説明

オンライン取引サービスの調停

【課題】オンライン取引サービスの調停の方法とシステムを提供する。
【解決手段】コンテンツタイトルに関連した補助的なコンテンツがマーケットすなわちコンテンツの店にリストされる。クライアントデバイスは取引サーバに調停された通信を送信する。調停された通信は、調停データと、補助的なコンテンツの転送に関するリクエストとを含む。クライアントデバイスに関連づけられたユーザアカウントが特定され、補充コンテンツはその後、ユーザアカウントに割り当てられる。補助的なコンテンツの割り当てに関連づけられたアクティビティに関するレポートが調停データにしたがって生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2009年11月16日に出願された米国仮特許出願61/261,691号および2009年11月16日に出願された米国仮特許出願61/261,652号の優先権の利益を主張する。本願は、2007年6月6日に出願された「キャッシュコンテンツ一貫性管理」と題する米国特許出願11/759,155号、2007年6月6日に出願された「インタラクティブ環境における予備的コンテンツに対する調停」と題する米国特許出願11/759,143号、それと同時に出願された「コンテンツ関連サービスの調停」と題する米国特許出願に関連する。
【0002】
[技術分野]
本発明はサービスの調停(仲介)に関する。より具体的には、本発明はオンライン取引サービスの調停に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタルコンテンツは、オーディオ、ビデオ、ビデオゲーム、およびソフトウェアアプリケーションの範囲まで広がっている。そのようなコンテンツは典型的には、通信ネットワークを介したダウンロードまたはCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)のような光ディスクを含むデジタルストレージメディアの形で、販売されるか転送される。コンテンツはまた、フラッシュメモリのような不揮発性メモリの類を介して販売されるか転送されることもある。コンテンツタイトルは、たとえば、特定の映画、テレビショー、およびビデオゲームのことを指す。
【0004】
デジタルコンテンツは、コンピューティングデバイス、メディアプレイヤ、および/またはゲームコンソール上で再生される。そのようなデバイスはインターネットのような通信ネットワークへのアクセスをもつため、コンテンツの最初の販売または転送に続いて、コンテンツを更新、アップグレード、さもなければ補充するために、通信ネットワークを介してデジタルコンテンツに関連づけられた様々なサービスを提供することができる。そのようなサービスには、補助的なコンテンツ、付属コンテンツ、カスタマイズコンテンツの他、特定のコンテンツをアップグレードするオプションがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
あるコンテンツプロバイダは、様々な形態のコンテンツを補充するためのリソース、権利、専門技術をもっていない。他のコンテンツプロバイダは、コンテンツのリリースの後、コンテンツを補充することにエネルギーとリソースを集中させたくないかもしれないが、そのコンテンツを補充する機会は提供したいかもしれない。自分のコンテンツまたは他人のコンテンツの楽しみ、有用性、望ましい状況を強化するために、コンテンツプロバイダは、サードパーティのサービスプロバイダによって補助的なサービスが提供されることを許容するかもしれない。
【0006】
補助的なサービスには、コンテンツタイトルに関連する補助的なコンテンツの取引が含まれる。補助的なコンテンツには、1以上のゲームタイトルで使用される、ゲームプレイヤにとって現実的あるいは内在的な価値を有するデジタルオブジェクトが含まれる。ゲーム開発者はそのようなコンテンツを直接提供したくないため、サードパーティが、そのような補助的なコンテンツを購入し、取引し、管理するマーケットを主催することが許される。
【0007】
オンライン取引サービスに関するユーザアクティビティに関連した統計上、会計上、および簿記上の情報を提供するサービスプロバイダの必要が複雑なくらい重要性を増している。サードパーティのサービスプロバイダによって提供されるオンライン取引サービスの調停が当該技術分野で必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施の形態は、オンライン取引サービスの調停を提供する。コンテンツタイトルに関連した補助的なコンテンツがマーケットすなわちコンテンツの店にリストされる。クライアントデバイスのユーザは取引サーバに調停(仲介)された通信(コミュニケーション)を送信する。調停された通信は、調停データと、補助的なコンテンツの転送に関するリクエストとを含む。ユーザアカウントが特定され、補充コンテンツはその後、ユーザアカウントに割り当てられる。補助的なコンテンツの割り当てに関連づけられたアクティビティに関するレポートが調停データにしたがって生成される。
【0009】
本発明の様々な実施の形態は、オンライン取引サービスの調停方法を含む。そのような方法は、クライアントデバイスから取引サーバへ送信された調停された通信を受信するステップを含む。そのような調停された通信は、調停データと、クライアントデバイス上でプレイされるコンテンツタイトルに関連する補助的なコンテンツの転送に関するリクエストとを含む。方法はさらに、調停された通信に関連づけられたユーザアカウントを特定し、クライアントデバイスに関連づけられたユーザアカウントに補助的なコンテンツを割り当て、クライアントデバイスに関連づけられたユーザアカウントに補助的なコンテンツを割り当て、調停データにしたがって補助コンテンツの割り当てに関連づけられたアクティビティに関して取引サーバから調停サーバにレポートを送信することを含む。
【0010】
さらなる実施の形態はオンライン取引サービスの調停システムを含む。そのようなシステムは、クライアントデバイス上でプレイされるコンテンツタイトルに関する補助的なコンテンツの店をホスティングするように構成されたマーケットプレイスと、調停データと補助コンテンツの転送に関するリクエストを含む調停された通信(コミュニケーション)を受信し、調停された通信に関連づけられたユーザアカウントを特定し、マーケットプレイスサーバからクライアントデバイスに関連づけられたユーザアカウントへ補助的なコンテンツを割り当てるように構成された取引サーバとを含む。システムはさらに、クライアントデバイスからの通信またはクライアントデバイスへの通信を調停するように構成された調停サーバを含む。
【0011】
本発明のさらに別の実施の形態において、コンピュータ読み取り可能なストレージメディアが提供される。オンライン取引サービスの調停方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムがコンピュータ読み取り可能なストレージメディア上に具体化される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】オンライン取引サービスの調停のためのシステムが実装される例示的なサーバ−クライアント環境を示す。
