説明

オープンショーケース

【課題】ショーケースの断熱壁内側に、冷気通路と区画形成された貯蔵室を備え、この貯蔵室の前面開口に上方の吹出口から下方の吸込口へ向かって吹き出すエアーカーテンが形成され、また、吹出口には垂下する整流板を取り付け、前方に蛍光灯が配備されているオープンショーケースにおいて、おおきな構造変更を行う必要なく、追加部品設定なしでユーザーからナイトカバーの視認性を軽減させる等の意匠性向上が図れるとともに、照明とナイトカバーとの距離を確保しなくてもナイトカバー収納時にフックと蛍光管の接触を回避する事が可能となり、一層の意匠性向上が図れる。
【解決手段】整流板15の上部に設定した凹形状部にナイトカバーの巻き取り部5aを配置し、且つ蛍光灯22が取り付けられる反射板21の先端を前記凹形状部の下側まで延設し、前記巻き取り部5aから前記延設した反射板と整流板15の隙間を介してナイトカバーを引き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアなどに設置されるオープンショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種オープンショーケース1は、下記特許文献1にも示されるが、図 5、図6に示すように断面略コ字状の断熱壁2と、この断熱壁2の両側に取り付けられた側板3とからなり、断熱壁2の内側には間隔を存して仕切板4を取り付け、この仕切板4と断熱壁2間をダクト6としている。
【特許文献1】実開昭59−105985号公報
【0003】
図5、図6の例は前記ダクト6を更に仕切板10で仕切り、冷却装置の冷却器17を縦設した冷気ダクト6aと保護気流ダクト6bとに区画し、断熱壁2の前面開口9の上縁にはハニカム盤11a,11bを設けて吹出口12a,12bを形成しており、この吹出口12aは冷気ダクト6aに連通し、吹出口12bは保護気流ダクト6bに連通し、開口9の下縁には吸込口13を形成する。
【0004】
仕切板4の下端前方には底板7を断熱壁2の底壁との間にダクト用の間隔を存して取り付けており、これら仕切板4及び底板7の内側を貯蔵室8としている。
【0005】
一方、底板7下方には断熱壁2の底壁上にファンケース14が設置されており、このファンケース14には送風機16を取り付けた。
【0006】
更に、断熱壁2の底壁の下方は機械室23となり、内蔵型ショーケースにおいてはここに冷却装置を構成する凝縮器や圧縮機、凝縮器用送風機等を設置している。
【0007】
このようにして送風機16を運転して冷却器17と熱交換した冷気は冷気ダクト6a内を上昇し、吹出口12aより吸込口13に向かって吐出され,開口9を閉塞する冷気エアーカーテンを形成する。
【0008】
また、送風機16から保護気流ダクト6bに送り込まれた空気は、吹出口12bより吸込口13に向かって吐出され、冷気エアーカーテンの保護気流である保護気流エアーカーテンを形成する。
【0009】
そして、吸込口13から吸い込まれた冷気および保護気流は再び送風機16によって加速され、冷気エアーカーテンの一部が貯蔵室8内に循環されて、貯蔵室8は冷却される。
【0010】
貯蔵室8内には上下に複数段の棚18を架設し、各棚18の下面前部には蛍光灯19を取り付けている。
【0011】
一方、断熱壁2の開口9の上方で、吹出口12bの前側にも蛍光灯22を設けるが、この蛍光灯22は断熱壁2に取り付けられる反射板21の内側に取り付けられる。
【0012】
この反射板21は、例えば白色塗装された鋼板や鏡面加工された鋼板であり、2連の蛍光灯22の前後を覆うように傘状に降下した形状を呈している。
【0013】
前記オープンショーケースでは、ナイトカバーと称される引き出し自在のカバー(以下、ナイトカバー5と称す。)が取り付けられており、商品の納出が行われない閉店時には、このナイトカバー5を引き出して開口部を被うことにより、開口部からの無駄な気流の流出を防止し、消費電力の削減を図ることができるように構成されている。
【0014】
ナイトカバー5は巻き取り部5aに巻き取り収納されるもので、先端には吸込口13付近に設けた掛止部に引掛けるフック20を設けた。
【0015】
