説明

オルガノポリシロキサンをベースとするコンパウンドを計量供給する方法

本発明は、オルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドが非連続的に個別の容量で取り出される、本質的に死空間なしの、容量の安定した容器からオルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドを計量供給する方法に関し、この方法は、計量供給工程前に計算された容量が、搬送されたコンパウンドの断熱圧縮率と出口での容器中で優勢な圧力と容器の容量との積として、計量供給工程で取り出される、コンパウンドの容量よりも大きいことによって特徴付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノポリシロキサンをベースとするコンパウンド、殊に室温で架橋可能なオルガノポリシロキサンコンパウンドを非連続的に計量供給する方法に関する。
【0002】
水の排除下に貯蔵可能であり、室温で水が侵入した場合に加硫してエラストマーとなる1成分−シールコンパウンドは、公知である。この製品は、大量に、例えば建設産業において使用される。この種の混合物のベースは、シリル基を末端基とするポリマーであり、これは反応性の置換基、例えばOH基又は加水分解可能な基、例えばアルコキシ基又はアセトキシ基を有する。更に前記シーラントは、充填剤、可塑剤、架橋剤、触媒並びに添加剤を含有してよい。高分散性ケイ酸は、充填剤として頻繁に使用される。この高分散性ケイ酸は、RTVIシールコンパウンドにできるだけ微少量で添加され、というのも、大量の割合の補強充填剤の場合、望ましくない高い引張応力が既に硬化された材料の伸びが僅かな際に達成されるからである。RTVIシールコンパウンドの製造は、例えば欧州特許第1884541号明細書中に記載されている。
【0003】
通常、RTVIシールコンパウンドは、その製造後に樽中に梱包されるか又は当該RTVIシールコンパウンドが最初に貯蔵される、いわゆる流体バッグ中に梱包される。引続き、この梱包品は、そのまま使用可能なパッケージ中、例えばカートリッジ、フレキシブルなポーチ又はチューブ中に梱包される。多くの場合、RTVIシールコンパウンドは、最初に大型のパッケージから一定の上流からの圧力で絞り出されるか、又は吸引によって取り出される。その後に、搬送機関、例えばスクリューポンプ又は歯車ポンプが使用される。
【0004】
搬送プロセスは、一般的に技術的に極めて要求が多く、というのも、ニュートン流体とは異なり、堅固なRTVIシールコンパウンドは、全く異なるレオロジー挙動を有するからである。殊に、RTVIシールコンパウンドは、当該RTVIシールコンパウンドの極めて高い粘度と共に、降伏価を有し、というのも、当該RTVIシールコンパウンドは、使用の際、例えば建設用継目をシールする際に垂直方向の継目から流出してはならないからである。
【0005】
それ故に、輸送操作のそれぞれの開始の際に、最初に降伏価は、高粘稠なRTVIシールコンパウンドが輸送管路中に移動を開始する前に、克服されなければならない。
【0006】
これは、著量の出力が搬送機関を介して混合物中に導入されることを意味する。この場合、このような出力導入は、極めて不利であり、というのも、反応機関内に存在する混合物の少なくとも一部分の強い機械的応力により、補強充填剤の構造が崩壊されるからである。これは、むしろRTVIシールコンパウンドの堅固さの損失をまねきうる。
【0007】
搬送すべき容量が高ければ高いほど、それぞれの搬送プロセスの開始時に出力導入及び搬送機関内でのRTVIシールコンパウンドの機械的応力もますます大きくなる。
【0008】
輸送機関内でのこの機械的応力が、搬送すべき全容量に関連して比較的小さな部分だけに関連し、ならびに逆混合プロセスがさらなる搬送プロセス中に起こるので、比較的長く継続される搬送プロセスが引続く場合には、製品の損傷は、頻繁に許容されうる。
【0009】
しかし、RTVIシールコンパウンドが小さなパッケージ中、例えば310mlのカートリッジ中に梱包される場合には、立場は全く異なる。この場合、RTVIシールコンパウンドの製品の損傷は、機械的応力によって著しい可能性があり、というのも、搬送プロセスは、絶えず中断され、カートリッジ中への梱包のためにそのつど新たに開始されなければならない。殊に、輸送機関内でのRTVIシールコンパウンドの容量が310mlを上廻る場合には、製品の損傷は、極めて高くともよい。これは、シールコンパウンドの一部分がむしろ数回機械的に強く負荷されることを意味する。これは、殊に故意に短い計量供給時間のために、極めて大きな搬送容量を有する計量供給ポンプが使用される場合である。