【0013】
【図2】オンライン取引サービスの調停のための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、コンテンツ関連の調停のためのサーバ−クライアント環境100を図示する。環境100において、1以上のクライアントデバイス130Aおよび130Bが、通信ネットワーク110を介して他のコンピューティングデバイスと通信している。クライアントデバイス130A、Bは、デジタルストレージメディア120上に具体化されたコンテンツやネットワーク110を介してコンテンツプロバイダからダウンロードされるコンテンツを再生することができる。図1に示すような環境100はまた、調停サーバ140、レポーティングサーバ150、様々なサービスプロバイダ(たとえば、マーケットプレイスサーバ160A、取引サーバ160B、ゲームサーバ160C)、およびパートナーサーバ170を含む。
【0015】
通信ネットワーク110は、ローカルな私有のネットワーク(たとえば、イントラネット)であったり、より大きなワイドエリアネットワークの一部であってもよい。通信ネットワーク110は、インターネットのようなワイドエリアネットワーク(WAN)に通信可能に結合されたローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよい。インターネットは、相互結合したコンピュータとサーバの広いネットワークであり、ネットワークサービスプロバイダを通じて結合されたユーザの間でインターネットプロトコル(IP)データを伝送し、交換することが可能である。ネットワークサービスプロバイダの例は、公衆交換電話網、ケーブルサービスプロバイダ、デジタル加入者回線(DSL)サービス、または衛星サービスプロバイダなどがある。通信ネットワーク110により、サーバクライアント環境100の様々なコンポーネントの間の通信が可能になる。
【0016】
図1のデジタルストレージメディア120は、CDまたはDVDのようなメディアストレージデバイスを含む。デジタルメディアには、当該デジタルストレージメディア120上でアクセスされ、クライアントデバイス130上で実行または「プレイ(再生)」されるコンテンツファイルのような情報とコンテンツが含まれる。デジタルメディアには、データの一部またはロックされるか「セキュア」なデータが含まれる。そのデータをアンロックし、アクセスし、プレイし、さもなければ利用するために、さらなる情報、および/または、ゲームサーバ160Cか他のサービスプロバイダ160とのインタラクションが必要になる。
【0017】
ある実施例では、さらなる情報またはコンテンツ自身が通信ネットワーク110を介してダウンロードされる。そのような実施例では、さらなる情報またはダウンロードされたコンテンツはクライアントデバイス130のメモリに格納されるか、クライアントデバイス130がアクセス可能なストレージデバイスの形で格納される。ダウンロードされるか、デジタルストレージメディア120からアクセスされるかを問わず、コンテンツは、あるコンテンツセレクションを別のコンテンツセレクションから区別するか、分類するためのメタデータまたは他の情報をさらに含んでもよい。
【0018】
ある例では、クライアントデバイス130において管理されるか、デジタルストレージメディア120上にあるか、あるいは、通信ネットワーク110を介してアクセスされるコンテンツは、サービスソフトウェア開発キット(SDK)と併せて開発される特定の補助データまたはサービスとさらに関連付けられている。サービスプロバイダ160はサービスSDKを用いて、特定のサービスを特定のコンテンツタイトルまたはセレクションと統合する。サービスSDKの初期化には、特定のサービスがクライアントデバイス130上のコンテンツのユーザまたはプレイヤに利用可能であるという決定が必要である。たとえば、特定のゲームタイトルのような特定のコンテンツは、特定のサービスプロバイダ160からのサービスに関連づけられている。特定のサービスプロバイダ160は、専門的化し、ライセンスされ、さもなければ、技術的にゲームタイトルに関連した特定のサービスを提供できる。コンテンツ関連サービスおよび/またはそのようなサービスのサービスプロバイダ160の利用可能性に関する決定にもとづいて、コンテンツ関連サービスに関するサービス調停の要求は、クライアントデバイス130から調停サーバ140へ送信される。
【0019】
クライアントデバイス130は、電子ゲーミングシステムのような電子クライアントまたはエンドユーザデバイス、汎用コンピュータ、セットトップボックス、ブルーレイ(登録商標)プレイヤ、またはデジタルストレージメディア120上に格納されたコンテンツにアクセスできる携帯ゲームデバイスであってもよい。クライアントデバイス130は、ソニーコンピュータエンタテインメント社のプレイステーション(登録商標)3のようなホームエンターテインメントデバイスや、同じくソニーコンピュータエンタテインメント社のPSP(登録商標)Goシステムを含むプレイステーションポータブル(PSP(登録商標))のような携帯メディアデバイスであってもよい。クライアントデバイス130は、フルモーションビデオやスチルフレームコンテンツに加えてオーディオだけのコンテンツも含まれるDVDやCDの他、他の光メディア、フラッシュメディアまたはオンデマンドメディアを再生または実行できるホームメディアセンターであってもよい。クライアントデバイス130はまた、携帯電話のようなモバイルデバイス、携帯情報端末(PDA)、またはネットブック(すなわちミニチュアカップトップコンピューティングデバイス)を含んでもよい。
【0020】
クライアントデバイス130は、メモリカードやディスクドライブのような他のストレージメディアからのデータにアクセスするように構成されており、ダウンロードされたコンテンツの場合にはそれは適切である。クライアントデバイス130は同様に、ネットワークまたはアドホック通信ネットワークを介した別のコンピューティングデバイスとの同期オペレーションのような他の通信オペレーションを通して主要なコンテンツおよび/または補助的なコンテンツを受信し、クライアントデバイス130またはクライアントデバイス130に結合されたストレージデバイスにローカルにコンテンツを格納し、サーバとデータを交換することのできる任意のデバイスを含む。このデータ交換は、調停サーバ140、レポーティングサーバ150、および/またはサービスプロバイダ160またはパートナー170に関連づけられたサーバとの交換を含む。
【0021】
各クライアントデバイス130はユニークなデバイス識別子と関連づけられている。クライアントデバイス130を使用している間、ユーザは(手動またはネットワーク110を介したデータの自動交換により)クライアントデバイス130(およびデバイス識別子)をデータベースまたはサーバに登録してもよい。クライアントデバイス130が登録された後、クライアントデバイス130は、デバイス識別子、対応するユーザ識別子、あるいはその両方を参照することにより、識別される。サーバは、デバイス識別子、対応するユーザ識別子、またはその両方を格納する。クライアントデバイス130は、ネットワークやメディアインタフェースのような標準的なコンピューティングコンポーネント、コンピュータ読み取り可能なストレージ(メモリ)、およびメモリに格納されるインストラクションを実行するためのプロセッサを含む。
