説明

カテーテル装置

【課題】 噴霧される薬剤の粒子サイズや噴霧形状をコントロールできるようにする。
【解決手段】 薬剤が供給される近位端と、患者の体内に挿入されて薬剤を噴霧する遠位端とを備えるカテーテル装置(416)である。該装置は、その内部を近位端から遠位端に延び、遠位端で薬剤を第1の方向に噴霧するための薬剤オリフィス(419)を有する薬剤ルーメンを備える薬剤噴霧手段と、該装置内を近位端から遠位端に延び、薬剤噴霧手段から噴霧される薬剤に向けて、第1の方向と反対方向にガスを放出する向流ガスオリフィス(440)を有するガスルーメンを有する向流ガス放出手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肺への薬剤のエーロゾル供給に関し、詳細には、本発明は、改良された供給速度、効率、および制御による、噴霧化薬剤投与用の供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多種類の薬剤が、気道を経て患者へ投与される。気道を経て供給された薬剤は、患者の吸入呼吸とともに空気伝送粒子(例えば、エーロゾルまたは噴霧)として肺へ送られ、そこで、薬剤は肺胞の薄膜を通り、患者の血流へ入る。薬剤の気道を経た供給は、このように送出された薬剤が非常に速く血流に入るので、多くの状況において好ましい。また、薬剤を物理的に可能な限り患部へ近づけて投与あるいは命中させるために、薬剤が肺を冒す疾患または状態に対する治療に使用する場合、薬剤の肺への供給は、好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
気道を経た薬剤の供給は多年の間使用されていたが、これらの使用と投与を限定する従来の装置に付随して難しさがある。例えば、従来の方法は、限られた供給速度、効率、および制御だけしか備えていない。従来方法では、多量の薬剤が肺へ供給し損なわれ、これにより、薬剤が浪費されたり、あるいは、身体のほかの部分、例えば、気管へ供給される。
【0004】
一般に、エーロゾルは比較的に短命で、比較的に速く大きな粒子または小滴となる。また、エーロゾルは、相互に、または、他のものに密着し、沈着物となり、拡散し、あるいは、融着する。エーロゾル粒子は、また、飛翔中に、結露成長し易い。薬剤の空気伝送粒子としての供給には、液状である薬剤が、エーロゾルを気道へ投与することにより、比較的に速くエーロゾルへ変換される必要がある。この目的のために使用されてきたこの様な器具の一つは、吸入器である。吸入器は液体を噴霧化して、人が口または鼻から吸入するエーロゾルを形成する。一般に、薬剤の大部分は気道の内膜に付着するので、吸入器は、薬剤の肺への限られた供給しか行わない。このように吸入されたエーロゾルのわずかに10〜15パーセント程度が肺胞へ到達する。
【0005】
薬剤の患者の気道へのエーロゾル供給は、また、患者が気管内チューブされている間、すなわち、患者の呼吸を助けるために、気管内チューブが患者の気管にある時に行われる。気管内チューブが患者内の体に位置決めされている時は、気管内チューブの近位端は機械的ベンチレータに送風管へ接続され、遠位端は気管内に配置される。エーロゾルは、気管内チューブのベンチレータ回路において空気流へ付加され、患者の吸入により肺へ送られる。薬剤の相当な量が気管内チューブの内側に付着し、薬剤の肺への供給速度もまた、相変わらず比較的に遅く、予知できない。
【0006】
従来のエーロゾル供給装置の遅く、予知出来ない供給速度は、気道を介して供給される薬剤の種類を限定してきた。比較的に高価である新しい薬剤については、浪費された薬剤の量は、治療費において高いコスト要因である。従って、肺へ供給される薬剤の供給速度または効率を高めることは、有利である。
【0007】
もう一つの考慮すべきことは、肺へ供給されるエーロゾルの中には、有害な副作用を与えるもの、例えば、肺走査に使用される放射性トレーサーがあることである。従って、使用される薬剤の全量を最小にし、同一量またはより多量の薬剤を気道の所望の部位に投与することにより、薬剤の効率を維持することは有利である。
【0008】
さらに、薬剤の中には、ある粒子の大きさで供給される場合、効果的であるものがある。このように、改良されたエーロゾル供給装置は、改良された供給の速度と効率とを備え、エーロゾル粒子の大きさも考慮している。
【0009】
薬剤を特定の制御された投薬量で投与することも重要である。エーロゾル供給の従来の方法は、不効率であるだけでなく、供給されている投薬量を正確に投与する信頼出来る手段を備えてもいない。
【0010】
所望の特定の気管支、または特定の気管支群を薬剤の目標にし、薬剤の肺のほかの部分への供給を防止することが出来ることは、有利である。
【0011】
これらと他のことを考慮に入れて、薬剤の供給速度と効率とが改良されるならば、気道からのエーロゾル供給は、一層広く使用され、効果的な供給手段となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、薬剤が供給される近位端と、患者の体内に挿入されて薬剤を噴霧する遠位端とを備えるカテーテル装置(416、448)であって、該カテーテル装置内を該近位端から遠位端に延び、該遠位端で薬剤を第1の方向に噴霧するための薬剤オリフィス(419、453,454)を有する薬剤ルーメンを備える薬剤噴霧手段と、該カテーテル装置内を該近位端から該遠位端に延び、該薬剤噴霧手段から噴霧される薬剤に向けて、該第1の方向と反対方向にガスを放出する向流ガスオリフィス(440、460)を有するガスルーメンを有する向流ガス放出手段と、を有するカテーテル装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、気道内に置かれたカテーテルの遠位端における薬剤の噴霧により、エーロゾル化された薬剤の患者の肺への制御された効率良い供給を提供する。この明細書と請求の範囲を通して、噴霧カテーテルが、薬剤または薬品の供給に使用されるように説明されている。用語”薬剤”、”医薬品”、”薬品”は、診断または治療の目的で、または給湿のために肺へ供給されるトレーサ等の他の物質を含む。
【0014】
I.噴霧カテーテル−基本構成
図1と図2(A)を参照すると、本発明の第一実施例が示されている。図1と図2(A)は、従来の気管内チューブである気管内チューブ10を示す。気管内チューブ10は、管10を患者の気管内に配置するのを容易にするために、遠位端に近く配置された膨張性カフ12を有するか、あるいは、気管内チューブ10は膨張性カフの無いタイプであつてもよい。膨張性カフ12は、気管内チューブ10内の分離された膨張ルーメンを経て、膨張ガス源(図示せず)へ接続のための近位継ぎ手13へ接続されている。気管内チューブ10は、分岐管継ぎ手14へ接続された近位端を有する。継ぎ手14は、送風器回路(図示せず)への接続に適切に構成された接続口15を有する。継ぎ手14は、分離した噴霧カテーテルの近位端から気管内チューブへの挿入を行う他の接続口16も有する。継ぎ手14は、米国特許第5,078,131号明細書に記載されたルボ継ぎ手と同様の構造を有し、この全開示を本明細書に援用する。図1において、噴霧カテーテル20は、近位継ぎ手14を経て気管内チューブ10の送風ルーメン22へ挿入される位置に置かれている。図2(A)において、噴霧カテーテル20は、気管内チューブ10内に完全に位置決めされ、近位端が近位継ぎ手14の接続口16から延びる。
【0015】
噴霧カテーテル20の近位端に、分岐管即ちマニホールド24がある。分岐管24は、少なくとも一つのガス接続口28と液体(薬剤)接続口32とを有する。これらの接続口28と32は、ルアー・ロツク・タイプの接続口などの従来の取り付け手段を有することが出来る。さらに、これらの接続口28と32は、使用されない時にこの接続口を閉じるために使用され、ガス源または液体源への接続が望まれる時にポーンと開けられる閉鎖キャップ31を有することも出来る。選択的に分岐管24は、粒子状の異物によりルーメンの閉塞を防止するために、ガス接続口28、または液体接続口32、または両方の接続口のいずれかと直列に配置されたフィルターを有することも出来る。噴霧カテーテル20は、少なくとも二つの分離したルーメン口を有する(図2(B)に示されているように)。第一のルーメン33は、液体薬剤の送りに使用され、分岐管24の接続口32と連通している。他方のルーメン34は、加圧ガスの送りに使用され、分岐管24の接続口28と連通している。液体ルーメン33は遠位端液体オリフィス35と連通し、ガスルーメン34は噴霧カテーテル20の遠位端37に近い遠位端ガスオリフィス36と連通している。加圧ガスルーメン34の遠位端開口36は、加圧ガスを遠位端液体ルーメンの開口35を横切るように指向させ、これにより、薬剤が患者の肺へ供給されるように、液体薬剤を噴霧(霧化)する。遠位端液体オリフィス35は開いているか、または、多孔質材の栓、またはスポンジ状あるいはフエルト状の材料の栓を備えており、これらの栓は、遠位端オリフィスから僅かに延び、これにより、液体はオリフィスから流れるが、遠位端から垂れる液体の可能性を低下させている。
【0016】
遠位端37が呼吸器系内の所望の位置に位置決めされ、近位端(すなわち、分岐管24を有して)が、患者の身体の外部の適切なガスと液体供給源への接続のために、医師または医療関係者へ近づけられるように、噴霧カテーテル20の長さは十分でなければならない。従って、噴霧カテーテルの長さは、噴霧カテーテルが使用される患者の身長に依存する。短い噴霧カテーテルは、幼児または子供などの小さい患者に好適であり、成人には長い噴霧カテーテルが必要である。例えば、成人に適した噴霧カテーテルは、長さが約45cmである。一つの実施例において、噴霧カテーテル20の約30cmは、気管内チューブ10内にある。噴霧カテーテルは、患者の口を通り、または気管内チューブを経て、または鼻道を通って呼吸器系へ導入される。噴霧カテーテルはエーロゾルを患者の鼻道へ供給するためにも使用され、従って、この場合、この長さは短い。
【0017】
以降にさらに詳細に説明するように、所望の幾何学的形状、粒子の大きさ、速度などを有する噴霧を発生させるには、遠位端のガスと液体のオリフィスの寸法は小さいことが必要である。また、後述のように、遠位端ガスオリフィス36と遠位端液体オリフィス35とは、所望の特性と効率のエーロゾルを生成するために、相互に極く接近していなければならない。さらに、所望の薬剤供給速度を有し、十分に利用可能な圧力源で動作するために、噴霧カテーテル内の液体とガスのルーメンは出来るだけ大きく、解剖学的要件に合致していなければならない。従って、噴霧カテーテル20は、多段構造であり、主軸断面において大きい軸と大きいルーメンと、遠位端軸断面において小さい軸と小さいルーメンとを有する。
【0018】
図2(B)に示されているように、噴霧カテーテル20は、主断面39を有する軸38と遠位端の断面40とから構成されている。噴霧カテーテルの主軸断面39において、液体とガスのルーメン33と34は、遠位端軸断面40より大きい。例えば、主軸断面39においては、液体とガスのルーメンは、それぞれ、約0.010〜0.030インチの内径を有し、主軸断面39が分岐管24と接続する近位端においては、ルーメンは一層大きい。遠位端軸断面40において、液体とガスのルーメンは、さらに小さい内径へ傾斜しており、液体ルーメンの内径は約0.002〜0.008インチまたはさらに小さく、ガスルーメンの内径は0.002〜0.020インチである。好適な実施例において、液体とガスのルーメン35と36とは、0.125インチ以上離れていず、さらに好適には0.030インチ以上離れていず、最も好適な実施例においては、0.001インチ以上は離れていない。全長45cmの噴霧カテーテルにおいて、主軸断面39は約25cmであり、遠位端軸断面40は約20cmである。また、液体とガスのルーメンは、図2(B)において並んで示されているが、それらも同軸またはほかの構造を有するように構成されている。さらに、主軸断面39は、一様な直径と外形であるように示されているが、あるいは、全体の軸38がその長さに沿って傾斜しているように、断面39は傾斜した直径と外形を有することも出来る。
【0019】
本発明の第一実施例において、図1と2(A)に示されているように、噴霧カテーテル20は取り外し可能であり、気管内チューブ40に対して交換可能である。これは、幾つかの重要な利点を有する。第一に、噴霧カテーテル20は患者へ投与される個々の薬剤の供給に適した、所望の操作特性を有するように特に意図され、選択される。さらに、噴霧カテーテル20が着脱可能、交換可能であることは、医師が選択出来る治療と投薬養生に関する多能性と弾力性とを提供することである。例えば、医師による気道に薬剤投与をすべきかの決定、また、投与する薬剤の処方や処方量は、患者の気道内に気管内チューブが配置されるまで、医師によって行なわれる必要がないのである。医師が患者に対し気道経由で然るべき種類の薬剤を投与することを決めてから、それに適した噴霧カテーテルを選択して、気管内チューブ内に挿入することができる。更にまた、この噴霧カテーテル20は使用後、取り外すことができるのである。したがって、噴霧カテーテルを患者の気道内または、気管内チューブ内に放置したまま場所ふさぎをさせる必要もない。その上、どのような種類の薬剤が適当か決めてから、もう一度考え直そうと思えば、気管内チューブを入れた後、いつでも見直し可能である。滅菌の都合などで違った種類の噴霧カテーテルを必要としても気管内チューブを取り替える必要はない。
【0020】
噴霧カテーテルを分離した着脱可能な器具として提供するほかの利点は、それが多様なほかの器具及びまたは装置に収容されることである。例えば、図1〜5の噴霧カテーテルは、気管内チューブに使用して示されている。しかし、噴霧カテーテルは、気管支鏡の操作管内などの、気管支鏡の内部に配置されることも出来る。噴霧カテーテルは、気道に配置され、その噴霧カテーテルの大きさを納めることが出来るすべての器具に配置される。
【0021】
噴霧カテーテルは、位置決めと配置とを容易による放射線不透性のマーク41を備えることが出来る。放射線不透性マーク41は、噴霧カテーテルに取り付けられる放射線不透性の金属製バンドまたは添加処理された放射線不透性樹脂の熱収縮バンドにより形成されているか、あるいは、マークが噴霧カテーテルの樹脂材を放射線不透性材で添加処理することにより形成することが出来る。あるいは、放射線不透性染料が、観測を容易にするために、噴霧カテーテルにより供給される液体へ添加される。マーク41は、認識を容易にするために段階的に配列されるか、あるいは、噴霧カテーテルの一部またはすべてに伸長している。さらにほかの実施例において、マークは超音波反射体、例えば、紡織材で形成されており、これは超音波画像により視認することが出来る。噴霧カテーテルは、軸の側面に沿って伸長している細帯43を有することも出来る(図5と6に示されている)。細帯43は、放射線不透性かまたは超音波で見ることが出来、軸の回転方位を調べるために使用されるこの細帯は一体押し出し法によるか、または、噴霧カテーテルの壁に線を埋め込むことにより、形成される。
【0022】
噴霧カテーテルの位置決めを容易するために使用される一つの方法は、噴霧カテーテルが前進しているときに、気管内チューブ遠位端の圧力を監視することである。気管内チューブ遠位端の圧力監視は、気管内チューブのルーメンの一つを通して行われる。噴霧カテーテルの近位端へ接続されたガス源は、噴霧カテーテルが前進しているとき、噴霧カテーテルの近位端からガスを噴出するように操作される。噴霧カテーテルの遠位端から噴出されるガスは、気管内チューブにより検出されている圧力に影響を与える。噴霧カテーテルの遠位端が気管内チューブの遠位端を通過すると、気管内チューブにより測定されている圧力は、突然に変化し、これにより、噴霧カテーテルの遠位端の気管内チューブに対する
位置の明確な表示を与える。
【0023】
噴霧カテーテルは、図2(A)に示されているように、気管内チューブの近位部の一部または継ぎ手を係合している近位部に沿って配置された安全ストッパー44も有する。安全ストッパー44は、噴霧カテーテル20の遠位端が気管内チューブ10の遠位端46に対し正確に位置決めされ、噴霧カテーテルの遠位端37が気管から余り遠くに延びるのを防止することを確実に行う。安全ストッパー44のほかに、気管内チューブ10の遠位端46に対する噴霧カテーテル20の遠位端37の位置の測定を可能にするために、噴霧カテーテル20の近位部は、噴霧カテーテルの近位端を操作する医師が視認出来る段階的に配列されたマーク48を有することも出来る。
【0024】
噴霧カテーテル20は、噴霧カテーテルの近位部に配置された臨界オリフィス49を有することも出来る。臨界オリフィス49は、分岐管24に近い噴霧カテーテル軸のガス加圧ルーメン34と直列に配置された小さい臨界開口により、形成されている。噴霧カテーテルが設計動作流量を越えた流量で供給される場合、臨界オリフィスが設計動作流量だけを遠位端ガスオリフィスへ通すように、臨界オリフィス49は大きさが設定されている。あるいは、安全弁を、噴霧カテーテル軸の近位部に配置することも出来る。安全弁は、圧力過剰で供給されたならば、開くように設計されている。
【0025】
さらに、噴霧カテーテルは、心出し具(センタリング装置)50を有する。心出し具50は噴霧カテーテル軸の遠位端に近く配置され、以降に詳細に説明するように、改良された性能のために噴霧カテーテルの遠位端を心出し、整合させるのを助ける。
【0026】
一つの実施例によれば、取り外し可能噴霧カテーテル20は、格納被覆(シース)51内に囲まれている。格納被覆51は、吸引カテーテルと連結して使用される格納被覆に似ている。格納被覆は、噴霧カテーテルの挿入部分を収容するために、可撓性、挫屈性、または伸長性であることが好適である。格納被覆51は継ぎ手14に接続されているのがよい。格納被覆51は、噴霧カテーテルが気管内チューブ10から引き出される時に、噴霧カテーテル20を受容するために使用される。格納被覆51は、密閉され、噴霧カテーテルが患者の呼吸器系から一時的に引き出された時、引き出された噴霧カテーテルを隔離された状態に維持することが出来る。また、格納被覆51は、医師が噴霧カテーテルを再び患者へ挿入することを可能にする。このようにして、噴霧カテーテルは、患者に対し限定された方法で再使用され、患者から引き出されている間、無菌の状態に維持される。噴霧カテーテルが気管内チューブの送風ルーメン内に進められるか、あるいは、格納被覆51へ引き出されるように、格納被覆51は、噴霧カテーテルの軸に沿って滑動する遠位端スリーブ53を有する。遠位端スリーブ53は、噴霧カテーテルが格納被覆へ引き出された時、噴霧カテーテルを清浄し、及びまたは洗浄するように設計されて、そこに配置された密閉挿入シール55を有する。あるいは、清浄化シール55が分岐管継ぎ手14の接続口16に配置されている。
【0027】
幾つかの手順と関連して使用されるほかの特徴は、放射線遮蔽である。噴霧カテーテルが使用される幾つかの手順には、放射性薬品、例えば、肺へのトレーサーの供給がある。放射性物質への暴露を最小にするために、噴霧カテーテルは、噴霧カテーテルの全長の全部またはかなりの部分の遮蔽が施されている。遮蔽は液体源のタンクにも設けられている。
【0028】
