説明

カチオン電荷増強剤を含む、透明又は半透明の布地コンディショナー

カチオン電荷増強剤であって、増強剤は、単一のアルコキシ鎖を有し、より少ない量の柔軟仕上げ活性物質で改善された柔軟化性能を有する透明又は半透明の組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地を柔軟化するのに有用な布地柔軟化組成物に関する。特に、織物洗濯作業のすすぎサイクルでの使用に好適な布地柔軟化組成物に関する。本発明の組成物は、半透明又は透明の液体柔軟化組成物である。
【背景技術】
【0002】
低量の布地柔軟化化合物を有する透明又は半透明の布地柔軟化組成物であって、布地柔軟仕上げ剤化合物の性能は、カチオン電荷増強剤系の存在によって強化されることが、報告されている。透明な布地柔軟化組成物は、消費者が満足できる柔軟化性能レベルを維持するために、より高濃度の布地柔軟仕上げ活性物質を従来利用してきた。しかしながら、このような高濃度の柔軟仕上げ活性物質を含有する組成物は、また、透明又は半透明の製品を維持するために、より高濃度の溶媒も利用してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
透明及び半透明の柔軟仕上げ剤組成物の活性物質に加えられることを通常必要とされる大量の柔軟仕上げ剤化合物及びより高い濃度の溶媒の使用に頼らずに、消費者により優れた布地ケア効果をもたらすように、増大した又は「増強した」布地柔軟化能力をもたらす好適なカチオン電荷増強系が、布地コンディショニング製品の全体的な電荷密度を増強させるための手段として提案されてきた。国際公開特許03/016447、国際公開特許99/27050を参照のこと。しかしながら、透明又は半透明の布地柔軟化組成物の柔軟仕上げ剤化合物の柔軟化性能を最大にするカチオン電荷増強系を特定する必要性が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
洗浄サイクルから持ち越されるアニオン性界面活性剤を含有するすすぎ溶液内に組成物が使用されるときに、特定の種類のカチオン電荷増強系を加えることにより、減少した又は不十分な電荷密度を有するカチオン性布地柔軟仕上げ活性物質の性能がより高い柔軟化効果を可能にするレベルまで十分に増大されることが、驚くべきことに発見された。
【0005】
本発明のカチオン電荷増強剤は、柔軟仕上げ活性物質の固有の特性とは無関係に、純カチオン電荷濃度を増加させる効果を有する。したがって、配合者は、低いカチオン電荷容量を有する布地柔軟化化合物を組み合わせてもよいが、それはカチオン電荷増強剤系とともに他の望ましい特性、とりわけ、良好な分散性(dispensability)、低い融点などを有し、それにより、布地柔軟仕上げ剤化合物のカチオン電荷密度の不足を克服する組成物を得ることができる。
【0006】
本発明のカチオン電荷増強剤は、一般に洗浄水からすすぎまで持ち越されるアニオン性界面活性剤を除去する、さらなる効果を提供する。さもなければカチオン性布地柔軟仕上げ剤化合物と相互作用する傾向があるアニオン性界面活性剤の除去とカチオン電荷濃度の増加との複合効果は、布地柔軟仕上げ剤化合物の柔軟化効果を増強させる働きをする。この複合効果によって、配合者は、所定の濃度の柔軟仕上げ活性物質から、より大きな柔軟化効果を得ることができる。
【0007】
本発明の第一の態様は、(a)布地柔軟化化合物、(b)−0.2〜1.0のClogPを有する主溶媒、及び(c)カチオン電荷増強剤系を含む、透明又は半透明の布地柔軟仕上げ剤組成物に関する。
【0008】
本発明の組成物に有用な電荷増強剤系は、以下の一般式を有し、
【化1】

