オンライン広告システム及びオンライン広告方法
【課題】 推薦サイトと商用サイトの両方で、オンライン広告の効果を測定し、ユーザの挙動を追跡可能とする。
【解決手段】 ユーザが推薦サイト2にアクセスし、バナー広告を選択すると(S1)、中継用URLがユーザコンピュータ1に送信される(S2)。中継装置3は、ユーザコンピュータ1からのリクエストを受信すると(S3)、IPパケットの送信元を中継装置3のIPアドレスに書き換え(S4)、商用サイト4に送信する(S5)。商用サイト4は、中継装置3からのリクエストを受信すると、レスポンスを中継装置3に返す(S7)。中継装置3は、商用サイト4から受信したIPパケットの送信元を中継装置3のIPアドレスに書き換えて(S8)、ユーザコンピュータ1に転送する(S9)。中継装置3は、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間のデータ通信をデータベースに保存する(S6)。
【解決手段】 ユーザが推薦サイト2にアクセスし、バナー広告を選択すると(S1)、中継用URLがユーザコンピュータ1に送信される(S2)。中継装置3は、ユーザコンピュータ1からのリクエストを受信すると(S3)、IPパケットの送信元を中継装置3のIPアドレスに書き換え(S4)、商用サイト4に送信する(S5)。商用サイト4は、中継装置3からのリクエストを受信すると、レスポンスを中継装置3に返す(S7)。中継装置3は、商用サイト4から受信したIPパケットの送信元を中継装置3のIPアドレスに書き換えて(S8)、ユーザコンピュータ1に転送する(S9)。中継装置3は、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間のデータ通信をデータベースに保存する(S6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン広告システム及びオンライン広告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術及びコンピュータ技術等の進展に伴って、いわゆるインターネットへの接続環境が広く普及している。ユーザは、例えば、自宅や職場等に設置されているパーソナルコンピュータを用いて、あるいは、データ通信可能な携帯電話を用いて、所望のサイトにアクセスすることができる。例えば、ユーザは、インターネット上に構築されている仮想店舗にアクセスすることにより、種々の商品やサービスを入手可能である。
【0003】
そこで、各仮想店舗の運営者は、ユーザアクセスをできるだけ多く自店のサイトに集めるべく、他のウェブサイト上にバナー広告を掲載する。そのウェブブラウザを訪れたユーザが、バナー広告を選択(いわゆるクリック操作)すると、広告主のサイトにジャンプする(特許文献1,特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−338167号公報
【特許文献2】特開2001−283083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載された技術では、広告主は、例えば、他のウェブサイトが有する集客力を利用して、自店舗サイトへのアクセス増大を図ることができる。従来は、管理が容易である等の理由により、広告主は、他サイトから自店舗サイトに誘導されたユーザ数に応じて、他サイトのオーナーに報酬を支払うことが多い。
【0005】
しかし、このようなユーザの誘導数、即ち、バナー広告のクリック回数に基づいて報酬を支払う方法では、購買に結びつかない単なる冷やかしのクリックに対しても、報酬が支払われることになる。また、モラルハザードを生じた場合は、バナー広告を掲載する他サイトのオーナー自身が、バナー広告をクリックして報酬金額の引き上げを目論む可能性も考えられる。
【0006】
そこで、成果報酬型の方法が提案されている。成果報酬型では、ユーザが実際に商品等を購入した実績に応じて、バナー広告掲載先のサイトオーナーに報酬を支払うようになっている。これにより、バナー広告掲載先サイトにおいてモラルハザードが生じるのを未然に防止することができる。
【0007】
しかし、実際にユーザが商品等を購入したか否かの情報は、店舗サイト側でのみ把握可能であり、バナー広告の掲載先サイトでは把握できない。従って、店舗サイト側で新たなモラルハザードを生じる可能性があり、広告主と掲載先サイトのオーナーとの間に不信感を招く可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、サプライヤシステム及び提携先システムの両方で、提携先システムを介してサプライヤシステムにアクセスしたユーザの挙動を追跡することができるようにしたオンライン広告システム及びオンライン広告方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、後述する実施形態の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うオンライン広告システムは、サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報をユーザコンピュータに提供する提携先システムを備えたオンライン広告システムであって、ユーザコンピュータ及びサプライヤシステムにそれぞれ通信ネットワークを介して接続され、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継する中継装置を設け、案内用情報には、中継装置を経由してサプライヤシステムにアクセスするための接続用情報が含まれており、中継装置は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するデータ中継手段と、このデータ中継手段によって中継されたデータ通信のうち所定のデータ通信の状況を保存する通信状況保存手段と、を備える。
【0010】
ここで、サプライヤシステムとは、商品やサービスを提供するサプライヤによって運用されるコンピュータシステムであり、例えば、商用サイトや店舗サイト等と呼ぶこともできる。提携先システムとは、宣伝広告に関してサプライヤシステムと提携しているコンピュータシステムであり、例えば、広告サイトあるいは提携先サイトまたは推薦サイト等と呼ぶことができる。また、ユーザコンピュータとは、ユーザによって使用されるコンピュータを意味し、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯情報端末を挙げることができる。
【0011】
提携先システムは、例えば、ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ内に、案内用情報を設けることができる。案内用情報とは、サプライヤシステムへユーザを導くための情報であり、例えば、バナー広告等が該当する。案内用情報には、中継装置を経由してサプライヤシステムにアクセスするための接続用情報が含まれている。
【0012】
ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間には、中継装置が設けられる。中継装置は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するデータ中継手段と、中継されたデータ通信の状況を保存する通信状況保存手段とを備えることができる。中継装置は、提携先システム内に設けることもできるし、提携先システムとは別のコンピュータシステム内に設けることもできる。
【0013】
従って、ユーザが案内用情報を選択してサプライヤシステムへのアクセスを希望した場合、ユーザコンピュータは直ちにサプライヤシステムに接続されるのではなく、いったん中継装置に接続される。そして、中継装置は、ユーザコンピュータに成り代わってサプライヤシステムにアクセスし、サプライヤシステムからのデータをユーザコンピュータに転送する。このデータ中継の状況は、通信状況保存手段によって保存される。通信状況としては、どのユーザがどのサプライヤシステムにいつアクセスし、どのような操作を行ったか等を含めることができる。つまり、中継装置は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間で行われた取引の状況を記録して保存する。ユーザとの取引状況は、サプライヤシステムにおいても把握することができる。
【0014】
従って、提携先システムとサプライヤシステムとの両方で、ユーザとサプライヤシステムとの間のデータ交換(取引内容)をそれぞれ把握することができ、オンライン広告の効果に関する情報をそれぞれが管理可能であり、相互不信の発生を抑制できる。
【0015】
データ中継手段は、(1)ユーザコンピュータからサプライヤシステムへのデータ送信を中継装置からサプライヤシステムへのデータ送信としてアドレス情報を書き換え、(2)サプライヤシステムからユーザコンピュータへのデータ送信を中継装置からユーザコンピュータへのデータ送信としてアドレス情報を書き換えることができる。
【0016】
即ち、中継装置は、ユーザコンピュータから受信したIP(Internet Protocol)パケット内の送信元IPアドレスを中継装置のIPアドレスに書き換えてから、サプライヤシステムに送信する。逆に、中継装置は、サプライヤシステムから受信したIPパケット内の送信元IPアドレスを中継装置のIPアドレスに書き換えてから、ユーザコンピュータに送信する。従って、ユーザコンピュータ及びサプライヤシステムは、それぞれ中継装置を相手にしてデータ通信を行うことになる。即ち、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとは、互いに相手を直接認識することができない。
【0017】
接続用情報には、少なくとも、中継装置を特定するアドレス情報と、ユーザコンピュータと中継装置との通信セッションを特定するためのセッション識別情報と、提携先システムで生成された接続用情報であることを示す生成元情報と、案内用情報を識別するための案内用情報識別情報と、サプライヤシステムを特定するためのサプライヤシステム識別情報とを含めることができる。そして、データ中継手段は、ユーザコンピュータが接続用情報を介してアクセスしてきた場合に、この接続用情報内に生成元情報と、案内用情報識別情報と、サプライヤシステム識別情報とが含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継することができる。即ち、中継装置は、中継の必要のあるデータ通信であるか否かを予め判別し、中継の必要のあるデータ通信のみを中継するようになっている。
【0018】
提携先システムは、サプライヤシステムにより実行されるアプリケーションプログラムを呼び出して、ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ上で、アプリケーションプログラムとウェブブラウザとの間のデータ交換を行わせることができる。そして、通信状況保存手段は、アプリケーションプログラムとウェブブラウザとの間のデータ交換の状況も保存することができる。
【0019】
アプリケーションプログラムとしては、例えば、CGI(Common Gateway Interface)プログラム等のように、ユーザから入力された情報を処理し、その処理結果を返すようなプログラムを挙げることができる。具体的には、注文受付処理プログラムや発送先確認処理プログラム等のような、商取引の全部または一部を処理するプログラムを挙げることができる。提携先システムのウェブページ内に、フォーム入力画面を表示させて、そこにユーザが所定の情報(注文する商品名や数量等)を入力すると、このフォーム入力情報は、通信状況保存手段により検出されて保存される。また、アプリケーションプログラムによる処理結果は、ウェブページ内のフォーム出力画面を介して、ユーザに通知されるが、この出力情報も通信状況保存手段により検出されて保存される。
【0020】
通信状況保存手段による保存結果とサプライヤシステムにより管理されている提携先システムの貢献度とが適合するか否かを判定する照合手段をさらに備えてもよい。通信状況保存手段は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間で行われたデータ通信の状況(取引内容等)を保存している。一方、サプライヤシステムでは、そのアクセス状況及び購入実績等に基づいて、提携先システムの貢献度を管理している。提携先システムへの報酬は、その貢献度により定まる。中継装置の保存結果とサプライヤシステムからの報酬(貢献度)とを照合することにより、適正な評価が行われているか否かを確認することができる。照合手段は、評価確認手段と呼ぶこともできる。
【0021】
提携先システムは、サプライヤシステムへの連絡用情報を、提携先システムへの連絡用情報に置き換えて、前記ユーザコンピュータに提供してもよい。連絡用情報としては、例えば、電子メールアドレス等を挙げることができる。サプライヤシステム宛の電子メールアドレスを提携先システムへの電子メールアドレスに置換してユーザコンピュータに提供することにより、電子メールを利用した注文の取り消しや納期変更等の情報も、提携先システム側で把握することができる。
【0022】
案内用情報は、ユーザによって持ち運び可能な形態で提携先システムから提供することもできる。持ち運び可能な形態としては、例えば、印刷出力されたクーポン券や携帯電話等に記憶された電子化クーポン券等を挙げることができる。例えば、ユーザは、提携先システムに掲載されたクーポン券を印刷したり、あるいは、携帯電話等の小型端末内に記憶させることができる。ユーザは、実際の店舗に赴いて、そのクーポン券を利用することができる。ユーザがクーポン券を利用して商品等を購入すると、その使用されたクーポン券の情報が、中継装置を介してサプライヤシステムに送信される。
【0023】
本発明の他の観点に従うデータ通信制御方法は、サプライヤシステムからユーザコンピュータへオンラインで広告を行うためのオンライン広告方法であって、サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報を含むウェブページを生成し、このウェブページをユーザコンピュータに提供するステップと、ユーザコンピュータが案内用情報を選択した場合は、ユーザコンピュータ及びサプライヤシステムがそれぞれ互いに直接認識できないようにアドレス情報を書き換えて、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するステップと、中継されたデータ通信の状況を保存するステップと、を含む。
【0024】
本発明の機能、手段、ステップの全部または一部は、例えば、マイクロコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムとして構成可能な場合がある。そして、このコンピュータプログラムは、例えば、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に固定して配布することができる。または、コンピュータプログラムをインターネット等の通信ネットワークを介して、配信することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、ユーザとサプライヤシステムとの間の取引状況を中継装置によって監視し、その取引内容を保存することにより、提携先システムでの広告を契機として行われた取引に関する情報を提携先システム側でも管理できるようにしている。
【0026】
このオンライン広告システムは、例えば、ユーザコンピュータ1と、推薦サイト2と、中継装置3と、商用サイト4とを含んで構成することができる。ユーザコンピュータ1としては、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯情報端末等を挙げることができる。ユーザコンピュータ1は、例えば、ウェブブラウザのようなアクセス手段を備えている。