【0010】
RTVIシールコンパウンドを梱包用機械で計量供給するための別の方法において、望ましい量の計量供給後に、計量供給管路は、同様に閉鎖される。しかし、計量供給ポンプは、持続的に運転状態のままであり、RTVIシールコンパウンドをいわゆるオーバーフロー部を介して計量供給ポンプの上流の管路内に返送する。それによって引き起こされた製品損傷は、望ましいものではない。しかし、この製品損傷は、さらに、例えば機械の停止状態の際にオーバーフロー部を介するポンプ循環が比較的長時間に亘って運転されることによって増強される。
【0011】
更に、小さなパッケージへの梱包の際に非連続的な搬送によって、望ましくない圧力パルスは、梱包用機械の機械的装備に対して作用する。それによって、圧媒油、安定した金属管からフレキシブルなチューブ管路への移行の際の漏れ、圧縮空気装置における大きなガス容量による高い危険性及び高いノイズレベルの場合に高価な漏れ損失が生じる。
【0012】
付加的に、梱包装置は、比較的長時間に亘って静止しているという欠点が存在する。それというのも、計量供給が行なわれるパッケージは、このパッケージが空になった後に交換しなければならないからである。この静止時間は、機械の運転時間を著しく短縮する。
【0013】
本発明の対象は、オルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドが非連続的に個別の容量で取り出される、本質的に死空間なしの、容量の安定した容器からオルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドを計量供給する方法であり、この方法は、計量供給工程前に計算された容量が、搬送されたコンパウンドの断熱圧縮係数と出口での容器中で優勢な圧力と容器の容量との積として、計量供給工程で取り出される、コンパウンドの容量よりも大きいことによって特徴付けられている。
【0014】
本発明により使用されるコンパウンドは、有利にオルガノシロキサンをベースとする架橋性コンパウンド、特に有利に室温で縮合反応によって架橋可能なコンパウンド、いわゆる空気湿分の侵入下に硬化するRTVIコンパウンドである。前記のコンパウンドは、有利に縮合性基を有するシロキサン、架橋剤、触媒及び場合により他の材料を使用して調製される。出発材料、及びこのようなコンパウンドの調製方法は、既に広く公知である。このために、例えば本発明の開示内容の一部分である、EP−B−512730及びEP−B−1397428が指摘される。
【0015】
即ち、前記混合物は、その処方に応じて、任意の、好ましくは連続運転される装置において、例えば二軸スクリュー押出機、往復スクリュー式混練機又は回転子/固定子系を備えた混合装置を用いて調製されてよい。
【0016】
好ましくは、本発明により計量供給されたコンパウンドは、主にオルガノシロキサンからなり、この場合このコンパウンドは、特に有利にオルガノシロキサンを50〜99質量%、殊に60〜95質量%の量で含有する。
【0017】
好ましくは、本発明による方法において、このコンパウンドは、調製後に、本発明により前記コンパウンドが計量供給される容器中への導入前に自体公知の機械で、例えば二軸スクリュー押出機、二軸混練機又は往復スクリュー式混練機を用いて揮発分が除去され、及び脱ガスされる。これは、コンパウンドの問題のない搬送を可能にし、及び既に湿密のパッケージ中への必要とされる、気泡なしの梱包を提供する。
【0018】
本発明による方法において、計量供給すべきコンパウンドは、高粘性であり、好ましくはそれぞれ25℃及び1.0s-1の剪断勾配で測定した、10Pa・s、特に有利に100〜200000Pa・sの粘度を有し、及び有利に安定している(ISO 7390に相応して、垂直方向に懸吊されたアルミニウム異形材からの流出なし)。
【0019】
本発明により計量供給すべきコンパウンドの密度は、好ましくは25℃及び1013hPaで0.9〜1.8g/cm3である。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施態様において、高粘稠の架橋性ポリジメチルシロキサンをベースとするRTVIシールコンパウンドが使用される。
【0021】