【0022】
調停サーバ140、レポーティングサーバ150、サービスプロバイダ160に関連づけられたサーバ群、またはパートナー170のようなサーバは、当該技術分野で知られるコンピューティングデバイスであり、ネットワークやメディアインタフェースのような標準的なコンピューティングコンポーネント、コンピュータ読み取り可能なストレージ(メモリ)、およびメモリに格納されるインストラクションを実行するためのプロセッサを含む。複数のサーバの機能を単一のサーバに統合してもよい。前述のサーバ(または統合されたサーバ)はいずれも、クライアントの側面、キャッシュ、またはプロキシサーバの特性をもつ。これらの特性は、サーバの特定のネットワーク配置またはサーバの特定のコンフィグレーションに依存する。
【0023】
サービスプロバイダ(たとえばサービスプロバイダ160)によって提供されるコンテンツ関連サービスの調停に対するリクエストは調停サーバ140に送信される。調停に対するそのようなリクエストは、「トークン」、すなわちクライアントデバイス130とサービスプロバイダ160についての情報を含む特定の情報を反映する他のデータを含んでもよい。この情報はデバイス識別子、デバイスの地理的地域、サービスタイプ、サービスプロバイダ識別子、および、デバイスおよび/またはサービスプロバイダに関する特定のコンフィグレーション情報を含む。前述の「トークン」すなわち調停リクエストの一部として含まれる情報はさらに、クライアントデバイス130のユーザに関連する情報、たとえば、ユーザ識別子、ネットワークアドレス、地理的位置の他、クライアントデバイス130上で実行されるか「プレイ」されるコンテンツに関連する情報を含み、それはゲームタイトルまたは他のタイトル識別子を通じて示される。「トークン」はさらに、要求されたサービスまたは指定されたサービスプロバイダ160に関する情報を含み、これはサービス識別子を通じて生じる。
【0024】
トークンは動的であるから、トークンに関連づけられた情報が更新されると、トークンは更新される。調停リクエストに提供された情報にもとづいて、調停サーバ140は、ユーザおよび/またはクライアントデバイス130を認証してもよい。クライアントデバイス130から受信されたデータはまた、クライアントデバイス130の同一性、クライアントデバイス130のユーザの同一性、および/または調停リクエストに関連するデータの完全性(インテグリティ)を検証するために暗号を用いて署名されてもよい。調停リクエストの一部と対応するトークンとして提供される情報はまた、調停サーバ140によって、パーミッション集合を決定し、パーミッション集合と、要求されるならば、クライアントデバイス130に対するコンフィグレーション情報とを提供するために、使用されてもよい。パーミッション集合および/またはコンフィグレーションの提供にもとづいて、クライアントデバイス130は、対応するパーミッション集合にしたがって提供されるべき要求サービスにアクセスする。
【0025】
クライアントデバイス130に対して決定されたパーミッション集合は、調停リクエストに含まれる情報によって示されたマーケットセグメント情報にもとづいてもよい。マーケットセグメントは、地理的場所、地域、クライアントデバイス130のタイプ、ユーザ情報、およびこれらの組み合わせを参照してもよい。たとえば、特定のサービスオプションは、特定のユーザ、より具体的には、特定の地理的場所にいるユーザのクライアントデバイス130にだけ利用可能であってもよい。
【0026】
あるいは、リクエストされたサービスに対して複数のサービスプロバイダ160があってもよく、サービスプロバイダ160が複数の配信元と関連づけられてもよい。そのような実施例では、サービスプロバイダ160は、たとえば、地理的場所を含むマーケットセグメント情報に少なくとももとづいて、クライアントデバイス130にリクエストされるか、割り当てられる。サービスプロバイダ160によって提供されるサービスの利用可能性を決定する他のファクタもまた適用できる。たとえば、サービスは、特定のブランド、モデルのあるクライアントデバイス130にだけ利用可能であったり、周辺デバイスの存在を要求したり、ユーザがある年齢であることを証明することをユーザに要求する。
【0027】
ある実施例では、調停リクエストは、クライアントデバイス130の現在のコンフィグレーションを示す。調停サーバ140は、そのような情報を用いて、クライアントデバイス130と要求されたサービスの特定されたサービスプロバイダ160の間の調停されたコミュニケーションを許可するためにどのようなコンフィグレーション情報を生成する必要があるかを決定する。ある実施例では、コンフィグレーション情報は前もって生成され、決定されたパーミッションにもとづいて選択される。このように、コンフィグレーション情報は、各要求元のクライアントに対して生成されるというよりはむしろ、カタログから選択されてもよい。デフォールトコンフィグレーションが存在し、あるマーケットセグメントに関連づけられてもよい。そのため、調停サーバ140は、マーケットセグメント情報にもとづいてクライアントデバイス130に送信するべき現存するコンフィグレーションを単に指定することができる。
【0028】
調停サーバ140はまた、クライアントデバイス130にコンフィグレーション情報を送信してもよい。コンフィグレーション情報は、特定のサービスプロバイダ160に対するパーミッションの集合を適用するものであってもよく、パーミッション集合には、その特定のサービスプロバイダ160との調停された通信、要求されたサービスが提供される方法、および関連するサービスオプションが含まれる。コンフィグレーション情報にしたがったクライアントデバイス130のコンフィグレーションにより、クライアントデバイス130とサービスプロバイダ160の間で調停されたコミュニケーションが始められるようになる。より具体的には、コンフィグレーション情報を実装することによって、対応するパーミッション集合にしたがって、要求されたサービスがクライアントデバイス130に提供されるようになる。
【0029】
クライアントデバイス130がサービスプロバイダ160からサービスを受け取ることが可能になることに加えて、パーミッション集合はまた、サービスに関連するアクティビティに関して、どのような情報を追跡して、レポーティングサーバ150に提供するかを決定するものであってもよい。たとえば、サービスには、特定のゲームまたは映画タイトルにおいて表示される広告のような補助的なコンテンツをクライアントデバイス130のユーザに提供することが含まれてもよい。
【0030】