式中、Rは、C〜C22アルキル又はアルケニルであり、R及びRは、それぞれ独立してC〜Cアルキルであり、X−は布地柔軟仕上げ剤と適合性のあるアニオンであり、Rは、以下の式(RO)を有するポリアルキレンオキシ単位であり、
式中、Rは、エチレン、1,2−プロピレン、及びこれらの混合物であり、xは、1〜4の値を有し、Rは、水素又はC〜Cアルキルである。本発明の目的のために、アルキル又はアルケニルは、直鎖、環状又は分枝鎖、及び置換又は非置換であってよい。
【0009】
本発明は、布地柔軟仕上げ剤組成物を本発明によるカチオン電荷増強系と混合することによって布地柔軟化組成物の柔軟化活性を増強させるための方法に更に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
I.カチオン電荷増強剤系
本発明の組成物は、少なくとも約0.1重量%、好ましくは少なくとも約0.2重量%で、約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満のカチオン電荷増強剤系を含む。
【0011】
本発明のカチオン電荷増強剤系は、以下の一般式を有する化合物を含む。
【化2】

式中、R、R、R、及びRは、前に定義された。先行技術で説明されるエトキシル化四級化合物は、N,Nジ(2−ヒドロキシエチル)N−アルキルアミンのエトキシル化、及びそれに続く塩化メチルなどの古典的アルキル化剤によるエトキシル化アルキルアミンの四級化により通常作り出される。対照的に、本発明の化合物は、ただ一つのアルコキシ鎖を含有し、したがって、N−メチル、N−アルコキシ、N−アルキルアミンなど古典的アルキル化剤による四級化などの異なる合成経路によって作り出される。
【0012】
本発明のカチオン電荷増強剤の例には、クラリアントイベリカ(Clariant Iberica)からのPraepagen HY、ハンツマン(Huntsman)からのエンピゲン(Empigen)5141、及び第一工業製薬(DKS、日本)からのAT412が挙げられる。Praepagen HYは、N−2ヒドロキシエチル、N−ココイル、N,Nジメチル塩化アンモニウムという化学名を有する。
【0013】
II−布地柔軟化化合物
本発明のもう一つの態様は、布地柔軟化化合物を提供する。布地柔軟仕上げ剤化合物は、好ましくは、カチオン性、非イオン性、両性、又はアニオン性の布地柔軟化成分から選択される。カチオン性柔軟化成分の典型は、以下に記述するように、第四級アンモニウム化合物又はそのアミン前駆体である。柔軟化組成物内での柔軟化化合物の混和の典型的な濃度は、組成物の1重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜75重量%、より好ましくは15重量%〜70重量%、及び更により好ましくは19重量%〜65重量%である。
【0014】
布地柔軟化化合物の非限定例を説明する。
【0015】
A)第四級アンモニウム布地柔軟化活性化合物
1)好ましい第四級アンモニウム布地柔軟化活性化合物は、以下の式
【化3】

又は以下の式
【化4】

を有し、式中、Qは、以下の式を有するカルボニル単位であり、
【化5】

各R単位は、独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物であり、好ましくはメチル又はヒドロキシアルキルであり、各R単位は、独立して直鎖又は分枝鎖C11〜C22アルキル、直鎖又は分枝鎖C11〜C22アルケニル、及びこれらの混合物であり、Rは水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物であり、Xは布地柔軟仕上げ活性物質及び補助剤成分と適合性のあるアニオンであり、指数mは1〜4、好ましくは2であり、指数nは1〜4、好ましくは2である。
【0016】
好ましい布地柔軟仕上げ活性物質の例は、以下の式を有する四級化されたアミンの混合物であり、
【化6】

式中、Rは、好ましくはメチルであり、Rは、少なくとも11個の原子、好ましくは少なくとも15個の原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル又はアルケニル鎖である。上記の布地柔軟仕上げ剤の例においては、−OCR単位は、通常はトリグリセリド源から誘導される脂肪族アシル単位を表す。
【0017】
本発明の好ましい布地柔軟化活性物質は、ジエステル及び/又はジアミド四級アンモニウム(DEQA)化合物であり、ジエステル及びジアミンは以下の式を有し、
【化7】