本発明による方法の範囲内で、圧縮係数は、搬送されたコンパウンドが出口で優勢の条件下で有する係数を意味する。
【0022】
圧縮係数及びその測定は、一般に公知である。これについては、例えばNoll,Walter:Chemie und Technologie der Silicone,第2版 1968,Verlag Chemie GmbH,Weinheim/Bergstr.,第404頁、Lueger,Otto:Lexikon der gesamten Technik und ihrer Hilfswissenschaten,第5卷,Stuttgart und Leipzig,Deutsche Verlag−Anstalt,第581〜583頁又はD’Ans,Jean und Lax,Ellen:Taschenbuch fuer Chemiker und Physiker,第2訂正版 1949,Springer−Verlag,Berlin−Gottingen−Heidelberg,第738頁に指摘されている。この場合、完成したコンパウンドの圧縮係数は、算出されてもよいし、個々の成分の圧縮係数は、それぞれのコンパウンドの全容積に対する個々の成分の割合に相当してもよい。計量供給すべきコンパウンドの圧縮係数は、第1に使用されたオルガノポリシロキサンの種類及び割合に依存する。場合により使用される別の混合物成分、例えば付着助剤、触媒、架橋剤、及び殊に充填剤、例えば高分散性二酸化ケイ素及び炭酸カルシウム、又は殺真菌剤及び有色顔料は、一般的に圧縮不可能とみなされるか又は僅かに圧縮可能とみなされ、より少ない影響を及ぼす。これに対して、殊にシールコンパウンド中の前記材料の割合が例えば1.0容量%を上廻る場合には、有機可塑剤を考慮に入れることは適切である。
【0023】
本発明による方法において使用される、そこからコンパウンドが計量供給される容器は、有利に機械的に安定しており、ならびに気密性及び湿密性にシールされている。機械的に安定した構造形式における容器の本発明による実施態様は、材料、例えば鋼又はアルミニウムが好ましいことを意味する。例えば、コンクリートから構成される補強も可能である。機械的に安定した実施態様の目的は、殊に空気湿分の排除にあり、それというのも、侵入する空気湿分は、製品の損傷を引き起こすからであり、ならびに容器の変形に抗する高い耐性にある。
【0024】
本発明により使用される容器は、優勢な圧力及び温度の際に容量が安定している。本発明の範囲内での容量の安定は、作業圧力の印加による容量の増加率が個別の搬送容量の最大9%であることを意味する。更に、容量の安定は、容器の熱膨張が数分間又は数時間に亘る長期間でのみ変化するので、絶えず繰り返される計量供給操作を実現させるために容器中の圧力に影響を及ぼすことに利用され得ないことを意味する。
【0025】
本発明により使用される容器は、全ての任意の幾何学的形状を有することができ、好ましくは、球状又は円筒状の形であり、特に好ましくは、円筒状の形である。横断面は、矩形、円形又は卵形であってよい。特に好ましいのは、環状の横断面である。
【0026】
更に、大きな表面積と貯蔵容量との比を保証する、容器の内部寸法が好ましい。即ち、容器は、例えば円筒形の際に極めて長く極めて薄手であるべきである。好ましくは、本発明により使用される容器の長さと直径とからの商は、1〜10000、特に有利に1〜1000の値を有する。この場合、円筒形の容器が湾曲を有することは、好ましい。これは、例えば架橋性コンパウンドを調製するための連続運転される装置とこのコンパウンドを小さなパッケージに梱包するための装置とが隣接した位置に形成されている場合に有利である。
【0027】
容器よりも少ない直径を有する管路を有利に使用することによって、1つのタイプの栓流が保証され、それによって容器中でのコンパウンドの平均滞留時間は、短くなる。
【0028】
この容器は、多数の構造部材から構成されていてもよく、これらの構造部材は、予め完成されていてよく、及び例えばネジ締め又は溶接によって任意に組み立てられていてよい。前記の2つの構造部材の間のシールは、これらの構造部材が熱的負荷及び化学的負荷に耐え、即ちこれらの構造部材が使用されたコンパウンドの成分に抗して安定しているように選択される。
【0029】
本発明による方法の場合、本質的に死空間なしの容器の内部圧力は、持続的に少なくとも5000hPa、有利に少なくとも10000hPa、特に有利に10000〜60000hPaである。
【0030】