また、前記吹出口12bには前面側に整流板15が垂下され、この整流板15の断熱壁2への取り付け部分には凹形状部16を形成して、前記ナイトカバー5はこの凹形状部16に前記ナイトカバー5の巻き取り部5aを配置している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前記多段系ショーケースにおいて、天井部分には庫内商品を照らす照明としての蛍光灯22や営業時間外等で使用する保冷用のナイトカバー5、また庫内に冷気を送り出す吹出口12a、12b{整流板15・ハニカム盤11a、11b}等の部品が多数設置されている。
【0017】
この為ユーザーがショーケース内の商品を取り出す際、頭上に圧迫感がある印象を与える様な構造となっており意匠性が損なわれていた。また構造物が商品より目立ってしまい、商品購入意欲の減少につながる。
【0018】
また、庫内照度向上の為、天井部の照明である蛍光灯22を並列して設定するトップ灯では、図8に示すようにナイトカバー5を収納時にフック20が跳ね上がって蛍光管22へ接触するおそれがあった。
【0019】
このようなナイトカバー5のフック20の蛍光管22への接触で、蛍光管22が破損するのを防止するには、蛍光管22を離して設置し、距離を確保する必要がある。
【0020】
なお、反射板21は庫内の棚部分の照明レス化を図る為、天井照明の照度向上の為に設定するものであるが、前記印象悪化の一要因となっている。
【0021】
本発明は前記不都合を解消し、大きな構造変更を行う必要なく、追加部品設定なしでユーザーからナイトカバーの視認性を軽減させる等の意匠性向上が図れるとともに、照明とナイトカバーとの距離を確保しなくてもナイトカバー収納時にフックと蛍光管の接触を回避する事が可能となり、一層の意匠性向上が図れるオープンショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、ショーケース本体を構成する断熱壁の内側に、冷気通路と区画形成された貯蔵室を備え、この貯蔵室の前面開口に上方の吹出口から下方の吸込口へ向かって吹き出すエアーカーテンが形成され、また、吹出口には垂下する整流板を取り付け、前方に蛍光灯が配備されているオープンショーケースにおいて、前記整流板の上部に設定した凹形状部にナイトカバーの巻き取り部を配置し、且つ前記蛍光灯が取り付けられる反射板の先端を前記凹形状部下側まで延設し、前記巻き取り部から前記延設した反射板と整流板の隙間を介してナイトカバーを引き出すことを要旨とするものである。
【0023】
請求項1記載の本発明によれば、ナイトカバー5を整流板15の上部に形成した凹形状部16に巻き取り部5aを配置しており、かつ、蛍光灯22が取り付けられる反射板21の先端を前記凹形状部16の下側まで延設しているので、凹形状部16や巻き取り部5aはこの反射板21の先端延設部で覆われ、ユーザーからの視認性を軽減する部品配置構造となる。
【0024】
また、この反射板21の先端延設部の存在で、ナイトカバー5のフック20の部分が蛍光管22へ接触することを防止できる。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように本発明のオープンショーケースは、ショーケース本体を構成する断熱壁の内側に、冷気通路と区画形成された貯蔵室を備え、この貯蔵室の前面開口に上方の吹出口から下方の吸込口へ向かって吹き出すエアーカーテンが形成され、また、吹出口には垂下する整流板を取り付け、前方に蛍光灯が配備されているオープンショーケースにおいて、大きな構造変更を行う必要なく、追加部品設定なしでユーザーからナイトカバーの視認性を軽減させる等の意匠性向上が図れるとともに、照明とナイトカバーとの距離を確保しなくてもナイトカバー収納時にフックと蛍光管の接触を回避する事が可能となり、一層の意匠性向上が図れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のオープンショーケースの1実施形態と示す天井部分の縦断側面図で、前記従来例を示す図7、図8と同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
【0027】
図中22は断熱壁2の開口9の上方で、吹出口12bの前側に設けた蛍光灯で、この蛍光灯22は断熱壁2に取り付けられる反射板21の内側に取り付けられる。
【0028】
該反射板21は、例えば白色塗装された鋼板や鏡面加工された鋼板であり、2連の蛍光灯22の前後を覆うように傘状に降下した形状を呈している。
【0029】
図中15は前記吹出口12bには前面側に垂下する整流板で、この整流板15の断熱壁2への取り付け部分には凹形状部25を形成して、ここにナイトカバー5の巻き取り部5aを配置している点は前記従来例と同じである
【0030】
本発明は、前記蛍光灯22が取り付けられる反射板21の先端を前記整流板15の凹形状部25の下側まで延設し、この延設した延設部21aと整流板15の間にナイトカバー5を引き出す隙間24を確保した。
【0031】
詳細には、整流板15の凹形状部25は整流板15の上部を屈曲させて棚段を形成しており、前記反射板21の先端の延設部21aはその先端がこの棚段の平坦面よりも下方に位置する。
【0032】
また、図4に示すように、ナイトカバー5は巻き取り部5aに巻き取り収納されるもので、先端には吸込口13付近に設けた掛止部に引掛けるフック20を設けている。
【0033】
このフック20の長さをαとした場合、前記延設部21aの長さはこのαよりも大きいものである。
【0034】
このようにして、図2に示すように、商品の納出が行われない閉店時には、ナイトカバー5を巻き取り部5aから引き出して開口9を被うことにより、開口9からの無駄な気流の流出を防止し、消費電力の削減を図ることができるが、ナイトカバー5は前記延設部21aと整流板15の隙間24を介して引き出される。
【0035】
また、ナイトカバー5を収納するには吸込口13付近に設けた掛止部に引掛けたフック20を外すと、巻き取り部5aで巻き取られるが、図3に示すように、反射板21の先端延設部21aの存在で、ナイトカバー5のフック20の部分が跳ね上がっても蛍光管22へ接触することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のオープンショーケースの1実施形態と示す天井部分のナイトカバー巻き取り収納時の縦断側面図である。
【図2】本発明のオープンショーケースの1実施形態と示す天井部分のナイトカバー引き出し時の縦断側面図である。
【図3】本発明のオープンショーケースの1実施形態と示す天井部分のナイトカバー巻き取り時の縦断側面図である。
【図4】ナイトカバーの説明図である。
【図5】オープンショーケースの概要を示すナイトカバー巻き取り収納時の縦断側面図である。
【図6】オープンショーケースの概要を示すナイトカバー引き出し時の縦断側面図である。
【図7】従来例を示すオープンショーケースの天井部分のナイトカバー巻き取り収納時の縦断側面図である。
【図8】従来例を示すオープンショーケースの天井部分のナイトカバー巻き取り時の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 オープンショーケース 2 断熱壁
3 側板 4 仕切板
5 ナイトカバー 5a 巻き取り部
6、6a、6b ダクト
7 底板 8 貯蔵室
9 開口 10 仕切板
11a、11b ハニカム盤 12a、12b 吹出口
13 吸込口 14 ファンケース
15 整流板 16 送風機
17 冷却器 18 棚
19 蛍光灯 20 フック
21 反射板 21a 延設部
22 蛍光灯 23 機械室
24 隙間 25 凹形状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーケース本体を構成する断熱壁の内側に、冷気通路と区画形成された貯蔵室を備え、この貯蔵室の前面開口に上方の吹出口から下方の吸込口へ向かって吹き出すエアーカーテンが形成され、また、吹出口には垂下する整流板を取り付け、前方に蛍光灯が配備されているオープンショーケースにおいて、
前記整流板の上部に設定した凹形状部にナイトカバーの巻き取り部を配置し、且つ前記蛍光灯が取り付けられる反射板の先端を前記凹形状部下側まで延設し、前記巻き取り部から前記延設した反射板と整流板の隙間を介してナイトカバーを引き出すことを特徴とするオープンショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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