説明

オープンショーケース

【課題】内部に収容された商品の陳列販売を可能としつつ、冷気漏洩及び外気侵入を著しく抑制することを可能とするオープンショーケースを提供する。
【解決手段】本発明は、断熱壁3内に少なくとも一面が開口する陳列室8を構成し、陳列室8内にて商品を冷却しながら陳列するショーケース1において、陳列室8の開口5を塞ぐかたちで設けられた陳列室カバー30を備え、この陳列室カバー30は、陳列室8内を透視可能な可撓性シートにて構成されていると共に、複数の商品取出用の切れ目32・・が形成されており、各切れ目32の延在方向における両端は連続し、切れ目の無い連続部33、34とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱壁内に少なくとも一面が開口する陳列室内にて商品を冷却しながら陳列するオープンショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、前面に開口する陳列室内を冷却して成るオープンショーケースは、断面略コ字状の断熱壁と、この断熱壁の両側に取り付けられた側板により本体が構成され、この断熱壁の前面開口上縁に形成された冷気吐出口より、冷気を吐出し、開口下縁に形成された冷気吸込口より冷気を吸い込むことにより、前面開口に冷気エアーカーテンを形成しつつ、陳列室内を所定温度に冷却している。
【0003】
しかし、前面が開口したこのようなオープンショーケースの冷気エアーカーテンは、人の往来や、店舗内の空調機器による風の影響を受けて乱されることが多い。この外乱の発生により陳列室内の冷気が外部に漏洩しやすくなり、冷却効率が低下し、商品を所定の温度に冷却することができなくなる、若しくは、エネルギー消費量の増大を招来し、省エネに寄与できなくなる問題がある。
【0004】
そこで、係る冷気エアーカーテンの外乱の保護及び冷気漏洩抑制を図るべく、従来では、当該陳列室の前面開口に軟質合成樹脂にて構成される透明の暖簾や、開口上縁から引き出し自在に取り付けられるロールカーテン状のナイトカバーなどが取り付けられている。これによって、陳列室内への外気の流入を防止し、陳列室内の温度が上昇する不都合を抑制している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭54−128963号公報
【特許文献2】特開2002−257451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ナイトカバーにて前面開口を閉塞した場合、陳列室内の冷気漏洩を著しく抑制することができるが、開口全体がナイトカバーによって塞がれているため、陳列室内に陳列されている商品を手に取ることができず、営業時間帯では、当該ナイトカバーは開放された状態とされる。そのため、営業時間帯における陳列室内への冷気漏洩を抑制することができない。
【0007】
上述した如き構成の透明の暖簾は、上端は連結した状態で陳列室の前面開口に取り付けられているものの、下端はそれぞれ切り離された状態であるため、それぞれが鉛直方向に垂れ下がった状態となる。そのため、冷気吐出口よりも冷気吸込口が前側に位置して構成されているショーケースでは、暖簾の下端が冷気吸込口よりも陳列室側に位置することとなり、前面開口に形成される冷気エアーカーテンが著しく乱されてしまう。この場合、冷気吸込口には外気が多く吸い込まれ、冷却効率が著しく低下してしまうこととなる。
【0008】
また、冷気吐出口の略真下に冷気吸込口が形成されている場合であっても、係る暖簾は、下端が切り離されているため、それぞれの短冊は、ばらばらの方向を向いてしまった状態で、冷気吐出口から吐出される冷気流になびくため、冷気吸込口付近の冷気の流れが乱されてしまう問題がある。
【0009】
更に、上述した如きナイトカバーや暖簾の構成は、何れも冷気吐出口よりも外部側に設けられているものであるため、陳列室側と外部側との温度差によってこれらカバーの前面に結露が生じてしまう。上述した如き暖簾は、各短冊の隙間から商品を取出可能とされているが、陳列室内に陳列されている商品を取り出す際に、暖簾に触れた部分が濡れてしまい、衛生上の問題も生じていた。
【0010】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、内部に収容された商品の陳列販売を可能としつつ、冷気漏洩及び外気侵入を著しく抑制することを可能とするオープンショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のオープンショーケースは、断熱壁内に少なくとも一面が開口する陳列室を構成し、該陳列室内にて商品を冷却しながら陳列するものであって、陳列室の開口を塞ぐかたちで設けられた陳列室カバーを備え、該陳列室カバーは、陳列室内を透視可能な可撓性シートにて構成されていると共に、複数の商品取出用の切れ目が形成されており、各切れ目の延在方向における両端は連続し、切れ目の無い連続部とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、上記発明において、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーは、切れ目が陳列室の前面開口において上下方向に延在するかたちで設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