説明

カウンター、及び、それを備えた浴室構造

【課題】着脱自在なバーが設けられたカウンター、及び、それを備えた浴室構造を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るカウンターは、物品を載置する天板と、天板の左右両側にそれぞれ設けられた側板24と、天板の下方に配置されたバー26と、側板24に設けられ、バー26を着脱自在に保持するフック28と、を備えている。これにより、バー26が着脱自在なのでカウンターの清掃時にバー26を取り外して清掃することができ、清掃性が大幅に向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーが設けられたカウンター、及び、それを備えた浴室構造に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室のカウンターには、通常、タオルを掛けるバーが設けられている(例えば特許文献1参照)。このバーは、通常、バー端部がカウンターに取付けられることにより固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−3478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カウンターの清掃等を考慮すると、バーが着脱自在であることが好ましい。
しかし、特許文献1では、カウンターの折りたたみは可能であるが、バーの取外しを容易に行うことはできない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、着脱自在なバーが設けられたカウンター、及び、それを備えた浴室構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、物品を載置する天板と、前記天板の左右両側にそれぞれ設けられた側板と、前記天板の下方に配置されたバーと、前記天板又は前記側板に設けられ、前記バーを着脱自在に保持する保持部と、を備えている。
請求項1に記載の発明では、バーが着脱自在なのでカウンターの清掃時にバーを取り外して清掃することができ、清掃性が大幅に向上する。また、シャンプー等の物品を天板上に載置する構成にすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記保持部は、前記側板の内側に形成され上方が開口したフックである。
これにより、簡易な構成でバーを着脱自在とすることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記側板から延び出し、前記フックの開口へ前記バーの端部を案内する案内板部が設けられている。
これにより、取外したバーを取付ける際、バーをカウンターの下方から上方に移動させてバーの端部を案内板部に当接させ、そのままバーを下方にずらすことでバーをフックに保持させることができる。従って、バーの取付けが著しく容易である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記フックの下部には、水抜き用の孔部が形成されている。
これにより、フックに水が溜まることを回避でき、衛生的である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記フックの開口の縁部には、前記バーの端部が前記フックから抜けることを規制する突部が形成されている。
これにより、フックに保持されたバーに誤って上方に移動させる力が作用しても、フックからバーが抜けることが突部によって規制される。従って、フックからバーが不用意に外れにくい。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記フックの開口のカウンター奥側の縁部には、前記案内板部とは反対側へ延び出す鍔部が設けられている。
これにより、バーを取付ける際、バーの端部が案内板部からカウンター奥側へやや離れていても、バーを下方にずらすとバーの端部が鍔部に当接してフックの開口に案内される。従って、バーの取付けが更に容易になる。
【0012】
また、フックに保持されたバーに誤って上方に移動させる力が作用してフックからバーが上方に外れてしまっても、鍔部上にバー端部が落下し、突部と案内板部とでバーの端部が下方から支えられるか、あるいは、突部と案内板部との間をバーが通過してフックに再び入って保持される。従って、バーに不用意な力が作用してもカウンターからバーが落下し難い。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうち何れか1項に記載のカウンターが設けられた浴室構造である。
これにより、カウンターの清掃時にバーを取り外して清掃することができ、清掃性が大幅に向上した浴室構造とすることができする。また、シャンプー等の物を天板上に載置できる浴室構造にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、着脱自在なバーが設けられたカウンター、及び、それを備えた浴室構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る浴室構造を示す浴室の部分斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るカウンターを斜め下方から見た斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るカウンターの天板の正面図である。
【図4】第1実施形態に係るカウンターの天板の側面断面図である。
【図5】第1実施形態に係るカウンターの側板の斜視図である。
【図6】第1実施形態に係るカウンターの側板でバーを保持させることを説明する説明図である。
【図7】第2実施形態に係るカウンターを斜め下方から見た斜視図である。
【図8】第3実施形態に係るカウンターを斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0017】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るカウンター10は、浴室12の洗い場14の壁面16に固定されたものである。なお、浴室12は、例えばユニットバスで形成されている。洗い場14の壁面16には壁付水洗18が設けられており、カウンター10は壁付水洗18のやや上方に配置されている。
【0018】
図2〜図6に示すように、カウンター10は、物品を載置する載置面22Sを上面側に有する天板22と、天板22の左右両側にそれぞれ設けられた側板24と、天板22の下方に天板22と平行に配置されたバー26と、を備えている。側板24には、バー26の端部を着脱自在に保持する保持部として、側板24の内側(バー側)にフック28が設けられている。
【0019】
天板22は、上記の載置面22Sを上側に有する上板部30と、上板部30のカウンターフロント側(正面側)の縁部に連続する正面板部32と、を有する。正面板部32は、上板部30の正面側の縁部からやや下方に向けて延び出し、更に下方かつカウンター奥側に向けてやや丸みを帯びて延び出す形状とされている。
【0020】
更に、天板22は、正面板部32に連続する下板部34と、下板部34に連続する鉛直板部36と、鉛直板部36に連続する下端板部38と、を有する。下板部34は、正面板部32の下側縁部から上方かつカウンター奥側に向けて湾曲しつつ延び出し、更に上板部30と平行に延びる。鉛直板部36は、下板部34のカウンター奥側から下方かつカウンター奥側に向けて湾曲しつつ延び出し、更に鉛直下方向に延びる。下端板部38は、鉛直板部36の下側縁部からカウンター奥方向に向けて延びる。鉛直板部36には、浴室壁面にビス止めするための貫通孔37(図2〜図4参照)が複数箇所に形成されている。
【0021】
側板24は左右対照形状とされている。図5、図6に示すように、この側板24の内側(バー側)には、天板22を下方から支える第1支持板部25S1と、第1支持板部25S1に連続して湾曲し更に下方に延びる第2支持板部25S2と、が設けられている。そして、側板24の内側には、第1支持板部25S1のカウンターフロント側の端部、及び、フック28の開口28Mのカウンターフロント側の端部に連続して延び出すとともに側板24のカウンターフロント側から側板内側に向けて(すなわちバーの長手方向内側に向けて)延び出す平板状の案内板部40が設けられている。この構成により、案内板部40は、バー26を取付ける際にバー端部26Eをフック28の開口28Mに案内する形状にされている。
【0022】
そして、フック28の下部には、バー長手方向外側位置とバー長手方向内側位置とに、それぞれ、水抜き用の孔部28H1、28H2が形成されている。
また、フック28の開口28Mのカウンター奥側の縁部28Eには、フック28に入れられたバー端部26Eがフック28から抜けることを規制する突部28Tが形成されている。
【0023】
更に、本実施形態では、フック28の開口28Mのカウンター奥側の縁部28Eからカウンター奥側かつ上側に延び出す鍔部28Bが設けられている。すなわち、鍔部28Bは、案内板部40とは反対側へこの縁部28Eから延び出している。
【0024】
以下、本実施形態の作用、効果を説明する。本実施形態では、清掃時にはバー26を取り外す。この取り外しでは、バー26を両手あるいは片手で、上方あるいは上方かつカウンターフロント側に持ち上げる。この結果、両端側のバー端部26Eがそれぞれ突部28Tに当接して、突部28Tが案内板部40からやや離れるようにフック28が撓み、バー端部26Eがフック28から上方に外れる。そして、フック28のカウンター奥側にバー端部26Eを移動させ、更にバー26を下方に移動させてカウンター10から取り外す。
【0025】
清掃終了後、図6に示すように、バー26を両手あるいは片手で持ってカウンター10の下方から移動軌跡Uに沿うように移動させ、バー両端側のバー端部26Eをそれぞれ案内板部40の内壁面40Wに当接させる。そして、案内板部40に沿ってバー26を下方へ移動させる。この結果、バー端部26Eがそれぞれ突部28Tに当接し、バー端部26Eからの押圧力により突部28Tが案内板部40からやや離れるようにフック28が撓み、バー端部26Eがフック28へ入る。この後、手をバー26から離してもバー26がフック28で保持されている。
【0026】
このように、本実施形態では、簡易な構成で、バー26をカウンター10から簡単に着脱させることができる。従って、カウンター10の清掃時にバー26を簡単に取り外して清掃することができ、カウンター10、更には浴室12の清掃性が大幅に向上する。
また、天板22の載置面22Sにシャンプー等の物品P(図1参照)を載置することができ、カウンター10の使用者にとって便利である。
【0027】
また、上記の案内板部40が左右両側の側板24にそれぞれ設けられているので、取外したバー26を取付ける際、バー26をカウンター10の下方から上方に移動させてバー端部26Eを案内板部40の内壁面40Wにそれぞれ当接させ、そのままバー26を下方にずらすことでバー26をフック28に保持させることができる。従って、バーの取付けが著しく容易である。
【0028】
また、フック28の下部には、水抜き用の孔部28H1、28H2が形成されている。これにより、フック28に水が溜まることを回避でき、衛生的である。なお、本実施形態では、孔部が2箇所にわたって形成されているので、この効果が顕著である。
【0029】
また、フック28の開口28Mのカウンター奥側の縁部28Eには、フック28に入れられたバー端部26Eがフック28から抜けることを規制する突部28Tが形成されている。これにより、フック28に保持されたバー26に誤って上方に移動させる力が作用しても、フック28からバー26が抜けることが突部28Tによって規制される。従って、フック28からバーが不用意に外れにくい。
【0030】
また、フック28の開口28Mのカウンター奥側の縁部28Eからカウンター奥側かつ上側に延び出す鍔部28Bが設けられている、これにより、バー26を取付ける際、バー26を鍔部28Bに当接させてそのまま下方に移動させてフック28に保持させることができる。従って、バー26の取付けが更に容易である。そして、フック28に保持されたバー26に誤って上方に移動させる力が作用してフック28からバーが上方に外れてしまっても、鍔部28B上にバー端部26Eが落下し、突部28Tと案内板部40とでバー端部26Eが下方から支えられるか、あるいは、突部28Tと案内板部40との間をバーが通過してフック28に再び入って保持される。従って、バー26に不用意な力が作用してもカウンター10からバー26が落下し難い。
【0031】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態に係るカウンター50は、第1実施形態に比べ、案内板部40が設けられておらず、フック28に代えて簡素なフック58が側板54の内側に形成されている。
本実施形態により、第1実施形態よりも簡素な構成で、バー26を着脱自在としたカウンター50にすることができる。
【0032】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図8に示すように、本実施形態に係るカウンター60は、第1実施形態に比べ、フック28及び案内板部40に代えて、天板62(天板22とほぼ同様の構成)から下方に延び出すフック68が設けられている。このフック68は、フック28及び案内板部40とほぼ同形状のフック本体70と、フック本体70の側板側に形成されている側板部72と、側板部72のカウンター奥側の縁部から側板84(側板54とほぼ同様の構成)の側に延び出す補強板部74と、で構成される。
【0033】
本実施形態では、フック68に保持されたバー26は、フック本体70で下方から支えられるとともに、バー26が長手方向に移動することが側板部72で規制される。このように、側板84ではなく天板62にフック68を設けてバー26を保持させることも可能である。
【0034】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
10 カウンター
12 浴室
22 天板
24 側板
26 バー
26E バー端部(端部)
28 フック(保持部、フック)
28M 開口
28E 縁部
28H1、H2 孔部
28T 突部
28B 鍔部
40 案内板部
50 カウンター
54 側板
58 フック
60 カウンター
62 天板
68 フック
84 側板
P 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置する天板と、
前記天板の左右両側にそれぞれ設けられた側板と、
前記天板の下方に配置されたバーと、
前記天板又は前記側板に設けられ、前記バーを着脱自在に保持する保持部と、
を備えた、カウンター。
【請求項2】
前記保持部は、前記側板の内側に形成され上方が開口したフックである、請求項1に記載のカウンター。
【請求項3】
前記側板から延び出し、前記フックの開口へ前記バーの端部を案内する案内板部が設けられている、請求項2に記載のカウンター。
【請求項4】
前記フックの下部には、水抜き用の孔部が形成されている、請求項2又は3に記載されたカウンター。
【請求項5】
前記フックの開口の縁部には、前記バーの端部が前記フックから抜けることを規制する突部が形成されている、請求項2〜4のうち何れか1項に記載のカウンター。
【請求項6】
前記フックの開口のカウンター奥側の縁部には、前記案内板部とは反対側へ延び出す鍔部が設けられている、請求項5に記載のカウンター。
【請求項7】
請求項1〜6のうち何れか1項に記載のカウンターが設けられた、浴室構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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