噴霧カテーテルは、非常に多様な薬品との使用に適しているように、噴霧カテーテルは、生体適合性、耐薬品性のポリマーで好適に構成されている。噴霧カテーテル軸は、内部ルーメンの汚染または閉鎖を見えるようにするために、好適に透明である。また、液体ルーメンを形成している噴霧カテーテル軸の部分は、比較的に変形しないポリエチレンまたはナイロンなどのポリマーで好適に構成されている。ポリマーの管材料は、分離されたガスと液体ルーメンに使用するために、複数のルーメンに押し出される。先細の遠位端部40のある噴霧カテーテルを製作するために、多重ルーメンに押し出された管材は、部分的に引き落しされ、先細の遠位端部分40を形成する。引き落し比は、噴霧カテーテルに所望の寸法を与えるために選択される。引き落し工程は、ルーメンを遠位端で大きさを小さく、一つに近づけ、多重ルーメン管材の近位断面形状を維持するように、行われる。より大きい近位部の外形は、噴霧カテーテル軸に大きい押し出し性を与え、分岐管の接続を容易にすることにより製造を容易にする。押し出されたポリマー材に使用される引落比は、2対1、5対1の程度か、または、さらに高く20対1またはより高くてもよい。引落しの前に、押し出されたポリマー管材を、高いエネルギー放射にさらして、ポリマー分子をブリッジ結合させ、オリフィス寸法と許容誤差を維持する能力などの好ましい材料特性を付与すのが好ましい。放射は、約10〜700kgy のエネルギーを有する。ブリッジ結合段階の後、管材は、その溶解とガラス状態との間の転移点へ加熱され、所望の比まで引き落とされる。
【0029】
押し出された管材の引き落しに代わるものとして、多段噴霧カテーテル軸が、バブル押し出し法により形成され、軸が押し出されている時に、所望の先細の遠位端部分が軸に直接に形成されてもよい。また、この方法は製造効率と便利性のために使用することが出来る。ほかの代替方法として、多段軸が、バブル押し出しと引き落としとの組み合わせにより形成される。噴霧カテーテル軸について所望の先細外形を形成する、さらにほかの代替は、首の直径を鋭く小さくするために、冷間引き落としされる材料、例えば、線状低密度ポリエチレンを使用することである。管材形成のこの方法は、気道への薬剤供給に使用される噴霧カテーテル軸を製作するのに特に適しているが、この方法は非医療のためにもエーロゾルノズルを製作するために使用されることを理解されなければならない。
【0030】
あるいは、特に、先端部などの精密許容差が望まれる位置において、噴霧カテーテル軸の全長またはその一部を成形することが出来る。
【0031】
軸は所望の段階で形成された後、切断され、噴霧カテーテルのほかの構成要素と共に組み立てられる。噴霧カテーテルがポリマーで好適に構成されているが、代替え実施例において、噴霧カテーテルは、金属、特に、オリフィスの引抜き、形作り、または成形を容易にする可鍛性金属などのほかの材料で形成される。製造工程の間に、噴霧カテーテルは、ガンマー線または電子ビームなどの従来の方法により事前無菌化処理される。噴霧カテーテルは、一人の患者に使用された後、好適に破棄されるが、上述のように、汚染が被覆51の使用などにより防止されるときには、一人の患者に限定した上で再使用される。噴霧カテーテル軸は、近位端の回転を、1:1の比で遠位端へ伝達するため捩じれ剛性を有するのが望ましい。噴霧カテーテル軸に、耐腐食性皮膜を施すのもよい。
【0032】
薬剤供給速度は、速い供給速度の大きな粒子と共に、粒子の大きさと密接に関係している。ここに述べた実施例の噴霧カテーテルは、2〜2.5のGSDの粒子分布を発生する能力を有する。毎分約5〜1000mg(0.005〜1.0ml)の範囲の薬剤供給速度が得られる。カテーテルのタイプとエーロゾル量出力との選択次第で、多様な粒子の大きさの分布を大抵の流速において発生させられる。このタイプのエーロゾルは、0.1リッター/分という低いガス流速を使用して、噴霧カテーテルにより発生させる。
【0033】
発生した粒子の大きさに影響を与える多くの要因がある。これらの要因には、(1)ガスオリフィスの直径、(2)液体オリフィスの直径、(3)液体供給管の外径と形状、(4)ガスと液体オリフィスとの間の距離、(5)ガス供給速度、(6)液体の圧力がある。当然、液体に懸濁固体粒子が存在するならば、その大きさは、発生したエーロゾル粒子の大きさを決定する要因である。そのほかに、液体の特性など、例えば、粘性、懸濁、表面張力および駆動ガスの組成など、エーロゾル粒子の大きさに影響を与えるほかの要因があるが、これらの要因は、発生したエーロゾルの粒子の大きさに僅かに影響するだけである。これらの変数を選択的に変えることにより、エーロゾル粒子の大きさと大きさの分布は、1ミクロン以下から、少なくとも10ミクロンまで変化することが出来る。
【0034】
ここに述べた本発明の実施例は、ほかの噴霧装置に比較すれば、かなり大粒な粒子のサイズに分布したエーロゾルの噴霧供給に適している。さらに、エーロゾルを気管のある位置に、または、気管支内に深く発生することにより、気道における密着損失は避けられる。密着損失を低減することにより、より大きい粒子の大きさ(例えば、5ミクロンより大きい)を使用することが考えられる。小さい密着損失と大きい粒子の大きさとの組み合わせにより、従来の装置よりも効果のある供給速度が可能である。密着損失を低減することにより、噴霧カテーテルの実施例では、5ミクロンより大きいエーロゾル粒子の大きさで、許容出来る供給速度が実現する。
【0035】
図3〜図5を参照すると、本発明のほかの実施例が示されている。図3〜図5の実施例により、気管内チューブ52と噴霧カテーテルが提供されている。この噴霧カテーテルは、図1〜図3に示された噴霧カテーテルに似ている。図3〜5の実施例においては、気管内チューブ52は、その主送風ルーメン60のほかに副ルーメン56を有する。幾つかの気管内チューブは、軸壁を貫通した副ルーメンを備えている。副気管内チューブ56は、分離した噴霧カテーテル20を受容するように、大きさが設定され、構成されることが望ましい。この実施例は、図1〜3の実施例と同じ多くの利点を備えている。その上、この実施例においては、副ルーメン56には、噴霧のために噴霧カテーテル20遠位端37を所望の位置への位置決めと整列とを容易にする遠位端の隙間がある。
【0036】
図1〜5に示された本発明の実施例において、噴霧カテーテル20が示されており、これには、図1と図2(A)の従来タイプか、図3〜5の気管内チューブ52などの噴霧カテーテルに使用されるように特に設計されたタイプのいずれかの気管内チューブと接続して使用されている。本発明による実施例の噴霧カテーテル20は、分離した気管内チューブ無しで使用することも出来る。即ち、この噴霧カテーテルは、図6に示されているように、気管内チューブされていない患者に使用される。自発的に呼吸する患者に使用するならば(気管内チューブ無しで)、患者は適切に麻酔が行われるか、及びまたは、患者の気道は、局部的に麻酔が行われる。噴霧カテーテル20は、気管竜骨(carina)68を過ぎて肺の気管支群72の一つへ指向するように患者の呼吸器系に位置決めされる。あるいは、噴霧カテーテル20は、所望に応じて、気管の気管竜骨に近く配置される。噴霧カテーテルの実施例は、また、気管切開術を受けたか、または、気管切開管を有する患者に使用することも出来る。
【0037】
図6の実施例において、誘導被覆73が使用されている。誘導被覆73は、噴霧カテーテル20を患者の呼吸器系に位置決めするのを助けるために使用される。誘導被覆73には、噴霧カテーテル20が所望の気管支の部位へ前進する時に通るルーメンがある。噴霧カテーテルの位置決めを容易にするために、誘導被覆73は、被覆を所望の気道に配置するのを容易にする、予め形作られた遠位端を有している。あるいは、誘導被覆73は、挿入の直前に医師により所望の形に形成された遠位端を有する。誘導被覆73は、被覆73が気管竜骨68を通って患者の気管支内の深く、小さい気道に前進することが出来るように、被覆73が小さい外径を有する点で、図1〜図5の気管内チューブ10と異なる。被覆73の内径は、噴霧カテーテルを前進させるのに十分大きい。誘導被覆73は、噴霧カテーテル20が患者の肺に深く配置されている時、または、噴霧カテーテルが気管内チューブ無しで使用される時、特に有用である。誘導被覆73は、また、その送風ルーメンを通る気管内チューブとともに使用される。誘導被覆73は、誘導被覆の遠位端が近位端における回転に応答するように、捩じり剛性の材料で構成されている。
【0038】
図7と図8を参照すると、噴霧カテーテルのほかの実施例が示されている。図7の実施例において、噴霧カテーテル76は、噴霧カテーテル軸本体84の遠位端外面に配置された閉塞気球(バルーン)80を有する。噴霧カテーテル76は、図8に示されているよう、そこを通って配置された別のルーメン88を有しており、ルーメン88は閉塞気球80を拡張する膨張流体、すなわち好適にはガスを送るために、気球80の内部と連通している。膨張流体用のこのルーメン88は、液体薬剤と圧縮ガスとをそれぞれ送るために使用される、噴霧カテーテル軸84内のルーメン92と96の他にある。閉塞気球80は、噴霧カテーテルを適切な呼吸器分枝に位置決め、噴霧カテーテルの先端を心出しし、必要により、特定の気管支を隔離するために使用される。図7に示された噴霧カテーテル76の実施例は、図1〜図3に示された実施例と同様に気管内チューブと共に使用され、あるいは、図6の実施例と同様に、分離された気管内チューブ無しで使用される。分離された気管内チューブ無しで使用される場合、図7の噴霧カテーテル76は、噴霧化を行わなくても、肺の気管支の一つに選択的に送風するために使用される。あるいは、噴霧カテーテル76は、連続送風で噴霧化を間欠的に行う。噴霧カテーテルが送風と噴霧化薬剤とを送るために使用されるならば、送風状態は、エーロゾル搬送を最大にするように設定することが出来る。
【0039】
さらに、位置決めと配置を一層容易にするために、噴霧カテーテル76は、誘導ワイヤー104と共に使用されるのがよい。噴霧カテーテル76は誘導ワイヤー104を受容する別の誘導ワイヤールーメン108を備えているか、あるいは、誘導ワイヤーは加圧ガスまたは液体のいずれかのために使用される現存のルーメンの一つを使用するか、あるいは、誘導ワイヤーは、取り外し出来ないように、噴霧カテーテルへ組み入れられて、固定される。誘導ワイヤーが噴霧カテーテルへ固定される取り外し可能なタイプであってもなくても、誘導ワイヤーは操縦可能である。すなわち、誘導ワイヤーを近位端から誘導し、肺の適切な位置に近づけることが出来る。操縦器は、近位端から、引っ張りワイヤーなどの選択的引っ張りに使用してもよい。誘導ワイヤーが分離された取り外し可能なタイプであれば、エーロゾル供給を干渉しないように、噴霧カテーテルの遠位先端を位置決めするために使用した後、誘導ワイヤーは引き出される。さらに、誘導ワイヤーまたは噴霧カテーテルの遠位先端は、所望の気道へのアクセスを容易にするために、予め形造られたものか、医師により形造られる。
【0040】
図9を参照すると、図7の噴霧カテーテルの他の実施例が示されている。図9の実施例は、分離された誘導ワイヤー104が、噴霧カテーテル76の遠位端に近く配置された環106に受け止められていることを除いて、図7の実施例と同様である。環106の中心に近く、誘導ワイヤー104が、噴霧カテーテル76の軸84へ隣接して配置されている。環106の代わりに、誘導ワイヤーを、噴霧カテーテルの遠位端に配置された短いルーメンに受け入れてもよい。
【0041】
II.エーロゾル噴霧の発生
エーロゾル噴霧の形状は、薬剤の供給の速度と効率に影響する重要な要因であることが明らかにされた。一般に、噴霧カテーテルの遠位端の位置とその回りの空気流の状態とが与えられている場合、噴霧カテーテルの遠位端近くにおける密着を最小にする形状を有するエーロゾルを発生させることが望ましい。例えば、エーロゾル噴霧が広い場合、薬剤の一部は、気管内チューブの端部、または、気管かほかの気道の壁に密着して浪費される。他方、噴霧の幅があまり狭いか、または、その速度が速い場合、薬剤の一部は、患者の気管竜骨に過度に密着する。一般に、遅いエーロゾル粒子速度が望ましい。この理由の一つは、速い速度のエーロゾル粒子の供給によって気管竜骨に密着することを防止することである。その上、可能な限り広いエーロゾル噴霧を有し、気管内チューブまたは気道のいずれかの壁と著しく突き当たるのを防止することが望ましい。エーロゾル噴霧の速度と幾何学的形状との影響は、解剖学的要因と関係がある。ある状況において、例えば、気管竜骨から離れている場合、狭く速いエーロゾル噴霧は、遅く広い噴霧より好ましい。
【0042】
以降に説明する実施例に関し、実施例のあるものは、多能的である観点から、すなわち、それらの実施例が異なる粘性、懸濁性、表面張力などを有する多様な薬剤を供給することが出来る観点から好ましい。そのほかの実施例は、固有のタイプの薬剤の供給、または、いくつかの大きさの粒子の供給にさらに適している。
【0043】
図10を参照すると、噴霧カテーテル112の遠位端の構造が示されている。噴霧カテーテル112は、独立形の噴霧カテーテルで、図6と図10に示された噴霧カテーテルと似ているか、あるいは、図1〜図5に示されているように取り外し可能に、または、取り外し不能に気管内チューブに組み込まれている。図10の実施例において、噴霧カテーテル112は同軸構造である。具体的には、噴霧カテーテル112は、ルーメン120を形成している外側中空部材116と、ルーメン128を形成している内側中空部材124とを有する。内側中空部材124は、外側中空部材116のルーメン120内に配置されている。図6に示された実施例では、加圧ガスは、外側と内側の中空部材の間に形成された環状領域に送られる。液体の薬剤は、内側中空部材124のルーメン128に送られる。図10の実施例に示されているように、外側中空部材116の遠位端は、内側中空部材124の遠位端にほぼ隣接している。図10の実施例において、外側中空部材116は、約0.008インチの外径と、約0.006インチの内径とを有する。内側中空部材124は、約0.003インチの外径と、約0.0015インチの内径とを有する。外側中空部材116と内側中空部材124とは、いずれも、遠位端部分の基部において、寸法が大きい。遠位端の主軸基部に沿って、外側中空部材116は、約0.115インチの外径と、約0.080インチの内径とを有し、内側中空部材124は、約0.060インチの外径と、約0.050インチの内径とを有する。
【0044】
図11の実施例は、噴霧カテーテル132の先端を示している。この実施例は、図10の実施例と同様である。この先端133は、複数のオリフィスで終端している複数のルーメンで形成されている。内側のルーメン134は液体の薬剤を送るために使用され、周囲のルーメン135は液体を噴霧するために使用される加圧ガスを送る。この実施例は、液体のルーメン134のオリフィスが、その回りのガスのルーメン135のオリフィスに対し一定の間隔で中心にあるという利点を有する。図11の実施例において、多重ルーメン構造は、噴霧カテーテル132を通って噴霧カテーテルの近位端まで延びているかあるいは、遠位端部分だけが多重ガスルーメン構造であり、この場合、加圧ガスは、多重遠位端ルーメンへ接続している単一の近位端ルーメンを通って送られる。
【0045】
図12と図13は、図11の多重ルーメン噴霧カテーテルのほかの実施例136を示す。図12と図13の実施例は、エーロゾル薬剤をパルス供給で送ることが望ましい時に、有用である。パルス供給は、患者が息を吐く時にエーロゾルが浪費されないように、患者の吸入に時間が定められている。パルス供給の内在する欠点は、液体へ加えられている圧力が低下して、パルス化に影響を与えるようになった時、エーロゾルが噴霧カテーテルの遠位端から垂れることである。この内在する問題を避けるために、それへ加えられる圧力が低下すると、噴霧カテーテル136は液体ルーメンを閉鎖する。前述の実施例におけるように、図13と図14の噴霧カテーテル136は、液体薬剤を供給し、中心に位置するルーメン137と、液体を遠位端オリフィス139において噴霧する加圧ガスを送る中心ルーメン137を囲んでいる複数のルーメン138とを有する。この実施例において、噴霧カテーテル136は、外壁領域140の低追従性材料と、中心に位置した液体ルーメン137を囲む領域141の比較的に高い追従性材料とで成形されている。これらの異なる追従特性は、単一の管を異なる材料で同時押し出し加工することにより噴霧カテーテル軸に形成される。図12と図13の実施例を使用する場合、一定の比較的に高い圧力がルーメン138内のガスに加えられる。液体薬剤はルーメン137を通って送られ、圧力パルスが、ポンプなどの外部の供給源から液体へ加えられる。液体ルーメン137内の圧力が低い場合、ガスルーメン138内の高圧が追従性の内側材料141を変形し、これにより、図12に示されているように、液体ルーメン137を圧縮し、それを閉鎖する。圧力パルスがルーメン137内の液体に加えられると、図13に示されているように、ガスルーメン138からの圧縮力を克服して、ルーメン137は開き、遠位端オリフィス139へ送られる液体薬剤は噴霧される。このようにして、図12と図13の実施例は、垂れ流しの可能性を低減して、パルスの液体噴霧を行う。
【0046】
図11と図12に示されたほかの特徴は、液体オリフィス139に配置された多孔質の栓142である。この実施例において、この多孔質の栓は、フェルト状の材料で製作されており、微細なエーロゾル粒子の生成を助ける。
【0047】
図14の実施例は、噴霧カテーテルのほかの実施例の遠位端を示す。この実施例において、噴霧カテーテル148は、主軸部152と遠位端軸部156とを有する。遠位端軸部156は遠位端160へ先細になっている。遠位端160において、液体オリフィス164は、複数のガスオリフィス168により囲まれている。好適な実施例において、液体オリフィス164は直径が約0.002インチで、ガスオリフィス168は、それぞれ直径が約0.002インチである。この実施例は、遠位端部156が、遠位端の大きさの縮小と噴霧の特性の対応する修正とが行われていることを除いて、図11の実施例と同様である。それはオリフィスの大きさが小さいので、この縮小は好ましい。
【0048】
図15の実施例は、噴霧カテーテル172の遠位端部分を示す。この実施例において、噴霧カテーテルは、近位端軸部176と遠位端軸部180とを有する。近位端軸部176は複数のルーメン184を有する。複数のルーメン184のうちの中心のルーメン188は、液体薬剤を送るために使用され、それを取り囲む残りのルーメンは、ガスを送るために使用される。遠位端軸部180は近位端軸部176の遠位端へ接続しており、近位端軸部176の遠位端と遠位端オリフィス196との間に先細の空洞を形成している。複数のルーメン184のうちの少なくとも一つは、放出される加圧されたガスを空洞(キャビティ)192へ送るために使用される。中空状の伸長部200は空洞192を貫いて伸長し、オリフィス196において終わっている。オリフィス196は、中空状の伸長部200の回りに環状領域を形成するような大きさであり、これにより、加圧されたガスが流れ出て、中空状の伸長部200の遠位端オリフィス204を出る液体薬剤を噴霧する。好適な実施例において、遠位端軸部180はステンレススチールで製作されており、オリフィスは0.025インチの外径を有する。中空状の伸長部200は、外径が0.012インチで、内径が0.007インチである。この実施例は、比較的に小さい遠位端の形状を比較的に大きい近位端流路と組み合わせている利点を有する。
【0049】
図16は、噴霧カテーテルの遠位端に関するさらにほかの実施例を示す。図16において、噴霧カテーテル208は、図10の実施例に似た同軸構造である(それは、ほかの同軸実施例、例えば、図11,図14,または図15に似た構造でもあるが)。図16において、細い線またはフィラメント212が、内側中空部材220の遠位端に配置された液体オリフィス216の遠位端に配置されている。先細の線212が、内側中空部材220の遠位端から先へ短い距離を延びている。内側中空部材220を通って送られている液体が、表面張力により線へ付着して、線212に沿って遠位端オリフィス216から先へ流れ続けるように、先細の線212は、液体オリフィス216に対し配置されている。当然のことであるが、液体が線212の遠位端224に到達すると、内側中空部材220と外側中空部材232との間に形成された環状の領域からのガスの流れに乗せられて、噴霧される。上述のように、噴霧の粒子の大きさと幾何学的形状に影響する要因の一つは、遠位端液体オリフィスの大きさである。一般に、小さい液体オリフィスは、狭い円錐状のエーロゾル噴霧を形成する。図16の実施例において、細い線212が非常に小さいオリフィスと同じように機能するように、線212はほんの少量の液体を線に沿って運ぶ。このように、図6の実施例は、微細な粒子のエーロゾルを発生する潜在能力を有する。図16の実施例において、外側の中空部材は、内径が約0.02インチである。内側の中空部材は、内径が約0.006インチである。細い線は、外径が約0.002インチである。線またはフィラメントは、金属線、または、スペクトラ・ファイバーのようなポリオレフィン・ファイバーなどのポリマーの線材で製作されている。あるいは、フィラメント212は、ナイロンまたはポレックスなどの多孔質またはフェルト状の材料で製作されており、この場合、その線は、固体の材料で製作されているよりも、直径が大きい。
【0050】
図17は、図16の実施例に代わる実施例を示している。図17において、内側の中空部材244のルーメンの遠位端に配置された先細の線またはフィラメント240を有する噴霧カテーテル236の遠位端がある。この実施例の先細の線240は、線が空気の流れにある時、つる巻き状にむち打たれるように設計された、曲がった形状でなしている。図1717の実施例において、加圧されたガスが環状領域248を流れ通る時、先細の線240は、むち打たれてつる巻き運動を行う。線240の長さは、線がつる巻きむち打ち運動で動く時、線が気管またはほかの気道に当たらないように、選定される。一つの実施例において、線240は、長さが約1〜2mmである。先細の線240は、飛沫同伴のために液体をその遠位端に乗せ、噴霧が円錐状に形成される。噴霧の幅は、線240の長さを変えることにより変化する。つる巻き運動の速さは、線の剛性とエア・フオイルの形状を適切に選択することにより、制御される。一般に、図17の実施例により発生したつる巻き状の噴霧は、図16の実施例よりも幅が大きく、前方への速度は遅い。これらの特性は、いずれも、噴霧カテーテルにおいて好ましい。
【0051】
図18と図19は、噴霧カテーテルのほかの実施例を示す。この実施例において、噴霧カテーテル252は、外側中空部材256と内側中空部材260とで形成された同軸構造である。遠位端の栓264は、ガスルーメンを形成している環状領域268の遠位端へ嵌め込まれている。複数の細孔272が栓264を貫通して伸び、遠位端のオリフィスを形成している。引っ込み可能な線またはピン280が、内側中空部材260により形成されたルーメン276に配置されている。線280は、好適に、剛性のある材料の固体線である。例えば、線は、ステンレス・スチールなどの金属、ポリマー、または、放射線不透性の材料で製作されている。内側中空部材260の遠位端284は先が細く、栓264の遠位端へ伸長するか、あるいは、内側中空部材260の遠位端へ、またはその基部へのみに伸長する。内側中空部材260の遠位端は、遠位端の液体オリフィス285において終端している。線280の遠位端286も、先細である。線280の先細の遠位端286が、内側中空部材260の先細の遠位端部284に突き当たって位置し、これにより、ニードルバルブと同様に液体ルーメン276の遠位端に位置するように、線280は、内側中空部材260に対して寸法決めされている。線280は引込みが可能であり、好適な実施例においては、前後に往復して、噴霧カテーテルの遠位端からの液体の供給をパルス化するように操作される。エーロゾル供給のパルスは、すべての適切な時間々隔に調節される。一つの好適な動作状態において、エーロゾルは、患者の吸入の間だけ供給される。噴霧カテーテル252が、気管内チューブと送風器と共に使用されているならば、エーロゾル供給のパルスは、送風器との適切な接続により患者の吸入と一致するように、時間が設定される。薬剤供給を患者が吸入している時間にのみに限定することにより、薬剤は一層効率よく、供給され浪費が少なくなる。
【0052】
図18と図19の実施例によりパルス化エーロゾル噴霧を発生する一つの好適な方法は、マニフォールド287による方法である。線280の近位端は、マニフォールド287の伸長可能な部分288へ固定されている。線280は弾性シール289により固定されている。加圧されたガスは、外側中空部材256と通じている分岐管の接続口290へ供給され、噴霧される液体薬剤は、内側中空部材260と通じているもう一つの接続口291へ供給される。液体薬剤は、伸長可能な部分288の接続口291の基部にある容体(空間)292も満たす。線の遠位端が、内側中空部材260及びまたは伸長可能な部分288との弾性により、内側中空部材の遠位端に突き当たって偏位されるように、線280はマニフォールドへ接続されている。供給源からの液体薬剤をパルス状に加圧することにより、伸長可能な部分288は、矢印で示されているように、前後に往復する。線280の近位端は、接続口291の基部にある伸長可能な部分288へ固定されているので、圧力パルスを液体薬剤へ加えると、線280の近位端もまた、前後に往復する。これにより、線280の遠位端は据え付け部284内で前後に往復する。圧力パルスの液体薬剤への印加は、患者の吸入と一致するように、時限を設定することが出来る。あるいは、伸長可能または圧縮可能な部分を分岐管に形成する代わりに、液体薬剤の加圧により、軸全体が伸びる時に線が引っ込むように、内側中空部材260の軸が引伸可能な材料で形成するこが出来る。線280の往復動作を行うほかの方法は、線を駆動する電気機械、機械、油圧、または空気圧の駆動器を使用することである。エーロゾルのパルス供給を行うこととは別に、噴霧カテーテルのこの実施例は、さらに、線の往復動作が、オリフィスを特にある粘性の溶液または懸濁液によって閉塞しないように役に立つという利点を有する。
【0053】
図16と図17の実施例208と236に同様に、図18と図19の実施例252において、引込み可能な線292の遠位端が、粒子の大きさを最小にするために遠位端の液体オリフィス288の先へ伸長するか、あるいは、オリフィス292の先へ伸長しない。一つの実施例において、引っ込み可能な線の遠位端は、液体オリフィス288の先へ0.2mmだけ伸長する。
【0054】
図20は噴霧カテーテルのほかの実施例を示す。この実施例において、噴霧カテーテル296は、液体ルーメン308に隣接したガスルーメン304のある主軸部300を有する。ガスと液体のルーメン304と308は、遠位端の空洞(キャビディ)312へ流れ込む。遠位端の空洞312は、主軸部300の遠位端320を通り過ぎて、伸長している外側中空伸長部分316により形成されている。フィルター324が、液体内のすべての粒子を濾過するために、液体ルーメン308内に配置されている。液体ルーメン308は、フィルター324の位置の直ぐ遠位端において、直径が小さくなっている。挿入栓328が、外側中空伸長部分316の遠位端に配置されている。挿入栓328(例えば、サァイア宝石である)は、空洞312からの供給オリフィスを形成している細孔332を有する。挿入栓328は、空洞312に対面している、円錐状の形状を成している。内側中空伸長部336は、液体ルーメン308の段落部へ装着され、液体ルーメン308を空洞312へ伸長している。内側中空伸長部336の遠位端340は、空洞312で終端している。ガスルーメン304は、空洞312へ供給するので、液体の噴霧は、空洞内部の内側中空伸長部336の遠位端において行われる。空洞312のこの領域は、細孔の相対的大きさと位置とにより、正の圧力領域である。この領域の正の圧力は、液体薬剤が内側中空伸長部336のオリフィスを出ると、液体薬剤の垂れ流れを低減する効果を有する。エーロゾルは、細孔332を通って噴霧カテーテル296から供給され、エーロゾル噴霧が、空洞312内の正圧と細孔の大きさとにより、部分的に形成される。この実施例において、主軸部と中空伸長部とは、ポリエチレンなどの適切な樹脂で製作されている。フィルターは、直径が50μmの多層管または類似した単層フィルター材で製作されている。ガスと液体のルーメンは、それぞれ、内径が0.010〜0.015インチである。内側中空伸長部336は、内径0.004インチ、外径0.010のポリイミド樹脂の管材で製作されている。外側中空伸長部分316は、ポリエチレンなどの熱収縮管材で製作されている。栓328は、外径が0.087インチで、栓328内の細孔332は、直径が0.007インチである。
【0055】
図21は噴霧カテーテルのほかの実施例を示す。この実施例は、図20に示された実施例に似ており、従って、構成要素は同じように付番されている。図21の実施例は、内側中空伸長部312の遠位端が挿入栓328の細孔332に置かれている点で、図20の実施例と異なる。図21の実施例において、内側中空伸長部336の遠位端におけるオリフィス332は、図20の実施例と比較して、低圧、高速の領域にある。これは、噴霧の大きさ、形状、および可能な粒子の大きさに対応する影響を有する。
【0056】
図22は、噴霧カテーテルのさらにほかの実施例を示す。この実施例において、噴霧カテーテル340は、ガスルーメン348と液体ルーメン352とを有する主軸部344を有する。ガスルーメン348は、ガスオリフィス356の遠位端で終端している。液体中空伸長部360が、液体ルーメン352の遠位端に配置されている。遠位端の液体オリフィス364が遠位端のガスオリフィス356からのガスの流れと一直線上に並ぶように、液体中空伸長部360はある角度で配置されている。この実施例において、液体ルーメン348は、内径が0.010〜0.020インチの範囲である。ガスルーメン348は、内径が約0.010〜0.020インチである。液体中空伸長部360は、外径0.018インチと内径0.012インチのステンレススチール管で形成されている。遠位端のガスオリフィス356は、内径が0.010インチである。遠位端の液体オリフィス364が、遠位端のガスオリフィス356と直角であり、一直線上に並ぶように、ステンレススチールの伸長管360は、直角を形成している。遠位端のガスオリフィス356と遠位端の液体オリフィス364とは、可能な限り近くに位置決めされるように配置されており、一つの実施例では、これらのオリフィスは、約0.010インチ離れている。
【0057】
図23は、図22に示された噴霧カテーテルの実施例に代わる実施例である。この実施例において、噴霧カテーテル340は、別のルーメン365を有する。この別のルーメン365は、内径が約0.020インチである。この別のルーメン365は、噴霧カテーテル340の遠位端の照明と視覚化用のオプティカル・ファイバー内視鏡366に使用される。オプティカル・ファイバー内視鏡366は、噴霧カテーテル340内に半永久的に装着されるか、または、好適に取り外し可能である。噴霧カテーテル340の遠位端領域が、オブティカル・ファイバー366の近位端に接続された光学的視認器により観測されるように、ルーメン365の遠位端367は開いているか、または、透明なレンズで覆われている。これにより、医師は噴霧カテーテルの遠位端の配置を観測し、また、噴霧が発生すると、噴霧を観測することが出来る。放出された加圧ガスは、視認ルーメン365の遠位端をきれいに維持するのに役立つように、ガスオリフィス356は配置されている。オプティカル・ファイバー視認路は、ここに開示の噴霧カテーテルの実施例の全てに組み込まれてもよい。別のルーメン365が取り外し可能な内視鏡により占有される場合、そのルーメンを、圧力感知、ガス抽出、過圧除去などのほかの目的に、または、ほかの診断または治療の目的に使用することができる。あるいは、ほかのルーメンをこれらの目的のために設けてもよい。
【0058】
図23の実施例は、相対するオリフィスも示している。図22の実施例に見られるように、中空伸長部360は、噴霧カテーテル軸の端部の遠位端へ伸長しており、噴霧カテーテル軸の方向に対しある角度に、例えば、90度に指向されている。中空伸長部360は、ルーメン352へ送られている液体が供給される遠位端液体オリフィス364に通じている。この実施例において、第二中空伸長部363は、ガスルーメン348と連通しており、遠位端ガスオリフィス367に通じている。液体オリフィス367から供給されている液体を噴霧するために、遠位端液体オリフィス364へ向かって指向されるように、第二中空伸長部363は、また、噴霧カテーテル軸に対し、例えば、90度だけ指向されている。
【0059】
図24は噴霧カテーテルのさらにほかの実施例を示している。この実施例において、噴霧カテーテル368は、ガスルーメン376と液体ルーメン380とのある主軸部372を有している。中空伸長部384と388は、ガスと液体のルーメン376と388とを、主軸部372から噴霧カテーテル368の遠位端へ伸長している。軸の遠位端部は、中空伸長部384と388とを囲み、それらを相互に傾斜させている、先細の領域392を形成している。液体ルーメン380の中空伸長部388は、遠位端の液体オリフィス396が遠位端のガスオリフィス400からのガスの流れと一直線上にあるように、ガスルーメン376の中空伸長部384の遠位端の先へ僅かに伸長している。この実施例において、遠位端液体オリフィスは、外径が150ミクロンで、内径が20ミクロンである。ガスオリフィス400は、内径が約0.018インチである。
【0060】
図25と図26は、図24に示された噴霧カテーテル368の実施例に代わる実施例を示している。図25と図26において、ガスルーメン376と液体ルーメン380との中空伸長部384と388には、密閉可能な遠位端が形成されている。具体的には、ガス中空伸長部384は、密閉可能な遠位端408を有し、液体中空伸長部388は、密閉可能な遠位端412を有する。あるいは、液体ルーメン380だけが、密閉された遠位端412を有し、ガスルーメン376が開いた遠位端オリフィスを有する。密閉可能な遠位端は、閉じた隙間を形成するように、中空伸長部が樹脂の壁を再成形するように製作される材料を加熱することにより形成されてもよい。これは図26に示されている。加圧されたガスと液体がルーメン376と380へ送られると、図25に示されているように、遠位端408と412とを形成している隙間は広がり、これにより、ガスと液体は、エーロゾルとなって供給する。しかし、ルーメン376と380内の圧力がしきい値より低下すると、図26に示されているように、遠位端408と412は閉じ、これにより、ルーメンを密閉する。噴霧カテーテルの実施例404は、ガス及びまたは液体の供給のパルス化により使用される。患者の吸入と一致するようにエーロゾルの発生をパルスするために、ガス及びまたは液体への圧力もパルス化できる。ルーメンのいずれかの圧力がしきい値より低下すると、遠位端408または412は閉じる。エーロゾルが発生されていない間、遠位端412における液体の流れを閉じることにより、噴霧カテーテルの遠位端からの垂れ流れを減少することが可能である。
【0061】
III.向流による噴霧化
上述のように、噴霧化粒子サイズのコントロールと噴霧形状とは、治療の効果に影響する重要な考慮すべき要件である。多くの適用において、可能な限り小さい前進速度と組み合わせて可能な限り小さな粒子サイズを有することが望ましい。以下で説明される態様の幾つかは、向流配置の使用を通じてこれらの目的を達成する。
【0062】
図27は、前述の態様におけるように気管内チューブの内部に設けることが出来る噴霧カテーテルを示す。噴霧カテーテル416は内部チューブ418を包囲する外部チューブ417を有する同軸管状配置を有するので、その内部チューブ418の遠位の液体オリフィス419から送られた液体は、外部チューブ417の遠位のオリフィス420における内部と外部のチューブ間の環状領域から遠位方向に送られた加圧ガス流により噴霧化される。更に、他のルーメン428が噴霧カテーテル416の軸を通じて伸張する。この追加的ルーメン428は遠位の管状延長部432に接続されている。その管状延長部432は噴霧カテーテル416の遠位のエンド部の遠位方向に伸張する。遠位管状延長部432の遠位端部436はそれ自身曲っているので、遠位管状延長部432の遠位オリフィス440は内部と外部のチューブのオリフィス419と420に向って、近位方向に配向されている。その追加的ルーメン428はまた、オリフィス419と420を出るガスと液体とにより生成されたエーロゾル噴霧の方向に対して、オリフィス440によって近位方向に方向付けられる加圧ガスを運ぶ。追加的ルーメン428からのガスはこれらのオリフィスからのガスに向流を与え、それによりこれらのオリフィスから発生された粒子速度を低減させることが出来る。望ましい態様において、遠位管状延長部432はステンレス鋼針状素材などの適当な材料から形成しても良い。この態様における噴霧カテーテルの外径は、例えば、約0.038インチの外径など、上述の他の噴霧カテーテルの態様と同一であっても良い。その遠位管状延長部432は、約0.013インチの外径と約0.009インチの内径といったところだろう。この態様においては、噴霧カテーテルの外部管状部材は約0.013インチの外径と約0.009インチの内径といったところだろう、そして内部管状部材は約0.003インチの外径と約0.0015インチの内径とを有するかも知れない。
【0063】
図28は、向流装置を組み入れる噴霧カテーテル448のための本発明の他の態様を示す。上述された態様のように、この態様においては、噴霧カテーテル448は気管内チューブ(図示されない)内に設けられても良い。その噴霧カテーテル448はそれ自身に向って曲る遠位部分452を有する。その噴霧カテーテル448は、噴霧を逆方向に、即ち近位方向に発生させる遠位オリフィス453と454を有する。その噴霧カテーテル448内にも設置されているのは加圧ガスを運ぶための他のルーメン456である。その追加のルーメン456は、遠位方向に指向された遠位オリフィス460を有する。追加のルーメン456の遠位オリフィス460は噴霧カテーテル448の遠位オリフィス452と453とに関して一直線に一致するので、追加のルーメン456からのガス流は噴霧カテーテル448から発生された噴霧の速度を低減することが出来る。噴霧カテーテルにより発生されたエーロゾル噴霧は方向を逆転させる、そして気管内チューブを通じて空気を吸入することにより、または追加のルーメン456からのガス流、またはその組み合せにより運ばれ、肺に供給される。
【0064】
図29と図30は向流噴霧カテーテル配置の他の態様を示す。図29と図30とにおいて、噴霧カテーテル464は気管内チューブ468と供に使用される。噴霧カテーテル464は、遠位の液体オリフィスから送られた液状薬剤がその液体オリフィスに隣接して設置されたガス・オリフィスからの加圧ガス流によりそれから噴霧される遠位の先端部472を有する。図30に示された噴霧カテーテル464は、気管内チューブ468の遠位方向に伸張し、そしてそれ自身に向って曲る遠位部分476を有する。その噴霧カテーテル464は、噴霧を逆方向に、即ち気管内チューブ464の遠位開口部に向って戻る近位の、方向に発生する遠位のオリフィスを有する。適切な逆向きを維持し、そして引っ掛かりを防止するために、その噴霧カテーテル464は噴霧カテーテル464の先端472から延びるワイヤー480を含む。そのワイヤー480は先端の近位の噴霧カテーテルの軸の部分に取付けられる。そのワイヤー480は、ワイヤー480の端部を保持するために噴霧カテーテルの軸488上に設けられた熱収縮チューブ484により取付けられる。あるエーロゾルはそのワイヤー480に突き当たるかもしれないが、そのような衝撃のための損失を最小限にするために小径のワイヤーが使用される。更に、気管壁、または他の気道経路へのエーロゾル衝撃のために全体の改良した性能が、ワイヤー488上への衝撃のためのいかなる損失に対して補償することよりももっと期待される。
【0065】
図30に示される実施例において、噴霧カテーテル464は気管内チューブ468の遠位開口部に向って戻る逆方向に噴霧を方向付ける。噴霧カテーテルからの噴霧は患者の吸入段階中に気管内チューブ468からの空気流に遭遇する。気管内チューブ468を通じての空気の吸入は噴霧された薬剤を反転させ、それを肺に運ぶ。噴霧の方向の逆転はエーロゾル粒子速度を最小限にする効果を有することが注目される。気管内チューブ468は遠位部分の周りに位置する膨張性カフ492を備えていることが図30に示される態様においてまた注目される。
【0066】
IV.他の噴霧カテーテルの態様
上述した実施例において、噴霧の速度は逆方向のガスの向流を用いることにより低減された。図31と図32の実施例においては、噴霧粒子の速度は他の方法で低減される。図31において、噴霧カテーテル496は遠位液体オリフィス504で終端する液体のルーメン500と、一つ以上の遠位ガスオリフィス512で終端するガスルーメン508とを有する。その液体のルーメン500を通じて送られた液体は複数のガスオリフィス512から流れ出す加圧ガスにより噴霧化される。その噴霧カテーテル496はまた、追加の遠位オリフィス520で終端する一つ以上の追加のルーメン516を含む。これらのルーメン516は遠位オリフィス520に真空(負圧)を送るために使用される。その真空は、追加のルーメン516の近位端部に連結された適当な真空源(図示されない)により提供される。追加のルーメン516により送られたその真空は、ルーメン508により送られた加圧ガスが液体のルーメン500により送られた液体を噴霧化した後に、それを引き込むのを支援する。追加のルーメン516により提供される真空が無しで、遠位ガスオリフィス512により送られた加圧ガスは遠位液体オリフィス504により送られた噴霧化液体粒子にエネルギーを伝達し続け、それにより、それらを前進速度で推進させてもよい。又、その真空は加圧ガスが液体を噴霧化した後に、少なくともその一部を掃気して、液体粒子の前進速度は低減することができる。加圧ガスの掃気を容易にするために、遠位液体オリフィス504、遠位ガス・オリフィス512、そして遠位真空オリフィス520の全てが、噴霧カテーテル496の外部管状延長部528により形成された遠位キャビティ524内に開口する。その遠位延長部528は、低前進速度で噴霧化液体粒子を放出するために細口部536をその中に設置した閉口遠位端部532を有する。取り除かれた噴霧化ガスで、そのエーロゾル粒子は主にそれらの慣性によるだけで前方に運ばれる。
【0067】
図31に示された噴霧カテーテル496の態様は、噴霧の前進速度を低減する手段としての真空ライン516を含む。噴霧カテーテル496の先端に真空ライン516を備えると、噴霧カテーテルが位置する気道に送られるガス流と圧力とを平衡させる追加的機能となることが出来る。これは、特により小さな気道における、または中立流の平衡が望まれるカテーテル流により発生される過度な気道圧力を防止するのに有用であろう。これは、噴霧カテーテルが、噴霧カテーテルの遠位端部における気道を塞ぐ膨張性カフを備えている時には特に望まれる。その流れの平衡は、単一の吸入口と排出口とを有するガスポンプ537がカテーテルの各々の真空、およびガス供給ルーメン516と508とに連結される閉口、または部分閉口ポンプシステムで制御しても良い。駆動ガスと真空との両方共ポンプ速度により平衡が保たれ、そして制御される。真空、または圧力通気孔538は、もし正、または負の流れの平衡が望まれるならば各々の真空、または圧力ラインに組み込まれる。もし速度の低下ではなく、流れの平衡が問題であるならば、空気流がカテーテルの遠位先端部で取り除かれることは重要ではない、故に、その遠位端延長部532も不必要となるかも知れない。択一的に、流れの平衡は、レギュレーター、限定的毛細管、またはオリフィスを使用する独立した圧力および真空源で、またはその圧力および真空供給ラインに組み込まれた流量センサーや流量コントロール弁で維持してもよい。
【0068】
図33は噴霧化液体粒子の前進速度を低下させるための手段を組み入れた噴霧カテーテル540の他の態様を示す。その噴霧カテーテル540は、液体ルーメン548と加圧ガスルーメン552とを備えた主軸部分544を有する。そのルーメン548と552は遠位オリフィス556と560で終端する。オリフィス560からの加圧されたガス流は、オリフィス556からの出て来る液体を噴霧化する。その噴霧カテーテル540は遠位スペーサー・チューブ564を含む。そのスペーサー・チューブ564は約2−3mmの長さで、且つ噴霧カテーテル軸544の外径よりも大きい内径を有する。そのスペーサー・チューブ564の内径は空気流のルーメンやオリフィスよりも大きいので、空気や搬送された粒子の速度は、それらがスペーサー・チューブ564を通過して、その遠位開口部568から出た時に低減される。更に、そのスペーサー・チューブ564は、主軸544との接続部におけるスペーサー・チューブの近位端部に近いその壁を貫通する一つ以上の開口部、またはルーメン572を有するのがよい。これらのルーメン572は空気をスペーサー・チューブ564の内部に引き込む、それにより乱気流のために抗力を起こして、エーロゾルがスペーサー・チューブを出る時にその速度を低減できる。そのルーメン572はまた、抗力乱気流を引き起こすことによりスペーサー・チューブを通過する粒子流速を遅延させることができる。
【0069】
スペーサー・チューブ564はまた、噴霧カテーテルの遠位オリフィス556と560が気管内チューブ、気管、または他の気道経路のどこかの部分と接触するのを防止する、それにより最適な先端操作を維持し、そして操作および挿入中のそれへの損傷を防止するのに役立つ。他の実施例において、もし先端保護の特徴のみが望まれるならば、図33のスペーサー・チューブ564が開口部572無しで作られてもよい。そのような代替態様において、そのスペーサー・チューブ564は、例えば、1mmのより短い長さで作られてもよい。
【0070】
図34は、気管内チューブ580と供に使用される噴霧カテーテル576の他の実施例を示す。その気管内チューブ580は従来型の気管内チューブであるのがよい。その噴霧カテーテル576は、液体粒子流に螺旋状成分を伝達することによって低下させた前進速度を有する噴霧を提供する。その噴霧カテーテル576は、遠位液体オリフィスから供給された液状薬剤が、液体オリフィスに隣接して配置されたガス・オリフィスからの加圧ガス流によって噴霧化される遠位先端部584を有する。その噴霧カテーテル576は気管内チューブ580内に同軸に位置決めされる。心出し器(センタリング装置)585が噴霧カテーテル576をセンタリングするのを助けるために使用されてもよい。第二ガス・オリフィス588が先端部584から近位の噴霧カテーテル576の部分に沿って配置されている。この第二ガス・オリフィス588は、遠位先端部584における噴霧ガス・オリフィスと連通する同ガスルーメンに通じているか、または第二ガス・オリフィス588はもう1つの、別のガスルーメンに接続してもよい。第二ガス・オリフィス588は、加圧ガス流を噴霧カテーテル576の遠位端部に沿う螺旋遠位方向に方向付けるように指向される。これを達成するために、第二ガス・オリフィス588は、ガス流を適当な螺旋方向に方向付けるために傾斜開口部により、または偏向フォイルを備えて形成されるかも知れない。加圧ガスの螺旋流は気管内チューブ580の内部を噴霧カテーテル576の遠位部分に沿って進む。ガスの螺旋流は、エーロゾル噴霧に螺旋流成分を加える噴霧カテーテルの遠位端部584から発生されたエーロゾルを同伴する。これは、液体粒子流が気管内チューブ580を出る時にそれの前進速度成分を低減する効果を有する。
【0071】
図35は図34の噴霧カテーテル576を用いる他方法を示す。図35において、第二ガス・オリフィス588を含む噴霧カテーテル576の遠位部分が気道内に設置できるように、噴霧カテーテル576が気管内チューブ580の遠位端部の遠位方向に伸張されているのが示される。気道のサイズを考慮して、第二ガス・オリフィス588を有する噴霧カテーテル576は図34に示された方法と同様に動作して、エーロゾル噴霧の前進速度を低減するために螺旋ガス流を発生する。
【0072】
噴霧カテーテル592の他の実施例が図36と図37に示される。噴霧カテーテル592のこの実施例は独立した気管内チューブ(図示されない)と供に使用できる。噴霧カテーテル592は中心ルーメン600とその中心ルーメンの周囲に配置された一つ以上の追加的ルーメン604とを有する主軸596を含む。この態様においては、その中心ルーメン600は加圧ガス流のために使用され、そして追加的周辺ルーメン604は液状薬剤の投入のために使用される。そのルーメン600と604とは、遠位方向ではオリフィス608と612で各々終端する。拡散器616が噴霧カテーテル592の遠位端部に、且つオリフィス608と612に隣接して配置されている。1つの態様においては、その拡散器616は、液体オリフィス612を通過した中心ルーメン600のオリフィス608からのガス流を偏向する、それにより液状薬剤を噴霧化することが出来るような寸法に作られた、ほぼ円盤形状体から構成される。拡散器616とカテーテル92の主軸部分596の遠位端部間の小さなギャップ(即ちベンチュリエリア)620は、エーロゾルを発生するための好ましい流体特性を与える。その拡散器616は、中心ルーメン600内に位置する保持ワイヤー624に接続されるのがよい。その保持ワイヤー624を拡散器616を噴霧カテーテル592の遠位端部に取付けるために使用しても良い。また、保持ワイヤー624は拡散器の往復運動によりエーロゾルの発生をパルス振動させるために使用しても良い。この実施例で生成されたエーロゾルはほぼ半径方向の速度成分を有し、そして小さな前進速度成分しか持たないかも知れないことがわかる。更に、翼(ウイング)625などの、心出し器をその拡散器616に取付けても良い。
【0073】
図38は拡散器616の代替態様を示す。図38において、拡散器616は、端部が噴霧カテーテル軸先端部内の二つの開口部内に配置され、そして中間部が遠位ガス・オリフィス608の直前に配置されたループから形成される。そのループは、金属か、ポリマー・ワイヤー、または他の材料から形成しても良い。そのループは、押出し法で形成されるか、または鋳造しても良い。
【0074】
図39は、噴霧カテーテルシステムの代替態様を示す。噴霧カテーテル627は気管内チューブ628内に配置されている。その噴霧カテーテル627は同軸に配置された外部チューブ629、中間チューブ630、そして内部チューブ631とを含む。内部チューブ631のルーメンを通じて送られる液体は、内部チューブ631と中間チューブ630間の環状領域632内に送られた加圧ガスにより噴霧化される。更に、加圧ガスはまた、中間チューブ630と外部チューブ629間の環状領域と連通する二次ガス供給源から送られる。その二次ガス供給源は、所望の噴霧形状と速度とを提供するのを助けるために使用されてもよい。例えば、外部チューブ629から送られた二次ガスの供給は気管壁、または他の気道への噴霧エーロゾルの密着を最小限にするのを助ける空気の同軸鞘状体を提供するために使用できる。又、その二次空気供給は追加的前進速度をエーロゾル噴霧に加えるために使用されてもよい。図39の態様で、追加的空気流は、領域633を介した二次ガスの供給により提供できる。
【0075】
上述の態様において、噴霧化は、遠位オリフィスからの加圧ガスを液状薬剤を、供給する他の遠位オリフィスを横切って配向させることにより、カテーテルの遠位先端部で提供される。幾つかの上記態様で示されるように、遠位オリフィスから液体を送るための一つの経路は、カテーテルを通じて近位端部に延びるルーメンを経たものである。この構造は、多くの種類の薬物投与のための効率的な作業を提供する。多くの場合、遠位液体薬剤オリフィスは、それを横切る加圧ガス流のために負圧を受けやすい。この負圧は、多くの用途において、液体を噴霧するために、そのオリフィスから液体を引き出すのに十分であるかも知れない。もしエーロゾルのパルス振動化が望まれるならば、ガスルーメンの圧力がパルス振動される、それによりエーロゾルのパルス振動化された生成となる。ガス圧を増すことにより、エーロゾル出力をも増すことが可能である。
【0076】
他の状況においては、液体に正圧を適用することが望ましいかも知れず、液体ルーメンの近位端部において、遠位液体オリフィスから液体を供給するために、それは必要である。その液体ルーメンに適用されたこの正の圧力は、ガスルーメンに適用されたもの(例えば35−50psi)と同じであるか、または、異なる(ガスルーメンよりも小さい)くてもよい。もし液体の噴霧化をパルス振動させることが望まれるならば、これは圧力のパルスを液体ルーメンの近位端部、または貯蔵器を介して液体コラムにあてることにより達成できる。ガスルーメン内のガスの加圧を液体ルーメンの加圧と同期させることもまた望ましい。遠位オリフィスからパルス振動化エーロゾルを発生するためにパルスで液体ルーメンに正の圧力を適用することに加えて、遠位オリフィスにおける液体を液体ルーメンに引き戻して、それにより液だれを回避するために各正圧パルス直後に小さな負圧を適用することが代替態様において望ましい。好適態様において、液体ルーメンがその中に形成される噴霧カテーテルの部分は、最小限の減衰で遠位端部に圧力パルスを伝達するために比較的低コンプライアンス材料から構成しても良い。
【0077】
全長液体ルーメンはある状況においては欠点を有することもある。例えば、遠位オリフィスからの液体のパルス振動は、カテーテルの長さ上での圧力パルスの減衰のために近位端部への圧力の適用に、密接に対応、または追随しないこともある。更に、圧力を伝達して、遠位オリフィスから液体を放出するために液体ルーメンの近位端部に圧力を適用することは、そのルーメンが液体で満たされることを必要とする。幾つかの状況においては、これは患者により要求されるより多くの薬剤投与となり、そして無駄となる。
【0078】
図40における実施例は、液体の加圧を遠位液体オリフィスに可能な限り近くに制御し、それによりカテーテルのコンプライアンスと減衰の影響を低減することによりこれらの問題を対象とする。図40において、噴霧カテーテル652は、近位端部(図示されない)から遠位ガスオリフィス664に伸張するガスルーメン660を備えた主本体656を有する。その主本体656は遠位液体薬剤貯蔵器(リザーバ)668を含む。図40に示された態様においては、液体貯蔵器668はカテーテル652の主軸656の遠位部分内に設置される。その液体貯蔵器668は噴霧カテーテル652の遠位端部に近いのが望ましい。その液体貯蔵器668は投与されるべき薬剤で満たされる。もし薬剤量の容積が小さければ、その液体貯蔵器もまた対応して小さくてもよい。この態様は、例えば、一回の使用量で、0.1から0.5mlなどの小量の薬剤を投与するのに特に適している。その貯蔵器668はカテーテルの製造段階で事前充填してもよい。その貯蔵器668は、遠位ロケーションにおけるカテーテルのルーメンに栓をすることにより形成してもよい。又、液体貯蔵器668は、カテーテルの近位端部に戻るように伸張してもよい、それにより液体ルーメンを形成し、そしてここで議論された他の態様に関して説明されたように近位ポートと連通する。これは、もしそのルーメンが非コンプライアンス材料製であるならば必要とされるかも知れない。他の代替態様において、液体貯蔵器はカテーテル軸656の外部に位置したバルーンで形成してもよい。
【0079】
フィルター672と栓676とは液体ルーメン/貯蔵器668の遠位端部における位置を占有する。遠位管状延長部680は栓676から延び、液体/貯蔵器668と連通する。その管状延長部680は遠位ガス・オリフィス664と整列した遠位オリフィス684を有するので、ガス・オリフィス664を出た加圧ガスが液体オリフィス684を出る液体を噴霧化することが出来る。遠位液体オリフィスは、噴霧カテーテルが使用される時に開口出来るオリフィスと関連した密閉可能キャップ、またはワックス状覆いを有してもよい。カテーテル652の主軸656の遠位部分において、ガスルーメン660と液体ルーメン668とは可撓性、かつ、膨張可能な壁、または膜688により分離される。図40の態様において、エーロゾルのパルス化はガスルーメン660内のガス圧力のパルス化により達成される。ガスルーメン660内の圧力が高い時、それはガスと液体ルーメン660と668間の柔軟性壁688を液体ルーメン668内に膨張させる。これは、図40の破線により表される。これが起こる時、ガスルーメン660からの圧力が液体ルーメン668に伝達され、そして液状薬剤はその遠位液体オリフィス684から強制的に押し出される。ガスルーメン660に適用された圧力が低くなると、膨張可能壁688はその初期位置に復帰する。膨張可能壁680がその初期位置に復帰すると、それは、液体を管状延長部680に僅か引き戻す遠位液体オリフィス684に負圧をもたらし、それにより先端部における液だれの発生を低減することが出来ることが注目される。更に、遠位液体オリフィス680からの液体の送りは、内袋688を膨張させるのに幾らかの時間がかかるので、ガス・オリフィスに高ガス圧を適用した後に直ちに起こらないかも知れないことが注目される。これは、液体が遠位液体オリフィスから流れ始める時、ガスが遠位ガス・オリフィスから高圧で安定的に流れることを意味する。これはまた、より清潔なエーロゾルを提供し、そして先端部における液だれの発生を低減するだろう。
【0080】
図40に示される噴霧カテーテル652の代替態様は、内袋壁688に可撓性ではあるが、弾力性のない材料を用いて作ってもよい。もしその袋壁688が可撓性はあるが、非弾性的であったならば、液体オリフィス684を通過する加圧ガスは負圧を生成する(ベンチュリ効果)、それにより液体を引き出して、それを噴霧化することが出来る。ベンチュリ・エリアへの連続的、または望ましくは断続的ガス供給はこの負圧を与える。その袋壁は放出を容易にするために通気口を備えてもよい。コンプライアンスや非コンプライアンス領域を有する噴霧カテーテルを製造するために、上述のように、そのカテーテルは異なる壁部分の物理的属性を最適化するために異なる化合物、またはポリマーを用いて共押し出しをしてもよい。袋壁の形成においてポリマー材料を架橋させるために高エネルギー放射を用いることが望まれる。
【0081】
V.エーロゾルプルームのアラインメント
上述の態様は最適噴霧プルームを発達させることに向けられる。噴霧の効率に貢献する他の要因は解剖学的環境に関する噴霧カテーテルの位置であることが更に認識される。例えば、たとえ使用されている噴霧カテーテルが最適プルームを発達させても、カテーテルの投与効率は、もしそのプルームが気管内チューブ、気管壁、または他の気道内に向けられるならば非常に緩和されるかも知れない。故に、人体内の噴霧カテーテルの正しいロケーション、向き、そしてアライメントは、噴霧カテーテルを介しての薬剤の投与に貢献する重要な要因である。一般に、カテーテルがその中に位置する気道内にそのカテーテルを同軸に一直線に一致させることが望ましい。
【0082】
もし在れば、気管内チューブは独立した噴霧カテーテルから逆にエーロゾルの投与をもたらすことが出来る。例えば、気管内チューブは、気管の径よりも小さい内径を有するので、もし噴霧が気管内チューブの内部で起こるならば、エーロゾルの一部は気管内チューブの内壁に密着して、それにより浪費されるかも知れない。大抵の従来型の気管内チューブは、比較的堅牢である曲がった遠位端部を有するので、それが患者の気管内の適所にある時、その気管内チューブの遠位端部は偏心して指向される。これは、たとえ噴霧カテーテルの遠位端部が気管内チューブの遠位方向に位置するようにそのカテーテルが位置決めされても、そのカテーテルが気管壁にそのエーロゾルを直接もたらす気管内チューブ内に位置する噴霧カテーテルの向きに影響を与える。一般に、エーロゾル粒子がそれらの速度を失い、そして吸気流で搬送されるようになるように、エーロゾルが生成された後にエーロゾル粒子が数センチメートルの間衝撃を回避できるようにすることが望ましい。
【0083】
図41の発明の実施例は、患者の気管内での噴霧カテーテルの改良したアライメントを提供することを意図している。図41において、気管内チューブ700は患者の気管704内に位置決めされる。気管内チューブ700は、気管696内の気管内チューブ700の位置決めとアライメントを容易にするために遠位の外側の周辺に位置した膨張性カフ708を有するタイプのものである。噴霧カテーテル712が、気管内チューブ700の遠位端の中を、そして、その中から延びている。その噴霧カテーテル712は上述の噴霧カテーテルの態様の何れかと同一であるのがよい。その噴霧カテーテル712の遠位部分716周りに位置するのは、スプリング心出し器(センタリング装置)720である。このスプリング心出し器720は噴霧カテーテル712の軸に固定された保持リング724とそのリング724に接続された複数のアーム726とを含む。1つの態様においては、三つのアーム726が在る。そのアーム726は可撓性で、弾力がある。そのアーム726はスプリング焼戻しされた金属、または適当なプラスチックから作られるのがよい。ボール727がリング724への接続部の反対側のアーム726の各端部に配置されている。そのスプリング心出し器720は、気管内チューブ700のルーメン728内のスプリング心出し器を含む噴霧カテーテル712を最初に位置決めすることにより配置される。アーム726は、気管、または気道の直径よりも大きなサイズとなるように形成される。故に、心出し器が気管内チューブ700内に位置決めされるとき、それらのアームは、ボール727が噴霧カテーテル712の軸に近接した状態で圧縮形状に弾性変形させられる。心出し器を配置するために噴霧カテーテル712を気管内チューブ700の遠位端部から前へ進める。ボール727が気管内チューブ700から進められると、それらは拡張したサイズに広がり、そして気管壁、または他の気道と接触する。そのボール727は気管壁、または他の気道への刺激、または損傷を抑制するために比較的滑らかな表面を提供する。拡張されたアームによって、噴霧カテーテルの遠位端部から放出されるプルームが気管壁、または他の気道との最小の接触を持つように、噴霧カテーテルは気管、または他の気道内の中央に配置される。噴霧カテーテル712を取出すことが必要なとき、それは気管内チューブ700内に戻るように近位方向に引込ませることが出来る。望ましい態様において、そのアームは、望ましくは直径が約0.015インチより小さな細い弾性的ワイヤー、またはポリマーから形成される。そのアームとボールの両方、またはその何れかは放射線不透過性材料で作られるか、またはコーティングされるのがよい。心出し器が噴霧カテーテルの遠位端部の幾分か前に設置されることが図41に示される心出し器の態様の利点である。これが、エーロゾルが最初に流れ込むことになる気管の部分、または他の気道内にその心出し器のアーム726を位置決めする。従って、心出し器は、噴霧カテーテルの遠位先端を越えた気管の部分、または他の気道に関してその遠位先端を配向し、それによりこの部分に沿う密着を低減するのを助けることが出来る。
【0084】
図42は噴霧カテーテルの代替態様を示す。噴霧カテーテル729は上述のように気管内チューブと供に使用される。その噴霧カテーテル729は心出し器730を含む。その心出し器730は、カテーテル軸の軸から外方に弾性的に拡張して、噴霧カテーテルの遠位端部の所望位置に応じて、患者の気管壁、気道、または気管内チューブの内部と接触するように形成された複数のアーム731を含む。各アーム731の端部には、ボール732が在る。アーム731の近位端部は、カテーテル729の軸内のルーメン734の中を通るワイヤー733から形成される。各ルーメン734はアームがそれから伸張する遠位開口部735を有する。その遠位開口部は、そのカテーテル軸の遠位端部から約0.10から1cmである。ワイヤー733の近位端部は、使用中、通常は患者の体外にあるカテーテルの部分のカテーテル近位端部に近い開口部736を経て噴霧カテーテルのルーメン734を出る。従って、ワイヤー733の近位端部は、使用時に医師により利用可能である。ワイヤー733の近位端部を押し、引きすることにより、開口部735から伸張するアーム731の部分を調整できる。従って、そのアーム731を、ワイヤー733の近位端部を引いたり、押したりすることにより、いっぱいに引っ込められた位置から、いっぱいに進められた位置まで調整できる。更に、ワイヤー733の近位端部は十分に引き戻された位置と十分に進められた位置との間のいかなる中間位置にも調整可能であるので、医師は、いかなるサイズにも、望まれるように心出し器730のサイズを調整できる。そのワイヤー733は、位置決めの間その中に入っているルーメンから前に進められた時には所望のサイズとなるべきであるので、所望の拡張形状が製造中にワイヤーに伝えられるようにそれらが形状記憶性の材料から形成されるのが望ましい。1つの態様においては、そのワイヤーはニチノールから形成してもよい。
【0085】
1つの望ましい態様においては、第二心出し器737がまた設けられる。第二心出し器737は第一心出し器730の近くに噴霧カテーテル729の軸上に位置する。その第二心出し器737は、軸(シャウト)から半径方向外方に延び、プラスチック、または金属などの材料から形成された弾性的な翼から形成されるのがよい。第二(または近位)心出し器737はカテーテル729の遠位端部のアライメントを保つのを助ける。
【0086】
図43は本発明の他の代替態様を示す。図1の噴霧カテーテル20と同一であるのがよい噴霧カテーテル738が示される。その噴霧カテーテル738は心出し器739を含む。その心出し器739はカテーテルの遠位端部に位置するワイヤー・ループ740を含む。ワイヤー・ループ740の一端741が噴霧カテーテル軸の遠位端部に接続されている。ワイヤー・ループ740の他端742は、カテーテル738の近位端部に伸張するルーメン744と連通する軸の開口部に入る。ワイヤーの近位端部745は、通常は使用中に患者の体外にある噴霧カテーテルの近位部分内の開口部を経てルーメン744を出る。ワイヤー・ループ740サイズをワイヤーの近位端部745を前進、または後退させることにより調整できる。この態様においては、ワイヤー745が更に後退出来ない時には心出し器は完全に引き込まれていると判断される。噴霧カテーテルの遠位端部の位置もまた、そのループ、またはアームが気管内チューブの遠位端部と接触するとき引き起こされる更なる後退に対する抵抗により判断できる。拡張されたサイズにある時は、ワイヤー・ループ740は、噴霧カテーテルの遠位端部が位置決めされるところにより気管の壁、気道、または気管内チューブの内部と接触する。ワイヤー・ループ740のサイズは、中間のサイズの他、いっぱいに低減されたサイズからいっぱいに拡張されたサイズまで調整可能である。図43の態様において、そのループのサイズは異なる患者内の異なるサイズの気道に調整可能である、或は、そのループのサイズは、もし医師が噴霧カテーテルを患者の呼吸管内の異なるロケーションに再配置することを要求するならば同一患者の異なるサイズの気道にも調整可能である。一つの望ましい態様において、一本以上のワイヤー・ループが噴霧カテーテルの遠位端部に設けてもよい。この態様のワイヤー・ループ740はまた、図9で示されたループ106と同様の方法でガイドワイヤー上での位置決めを容易にするために使用される。
【0087】
図44と図45は本発明の他の代替態様を示す。噴霧カテーテル747は軸部分748とその軸748の遠位端部から延びるワイヤー・ループ749とを有する。この態様において、ワイヤー・ループ749は各端部750と751においてカテーテル軸748の遠位端部に接続される。引込み可能な鞘部752が噴霧カテーテル軸748上に位置決めされる。その鞘部752をそのカテーテル軸748に対して進められたり、引込められたり出来る。噴霧カテーテルを患者の呼吸管内の所望の位置に移動することが必要とされる時、その鞘部752は図45に示されるように、小さい形状を維持するためにループ749上を進められる。噴霧カテーテルの遠位端部が適切に位置決めされると、その鞘部752は図44に示されるように、引込められ、そのループ749をその拡張サイズにまで拡張させ、呼吸管内の噴霧カテーテルの遠位端部を心出しして、整列させる。一つの態様において、そのループ749はニチノールなどの超弾性材料から形成される。
【0088】
上述のように、噴霧カテーテルの正しい位置決めとアラインメントは投薬効率に影響する重要な要因である。一般に、噴霧カテーテルの先端を可能な限り気管(または他の呼吸管)の中央領域近くに位置決めすることが望ましい。たとえそのカテーテルが気管に関して心出し出来たとしても、もし心出し器に近い部分が一直線に合わなければ、それは先端部の方向の向きに影響を及ぼすことが更に注目される噴霧カテーテル753は心出しされるが、その先端部は最適プルームを提供するのに正しく向けられない、この状況が図46で表される。この潜在的問題は、図47で示された発明の態様を使用することにより解消できる。図47において、噴霧カテーテル754は患者の気管755内に位置する。その噴霧カテーテル754は気管内チューブ756の端部から延びる。第一心出し器757が遠位端部764に近い噴霧カテーテル754の主軸760上に配置されている。第一心出し器757は図41乃至図45に示された心出し器と同一であるのがよい。第二心出し器768が、第一心出し器757から近い方に噴霧カテーテル軸760に沿って軸上に配置されている。その第二心出し器768は第一心出し器757と同じであるのがよい。図47R>7に示されるように、二つの心出し器757と768は気管内の中央に噴霧カテーテル757を位置決めするのに役立つだけでなく、噴霧カテーテル先端部を一直線に合わせ気管の中心軸に沿ってプルームを吐出するのにも役立つ。
【0089】
近位心出し器768を他のタイプの心出し器によって代用してもよく、または図48に示されるようにこの目的のために気管内チューブ756を採用してもよい。もし気管内チューブを噴霧カテーテルを心出しするのを助けるために使用するならば、気管内に正確にそれを同軸に一直線に合わせるために遠位側の細長い閉塞カフ772、又は、気球を組み入れるのがよい。大抵の従来型の気管内チューブは患者の気管を位置決めするのを容易にするために湾曲部を備えている。更に、ほとんどの従来型気管内チューブは比較的堅牢である。これらの要因が図46と図47に例示されるように患者の気管に関して気管内チューブの遠位端部の不整列を生じさせることがある。噴霧カテーテルの心出しのための気管内チューブを用いるために、従来型の気管内チューブにおけるよりも器官内チューブの先端部をもっと真っ直ぐで、そして/または柔軟にして閉塞気球や気管で正しい中心性を確保することが望ましい。より真っ直ぐで柔軟な先端部を有する気管内チューブが図48に示される。更に、その気管内チューブは、噴霧カテーテル75を一直線に合わせるための心出し、または照準装置776を備えてもよい。図48の態様において、その照準装置776は、気管内チューブ756の壁から軸方向中心位置に向って伸張する複数の柔軟な、または弾性的な翼により形成される。
【0090】
噴霧カテーテルの適切な心出しと照準は、解剖学的要因に影響される。幾つかの状況においては、噴霧カテーテルの遠位先端部を肺の両気管支内、または別の気管支内の何れかに位置決めすることが望ましい。肺胞近くへの噴霧先端部の位置決めは、投薬効率を高めることもできる。肺の両気管支内に噴霧先端部を置くことが望まれる状況において、図49R>9に示されるように、二重先端部を有する噴霧カテーテル780を、採用可能である。図4949に示されるように、二重先端部を用いると、心出しや照準は、各気管支内のより狭い気道のために、重要な考慮すべき要件となる。二重先端部噴霧カテーテルの心出しと照準を提供するために、先端部784と788の各々は、792と796などの、それ自身の心出し器を備えてもよい。これらの心出し器は上述の心出し器と同一であってもよい。択一的に、その心出し器792と796とは、示されるように、先端部784と788の各々の軸から弓のように外側に曲る柔軟性、または弾性材料から作られた、アーム、または支柱から形成されるのがよい。これらの支柱は、より小さな気道に適合させるためにより短い長さに形成されるか、または、それらは異なる気道に適用させるために配置サイズの範囲を提供するように作ってもよい。
【0091】
図49に示されるように二重先端部784と788とを有する噴霧カテーテルを提供することに代るものとして、もし肺の別の気管支内への噴霧化薬剤の投与が要求されるならば、所望の気管支に向けられた複数オリフィス、またはジェットを有する単一ノズル先端部を有する噴霧カテーテルを使用することが望ましい。
【0092】
上述の全ての心出し器において、あるエーロゾルがその心出し器を形成するワイヤー、またはループに密着するかも知れない、故に、その心出し器はそのような密着に因る損失を最小限にするために小さな径、または横断面を有するワイヤー、または材料から構成されるのが望ましい。更に、気管壁、または他の気道上のエーロゾル密着の低減に因る全体の改善した効率が、心出し器への密着に因るどのような損失を埋めあわせるであろうと考えられる。
【0093】
気道内の噴霧カテーテルの遠位端部を心出しするための他の代替手段は空圧心出し器のための加圧ガスの一部を使用することである。先端部近くの噴霧カテーテルの外周に均等に間隔をとって配置された二つ以上の外方に向けられた開口部から発生されるエアー・ジェットが、気道内の噴霧カテーテルを心出しするために使用できる。この代わりは、物理的心出し器と比較して刺激を回避するのを助けて、追加的利点を与える。
【0094】
患者の気道内の噴霧カテーテルを心出しするのを助けるための他の代替方法は、噴霧カテーテル先端部近くに配置された気球、またはワイヤー心出し器を使用することである。その気球、またはワイヤー心出し器は気管内チューブ先端部に関して噴霧カテーテル先端部の配置を二重チェックするために一時的に膨張させることが出来る。この特徴を使うために、噴霧カテーテルは、距離を判断するために近位軸上のマークを用いて気管内チューブ先端部を超えて進められる。その心出し器、または気球は気管内チューブよりも大きい径まで膨張され、そしてそのカテーテルは、その心出し器、または気球が気管内チューブ先端部との接触が感じられるまで、または気管内気流が妨げられるまで引き込まれる。
【0095】
VI.作動と流量制御
上述のように、ガスルーメンを加圧するために使用される駆動ガスは、圧力35−50psiの純粋(例えば100%)酸素でもよい。他のガスや圧力を、所望の粒子サイズを準備するために適切に調整して使用してもよい。加圧ガスを、必要ならば、バブラー、または他の適当な手段により湿らせて、暖めてもよい。
【0096】
液体ルーメンに関して、噴霧カテーテルを通じて液状薬剤を投与するための一つの方法は、手動で操作される注射器によるものがある。この方法で液状薬剤を投与するために、噴霧化されるべき液状薬剤を含む注射器が噴霧カテーテルの近位端部に接続されたマニフォールド上の液体ポートに接続される。それで、その液体が注入される一方で、加圧ガスが噴霧カテーテル・マニフォールド上のガス入り口ポートを経て噴霧カテーテルに供給される。手動操作注射器を用いるのは、確実で、使用するのが容易となり、そして小量の薬剤のみを投与することが要求される時には望ましい。
【0097】
望ましい態様においては、その液状薬剤は加圧源から噴霧カテーテルに投与される。液状薬剤のための加圧源は、一般により高く、且つより一定の圧力を可能にする。高圧は、液体ルーメンを塞ぐかも知れない全ての妨害物を取り除くのを助ける。液体ルーメンの加圧は、全ての液状薬剤がカテーテル先端部から排出されることを保証することが出来る。更に、液体加圧源を使用すると、長期間の投薬を、またはもし使用される場合、ベンチレータの動作と一致するようにタイミングを合わせるか、パルス化される投薬を提供することが出来る。望ましい態様において、ガス加圧を提供するために使用される同一圧力源(50psi)は、液体の加圧を準備するためにも使用できる。幾つかのベンチレータは、外部に位置した噴霧器のために使用される補助ポートを有する。この補助ポートからの圧力流は、ここで考慮される噴霧カテーテルの態様の液体とガスの供給を駆動するための圧力源として使用してもよい。又は、この補助ポートからの流れの中に位置するセンサーを、加圧された液体とガスの供給を操作する他のコントロール装置を誘発するために使用してもよい。
【0098】
望ましい態様において、エーロゾルの発生は患者の吸入と同期化される。一つの態様において、これは液体入力ポートへのガス圧力ライン上の手動操作可能コントロールガス弁で達成できる。これは、薬剤を短時間で、例えば数呼吸サイクルで投与できる時には適切であろう。又は、延長された時間投薬することが望まれる時には、液状薬剤源から噴霧器を経て自動的に投薬できるシステムを採用することが望ましい。そのようなシステムにおいて、ガスと液体、またはその何れかの流れは、電子圧力センサーとリレーアクチュエーターとを使用して患者の吸入サイクルにより誘発される。
【0099】
噴霧カテーテルを経る効率的な投薬に関する重要な要因は、ガスと液体とを加圧して、噴霧カテーテルの近位端部に供給するための流量コントロールシステムである。多くの状況において、薬剤は、数時間、または数日などの、長期にわたり患者の適所に配置される噴霧カーテーテルを経て患者に送られることが想像される。そのような状況において、薬剤の供給から患者に薬剤治療の適切な一回の服用量を、適切な速度で自動的に投与し、そして更に自動的に、且つ無人で動作するシステムを使用することが望まれる。更に、噴霧カテーテルを連絡しなくする、または供給が新たに与えられるかの何れかが行えるように供給量が低下した時を検出するための手段を提供することが望まれる。図50と図51は噴霧カテーテルと共に用いるためのリザーバと加圧システムの幾つかの態様を示す。
【0100】
図50において、リザーバおよび加圧アッセンブリー800は噴霧カテーテルの近位端部に接続される。その噴霧カテーテルは上述の態様の何れかと似ているものでもよい。そのアッセンブリー800は、外部加圧ガス供給に接続できるガス入口ポートを有する。外部加圧ガス供給は病院の主ガス供給でもよい、または他のユニットにより供給してもよい。その外部ガス供給は酸素50psi供給でもよい。そのガス入口ポート804の形はアッセンブリー800により定められ、そしてそれを通じて伸張する気流路808と連通する。そのアッセンブリー800は、液体流路808と連通するガス出力ポート812を含み、そしてそれは噴霧カテーテル(図示されない)のガス入口ポートに接続する。そのガス出力ポート812はガス入口ポート804のすぐ下流に位置する。ガス出口ポート812の下流の流体流路808内に位置するのはフィルター816である。そのフィルター816は、ガスの通過を許すが、いかなる液体の逆流も防止する疎水性フィルターであるのが望ましい。流体流路808内のフィルター816の下流に位置するのは、注入ポートおよび貯蔵器820である。このポート820は噴霧カテーテルに供給されるべき液状流体薬剤の供給と連通している。流体流路808内の次に位置するのは、毛管薬剤貯蔵器824である。その毛管貯蔵器824は投与されるべき液状薬剤の供給量を保持するように適合されたプラスチック管材料の長さにより構成される。示された態様において、その毛管貯蔵器は透明管材料の螺旋コイルから成る。毛管材料貯蔵器824の下流に位置するのは、噴霧カテーテル(図示されない)の液体入口ポートに接続する液体出口828である。図5050に示される態様で、その透明毛管材料824は噴霧カテーテルへの薬剤の供給を確認するための便利で確実な方法を提供する。その毛管材料は、その長さのために、薬剤の適切な供給量を含むことが出来る。薬剤が尽きようとしていることを付き添っている医療関係者が気付くと、新たな供給が容易に提供される。その透明毛管は、その毛管を下降するガス/薬剤凹面を見ることにより薬剤流の容易な視覚化を可能にする。医療人員による直接の観察に頼る代りに、その毛管材料が、毛管材料内の薬剤が尽きようとしていること、または凹面が妨害物のために動きが停止していることを検出した時に医療人員に警報する、例えば、フォトセルなどの、自動検出装置と共に使用するものよい。妨害物は、圧力の増加の検出によって検出してもよい。
【0101】
図51と図52は流体貯蔵器および加圧アッセンブリー832の他の態様を示す。この態様はガス入口836、流体流路840、液状薬剤供給ルーメン844、フィルター848、毛管チャネルセクション852、そして出口ポート856とを含む。この態様において、そのフィルター848は充填ルーメン844の下流に位置する。そのフィルター848は使用中に加圧ガスが液状薬剤を押すことが出来るが、充填中にそのルーメンまで液状薬剤が逆流するのを防止する。この態様において、第二注入ポート860は毛管セクション852の下流に提供される、そして第二フィルター864は第二注入ポート860の下流に位置する。第二フィルター864は約20μmの保持性(リテンション:retention)を有するフィルターであるのが望ましい。また、この態様において、その毛管セクション852は平面セクション865から構成してもよい。その平面セクション865は、その中に型成型、溝彫り、または他の方法で形成された曲がりくねったチャネルを有する一つのプラスチックであってもよい。その平面セクション868は、それを通じて流れる溶液との適当な対照を与えるために彩色されるのが望ましい。透明な平面プラスチックの覆いは、毛管セクションの閉チャネルを形成するために平面セクション865の屈曲チャネル上に置かれる。毛管セクション内のその流体チャネルは約2mmの内径を有するのが望ましい。その第二入口ポート864は薬剤を噴霧カテーテル液体流に加えるための追加的手段を提供する。セクション852内の毛管チャネルが充填されると、そのガスはそのチューブを加圧するために使用されて、その流体をカテーテル先端部に強制的に押し進める。第二フィルター864は、噴霧カテーテルへの流れを正確に計量するための制限的オリフィスとして働く。その透明な毛管チャネルは、その毛管を下降するガス/薬剤の凹面を見ることにより薬剤の流れの容易な視覚化を可能にする。より細いチューブは、緩やかな投与速度でもその流れを速く動くように見えるようにする。従って、いかなる流れの中断も、容易に観察される。その毛管材料セクションはまた、注入ポート860を除いてライン内に全くデッドスペースがないので、ほとんど100%の薬剤がカテーテル先端部に投与されることを保証する。
【0102】
気管内チューブでの患者の換気中、特に長時間行われる挿管時、送られる空気を湿らせることが望ましいと見なされる。噴霧カテーテルが、気管内チューブと供に、または気管内チューブなしかの何れかで、薬剤の投与のために使用される時、薬剤投与に加えて、給湿するための噴霧カテーテルを利用することが可能である。湿気を組み込んだ噴霧カテーテル用流れ配送システムの態様が図53に示される。適当に大きい貯蔵器866は無菌水、または食塩水を保持する。その貯蔵器866は噴霧カテーテルの液体供給ルーメン867に接続される。溶液は、カテーテル先端部における負圧、重力、リザーバの遠位の溶液供給ライン内のポンプにより、または適当な手段によりリザーバを加圧することによりリザーバ蔵器866から噴霧カテーテル868内に引き込まれる。
【0103】
薬剤は以下の方法で給湿水内に加えられてもよい。第一の代替手段では、その薬剤は、溶液貯蔵器866内の等張性食塩水に加えられる、それによりその水と共に薬剤の高希釈度で、緩慢な、連続投与を準備することが出来る。第二の代替手段では、その薬剤は、貯蔵器866とカテーテル868の液体ルーメンとの間の注入ポート869を経て溶液供給ライン867内に導入される。その薬剤は、図50のシステム800などの溶液貯蔵システムからの溶液供給ラインの注入ポートに送ってもよい。この後者の代りを用いると、薬剤のより濃縮された服用量が、医師により望まれた指定時間で投与可能である。薬剤が貯蔵器866内に逆流、または拡散できないことを保証するために貯蔵器866と注入ポートとの間に分子のふるい、チェック弁、または空気トラップ870を含むこともまた望ましい。
【0104】
肺に投薬する時、または給湿のために水を投与する時、投与前に液体を加熱することが望ましい。これは、液体の噴霧と関連するガスの膨張が身体から熱を奪うので、特に適切であろう。この問題に対処するために、加熱要素871が噴霧カテーテル868への液体供給ライン867と入れることもできる。この加熱要素871はその供給ライン867の周りに巻き付けられた電気コイルを含む、またはその供給ライン867の周りに巻き付けられた管材料内を流れる加熱した水を使用してもよい。その加熱要素871は、給湿を備えた態様だけでなく、それを備えない態様においても使用してかまわない。又は、その加熱要素871はガス供給ラインと、または液体貯蔵器866と関連付けられてもよい。
【0105】
患者の吸入により肺に運ばれるエーロゾルを発生できるように、噴霧カテーテルを動作させるのが一般に望ましいと見なされる。これは、エーロゾル発生のパルス化を必要とする、それで患者の吸入と一致するようにタイミングをとることが出来る。もし患者が挿管されているならば、噴霧のタイミングは送気装置の動きと同期させることが出来る。噴霧先端部と肺胞との間の距離を考慮に入れるために吸入時間の開始の僅か前に、または僅か後に噴霧を開始するのが望ましいことが分かる。また、吸入流が止まった後の無駄なエーロゾルを回避するために、吸入時間の終りの僅か前にその噴霧を停止することが望ましい。
【0106】
エーロゾルのこの連続パルス化は図54と図55に示されるようにシステム872により達成できる。図54と図55は噴霧カテーテルの流量コントロールシステムの一部を示す。流れライン876は入口880と出口884とを有する。その流れライン876はソフト(例えば、柔軟な)チューブから形成してもよい。その入口880は液状薬剤源に接続する、そして特に図50乃至図52に示される液体貯蔵器の液体出口(828、または856)に付けてもよい。図54と図55における流れライン出口884は、図1と図2におけるポート32などの、噴霧カテーテルのマニフォールド上の液体入口ポートに接続する。アクチュエーター・ピストン888がその流れライン876の部分の周りに配置されている。そのアクチュエーター・ピストン888は、その中を延びる液体流れライン876の部分に突き当たることが出来るソレノイド・ピンチ弁892を含む、それによりそのラインを締め付けることが出来る。そのアクチュエーター・ピストン888は、ベンチレータから(外部噴霧器のために使用される補助ポートからなど)の入力を受けるコントローラーに接続され、そしてそれにより作動されるので、そのアクチュエーター・ピストン888はベンチレータの吸入と排出とに同期させてその流れラインを開閉することが出来る。ソレノイド・ピストンの代わりに、計量弁、または可逆性注射器ポンプを使用してもよい。
【0107】
望ましい態様において、その流れコントロールシステム872は、引き戻す特徴を与えるために二重ソレノイド配置を使用する。アクチュエーター・ピストン888の作動により液体流のパルス化は、圧力が切られた時に遠位噴霧液体オリフィスに幾らかの液体が残留することもある。これは、その液体が制御された圧力条件下で吐出されていないので、遠位液体オリフィス先端部からの少量の液だれとなることもある。そのような液だれの発生を抑制するために、ドローバックの特徴がその流れコントロールシステム内に提供される。そのドローバックの特徴は、流れライン876と導通する袋体900と関連付けられる第二ソレノイド896により提供される。その袋体900はアクチュエーター・ピストン888の下流の流れコントロールライン876と導通する。小量の流体(液体/空気)がその袋体900を占有する。その袋体は、膨張したサイズに復元する素質をもって形成される伸縮性材料から構成される。アクチュエータ・ピストン888が噴霧カテーテルの遠位端部への流体の流れを可能にするために開くと、第二ソレノイド896が閉位置に移動する、それによりその袋体900を圧縮して、図54に示されるように、それから流体を流体の流れライン876内に絞り出す。換気サイクルの発散段階の間に、そのアクチュエーター・ピストン888は噴霧カテーテルの遠位端部への流体の流れを遮断するために閉じる。そのアクチュエーター・ピストン888が閉じると、図55に示されるように、第二ソレノイド896が開く。これは袋体900がその膨張サイズに弾力的に回復できるようにする、そしてそれが回復すると、流体を流体の流れライン876から流体をその中に引き込む。その流体の流れライン876はアクチュエーター・ピストン888の近くで閉じられるので、その袋体が流体の流れライン876からその中に流体を引き込むと、それは、噴霧カテーテル液体ルーメンに接続する流体の流れラインの遠位端部から流体を引き出す。これは噴霧カテーテルの液体ルーメン内の液体の全コラムを僅かに逆方向(即ち近位)に移動させる、それによりその液体を遠位オリフィスから離れるように移動させることが出来る。このような方法で、図54と図55の流れコントロールシステムは、液体の流れラインが遮断されると、換気装置の発散局面中に逆方向への流れライン内の液体の引き戻しを可能にする。
【0108】
VII.選択的噴霧投薬治療
噴霧カテーテルで薬剤を投与する時、肺の他方ではなく、一方の気管支にのみに、または他のものではなく特定の気管支にのみ投薬することが望ましい。このタイプの選択的療法の理由は、肺の一部のエリアのみが薬物治療を必要とすることからであろう。図56に示された発明の態様は一方の気管支のみに噴霧カテーテルを介しての薬物の選択的投与を容易にする。図56において、気管内チューブ904は患者の気管908内に位置決めされる。噴霧カテーテル912はその気管内チューブ内に位置決めされる。この噴霧カテーテル904は上述の態様と似かよったものでもよい。この噴霧カテーテル904は、気管内チューブ内に固定的に組み込まれているタイプのものであってもよい。第二カテーテル916は気管内チューブ904の遠位方向に延びる。その第二カテーテル916は気管内チューブ904の換気ルーメン920内に位置決めされるのがよい。その第二カテーテル916は、低い流れ加圧ガスが通されるルーメンを含む。第二カテーテル916の近位端部は気管内チューブ904の近位端部から、米国特許第5,078,131号明細書で説明される器具などの、適当な器具の中を延びる。加圧ガスの適当な供給源は第二カテーテル916の近位端部に設置される。このガス供給源は噴霧カテーテル912の加圧ガスルーメンのために使用されたのと同じガス供給源であってもよい。第二カテーテル916の遠位端部928は、噴霧投薬することが望まれる気管支以外の気管支内に位置決めされる。加圧ガスは第二カテーテル916を通じてその遠位端部内のオリフィス936から送られる。第二カテーテル916の遠位端部936からの加圧ガスの送りは、気管支932内の圧力レベルを他の気管支におけるよりも僅かに高くさせる。故に、その噴霧カテーテル912が液状薬剤のエーロゾルを発生する時、それは気管内チューブ904から第二カテーテル916と供にある気管支以外の方に吸入流と供に流れる傾向がある。このように、肺の気管支の一方、または選択された気管支は、気管内チューブ内に位置決めされた単一噴霧カテーテルを用いて選択的に投薬できる。
【0109】
VIII.噴霧のタイミング
前述のように、噴霧薬剤を肺に投与するために薬剤は患者の吸入により運ばれることが望ましい。多数の要因が、この方法で投与される薬の効率に影響を及ぼす。次の態様はこれらの要因の幾つかを考慮に入れた投薬効率の向上に向けられる。
【0110】
もし患者が挿管されているならば、患者の換気と噴霧パルスのタイミングを同期させることが可能であろう。1つの態様において、これはベンチレータと噴霧器間にインターフェイスを提供することにより達成されよう。ある状況においては、噴霧を誘発するための他の手段を提供することが望ましい。例えば、使用されているベンチレータは適当なインターフェイスを与えないこともある。また、そのベンチレータは、噴霧カテーテルを高効率で動作できるようにするのに患者の呼吸に関する正確な情報を十分に提供しないかも知れない。そのような状況において、その噴霧カテーテルを誘発して動作させるために使用できる情報を得るために一つ以上の独立したセンサーを利用することが望ましい。
【0111】
図57において、患者の気管952内に位置する気管内チューブ948内に位置決めされた噴霧カテーテル944が在る。気管内チューブ948の近位端部は換気装置956に接続される。噴霧カテーテル944により噴霧パルスの発生のタイミングを取るのに使用するための患者の呼吸に関する生理学的情報を得るために、一つ以上のセンサーを使用してもよい。例えば、第一センサー960を気管内チューブ948の遠位端部上に位置してもよい。更に、センサー964は噴霧カテーテル944上に位置決めしてもよい。他のセンサー968を、呼吸システム内の更に遠位に位置する独立したカテーテル972などの、独立した装置上に位置決めしてもよい。更に、センサー976は換気装置956の換気装置回路内、またはもし在れば、換気装置補助ポート内、または患者のどこかに位置決めしてもよい。これらのセンサー960、964、968、976は、筋肉収縮、電気生理学的活動等の、圧力、流れ、または患者の生理学的パラメーターを測定するセンサーのタイプであってもよい。代替態様において、一つ以上のこれらのセンサーを使用してもよい。
【0112】
図58と図59はセンサーを含む噴霧カテーテルの代替態様を示す。図58において、噴霧カテーテル980が示される。この噴霧カテーテル980は図11における噴霧カテーテルと似かよったものでもよい。図58において、主軸984は液状薬剤を送るために使用される中心に位置するルーメン988と加圧ガスを送るために使用されるその周辺に位置する複数のルーメン992とを有する複数のルーメンを含む。周辺ルーメン996の一つは加圧ガスのために使用されないが、その代りに感知目的のために使用される。これは主軸984の壁を通じて開口部100とを形成することにより達成してもよい。そのルーメンは感知ルーメン996と連通する。その開口部1000は開口しているか、またはそれを横切る圧力の伝達を許す柔軟なダイアフラムで覆ってもよい。圧力感知装置は噴霧カテーテルの近位端部に位置してもよい。噴霧カテーテルの遠位端部における圧力は感知ルーメン996を経て近位に位置する感知装置により感知できる。これは遠位の気圧についての空圧的感知に頼ることが出来る。遠位ガス加圧オリフィスの影響のために、感知ルーメン996を通じての圧力感知は安全目的のための総過圧力の目的のために使用してもよい。又は、圧力感知ルーメン996は、加圧ガスが患者の生理学的気道圧力を感知するために送られていない時の一定時間使用してもよい。
【0113】
図59は圧力感知噴霧カテーテルの他の態様を示す。この態様は、センサー1004がカテーテル980の遠位端部に位置していることを除いて、特に開口部1000において、図58の態様と似かよっている。この態様において、センサー1004は圧力変換器である。ワイヤー・リード1008はルーメン996を経てセンサー1004から近位に延びる。圧力を測定する代わりに、そのセンサー1004はカテーテルの遠位端部における流れを測定する。これは圧電、光学、ホール効果、または他のタイプのセンサー技術により達成しえよう。そのセンサーはまた、ファイバー光学タイプのものでもよい。
【0114】
図58と図59の実施例は噴霧カテーテルと関連付けられた感知装置を示すが、これらと同じタイプのセンサーもまた、気管内チューブ948、独立したカテーテル972、または図57のベンチレータ956、またはベンチレータ回路内で使用することができる。
【0115】
そのセンサーは、噴霧カテーテル・システムの流れコントロール部分1013を作動させるコントローラー1012に情報を出力する。その流れコントロール部分は、ガス加圧のためのコントロール機能だけでなく流れコントロール・アッセンブリー872(図55に示される)を含めてもよい。そのコントローラー1012はあらかじめ設定されたトリガーパラメータを有するか、またはユーザー調整可能であるのがよい。コントローラー1012は、その流れコントロール・アッセンブリー1013を制御するためのベースとして気道流、圧力、または生理学的活動を使用してもよい。そのコントローラー1012は次のモードの何れか一つに基づいてパルス化を準備することができる:(1)制御された容量(ボーラス)の薬剤が各パルスと供に投与される;(2)生理学的条件、例えば呼気、が感知されるまで薬剤が投与される;(3)薬剤は固定期間、例えば2秒間、投与される。操作のこれらのモードは、患者の状態を考慮に入れた望ましい治療、投与された薬剤の種類等に基づいて医師により選択可能であろう。
【0116】
エーロゾルが吸入毎に投与されないように、エーロゾルの投与を抑制することもまた望ましい。上述のように、膨張ガスの送りに関する問題は、身体に与えるかも知れない冷却効果である。これは高いガス流速度に伴う要因である。故に、エーロゾルを吸入の一回おきに、または3回の吸入毎等に投与することが望ましい。択一的に、一定期間、例えば毎時5分間エーロゾルを投与することも望ましかろう。故に、エーロゾル投与を交互にすることによって、それに関連したその冷却効果は低減出来る。
【0117】
IX.代替態様
A.気管内チューブ内に組み込まれた噴霧カテーテル
上述された噴霧カテーテルの種々の態様は、独立した気管内チューブ提携して使用するように適応されるか、または気管内チューブなしで使用されるように適応されるかの何れかで説明されてきた。もし気管内チューブと供に使用されるならば、上記噴霧カテーテルの態様は、もし提案されるならば、気管内チューブから脱着可能であるのが望ましい。ここで開示された本発明の態様の多くは気管内チューブから脱着できない、即ちその噴霧カテーテルはその中に組み込まれて、気管内チューブの一部を形成する噴霧カテーテルと連係して使用してもよい。噴霧化投薬用の気管内チューブはDr. R. MacIntyreにより1992年3月10日に「Endortracheal Tube Adapted for Aerosol Generation at Distal End
Thereof(その遠位端部でのエーロゾル発生のために適応された気管内チューブ)」の
名称で提出された特許出願で説明される。Dr. MacIntyreにより開発されたシステムによれば、その遠位端部において薬剤の噴霧化を準備する気管内チューブが提供される。Dr. MacIntyreのシステムによれば、気管内チューブは患者の呼吸気流のために使用される主換気ルーメンに加えて、二つの追加の、独立したルーメンを含む。液状の薬剤は追加的ルーメンの一方を経て運ばれる、そして加圧ガスが他方のルーメンを経て運ばれる。その二つの追加的ルーメンは気管内チューブ気流ルーメンの遠位端部の近くに遠位開口部を有する。加圧ガスルーメンの遠位開口部は、加圧ガスを遠位薬剤ルーメン開口部の向こう側に方向付ける、それにより液状薬剤を噴霧化できるので、患者の肺に投与できる。本発明は、気管内チューブに関して非脱着可能である噴霧カテーテルの態様をカバーすることは意図されている。
【0118】
B.多孔性材料でのエーロゾル発生
図60はエーロゾルを生成するための他のカテーテル1060を示す。そのカテーテル1060はカテーテルのルーメンに位置する多孔性材料、またはスポンジの使用によりエーロゾル、またはエーロゾル状プルームを発生する。そのカテーテル1060は、液状薬剤が加圧下でその中を運ばれるルーメン1068と、ガスが加圧下でその中を運ばれるルーメン1072とを備えた主軸1064を有する。多孔性材料1076は軸1064の遠位端部に位置するので、両方のルーメン1068と1072とはそれらの内容物をその多孔性材料1076内に運び入れる。その多孔性材料1076はポレックス(Porex)製の多孔性のポリエチレンであってもよい。又は、その多孔性材料は、ポリマー・スポンジか、または他のポリマー材料であってもよい。その多孔性材料1076の遠位の主軸1064内に位置するのは、オリフィス1084をその中に備えたエンドキャップ1080である。そのオリフィスは小さく、且つカテーテル軸と多孔性材料エリアで正の背圧を維持する。そのエンドキャップ1080は小さなギャップ1082により多孔性材料1076の遠位側から分離される。圧力下で多孔性材料1076に送られた液体とガスとは多孔性材料を経て、ギャップ1082を横切って開口部1084に向って移動する。液体とガスは圧力下で混合状態となり、そしてそれらが細い先端部から吐出されると、そのガスは液体粒子を膨張させて、小さな滴で撒き散らす。開口部1084を通じての発散時には、その薬剤は小さな滴、例えばエーロゾルを形成する。そのエーロゾルは、上記態様で説明されたものと似た方法で患者の肺に運ばれる。遠位液体オリフィスに多孔性材料、またはスポンジを使用する利点は、それが液だれを低減することにある。
【0119】
C.二次エーロゾル発生
ある状況においては、噴霧カテーテルにより発生された一次エーロゾル・スプレーを修正することが望まれるかも知れない。これが達成できる一つの方法は、一次エーロゾルスプレーをその通路内に置かれたバフルに衝突させることによるものである、そのスプレーの速度と方向とが変更されて、そしてそのエーロゾルの分布のサイズが修正されて、二次エーロゾルを作る。正しく位置したバフル上への衝突は、大きなエーロゾル粒子をばらばらにして、より細かいエーロゾルの霧を作る。そのバフルはまた、粒子を運ぶ気流を偏向、または拡散して、それらの前進速度を低減し、且つそれらの方向を変える。これは気管竜骨、または気道上への衝撃を低減でき、そして吸入気流内への粒子の搬入性を高めることが出来る二次エーロゾルを提供するために衝突バフルを組み入れる噴霧カテーテルの態様が図61乃至図64で示される。
【0120】
図61において、噴霧カテーテル1140は、カテーテルの軸1146内に位置するガスルーメン1142と液体ルーメン1144とを有する。そのガスルーメン1142は加圧ガスを遠位ガスオリフィス1148に運び、そしてその液体ルーメン1144は液体を遠位液体オリフィス1150に運ぶ。バフル1152はバフル延長チューブ1154に接続するので、そのバフル1152は液体オリフィス1150の遠位に位置する。そのバフル1152は、一次エーロゾルの発生を妨害することなく可能な限り溶液オリフィス1150近くに位置するのが望ましい。
【0121】
微細粒子に分解されない幾らかの一次エーロゾルはバフル1152上に留まり、時間と供に積み重なって、バフル1152の表面上に薄い液状フィルムを形成する。もしこのフィルムが増加するまま放置されるならば、それは落下するか、またはそのバフルから吹き飛ばされる小滴を形成する。これらの小滴はかなり大きくなり、そして溶液の浪費であるほとんど、または全く治療的使用価値のないものとなる。
【0122】
溶液のこのフィルムを再循環するために、そのバフル1152が液体溶液を収集して、液体供給ルーメン1144に戻すために使用されるのがよい。これを達成するためにその、バフルは、溶液のフィルムの収集するためのバフル1152のその表面上に一つ以上のオリフィス1158、または多孔性材料を備えているのがよい。そのオリフィス1158は、そのバフル内に、またはそれを通じて流入させる、そして延長チューブ1154の内側に位置するルーメンを経て溶液供給ルーメン1144と流体で連通状態となる。その延長チューブ1154の内側のルーメンは溶液ルーメン1144、または延長部と直接に連通するのがよい。
【0123】
図61の態様において、噴霧オリフィス1150においてその上のガス流により発生された負圧は、延長チューブ1154内のルーメンを経てバフル再循環オリフィス1158から再循環された溶液を引き出し、そして再度液体オリフィス1150から引き出すために使用される。この場合、再循環オリフィス1150、または表面は流体の再循環を引き起こすために溶液オリフィス1150よりも高い雰囲気圧のエリア内にあるべきである。これは溶液およびガスオリフィス1150と1148との反対側のバフル1152の遠位側に収集オリフィス1158を設置することにより達成されるかも知れない。溶液ルーメン1144内にポンプで送り込まれた新溶液(近位に位置する溶液貯蔵器から)の流れは、バフル1152からの溶液の最小量がオリフィス1150に再循環されることを保証するために溶液オリフィス1150から引き出された流れよりも少なくあるべきである。
【0124】
図62は二次エーロゾルを発生する目的のためのバフルを組み込む噴霧カテーテルの他の態様を示す。この態様は、再循環された流体がカテーテル軸1146内の再循環ルーメン1160内に引き戻されることを除いて、図61の噴霧カテーテルに似ている。その再循環ルーメン1160は、再循環された溶液が溶液ルーメン1144内の新たに供給された液体とそのロケーションで混合される接合部1162における液体ルーメン1144と導通する。
【0125】
図63は他の代替態様を示す。この態様は再循環された溶液がバフル1152から再循環ルーメン1160に、それから再噴霧のための独立した溶液オリフィスへと経路をとることを除いて、図62の態様と同様である。この専用溶液オリフィス1161はまた、再噴霧を生成するためにガスオリフィス1148近くのカテーテル先端部に位置する。この独立したオリフィス1161から発生されたエーロゾルは、共通調整装置1158に方向付けられて、それをより小さな粒子に分解する、そして溶液の一部がそのバフル上に再び留まり、そして再循環される。このアプローチは、単一溶液オリフィスへの新と再循環された溶液との流れの平衡を保つことの難しさを排除することが出来る。
【0126】
図64に、二次エーロゾルの発生のための調整装置を組み込む噴霧カテーテルの他の態様を示す。この態様において、噴霧カテーテル1170は液体供給1176に接続された液体ルーメン1174を備えた軸1172を有する。ガスルーメン1178は加圧ガス供給源1180に接続する。その液体ルーメン1174は遠位液体オリフィスと連通し、そしてガスルーメンは遠位ガスオリフィス1184と連通する。バフル1186は液体オリフィス1182の前方に位置する。バフル1186に衝突するエーロゾルは、バフル1186は周辺を流れる二次エーロゾルを生成する。液体の残留フィルムはそのバフル1186の周りを移動して、そしてバフル1186の遠位側に位置するバフルオリフィス1190内に入る。そのバフルオリフィス1190は、本体の外側に位置するリザーバ194にカテーテル軸を介して伸張する再循環ルーメン1192と連通する、ここで再循環された溶液は近位薬剤貯蔵器からポンプで送られた非循環溶液と組み合わされる。システム内への循環および非循環溶液の流れは発生されるエーロゾル量と一致するように慎重に平衡が保たれるべきである。これを達成するために、流れの計量とポンプ作用で送り込む戦略が採用できる。
【0127】
D.加圧噴霧剤キャニスタを有する噴霧カテーテル
上述の態様において、薬剤は液状で遠位液体オリフィスに送られる。図65で例示された、他の態様においては、薬剤は推進薬と混合され、圧力下で保持され、そして噴霧カテーテル1198の遠位先端部に加圧下で送ることもできる。加圧された薬剤/液体推進混合は、計量された、または計量されていない服用量の吸入器の成分として使用されるこれらのように、加圧された容器1200から供給できる。推進薬即ち噴射剤を使用することにより、エーロゾルは、加圧された噴霧ガスを加えなくてもカテーテルの遠位端部1202から発生できる。しかしながら、噴霧カテーテルの遠位端部からの加圧ガス1204の送りは、大きな薬剤粒子を分解するのを助け、そしてエーロゾルプルームを形作るのを助けるだけでなく、カテーテルを通じて送られた噴霧化された薬剤溶液を散乱させるのを助けるために使用される。例えば、加圧された噴霧ガスの送りは、薬剤液体推進混合により発生されたエーロゾルを保護するのを助け、そして衝突に因る損失を回避するのを助けることもできる。
【0128】
E.吸入カテーテルに組み込まれた噴霧機能
上述のように、噴霧カテーテルは、脱着可能、または固定的に、気管内チューブなどの、他の装置内に組み込むことが出来る。噴霧カテーテルがそれに適応できる他のそのような装置は吸入、または吸引カテーテルである。吸入カテーテルは、器官内チューブされている患者との関連で時々使用される。吸入カテーテルは、気管内チューブの換気ルーメンを通じて挿入出来るような、外径と長さを有する。その吸入カテーテルは、器官内チューブされる患者の呼吸管内、または気管内チューブ内で収集する流体やムチン分泌物を吸引により取り除くために使用される。従来型の吸入カテーテルは、気管内チューブの換気ルーメンを下降して、そしてその遠位端部から挿入される。粘液溶解剤が、気管、または気管支からムチンを回収するのを助けるために吸入カテーテルのルーメンを経て液体として点滴注入してもよい。その吸入カテーテルは気管内チューブから取り出され、そして気管内チューブの近位端部に接続された無菌容器内に置かれる、または保持されるので、再度気管内チューブ内に再挿入できる。
【0129】
噴霧カテーテルは吸入カテーテル内に組み込むことが出来るので、単一の装置が吸入とエーロゾルを送るための噴霧との両方の機能を行うことが出来る。本発明の代替態様において、上述のような、噴霧カテーテルは、吸入カテーテル内に組み込むことが出来るので、単一のカテーテルが両方の機能を提供できる。これは、患者の呼吸管から液体を回収するために吸入を提供する目的のための独立したルーメンを有する上述された噴霧カテーテルの態様の何れによっても達成できる。吸入カテーテルと噴霧カテーテルとの機能を単一装置に組み合わせると、独立した装置を挿入したり、引き戻したりする不便さを回避するだけでなく、独立した製品の費用を回避する利点を有する。
【0130】
噴霧カテーテルと組み合わせた吸入カテーテルの態様が、図66乃至図73に示される。図66乃至図70は吸入カテーテル・アッセンブリー1220を示す。その吸入カテーテル・アッセンブリー1220は、柔軟な鞘状体1224の内部に滑動的に位置する吸入カテーテル軸1222を含む。吸入ルーメン1225はその吸入カテーテル軸1222を通じて延ている。近位マニフォールド1226は真空源を吸入カテーテルルーメン1225に接続するためのポート1228を含む。弁1230はそのポートを開閉するために作動する。遠位スリーブ1232は気管内チューブへの接続を準備するので、吸入カテーテル軸1222は遠位スリーブ1232に向って近位マニフォールド1226を押すことにより気管内チューブ内に挿入できる。遠位スリーブ1232はフラッシュポート1233への接続のためのマニフォールドを含むのがよい。スリーブ1232内に配置されたシール1235は、フラッシュポート1233を経て排除される粘液、または多の不要物を取り除くために吸入カテーテル軸上に密接して当接する。吸入カテーテルの軸は、粘液の粘着性を低減するために低摩擦、例えば親水性、コーティングを設けられるのがよい。
【0131】
その吸入カテーテル・アッセンブリー1220は二つのルーメン1234と1236とを含む。これらのルーメン1234と1236とは吸入カテーテル軸1222の壁内に位置する。これらのルーメン1234と1236とは吸入カテーテル軸1222の遠位端部に位置する遠位オリフィス1238と1240と連通する。これらのルーメン1234と1236とは、上述のように、液状薬剤を噴霧するための液状薬剤と加圧ガスとを投与するために使用される。又、吸入開口部1242が吸入カテーテル軸1222の遠位端部に配置される。
【0132】
吸入カテーテル・アッセンブリー1220は気管と気管支とからムチンを取り除くために従来の方法で使用できる。その吸入カテーテル・アッセンブリー1220はまた、噴霧ルーメン1234と1236とによりエーロゾルを送るために使用できる。その噴霧ルーメンはまた、エーロゾルとして粘液溶解剤を送るために使用できる。噴霧ルーメンにより送られた微細エーロゾルは患者の吸入気流により気管支内に運ばれるので、粘液溶解剤は単に粘液溶解剤の粗いスプレーを徐々に点滴注入、または発生する吸入カテーテルと比べて、気管支内に更に送ることが出来る。更に、ガス加圧ルーメンにより生成された流速は、吸入カテーテルの端部における粘液を取り除くのを助けるために使用してもよい。吸入カテーテルアッセンブリー1220を用いる時、図68に示されるように吸入カテーテル軸1222遠位端部が気管内チューブ1250の遠位端部に近くなるように位置決め出来る、または、図70に示されるように、その吸入カテーテル軸1222が気管内チューブ1250の遠位端部を過ぎて延びるように位置決め出来る。図70に示されるように、吸入カテーテルの遠位端部が気管壁と接近するように、その吸入カテーテル軸1220は遠位湾曲部を有するように形成してもよい。
【0133】
噴霧ルーメンを吸入カテーテルの壁に組み込むのではなく、多くの状況で、独立型の噴霧カテーテルを有する従来型の吸入カテーテルを使用することが望ましい。その独立型噴霧カテーテルは、上述の何れの態様にも似かよっているものでよい。吸入カテーテルと噴霧カテーテルは図71乃至図73に示されるマニフォールドの交代的バージョンと供に容易に使用できる。
【0134】
図71を参照すると、気管内チューブ1252は単一ポート1254を備えた近位端部を有する。吸入カテーテル1256は遠位マニフォールド1258を有する。遠位マニフォールド1258は吸入カテーテル1256の一部分として形成されるか、または分離した構成要素として提供される。その吸入カテーテルマニフォールド1258は気管内チューブ1252の単一ポート1254に接続される。そのマニフォールド1258はベンチレータに接続するための第一ポート1260と、噴霧カテーテル1266の近位端部に接続するための第二ポート1264とを有する。図71に示されるように、その噴霧カテーテル1266は、吸入カテーテル1262上に包含された鞘状体に似かよっている無菌鞘状体1266を含む。図71の態様において、吸入カテーテル1256と噴霧カテーテル1266は気管内チューブ1252の換気ルーメンの内部に交互に位置決めされる。その吸入カテーテル、または噴霧カテーテルは一時的に引っ込められ、そして他方が使われている間、その無菌鞘状体内に保持される。
【0135】
図72を参照すると、吸入カテーテルと噴霧カテーテルとを気管内チューブに接続するための他の配置が示されている。この態様において、マニフォールド1270は気管内チューブ1252の近位端部に接続されている。そのマニフォールド1270は噴霧カテーテル1266を受入れるためのポート1274と第二ポート1276とを有する。吸入カテーテル1280の遠位マニフォールド1278は第二ポート1276に接続されている。吸入カテーテルマニフォールド1278はベンチレータに接続するためのポート1282を有する。この配置は図71の配置と同様に使用できる。
【0136】
図73は吸入カテーテルと噴霧カテーテルとを気管内チューブに接続するための他の配置を示す。この態様において、気管内チューブ1252は二重ポートを含む近位端部を備えている。第一ポート1284は噴霧カテーテル1266を受ける。第二ポート1286は、従来の方法で換気装置に直接的に接続されるか、または吸入カテーテル(図示されない)の遠位端部に接続されるのがよい。
【0137】
他の代替態様において(図示されない)、噴霧カテーテルが吸入カテーテルの吸入ルーメンの下に配置される。
【0138】
図74はエーロゾルの噴霧を組み込む吸入カテーテルの他の態様を示す。図74において、吸入カテーテル1400は気管内チューブ1250の換気ルーメンから延びる。その吸入カテーテル1400は吸入カテーテル軸の遠位端部近くに配置された遠位吸入オリフィス1402を含む。液体とガスのオリフィス1404の一つ以上のペアーが吸入オリフィス1402の近位の吸入カテーテル軸に沿って配置されている。その液体とガスのオリフィスのペアー1404は、前述の態様におけるように液体オリフィスに送られる液体のエーロゾルを生成するために互いに配置される。その噴霧オリフィス1404は、気道壁に向って噴霧オリフィス1404から送られたエーロゾルを方向付けるために吸入カテーテル軸から半径方向に指向される。一つの態様において、送られたエーロゾルは粘液溶解剤である。吸入オリフィスが行う吸入により、遠位方向で粘液溶解剤により処理された粘液だけでなく噴霧オリフィスから送られた粘液溶解剤が吸入オリフィス内に引き込まれる。
【0139】
エーロゾル送りを有する吸入カテーテルの他の態様が図75に示される。吸入カテーテル1410は気管内チューブ1250の換気ルーメン内に位置する。先の態様におけるように、吸入カテーテル1410は気道から粘液を取り除くための遠位吸入オリフィス1412を有する。更に、吸入カテーテル1410はエーロゾルを生成するために互いに近接して位置する遠位ガスおよび液体オリフィス1414をも含む。その液体およびガスオリフィスは吸入カテーテル軸の遠位延長部1416に位置するので、それらは吸入オリフィス1412の遠位にある。その液体およびガス噴霧オリフィス1414は吸入オリフィス1412に向う近位方向に指向される。その遠位遠町歩1416は噴霧オリフィス1414を気道の壁の近くに来るように形成されるので、噴霧オリフィス1414から送られたエーロゾルは気道壁を洗浄することが出来る。先の態様におけるように、送られたエーロゾルは気道からの粘液の吸入を容易にするための粘液溶解剤であるのがよい。気道からの粘液の除去を助けるために加圧ガス流を使用してもよい。
【0140】
F.振動での噴霧
噴霧カテーテルの遠位先端部に位置した振動オリフィス、複数オリフィス、または目打を有するスクリーン、または振動ワイヤーが、微細エーロゾル粒子の発生を助けるためにも採用できよう。その震動は、電機的、液圧的、空圧的、または圧電的手段により発生させてもよい。その振動は軸内、または体外で、カテーテルの先端部において発生されるかも知れない。
【0141】
振動先端部を組み込む噴霧カテーテルの一つの態様が図76に示される。噴霧カテーテル1300は、液状薬剤投与のためのルーメン1304と、加圧ガスの送りのためのルーメン1306とがそれを通じて延長する軸1302を含む。その液体ルーメン1304は遠位液体オリフィス1308と連通し、そしてガスルーメン1306は噴霧カテーテル軸の遠位端部に位置する遠位ガスオリフィス1310と連通する。先端部で、オリフィス1308と1310を圧電材料1314に穴明け又は形成しても先端部に機械的に取り付けられたオリフィス挿入物、プレート、チューブ、またはスクリーン穴明けして形成して材料の振動をオリフィスに伝達してもよい。ガスと液体の両オリフィスを振動させても、又は、液体オリフィスのみを振動させても良い。他の態様において、振動が先端部に伝達されるように、カテーテルの全体の軸が振動してもよい。その震動は、オリフィス振動の振幅を増すために機械的手段により増幅させてもよい。二本の電気のリード線1316と1318とが体外ジェネレーターとコントロール回路とから圧電材料1314に両極、または単極パルスを伝えるために使用してもよい。オリフィス振動の振幅と振動数は、ガスと溶液の流速、オリフィス構造、そしてエーロゾル粒子の所望のサイズに基づくエーロゾル生成を最適化するために調整してもよい。その発生装置は、システム内の漏電を検出した場合にその操作を終了させるために電流漏れセンサーを備えている。その震動は、吸気と一致し、そしてまた先端部における振動により発生された熱を制御するためにパルス化される。カテーテル先端部における一つ以上のガス供給ルーメンとオリフィスが、振動オリフィスにおいて生成された粒子の分散と輸送で助けるために使用される。
【0142】
代替態様において、そのオリフィスは近位端部に接続されたジェネレータから振動させられるオリフィスに接続された振動ワイヤにより振動されるかも知れない。更なる態様において、図16乃至図19に示されたワイヤ先端部に似かよった振動ワイヤは、振動ワイヤ上に突き当たるオリフィスから送られた液体の噴霧化を起こすために非振動オリフィスを過ぎて遠位に延びてもよい。もう1つの態様において、その先端部は遠隔的に、例えば磁界による、本体外部の源から振動させることもできよう。
【0143】
カテーテル先端部への液体の供給もまた、溶液オリフィスにおいて小滴を放出されるようにするために速くパルス化されることが可能である。これはオリフィスに溶液の連続流を送ることよりも細かいエーロゾルを発達させることもできよう。そのパルス振動は、溶液リザーバ(ルーメンを含む)の全体、または部分を速く膨張と収縮を繰り返すことにより達成できる。リザーバの膨張と収縮は、その貯蔵器、または貯蔵器の可動柔軟部分の内部で、そのリザーバを形成する電機的、液圧的、空圧的、または圧電的アクチュエータにより起こされる。そのような態様を図77に示す。噴霧カテーテル1500は、加圧ガス供給源1504に接続されたガスルーメン1502、そして液状薬剤供給源1508に接続された液状薬剤ルーメン1506とを備えた軸1502を含む。液体内に圧縮波、またはパルス振動を伝達する手段が液状薬剤供給源1508に含まれる。その波を、1509で液体に示す。その波動伝達手段は変換器1510、または他の同等の装置であってもよい。装置1510を含むその振動は、100ヘルツよりも高い振動数で周波数ジェネレーター1513により駆動させることができる。液体に誘引されたその振動は、遠位液体オリフィス1514に向って合わされる、または向けられることもある。振動が先端部の近位のロケーションで発生される場合、その噴霧カテーテル軸は軸内に、またはオリフィス近くにパルス振動を伝達、または増幅することが出来る機械的手段を組み入れてもよい。図77の態様において、ワイヤー1516は、その振動1509を遠位オリフィス1514に伝達するのを助けるためにパルス振動発生手段1510から液体ルーメン1506まで延びてもよい。液体に伝達されたパルス振動は、遠位液体オリフィス1514からエーロゾルを発生するために使用されるか、または、高められた噴霧化のためのガスルーメン1502を通じて送られた加圧ガスと供に使用してもよい。オリフィス振動1514の振幅と振動数は、ガスと溶液の流速、オリフィス構造、そしてエーロゾル粒子の所望のサイズに基づくエーロゾル生成を最適化するために調整してもよい。
【0144】
各パルスにより液体オリフィス1514から分散された容積は、約10マイクロリットルより少なくあるべきであり、そしてパルス振動は100ヘルツよりも高い振動数で発生すべきであるが、より小さい容積とより速い振動数とがより細かいエーロゾルを生成するために使用されるのがよい。パルス振動の最小の減衰を保証するために貯蔵器とルーメンは最小のコンプライアンスの材料で構成されることが望ましい。カテーテル先端部におけるガス供給オリフィスは、溶液オリフィスで生成された粒子の分散と輸送を助けるために使用される。これらのマイクロパルス振動は、患者の吸気段階と一致するようにそれらの間に休止を有するシリーズに組み込まれる。
【0145】
G.エーロゾル発生のための他の方法
上記態様は、噴霧化されるべき液体がそれから出てくるオリフィス近くのカテーテルを通じて、加圧ガスを方向付けることによりエーロゾルが発生される噴霧カテーテルを説明する。呼吸管に薬剤を投与するためのエーロゾルを発生するために他の手段、または作用を用いることはここで説明された発明の範囲内であると見なされる。例えば、上記実施例を、液状薬剤のエーロゾルを発生するために他の手段を利用する装置と共に使用してもよい。単一液体ルーメンにより送られる液体は、超音波エネルギー、電子スプレー、蒸気、またはインクジェットタイプのプリンターで使用されるこれらのものと同様のマイクロポンプをその液体に適用することにより噴霧化することもできよう。噴霧化に対するこれらの他のアプローチを、液状薬剤のエーロゾルを生成するために上述の態様の幾つかのための加圧ガスの使用の代りとしてもよく、または加圧ガスと組合わせても、または互いに組み合わせてもよい。
【0146】
ここで説明された噴霧カテーテルの態様は、小型噴霧器(SVN)、給湿噴霧器、または目、または鼻の投薬のために使用される噴霧器などの、患者の呼吸システムの外部で使用される他の種類の噴霧器でも使用できる。そのような他の種類の噴霧器で使用される時、ここで開示された噴霧カテーテルの態様はバフル上に液体を衝突させる、またはそのような噴霧器においては共通である連続的ベースで液状薬剤を再循環させる潜在的欠点のない細かいエーロゾルを提供する。前述の詳細な説明は限定的であるよりむしろ例示的と見なされるべきであることが意図され、そして全ての同等の物を含む次の特許請求の範囲が発明の範囲を限定することを意図されたことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の第一実施例の分解図である。
【図2】Aは、図1の実施例の組立図であり、Bは図1と図2Aの噴霧カテーテルの断面図である。
【図3】図1と図2Aに示された器官内チューブの他の実施例の平面図である。
【図4】所定の位置の噴霧カテーテルが無い、図3に示された器官内チューブの他の実施例の線a−a’に沿った断面図である。
【図5】所定の位置の噴霧カテーテルがある、図3に示された器官内チューブの他の実施例の線b−b’に沿った断面図である。
【図6】器官内チューブされていない患者の気管内の所定の位置に示された、図1と図2aの噴霧カテーテルの実施例の平面図である。
【図7】噴霧カテーテルの他の実施例を示す、図6の実施例に似た平面図である。
【図8】図7の噴霧カテーテルの線a−a’に沿った断面図である。
【図9】図7に示された噴霧カテーテルの他の実施例を示す、図7の実施例に似た平面図である。
【図10】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図11】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図12】液体ルーメンが閉じた状態で示されている図12の他の実施例の斜視図である。
【図13】液体ルーメンが開いた状態で示されている図12のの他の実施例の斜視図である。
【図14】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図15】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図16】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図17】図10に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図18】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図19】図18に示された噴霧カテーテルの実施例の遠位端の断面図である。
【図20】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の断面図である。
【図21】図20に示された噴霧カテーテルの他の実施例を示す図20に似た断面図である。
【図22】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の部分断面斜視図である。
【図23】図22に示された噴霧カテーテルの他の実施例を示す図22に似た部分断面斜視図である。
【図24】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の部分断面斜視図である。
【図25】図24に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の部分断面斜視図である。
【図26】患者の排気段階における図25の実施例を示す、図25に似た部分断面斜視図である。
【図27】図1に示された噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の斜視図である。
【図28】図27に示された噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の斜視図である。
【図29】図27と28に示された噴霧カテーテルの他の実施例の斜視図である。
【図30】患者の気管内の器官内チューブと共に示された図29に示された噴霧カテーテルの実施例の斜視図である。
【図31】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の近位端の線図と、遠位端の斜視図である。
【図32】図31に示された噴霧カテーテルの実施例の線a−a’に沿った横断面図である。
【図33】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の断面図である。
【図34】図2に示された噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の遠位端の断面斜視図である。
【図35】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の横断面図である。
【図36】図1に示された噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の遠位端の断面斜視図である。
【図37】図36に示された噴霧カテーテルの実施例の線a−a’に沿った横断面図である。
【図38】図36と37に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の斜視図である。
【図39】図37と38に示された噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の斜視図である。
【図40】図1に示された噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の断面斜視図である。
【図41】患者の気管内に示された図1の噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の斜視図である。
【図42】他の心出し器を示す図1の噴霧カテーテルの他の実施例の側面図である。
【図43】さらに他の心出し器を示す図1の噴霧カテーテルの他の実施例の側面図である。
【図44】さらに他の心出し器を示す図1の噴霧カテーテルの他の実施例の側面図である。
【図45】操作の他の段階において示された図44の実施例の側面図である。
【図46】望ましくない状態を示している、患者の気管に位置した噴霧カテーテルの遠位端の側面図である。
【図47】図46に示された状態を改善している、噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の図40に似た斜視図である。
【図48】患者の気管内にある図47の噴霧カテーテルと器官内チューブの他の実施例の斜視図である。
【図49】図6の噴霧カテーテルの他の実施例の平面図である。
【図50】図1の噴霧カテーテルの実施例に接続して使用される医薬品タンクと加圧組立体を示す説明図である。
【図51】医薬品タンクと加圧組立体の他の実施例を示す図50に似た説明図である。
【図52】図51の線c−c’に沿った断面図である。
【図53】選択される給湿と加熱の装置を有する図1の他の実施例の側面図である。
【図54】液体の流れるルーメンを加圧するために使用される図1の実施例に接続して使用される流量制御装置の側面図である。
【図55】他の操作段階における図54の流量制御装置を示す図54に似た側面図である。
【図56】他の使用法を示す本発明の他の実施例の斜視図である。
【図57】センサーを有する全噴霧カテーテル装置を示す斜視図である。
【図58】センサーを有する噴霧カテーテルの実施例の断面図である。
【図59】図58に示された噴霧カテーテルの他の実施例の斜視図である。
【図60】図1の噴霧カテーテルの他の実施例の遠位端の断面図である。
【図61】補助エーロゾルを発生するバッフルを組み入れている本発明の実施例の断面図である。
【図62】補助エーロゾルを発生するバッフルを組み入れている本発明の他の実施例の断面図である。
【図63】補助エーロゾルを発生するバッフルを組み入れている本発明のさらに他の実施例の断面図である。
【図64】補助エーロゾルを発生するバッフルを組み入れている本発明のさらに他の実施例の断面図である。
【図65】加圧された薬剤/放射薬の混合キャニスタを組み入れている本発明の実施例を示す説明図である。
【図66】吸引キャニスタへ組み込まれた噴霧剤キャニスタの実施例の側面図である。
【図67】図66の吸引キャニスタと噴霧剤キャニスタの実施例の遠位端部分の詳細な断面図である。
【図68】患者の呼吸器系内の器官内チューブに配置された図66の実施例の斜視図である。
【図69】図66の実施例の線a−a’に沿った横断面図である。
【図70】他の操作段階で前進した吸引キャニスタを示す図68に似た斜視図である。
【図71】吸引キャニスタと噴霧剤キャニスタを器官内チューブへ受容する構成を示している器官内チューブの近位端の側面図である。
【図72】図71に示された構成の他の実施例の側面図である。
【図73】図71に示された構成のさらに他の実施例の側面図である。
【図74】噴霧によるエーロゾル供給を取り入れている吸引キャニスタの他の実施例の説明図である。
【図75】噴霧によるエーロゾル供給を取り入れている吸引キャニスタのさらに他の実施例の説明図である。
【図76】振動遠位端も取り入れている噴霧剤キャニスタの実施例の遠位端の断面図である。
【図77】液体供給のマイクロパルス化を組み入れている噴霧キャニスタの他の実施例の断面図である。
【符号の説明】
【0148】
416,448 カテーテル装置
417 ガスチューブ
418 薬剤チューブ
419,453,454 薬剤オリフィス
428 ガスルーメン
440,460 向流ガスオリフィス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が供給される近位端と、患者の体内に挿入されて薬剤を噴霧する遠位端とを備えるカテーテル装置(416、448)であって、
該カテーテル装置内を該近位端から遠位端に延び、該遠位端で薬剤を第1の方向に噴霧するための薬剤オリフィス(419、453,454)を有する薬剤ルーメンを備える薬剤噴霧手段と、
該カテーテル装置内を該近位端から該遠位端に延び、該薬剤噴霧手段から噴霧される薬剤に向けて、該第1の方向と反対方向にガスを放出する向流ガスオリフィス(440、460)を有するガスルーメンを有する向流ガス放出手段と、
を有するカテーテル装置。
【請求項2】
該向流ガス放出手段の該ガスルーメン(428)が、該遠位端においてJ字形に曲がっており、該遠位端の先端の該向流ガスオリフィス(440)が該近位端に向けて開口するようにし、
該薬剤オリフィス(419)が、該向流ガスオリフィスよりも該近位端側で該向流ガスオリフィスに向けて開口している
ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル装置。
【請求項3】
該薬剤噴霧手段が、少なくとも該遠位端において、該近位端から遠位端方向での当該カテーテル装置の長手方向に対して平行に延びる第1のガスチューブ(417)及び薬剤チューブ(418)を備え、該薬剤ルーメンは該薬剤チューブにより形成され、該薬剤オリフィスが該薬剤チューブの先端に形成され、該薬剤オリフィス(418)から放出される薬剤が該第1のガスチューブ(417)から放出されるガスによって噴霧化され、
該向流ガスオリフィスが、該噴霧手段を通って延びる第2のガスチューブ(428)を備え、該第2のガスチューブ(428)の遠位端(423)が、該第1のガスチューブ及び該薬剤チューブを超えて延び、J字形とされてその先端が該第1のガスチューブ及び該薬剤チューブ側に向けられ、該ルーメンが該第2のガスチューブにより形成され、該向流ガスオリフィスが該第2のガスチューブの該先端に形成されている請求項2に記載のカテーテル装置。
【請求項4】
該薬剤チューブ及び該第2のガスチューブが、該第1のガスチューブ内を延びている請求項3に記載のカテーテル装置。
【請求項5】
該薬剤チューブと第1のガスチューブが同軸状にされている請求項4に記載のカテーテル装置。
【請求項6】
該薬剤噴霧手段の該薬剤ルーメン(453,454)が、該遠位端においてJ字形に曲がっており、該遠位端の先端の該薬剤オリフィスが該近位端側に向けて開口し、
該向流ガスオリフィス(460)が、該薬剤オリフィスよりも該近位端側で該薬剤オリフィス側に向けて開口している
ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル装置。
【請求項7】
該薬剤噴霧手段が、該カテーテル装置の近位端から遠位端に延びてその遠位端(452)がJ字形にされているカテーテル軸であって、該カテーテル軸を長手方向に延びてJ字形にされた前記遠位端の先端端面に開口し前記近位端に向けられた薬剤オリフィス(453,454)を有する薬剤ルーメンと、該カテーテル軸を長手方向に延びてJ字形にされた前記遠位端の先端端面に開口し前記近位端に向けられたガスオリフィス(453,454)を有するガスルーメンとを有し、前記薬剤オリフィスからの薬剤を該ガスオリフィスからのガスによって噴霧化するようにしたカテーテル軸を有し、
前記向流ガス放出手段が、該カテーテル装置の近位端から遠位端に延び、該ガスルーメンを形成しているガスチューブを有し、
カテーテル軸が該ガスチューブを通り、該カテーテル軸の前記遠位端が該ガスチューブの遠位端を超えて延びるようにされている請求項6に記載のカテーテル装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【公開番号】特開2006−289116(P2006−289116A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198907(P2006−198907)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【分割の表示】特願2003−414815(P2003−414815)の分割
【原出願日】平成7年6月19日(1995.6.19)
【出願人】(594189718)トルーデル メディカル リミテッド (1)