、上記請求項1の発明において、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーは、切れ目が陳列室の開口において左右方向に延在するかたちで設けられことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、上記各発明において、陳列室カバーには、複数の空気連通用孔が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、上記各発明において、陳列室の対向する開口縁にそれぞれ設けられた冷気吐出口及び冷気吸込口を備え、冷気吐出口より冷気を吐出し、冷気吸込口より吸い込むことにより、陳列室の開口に冷気エアーカーテンを形成すると共に、陳列室カバーの各連続部を冷気吐出口及び冷気吸込口側に配置し、該冷気吐出口より陳列室カバーの少なくとも陳列室内側に冷気を吐出することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、上記各発明において、陳列室の対向する開口縁にそれぞれ設けられた冷気吐出口及び冷気吸込口を備え、冷気吐出口より冷気を吐出し、冷気吸込口より吸い込むことにより、陳列室の開口に冷気エアーカーテンを形成すると共に、冷気吐出口より、陳列室カバーの陳列室内側と陳列室外側にそれぞれ冷気を吐出することを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、上記発明において、冷気吐出口に取り付けられた冷気整流用のハニカム材と、該ハニカム材を冷気吐出口に取り付けるためのハニカム取付部材とを備え、陳列室カバーの上端をハニカム取付部材に着脱自在に取り付け、ハニカム材の下側において、冷気吐出口の前縁よりも所定寸法後方に配置したことを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、上記請求項5乃至請求項7の各発明において、陳列室カバーの下端を冷気吸込口の上方に配置したことを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、上記各発明において、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーの上端が陳列室の開口上縁に略全幅に渡って固定されていると共に、陳列室カバーの下端は、その一部が陳列室の開口下縁に固定されていることを特徴とする。
【0020】
請求項10の発明は、上記請求項1乃至請求項8の各発明において、陳列室カバーは、両端の連続部が略全幅に渡って陳列室の開口縁に固定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項11の発明は、上記各発明において、陳列室カバーは、陳列室の開口縁に着脱自在に固定されていることを特徴とする。
【0022】
請求項12の発明は、上記各発明において、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーの上端が陳列室の開口上縁に固定され、陳列室カバーの下端は、陳列室の開口下縁に着脱自在に固定されると共に、断熱壁又は陳列室カバーには、当該陳列室カバーの下端を上方に捲り上げた状態で当該下端を着脱自在に保持する保持部を設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項13の発明は、上記各発明において、陳列室の開口に陳列室カバーを複数並設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、断熱壁内に少なくとも一面が開口する陳列室を構成し、該陳列室内にて商品を冷却しながら陳列するオープンショーケースにおいて、陳列室の開口を塞ぐかたちで設けられた陳列室カバーを備え、該陳列室カバーは、陳列室内を透視可能な可撓性シートにて構成されていると共に、複数の商品取出用の切れ目が形成されていることにより、常には切れ目が閉じ、陳列室カバーにて開口を塞いだ状態とすることができると共に、切れ目から手を挿入することで、陳列室内に陳列された商品を容易に取り出すことができる。これにより、陳列室内を透視可能な陳列室カバーを介した商品陳列及び冷気漏洩の著しい抑制を実現しつつ、商品の取り出しを支障なく行うことができる。
【0025】
また、本発明によれば、陳列室カバーは、各切れ目の延在方向における両端は連続し、切れ目の無い連続部とされていることから、従来の暖簾と異なり、陳列室カバーの端部が冷気流や店舗内空調の空気流になびいてしまう不都合を効果的に抑制することができる。そのため、陳列室内の冷気漏洩の抑制及び外気の陳列室内への侵入を効果的に実現することができる。
【0026】
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーは、切れ目が陳列室の前面開口において上下方向に延在するかたちで設けられていることにより、上下方向の寸法が大きい商品、例えば、ペットボトル入りの飲料などを切れ目を介して取り出しやすくなる。
【0027】
請求項3の発明によれば、上記請求項1の発明に加えて、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーは、切れ目が陳列室の開口において左右方向に延在するかたちで設けられていることにより、上下方向よりも左右寸法が大きい商品、例えば、皿状の容器に入った総菜などを平らな状態を維持したまま切れ目を介して取り出しやすくなる。