補助的なコンテンツに関わるアクティビティ、たとえば、イベントや補助的なコンテンツとのインタラクションに関するユーザが生成したデータや、ゲームタイトルに補助的なコンテンツを配信して導入することに成功したというような、その他のサービスアクティビティの結果を追跡してレポーティングサーバ150に配信してもよい。この情報のレポーティングは、コンフィグレーション情報に具体化され、調停サーバ140によって決定されたパーミッション集合にもとづくものであってもよい。たとえば、パーミッション集合は、広告のインプレッションを追跡し、評価するためのパラメータを示すものでもよく、それによれば、ゲームキャラクタは、インプレッションがカウントされるために広告と相互作用しているか、ある距離以内にいなければならない。クライアントデバイス130は、パーミッション集合にしたがってそのような情報を追跡し、様々なレポートを生成してもよい。その後、そのようなレポートをレポーティングサーバ150に送信してもよい。あるいは、特定のゲームタイトルをモニタするためにサービスプロバイダ160を設けてもよく、調停によって、サービスプロバイダ160がクライアントデバイス130上のゲームタイトルに関連するイベントやアクティビティをモニタすることが可能になる。
【0031】
パーミッション集合はさらに、サンプリングや集約(アグリゲーション)の頻度に関するレポーティングパラメータを特定してもよい。その頻度は、リアルタイム、一時間毎、毎日、毎週、毎月、オンデマンド、あるいはベンチマークを得るときなどである。パーミッション集合はさらに、それらが調停サーバ140、サービスプロバイダ160、および/またはパートナー170の管理者に関するものであることから、ユーザ情報を含む様々なファクタや特定の態様にもとづくものであってもよい。
【0032】
パートナー170は、調停されたサービスに関する情報を受信することにビジネス上の関心のある何らかのエンティティである。たとえば、サービスプロバイダ160によって提供されるサービスは、特定のビデオゲーム環境において表示するための補助コンテンツを配信することを含む。しかしながら、そのような広告の主題は、クライアントデバイス130に配信するために広告の購入を始めたパートナー170の製品またはサービスである。パートナー170はしたがって、そのような広告に関する情報を見ることに関心がある。特定のサービスプロバイダ160は、一般的に自分自身のサービスに関する指標を追跡したいが、パートナー170は、自分の製品に関連する広告に関する情報にだけ興味がある。レポーティングサーバ150はまた、品質制御および認証の目的のために複数のサービスプロバイダ160によって提供されたサービスに関する情報を追跡してもよい。そのような情報は処理されて、コンピレーションにまとめられ、サービスプロバイダ160とパートナー170に送信される。
【0033】
この文脈において、ユーザアクティビティ、インタラクション、および/またはサービスに関するフィードバックに関する情報はクライアントデバイス130において集められ、パーミッション集合にしたがってレポーティングサーバ150にレポートされる。レポーティングサーバ150は、クライアントデバイス130からの情報を受信する。その情報を用いて、サービスプロバイダ160やパートナー170のような様々な関係者のために様々なコンピレーションを生成することができる。レポーティングサーバ150はさらに、提供されるサービスとサービスプロバイダ160側のアクティビティに関してサービスプロバイダ160によって送信された情報を集める。そのようなコンピレーションには、様々なパラメータに応じて収集された情報の一部または全部が含まれる。たとえば、サービスプロバイダ160は、特定のゲームタイトルに関する情報に特に興味がある。レポーティングサーバ150によって収集された情報はまた、クライアントデバイス130と調停されたサービスプロバイダ160間のトランザクションに関する情報を検証し、確認するために使われる。
【0034】
レポーティングサーバ150は、様々な関係者からのレポートを受信し、取り扱う複数のレポーティングサーバを含むか、それらのレポーティングサーバと通信してもよい。たとえば、一つの特定のレポーティングサーバはクライアントデバイスからのレポートを受信し、別のサーバはサービスプロバイダからのレポートを受信する。サーバの各タイプはさらに、通信する相手のデバイスのタイプにもとづいて特化したものになる。たとえば、パーミッション集合はデバイスのタイプにもとづいた異なるレポーティングパラメータを指定してもよい。したがって、パーミッション集合は、クライアントデバイスがリアルタイムでレポートを送信し、サービスプロバイダが特定の間隔でレポートをバルクか集約した形で送信することを指定してもよい。クライアントデバイスと通信するレポーティングサーバは、サービスプロバイダと通信するレポーティングサーバとは異なる能力が要求される。受信されたレポートの情報はさらに処理され、比較され、結合され、分析されてダイジェスト、要約、サンプル、分析結果、および/または、上述の様々な関係者用の他のコンピレーションが生成される。ある実施の形態では、コンピレーションは、コンピレーション生成器のような個々のデバイスによって生成される。
【0035】
サービスプロバイダ160によって提供されるサービスは、クライアントデバイス130上でプレイされるデジタルコンテンツ120のようなコンテンツに関連する種々のサービスを包含してもよい。そのようなサービスには、特定のコンテンツタイトルに関連する補助コンテンツの取引を可能にするサービスを含む。環境100における例示的なトランザクションにおいて、クライアントデバイス130Aのユーザは、何か他のもの−他の補助コンテンツ、仮想/現実のお金、またはそれらの組み合わせと引き換えにコンテンツを取引することを提案したいかもしれない。取引は、トランザクションの他のタイプに加えて、販売、交換、およびオークションを含んでもよい。
【0036】
コンテンツタイトルがゲームタイトルである場合、取引のため、あるいはその他のトランザクションの一部として提供されるコンテンツは、特定のゲームタイトルに関するゲーム環境を強化するためにユーザによって生成されたものである。たとえば、ユーザは、カスタムゲームキャラクタ、車、武器、アクセサリ、サウンド効果、またはビデオクリップをもっているかもしれない。あるいは、ユーザは、ゲームタイトルをプレイする過程で取ったパフォーマンスやアクションにもとづいて補助的なコンテンツを発見したり、獲得したかもしれない。ユーザは、ゲームプレイの過程で特定のゲームオブジェクトを見つるか、ゲームプレイの過程で達成した成果に対する賞としてゲームオブジェクトを獲得したかもしれない。
【0037】
補助コンテンツはゲームタイトルの他のプレイヤにとって望ましいものであるかもしれない。なぜならこの補助コンテンツは、ステータスを伝達し、取引を検討しているユーザにさもなければ利用可能でないあるオプションを提供し、芸術的価値を提供し、あるいは、補助コンテンツをゼロから作ることに比べて時間を節約させるからである。したがって、そのようなコンテンツの生成者または現在の所有者は、補助コンテンツを売ったり、取引したいかもしれない。
【0038】
