送手段に対する押し付け力を解除するように前記分離圧可変手段を制御する第3の制御手段とを有することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−229089(P2012−229089A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98685(P2011−98685)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】