【0028】
請求項4の発明によれば、各発明に加えて、陳列室カバーには、複数の空気連通用孔が形成されていることにより、陳列室カバーの内外とで空気連通用孔を介して空気の流出入を許容することができる。これにより、陳列室カバーの陳列室側と外側との温度差による結露の発生を抑制することができる。そのため、陳列室カバーが濡れてしまうことを抑制することができ、顧客等の服や商品が汚れてしまう不都合を抑制することができる。
【0029】
請求項5の発明によれば、上記各発明に加えて、陳列室の対向する開口縁にそれぞれ設けられた冷気吐出口及び冷気吸込口を備え、冷気吐出口より冷気を吐出し、冷気吸込口より吸い込むことにより、陳列室の開口に冷気エアーカーテンを形成すると共に、陳列室カバーの各連続部を冷気吐出口及び冷気吸込口側に配置し、該冷気吐出口より陳列室カバーの少なくとも陳列室内側に冷気を吐出することにより、切れ目の延在方向を冷気エアーカーテンの延在方向と合わせることができる。そのため、切れ目の延在方向と、冷気エアーカーテンの延在方向とが交差した場合には、切れ目が冷気流によって開きやすくなり、それによって、冷気エアーカーテンの乱れや、切れ目開放による冷気漏洩、外気侵入が生じやすくなるが、これらを同一方向とすることで、冷気エアーカーテンの整流効果を高めることができ、外気侵入、冷気漏洩を著しく抑制することができる。
【0030】
請求項6の発明によれば、上記各発明に加えて、陳列室の対向する開口縁にそれぞれ設けられた冷気吐出口及び冷気吸込口を備え、冷気吐出口より冷気を吐出し、冷気吸込口より吸い込むことにより、陳列室の開口に冷気エアーカーテンを形成すると共に、冷気吐出口より、陳列室カバーの陳列室内側と陳列室外側にそれぞれ冷気を吐出することにより、陳列室カバーの陳列室内側と陳列室外側とにそれぞれ冷気エアーカーテンを形成することができる。
【0031】
これにより、陳列室カバーの陳列室内側と陳列室外側との温度差による結露の発生を効果的に解消することができる。そのため、陳列室カバーが濡れてしまうことを回避することができ、顧客等の服や商品が汚れてしまう不都合を解消することができる。
【0032】
請求項7の発明によれば、上記発明に加えて、冷気吐出口に取り付けられた冷気整流用のハニカム材と、該ハニカム材を冷気吐出口に取り付けるためのハニカム取付部材とを備え、陳列室カバーの上端をハニカム取付部材に着脱自在に取り付け、ハニカム材の下側において、冷気吐出口の前縁よりも所定寸法後方に配置したことにより、別途、陳列室カバーの上端を取り付けるための取付具を設けることなく、冷気整流用のハニカム材を冷気吐出口に取り付けるためのハニカム取付部材を用いて陳列室カバーの上端を取り付けることが可能となる。これにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0033】
請求項8の発明によれば、上記請求項5乃至請求項7の各発明に加えて、陳列室カバーの下端を冷気吸込口の上方に配置したことにより、陳列室カバーに付着した結露水は当該カバーを伝ってその下端より冷気吸込口に案内することができる。これにより、ショーケース周辺に結露水が漏出してしまう不都合を解消することができ、冷気吸込口を介して断熱壁内に導くことで、円滑に結露水を処理することができる。
【0034】
請求項9の発明によれば、上記各発明に加えて、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーの上端が陳列室の開口上縁に略全幅に渡って固定されていると共に、陳列室カバーの下端は、その一部が陳列室の開口下縁に固定されていることにより、陳列室下部の商品を一度に多数取り出す場合や、商品の陳列作業時には、陳列室カバーの下端を側部から捲ることで、陳列室下部を部分的に大きく開放させることができ、商品を取り出しやすくなる。
【0035】
請求項10の発明によれば、上記請求項1乃至請求項8の発明に加えて、陳列室カバーは、両端の連続部が略全幅に渡って陳列室の開口縁に固定されていることにより、冷気流や外乱に陳列室カバーがなびいてしまう不都合を解消することができる。これによっても、陳列室内への外気侵入及び陳列室からの冷気漏洩を効果的に抑制することができる。
【0036】
請求項11の発明によれば、上記各発明に加えて、陳列室カバーは、陳列室の開口縁に着脱自在に固定されていることにより、当該陳列室カバーを任意に着脱することができ、使用状況に容易に対応することができる。
【0037】
請求項12の発明によれば、上記各発明に加えて、陳列室は前面が開口しており、陳列室カバーの上端が陳列室の開口上縁に固定され、陳列室カバーの下端は、陳列室の開口下縁に着脱自在に固定されると共に、断熱壁又は陳列室カバーには、当該陳列室カバーの下端を上方に捲り上げた状態で当該下端を着脱自在に保持する保持部を設けたことにより、陳列室下部の商品を一度に多数取り出す場合や、商品の陳列作業時に、陳列室カバーの下端を上方に捲り上げ、保持部に保持させることにより、陳列室を下部から上方に渡って大きく開放させることができ、作業性が著しく向上する。
【0038】