死空間とは、シロキサンで充填されているのではなく、例えばガス包含物で充填されている、容器中の容積要素を意味する。本発明の範囲内で、"本質的に死空間なしの"の表現は、工業的な運転で完全には排除し得ない、少量のガス包含物が存在することを意味し、この場合容積要素のガスの割合は、それぞれ容器中のコンパウンドの容積要素に対して有利に最大0.1体積%、特に有利に最大0.05体積%、殊に最大0.01体積%である。
【0031】
好ましくは、本発明により使用される管路は、耐蝕性の高合金鋼、例えばDIN 17007に規定された、材料番号1.4301の鋼又は特に有利に材料番号1.4571の鋼から製造されている。
【0032】
その容器から本発明により前記コンパウンドが計量供給される容器中での前記コンパウンド、特にシロキサンコンパウンドの容積流は、有利に毎時200リットルを上廻り、特に有利に毎時500〜5000リットル、殊に毎時800〜3000リットルである。
【0033】
本発明により使用される容器は、有利に少なくとも250リットル、特に有利に250〜2000リットル、殊に500〜1500リットルの容量を有する。
【0034】
好ましくは、内側又は外側の温度処理装置は、配置されていない。
【0035】
しかし、例えば液状又はペースト状の材料を混入するために、動的又は静的混合機、又は混合要素は、容器中に配置されていてよい。このような混合プロセスが実施される場合には、前記の混合機又は混合要素は、有利に出口開口の直前に配置される。
【0036】
前記容器は、コンパウンドのための入口開口及び出口開口を装備している。入口開口と出口開口との間の容器中には、圧力勾配が生じる可能性があり、このことは、好ましい。入口開口と出口開口との間の容器中に圧力勾配が存在する場合には、この圧力勾配は、有利に最大50000hPa、特に有利に2000〜30000hPaであり、この場合入口開口での圧力は、有利に出口開口での圧力よりも高い。圧縮された容量を計算するためには、出口開口の直前の圧力が考慮される。
【0037】
本発明による方法の場合、容器は、−20〜150℃の温度範囲内、有利に10〜60℃で運転される。
【0038】
本発明による方法の場合、有利に連続的に調製される混合物は、連続的に閉鎖された管路系を介して入口開口を通じて本発明により使用される容器に、有利に搬送装置、例えば歯車ポンプを用いて供給される。
【0039】
しかし、容器を絶えず補充するためには、多種多様の貯蔵容器、例えば桶、流体用バッグ又はタンクコンテナが使用されてもよい。
【0040】
特に有利には、コンパウンドの供給は、本願の開示内容に含まれるドイツ連邦共和国特許出願公開第102007002379号明細書の記載と同様に、貯蔵装置を使用することによって支持される。これは、コンパウンドを搬送機関中に押込むために、搬送機関の前方に絶えず実質的に高い進入圧力が存在することによって保証される。
【0041】
コンパウンドを本発明による容器中に搬送するためには、全ての公知の加圧ユニット、例えば押出機又はポンプが使用されてよい。好ましいのは、歯車ポンプである。
【0042】
容器中の入口開口は、有利に円形である。この入口開口は、有利に最大200cmの寸法(最大直径として)を有し、この場合3〜50cmの寸法は、特に有利である。
【0043】
しばしば、搬送管路の上流にスクリーン、例えばいわゆるストレーナを取り付けることは、有意義である。それによって、場合により存在する大きな充填物粒子又は粗大な不純物は、混合すべき材料から除去されうる。
【0044】
出口開口は、有利にシリコーンコンパウンドの流動方向に沿っての容器の端部でのクロージャー、例えばボールコック又はピストン弁である。このクロージャーは、有利に電気的に制御されて短時間、計量供給すべき容量が容器から取り出されるまで開放される。この場合、このコンパウンドは、直接小さなパッケージ中に計量供給されうる。しかし、取り出された容量は、僅かな圧力及び剪断力の作用下で、例えば計量供給ピストンを使用することによって、設けられた小さなパッケージ、例えばチューブ、カートリッジ又はフレキシブルなポーチ中に押し込められてもよい。
【0045】
本発明により計量供給すべき容量は、小さなパッケージ中の梱包された量、例えばいわゆるフレキシブルなポーチにおいて600ml、PEカートリッジにおいて310ml又はアルミニウムチューブにおいて80mlに相当する。
【0046】
本発明による方法の1つの重要な特徴は、シリコーンコンパウンドが連続的に容器中に搬送され、それと同時に非連続的に個別の量で取り出されることにある。