【0027】
推薦サイト2及び商用サイト4は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータとして構成することができる。推薦サイト2は、商用サイト4の存在または商用サイト4で提供されている商品等をユーザに広告するコンピュータシステムである。推薦サイト2は、例えば、仮想商店街のポータルサイト、商品等の紹介サイト、個人サイト、企業サイト等のように、種々のサイトとして構築可能である。
【0028】
推薦サイト2は、ウェブページをユーザコンピュータ1に提供する。ウェブページには、推薦サイト2のオリジナルコンテンツに加えて、バナー広告が掲載されている。バナー広告とは、例えば、画像やテキストによって、商用サイト4自身や商用サイト4が提供する商品等を紹介するための情報である。このバナー広告には、中継装置3を経由して商用サイト4にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が設定されている。
【0029】
中継装置3は、推薦サイト2と連携して動作するもので、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間のデータ通信を中継し、この通信の状況を記録する。中継装置3は、推薦サイト2と別体のコンピュータとして設けることもできるし、推薦サイト2内に設けることもできる。
【0030】
中継装置3は、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間に介在することにより、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間の直接的なデータ交換を阻止する。中継装置3は、ユーザコンピュータ1から受信したIPパケットの送信元IPアドレスを、中継装置3に設定されているIPアドレスに書き換えて、商用サイト4に転送する。また、中継装置3は、商用サイト4から受信したIPパケットの送信元IPアドレスを、中継装置3に設定されているIPアドレスに書き換えて、ユーザコンピュータ1に転送する。
【0031】
商用サイト4は、例えば、各種商品やサービスを提供するサプライヤにより運営されているコンピュータシステムである。図では一つのみ示すが、実際には複数の商用サイト4を設けることができる。サプライヤは、商用サイト4に加えて、実際の店舗(リアル店舗)を有することもできる。
【0032】
商用サイト4には、サプライヤの提供する商品等を紹介するウェブページや、その商品等への注文を受け付けるためのプログラム、顧客データベース等が設けられている。また、商用サイト4は、推薦サイト2に掲載されたバナー広告を契機とする注文であるか否かを判別し、推薦サイト2の貢献度を評価することができる。
【0033】
次に、本実施形態の全体動作を説明する。ユーザは、ウェブブラウザを介して、推薦サイト2にアクセスする。例えば、そのユーザの興味を惹くバナー広告が掲載されている場合、ユーザは、そのバナー広告を選択する(S1)。
【0034】
ユーザがバナー広告を選択すると、中継装置3を経由して商用サイト4にアクセスするためのURLが推薦サイト2からユーザコンピュータ1に送信される(S2)。ユーザコンピュータ1のウェブブラウザは、推薦サイト2から受信したURLへアクセスし、コンテンツを要求する(S3)。
【0035】
ここでのコンテンツとしては、例えば、商用サイト4のトップページや商品等の紹介ページまたは注文ページ等を挙げることができる。なお、図中では、コンテンツの送受信を示しているが、ユーザコンピュータ1と商用サイト4とは、中継装置3を介して、各種のIPパケットを交換する。これらのIPパケットには、例えば、商品等を紹介する情報、商品等を注文するために必要な情報、商品等の注文が受け付けられたことを示す情報等を格納させることができる。
【0036】
中継装置3は、ユーザコンピュータ1からのリクエストを受信すると、このIPパケットに含まれる送信元IPアドレスを中継装置3のIPアドレスに書き換えて(S4)、商用サイト4に送信する(S5)。また、中継装置3は、ユーザコンピュータ1からのリクエストをデータベースに記録して保存する(S6)。
【0037】
商用サイト4は、中継装置3からのリクエストを受信すると、所定のレスポンスを中継装置3に返す(S7)。中継装置3は、商用サイト4から受信したIPパケットの送信元IPアドレスを中継装置3のIPアドレスに書き換えて(S8)、ユーザコンピュータ1に転送する(S9)。中継装置3は、商用サイト4からユーザコンピュータ1に送信されたレスポンスをデータベースに記録して保存する(S6)。
【0038】
ここで、ユーザコンピュータ1と中継装置3との間の通信セッションには、それぞれ識別コードが対応付けられており、どのユーザコンピュータ1とのデータ通信であるかが特定される。従って、複数回のHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエスト及びHTTPレスポンスがユーザコンピュータ1と商用サイト4との間で行われた場合でも、ユーザコンピュータ1を特定して商取引の状況(取引ログ)を記録することができる。
【0039】
推薦サイト2は、中継装置3により保存された取引ログに基づいて、商用サイト4への貢献度を推測することができる。一方、商用サイト4では、インターネット経由の注文を独自に管理しており、この管理データに基づいて、推薦サイト2に掲載されたバナー広告の広告効果を評価する。
【0040】
例えば、毎月末等のように、所定の期日が到来すると、商用サイト4のサプライヤは、バナー広告による受注金額を集計し、この金額に所定割合を乗じた金額を推薦サイト2への報酬として算出する。一方、推薦サイト2の運営者は、中継装置3に保存されている取引ログを参照することにより、サプライヤによって算出された報酬金額の妥当性を判断することができる。
【0041】
このように、本実施形態では、推薦サイト2に掲載されたバナー広告の効果を、推薦サイト2及び商用サイト4の両方でそれぞれ独自に追跡し、管理することができる。従って、成果報酬型の報酬が支払われる場合に、商用サイト4側でモラルハザードが生じるのを未然に抑止することができ、相互の信頼の下でオンライン広告を有効に機能させることができる。
【0042】
また、推薦サイト2側でもバナー広告の効果を評価できるため、バナー広告の掲載方法や掲載するバナー広告の種類等について検討することができ、商用サイト4と協調してオンライン広告の改善に取り組むことができる。以下、本実施形態のより詳細な実施例を説明する。
【実施例1】
【0043】
図2は、オンライン広告システムの全体構成を示すブロック図である。この広告システムは、例えば、ユーザコンピュータ10と、推薦サイト20と、中継装置30と、商用サイト40とを含んで構成することができる。図中では、説明の便宜上それぞれ一つずつ示しているが、実際には、それぞれ複数ずつ設けることができる。
【0044】
ユーザコンピュータ10は、商品等を購入するユーザによって使用されるコンピュータであり、ウェブブラウザ11やメーラー(不図示)等を備えている。
【0045】
推薦サイト20は、例えば、仮想商店街の運営サイトや商品等の紹介サイトとして構築されるコンピュータシステムである。推薦サイト20は、ユーザコンピュータ10に提供するためのウェブページ21を記憶しており、ウェブページ21にはバナー広告22及びローカルコンテンツ23が含まれている。ウェブページ21の詳細はさらに後述するが、バナー広告22は商用サイト4にユーザを誘導するための情報である。
【0046】
また、推薦サイト20は、URLスクリプト埋込部24と、セッションID生成部25と、セッションログ集計部26と、セッションID記憶部27とを備えることができる。URLスクリプト埋込部24は、商用サイト4へ誘導するためのURLが設定されたバナー広告22を生成するためのものである。セッションID生成部25は、ユーザコンピュータ10と推薦サイト20との間の通信セッションを特定するためのセッションID(識別コード)を生成するものである。セッションログ集計部26は、ユーザコンピュータ10との間の通信セッションを集計するもので、集計結果はHTTPログ記憶部37に記憶される。セッションID記憶部27は、セッションIDを記憶する。
【0047】
中継装置30は、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間のデータ通信を中継し、両者の間で行われた取引に関する情報を収集して保存するものである。中継装置30は、推薦サイト20と連携して動作するもので、プロキシサーバ機能と、ゲートウェイ機能と、データロガー機能をそれぞれ実現する。
【0048】
中継装置30は、コンピュータプログラム製品として構成可能であり、推薦サイト20内に中継装置30を設けることができる。あるいは、中継装置30を、例えば、推薦サイト20とは別体のコンピュータやゲートウェイ装置として構成することもできる。また、複数のコンピュータを連動させることにより、中継装置30の各機能をそれぞれ実現させる構成でもよい。
【0049】
中継装置30は、例えば、URLフィルタ31と、IPアドレス変換部32と、URL変換部33と、セッション記録部34と、送信フォーム記録部35と、キャンセル方法通知部36とを備えて構成することができる。これらの各機能31〜36は、それぞれのプログラムによって実現可能である。各機能の詳細は、図を改めてそれぞれ後述する。
【0050】
HTTPログ記憶部37は、ユーザコンピュータ10と商用サイト40とが中継装置30を介して行ったデータ通信の状況を記憶する。ユーザコンピュータ10は、例えば、所望の商品等を特定するための情報(商品名や型番等)や数量等の情報を中継装置30を介して商用サイト40に送信する。商用サイト40は、例えば、受注確認や予定納期、配達方法等の情報を中継装置30を介してユーザコンピュータ10に送信する。中継装置30は、これらの取引に関する情報を各セッションID毎にそれぞれ収集して、HTTPログ記憶部37に保存させる。従って、HTTPログ記憶部37は、例えば、通信状況保存手段、取引情報記憶手段等のように呼ぶことができる。なお、HTTPは、本システムで使用可能なプロトコルの一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0051】
商用サイト40は、商品やサービスを提供するサプライヤにより運営されているコンピュータシステムである。商用サイト40は、例えば、URLスクリプト生成部41と、ウェブページ生成部42とを備えることができる。URLスクリプト生成部41は、バナー広告22用のスクリプトを生成して、これを推薦サイト20に提供する。ウェブページ生成部42は、商品等の紹介や注文を受けるための一つまたは複数のウェブページを生成するものである。また、商用サイト40では、商品等の販売管理に使用する一つ以上のウェブアプリケーションプログラムを稼働させることができる。
【0052】
図3は、推薦サイト20がユーザコンピュータ10に提供するウェブページ21の構成を模式的に示す説明図である。このウェブページ21は、ウェブブラウザ11によって閲覧可能である。
【0053】
ウェブページ21は、例えば、タイトル表示部21Aと、バナー広告22A〜22C(特に区別しない場合は全体として「バナー広告22」と呼ぶ)と、ローカルコンテンツ23とを含んで構成することができる。
【0054】
タイトル表示部21Aは、画像やテキストにより、推薦サイト20のサイト名やウェブページ21のページ名を表示する箇所である。バナー広告22は、商用サイト40を紹介したり、商用サイト40で提供されている商品等を紹介するための広告情報である。バナー広告22には、中継装置30を介して商用サイト40にアクセスするためのURLが予め設定されている。
【0055】
例えば、バナー広告22Aは、画像データによってA社そのものを宣伝する。バナー広告22Bは、サプライヤの名称ではなく、そのサプライヤが販売している商品そのものを商品自体の画像データで宣伝する。バナー広告22Cは、テキストによって、B社の存在を宣伝する。画像バナーの場合は、静止画像でも動画像でもいずれでもよい。また、例えば、同一の表示領域に、異なる複数のバナー広告を所定タイミングで切り替えながら、それぞれ表示させることもできる。
【0056】
ローカルコンテンツ23は、推薦サイト20のオリジナルコンテンツである。ローカルコンテンツ23は、例えば、推薦サイト20へユーザアクセスを集めるために掲載されている。推薦サイト20が個人運営サイトの場合、ローカルコンテンツ23としては、例えば、日記や写真等が用いられる。推薦サイト20が仮想商店街の運営者サイトや企画サイト等のような企業サイトの場合、例えば、お買い得情報や顧客の体験談等がローカルコンテンツ23として用いられる。なお、ローカルコンテンツ23は、集客のための一手段であって、本システムでは必ずしも必要ではない。
【0057】
図4は、本システムの全体動作の概略を示すフローチャートである。以下の説明では、ステップを「S」と略記する。なお、以下のフローチャートは、それぞれ処理の概略を示すもので、実際のプログラムとは相違する。
【0058】
まず、ユーザは、ユーザコンピュータ10のウェブブラウザ11を用いて、推薦サイト20にアクセスし、所望のバナー広告22を選択する。これにより、ユーザコンピュータ10から推薦サイト20にHTTPリクエストが送信される(S11)。
【0059】
推薦サイト20は、ユーザコンピュータ10からのリクエストを受信すると(S12)、そのユーザコンピュータ10との通信セッションを識別するためのセッションIDを生成する(S13)。推薦サイト20は、バナー広告22に予め設定されているURLに、セッションID等の所定の情報を加えてURLを生成し(S14)、このURLをユーザコンピュータ10に送信する(S15)。
【0060】
推薦サイト20からユーザコンピュータ10に送信されるURL”D10”の詳細は、さらに後述する。なお、URL生成には種々の方法を採用可能である。一つの方法は、セッションID以外の部分を予め全て設定しておき、ユーザコンピュータ10からアクセスされた場合にセッションIDを付加する。他の一つの方法は、ユーザコンピュータ10からアクセスされたときに、URLの多くの部分を生成して完成させる方法である。いずれの方法を採用してもよいし、これ以外の方法を採用してもよい。
【0061】
ユーザコンピュータ10は、推薦サイト20からURLを受信すると(S16)、このURLの示す先にアクセスする(S17)。このURLには、中継装置30のアドレスが含まれており、ユーザコンピュータ10は中継装置30に接続される。
【0062】
中継装置30は、ユーザコンピュータ10からのリクエストを受信すると(S18)、このリクエストのURLを検査する(S19)。予定されている所定の情報を含んだURLによってリクエストが行われた場合(S19:可)、中継装置30は、ユーザコンピュータ10とのセッションをHTTPログ記憶部37に記録させる(S20)。所定条件を満たさないURLを用いてHTTPリクエストが行われた場合(S19:不可)、中継装置30は、このリクエストを処理せずに、ユーザコンピュータ10にエラーを通知する。即ち、中継装置30は、推薦サイト20に掲載されたバナー広告22に基づくHTTPリクエスト及びレスポンスのみを中継するようになっている。
【0063】
