説明

オルガンのピアニッシモスエル

【課題】オルガンが何時でもピアニッシモ(最も弱く)やクレッシエンド(だんだん強く)やデミニエンド(段々弱く)が自在に出来、豊かな音楽表現を可能とする。
【解決手段】空気袋板12に凸面板を貼り付け通気口8やバルブ13からの逆流や空気漏れを防ぎ、空気袋内の空気を安定化し、さらに棚板等の通気口に設けた開閉蓋によって空気量を調節し袋内の空気残量をコントロールすることによって、ピアニッシモやデミニエンドを容易にし、音量変化を自在にし、豊かな音楽表現を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオルガンの空気持ちを良くし、随所にピアニッシモ効果を出せるピアニッシモスエルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のオルガンは足で踏み空気を送り又は吸出し、空気圧を変化させて演奏してきた。踏み込むことによって空気量が変化し大きな音を出してきた。しかし大きな音量(フオルテッシ)のあと急に小さな音(ピアニッシモ)は出せない、空気の残量がある限り残りの音を出し続けるか、演奏を中止するか、又は多くの音を同時に出してきた。又多くの音を出しすぎると空気が足りなくなり音が続か無くなる等オルガン音楽の表現に限界があった。又曲想に沿った強弱を自在につけた演奏は出来なかった。
【0003】
オルガンはリードオルガン、電動オルガン、パイプオルガン、ハルモニックオルガンを含み、すべて空気圧によって発音する仕組みになっている。どれも空気圧が高くなった(フオルテッシモ)時、急に低いやさしい音(ピアニッシモ)での演奏は出来ない。急な強弱の変化をつけた演奏は出来ない欠点を持ち続けてきた。
【0004】
空気袋の板が平面(A部分)でバルブが密着せず、空気の止まりが不完全で空気漏れや空気が逆流して空気圧が不安定となる欠点を持っていた。
【先行技術文献】
【非特許文献1】
【0005】
「Das Buch Von Del Orgel」―Borenreiter 2)「The American Reed Organ」―RobertF,Gellerman 3)「オルガンの文化史」―赤井励 青弓社 4)「オルガンの歴史とその原理」―平島達司 学芸研究会刊 5)「楽器の歴史」―皆川達夫 パルコ出版 6)「Das Harmonium Venlag Erwin」−Bochinsky 7)「Harmonium」Arthur W,J,G Ord−Hume「すぐできるオルガン修理」―加藤正治、 オルガン関係出版物にもピアニッシモ効果の記載は見当たらない。
【発明の概要】

【発名が解決しようとする課題】
【0006】
オルガンは構造的に空気漏れが大きく空気袋の空気がたちまち減少してしまい演奏を継続するのが困難な場合があり、又随所にピアニッシモの表現を織り込むことは困難であった。多くの音を同時に出す場合はペダルを頻繁に踏み込み空気量を確保する必要があった。
【0007】
本発明は空気袋の通気口バルブを凸面11に改造(B面)しバルブ13を密着させ空気持ちを良くし、また棚板部分等には新たに通気口8を設け演奏途中ピアニッシモスエル2を左から右方向に操作すること、又は逆もあり、によって空気袋の空気残量を操作し、ピアニッシモ(極弱い音)やデミニエンド(だんだん弱く)の効果を何時でも瞬時に発揮できる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は空気袋12のバルブ台通気口8を図のように凸面(B面11)にし、真ん中を膨らませ上下に連なるバルブ13を大袋バルブバネ14で引っ張ることによって通気口8は完全に止まり、空気持ちが良くなり、又図2の如く棚板9等に通気口8を開け、開閉蓋1を開閉することによって瞬時に何時でも内部16の空気圧を変化させ、ピアニッシモ(最も弱く)が出せるよう空気圧をコントロールさせる物である。
【発明の効果】
【0009】
上記のごとく空気袋のバルブ台(A面)を凸面に丸く台形(B面)にし、バルブが均等に加圧し通気口8をふさぐ為、空気持ちがよくなり、又新たに棚板9等に通気口8を設け開閉蓋1により内部空気圧16をコントロールすることによりオルガンが何時でもピアニッシモ(最も弱く)やクレッシエンド(だんだん強く)やデミニエンド(段々弱く)が自在に出来、豊かな音楽表現が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】空気袋の説明図
【図2】棚板の通気口と開閉蓋ピアニッシモスエルの断面説明図
【図3】開閉蓋開き時の断面説明図
【図4】オルガン全体斜視図
【実施例1】
【0011】
本発明は新品製作時に空気袋及び棚板に設け、又中古オルガンにも同様に取り付け可能なものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
オルガン製造時に空気袋板や棚板9等に取り付け出来、また修理時にも空気袋板や棚板等に取り付ける事によってピアニッシモやデミニエンドが存分に出来豊かな音楽表現が可能となるものであります。
【産業上の利用可能性】
【0013】
この発明はオルガン音楽を豊かな表現力で、より優れたものにし音楽教育上重要な立場を確立し、オルガン産業を活発化させる起爆剤になるものである
【符号の説明】
【0014】
1 開閉蓋
2 ピアニッシモスエル
3 L字金具
4 ピアニッシモスエルのストッパー
5 ピアニッシモの蝶番
6 スエル戻しバネ
7 開閉蓋カバー
8 通気口
9 棚板
10 開閉蓋もどしバネ
11 凸面バルブ台
12 空気袋大袋
13 大袋バルブ
14 大袋バルブバネ
15 響鳴板
16 空気袋直結空気室
17 オルガン本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガンの空気袋通気口に凸面板を貼り付け、バルブをバネで引くことによってピッタリ接し空気の逆流や漏れを塞ぎ長い空気持ちを実現し、さらに棚板等に通気口を設け開閉蓋を設け、ピアニッシモスエルによって開閉し、空気袋内の空気圧を自在にコントロールし、ピアニッシモやピアノにコントロールし、デミニエンドを容易にせしめてオルガンの音楽表現を豊かにすることを特徴とするものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−133835(P2011−133835A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299541(P2009−299541)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(308022737)