【0047】
この場合、材料の連続的な供給には、大きな利点が存在する。それというのも、いわゆるのろのろ運転の強い機械的負荷は、回避されるからである。
【0048】
また、本発明による方法は、比較的長い期間、例えば数時間又は数日間に亘って、中断なしに運転されることができ、それによって梱包装置の時間に対する利用率が極めて高いという利点を有する。
【0049】
更に、本発明による方法は、容器中で早期の製品硬化が生じないという利点を有する。
【0050】
本発明による方法は、極めて短い被膜形成時間を有するコンパウンドでも梱包することができるという利点を有する。
【0051】
本発明による方法は、貯蔵容器の交換を行うために、スタッフを全く必要としないという利点を有する。
【0052】
本発明による方法は、中断なしに長時間に亘って運転することができるという利点を有する。
【0053】
本発明による方法は、コンパウンドを残留物及び廃棄物なしに梱包することができるという利点を有する。
【0054】
本発明による方法は、圧力パルスが梱包装置で発生しないという利点を有する。
【0055】
本発明による方法は、極めて僅かな機械的費用で運転することができるという利点を有する。
【0056】
以下に記載される実施例では、部及びパーセンテージで示される全ての記載は、別記しない限り、質量に対するものである。別記しない限り、次の実施例は、周囲大気の圧力で、即ち約1000hPaで、かつ室温で、即ち約20℃で、もしくは反応体を室温で付加的な加熱又は冷却をせずに合わせる場合に生じる温度で実施される。実施例において挙げられた全ての粘度データは、25℃の温度に関するものである。
【実施例】
【0057】
実施例1
連続運転される二軸スクリュー押出機中で、酢酸の除去下に硬化する、1.02g/cm3の密度を有する、透明で感湿性の硬いRTVIシールコンパウンド1200リットル/時間を調製した(80000mPasの粘度を有する、ジアセトキシメチルシリル末端基とジアセトキシビニルシリル末端基を1:2の比で有する、ポリジメチルシロキサン66.95質量%、1000mPasの粘度を有するα,ω−ビス−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン22.0質量%、アセトキシシランからなる混合物4.5質量%、ジブチル錫ジアセテート20質量%と有機可塑剤80質量%とからなる混合物0.05質量%ならびに150m2/gのBET表面積を有する熱分解法ケイ酸6.5質量%からなる混合物)。引続き、RTVIシールコンパウンドを連続的に脱ガスし、約40℃に冷却し、歯車ポンプを用いて閉鎖された管路系を通じて下方から床開口を経て900リットルの最大容積を有する空の貯蔵装置中に押込む。
【0058】
この貯蔵装置は、約9000hPaの不断の圧力下にあり、このことは、貯蔵容器の数メートル下流に配置された歯車ポンプに他の管状導管を介して供給するために進行圧力として十分である。この歯車ポンプを用いて、RTVIシールコンパウンドを25000hPaの圧力で8.4cmの直径の円形の入口開口を通じて円筒形の容器中に押し込む。この溶液の出口開口で12000hPaの圧力及び37℃の温度を測定した。
【0059】
その容器から本発明により計量供給が実施される容器は、65メートルの長さ及び16.0cmの内径を有する管状導管である。この場合、この管状導管は、構造環境により6回湾曲された(DIN 17457の規定により溶接された管から形成された管の湾曲、材料1.4571、モデル10)。容器の壁は、4mmの厚さの特殊鋼から構成されていた(材料1.4571、DIN EN 10217に規定されたような構成)。この容器は、出口開口としての弁で閉鎖され、この弁の開いた断面積は、20cm2であった。
【0060】
記載された寸法から、25000hPaの管路の開始部に印加された圧力で、及び12000hPaの管路の終端部に印加された圧力で容量が一定と見なされる、1311m3の容器の容量が算出される。
【0061】
37℃及び12000hPaでの使用されたコンパウンドの断熱圧縮係数は、0.90・10-92/Nであった。
【0062】
それによって、有効容量と断熱圧縮係数と出口開口での圧力とからの積が1.41リットルであることが判明する。
【0063】
それぞれの計量供給工程でRTVIシールコンパウンド310mlが取り出された。従って、搬送されたRTVIシールコンパウンドの断熱圧縮係数と容器中で出口開口で優勢な圧力と容器の容量とからの積としての1.41リットルの算出された容量は、個々の計量供給工程で取り出された、RTVIシールコンパウンドの容量よりも大きい。
【0064】
310mlの取り出された容量を、計量供給ピストンを用いてカートリッジ梱包装置中でポリエチレンカートリッジ中に押し込んだ。この場合、いわゆる二重ヘッドマシンの使用は、極めて高い梱包性能を可能にした。
【0065】
それぞれの個々の容量により制御される計量供給工程は、0.5秒間継続された。引続き、この容器は、出口で0.5秒間閉鎖されたままであった。
【0066】
従って、梱包装置の能力は、8時間につき28800個のカートリッジであった。
【0067】
全部で8時間の間に、容器に記載された運転条件下で連続的に毎分18.6リットルの新しい材料を供給した。
【0068】
前記装置は、数時間に亘って故障なしに運転された。圧力パルスは、観察されなかった。
【0069】
実施例2
実施例1を同じ条件下で繰り返したが、しかし、次の組成を有するRTVIシールコンパウンドを使用した(密度0.98g/cm3):80000mPasの粘度を有する、ジアセトキシメチルシリル末端基とジアセトキシビニルシリル末端基を1:2の比で有する、ポリジメチルシロキサン65.6質量%、40℃で6.2mm2/秒の動粘度、0.79の粘度−密度定数及び300〜370℃の沸騰範囲を有する炭化水素混合物23.8質量%、アセトキシシランからなる混合物2.8質量%、ジブチル錫ジアセテート20質量%と有機可塑剤80質量%とからなる混合物0.05質量%ならびに150m2/gのBET表面積を有する熱分解法ケイ酸7.5質量%及び約600gのモル質量を有するポリアルキレングリコール0.25質量%からなる混合物。
【0070】
37℃及び12000hPaでの使用されたコンパウンドの断熱圧縮係数は、0.89・10-92/Nであった。それによって、容器の有効容量と断熱圧縮係数と出口開口での圧力とからの積が1.39リットルであることが判明し、これは、また、それぞれ取り出された、0.31リットルの容量よりも大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドが非連続的に個別の容量で取り出される、本質的に死空間なしの、容量の安定した容器から、オルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドを計量供給する方法において、計量供給工程前に計算された容量が、搬送されたコンパウンドの断熱圧縮率と出口での容器中で優勢な圧力と容器の容量との積として、計量供給工程で取り出される、コンパウンドの容量よりも大きいことことを特徴とする、オルガノケイ素化合物をベースとするコンパウンドを計量供給する方法。
【請求項2】
コンパウンドは、オルガノポリシロキサンをベースとする架橋性コンパウンドである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
コンパウンドは、オルガノシロキサンを50〜99質量%の量で含有する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
コンパウンドは、高粘稠性であり、25℃及び1.0s-1の剪断勾配で測定した、10Pa・sを上廻る粘度を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
容器は、僅かな直径を有する管状管路である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
容器は、少なくとも250リットルの容量を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
本質的に死空間なしの容器の内部圧力は、持続的に少なくとも5000hPaである、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2012−526711(P2012−526711A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510203(P2012−510203)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055975
【国際公開番号】WO2010/130592
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】