中継装置30は、ユーザコンピュータ10から受信したIPパケット中の送信元IPアドレスを中継装置30のIPアドレスに書き換えて(S21)、商用サイト40にHTTPリクエストを送信する(S22)。つまり、中継装置30は、ユーザコンピュータ10に成り代わって、商用サイト40にアクセスする。商用サイト40に対してユーザコンピュータ10の存在は隠される。
【0064】
商用サイト40は、中継装置30からのリクエストを受信すると(S23)、このリクエストに対応するレスポンスを生成して中継装置30に送信する(S24)。取引の初期段階で生成されるレスポンスとしては、例えば、商品等の宣伝ページ等を挙げることができる。
【0065】
中継装置30は、商用サイト40からHTTPレスポンスを受信すると(S25)、IPパケットに含まれている送信元IPアドレスを中継装置30のIPアドレスに書き換えてから(S26)、このレスポンスをユーザコンピュータ10に送信する(S27)。
【0066】
ユーザコンピュータ10は、中継装置30からのレスポンスを受信すると(S28)、このレスポンスをウェブブラウザ11に表示させる(S29)。例えば、ウェブブラウザ11には、商品の特徴や使用例といった商用サイト40の宣伝コンテンツを含む商品カタログページが表示される。商品カタログページから、購入したい商品やサービスを選択すると、型番や価格が表示されたフォーム画面に遷移する。このフォーム画面では、ユーザに対して、希望数量の入力及び購買の意思決定が求められる。送信フォームには、最終的な「購入決定」の意図を相手方に通知するフォーム送信ボタンが設けられる。
【0067】
ユーザは、商品等の購入を希望する場合、商品の希望数量のほか、配送先住所、支払い方法等の購入に際して必要な情報を入力して、「購入決定」の意図を示すフォーム送信ボタンを押下する。これらの購入の際に行われるユーザ操作は、新たなHTTPリクエストとして中継装置30に送信され(S17)、上述のS18〜S29が繰り返される。
【0068】
ここで留意すべき点は、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で行われるデータ通信(取引)は、全て中継装置30を介して行われ、直接のデータ交換が防止されている点と、この取引に関する情報は中継装置30によって記録されている点である。
【0069】
次に、図5は、図4中のS14に示すURL生成(変換)処理の概略を示すフローチャートである。推薦サイト20は、予めバナー広告22に用いるデータ(画像データ等のウェブコンテンツ)をハードディスク等のキャッシュ領域に保存する(S41)。そして、推薦サイト20は、バナー広告22に設定されているURLを、中継装置30を経由してアクセスするためのURLに変更する(S42)。本実施例では、この変更後のURLを中継用URLと呼ぶ。
【0070】
これにより、ユーザがバナー広告22をクリックした場合でも、ウェブブラウザ11は商用サイト40に直接移動することはできず、中継装置30に接続される。
【0071】
図6は、推薦サイト20からユーザコンピュータ10に渡される中継用URL”D10”の一例を示す説明図である。この中継用URLは、例えば、D11及びD12の2つのデータ領域に大別することができる。
【0072】
中継用URLの先頭に位置するD11は、ユーザから確認可能な情報であり、中継装置30のIPアドレス(あるいはドメイン名)とセッションIDとが含まれている。D11に続くD12は、実際には、データ部を推薦サイトで暗号化しているため、ユーザから隠された情報となっており、中継装置30で復号化して用いる。推薦サイト20で暗号化したデータを中継装置30で復号化するための‘鍵’は、推薦サイト20から中継装置30へ予め配布しておく。D12には、例えば、推薦サイト20を特定するための情報D12aと、商用サイト40により管理されている広告識別情報D12bと、目的とするウェブページを特定するためのIPアドレス(以下、これを「目的URL」と呼ぶ)D12cとを含むことができる。
ここで、セッションIDは、案内用情報を識別するための「案内用情報識別情報」として定義可能である。D12は、案内用情報の一例に該当する。
なお、案内情報の生成元を示す生成元情報は、図6中では「originator」という変数名で示されている。また、図6中に示す「affiriate」という変数の値が商用サイト40に送られることにより、商用サイト40では、この情報を提携先の推薦サイト20を識別するコードとして使用することができる。
なお、上記のように変数と値のペアを‘=’で結び‘&’で区切る形式で並べた組をURLの後ろに付ける方法に限らない。例えば、HTTPヘッダに変数と値のペアを配置するクッキーという手法を使っても同様の効果を得ることができる。
【0073】
上述した図4中のS19では、ユーザコンピュータ10から受信したリクエストが、図6に示すような情報を含んでいるか否かを検査し、必要な情報を含んでいるIPパケットのみを処理するようになっている(URLフィルタリング)。
【0074】
図7は、推薦サイト20のウェブページ21に表示されたフォームを用いて商品等を購入する場合の様子を示す。
【0075】
図7(a)は、商品等の注文画面である。推薦サイト20のウェブページ21内に、商用サイト40上で実行される受注処理プログラムのユーザインターフェース部分を呼び出して表示させることができる。この受注処理プログラムは、予め設定されている所定の情報の入力を促す。定型のフォームが定まっているため、このユーザインターフェース部分をフォーム24と呼ぶ。
【0076】
ユーザが購入に必要な情報を注文フォームF1に入力すると、D21に示すような発注用フォームデータがユーザコンピュータ10から送信される。中継装置30は、この発注用フォームデータの全部または少なくとも一部をHTTPログ記憶部37に記憶させる。中継装置30は、発注用フォームデータに含まれる各情報のうち、例えば、注文された商品等の名称、その型番、その購入数量、その単価及び合計金額を取得してHTTPログ記憶部37に記憶させることができる。これらの情報に加えて、決済方法や送り先住所や配送希望日時、特記事項等の情報を保存してもよい。この場合、個人情報の保護に配慮して、取引内容からユーザが特定されないように、かつ、個人情報が悪用されないように、必要な暗号化処理等を行うのが望ましい。
【0077】
図7(b)は、商用サイト40で実行された処理結果を表示する受注確認画面の一例を示す。発注フォームデータが中継装置30を介して商用サイト40に送信されると、商用サイト40は、購入に必要な情報が全て揃っているか否か等を検査し、ユーザからの注文を受け付ける。そして、注文が受け付けられた旨のレスポンスD22は、商用サイト40から中継装置30を介してユーザコンピュータ10に送信される。
【0078】
受注確認フォームF2では、ユーザの注文内容や発注番号等が表示される。中継装置30は、商用サイト40から入力される注文受付メッセージデータD22の中から所定の情報(例えば、発注番号等)を抽出し、この情報をHTTPログ記憶部37に記憶させる。
【0079】
ここで、発注時に抽出される情報と発注確認時に抽出される情報には、それぞれ共通のセッションIDが割り当てられており、このセッションIDやタイムスタンプと関連づけられてHTTPログ記憶部37にそれぞれ記憶される。従って、セッションIDを検索キーとして検索することにより、あるひとまとまりの取引内容に含まれる情報を検出することができる。
【0080】
図8は、セッションIDを生成する様子を示す説明図である。図8には、IPパケットのフォーマットが示されている。IPパケットには、バージョン、ヘッダ長、サービスタイプ(TOS)、データグラム長、フラグ、フラグメントオフセット、プロトコル番号、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、データ部分等が含まれている。
【0081】
本実施例では、これらの各情報のうち、送信元IPアドレスと宛先IPアドレス及びプロトコル番号に着目し、これら3種類の情報の組合せに対して、本システム内で一意に定まるセッションIDを割り当てるようになっている。なお、一つの中継装置30が複数の推薦サイト20と連携する場合は、各推薦サイト20毎に一意に定まるセッションIDを割り当てればよい。
【0082】
図9は、推薦サイト20及び中継装置30の両方でそれぞれセッションを管理するためのセッション記録テーブルを示す説明図である。第1のセッション記録テーブルT11は、推薦サイト20内で生成される。このセッション記録テーブルT11は、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスとプロトコル番号との組合せに対して、それぞれ一意のセッションIDを割り当てて記録している。
【0083】
ここで、第1セッション記録テーブルT11では、送信元IPアドレスとしてユーザコンピュータ10のIPアドレスが格納され、宛先IPアドレスとして商用サイト40のIPアドレスが格納される。
【0084】
図9の下側に示す第2のセッション記録テーブルT12は、中継装置30により生成される。このセッション記録テーブルT12は、前記同様に、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスとプロトコル番号との組合せに対して、それぞれ一意のセッションIDを割り当てて記録している。
【0085】
第2セッション記録テーブルT12では、送信元IPアドレスとしてユーザコンピュータ10のIPアドレスまたは商用サイト40のIPアドレスのいずれか一方が格納され、宛先IPアドレスとして中継装置30のIPアドレスが格納される。
【0086】
そして、テーブルT12で使用されるセッションIDには、テーブルT11で使用されているセッションIDが使用されている。即ち、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で行われる一連の通信は、共通のセッションIDで管理される。推薦サイト20で発行されたセッションIDを中継装置30に送信して受け継がせることにより、同一のセッションIDでデータ通信を監視することができる。従って、セッションIDを検索キーとして使用することにより、その通信が、いずれのユーザコンピュータ10といずれの商用サイト40との間で行われたものであるかを特定することができる。
【0087】
図10は、IPアドレス変換処理を示すフローチャートである。中継装置30は、IPパケットを受信したか否かを監視している(S51)。IPパケットを受信した場合(S51:YES)、中継装置30は、そのIPパケットが変換対象のパケットであるか否かを判定する(S52)。ここでは、バナー広告22を契機としてユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で行われる一連のデータ通信に使用されるIPパケットを、変換対象とする。従って、ユーザコンピュータ10または商用サイト40以外のノードから受信されたIPパケットは、変換の対象とならない。
【0088】
変換対象のIPパケットである場合(S52:YES)、中継装置30は、ユーザコンピュータ10からのIPパケットであるか否かを判定する(S53)。ユーザコンピュータ10からのIPパケットの場合(S53:YES)、中継装置30は、各テーブルT11,T12を参照して通信セッションを特定する(S54)。そして、中継装置30は、そのIPパケットの送信元IPアドレスとして中継装置30のIPアドレスをセットし(S55)、宛先IPアドレスとして商用サイト40のIPアドレスをセットする(S56)。
【0089】
これに対し、受信したIPパケットが商用サイト40からのパケットである場合(S53:NO)、中継装置30は、各テーブルT11,T12を参照して通信セッションを特定する(S57)。そして、中継装置30は、そのIPパケットの送信元IPアドレスとして中継装置30のIPアドレスをセットし(S58)、宛先IPアドレスとしてユーザコンピュータ10のIPアドレスをセットする(S59)。
【0090】
このように、中継装置30内で、ユーザコンピュータ10から受信したIPパケット及び商用サイト40から受信したIPパケットの情報をそれぞれ書き換えることにより、ユーザコンピュータ10は中継装置30との間で、商用サイト40は中継装置30との間で、それぞれデータ通信を行うことになる。この結果、ユーザコンピュータ10と商用サイト40とが互いをそれぞれ認識して直接的にデータ通信を行うのを阻止している。
【0091】
図11は、推薦サイト20のウェブページ21内に表示されるフォームを介したデータ通信を記録するためのフローチャートである。中継装置30は、商用サイト40宛のフォームデータD21を取得する(S71)。中継装置30は、このフォームデータD21を解析し、変数と値のペアを抽出する(S72)。
【0092】
中継装置30は、抽出されたペアをそれぞれ変数と値とに分離し(S73)、分離されたデータを数値として評価し(S74)、この分析結果をHTTPログ記憶部37に記憶させる(S75)。図12は、図11に示すフローチャートの要部を示すプログラムの一例である。
【0093】
なお、ユーザコンピュータ10から商用サイト40へ送信されたフォームデータD21の分析・記録について述べたが、これとは逆に、商用サイト40からユーザコンピュータ10へ送信されるフォームデータD22の分析・記録も上記同様に行うことができる。
【0094】
図13は、オンライン広告の効果を推薦サイト20側で評価する場合のフローチャートである。推薦サイト20は、HTTPログ記憶部37にアクセスし(S81)、検索条件を入力する(S82)。検索条件としては、例えば、「所定期間内における所定のバナー広告22による購入実績」等を挙げることができる。
【0095】
HTTPログ記憶部37からの検索結果が月次レポートのような形態で、推薦サイト20の端末画面に出力されると(S83)、推薦サイト20は、商用サイト40からの報酬支払い報告を読み出す(S84)。推薦サイト20は、自己の管理下にある月次レポートと商用サイト40からの報酬支払い報告とを照合し(S85)、両者が一致するか否かを判定する(S86)。
【0096】
商用サイト40からの報酬金額とHTTPログ記憶部37に記憶されている取引ログから推定される金額とが一致する場合(S86:YES)、推薦サイト20は、両者の金額が一致する旨を端末画面に出力させる(S87)。なお、画面出力に代えて、あるいは画面出力と共に、メッセージを音声で出力してもよい。
【0097】
次に、推薦サイト20は、金額の一致が確認された取引ログをHTTP記憶部37から消去するか否かをユーザに確認する(S88)。ユーザが消去を指示した場合(S88:YES)、その照合済の取引ログはHTTPログ記憶部37から消去され(S89)、本処理が終了する。ユーザが消去を希望しない場合(S88:NO)、S89はスキップされて本処理を終了する。
【0098】
ところで、商用サイト40からの報酬金額と取引ログから推定される金額とが一致しない場合(S86:NO)、推薦サイト20は、両者の金額の差分を算出し(S90)、この差分だけ金額が一致しない旨を端末画面に出力させる(S91)。
【0099】
このように、HTTPログ記憶部37に記憶されている取引内容に基づいて、推薦サイト20の運営者に支払われるべき報酬金額を事前に予測したり、あるいは、商用サイト40から実際に支払われた金額と照合することができる。これにより、金額の不一致が生じる可能性を抑制することができる。また、推薦サイト20の運営者は、バナー広告22による利益を把握できるため、この情報に基づいて、ウェブページ21に掲載するバナー広告22の種類を選択したり、その掲載位置を調節することができる。
【0100】
