説明

カバー用内視鏡に装着するカバーのカバー保持具

【目的】 少ないスペースでカバー用内視鏡をカバーに装着できるようにすること。
【構成】 カバー保持具(16)内に、内視鏡挿入部カバー部に形成されたカバー用内視鏡挿入チャンネル内部に送気する内視鏡カバー拡張器を一体的に設け、内視鏡カバー拡張器を別個に設置する必要をなくし、内視鏡検査室内のスペースを狭くすることを防止したもの。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体腔内に挿入し、体腔内を内視鏡観察等するための主に電子内視鏡をカバーするカバーのカバー保持具に関する。
【0002】
【従来の技術】体腔内を観察するための内視鏡は、各種疾患を発見したり、患部を治療する等に大きな役割を果たしている。この内視鏡は、体腔内にその挿入部を挿入して使用するものであるため、同一内視鏡を別の被検体に使用する場合は事前に洗浄、殺菌する必要がある。しかし、内視鏡の洗浄、殺菌を充分には長時間を要するので、医療現場での内視鏡使用の効率性には多くの問題があった。そこで、近年、内視鏡観察に必要な送気管路、送水管路、吸引管路、鉗子チャンネル等を具え、かつ洗浄、殺菌が充分に施された使い捨て型のカバーを、光学的要素のみを具えた内視鏡に装着して使用することが提案されている。このように、このカバーは使い捨てとされるものであるため、内視鏡自体への衛生上の配慮は不要となる。
【0003】上記のようなカバー用内視鏡にカバーを容易に、かつ術者が非接触状態で着脱するために、カバー保持具が使用されている。さらに、カバーにカバー用内視鏡を容易に挿入するには、内視鏡挿入部カバー部に形成されたカバー用内視鏡挿入チャンネル内部に送気し、チャンネル内部を拡開させた状態で行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、カバー用内視鏡をカバーに装着するには、少なくともカバー保持具と内視鏡カバー拡張器が必要となる。しかし、内視鏡検査室にはベッドや光源等の各種外部装置が設置されており、内視鏡検査室内を狭くしている。その上、上記のカバー保持具と内視鏡カバー拡張器を設置するとなると、内視鏡検査室内をますます狭小にしてしまうという不具合がある。
【0005】本発明は、上記不具合を解決すべく提案されるもので、少ないスペースでカバー用内視鏡をカバーに装着できるようにしたカバーのカバー保持具を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、カバー用内視鏡にカバーを着脱する際に、カバーを保持するカバー保持具内に、内視鏡挿入部カバー部に形成されたカバー用内視鏡挿入チャンネル内部に送気する内視鏡カバー拡張器を設けたカバー用内視鏡に装着するカバーのカバー保持具とした。
【0007】
【作用】このように、カバー保持具は内視鏡カバー拡張器とが一体化された構成となっているので、最小のスペースでカバー用内視鏡にカバーを円滑に装着できる。
【0008】
【実施例】以下、図面に従い本発明の実施例を説明していく。図1は、本発明に係るカバー用内視鏡を接続した状態の内視鏡装置の全体斜視図である。カート1には、光源装置2、ビデオプロセッサ3、流体制御装置4、VTR5、モニタ6等の周辺機器が収納されている。光源装置2には、カバー用内視鏡7がユニバーサルコード8を介して接続されている。このカバー用内視鏡7には、その挿入部の先端近傍に設けられた図示していない撮像素子から出力された信号をビデオプロセッサ3に入力させるケーブル9が接続されている。
【0009】また、カバー用内視鏡7には、カバー用内視鏡7を覆うカバー10が被覆されている。このカバー10は、挿入部カバー部11、操作部カバー12、ユニバーサルカバー13によって構成されている。なお、カバー10は、カバー10を保持する後述するカバー保持具を介して、カバー用内視鏡7に挿入部カバー部11を装着するようになっている。なお、カート1の側部に設けられているメインスイッチ14は、上記の光源装置2等を駆動させる電源の切り換えスイッチである。
【0010】図2は、カバー用内視鏡7を保持したハンガー15の正面図、および挿入部カバー部11を保持したカバー保持具16の正面図である。カバー保持具16の内部には、ポンプ17、挿入部カバー部11を着脱自在とするカバー保持部材16aに開口した拡張器口体18、一端がポンプ17に他端が拡張器口体18に接続された拡張チューブ19が内蔵されている。これら内蔵された各構成部材により内視鏡カバー拡張器が構成されている。また、カバー保持具16には、内視鏡カバー拡張器を動作させるためのスイッチ20が設けられている。なお、挿入部カバー部11内には前記流体制御装置4まで延在する吸引管路21、送気管路22、送水管路23が形成されている。