式中、R、R、X、及びnは、式(1)及び(2)に対する本明細書における上の定義と同じであり、Qは、以下の式を有する。
【化8】

これらの好ましい布地柔軟化活性物質は、以下の式を有するアミン中間体を形成するための脂肪族アシル単位とのアミンの反応から形成され、
【化9】

式中、Rは、好ましくはメチルであり、Zは、−OH、−NH、又はこれらの混合物であり、その後、最終柔軟仕上げ活性物質への四級化が続く。本発明のDEQA布地柔軟化化合物を形成するのに使用されるアミンの非限定例は、米国特許第2002/0035053A1号(2002年3月21日公開)、段落68〜73に記載される。
【0018】
本明細書において先に記載されたように、R単位は、好ましくはメチルであるが、好適な布地柔軟仕上げ活性物質は、表Iにおける上の例の用語「メチル」を、単位「エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、イソプロピル、ブチル、イソブチル及びt−ブチルで置き換えることにより説明される。
【0019】
本明細書の布地柔軟化組成物の調製に使用することができ、望ましい不飽和レベルを有する、本明細書で記述される他のDEQA布地柔軟化化合物、及びそれらの合成は、米国特許第5,877,145号(エロルH.ワール(Errol H. Wahl)ら)に記載されている。
【表1】