図14は、キャンセル方法をユーザに通知するための処理概略を示すフローチャートである。ユーザとサプライヤとの間でいったん取引が成立した場合でも、その後に、ユーザから注文が取り消される場合がある。オンライン商取引では、商品の現物を手にとって確認することができず、また、リアル店舗に比べて購入に至るまでの心理的障壁が低いため、ユーザは、よく検討せずに商品等を購入することがある。このような場合、ユーザは、注文した後で、その注文を取り消す。
【0101】
注文の取り消しには、専用の取消フォームを用いることができる。取消フォームを使用する場合、注文フォームの解析で述べたと同様に、その取消フォームデータを分析して、取り消された注文を特定することができる。
【0102】
これに対し、注文の取り消しに電子メールが使用される場合もある。ユーザからサプライヤに直接取消を伝える電子メールが送信された場合、推薦サイト20側では、この取り消された注文を把握することができない。
【0103】
そこで、推薦サイト20は、商用サイト40のウェブページ内に含まれている連絡先情報(電子メールアドレス)を予め検出し(S101)、この電子メールアドレスを推薦サイト20の運営者の電子メールアドレスに事前に書き換えてから(S102)、ウェブページ21に表示させる。
【0104】
これにより、ユーザからの取消メールは、推薦サイト20の運営者に送信される。推薦サイト20は、該当する注文を取り消してHTTPログ記憶部37の記憶内容を更新させると共に、この注文取消を商用サイト40に通知する。
【0105】
本実施例は、上述のように構成されるので、以下の効果を奏する。本実施例では、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で交換される取引情報を中継して記録する構成を採用した。従って、推薦サイト20及び商用サイト40のそれぞれにおいて、バナー広告22の広告効果を評価でき、ユーザの挙動を追跡することができる。これにより、サプライヤ側にモラルハザードが生じる可能性を抑制することができ、推薦サイト20の運営者とサプライヤとの間の相互信頼に基づいたオンライン広告を実現可能である。
【0106】
本実施例では、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間のデータ通信を中継する際に、互いに通信の相手方が認識できないように、IPパケットの情報を部分的に書き換える構成とした。これにより、推薦サイト20側で把握不能なバナー広告22に基づく取引が行われるのを未然に防止することができ、取引監視の信頼性が向上する。
【0107】
本実施例では、一連の取引に用いられる各通信をシステム内で一意に定まるセッションIDで特定する構成とした。従って、いずれのユーザコンピュータ10がいずれの商用サイト40と取引したかを容易に把握することができる。
【0108】
本実施例では、HTTPログ記憶部37に記憶されている取引ログから推定される報酬金額と商用サイト40から通知された報酬金額とを比較し、両金額が一致するか否かを推薦サイト20の運営者に通知可能な構成とした。従って、推薦サイト20の運営者は、各バナー広告22の広告効果や各サプライヤの信頼性等を容易に把握することができる。
【0109】
本実施例では、金額の一致が確認された取引データをHTTPログ記憶部37から消去可能な構成とした。従って、不要なデータを早期に削除して情報漏洩の可能性をより一層低減することができ、HTTPログ記憶部37の記憶容量を有効に利用できる。なお、不要なデータを消去せずに蓄積することにより、購買履歴に基づいて各ユーザの信頼性を評価等することもできる。また、各ユーザの購買履歴に応じて、ウェブページ21をそれぞれ動的に生成し、各ユーザの嗜好に応じてバナー広告22を掲載することも可能である。
【0110】
本実施例では、注文を取り消す場合も推薦サイト20で管理可能な構成とした。これにより、取消率が比較的高い商用サイト40やユーザであっても、実際に成立した有効な取引内容を正確に把握することができる。
【実施例2】
【0111】
図15に基づいて、第2実施例を説明する。本実施例の特徴は、案内用情報としての中継用URLに代えて、ユーザが持ち運び可能なクーポン券220を用い、クーポン券220が実際に使用されたか否かを中継装置300が検出して、商用サイト400に報告するようになっている。
【0112】
商用サイト400は、事前にアフィリエイトボタン210を埋め込んだウェブコンテンツを推薦サイト200に供給する(S110)。アフィリエイトボタン210とは、オンライン広告の効果を測定するためのボタンである。
推薦サイト200は、アフィリエイトボタン210が埋め込まれたコンテンツをユーザコンピュータ100に提供する。
【0113】
ユーザは、ユーザコンピュータ100を用いて推薦サイト200にアクセスし、アフィリエイトボタン210を選択することができる(S111)。アフィリエイトボタン210がユーザによって選択されると、推薦サイト200からユーザコンピュータ100に、電子クーポン券のデータが送信される(S112)。
【0114】
つまり、アフィリエイトボタン210には、電子化されたクーポン券のデータが予め対応付けられている。クーポン券としては、例えば、飲食店等のリアル店舗で提供される飲食物の無料または割引サービス券や粗品進呈券等を挙げることができる。
【0115】
推薦サイト200は、アフィリエイトボタン210が選択されると、電子化されたクーポン券のデータを発行する。このクーポン券のデータには、例えば、商用サイト400が予定しているクーポン券のサービス内容を示す情報に加えて、クーポン券を使用した場合の報告先IPアドレスが含まれている。この報告先IPアドレスには、中継装置300のIPアドレスがセットされている。
【0116】
クーポン券データは、例えば、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)等のように、二次元コード技術を用いて構成することができる。
【0117】
ユーザコンピュータ100が推薦サイト200から電子化されたクーポン券データを取得すると、このクーポン券データは、ユーザコンピュータ100が利用可能なプリンタ110により自動的に印刷される(S113)。
【0118】
ユーザは、印刷されたクーポン券220を持参して、商用サイト400のクーポン券サービスに加盟しているリアル店舗を訪れ、所望の商品等を購入する(S114)。この際に、ユーザは、クーポン券220をリアル店舗の店員に提示することにより、所定のクーポンサービスを受けることができる。
【0119】
リアル店舗の店員は、ユーザから受け取ったクーポン券220をスキャナ510で読み取ることにより、クーポン券220に含まれている情報を取得する(S115)。リアル店舗に設置された店舗端末500は、例えば、POS端末等のように構成可能であり、スキャナ510が接続されている。
【0120】
スキャナ510によって、クーポン券220の情報が店舗端末500に入力されると、店舗端末500は、クーポン券データに含まれている報告先IPアドレスに向けて、クーポン券220が使用された旨の情報を送信する。この使用報告情報には、例えば、そのクーポン券を識別するための識別コード、そのクーポン券が使用されたリアル店舗や店舗端末500を特定するための識別コード、使用日時等を含めることができる。
【0121】
予め報告先としてクーポン券データに設定されている中継装置300には、店舗端末500から使用報告情報が通信ネットワークを介して入力される。中継装置300は、推薦サイト200で発行されたクーポン券を管理するためのクーポン券データベース310を参照し、どのユーザコンピュータ100に向けて発行されたクーポン券であるか等を検出する。
【0122】
クーポン券データベース310には、例えば、推薦サイト200から各ユーザコンピュータ100に向けて発行された各クーポン券の情報が、各商用サイト毎に、各クーポンサービス毎に分類されてそれぞれ記憶されている。
【0123】
中継装置300は、例えば、データベース310に格納されているデータのうち、使用されたクーポン券に使用済みであることを示すフラグを設定する。そして、中継装置300は、商用サイト400にクーポン券が使用された旨を報告する(S117)。
【0124】
商用サイト400は、使用されたクーポン券の情報に基づいて、アフィリエイトボタン210の効果を評価し、使用実績(即ち商品等の購入実績)に応じた金額を推薦サイト200の運営者に支払う。推薦サイト200側では、クーポン券データベース310を参照することにより、クーポン券の使用実績を把握可能であり、商用サイト400から支払われた金額の妥当性を判断することができる。
【0125】
なお、クーポン券データは、印刷物として出力する必要はなく、例えば、携帯電話等の小型携帯端末内に記憶させて使用することもできる。即ち、携帯端末の端末画面に二次元コードを表示させて、これをスキャナ510で読み取ることができる。あるいは、携帯端末から店舗端末500にクーポン券データを直接送信することもできる。
【0126】
このように構成される本実施例でも、前記実施例と同様に、オンライン広告の効果を客観的に測定することができ、かつ、推薦サイト200及び商用サイト400の双方でユーザの挙動を追跡することができる。
【0127】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、当業者であれば、前記各実施例を適宜組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施形態の概念を示す説明図である。
【図2】オンライン広告システムの全体概要を示すブロック図である。
【図3】推薦サイトにより提供されるウェブページの概略構成を模式的に示す説明図である。
【図4】オンライン広告システムの全体動作の概要を示すフローチャートである。
【図5】URL変換(生成)処理を示すフローチャートである。
【図6】中継装置が受信するHTTPリクエストの構成を示す説明図である。
【図7】推薦サイトのウェブページ内でウェブアプリケーションが実行される様子を示し、(a)は商品等の注文時の画面を、(b)は注文が受け付けられた場合の確認画面をそれぞれ示す。
【図8】IPパケット内の情報から通信セッションを特定するための情報を得る様子を示す説明図である。
【図9】セッション記録テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】IPアドレス変換処理を示すフローチャートである。
【図11】送信フォーム記録処理を示すフローチャートである。
【図12】フォームデータから所定の情報を取得するために使用されるプログラムの一例を示す説明図である。
【図13】アフィリエイト効果を評価するための処理を示すフローチャートである。
【図14】キャンセル方法通知処理を示すフローチャートである。
【図15】第2実施例に係るオンライン広告システムを示す全体説明図である。
【符号の説明】
【0129】
1…ユーザコンピュータ、2…推薦サイト、3…中継装置、4…商用サイト、10…ユーザコンピュータ、11…ウェブブラウザ、20…推薦サイト、21…ウェブページ、21A…タイトル表示部、22,22A〜22C…バナー広告、23…ローカルコンテンツ、24…スクリプト埋込部、25…セッションID生成部、26…セッションログ集計部、27…セッションID記憶部、30…中継装置、31…URLフィルタ、32…アドレス変換部、33…URL変換部、34…セッション記録部、35…送信フォーム記録部、36…キャンセル方法通知部、37…HTTPログ記憶部、40…商用サイト、41…スクリプト生成部、42…ウェブページ生成部、100…ユーザコンピュータ、110…プリンタ、200…推薦サイト、210…アフィリエイトボタン、220…クーポン券、300…中継装置、310…クーポン券データベース、400…商用サイト、500…店舗端末、510…スキャナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン広告システム及びオンライン広告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術及びコンピュータ技術等の進展に伴って、いわゆるインターネットへの接続環境が広く普及している。ユーザは、例えば、自宅や職場等に設置されているパーソナルコンピュータを用いて、あるいは、データ通信可能な携帯電話を用いて、所望のサイトにアクセスすることができる。例えば、ユーザは、インターネット上に構築されている仮想店舗にアクセスすることにより、種々の商品やサービスを入手可能である。
【0003】
そこで、各仮想店舗の運営者は、ユーザアクセスをできるだけ多く自店のサイトに集めるべく、他のウェブサイト上にバナー広告を掲載する。そのウェブブラウザを訪れたユーザが、バナー広告を選択(いわゆるクリック操作)すると、広告主のサイトにジャンプする(特許文献1,特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−338167号公報
【特許文献2】特開2001−283083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載された技術では、広告主は、例えば、他のウェブサイトが有する集客力を利用して、自店舗サイトへのアクセス増大を図ることができる。従来は、管理が容易である等の理由により、広告主は、他サイトから自店舗サイトに誘導されたユーザ数に応じて、他サイトのオーナーに報酬を支払うことが多い。
【0005】
しかし、このようなユーザの誘導数、即ち、バナー広告のクリック回数に基づいて報酬を支払う方法では、購買に結びつかない単なる冷やかしのクリックに対しても、報酬が支払われることになる。また、モラルハザードを生じた場合は、バナー広告を掲載する他サイトのオーナー自身が、バナー広告をクリックして報酬金額の引き上げを目論む可能性も考えられる。
【0006】
そこで、成果報酬型の方法が提案されている。成果報酬型では、ユーザが実際に商品等を購入した実績に応じて、バナー広告掲載先のサイトオーナーに報酬を支払うようになっている。これにより、バナー広告掲載先サイトにおいてモラルハザードが生じるのを未然に防止することができる。
【0007】
しかし、実際にユーザが商品等を購入したか否かの情報は、店舗サイト側でのみ把握可能であり、バナー広告の掲載先サイトでは把握できない。従って、店舗サイト側で新たなモラルハザードを生じる可能性があり、広告主と掲載先サイトのオーナーとの間に不信感を招く可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、サプライヤシステム及び提携先システムの両方で、提携先システムを介してサプライヤシステムにアクセスしたユーザの挙動を追跡することができるようにしたオンライン広告システム及びオンライン広告方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、後述する実施形態の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うオンライン広告システムは、サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報をユーザコンピュータに提供する提携先システムを備えたオンライン広告システムであって、ユーザコンピュータ及びサプライヤシステムにそれぞれ通信ネットワークを介して接続され、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継する中継装置を設け、案内用情報には、中継装置を経由してサプライヤシステムにアクセスするための接続用情報が含まれており、中継装置は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するデータ中継手段と、このデータ中継手段によって中継されたデータ通信のうち所定のデータ通信の状況を保存する通信状況保存手段と、を備える。