請求項13の発明によれば、上記各発明に加えて、陳列室の開口に陳列室カバーを複数並設したことにより、陳列室カバーの生産性や利便性を向上させることができる。また、部分的に陳列室カバーを陳列室の開口に設けることも可能となり、使用態様のバリエーションを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を適用した実施例のオープンショーケースの正面図である。
【図2】図1のオープンショーケースの縦断側面図である。
【図3】図1のオープンショーケース冷気吐出口付近の拡大断面図である。
【図4】図1のオープンショーケースの冷気吸込口付近の拡大断面図である。
【図5】陳列室カバーの概略構成図である。
【図6】陳列室カバーを捲り上げて保持した状態を示すオープンショーケースの縦断側面図である。
【図7】他の実施例としての陳列室カバーを取り付けたオープンショーケースの正面図である。
【図8】他の実施例としての陳列室カバーを取り付けたオープンショーケースの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳述する。図1はオープンショーケース1の正面図、図2は図1のオープンショーケース1の縦断側面図を示している。本実施例におけるオープンショーケース1は、例えば、スーパーマーケット等において、冷蔵食品、冷凍食品、加温食品等を冷却しながら陳列販売するために用いられるものであり、前方に開放した断面略コ字状の断熱壁2と、この断熱壁2の両側に取り付けられた側板3、3により本体4が構成されている。
【0041】
この断熱壁2の内側には、仕切板6が取り付けられ、この仕切板6と断熱壁2間にダクト7が構成されると共に、この仕切板6の内側に前面に開口した陳列室8が構成されている。この陳列室8内の後両側部には、それぞれ上下に渡って棚支柱10、10が設けられており、該棚支柱10、10には複数段の棚9・・・が架設されている。陳列室8の底部にはデックパン11が取り付けられ、このデックパン11の下方は前記ダクト7に連通した底部ダクト15とされている。そして、この底部ダクト15内には冷気循環用送風機16を内蔵したファンケース17が設置されると共に、ダクト7内には、冷凍装置の冷媒回路に含まれる冷却器18が縦設されている。
【0042】
断熱壁2と両側板3、3にて囲繞された陳列室8の前面開口5上縁には、冷気整流用のハニカム材20が取り付けられた冷気吐出口13が設けられ、ダクト7に連通している。また、係る冷気吐出口13が形成される前面開口5の上縁と対向する開口5下縁には、冷気吸込口14が設けられ、底部ダクト15に連通している。
【0043】
本実施例において、陳列室8の前面開口5上縁には、下向きに開口した冷気吐出口13が形成され、当該冷気吐出口13の全幅方向に延在するハニカム材20が、当該冷気吐出口13内縁に複数のハニカム取付部材21によって着脱自在に保持される。この際、ハニカム取付部材21は、ワイヤーを折曲することにより、上面係合部21A、冷気吐出口係合部21B、下面保持部21Cが一体に形成されている。下面保持部21Cは、所定寸法前面開口5の幅方向(左右方向)に延在すると共に、本発明に係る陳列室カバー30の取付を考慮して、冷気吐出口13の前縁と係合する冷気吐出口係合部21Bから所定寸法後方に延在して形成されている。
【0044】
また、陳列室8の前面開口5下縁には、デックパン11の前縁と断熱壁2との間に上向きに開口した隙間が形成されており、当該隙間を閉塞する冷気吸込部材23が当該開口5の略全幅に渡って設けられている。この冷気吸込部材23には、底部ダクト15内と連通する冷気吸込口14が当該開口5の略全幅に渡って複数、形成されている。
【0045】
そして、前記ファンケース17内の冷気循環用送風機16が運転されると、底部ダクト15内の空気は後方のダクト7内に向けて吹き出され、冷却器18と熱交換した後、吹き上げられ、前面開口5上縁の冷気吐出口13からハニカム材を介して整流された冷気が、下縁の冷気吸込口14に向けて吹き出される。これによって、陳列室8の前面開口5には冷気エアーカーテンが形成され、開口5からの外気の侵入が抑制されると共に、冷気エアーカーテンの一部が陳列室8内に循環して当該陳列室8内は冷却される。そして、係る冷気は冷気吸込口14から底部ダクト15に帰還し、冷気循環用送風機16に再び吸い込まれることになる。
【0046】
次に、上記図1及び図2に加えて図3乃至図6を参照して陳列室カバー30について詳述する。図3はオープンショーケース1の冷気吐出口13付近の拡大断面図、図4はオープンショーケース1の冷気吸込口14付近の拡大断面図、図5は陳列室カバー30の概略構成図、図6は陳列室カバー30を捲り上げて保持した状態を示すオープンショーケース1の縦断側面図をそれぞれ示している。
【0047】
陳列室8の前面開口5を塞ぐかたちで設けられた陳列室カバー30は、陳列室8内を透視可能な可撓性シート、例えば、塩化ビニル等の軟質合成樹脂製のシートにて構成されている。尚、図1では当該陳列室カバー30を透過した状態を示しているため、陳列室8内に設けられる棚9及び支柱10、10が表れている。
【0048】
本実施例では、陳列室8の前面開口5は、断熱壁2の上壁下端と下壁上端及び両側板3、3によって矩形状に区画形成されたものであるため、当該陳列室カバー30は、係る前面開口5を略全域にわたって閉塞すべく、両端が陳列室8を構成する両側板3、3の内面に渡る幅寸法とされていると共に、上下寸法は、冷気吐出口13から冷気吸込口14に渡る寸法とされる矩形状を呈している。