【0020】
第四級アンモニウム柔軟化化合物のその他の例は、メチルビス(タロウアミドエチル)(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート及びメチルビス(水素添加タロウアミドエチル)(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートであり、これらの物質はそれぞれ、商標名バリソフト(Varisoft)(登録商標)222及びバリソフト(Varisoft)(登録商標)110でウィトコケミカル社(Witco Chemical Company)から入手可能である。特に好ましいものは、N,N−ジ(カノリル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド及びN,N−ジ(カノリル−オキシ−エチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートである。
【0021】
表IIの例の対イオンXは、ブロミド、メチルサルフェート、ギ酸塩、サルフェート、ニトレート、及びこれらの混合物によって好適に置き換えられることができる。実際には、アニオンXは、正電荷を持つ第四級アンモニウム化合物の対イオンとして存在するだけである。本発明の範囲は、いずれかの特定のアニオンに限定されるものではない。
【0022】
本明細書で使用するとき、ジエステルが明記されると、それは製造において通常存在するモノエステルを含む。柔軟化に関して、持ち越される洗剤がない、又は持ち越される洗剤が少量の洗濯状態においてのモノエステルの割合は、できる限り低いべきであり、好ましくは約2.5%を超えない。しかしながら、洗剤の持ち越しが多い状態においては、いくらかのモノエステルが好ましい。ジエステル対モノエステルの全体比は、約100:1〜約2:1、好ましくは約50:1〜約5:1、より好ましくは約13:1〜約8:1である。洗剤の持ち越しが多い状態においては、ジ/モノエステル比は、好ましくは約11:1である。存在するモノエステルの濃度は、柔軟仕上げ剤化合物の製造において制御することができる。
【0023】
また、式(1)及び(2)の活性物質の混合物を調製してもよい。
【0024】
2)本明細書での使用に好ましい更に他の第四級アンモニウム布地柔軟化化合物は、2つ以上の長鎖非環式脂肪族C〜C22炭化水素基又は1つの前記基及び単独で若しくは米国特許第2002/0035053A1、段落93〜99に記載されるもののような混合物の一部として使用されることができるアリールアルキル基を有する、カチオン性窒素塩である。
【0025】
B)−アミン布地柔軟化活性化合物
本明細書での使用に好適なアミン布地柔軟化化合物は、米国特許第2002/0035053A1、段落101〜127に記載されるように、アミン形態でもカチオン性形態でもよい。
【0026】
もちろん、用語「柔軟化化合物」は、混合された柔軟化活性化合物も包含することができる。本明細書で上に開示した柔軟仕上げ剤化合物の種類のうちで好ましいものは、ジエステル又はジアミド四級アンモニウム布地柔軟化活性化合物(DEQA)である。本明細書に記載した布地柔軟仕上げ活性物質は、透明又は半透明の配合物において用いられる。一実施形態では、組成物は透明である。
【0027】
III−主溶媒
本発明の別の態様は、主溶媒を提供する。主溶媒は通常、組成物の40重量%未満、好ましくは25重量%を下回る、より好ましくは2重量%〜10重量%の濃度で使用される。
【0028】
主溶媒は、組成物中の溶媒の臭気の影響を最小限に抑え、最終組成物に低粘度を与えるために選択される。例えば、イソプロピルアルコールは、あまり効果的ではなく、強い臭気を有する。n−プロピルアルコールは、より効果的であるが、やはり独特の臭気を有する。いくつかのブチルアルコール類も臭気を有するが、特にその臭気を最小限に抑えるように主溶媒系の一部として使用される時には、効果的な透明性/安定性のために用いることができる。最適な低温安定性のために、アルコールも選択される。すなわち、それらは、許容できる低粘度の液体であり、4.4℃(40°F)まで半透明、好ましくは透明であり、6.7℃(20°F)までの保管後に回復することができる組成物を形成することができる。
【0029】
必要安定性を有する、本明細書の液体の、好ましくは透明の布地柔軟仕上げ剤組成物の処方のための任意の主溶媒の適合性は、驚くほど選択的である。好適な溶媒は、それらのオクタノール/水分配係数(P)を元に選択することができる。主溶媒のオクタノール/水分配係数は、オクタノールと水とにおけるその平衡濃度の比である。本発明の主溶媒成分の分配係数は、それらの10を底とする対数、logPの形で便利に与えられる。
【0030】
多くの成分のlogPが報告されており、例えば、カリフォルニア州アーバインのデイライトケミカルインフォメーションシステムズ社(Daylight Chemical Information Systems, Inc.)(デイライトCIS)から入手可能なポモナ92データベースには、原文献に加えて多くが入っている。しかし、logP値は、同様にデイライト(Daylight)CISから入手可能な「CLOGP」プログラムにより最も便利に計算される。このプログラムはまた実験logP値も、それらがポモナ92データベースにおいて入手可能な場合には、一覧にしている。「logPの計算値」(ClogP値)は、ハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)のフラグメント手法により求められる(参考として本明細書に組み込まれる、A.レオ、「総括医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)」、第4巻、C.ハンシュ(C.Hansch)、P.G.サメンス(P.G.Sammens)、J.B.テイラー(J.B.Taylor)、及びC.A.ラムスデン(C.A.Ramsden)編、295頁、パーガモン出版、1990年を参照)。フラグメント手法は、各成分の化学構造に基づいており、原子の数及び種類、原子結合性、並びに化学結合を考慮する。この物理化学特性に関して最も信頼でき広く使用されている推定値であるこれらのClogP値が、本発明で有用な主溶媒成分の選択において実験logP値の代わりに使用されるのが好ましい。ClogPを計算するために使用することができるその他の方法には、例えば、J.Chem.Inf.Comput.Sci.、27、21(1987)に開示されるようなクリッペン(Crippen)のフラグメンテーション法、J.Chem.Inf.Comput.Sci.、29、163(1989)に開示されるようなビスワナダーン(Viswanadhan)のフラグメンテーション法、及びEur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.、19、71(1984)に開示されるようなブロト(Broto)の方法が挙げられる。本明細書における主溶媒は、−0.2〜1.0のClogPを有するものから選択され、前記主溶媒は、好ましくは少なくともいくらか非対称であり、好ましくは室温で又は室温付近でそれを液体にさせる融点又は凝固点を有する。低分子量を有し生分解性の溶媒も、ある目的には望ましい。より非対称の溶媒が非常に望ましいようであるのとは対照的に、対象の中心を有する1,7−ヘプタンジオール、又は1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの、極めて対称の溶媒は、それらのClogP値が好ましい範囲であっても、単独で使用されると必須の透明な組成物を提供することができないようである。
【0031】
必要範囲内にあるClogP値を有する操作可能な主溶媒が開示され、以下に記載される。これらには、モノオール、C6ジオール、C7ジオール、オクタンジオール異性体、ブタンジオール誘導体、トリメチルペンタンジオール異性体、エチルメチルペンタンジオール異性体、プロピルペンタンジオール異性体、ジメチルヘキサンジオール異性体、エチルへキサンジオール異性体、メチルヘプタンジオール異性体、オクタンジオール異性体、ノナンジオール異性体、アルキルグリセリルエーテル、ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル、並びにアリールグリセリルエーテル、芳香族グリセリルエーテル、脂環式ジオール及び誘導体、Cジオールアルコキシル化誘導体、芳香族ジオール、並びに不飽和ジオールが挙げられる。これらの主溶媒は全て、米国特許第6,323,172号に開示されている。
【0032】
特に好ましい主溶媒には、ヘキサンジオール、例えば1,2−へキサンジオール;2メチル2,4ペンタンジオール及びC8ジオール、例えば2−エチル−1,3ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのエトキシレート及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのエトキシレート;フェノキシエタノール、1,2シクロヘキサンジメタノール及び2メチル2,4ペンタンジオールが挙げられる。本明細書での使用に最も好ましい主溶媒には、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのエトキシレート、1,2ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、フェノキシエタノール、ブチルカルビトール、2メチル2,4ペンタンジオール、及びこれらの混合物から選択される。本明細書での使用に更に最も好ましい主溶媒は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのエトキシレート、1,2ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、フェノキシエタノール、2メチル2,4ペンタンジオール、及びこれらの混合物から選択される。主溶媒の混合物も、本発明の目的に使用することができる。
【0033】
そのような透明又は半透明の液体形態にあるとき、本発明による柔軟化組成物の安定性を改善するために、柔軟化組成物が2〜5、好ましくは2.5〜4のpHを有するのが好ましいことがわかった。
【0034】
IV−任意成分
本発明の組成物は、以下の任意成分:低分子量水溶性溶媒、光沢剤、分散補助剤、固形物剥離剤、スカム分散剤、殺菌剤、香料、キレート化剤、酵素、及びその他の任意成分のうちの1つ以上を含んでもよい。米国特許第2002/0035053号、段落144〜223。
【0035】
V.柔軟性能
標準的な比較柔軟性試験方法は、8個のテリー綿試験トレーサを含有する綿100%の洗濯物を、家庭用の洗濯機において、推奨される分量の顆粒状洗剤を用いて洗濯することから成る。それぞれの布地柔軟仕上げ剤の製剤が、コンディショニングすすぎサイクル中にすすぎ水に加えられる。従来型の空気式乾燥機内で乾燥させた後、専門の評価者団が処理されたトレーサを比較して、異なる組成物による柔軟性及び/又は肌触りの相違を識別する。
【0036】
本発明の1つの態様は、洗浄性洗濯洗剤を含まない又は本質的に含まない布地柔軟化組成物を提供する。一実施形態では、組成物は5%未満、あるいは4%未満、あるいは3%未満、あるいは2%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満含む。
【0037】
VI.実施例
【表2】

C9〜C11アルキルエトキシレート8EO、シェル(Shell)からの市販材料。
アルキル、ヒドロキシエチル、ジメチルアンモニウムクロリド、クラリアントイベリカ(Clariant Iberica)からの市販材料。
アルキル、ヒドロキシエチル、ジメチルアンモニウムクロリド、ハンツマン(Huntsman)からの市販材料。
アルキル、ヒドロキシエチル、ジメチルアンモニウムクロリド、ハンツマン(Huntsman)からの市販材料。
【0038】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆるより小さい数値の限定を、そのようなより小さい数値の限定が本明細書にはっきりと表現されているかのように包含すると理解されなければならない。本明細書を通じて与えられるあらゆる最小数の限定は、それより大きいあらゆる数値の限定を、そのようなより大きい数値の限定が本明細書にはっきりと表現されているかのように包含する。本明細書を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書にはっきりと表現されているかのように包含する。
【0039】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲におけるすべての部、比、及び百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0040】
「発明を実施するための最良の形態」に引用される全ての文献は、関連部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることの容認として解釈すべきでない。
【0041】
本発明の特定の実施形態を説明及び記述してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明又は半透明の布地柔軟化組成物であって、
a)布地柔軟化化合物、
b)−0.2〜1.0のClogPを有する主溶媒、及び
c)以下の一般式を有するカチオン電荷増強剤系:
【化1】

式中、
(i)Rは、C〜C22アルキル又はC〜C22アルケニルから選択され、
(ii)R及びRは、それぞれ独立してC〜Cアルキルであり、
(iii)Xは、布地柔軟仕上げ剤と適合性のあるアニオンであり、
(iv)Rは、以下の式(RO)を有するポリアルキレンオキシ単位であり、
式中、
(a)Rは、エチレン、1,2−プロピレン、及びこれらの混合物であり、
(b)xは、1〜4の値を有し、
(c)Rは、水素又はC〜Cアルキルである、
を含んでなる、布地柔軟化組成物。
【請求項2】
カチオン電荷増強剤系が、ジアミノ化合物系の電荷増強剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記柔軟化化合物が、以下の式
【化2】

又は以下の式
【化3】

を有し、式中、Qは、以下の式を有するカルボニル単位であり、
【化4】

各R単位は、独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物、好ましくはメチル又はヒドロキシアルキルであり、各R単位は、独立して直鎖又は分枝鎖C11〜C22アルキル、直鎖又は分枝鎖C11〜C22アルケニル、及びこれらの混合物であり、Rは水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物であり、Xは布地柔軟仕上げ剤化合物と適合性のあるアニオンであり、指数mは1〜4、好ましくは2であり、指数nは1〜4、好ましくは2である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記布地柔軟仕上げ剤化合物が、組成物の15重量%〜70重量%の量で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記主溶媒が、モノオール、C6ジオール、C7ジオール、オクタンジオール異性体、ブタンジオール誘導体、トリメチルペンタンジオール異性体、エチルメチルペンタンジオール異性体、プロピルペンタンジオール異性体、ジメチルヘキサンジオール異性体、エチルへキサンジオール異性体、メチルヘプタンジオール異性体、オクタンジオール異性体、ノナンジオール異性体、アルキルグリセリルエーテル、ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル、並びにアリールグリセリルエーテル、芳香族グリセリルエーテル、脂環式ジオール及び誘導体、Cジオールアルコキシル化誘導体、芳香族ジオール、並びに不飽和ジオール、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
主溶媒が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのエトキシレート、1,2ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、フェノキシエタノール、ブチルカルビトール、2メチル2,4ペンタンジオール及びこれらの混合物から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記主溶媒が、組成物の40重量%未満、好ましくは25重量%未満、より好ましくは2重量%〜10重量%の量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、透明度を改善するのに十分な有効な量の、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、プロピレンカーボネート、1,4シクロヘキサンジメタノール及びこれらの混合物から成る群から選択される低分子量の水溶性溶媒を含み、前記水溶性溶媒が、それ自体で透明な組成物を形成しない濃度である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、2〜5のpHを有し、洗浄性洗濯洗剤を本質的に含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の柔軟化組成物を含有する水性媒質に布地を接触させる工程を含む、布地処理方法。

【公表番号】特表2008−540871(P2008−540871A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512620(P2008−512620)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/021482
【国際公開番号】WO2006/132979
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】