【0010】
ここで、サプライヤシステムとは、商品やサービスを提供するサプライヤによって運用されるコンピュータシステムであり、例えば、商用サイトや店舗サイト等と呼ぶこともできる。提携先システムとは、宣伝広告に関してサプライヤシステムと提携しているコンピュータシステムであり、例えば、広告サイトあるいは提携先サイトまたは推薦サイト等と呼ぶことができる。また、ユーザコンピュータとは、ユーザによって使用されるコンピュータを意味し、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯情報端末を挙げることができる。
【0011】
提携先システムは、例えば、ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ内に、案内用情報を設けることができる。案内用情報とは、サプライヤシステムへユーザを導くための情報であり、例えば、バナー広告等が該当する。案内用情報には、中継装置を経由してサプライヤシステムにアクセスするための接続用情報が含まれている。
【0012】
ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間には、中継装置が設けられる。中継装置は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するデータ中継手段と、中継されたデータ通信の状況を保存する通信状況保存手段とを備えることができる。中継装置は、提携先システム内に設けることもできるし、提携先システムとは別のコンピュータシステム内に設けることもできる。
【0013】
従って、ユーザが案内用情報を選択してサプライヤシステムへのアクセスを希望した場合、ユーザコンピュータは直ちにサプライヤシステムに接続されるのではなく、いったん中継装置に接続される。そして、中継装置は、ユーザコンピュータに成り代わってサプライヤシステムにアクセスし、サプライヤシステムからのデータをユーザコンピュータに転送する。このデータ中継の状況は、通信状況保存手段によって保存される。通信状況としては、どのユーザがどのサプライヤシステムにいつアクセスし、どのような操作を行ったか等を含めることができる。つまり、中継装置は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間で行われた取引の状況を記録して保存する。ユーザとの取引状況は、サプライヤシステムにおいても把握することができる。
【0014】
従って、提携先システムとサプライヤシステムとの両方で、ユーザとサプライヤシステムとの間のデータ交換(取引内容)をそれぞれ把握することができ、オンライン広告の効果に関する情報をそれぞれが管理可能であり、相互不信の発生を抑制できる。
【0015】
データ中継手段は、(1)ユーザコンピュータからサプライヤシステムへのデータ送信を中継装置からサプライヤシステムへのデータ送信としてアドレス情報を書き換え、(2)サプライヤシステムからユーザコンピュータへのデータ送信を中継装置からユーザコンピュータへのデータ送信としてアドレス情報を書き換えることができる。
【0016】
即ち、中継装置は、ユーザコンピュータから受信したIP(Internet Protocol)パケット内の送信元IPアドレスを中継装置のIPアドレスに書き換えてから、サプライヤシステムに送信する。逆に、中継装置は、サプライヤシステムから受信したIPパケット内の送信元IPアドレスを中継装置のIPアドレスに書き換えてから、ユーザコンピュータに送信する。従って、ユーザコンピュータ及びサプライヤシステムは、それぞれ中継装置を相手にしてデータ通信を行うことになる。即ち、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとは、互いに相手を直接認識することができない。
【0017】
接続用情報には、少なくとも、中継装置を特定するアドレス情報と、ユーザコンピュータと中継装置との通信セッションを特定するためのセッション識別情報と、提携先システムで生成された接続用情報であることを示す生成元情報と、案内用情報を識別するための案内用情報識別情報と、サプライヤシステムを特定するためのサプライヤシステム識別情報とを含めることができる。そして、データ中継手段は、ユーザコンピュータが接続用情報を介してアクセスしてきた場合に、この接続用情報内に生成元情報と、案内用情報識別情報と、サプライヤシステム識別情報とが含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継することができる。即ち、中継装置は、中継の必要のあるデータ通信であるか否かを予め判別し、中継の必要のあるデータ通信のみを中継するようになっている。
【0018】
提携先システムは、サプライヤシステムにより実行されるアプリケーションプログラムを呼び出して、ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ上で、アプリケーションプログラムとウェブブラウザとの間のデータ交換を行わせることができる。そして、通信状況保存手段は、アプリケーションプログラムとウェブブラウザとの間のデータ交換の状況も保存することができる。
【0019】
アプリケーションプログラムとしては、例えば、CGI(Common Gateway Interface)プログラム等のように、ユーザから入力された情報を処理し、その処理結果を返すようなプログラムを挙げることができる。具体的には、注文受付処理プログラムや発送先確認処理プログラム等のような、商取引の全部または一部を処理するプログラムを挙げることができる。提携先システムのウェブページ内に、フォーム入力画面を表示させて、そこにユーザが所定の情報(注文する商品名や数量等)を入力すると、このフォーム入力情報は、通信状況保存手段により検出されて保存される。また、アプリケーションプログラムによる処理結果は、ウェブページ内のフォーム出力画面を介して、ユーザに通知されるが、この出力情報も通信状況保存手段により検出されて保存される。
【0020】
通信状況保存手段による保存結果とサプライヤシステムにより管理されている提携先システムの貢献度とが適合するか否かを判定する照合手段をさらに備えてもよい。通信状況保存手段は、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間で行われたデータ通信の状況(取引内容等)を保存している。一方、サプライヤシステムでは、そのアクセス状況及び購入実績等に基づいて、提携先システムの貢献度を管理している。提携先システムへの報酬は、その貢献度により定まる。中継装置の保存結果とサプライヤシステムからの報酬(貢献度)とを照合することにより、適正な評価が行われているか否かを確認することができる。照合手段は、評価確認手段と呼ぶこともできる。
【0021】
提携先システムは、サプライヤシステムへの連絡用情報を、提携先システムへの連絡用情報に置き換えて、前記ユーザコンピュータに提供してもよい。連絡用情報としては、例えば、電子メールアドレス等を挙げることができる。サプライヤシステム宛の電子メールアドレスを提携先システムへの電子メールアドレスに置換してユーザコンピュータに提供することにより、電子メールを利用した注文の取り消しや納期変更等の情報も、提携先システム側で把握することができる。
【0022】
案内用情報は、ユーザによって持ち運び可能な形態で提携先システムから提供することもできる。持ち運び可能な形態としては、例えば、印刷出力されたクーポン券や携帯電話等に記憶された電子化クーポン券等を挙げることができる。例えば、ユーザは、提携先システムに掲載されたクーポン券を印刷したり、あるいは、携帯電話等の小型端末内に記憶させることができる。ユーザは、実際の店舗に赴いて、そのクーポン券を利用することができる。ユーザがクーポン券を利用して商品等を購入すると、その使用されたクーポン券の情報が、中継装置を介してサプライヤシステムに送信される。
【0023】
本発明の他の観点に従うデータ通信制御方法は、サプライヤシステムからユーザコンピュータへオンラインで広告を行うためのオンライン広告方法であって、サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報を含むウェブページを生成し、このウェブページをユーザコンピュータに提供するステップと、ユーザコンピュータが案内用情報を選択した場合は、ユーザコンピュータ及びサプライヤシステムがそれぞれ互いに直接認識できないようにアドレス情報を書き換えて、ユーザコンピュータとサプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するステップと、中継されたデータ通信の状況を保存するステップと、を含む。
【0024】
本発明の機能、手段、ステップの全部または一部は、例えば、マイクロコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムとして構成可能な場合がある。そして、このコンピュータプログラムは、例えば、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に固定して配布することができる。または、コンピュータプログラムをインターネット等の通信ネットワークを介して、配信することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、ユーザとサプライヤシステムとの間の取引状況を中継装置によって監視し、その取引内容を保存することにより、提携先システムでの広告を契機として行われた取引に関する情報を提携先システム側でも管理できるようにしている。
【0026】
このオンライン広告システムは、例えば、ユーザコンピュータ1と、推薦サイト2と、中継装置3と、商用サイト4とを含んで構成することができる。ユーザコンピュータ1としては、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯情報端末等を挙げることができる。ユーザコンピュータ1は、例えば、ウェブブラウザのようなアクセス手段を備えている。
【0027】
推薦サイト2及び商用サイト4は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータとして構成することができる。推薦サイト2は、商用サイト4の存在または商用サイト4で提供されている商品等をユーザに広告するコンピュータシステムである。推薦サイト2は、例えば、仮想商店街のポータルサイト、商品等の紹介サイト、個人サイト、企業サイト等のように、種々のサイトとして構築可能である。
【0028】
推薦サイト2は、ウェブページをユーザコンピュータ1に提供する。ウェブページには、推薦サイト2のオリジナルコンテンツに加えて、バナー広告が掲載されている。バナー広告とは、例えば、画像やテキストによって、商用サイト4自身や商用サイト4が提供する商品等を紹介するための情報である。このバナー広告には、中継装置3を経由して商用サイト4にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が設定されている。
【0029】
中継装置3は、推薦サイト2と連携して動作するもので、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間のデータ通信を中継し、この通信の状況を記録する。中継装置3は、推薦サイト2と別体のコンピュータとして設けることもできるし、推薦サイト2内に設けることもできる。
【0030】
中継装置3は、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間に介在することにより、ユーザコンピュータ1と商用サイト4との間の直接的なデータ交換を阻止する。中継装置3は、ユーザコンピュータ1から受信したIPパケットの送信元IPアドレスを、中継装置3に設定されているIPアドレスに書き換えて、商用サイト4に転送する。また、中継装置3は、商用サイト4から受信したIPパケットの送信元IPアドレスを、中継装置3に設定されているIPアドレスに書き換えて、ユーザコンピュータ1に転送する。
【0031】
商用サイト4は、例えば、各種商品やサービスを提供するサプライヤにより運営されているコンピュータシステムである。図では一つのみ示すが、実際には複数の商用サイト4を設けることができる。サプライヤは、商用サイト4に加えて、実際の店舗(リアル店舗)を有することもできる。
【0032】
商用サイト4には、サプライヤの提供する商品等を紹介するウェブページや、その商品等への注文を受け付けるためのプログラム、顧客データベース等が設けられている。また、商用サイト4は、推薦サイト2に掲載されたバナー広告を契機とする注文であるか否かを判別し、推薦サイト2の貢献度を評価することができる。
【0033】
次に、本実施形態の全体動作を説明する。ユーザは、ウェブブラウザを介して、推薦サイト2にアクセスする。例えば、そのユーザの興味を惹くバナー広告が掲載されている場合、ユーザは、そのバナー広告を選択する(S1)。
【0034】
ユーザがバナー広告を選択すると、中継装置3を経由して商用サイト4にアクセスするためのURLが推薦サイト2からユーザコンピュータ1に送信される(S2)。ユーザコンピュータ1のウェブブラウザは、推薦サイト2から受信したURLへアクセスし、コンテンツを要求する(S3)。
【0035】
ここでのコンテンツとしては、例えば、商用サイト4のトップページや商品等の紹介ページまたは注文ページ等を挙げることができる。なお、図中では、コンテンツの送受信を示しているが、ユーザコンピュータ1と商用サイト4とは、中継装置3を介して、各種のIPパケットを交換する。これらのIPパケットには、例えば、商品等を紹介する情報、商品等を注文するために必要な情報、商品等の注文が受け付けられたことを示す情報等を格納させることができる。
【0036】
中継装置3は、ユーザコンピュータ1からのリクエストを受信すると、このIPパケットに含まれる送信元IPアドレスを中継装置3のIPアドレスに書き換えて(S4)、商用サイト4に送信する(S5)。また、中継装置3は、ユーザコンピュータ1からのリクエストをデータベースに記録して保存する(S6)。
【0037】
商用サイト4は、中継装置3からのリクエストを受信すると、所定のレスポンスを中継装置3に返す(S7)。中継装置3は、商用サイト4から受信したIPパケットの送信元IPアドレスを中継装置3のIPアドレスに書き換えて(S8)、ユーザコンピュータ1に転送する(S9)。中継装置3は、商用サイト4からユーザコンピュータ1に送信されたレスポンスをデータベースに記録して保存する(S6)。
【0038】
ここで、ユーザコンピュータ1と中継装置3との間の通信セッションには、それぞれ識別コードが対応付けられており、どのユーザコンピュータ1とのデータ通信であるかが特定される。従って、複数回のHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエスト及びHTTPレスポンスがユーザコンピュータ1と商用サイト4との間で行われた場合でも、ユーザコンピュータ1を特定して商取引の状況(取引ログ)を記録することができる。
【0039】
推薦サイト2は、中継装置3により保存された取引ログに基づいて、商用サイト4への貢献度を推測することができる。一方、商用サイト4では、インターネット経由の注文を独自に管理しており、この管理データに基づいて、推薦サイト2に掲載されたバナー広告の広告効果を評価する。
【0040】