【0049】
そして、この陳列室カバー30は、全面にわたって複数の空気連通用孔31が形成されている(図5)。この空気連通用孔31は、陳列室カバー30の内外の空気の連通を可能とすることを目的とするものであり、少なくとも手指や陳列室8内の商品の通過を許容するものではない。
【0050】
また、この陳列室カバー30には、商品取出用の切れ目32・・が複数、略同一方向に延在して形成されている。本実施例では、図1に示すように当該切れ目32は陳列室8の前面開口5において上下方向に延在するかたちで形成されている。この際、各切れ目32の間隔は、陳列室8内に陳列される商品、例えば、ペットボトル入り飲料の正面から見た幅寸法、若しくはこれと近似した所定範囲の寸法であることが望ましい。これにより、棚9の前面に沿って陳列される商品を、近傍の切れ目32より出し入れしやすい構成とされる。
【0051】
この切れ目32は、陳列室カバー30を裁断(切断)することにより形成されるものであり、常には切れ目32の裁断面同士が接触することで、該切れ目32は閉じた状態とされる。
【0052】
そして、各切れ目32の延在方向における両端、本実施例では、陳列室カバー30の上端及び下端は、連続し、切れ目の無い連続部33、34とされている。この上端の連続部33は、陳列室8の前面開口5上縁に形成された冷気吐出口13側に配置され、この下端の連続部34は、陳列室8の前面開口5下縁に形成された冷気吸込口14側に配置される。
【0053】
陳列室カバー30の上端の連続部33には、その上縁に吊下部材(取付部材)35が長手方向に複数、設けられている。図5に示すように、吊下部材35は、陳列室カバー30の上縁から上方に所定寸法延在して形成されるベルト部35Aと、このベルト部35Aの上端に設けられる係合部35Bと、ベルト部35Aの下端に設けられ、係合部35Bと係脱自在に係合される被係合部35Cとから構成される。
【0054】
本実施例では、上述したように、冷気吐出口13にはハニカム材20が複数のハニカム取付部材21によって着脱自在に保持されている。このハニカム取付部材21は、下面保持部21Cが、所定寸法前面開口5の幅方向(左右方向)に延在すると共に、冷気吐出口13の前縁と係合する冷気吐出口係合部21Bから所定寸法後方に、延在して形成されることにより、冷気吐出口13から吐出される冷気を陳列室カバー30の陳列室8内側と外側の両側に吐出可能とされる。本実施例では、一例として、冷気吐出口13を陳列室8内側を略8割、陳列室8外側を略2割とする位置となるように形成されている。
【0055】
そのため、図3に示すように、上端の連続部33に形成された吊下部材35のベルト部35Aを下面保持部21Cを構成するワイヤーに掛け、その端部に形成された係合部35Bをベルト部35A下端に形成された被係合部35Cに着脱自在に係合させることで、陳列室カバー30の上端を陳列室8の前面開口5上縁、特に、本実施例では、ハニカム材の下側において冷気吐出口13の前縁よりも所定寸法後方に位置する冷気吐出口13に固定することができる。
【0056】
尚、本実施例では、吊下部材35は、連続部33の長手方向に渡って複数、図5では、両端部と、略中央に形成されているため、陳列室カバー30の上端が陳列室8の開口5上縁に略全幅に渡って固定することができる。
【0057】
一方、陳列室カバー30の下端の連続部34には、前面に係合部材38が設けられている。他方、陳列室8の前面開口5下縁に形成された冷気吸込口14の前縁には、図4に示すように前面開口5の略全幅に渡ってプライスレール36が設けられている。前面開口5の下縁に沿って設けられるこのプライスレール36は、陳列室8内に陳列された商品の品名や価格等を記載した紙又は樹脂シートからなる図示しない表示カードを着脱自在に保持する。
【0058】
本実施例では、当該プライスレール36の一部、この場合、前面開口5下縁の略中央部に、陳列室カバー30の下端を保持する保持部(保持片)37が設けられる。この保持部37は、冷気吸込口14の上方まで延在して設けられていると共に、当該保持部37には、上記陳列室カバー30の連続部34に設けられた係合部材38(例えば、一方の面ファスナー。)と着脱自在に係合する被係合部材(他方の面ファスナー)39が設けられている。
【0059】
そのため、図4に示すように、下端の連続部34に設けられた係合部材38を前面開口5下縁に設けられた保持部37の被係合部材39と着脱自在に係合させることで、陳列室カバー30の下端の一部を、この場合、中央部を陳列室8の前面開口5下縁に固定することができる。この際、連続部34の下端は、冷気吸込口14の上方に位置する。
【0060】
また、本実施例では、陳列室カバー30の前面には、図6に示すように、陳列室カバー30の下端を上方に捲り上げた状態で当該下端(下端の連続部34)を着脱自在に保持する保持部40が設けられている。この保持部40は、下端の連続部34に設けられた係合部材38よりも高い位置(上方)に設けられて、陳列室カバー30の下端を着脱自在に保持可能とするものであればよく、本実施例では、下端の連続部34を前面開口5下端に着脱自在に固定する係合部材38と着脱自在に係合されるもの(一例として他方の面ファスナー)により構成する。尚、本実施例では、当該保持部40は、陳列室カバー30の上端の連続部33の前面に設けられている。
【0061】