サービスプロバイダ160Aは、様々なトランザクションに参加するために、ユーザが様々なオファーを生成したり、受け入れたりするオンラインマーケットプレイスを主催するマーケットプレイスサーバである。このリスティングの結果として、クライアントデバイス130Bのユーザのような潜在的な買い手は、コンテンツのオファーをブラウズしたり、サーチしたりすることができる。各リスティングは提示価格と関連づけられており、その価格は、他の補助コンテンツ、仮想マネー、および/またはリアルマネーを参照してもよい。仮想マネーはリアルマネーに対応してもよく、対応しなくてもよい。コンテンツはユーザにより生成され、特定のユーザによって取引のために提供されるが、補助コンテンツを提供するエンティティはまたゲーム開発者、コンテンツ開発者、およびサービスプロバイダを含んでもよい。取引のためのコンテンツをリストする関係者は、サービスプロバイダ160Aに格納され、サービスプロバイダ160Aによって管理され、さもなければサービスプロバイダ160Aによってアクセス可能であるユーザアカウントをもってもよい。そのようなユーザアカウントは、トランザクションに関わる取引、取引されたコンテンツ、仮想マネーおよびリアルマネーを含め、そのようなトランザクションの追跡を可能にする。
【0039】
サービスプロバイダ160Aによって主催されたマーケットプレイスは、従来のウェブベースのインタフェース、たとえば、商業的に利用可能なウェブブラウザやゲーム内のインタラクションに対して生成されるネイティブインタフェースを通して提供されるようなインタフェースを介してアクセス可能である。このようなインタフェースは、クライアントデバイス130Aまたは130Bのような様々なクライアントデバイスにおいて提供され、ユーザに利用可能な様々な潜在的なトランザクションを提供する。ユーザがウェブブラウザを介してマーケットプレイスにアクセスしたい場合、ブラウザは、ウェブベースのインタフェースに対する調停を支援するためにウェブブラウザにおいて実行可能な軽量のコンポーネントまたはモジュール(たとえば、JavaScript(登録商標)またはActiveX)を用いる。ウェブベースのインタフェースは、ネイティブインタフェースにおいて利用可能な特定のトランザクション(たとえば、ゲーム内のトランザクション)を提供する能力に限りがある。マーケットプレイスサービスの調停は、マーケットプレイスへのアクセスを可能にしたり、不可能にすること、および/またはマーケットプレイスにおけるアクションを制限することが含まれる。あるいは、ユーザは、マーケットプレイスにアクセスするためにネイティブなクライアントアプリケーションを有するゲームコンソールを用いてもよい。
【0040】
さらに、マーケットプレイスサーバ(たとえば、サービスプロバイダ160A)と他のサーバの間のコミュニケーションもまた調停を要求することがある。たとえば、マーケットプレイスサーバ160Aは、補助コンテンツの取引を支援することに関して、取引サーバ160Bと通信をするかもしれない。ある実施の形態では、マーケットプレイスサーバ160Aおよび取引サーバ160Bの機能は、単一のサーバによって実行される。別の例は、ゲームデータの転送に関して、マーケットプレイスサーバ160Aおよびゲームサーバ160C間の調停されたコミュニケーションを含み、売り手は、販売するためにゲーム関連のコンテンツをリストし、買い手は、ゲームサーバ160Cによって主催されるゲームにおいて利用するためにゲーム関連コンテンツを取得する。
【0041】
サービスプロバイダ160Aによって主催されたマーケットプレイスにおいてアイテムをリストすることには、調停サーバ140による調停が必要である。図1に関して述べたように、売り手のクライアントデバイス130Aは、調停サーバ140にサービス調停のリクエストを送信し、リクエストされたサービスを管理するためのサービスプロバイダ160Aとの調停された通信を規定するコンフィグレーション情報を受信する。
【0042】
いったんクライアントデバイス130Aとサービスプロバイダ160Aの間の調停された通信が開始されると、売り手はマーケットプレイスにコンテンツをリストすることができ、他のユーザはそれをブラウズし、眺め、購入または取引をオファーすることができる。補助的なコンテンツの「価格」は、純粋にまたは部分的に金銭的な用語で表現することができる。たとえば、ユーザであるクリエータは、コンテンツの交換に快く従ってもよい。しかしながら、交換されるコンテンツが等価でない場合は、その差異については、売り手と買い手の合意にしたがって、仮想および/または現実のお金で埋め合わせてもよい。マーケットプレイスサーバ160Aはさらに、売り手と買い手が通信し、取引を交渉するためのプラットフォームを提供する。
【0043】
マーケットプレイスサーバ160A上にリストされた補助コンテンツに対する合意された取引を開始するために、クライアントデバイス130Bにおけるユーザは、サービスプロバイダ160Bにリクエストを提出する。サービスプロバイダ160Bは、補助コンテンツの取引に関わるトランザクションを支援する取引サーバである。マーケットプレイスサーバ160Aと取引サーバ160Bは提携しているため、ユーザアカウント情報が同期される。マーケットプレイスサーバ160A上で始まったトランザクションはその後、取引サーバ160Bによって処理される。あるいは、単一のサービスプロバイダがマーケットプレイスサービスとトランザクションの支援の両方を提供してもよい。
【0044】
取引サーバ160Bによって提供されるサービスはまた、クライアントデバイスのリクエスト、パーミッション集合の決定、およびパーミッション集合に対応するそれに続くコンフィグレーションを介して調停される。クライアントデバイス130Aに関連づけられたユーザアカウントからクライアントデバイス130Bに関連づけられたユーザアカウントへ補助コンテンツを10ドルと引き替えに取引する例では、取引サーバ160Bは、ユーザアカウント130Aからユーザアカウント130Bへ補助コンテンツを割り当て直す。取引サーバ160Bは、10ドルという合意された代価をユーザアカウント130Aからユーザアカウント130Bへ転送する。取引サーバ160Bはまた、詐欺や他の違法行為を防止し、検出し、対処するための様々なセキュリティ手段を提供してもよい。
【0045】
ある例では、取引サーバ160Bは(たとえば、サードパーティのエスクローを介して)エスクローサービスを提供するか、エスクローサービスを関連づける。取引サーバ160Bは、支払いを管理し、支払い金と取引されるコンテンツを保持し、適切な受取人へ支払い金とコンテンツを配達するためのエスクローサービスを伴ったエスクローアカウントを確立する責任がある。お金と補助コンテンツは、各ユーザアカウントに資金と所有物をリリースする前の中間段階としてエスクローに保持される。
【0046】
取引サーバ160Bがエスクローのために売り手のコンテンツと買い手の支払金を受け取ると、サービスプロバイダ160Bはさらに、交換されるアイテムを検証した後、転送を実行する。支払金は売り手のアカウントに転送され、コンテンツは買い手に割り当てられる。コンテンツの割り当てにはまた、買い手の名前のもとでコンテンツを登録すること、コンテンツを買い手のクライアントデバイス130Bに送信すること、および/またはゲームサーバ160C上の買い手のアカウントへの転送が含まれる。
【0047】
マーケットプレイスサーバ160Aと取引サーバ160Bはまた、そのようなトランザクションに関する情報をレポーティングサーバ150にレポートしてもよい。そのようなレポートには、トランザクションに関する情報、トランザクションのステータス、時間、売り手/買い手の国、量、通貨、取引されるコンテンツ、コンテンツ識別子、コンテンツ属性、および特定のタイトルとの関連づけが含まれる。レポートは、クライアントデバイス側とサービスプロバイダ側の両方からレポーティングサーバ150に送信されるため、レポーティングサーバ150は、複式簿記のほか、様々な検証と品質制御機能を実行することができる。
【0048】
サービスプロバイダ160Cは、マーケットプレイスサーバ160Aで提供され、取引サーバ160Bを用いて取引された補助コンテンツをユーザが利用するオンラインゲーム環境を主催するゲームサーバである。コンテンツが特定のゲームタイトルに関連づけられる例では、取引されたコンテンツは、そのようなコンテンツが格納され管理されるゲームサーバ160C上の売り手に関連づけられたユーザアカウントから除去され、その後、トランザクションが完了するとゲームサーバ160C上の買い手に関連づけられたユーザアカウントに送信される。たとえば、多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)では、ゲームサーバ160Cが各ユーザのインベントリーを管理し、インベントリーにあるアイテムに対する権利を管理する。購入された補助コンテンツを使用するためには、補助コンテンツに関する情報をゲームサーバ160Cに同期させるか転送しなければならない。サービスプロバイダ160A、160Bと同様に、ゲームサーバ160Cとの通信もまた調停される。
【0049】
図2は、オンライン取引サービスの調停の方法200を示す。図2に示された方法200において、補助的なコンテンツがマーケットプレイスにリストされ、クライアントデバイスとマーケットプレイスおよび/または取引サーバとの間の通信が調停され、その補助的なコンテンツのための取引に関する調停された通信が取引サーバによって受信され、その通信に関連するユーザアカウントが特定される。仮想または現実のお金に関わる取引において、仮想または現実のお金と補助的なコンテンツをエスクローアカウントに保持してもよい。不可欠なエスクローの要件がいったん満たされると、仮想または現実のお金は、補助的なコンテンツを提供するエンティティに属するアカウントに転送され、補助的なコンテンツは、要求元のユーザアカウントに割り当てられる。補助コンテンツはさらに、ゲームプレイの間、アクセスして使用するためにゲームサーバに転送される。そのようなアクティビティに関するレポートが生成されレポーティングサーバに送信される。
【0050】
ステップ210において、補助コンテンツがマーケットプレイスにリストされる。補助コンテンツはユーザが生成したものであるか、ユーザがカスタマイズしたものであるか、さもなければ、コンテンツタイトルをプレイする過程でユーザが見つけたか獲得したものである。補助コンテンツの例は、MMORPGタイトルにおいて獲得されるかカスタマイズされた武器である。マーケットプレイスにおいてアイテムをリストすることには、MMORPGに関連づけられたゲームサーバ160Cからの武器に関する情報をマーケットプレイスサーバ160Aに送信することが含まれる。コンテンツに関する情報とその送信は、マーケットプレイスサーバ160Aとゲームサーバ160Cの間で同期が取られる。たとえば、ゲームサーバ160C上のユーザアカウントは、マーケットプレイスサーバ160A上のユーザアカウントを包含するものであるか、関連するものである。アカウントは、サービスSDKを通じてサービスプロバイダ160A〜C間でリンクされてもよい。
【0051】
クライアントデバイス130Aのユーザは、特定のMMORPGタイトルで使われるユーザが生成した武器を取引のために提供してもよい。ゲームタイトルの他のプレイヤは、マーケットプレイスサーバ160Aが主催するマーケットプレイスをブラウズしてもよい。ある個人がその武器を獲得することに関心があるなら、その個人は、取引するためにそのオファーを受け入れることを示すか、さもなければ、その武器を提供するエンティティと取引を交渉してもよい。
【0052】
ステップ220において、クライアントデバイス130Bと取引サーバ160Bの間の通信が調停される。SDKの初期化によって、調停サーバ140へのリクエストの生成が可能になる。そのようなリクエストには、ユーザ識別子、デバイス識別子、サービス識別子、あるいは情報を特定する他の形式やその組み合わせが含まれる。識別子は「トークン」で具体化される。トークンはさらに、地理的場所や地域、ユーザの年齢、プレイされるタイトルが含まれる。ユーザまたはクライアントデバイス130Bは、リクエストにおける情報にもとづいて特定され、認証される。クライアントデバイス130Bと取引サーバ160Bの間で通信を調停することに加えて、クライアントデバイス130とサービスプロバイダ160の間の他の通信が調停を要求することがある。たとえば、クライアントデバイス130Aのユーザがマーケットプレイスサーバ160Aと通信するために調停が要求されることがあり、それによって、ユーザは取引のための補助的なコンテンツをリストすることができるようになる。調停はまた、クライアントデバイス130Bがブラウジングのためにマーケットプレイスサーバ160Aにアクセスするためにも要求されることがある。
【0053】
調停リクエストに含まれる情報にもとづいて、パーミッション集合が決定される。パーミッション集合はマーケットセグメントにもとづいており、マーケットセグメントは、クライアントデバイス130B上でプレイされるコンテンツの様々なタイトルとそのタイトルに関連づけられたサービスの間で異なるように定義される。たとえば、マーケットセグメントは地理的地域を参照するものであってもよく、ある地域においてユーザに提供されるサービスは、別の地域においてユーザに提供される対応するサービスとは違っていてもよい。パーミッション集合はまた、特定の取引サーバ160B、サービスプロバイダの代理店、ネットワークアドレス、およびURLを指定してもよい。クライアントデバイス130Bは、パーミッション集合にしたがって取引サーバ160Bと通信することが許される。
【0054】
ステップ230において、取引のための調停されたリクエストが取引サーバ160Bによって受信される。クライアントデバイス130Bと取引サーバ160Bの間で通信がいったん調停され、開始することが可能になると、取引サーバ160Bは、クライアントデバイス130Bからの調停された通信を受信する。調停された通信には、パーミッション集合に関するデータや、取引のための補助的なコンテンツを指定するリクエストのような調停データが含まれる。
【0055】
ステップ240において、ユーザアカウントが特定される。クライアントデバイス130Bからの調停されたリクエストにはさらにユーザ情報が含まれる。ユーザ情報には、識別子、トークン、および取引リクエストに関連づけられたユーザアカウントを決定するために使われるアカウント情報が含まれる。ある例では、新しいユーザアカウントが生成され、マーケットプレイスサーバ160Aおよびゲームサーバ160C上のユーザアカウントに関連づけられる。
【0056】
仮想および/または現実のお金が動く取引においては、仮想/現実のお金と補助的なコンテンツは、ステップ250においてエスクローアカウントに転送される。たとえば、クライアントデバイス130Bのユーザは、クライアントデバイス130Aのユーザによって提供された補助的なコンテンツを10ドルで購入するオファーを受け入れたとする。クライアントデバイス130Bに関連づけられたユーザアカウントはさらに、補助コンテンツを購入するために使われるクレジットカード情報のような金融情報に関連付けられる。ある例では、お金または補助コンテンツがエスクローからリリースされる前に特定のパラメータが検証される。
【0057】
ステップ260Aおよび260Bにおいて、補助コンテンツを仮想/現実のお金と交換することが起こる。ステップ260Aにおいて、クライアントデバイス130Bのユーザである購入者に関連づけられたユーザアカウントに補助コンテンツが割り当てられる。購入者に補助コンテンツを割り当てることは、クライアントデバイス130Bにコンテンツを現実に転送することが含まれても、含まれなくてもよい。補助コンテンツに関連づけられた所有権情報がトランザクションと新しい所有者を反映するように更新されるだけでもよい。マーケットプレイスサーバ160A、取引サーバ160B、およびゲームサーバ160Cに格納されたアカウント情報は、補助コンテンツと取引の参加者の更新された状態を反映させるために再び同期が取られる。
【0058】
ステップ260Bにおいて、仮想/現実のお金が、エスクローから、補助コンテンツの提供を行うエンティティに関連づけられたアカウントへ転送される。当該提供を行うエンティティは、マーケットプレイスサーバ160A上で利用可能な他の補助コンテンツを購入したり、売却したりする際に使うファンドにアクセスしてもよい。
【0059】
トランザクションがステップ260Aと260Bで完了すると、購入者のユーザアカウントは、補助コンテンツ(たとえば、MMORPGの武器)の所有権を反映する。そして、購入者は、ゲームサーバ160C上で実施されるMMORPGにおいてその武器を使用し始める。しかしながら、そのようにするためには、武器に関する情報をステップ270においてゲームサーバ160Cに移動させなければならない。補助コンテンツは、マーケットプレイスサーバ160Aまたは取引サーバ160Bから転送される。ゲームサーバ160C上のユーザアカウントは補助コンテンツを反映し、ゲームプレイの間、補助コンテンツを使用することができるようになる。
【0060】
ステップ280において、レポートが生成され、レポーティングサーバ150に送信される。調停された環境100では、クライアントデバイス130A、Bのようなクライアントデバイスとサービスプロバイダ160A〜Cのようなサービスプロバイダから、レポーティングサーバ150に情報が送信される。レポーティングサーバ150は、クライアントデバイスまたはサービスプロバイダのいずれかからのレポートを処理することに特化した複数のサーバを含んでもよい。レポーティングサーバ150によって受信された情報はお互いに比較され、検証され、分析され、情報コンピレーションの形で提示される。このコンピレーションは、コンピレーションの受信者に特有のパラメータにもとづいて、サービスプロバイダ160またはパートナー170のために生成される。
【0061】
本発明は、様々なエンドユーザデバイスを用いて機能するアプリケーションに実装することができる。ここで述べた方法は、様々なデバイス上で機能するように十分に意図されている。本発明はまた、タイトルを超えて中立的に実装されており、本システムの実施の形態は、様々な発行元からの様々なタイトルにわたって利用することができる。
【0062】
コンピュータ読み取り可能なストレージデバイスは、実行するためにCPUにインストラクションを提供することに関わる任意のメディアのことである。そのようなメディアは、多くの形態を取り、光または磁気ディスクのような不揮発性メディアおよび動的メモリのような揮発性メディアを含むが、これらには限定されない。コンピュータ読み取り可能なメディアには、たとえば、フロッピィディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気メディア、CD−ROMディスク、DVD、任意の他の光メディア、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、任意の他のチップまたはカートリッジが含まれる。
【0063】
伝送メディアのいろいろな形態は、実行するためにCPUに1以上のインストラクションのシーケンスを伝送することに関わる。バスはシステムRAMにデータを伝送し、システムRAMからCPUはインストラクションを読み出す。システムRAMが受け取るインストラクションはオプションとして、CPUに実行される前または後、固定ディスクに格納することができる。ストレージの様々な形態は、必要なネットワークインタフェースとそれを実装するためのネットワークトポロジも併せて、同様に実装される。
【0064】
様々な実施の形態を説明してきたが、これらは例示のために提示したものであり、限定するものではない。これらの説明は、本発明の範囲をここで述べた特定の形態に限定する意図ではない。それとは反対に、本説明は、代替、修正、等価物を包含することを意図しており、そのようなものも添付の請求項によって定義され、あるいは、当業者によって理解される本発明の趣旨と範囲に含まれる。したがって、好適な実施の形態の範囲と幅は、上述の例示的な実施の形態のいずれにも限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン取引サービスを管理する方法であって、
クライアントデバイスから送信された調停された通信を取引サーバにおいて受信するステップと、
前記取引サーバのメモリに格納されたインストラクションを実行するステップとを含み、
前記調停された通信は、調停データと、前記クライアントデバイス上でプレイされるコンテンツタイトルに関連する補助的なコンテンツの転送に関するリクエストとを含み、
前記取引サーバのプロセッサによる前記インストラクションの実行は、
前記調停された通信に関連づけられたユーザアカウントを特定し、
前記特定されたユーザアカウントに前記補助的なコンテンツを割り当てるものであり、
前記割り当てられた補助的なコンテンツは、前記コンテンツタイトルのプレイの間に使用するために前記ユーザアカウントに利用可能であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記補助的なコンテンツの割り当てに関連づけられたアクティビティに関して前記取引サーバからレポーティングサーバにレポートを送信するステップをさらに含み、前記レポートは前記調停データにしたがって生成されることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
前記ユーザアカウントに前記補助的なコンテンツを割り当てることは、前記ユーザアカウントから前記補助的なコンテンツを提供するエンティティのアカウントへ仮想または現実のお金を転送することをさらに含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項4】
前記ユーザアカウントから前記補助的なコンテンツを提供するエンティティのアカウントへ仮想または現実のお金を転送することは、エスクローアカウントに前記仮想または現実のお金を中間的に転送することを含むことを特徴とする請求項3の方法。
【請求項5】
前記補助的なコンテンツは、前記補助的なコンテンツを提供するエンティティによって生成され、前記エンティティはコンテンツタイトルの別のユーザであることを特徴とする請求項3の方法。
【請求項6】
前記補助コンテンツは、前記コンテンツタイトルのプレイの間、前記エンティティによって発見されたものであることを特徴とする請求項3の方法。
【請求項7】
前記補助コンテンツは、取引のために利用可能なコンテンツのマーケットプレイスに提供され、前記補助コンテンツは、前記補助コンテンツを提供するエンティティによって前記マーケットプレイスにリストされることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
前記取引サーバに関連づけられたユーザアカウントを生成するステップをさらに含み、前記ユーザアカウントは、前記クライアントデバイスによって送信された前記調停された通信において提供される情報にもとづくことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
前記ユーザアカウントはさらにゲームサーバに関連づけられており、前記ゲームサーバは、前記クライアントデバイス上でプレイされるコンテンツタイトルのプレイに関連するサービスを提供することを特徴とする請求項8の方法。
【請求項10】
前記ユーザアカウントはさらにマーケットプレイスサーバに関連づけられており、前記マーケットプレイスサーバは取引に利用可能な補助的なコンテンツをホスティングすることを特徴とする請求項8の方法。
【請求項11】
前記コンテンツタイトルはゲームサーバに関連づけられており、当該方法は、前記コンテンツタイトルに関連づけられたゲームサーバに前記補助的なコンテンツに関する情報を転送するステップをさらに含む請求項1の方法。
【請求項12】
オンライン取引サービスを管理するシステムであって、
コンテンツタイトルをプレイするように構成されたクライアントデバイスからの通信または前記クライアントデバイスへの通信を調停するように構成された調停サーバと、
取引サーバとを含み、
前記取引サーバは、
クライアントデバイスから調停された通信を受信する機能と、
前記調停された通信に関連づけられたユーザアカウントを特定する機能と、
前記特定されたユーザアカウントに前記補助的なコンテンツを割り当てる機能とを備え、
前記調停された通信は、調停データと、マーケットプレイスから前記クライアントデバイスへの補助的なコンテンツの転送に関するリクエストとを含み、前記補助的なコンテンツは前記コンテンツタイトルに関連し、取引のために利用可能であることが示されたものであり、
前記割り当てられた補助的なコンテンツは、前記ユーザアカウントを介して前記コンテンツタイトルのプレイの間に使用するために前記ユーザアカウントに利用可能であることを特徴とするシステム。
【請求項13】
取引のために利用可能な補助的なコンテンツの前記マーケットプレイスは、前記取引サーバによってホスティングされることを特徴とする請求項12のシステム。
【請求項14】
取引のために利用可能な補助的なコンテンツの前記マーケットプレイスは、マーケットプレイスサーバによってホスティングされ、クライアントデバイスによる前記マーケットプレイスサーバへのアクセスは、前記調停サーバによって調停されることを特徴とする請求項12のシステム。
【請求項15】
前記取引サーバはさらに、前記補助的なコンテンツの前記割り当てに関連づけられたアクティビティに関してレポーティングサーバにレポートを送信することを特徴とする請求項12のシステム。
【請求項16】
前記レポーティングサーバはさらに前記クライアントデバイスからのレポートを受信し、前記レポートは前記調停データにしたがって生成されることを特徴とする請求項15のシステム。
【請求項17】
前記クライアントデバイス、前記マーケットプレイスサーバ、および/または前記取引サーバからレポートを受信するように構成されたレポーティングサーバをさらに含むことを特徴とする請求項12のシステム。
【請求項18】
前記レポーティングサーバは、パートナーのための情報のコンピレーションを生成することを特徴とする請求項17のシステム。
【請求項19】
前記ユーザアカウントに前記補助的なコンテンツを割り当てることは、前記ユーザアカウントから前記補助的なコンテンツを提供するエンティティのアカウントへ仮想または現実のお金を転送することを含むことを特徴とする請求項12のシステム。
【請求項20】
前記ユーザアカウントから前記エンティティのアカウントへ仮想または現実のお金を転送することは、エスクローアカウントに前記仮想または現実のお金を中間的に転送することを含むことを特徴とする請求項19のシステム。
【請求項21】
前記コンテンツタイトルに関連づけられたゲームサーバをさらに含み、前記取引サーバは前記ゲームサーバに前記補助的なコンテンツに関する情報を転送することを特徴とする請求項12のシステム。
【請求項22】
プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能なストレージメディアであって、前記プログラムは、オンライン取引サービスを管理する方法を実行するためにプロセッサによって実行可能であり、前記方法は、
調停された通信を受信するステップと、
前記調停された通信に関連づけられたユーザアカウントを特定するステップと、
前記特定されたユーザアカウントに前記補助的なコンテンツを割り当てるステップとを含み、
前記調停された通信は、調停データと、前記クライアントデバイス上でプレイされるコンテンツタイトルに関連する補助的なコンテンツの転送に関するリクエストとを含み、
前記割り当てられた補助的なコンテンツは、前記コンテンツタイトルのプレイの間に使用するために前記ユーザアカウントに利用可能であることを特徴とするストレージメディア。
【請求項23】
前記補助的なコンテンツの前記割り当てに関連づけられたアクティビティに関するレポートを送信することを実行可能なインストラクションをさらに含み、前記レポートは前記調停データにしたがって生成されることを特徴とする請求項22のコンピュータ読み取り可能なストレージメディア。
【請求項24】
前記ユーザアカウントに前記補助的なコンテンツを割り当てることは、前記ユーザアカウントから前記補助的なコンテンツを提供するエンティティのアカウントへ仮想または現実のお金を転送することを含むことを特徴とする請求項22のコンピュータ読み取り可能なストレージメディア。
【請求項25】
前記補助的なコンテンツは、取引に利用可能なコンテンツのマーケットプレイスにおいてホスティングされ、前記補助的なコンテンツは、前記補助的なコンテンツを提供するエンティティによって前記マーケットプレイスにリストされることを特徴とする請求項22のコンピュータ読み取り可能なストレージメディア。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−108238(P2011−108238A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255985(P2010−255985)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)