例えば、毎月末等のように、所定の期日が到来すると、商用サイト4のサプライヤは、バナー広告による受注金額を集計し、この金額に所定割合を乗じた金額を推薦サイト2への報酬として算出する。一方、推薦サイト2の運営者は、中継装置3に保存されている取引ログを参照することにより、サプライヤによって算出された報酬金額の妥当性を判断することができる。
【0041】
このように、本実施形態では、推薦サイト2に掲載されたバナー広告の効果を、推薦サイト2及び商用サイト4の両方でそれぞれ独自に追跡し、管理することができる。従って、成果報酬型の報酬が支払われる場合に、商用サイト4側でモラルハザードが生じるのを未然に抑止することができ、相互の信頼の下でオンライン広告を有効に機能させることができる。
【0042】
また、推薦サイト2側でもバナー広告の効果を評価できるため、バナー広告の掲載方法や掲載するバナー広告の種類等について検討することができ、商用サイト4と協調してオンライン広告の改善に取り組むことができる。以下、本実施形態のより詳細な実施例を説明する。
【実施例1】
【0043】
図2は、オンライン広告システムの全体構成を示すブロック図である。この広告システムは、例えば、ユーザコンピュータ10と、推薦サイト20と、中継装置30と、商用サイト40とを含んで構成することができる。図中では、説明の便宜上それぞれ一つずつ示しているが、実際には、それぞれ複数ずつ設けることができる。
【0044】
ユーザコンピュータ10は、商品等を購入するユーザによって使用されるコンピュータであり、ウェブブラウザ11やメーラー(不図示)等を備えている。
【0045】
推薦サイト20は、例えば、仮想商店街の運営サイトや商品等の紹介サイトとして構築されるコンピュータシステムである。推薦サイト20は、ユーザコンピュータ10に提供するためのウェブページ21を記憶しており、ウェブページ21にはバナー広告22及びローカルコンテンツ23が含まれている。ウェブページ21の詳細はさらに後述するが、バナー広告22は商用サイト4にユーザを誘導するための情報である。
【0046】
また、推薦サイト20は、URLスクリプト埋込部24と、セッションID生成部25と、セッションログ集計部26と、セッションID記憶部27とを備えることができる。URLスクリプト埋込部24は、商用サイト4へ誘導するためのURLが設定されたバナー広告22を生成するためのものである。セッションID生成部25は、ユーザコンピュータ10と推薦サイト20との間の通信セッションを特定するためのセッションID(識別コード)を生成するものである。セッションログ集計部26は、ユーザコンピュータ10との間の通信セッションを集計するもので、集計結果はHTTPログ記憶部37に記憶される。セッションID記憶部27は、セッションIDを記憶する。
【0047】
中継装置30は、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間のデータ通信を中継し、両者の間で行われた取引に関する情報を収集して保存するものである。中継装置30は、推薦サイト20と連携して動作するもので、プロキシサーバ機能と、ゲートウェイ機能と、データロガー機能をそれぞれ実現する。
【0048】
中継装置30は、コンピュータプログラム製品として構成可能であり、推薦サイト20内に中継装置30を設けることができる。あるいは、中継装置30を、例えば、推薦サイト20とは別体のコンピュータやゲートウェイ装置として構成することもできる。また、複数のコンピュータを連動させることにより、中継装置30の各機能をそれぞれ実現させる構成でもよい。
【0049】
中継装置30は、例えば、URLフィルタ31と、IPアドレス変換部32と、URL変換部33と、セッション記録部34と、送信フォーム記録部35と、キャンセル方法通知部36とを備えて構成することができる。これらの各機能31〜36は、それぞれのプログラムによって実現可能である。各機能の詳細は、図を改めてそれぞれ後述する。
【0050】
HTTPログ記憶部37は、ユーザコンピュータ10と商用サイト40とが中継装置30を介して行ったデータ通信の状況を記憶する。ユーザコンピュータ10は、例えば、所望の商品等を特定するための情報(商品名や型番等)や数量等の情報を中継装置30を介して商用サイト40に送信する。商用サイト40は、例えば、受注確認や予定納期、配達方法等の情報を中継装置30を介してユーザコンピュータ10に送信する。中継装置30は、これらの取引に関する情報を各セッションID毎にそれぞれ収集して、HTTPログ記憶部37に保存させる。従って、HTTPログ記憶部37は、例えば、通信状況保存手段、取引情報記憶手段等のように呼ぶことができる。なお、HTTPは、本システムで使用可能なプロトコルの一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0051】
商用サイト40は、商品やサービスを提供するサプライヤにより運営されているコンピュータシステムである。商用サイト40は、例えば、URLスクリプト生成部41と、ウェブページ生成部42とを備えることができる。URLスクリプト生成部41は、バナー広告22用のスクリプトを生成して、これを推薦サイト20に提供する。ウェブページ生成部42は、商品等の紹介や注文を受けるための一つまたは複数のウェブページを生成するものである。また、商用サイト40では、商品等の販売管理に使用する一つ以上のウェブアプリケーションプログラムを稼働させることができる。
【0052】
図3は、推薦サイト20がユーザコンピュータ10に提供するウェブページ21の構成を模式的に示す説明図である。このウェブページ21は、ウェブブラウザ11によって閲覧可能である。
【0053】
ウェブページ21は、例えば、タイトル表示部21Aと、バナー広告22A〜22C(特に区別しない場合は全体として「バナー広告22」と呼ぶ)と、ローカルコンテンツ23とを含んで構成することができる。
【0054】
タイトル表示部21Aは、画像やテキストにより、推薦サイト20のサイト名やウェブページ21のページ名を表示する箇所である。バナー広告22は、商用サイト40を紹介したり、商用サイト40で提供されている商品等を紹介するための広告情報である。バナー広告22には、中継装置30を介して商用サイト40にアクセスするためのURLが予め設定されている。
【0055】
例えば、バナー広告22Aは、画像データによってA社そのものを宣伝する。バナー広告22Bは、サプライヤの名称ではなく、そのサプライヤが販売している商品そのものを商品自体の画像データで宣伝する。バナー広告22Cは、テキストによって、B社の存在を宣伝する。画像バナーの場合は、静止画像でも動画像でもいずれでもよい。また、例えば、同一の表示領域に、異なる複数のバナー広告を所定タイミングで切り替えながら、それぞれ表示させることもできる。
【0056】
ローカルコンテンツ23は、推薦サイト20のオリジナルコンテンツである。ローカルコンテンツ23は、例えば、推薦サイト20へユーザアクセスを集めるために掲載されている。推薦サイト20が個人運営サイトの場合、ローカルコンテンツ23としては、例えば、日記や写真等が用いられる。推薦サイト20が仮想商店街の運営者サイトや企画サイト等のような企業サイトの場合、例えば、お買い得情報や顧客の体験談等がローカルコンテンツ23として用いられる。なお、ローカルコンテンツ23は、集客のための一手段であって、本システムでは必ずしも必要ではない。
【0057】
図4は、本システムの全体動作の概略を示すフローチャートである。以下の説明では、ステップを「S」と略記する。なお、以下のフローチャートは、それぞれ処理の概略を示すもので、実際のプログラムとは相違する。
【0058】
まず、ユーザは、ユーザコンピュータ10のウェブブラウザ11を用いて、推薦サイト20にアクセスし、所望のバナー広告22を選択する。これにより、ユーザコンピュータ10から推薦サイト20にHTTPリクエストが送信される(S11)。
【0059】
推薦サイト20は、ユーザコンピュータ10からのリクエストを受信すると(S12)、そのユーザコンピュータ10との通信セッションを識別するためのセッションIDを生成する(S13)。推薦サイト20は、バナー広告22に予め設定されているURLに、セッションID等の所定の情報を加えてURLを生成し(S14)、このURLをユーザコンピュータ10に送信する(S15)。
【0060】
推薦サイト20からユーザコンピュータ10に送信されるURL”D10”の詳細は、さらに後述する。なお、URL生成には種々の方法を採用可能である。一つの方法は、セッションID以外の部分を予め全て設定しておき、ユーザコンピュータ10からアクセスされた場合にセッションIDを付加する。他の一つの方法は、ユーザコンピュータ10からアクセスされたときに、URLの多くの部分を生成して完成させる方法である。いずれの方法を採用してもよいし、これ以外の方法を採用してもよい。
【0061】
ユーザコンピュータ10は、推薦サイト20からURLを受信すると(S16)、このURLの示す先にアクセスする(S17)。このURLには、中継装置30のアドレスが含まれており、ユーザコンピュータ10は中継装置30に接続される。
【0062】
中継装置30は、ユーザコンピュータ10からのリクエストを受信すると(S18)、このリクエストのURLを検査する(S19)。予定されている所定の情報を含んだURLによってリクエストが行われた場合(S19:可)、中継装置30は、ユーザコンピュータ10とのセッションをHTTPログ記憶部37に記録させる(S20)。所定条件を満たさないURLを用いてHTTPリクエストが行われた場合(S19:不可)、中継装置30は、このリクエストを処理せずに、ユーザコンピュータ10にエラーを通知する。即ち、中継装置30は、推薦サイト20に掲載されたバナー広告22に基づくHTTPリクエスト及びレスポンスのみを中継するようになっている。
【0063】
中継装置30は、ユーザコンピュータ10から受信したIPパケット中の送信元IPアドレスを中継装置30のIPアドレスに書き換えて(S21)、商用サイト40にHTTPリクエストを送信する(S22)。つまり、中継装置30は、ユーザコンピュータ10に成り代わって、商用サイト40にアクセスする。商用サイト40に対してユーザコンピュータ10の存在は隠される。
【0064】
商用サイト40は、中継装置30からのリクエストを受信すると(S23)、このリクエストに対応するレスポンスを生成して中継装置30に送信する(S24)。取引の初期段階で生成されるレスポンスとしては、例えば、商品等の宣伝ページ等を挙げることができる。
【0065】
中継装置30は、商用サイト40からHTTPレスポンスを受信すると(S25)、IPパケットに含まれている送信元IPアドレスを中継装置30のIPアドレスに書き換えてから(S26)、このレスポンスをユーザコンピュータ10に送信する(S27)。
【0066】
ユーザコンピュータ10は、中継装置30からのレスポンスを受信すると(S28)、このレスポンスをウェブブラウザ11に表示させる(S29)。例えば、ウェブブラウザ11には、商品の特徴や使用例といった商用サイト40の宣伝コンテンツを含む商品カタログページが表示される。商品カタログページから、購入したい商品やサービスを選択すると、型番や価格が表示されたフォーム画面に遷移する。このフォーム画面では、ユーザに対して、希望数量の入力及び購買の意思決定が求められる。送信フォームには、最終的な「購入決定」の意図を相手方に通知するフォーム送信ボタンが設けられる。
【0067】
ユーザは、商品等の購入を希望する場合、商品の希望数量のほか、配送先住所、支払い方法等の購入に際して必要な情報を入力して、「購入決定」の意図を示すフォーム送信ボタンを押下する。これらの購入の際に行われるユーザ操作は、新たなHTTPリクエストとして中継装置30に送信され(S17)、上述のS18〜S29が繰り返される。
【0068】
ここで留意すべき点は、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で行われるデータ通信(取引)は、全て中継装置30を介して行われ、直接のデータ交換が防止されている点と、この取引に関する情報は中継装置30によって記録されている点である。
【0069】
次に、図5は、図4中のS14に示すURL生成(変換)処理の概略を示すフローチャートである。推薦サイト20は、予めバナー広告22に用いるデータ(画像データ等のウェブコンテンツ)をハードディスク等のキャッシュ領域に保存する(S41)。そして、推薦サイト20は、バナー広告22に設定されているURLを、中継装置30を経由してアクセスするためのURLに変更する(S42)。本実施例では、この変更後のURLを中継用URLと呼ぶ。
【0070】
これにより、ユーザがバナー広告22をクリックした場合でも、ウェブブラウザ11は商用サイト40に直接移動することはできず、中継装置30に接続される。
【0071】
図6は、推薦サイト20からユーザコンピュータ10に渡される中継用URL”D10”の一例を示す説明図である。この中継用URLは、例えば、D11及びD12の2つのデータ領域に大別することができる。
【0072】
中継用URLの先頭に位置するD11は、ユーザから確認可能な情報であり、中継装置30のIPアドレス(あるいはドメイン名)とセッションIDとが含まれている。D11に続くD12は、実際には、データ部を推薦サイトで暗号化しているため、ユーザから隠された情報となっており、中継装置30で復号化して用いる。推薦サイト20で暗号化したデータを中継装置30で復号化するための‘鍵’は、推薦サイト20から中継装置30へ予め配布しておく。D12には、例えば、推薦サイト20を特定するための情報D12aと、商用サイト40により管理されている広告識別情報D12bと、目的とするウェブページを特定するためのIPアドレス(以下、これを「目的URL」と呼ぶ)D12cとを含むことができる。
ここで、セッションIDは、案内用情報を識別するための「案内用情報識別情報」として定義可能である。D12は、案内用情報の一例に該当する。
なお、案内情報の生成元を示す生成元情報は、図6中では「originator」という変数名で示されている。また、図6中に示す「affiriate」という変数の値が商用サイト40に送られることにより、商用サイト40では、この情報を提携先の推薦サイト20を識別するコードとして使用することができる。
なお、上記のように変数と値のペアを‘=’で結び‘&’で区切る形式で並べた組をURLの後ろに付ける方法に限らない。例えば、HTTPヘッダに変数と値のペアを配置するクッキーという手法を使っても同様の効果を得ることができる。
【0073】
上述した図4中のS19では、ユーザコンピュータ10から受信したリクエストが、図6に示すような情報を含んでいるか否かを検査し、必要な情報を含んでいるIPパケットのみを処理するようになっている(URLフィルタリング)。
【0074】
図7は、推薦サイト20のウェブページ21に表示されたフォームを用いて商品等を購入する場合の様子を示す。
【0075】
図7(a)は、商品等の注文画面である。推薦サイト20のウェブページ21内に、商用サイト40上で実行される受注処理プログラムのユーザインターフェース部分を呼び出して表示させることができる。この受注処理プログラムは、予め設定されている所定の情報の入力を促す。定型のフォームが定まっているため、このユーザインターフェース部分をフォーム24と呼ぶ。
【0076】
ユーザが購入に必要な情報を注文フォームF1に入力すると、D21に示すような発注用フォームデータがユーザコンピュータ10から送信される。中継装置30は、この発注用フォームデータの全部または少なくとも一部をHTTPログ記憶部37に記憶させる。中継装置30は、発注用フォームデータに含まれる各情報のうち、例えば、注文された商品等の名称、その型番、その購入数量、その単価及び合計金額を取得してHTTPログ記憶部37に記憶させることができる。これらの情報に加えて、決済方法や送り先住所や配送希望日時、特記事項等の情報を保存してもよい。この場合、個人情報の保護に配慮して、取引内容からユーザが特定されないように、かつ、個人情報が悪用されないように、必要な暗号化処理等を行うのが望ましい。
【0077】
図7(b)は、商用サイト40で実行された処理結果を表示する受注確認画面の一例を示す。発注フォームデータが中継装置30を介して商用サイト40に送信されると、商用サイト40は、購入に必要な情報が全て揃っているか否か等を検査し、ユーザからの注文を受け付ける。そして、注文が受け付けられた旨のレスポンスD22は、商用サイト40から中継装置30を介してユーザコンピュータ10に送信される。
【0078】
受注確認フォームF2では、ユーザの注文内容や発注番号等が表示される。中継装置30は、商用サイト40から入力される注文受付メッセージデータD22の中から所定の情報(例えば、発注番号等)を抽出し、この情報をHTTPログ記憶部37に記憶させる。
【0079】
ここで、発注時に抽出される情報と発注確認時に抽出される情報には、それぞれ共通のセッションIDが割り当てられており、このセッションIDやタイムスタンプと関連づけられてHTTPログ記憶部37にそれぞれ記憶される。従って、セッションIDを検索キーとして検索することにより、あるひとまとまりの取引内容に含まれる情報を検出することができる。
【0080】
図8は、セッションIDを生成する様子を示す説明図である。図8には、IPパケットのフォーマットが示されている。IPパケットには、バージョン、ヘッダ長、サービスタイプ(TOS)、データグラム長、フラグ、フラグメントオフセット、プロトコル番号、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、データ部分等が含まれている。
【0081】
本実施例では、これらの各情報のうち、送信元IPアドレスと宛先IPアドレス及びプロトコル番号に着目し、これら3種類の情報の組合せに対して、本システム内で一意に定まるセッションIDを割り当てるようになっている。なお、一つの中継装置30が複数の推薦サイト20と連携する場合は、各推薦サイト20毎に一意に定まるセッションIDを割り当てればよい。
【0082】
図9は、推薦サイト20及び中継装置30の両方でそれぞれセッションを管理するためのセッション記録テーブルを示す説明図である。第1のセッション記録テーブルT11は、推薦サイト20内で生成される。このセッション記録テーブルT11は、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスとプロトコル番号との組合せに対して、それぞれ一意のセッションIDを割り当てて記録している。
【0083】
ここで、第1セッション記録テーブルT11では、送信元IPアドレスとしてユーザコンピュータ10のIPアドレスが格納され、宛先IPアドレスとして商用サイト40のIPアドレスが格納される。
【0084】
図9の下側に示す第2のセッション記録テーブルT12は、中継装置30により生成される。このセッション記録テーブルT12は、前記同様に、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスとプロトコル番号との組合せに対して、それぞれ一意のセッションIDを割り当てて記録している。
【0085】
第2セッション記録テーブルT12では、送信元IPアドレスとしてユーザコンピュータ10のIPアドレスまたは商用サイト40のIPアドレスのいずれか一方が格納され、宛先IPアドレスとして中継装置30のIPアドレスが格納される。
【0086】
そして、テーブルT12で使用されるセッションIDには、テーブルT11で使用されているセッションIDが使用されている。即ち、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で行われる一連の通信は、共通のセッションIDで管理される。推薦サイト20で発行されたセッションIDを中継装置30に送信して受け継がせることにより、同一のセッションIDでデータ通信を監視することができる。従って、セッションIDを検索キーとして使用することにより、その通信が、いずれのユーザコンピュータ10といずれの商用サイト40との間で行われたものであるかを特定することができる。
【0087】
図10は、IPアドレス変換処理を示すフローチャートである。中継装置30は、IPパケットを受信したか否かを監視している(S51)。IPパケットを受信した場合(S51:YES)、中継装置30は、そのIPパケットが変換対象のパケットであるか否かを判定する(S52)。ここでは、バナー広告22を契機としてユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で行われる一連のデータ通信に使用されるIPパケットを、変換対象とする。従って、ユーザコンピュータ10または商用サイト40以外のノードから受信されたIPパケットは、変換の対象とならない。
【0088】
変換対象のIPパケットである場合(S52:YES)、中継装置30は、ユーザコンピュータ10からのIPパケットであるか否かを判定する(S53)。ユーザコンピュータ10からのIPパケットの場合(S53:YES)、中継装置30は、各テーブルT11,T12を参照して通信セッションを特定する(S54)。そして、中継装置30は、そのIPパケットの送信元IPアドレスとして中継装置30のIPアドレスをセットし(S55)、宛先IPアドレスとして商用サイト40のIPアドレスをセットする(S56)。
【0089】
これに対し、受信したIPパケットが商用サイト40からのパケットである場合(S53:NO)、中継装置30は、各テーブルT11,T12を参照して通信セッションを特定する(S57)。そして、中継装置30は、そのIPパケットの送信元IPアドレスとして中継装置30のIPアドレスをセットし(S58)、宛先IPアドレスとしてユーザコンピュータ10のIPアドレスをセットする(S59)。
【0090】
このように、中継装置30内で、ユーザコンピュータ10から受信したIPパケット及び商用サイト40から受信したIPパケットの情報をそれぞれ書き換えることにより、ユーザコンピュータ10は中継装置30との間で、商用サイト40は中継装置30との間で、それぞれデータ通信を行うことになる。この結果、ユーザコンピュータ10と商用サイト40とが互いをそれぞれ認識して直接的にデータ通信を行うのを阻止している。
【0091】
図11は、推薦サイト20のウェブページ21内に表示されるフォームを介したデータ通信を記録するためのフローチャートである。中継装置30は、商用サイト40宛のフォームデータD21を取得する(S71)。中継装置30は、このフォームデータD21を解析し、変数と値のペアを抽出する(S72)。
【0092】
中継装置30は、抽出されたペアをそれぞれ変数と値とに分離し(S73)、分離されたデータを数値として評価し(S74)、この分析結果をHTTPログ記憶部37に記憶させる(S75)。図12は、図11に示すフローチャートの要部を示すプログラムの一例である。
【0093】
なお、ユーザコンピュータ10から商用サイト40へ送信されたフォームデータD21の分析・記録について述べたが、これとは逆に、商用サイト40からユーザコンピュータ10へ送信されるフォームデータD22の分析・記録も上記同様に行うことができる。
【0094】
図13は、オンライン広告の効果を推薦サイト20側で評価する場合のフローチャートである。推薦サイト20は、HTTPログ記憶部37にアクセスし(S81)、検索条件を入力する(S82)。検索条件としては、例えば、「所定期間内における所定のバナー広告22による購入実績」等を挙げることができる。
【0095】
HTTPログ記憶部37からの検索結果が月次レポートのような形態で、推薦サイト20の端末画面に出力されると(S83)、推薦サイト20は、商用サイト40からの報酬支払い報告を読み出す(S84)。推薦サイト20は、自己の管理下にある月次レポートと商用サイト40からの報酬支払い報告とを照合し(S85)、両者が一致するか否かを判定する(S86)。
【0096】
商用サイト40からの報酬金額とHTTPログ記憶部37に記憶されている取引ログから推定される金額とが一致する場合(S86:YES)、推薦サイト20は、両者の金額が一致する旨を端末画面に出力させる(S87)。なお、画面出力に代えて、あるいは画面出力と共に、メッセージを音声で出力してもよい。
【0097】
次に、推薦サイト20は、金額の一致が確認された取引ログをHTTP記憶部37から消去するか否かをユーザに確認する(S88)。ユーザが消去を指示した場合(S88:YES)、その照合済の取引ログはHTTPログ記憶部37から消去され(S89)、本処理が終了する。ユーザが消去を希望しない場合(S88:NO)、S89はスキップされて本処理を終了する。
【0098】
ところで、商用サイト40からの報酬金額と取引ログから推定される金額とが一致しない場合(S86:NO)、推薦サイト20は、両者の金額の差分を算出し(S90)、この差分だけ金額が一致しない旨を端末画面に出力させる(S91)。
【0099】
このように、HTTPログ記憶部37に記憶されている取引内容に基づいて、推薦サイト20の運営者に支払われるべき報酬金額を事前に予測したり、あるいは、商用サイト40から実際に支払われた金額と照合することができる。これにより、金額の不一致が生じる可能性を抑制することができる。また、推薦サイト20の運営者は、バナー広告22による利益を把握できるため、この情報に基づいて、ウェブページ21に掲載するバナー広告22の種類を選択したり、その掲載位置を調節することができる。
【0100】
図14は、キャンセル方法をユーザに通知するための処理概略を示すフローチャートである。ユーザとサプライヤとの間でいったん取引が成立した場合でも、その後に、ユーザから注文が取り消される場合がある。オンライン商取引では、商品の現物を手にとって確認することができず、また、リアル店舗に比べて購入に至るまでの心理的障壁が低いため、ユーザは、よく検討せずに商品等を購入することがある。このような場合、ユーザは、注文した後で、その注文を取り消す。
【0101】
注文の取り消しには、専用の取消フォームを用いることができる。取消フォームを使用する場合、注文フォームの解析で述べたと同様に、その取消フォームデータを分析して、取り消された注文を特定することができる。
【0102】
これに対し、注文の取り消しに電子メールが使用される場合もある。ユーザからサプライヤに直接取消を伝える電子メールが送信された場合、推薦サイト20側では、この取り消された注文を把握することができない。
【0103】
そこで、推薦サイト20は、商用サイト40のウェブページ内に含まれている連絡先情報(電子メールアドレス)を予め検出し(S101)、この電子メールアドレスを推薦サイト20の運営者の電子メールアドレスに事前に書き換えてから(S102)、ウェブページ21に表示させる。
【0104】
これにより、ユーザからの取消メールは、推薦サイト20の運営者に送信される。推薦サイト20は、該当する注文を取り消してHTTPログ記憶部37の記憶内容を更新させると共に、この注文取消を商用サイト40に通知する。
【0105】
本実施例は、上述のように構成されるので、以下の効果を奏する。本実施例では、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間で交換される取引情報を中継して記録する構成を採用した。従って、推薦サイト20及び商用サイト40のそれぞれにおいて、バナー広告22の広告効果を評価でき、ユーザの挙動を追跡することができる。これにより、サプライヤ側にモラルハザードが生じる可能性を抑制することができ、推薦サイト20の運営者とサプライヤとの間の相互信頼に基づいたオンライン広告を実現可能である。
【0106】
本実施例では、ユーザコンピュータ10と商用サイト40との間のデータ通信を中継する際に、互いに通信の相手方が認識できないように、IPパケットの情報を部分的に書き換える構成とした。これにより、推薦サイト20側で把握不能なバナー広告22に基づく取引が行われるのを未然に防止することができ、取引監視の信頼性が向上する。
【0107】
本実施例では、一連の取引に用いられる各通信をシステム内で一意に定まるセッションIDで特定する構成とした。従って、いずれのユーザコンピュータ10がいずれの商用サイト40と取引したかを容易に把握することができる。
【0108】
本実施例では、HTTPログ記憶部37に記憶されている取引ログから推定される報酬金額と商用サイト40から通知された報酬金額とを比較し、両金額が一致するか否かを推薦サイト20の運営者に通知可能な構成とした。従って、推薦サイト20の運営者は、各バナー広告22の広告効果や各サプライヤの信頼性等を容易に把握することができる。
【0109】
本実施例では、金額の一致が確認された取引データをHTTPログ記憶部37から消去可能な構成とした。従って、不要なデータを早期に削除して情報漏洩の可能性をより一層低減することができ、HTTPログ記憶部37の記憶容量を有効に利用できる。なお、不要なデータを消去せずに蓄積することにより、購買履歴に基づいて各ユーザの信頼性を評価等することもできる。また、各ユーザの購買履歴に応じて、ウェブページ21をそれぞれ動的に生成し、各ユーザの嗜好に応じてバナー広告22を掲載することも可能である。
【0110】
本実施例では、注文を取り消す場合も推薦サイト20で管理可能な構成とした。これにより、取消率が比較的高い商用サイト40やユーザであっても、実際に成立した有効な取引内容を正確に把握することができる。
【実施例2】
【0111】
図15に基づいて、第2実施例を説明する。本実施例の特徴は、案内用情報としての中継用URLに代えて、ユーザが持ち運び可能なクーポン券220を用い、クーポン券220が実際に使用されたか否かを中継装置300が検出して、商用サイト400に報告するようになっている。
【0112】
商用サイト400は、事前にアフィリエイトボタン210を埋め込んだウェブコンテンツを推薦サイト200に供給する(S110)。アフィリエイトボタン210とは、オンライン広告の効果を測定するためのボタンである。
推薦サイト200は、アフィリエイトボタン210が埋め込まれたコンテンツをユーザコンピュータ100に提供する。
【0113】
ユーザは、ユーザコンピュータ100を用いて推薦サイト200にアクセスし、アフィリエイトボタン210を選択することができる(S111)。アフィリエイトボタン210がユーザによって選択されると、推薦サイト200からユーザコンピュータ100に、電子クーポン券のデータが送信される(S112)。
【0114】
つまり、アフィリエイトボタン210には、電子化されたクーポン券のデータが予め対応付けられている。クーポン券としては、例えば、飲食店等のリアル店舗で提供される飲食物の無料または割引サービス券や粗品進呈券等を挙げることができる。
【0115】
推薦サイト200は、アフィリエイトボタン210が選択されると、電子化されたクーポン券のデータを発行する。このクーポン券のデータには、例えば、商用サイト400が予定しているクーポン券のサービス内容を示す情報に加えて、クーポン券を使用した場合の報告先IPアドレスが含まれている。この報告先IPアドレスには、中継装置300のIPアドレスがセットされている。
【0116】
クーポン券データは、例えば、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)等のように、二次元コード技術を用いて構成することができる。
【0117】
ユーザコンピュータ100が推薦サイト200から電子化されたクーポン券データを取得すると、このクーポン券データは、ユーザコンピュータ100が利用可能なプリンタ110により自動的に印刷される(S113)。
【0118】
ユーザは、印刷されたクーポン券220を持参して、商用サイト400のクーポン券サービスに加盟しているリアル店舗を訪れ、所望の商品等を購入する(S114)。この際に、ユーザは、クーポン券220をリアル店舗の店員に提示することにより、所定のクーポンサービスを受けることができる。
【0119】
リアル店舗の店員は、ユーザから受け取ったクーポン券220をスキャナ510で読み取ることにより、クーポン券220に含まれている情報を取得する(S115)。リアル店舗に設置された店舗端末500は、例えば、POS端末等のように構成可能であり、スキャナ510が接続されている。
【0120】
スキャナ510によって、クーポン券220の情報が店舗端末500に入力されると、店舗端末500は、クーポン券データに含まれている報告先IPアドレスに向けて、クーポン券220が使用された旨の情報を送信する。この使用報告情報には、例えば、そのクーポン券を識別するための識別コード、そのクーポン券が使用されたリアル店舗や店舗端末500を特定するための識別コード、使用日時等を含めることができる。
【0121】
予め報告先としてクーポン券データに設定されている中継装置300には、店舗端末500から使用報告情報が通信ネットワークを介して入力される。中継装置300は、推薦サイト200で発行されたクーポン券を管理するためのクーポン券データベース310を参照し、どのユーザコンピュータ100に向けて発行されたクーポン券であるか等を検出する。
【0122】
クーポン券データベース310には、例えば、推薦サイト200から各ユーザコンピュータ100に向けて発行された各クーポン券の情報が、各商用サイト毎に、各クーポンサービス毎に分類されてそれぞれ記憶されている。
【0123】
中継装置300は、例えば、データベース310に格納されているデータのうち、使用されたクーポン券に使用済みであることを示すフラグを設定する。そして、中継装置300は、商用サイト400にクーポン券が使用された旨を報告する(S117)。
【0124】
商用サイト400は、使用されたクーポン券の情報に基づいて、アフィリエイトボタン210の効果を評価し、使用実績(即ち商品等の購入実績)に応じた金額を推薦サイト200の運営者に支払う。推薦サイト200側では、クーポン券データベース310を参照することにより、クーポン券の使用実績を把握可能であり、商用サイト400から支払われた金額の妥当性を判断することができる。
【0125】
なお、クーポン券データは、印刷物として出力する必要はなく、例えば、携帯電話等の小型携帯端末内に記憶させて使用することもできる。即ち、携帯端末の端末画面に二次元コードを表示させて、これをスキャナ510で読み取ることができる。あるいは、携帯端末から店舗端末500にクーポン券データを直接送信することもできる。
【0126】
このように構成される本実施例でも、前記実施例と同様に、オンライン広告の効果を客観的に測定することができ、かつ、推薦サイト200及び商用サイト400の双方でユーザの挙動を追跡することができる。
【0127】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、当業者であれば、前記各実施例を適宜組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施形態の概念を示す説明図である。
【図2】オンライン広告システムの全体概要を示すブロック図である。
【図3】推薦サイトにより提供されるウェブページの概略構成を模式的に示す説明図である。
【図4】オンライン広告システムの全体動作の概要を示すフローチャートである。
【図5】URL変換(生成)処理を示すフローチャートである。
【図6】中継装置が受信するHTTPリクエストの構成を示す説明図である。
【図7】推薦サイトのウェブページ内でウェブアプリケーションが実行される様子を示し、(a)は商品等の注文時の画面を、(b)は注文が受け付けられた場合の確認画面をそれぞれ示す。
【図8】IPパケット内の情報から通信セッションを特定するための情報を得る様子を示す説明図である。
【図9】セッション記録テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】IPアドレス変換処理を示すフローチャートである。
【図11】送信フォーム記録処理を示すフローチャートである。
【図12】フォームデータから所定の情報を取得するために使用されるプログラムの一例を示す説明図である。
【図13】アフィリエイト効果を評価するための処理を示すフローチャートである。
【図14】キャンセル方法通知処理を示すフローチャートである。
【図15】第2実施例に係るオンライン広告システムを示す全体説明図である。
【符号の説明】
【0129】
1…ユーザコンピュータ、2…推薦サイト、3…中継装置、4…商用サイト、10…ユーザコンピュータ、11…ウェブブラウザ、20…推薦サイト、21…ウェブページ、21A…タイトル表示部、22,22A〜22C…バナー広告、23…ローカルコンテンツ、24…スクリプト埋込部、25…セッションID生成部、26…セッションログ集計部、27…セッションID記憶部、30…中継装置、31…URLフィルタ、32…アドレス変換部、33…URL変換部、34…セッション記録部、35…送信フォーム記録部、36…キャンセル方法通知部、37…HTTPログ記憶部、40…商用サイト、41…スクリプト生成部、42…ウェブページ生成部、100…ユーザコンピュータ、110…プリンタ、200…推薦サイト、210…アフィリエイトボタン、220…クーポン券、300…中継装置、310…クーポン券データベース、400…商用サイト、500…店舗端末、510…スキャナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報をユーザコンピュータに提供する提携先システムを備えたオンライン広告システムであって、
前記ユーザコンピュータ及び前記サプライヤシステムにそれぞれ通信ネットワークを介して接続され、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継する中継装置を設け、
前記案内用情報には、前記中継装置を経由して前記サプライヤシステムにアクセスするための接続用情報が含まれており、
前記中継装置は、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するデータ中継手段と、
このデータ中継手段によって中継されたデータ通信の状況を保存する通信状況保存手段と、
を備えたオンライン広告システム。
【請求項2】
前記提携先システムは、前記ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ内に、前記案内用情報を設けて提供する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項3】
前記データ中継手段は、
(1)前記ユーザコンピュータから前記サプライヤシステムへのデータ送信を前記中継装置から前記サプライヤシステムへのデータ送信としてアドレス情報を書き換え、
(2)前記サプライヤシステムから前記ユーザコンピュータへのデータ送信を前記中継装置から前記ユーザコンピュータへのデータ送信としてアドレス情報を書き換える請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項4】
前記接続用情報には、少なくとも、前記中継装置を特定するアドレス情報と、前記ユーザコンピュータと前記中継装置との通信セッションを特定するためのセッション識別情報と、前記提携先システムで生成された接続用情報であることを示す生成元情報と、前記案内用情報を識別するための案内用情報識別情報と、前記サプライヤシステムを特定するためのサプライヤシステム識別情報とが含まれており、
前記データ中継手段は、前記ユーザコンピュータが前記接続用情報を介してアクセスしてきた場合に、この接続用情報内に前記生成元情報と、前記案内用情報識別情報と、前記サプライヤシステム識別情報とが含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合は、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項5】
前記提携先システムは、前記サプライヤシステムにより実行されるアプリケーションプログラムを呼び出して、前記ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ上で、前記アプリケーションプログラムと前記ウェブブラウザとの間のデータ交換を行わせることができ、
前記通信状況保存手段は、前記アプリケーションプログラムと前記ウェブブラウザとの間のデータ交換の状況も保存する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項6】
前記通信状況保存手段による保存結果と前記サプライヤシステムにより管理されている前記提携先システムの貢献度とが適合するか否かを判定する照合手段をさらに備えた請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項7】
前記提携先システムは、前記サプライヤシステムへの連絡用情報を、前記提携先システムへの連絡用情報に置き換えて、前記ユーザコンピュータに提供する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項8】
前記案内用情報は、前記ユーザによって持ち運び可能な形態で前記提携先システムから提供されるものである請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項9】
サプライヤシステムからユーザコンピュータへオンラインで広告を行うためのオンライン広告方法であって、
前記サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報を含むウェブページを生成し、このウェブページを前記ユーザコンピュータに提供するステップと、
前記ユーザコンピュータが前記案内用情報を選択した場合は、前記ユーザコンピュータ及び前記サプライヤシステムがそれぞれ互いに直接認識できないようにアドレス情報を書き換えて、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するステップと、
前記中継されたデータ通信の状況を保存するステップと、
を含むオンライン広告方法。
【請求項1】
サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報をユーザコンピュータに提供する提携先システムを備えたオンライン広告システムであって、
前記ユーザコンピュータ及び前記サプライヤシステムにそれぞれ通信ネットワークを介して接続され、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継する中継装置を設け、
前記案内用情報には、前記中継装置を経由して前記サプライヤシステムにアクセスするための接続用情報が含まれており、
前記中継装置は、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するデータ中継手段と、
このデータ中継手段によって中継されたデータ通信の状況を保存する通信状況保存手段と、
を備えたオンライン広告システム。
【請求項2】
前記提携先システムは、前記ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ内に、前記案内用情報を設けて提供する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項3】
前記データ中継手段は、
(1)前記ユーザコンピュータから前記サプライヤシステムへのデータ送信を前記中継装置から前記サプライヤシステムへのデータ送信としてアドレス情報を書き換え、
(2)前記サプライヤシステムから前記ユーザコンピュータへのデータ送信を前記中継装置から前記ユーザコンピュータへのデータ送信としてアドレス情報を書き換える請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項4】
前記接続用情報には、少なくとも、前記中継装置を特定するアドレス情報と、前記ユーザコンピュータと前記中継装置との通信セッションを特定するためのセッション識別情報と、前記提携先システムで生成された接続用情報であることを示す生成元情報と、前記案内用情報を識別するための案内用情報識別情報と、前記サプライヤシステムを特定するためのサプライヤシステム識別情報とが含まれており、
前記データ中継手段は、前記ユーザコンピュータが前記接続用情報を介してアクセスしてきた場合に、この接続用情報内に前記生成元情報と、前記案内用情報識別情報と、前記サプライヤシステム識別情報とが含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合は、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項5】
前記提携先システムは、前記サプライヤシステムにより実行されるアプリケーションプログラムを呼び出して、前記ユーザコンピュータのウェブブラウザによって閲覧されるウェブページ上で、前記アプリケーションプログラムと前記ウェブブラウザとの間のデータ交換を行わせることができ、
前記通信状況保存手段は、前記アプリケーションプログラムと前記ウェブブラウザとの間のデータ交換の状況も保存する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項6】
前記通信状況保存手段による保存結果と前記サプライヤシステムにより管理されている前記提携先システムの貢献度とが適合するか否かを判定する照合手段をさらに備えた請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項7】
前記提携先システムは、前記サプライヤシステムへの連絡用情報を、前記提携先システムへの連絡用情報に置き換えて、前記ユーザコンピュータに提供する請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項8】
前記案内用情報は、前記ユーザによって持ち運び可能な形態で前記提携先システムから提供されるものである請求項1に記載のオンライン広告システム。
【請求項9】
サプライヤシステムからユーザコンピュータへオンラインで広告を行うためのオンライン広告方法であって、
前記サプライヤシステムへユーザを案内するための案内用情報を含むウェブページを生成し、このウェブページを前記ユーザコンピュータに提供するステップと、
前記ユーザコンピュータが前記案内用情報を選択した場合は、前記ユーザコンピュータ及び前記サプライヤシステムがそれぞれ互いに直接認識できないようにアドレス情報を書き換えて、前記ユーザコンピュータと前記サプライヤシステムとの間のデータ通信を中継するステップと、
前記中継されたデータ通信の状況を保存するステップと、
を含むオンライン広告方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−215956(P2006−215956A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30384(P2005−30384)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
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