尚、本実施例では面ファスナーによって係合部材38及び被係合部材39若しくは保持部40を構成しているがこれに限定されるものではなく、着脱自在に固定することができるものであればよく、例えばマグネットや紐などであっても良い。
【0062】
以上の構成により、陳列室8の前面開口5を塞ぐかたちで、陳列室8内を透視可能とする可撓性シートにて構成された陳列室カバー30が設けられ、この陳列室カバー30には、複数の商品取出用の切れ目32が形成されているので、切れ目32から手を挿入することで、陳列室8内に陳列された商品を容易に取り出すことができる。
【0063】
この陳列室カバー30の切れ目32は、常には裁断面同士が接触することで、該切れ目32は閉じた状態とされるため、常には、陳列室カバー30にて開口を塞いだ状態とすることができる。これにより、陳列室8内を透視可能な陳列室カバー30を介した商品陳列及び冷気漏洩の著しい抑制を実現しつつ、切れ目32より商品の取り出しを支障なく行うことができる。
【0064】
特に、陳列室カバー30は、各切れ目32の延在方向における両端、この場合、上下方向に延在する切れ目32の両端に相当する陳列室カバー30の上端及び下端は連続し、切れ目32の無い連続部33、34とされているため、従来の暖簾と異なり、陳列室カバー30の端部が冷気流や店舗内空調の空気流になびいてしまう不都合を効果的に抑制することができる。
【0065】
係る上端の連続部33は、陳列室8の開口5上縁に配置されて固定されると共に、下端の連続部34は、開口5下縁に配置されて固定されることにより、効果的に陳列室8内の冷気漏洩の抑制及び外気の陳列室8内への侵入を実現することができる。
【0066】
この際、陳列室8の対向する開口縁、即ち、上縁と下縁に冷気吐出口13及び冷気吸込口14を設けて、陳列室カバー30の少なくとも陳列室8内側において、開口5上縁から下縁に向けて冷気を吐出することで冷気エアーカーテンが形成される。これに対し、陳列室カバー30の各連続部33、34が冷気吐出口13側及び冷気吸込口14側に配置される。これにより、機械室カバー30に形成された切れ目32の延在方向(前面開口5の上下方向)を冷気エアーカーテンの延在方向と合わせることができる。そのため、切れ目32の延在方向と、冷気エアーカーテンの延在方向とが交差した場合には、切れ目が冷気流によって開きやすくなり、それによって、冷気エアーカーテンの乱れや、切れ目開放による冷気漏洩、外気侵入が生じやすくなるが、これらを同一方向とすることで、冷気エアーカーテンの整流効果を高めることができ、外気侵入、冷気漏洩を著しく抑制することができる。
【0067】
また、本実施例では、陳列室カバー30の上端が、冷気吐出口13の前縁と係合する冷気吐出口係合部21Bから所定寸法後方に、一例として、冷気吐出口13を陳列室8内側を略8割、陳列室8外側を略2割とする位置となるように設けられた下面保持部21Cに固定されることにより、冷気吐出口13から吐出された冷気は、当該陳列室カバー30の陳列室8内側と陳列室8外側にそれぞれに吐出されることとなる。
【0068】
これにより、陳列室カバー30の陳列室8内側と陳列室8外側とにそれぞれ冷気エアーカーテンを形成することができ、係る陳列室カバー30の陳列室8内側と陳列室8外側との温度差による結露の発生を効果的に解消することができる。そのため、陳列室カバー30が濡れてしまうことを回避することができ、顧客等の服や商品が汚れてしまう不都合を解消することができる。
【0069】
尚、本実施例では、上述したように陳列室カバー30には、複数の空気連通用孔31が形成されているため、陳列室カバー30の内外とで空気連通用孔31を介して空気の流出入を許容することができる。これによっても、陳列室カバー30の陳列室8側と外側との温度差による結露の発生を抑制することができる。そのため、陳列室カバー30が濡れてしまうことを抑制若しくは、回避することができ、顧客等の服や商品が汚れてしまう不都合を抑制若しくは回避することができる。
【0070】
特に、本実施例では、陳列室カバー30の上端は、冷気整流用のハニカム材20を冷気吐出口13に取り付けるためのハニカム取付部材21の下面保持部21Cに着脱自在に取り付けられているため、別途、陳列室カバー30の上端を取り付けるための取付具を設けることなく、ハニカム取付部材21を用いて陳列室カバー30の上端をハニカム材21の下側において冷気吐出口13に取り付けることが可能となる。これにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0071】
尚、本実施例では、ハニカム取付部材21の下面保持部21Cは、これに着脱自在に係合される陳列室カバー30をハニカム材21の下側に位置させるため、冷気吐出口13の前縁よりも所定寸法後方に配置しているが、例えば、機械室カバー30の前面に結露が生じにくい設置環境である場合などでは、これに限られるものではない。即ち、既存のショーケースにおいてハニカム材21を固定するために用いられるハニカム取付部材21は、下面保持部21Cが、冷気吐出口13に取り付けられるハニカム材21の前端部の下面を保持する構成とされている。当該下面保持部21Cに陳列室カバー30の上端を着脱自在に取り付けた場合、冷気吐出口13から吐出される冷気の多くは、陳列室カバー30の陳列室内側に沿って吐出されることとなる。この場合であっても、設置環境の湿度や温度により機械室カバー30の前面に結露が生じにくい場合には、結露水の問題が生じないこととなる。そのため、格別に下面保持部21Cを冷気吐出口の前縁よりも所定寸法後方に配置したハニカム取付部材21を用いることなく、機械室カバー30を設けることによる効果を奏することができる。