【0011】次に、以上のごとく構成された本実施例の作用を説明する。先ず、カバー保持具16に挿入部カバー部11を保持させる。そして、挿入部カバー部11に形成されているカバー用内視鏡挿入チャンネル(図3−26)内に送気する。そのために、カバー保持具16のスイッチ20をON状態にしてポンプ17を作動させ、拡張器口体18から空気を吐出させる。すると、カバー用内視鏡挿入チャンネル内に空気が送り込まれ開口する。
【0012】この場合、カバー保持具16のスイッチ20は、カート1に設けられているメインスイッチ14と連動するように構成しておくことにより、カート1に収納されている光源装置2、ビデオプロセッサ3、流体制御装置4、モニタ6等の周辺機器も同時にON状態にすることができる。また、カバー保持具16のスイッチ20を、光源装置2や内視鏡検査室の照明用スイッチ等の内視鏡検査の際に使用される機器のスイッチをON状態にした際に自動的に起動するようにしておいてもよい。また、カバー保持具16あるいはカート1から引き出された差し込みプラグをコンセントに差し込むことにより、常時内視鏡カバー拡張器がON状態になるようにしておいてもよい。これにより、内視鏡カバー拡張器からは常時空気が吐出される状態となっている。また、カバー保持具16内のポンプ17のON,OFFを図示していないフットスイッチにより行わせるようにすることにより、術者の手を介することなく内視鏡カバー拡張器の起動、停止を行わせることができる。
【0013】図3は、図2におけるA−A断面図である。図3にしたがい、カバー用内視鏡挿入チャンネル内に空気を送りこむ作用をさらに具体的に説明すると、先ず、挿入部カバー部11をカバー保持部材16aに装着する。すると、自動的に拡張器口体18が挿入部カバー部11の手元側に設けてある内視鏡操作部固定用口体部24にCリング25の弾性でクリック接続される。
【0014】すると、内視鏡操作部固定用口体部24から挿入部カバー部11に形成されているカバー用内視鏡挿入チャンネル26の内部に空気が送られる。このようにして、空気が送られたカバー用内視鏡挿入チャンネル26は、最大限に拡げられた状態となる。そこで、図2Aに図示されているカバー用内視鏡7をハンガー15から外して、挿入部7aの先端から徐々に挿入していけば、容易に挿入作業を行えることとなる。
【0015】カバー用内視鏡7を挿入部カバー部11に装着した後、挿入部カバー部11に各種の管路等を接続する。その後、カバー用内視鏡7の挿入部7a以外の操作部、ユニバーサルコードを操作部カバー12、ユニバーサルコードカバー13で覆い、内視鏡検査が可能な準備が完了する。
【0016】
【発明の効果】このように、本発明はカバー保持具と内視鏡カバー拡張器とが一体化されているので、少ないスペースでカバー用内視鏡にカバーを容易に装着でき、内視鏡検査の効率化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内視鏡装置全体の斜視図である。
【図2】カバー用内視鏡がハンガーに保持されている状態、カバーがカバー保持具で保持されている状態を示した正面図である。
【図3】図1におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
7 カバー用内視鏡
7a 挿入部
8 ユニバーサルコード
11 挿入部カバー部
15 ハンガー
16 カバー保持具
17 ポンプ
18 拡張器口体
19 拡張チューブ
20 スイッチ
21 吸引管路
22 送気管路
23 送水管路
24 内視鏡操作部固定用口体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 カバー用内視鏡にカバーを着脱する際に、カバーを保持するカバー保持具内に、内視鏡挿入部カバー部に形成されたカバー用内視鏡挿入チャンネル内部に送気する内視鏡カバー拡張器を設けたことを特徴とするカバー用内視鏡に装着するカバーのカバー保持具。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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