【0072】
また、本実施例では、陳列室カバー30の下端が、前面開口下縁に設けられ、冷気吸込口14の上方まで延在する保持部37に着脱自在に取り付けられることにより、陳列室カバー30の下端を冷気吸込口14の上方に配置することができる。これにより、陳列室カバー30に付着してしまった結露水は、当該カバーを伝ってその下端より冷気吸込口14に案内される。そのため、ショーケース周辺に結露水が漏出してしまう不都合を解消することができ、結露水は冷気吸込口14を介して断熱壁2内に導かれることで、冷却器18からのドレン水と共に円滑に処理することができる。
【0073】
また、本実施例では、上述したように、陳列室カバー30に形成される切れ目32は、陳列室8の前面開口5において上下方向に延在するかたちで形成されているため、陳列室8内に上下方向の寸法が大きい商品、例えば、ペットボトル入りの飲料などが陳列された場合であっても、上下方向に延在する切れ目32を介して取り出しやすくなる。
【0074】
更に、本実施例では、陳列室カバー30は、上端が陳列室8の開口5上縁に略全幅に渡って固定されていると共に、陳列室カバー30の下端は、その一部、例えば中央部が陳列室8の開口下縁に係合部材38と被係合部材39との係合によって固定されているため、陳列室8下部、例えば、デックパン11上に陳列された商品を一度に多数取り出す場合や、商品の陳列作業時には、陳列室カバー30の下端を側部から捲ることで、陳列室8下部を部分的に大きく開放させることができ、商品を取り出しやすくなる。
【0075】
尚、本実施例では、上述したように、陳列室カバー30の下端の一部を開口5下縁に固定するものとしているが、これに限定されるものではなく、陳列室カバー30の両端の連続部33、34を略全幅に渡って陳列室8の開口5縁に固定しても良い。一例として、図7に示すように、陳列室カバー30の下端の連続部34の前面に係合部材38を複数設けると共に、陳列室8の前面開口5下縁に被係合部材39を備えた保持部37を複数、例えば、両端部と略中央部に設けることで、陳列室カバー30の下端の連続部34を略全幅に渡って陳列室8の開口5下縁に固定するものとしてもよい。
【0076】
この場合、機械室カバー30の下端が、冷気流や外乱になびいてしまう不都合を解消することができる。そのため、陳列室8内への外気侵入及び陳列室からの冷気漏洩を効果的に抑制することができる。
【0077】
そして、上記実施例において、陳列室8下部の商品を一度に多数取り出す場合や、商品の陳列作業を行い場合には、下端の連続部34が開口5下縁に固定されたまま行う以外に、当該下端の連続部34と開口5下縁との固定を解除して、即ち、係合部材38と被係合部材39との係合を解除させて、当該機械室カバー30の下端を上方に捲り上げて、連続部34の係合部材38を、該係合部材38よりも上方に設けられた保持部40と係合させて保持することにより、陳列室8を下部から上方に渡って大きく開放させることができ、作業性が著しく向上する。これにより、陳列室カバー30を取り付けた状態のままであっても、陳列作業性の向上を図ることができる。
【0078】
尚、上記実施例では、陳列室カバー30に形成される切れ目32を陳列室8の前面開口5において上下方向に延在するかたちで形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば図8に示すように、棚9やデックパン11の上方に対応する位置に、陳列室8の開口5において左右方向に延在するかたちで複数の切れ目42を形成しても良い。この場合においても、切れ目42の延在方向における両端、即ち、陳列室カバー30の両側端は、連続し、切れ目の無い連続部43、44とされているものとする。
【0079】
これにより、上下方向よりも左右寸法が大きい商品、例えば、皿状の容器に入った総菜などを平らな状態を維持したまま切れ目42を介して取り出しやすくなる。
【0080】
また、上記実施例において陳列室カバー30は、その上端が吊下部材35を冷気吐出口13(前面開口5上縁)に設けられたハニカム材取付部材21に着脱自在に固定され、その下端が係合部材38を冷気吸込口14(前面開口5下縁)の保持部37に着脱自在に係合されることによって設けられていることから、任意に取り外して使用することも可能となる。これにより、ショーケース1の使用状況に容易に対応することができる。
【0081】
尚、本実施例では、陳列室8の前面開口5を単一の陳列室カバー30にて塞ぐかたちで設けられているが、これに限定されるものではなく、陳列室8の開口5に陳列室カバー30を複数並設しても良い。これにより、大型のショーケース1の前面開口5を単一の陳列室カバー30にて塞ぐ構成とする場合に比して、陳列室カバー30の生産性や利便性を向上させることができる。また、部分的に陳列室カバー30を陳列室8の開口5に設けることも可能となり、使用態様のバリエーションを増大させることができる。
【0082】
また、本実施例では、前面が開口する陳列室を構成するオープンショーケースについて詳述しているが、これに限定されるものではなく、断熱壁の上方に構成された陳列室の複数面(例えば、前後面や側面)が開口して成るオープンショーケースの各開口を複数の陳列室カバーにて塞ぐ場合や、断熱壁内に上面が開口する陳列室を備えたショーケースの上面開口を陳列室カバーにて塞ぐ場合においても、本願発明は有効である。
【符号の説明】
【0083】
1 オープンショーケース
2 断熱壁
3 側板
4 本体
5 前面開口
6 仕切板
7 ダクト
8 陳列室
9 棚
10 棚支柱
11 デックパン
13 冷気吐出口
14 冷気吸込口
15 底部ダクト
16 冷気循環用送風機
17 ファンケース
18 冷却器
20 ハニカム材
21 ハニカム取付部材
23 冷気吸込部材
30 陳列室カバー
31 空気連通用孔
32、42 商品取出用の切れ目
33、34、43、44 連続部
35 吊下部材(取付部材)
35A ベルト部
35B 係合部
35C 被係合部
36 プライスレール
37 保持部
38 係合部材(面ファスナー)
39 被係合部材(面ファスナー)
40 保持部(面ファスナー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱壁内に少なくとも一面が開口する陳列室を構成し、該陳列室内にて商品を冷却しながら陳列するオープンショーケースにおいて、
前記陳列室の開口を塞ぐかたちで設けられた陳列室カバーを備え、
該陳列室カバーは、前記陳列室内を透視可能な可撓性シートにて構成されていると共に、複数の商品取出用の切れ目が形成されており、各切れ目の延在方向における両端は連続し、切れ目の無い連続部とされていることを特徴とするオープンショーケース。
【請求項2】
前記陳列室は前面が開口しており、前記陳列室カバーは、前記切れ目が前記陳列室の前面開口において上下方向に延在するかたちで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオープンショーケース。
【請求項3】
前記陳列室は前面が開口しており、前記陳列室カバーは、前記切れ目が前記陳列室の開口において左右方向に延在するかたちで設けられことを特徴とする請求項1に記載のオープンショーケース。
【請求項4】
前記陳列室カバーには、複数の空気連通用孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載のオープンショーケース。
【請求項5】
前記陳列室の対向する開口縁にそれぞれ設けられた冷気吐出口及び冷気吸込口を備え、前記冷気吐出口より冷気を吐出し、前記冷気吸込口より吸い込むことにより、前記陳列室の開口に冷気エアーカーテンを形成すると共に、
前記陳列室カバーの各連続部を前記冷気吐出口及び冷気吸込口側に配置し、該冷気吐出口より前記陳列室カバーの少なくとも前記陳列室内側に冷気を吐出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項6】
前記陳列室の対向する開口縁にそれぞれ設けられた冷気吐出口及び冷気吸込口を備え、前記冷気吐出口より冷気を吐出し、前記冷気吸込口より吸い込むことにより、前記陳列室の開口に冷気エアーカーテンを形成すると共に、
前記冷気吐出口より、前記陳列室カバーの前記陳列室内側と陳列室外側にそれぞれ冷気を吐出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項7】
前記冷気吐出口に取り付けられた冷気整流用のハニカム材と、該ハニカム材を前記冷気吐出口に取り付けるためのハニカム取付部材とを備え、
前記陳列室カバーの上端を前記ハニカム取付部材に着脱自在に取り付け、前記ハニカム材の下側において、前記冷気吐出口の前縁よりも所定寸法後方に配置したことを特徴とする請求項6に記載のオープンショーケース。
【請求項8】
前記陳列室カバーの下端を前記冷気吸込口の上方に配置したことを特徴とする請求項5乃至請求項7のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項9】
前記陳列室は前面が開口しており、前記陳列室カバーの上端が前記陳列室の開口上縁に略全幅に渡って固定されていると共に、前記陳列室カバーの下端は、その一部が前記陳列室の開口下縁に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項10】
前記陳列室カバーは、前記両端の連続部が略全幅に渡って前記陳列室の開口縁に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項11】
前記陳列室カバーは、前記陳列室の開口縁に着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項12】
前記陳列室は前面が開口しており、前記陳列室カバーの上端が前記陳列室の開口上縁に固定され、前記陳列室カバーの下端は、前記陳列室の開口下縁に着脱自在に固定されると共に、
前記断熱壁又は前記陳列室カバーには、当該陳列室カバーの下端を上方に捲り上げた状態で当該下端を着脱自在に保持する保持部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のうちの何れかに記載のオープンショーケース。
【請求項13】
前記陳列室の開口に前記陳列室カバーを複数並設したことを特徴とする請求項1乃至請求項12のうちの何れかに記載のオープンショーケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate