説明

カプセル分配機械に供給するためのカプセルローディング装置

カプセルを分配するための機械又はこれらのカプセルに基づいて飲料を作るための機械へのカプセルのローディングを容易にするための装置は、積層されたカプセル(8)を収容する取り外し可能なチューブ(2)であって、カプセルを当該チューブに挿通させるための開口(24)を備えるチューブ(2)と、その内部へカプセルが重力により下降するカプセル受け入れ領域(5)とチューブ(2)を一直線に合わせることができるチューブ整列手段(4)とを備える。整列手段(5)は、チューブ(2)がその開口(24)を下方に向けた状態で移動されるときにチューブが受け入れ領域(5)と一直線に合わされる位置の方向でカプセルをその積層状態に保持するための手段(6)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルをローディングするための装置であって、このようなカプセルの分配及び/又はこれらのカプセルに基づいた食品の調製のための機械、自動販売機、表示ユニット、又は、他の装置、例えばコーヒー機械又は他の機械などの供給を目的としたカプセルローディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品分野において、飲料自動販売機などのカプセルに基づいて食品を調製するためのシステムの使用は、これらのシステムが一般にもたらす多くの利点に起因して、急速に拡大している。このようなシステムは、例えば飲料を調製するための主成分を収容するカプセルを使用することにより作業する飲料自動販売機であってもよい。消費者は、簡単に且つ迅速に、また、殆どの場合に準備及び/又はクリーニングに関する自分の介入を最小限にしてこれらのカプセルを使用することにより自分で飲料を作ってもよい。
【0003】
これらのカプセルは、例えば、形状、サイズ及び/又は性質が極めて多様な投与パッケージであってもよい。これらは、プラスチックフィルム、ろ紙、アルミニウム又は複合積層体から成るカプセルであってもよく、また、レンズやビーカーの形態又は他の形態であってもよい。
【0004】
殆どの既知のシステムにおいて、カプセルは、機械自体から分離される段ボール箱などの密閉されたパック又は柔軟な又は硬質なプラスチックパックで供給される。ユーザは、選択されたパックから1つのカプセルを取り出し、例えばカプセル内に収容された製品を水などの希釈剤と共に溶解、抽出、又は、ろ過することにより調製を行なう調製機械内へカプセルを挿入する。
【0005】
特定の場合には、調製機械と関連付けられる或いは調製機械中に組み込まれるカプセルディスペンサが存在する。具体的には、中断を最小限にして確実に供給を行ない且つ消費者に選択を与えるためにカプセルを蓄えておく必要がある。また、カプセルは、消費者がカプセルを入手できる支払いシステムを伴って或いは伴わないで、例えばホットドリンク又は清涼飲料を作るために消費者がカプセルをディスペンサから取り出した後に特定食品を調製する機械に挿入できるディスプレイユニット又はディスペンサの形態の場合のように要求に応じて利用できてもよい。
【0006】
また、食品を調整するための機械中に直接に組み込まれる装置を含んでいてもよく、この場合には、カプセルが直接に選択されるとともに、カプセルと消費者との間の直接的な接触を伴うことなく同じ機械の中で製品が調製される。その後、カプセルは、格納領域から例えばカプセル内に収容された製品を抽出し或いは溶解することができる抽出又は溶解チャンバ等の調製手段へと搬送される機械的な手段によって拾い上げられる。
【0007】
例えば、米国特許第6,595,106号は、上下に積層された幾つかのカプセルを格納するために使用されるカプセル用マガジンに関するものである。この場合、カプセルは、要求に応じてマガジンからマガジンの基体に形成された開口を介して取り出されてもよい。これには、マガジンをリローディングするため、その目的のために設けられたスロットを用いてカプセルをマガジン内に個別に挿入しなければならないという欠点がある。したがって、リローディングプロセスは、非常に長く、あまり実用的ではない。そのため、このシステムは、多量のカプセルを受けるためにあまり役に立たない。
【0008】
特許出願欧州特許第1 247 481 A1号は、一体のカプセルローディングシステムを備える飲料抽出装置について記載している。このようなシステムは、抽出システムと直接に関連して位置されるターンテーブルにより、抽出されるべきカプセルを抽出システムに対して自動的に供給するために使用できるため、特に実用的である。このような装置は、回転ベース上に装着された管状支持体と適合する、カプセルを格納するための取り外し可能なチューブの形態を成すパックを備える。しかしながら、管状支持体へのパックのローディングは問題を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の要件及び問題に対応するカプセルローディング装置に関するものである。
【0010】
したがって、本発明の装置の1つの目的は、使用が簡単且つ迅速な例えばカプセルディスペンサ及び/又は飲料自動販売機等の食品調製機械といった任意の種類の機械へとカプセルをローディングできるようにすることである。そのため、1つの目的は、ローディング時間を減らすとともに、ローディングを更に実用的にすることである。別の目的は、カプセルを散乱させることなく或いはカプセルを落下させることなく格納リザーバに格納されたカプセルの除去又は交換を常に行なえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的及び他の目的を達成するため、本発明は、積層されたカプセルのリザーバを形成するためのカプセルローディング装置、特に、カプセルのリザーバの底部から始まる順序で分配されるのに適したカプセルのリザーバを形成するためのカプセルローディング装置に関する。したがって、当該装置は、積層されたカプセルを収容する取り外し可能なチューブであって、カプセルを当該チューブに挿通させるための開口を備えるチューブと、その内部へカプセルが重力により下降するカプセル受け入れ領域とチューブを一直線に整列させることができる整列手段とを備える。本発明は、チューブが受け入れ領域と一直線に整列される位置に向かってチューブがその開口を下方に向けた状態で移動されるときに、少なくとも一部分はチューブ内でカプセルをその積層状態に保持するように構成された保持手段を備える整列手段を提供することにある。
【0012】
したがって、このような構成によれば、カプセルを散乱させる危険を伴うことなく或いはカプセルを受け入れ領域内で誤って順序付けることなく、開放されたチューブから任意の種類の受け入れ領域内へカプセルを供給することができる。したがって、ローディングプロセスが簡略化されて迅速になる。また、これにより、チューブは、簡単で且つ費用効率の高い構造を成すことができる。
【0013】
本発明の1つの態様において、カプセル保持手段は、チューブの開口が上方を向く姿勢にある或いは略水平となっている位置からチューブの開口が下方を向いて受け入れ領域と一直線に整列される整列位置へとチューブが傾けられるときにカプセルを支持して、カプセルが受け入れ領域内へと通過できるようにするためにチューブの開口に対して近接して並設された保持面を備える。
【0014】
このような保持面は、ローディング動作において一直線に配置する前にチューブの傾動を可能にする円弧形状を成す面であることが好ましい。
【0015】
したがって、保持面は、受け入れ領域の入口を画定する略水平に設けられた通路で終端していることが好ましい。このような通路により、カプセルは受け入れ領域と連通できる。このような領域は、カプセルのバッファ格納のためのハウジングを形成するチューブの取り外し不能な部分であってもよく、或いは、カプセル又は他の物品を分配するための領域であっても構わない。
【0016】
チューブの傾動は、カプセルを乱すことなく、カプセルを損失することなく、又は、カプセルを散乱させることなく、ローディング動作を容易にし、それにより、整列状態を確保するように案内されることが好ましい。このため、整列手段は、カプセルの積層体を保持面に対して常に押し付け続けるように上記保持面と関連して構成された、チューブの傾動を案内するための手段を備える。この場合、案内は、チューブが受け入れ領域と一直線に整列される前にカプセルが常に保持されるように行なわれる。したがって、傾動案内手段は、回転軸を中心にチューブを回動させるように構成されていることが好ましい。このとき、傾動は、この回転軸を中心にチューブを回転させることにより行なわれる。回転軸は、チューブに対して、開口のほぼ後方にある位置で且つ開口を実質的に横切る位置に配置されてもよい。このように、開口は、保持面の形状にほぼ対応する円弧に沿って移動する。この軸は、開口の全ての点を軸に対してほぼ同じ距離で動かし且つ特に受け入れ領域が例えば円形状などのチューブの形状を補完する形状を成しているときに受け入れ領域との整列を容易にするため、チューブの中心軸とほぼ交差し或いは僅かにオフセットしていることが好ましい。したがって、保持面は、傾動案内手段の回転軸をその中心として有する円弧状の面であることが好ましい。円弧状の面は、保持されるカプセルの幾何学的形状に応じた半径を有している。とりわけ、半径のサイズは、好ましくはカプセルが保持面に対してその端縁ではなく中心部上に載置するように設定されていなければならない。これは、コーヒー飲料の調製中又は他のマシンの調製中に抽出システムのジョー(jaw:顎部)間、したがってシールとの間で噛み込みが一般に生じる場合に端縁の変形を避けるためのものである。また、比較的コンパクトな装置を維持するため、半径はあまり大きいものであってはならない。
【0017】
構造的に、傾動案内手段は、チューブが挿入されるチューブ支持体を備えることが好ましい。このようにすると、チューブをその支持体内で事前に位置決めした後に傾動ローディングを行なうことが容易となる。この場合、支持体は、保持面の両側に位置される2つの側方翼部が形成されていてもよい整列手段の基部上に、回転軸を中心に回転可能に装着される。支持体は、チューブを支持体内に挿入するための位置から整列位置へと十分な角度にわたって自由に回動できるように、保持手段へと方向付けられた、正弦波周期の形状を有する、縁部で終端するリングの形状を成している。このような形状により、支持体及び支持体に取り付けられたチューブは、詰まりを生じることなく、整列位置に向けて十分な角度にわたって自由に回転することができ、また、ジャミング(噛み込み)を防止しつつカプセル積層体を保持面に対して十分に近づけることができる。他の構造も可能であるが、後者は、比較的簡単で信頼できる構造を有するという利点を有しており、ジャミングを防止する。
【0018】
チューブは、チューブ支持体内に収容され且つチューブの相補的取付手段と相互に作用する取付手段により、チューブ支持体内に取り付けられてもよい。このような手段は、任意のタイプのもの、例えばねじ手段又はクリップ手段或いはバヨネットシステム又は等価なシステムなどのソケット手段であってもよい。
【0019】
好ましい実施形態において、チューブ支持体は、チューブが受け入れ領域との整列位置にあるときに保持面を押圧するカラー形状の支持手段を有している。そのため、カプセルを受け入れ領域内に挿通するための正確な整列を達成できる保持面の適切な配置以外に複雑な整列手段を必要としない。
【0020】
好ましい実施形態において、受け入れ領域は、カプセルを受けるためのバッファ領域を形成する管状部を備える。
【0021】
開口の受け入れ領域との整列位置には、相補的な支持手段が設けられてもよい。これらの手段は、チューブの表面を補完し且つチューブが受け入れ領域との整列位置にあるときにチューブに近接して並設される態様でチューブの全長の一部上に突出する表面の形態を成していてもよい。
【0022】
チューブは、チューブを整列手段に対して接続するのに適した急速接続手段を備える、一連のカプセルを収容できる取り外し可能な廃棄できる或いはリサイクルできるパックの形態を成していてもよい。これらの急速接続手段は、チューブ開口の周囲の後部に存在する。このようにすると、チューブを整列手段に対してしっかりと接続することができる。また、これらの手段は、搬送中及びローディング前に開口を閉塞するために使用されるキャップを接続するのに役立ってもよい。これは、前述したねじ又は他の手段を含んでいてもよい。パックが関与する場合、チューブは、PET等のブロー成形されたプラスチック又は同じ技術にしたがって形成されてもよい他のプラスチックの一体成形品から成っていることが有益である。装置がカプセルで満たされている度合いをユーザに知らせるため、チューブは透明であることが好ましい。また、受け入れ領域は、同じ理由から、少なくとも部分的に透明であってもよい。
【0023】
これらの特徴及びそれらの利点並びに他の可能性は、以下の説明及び以下の図面を考慮すれば更に理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係るローディング装置1は、図1及び図2では整列位置にあるものとして示されており、図3では分解図で表わされている。本装置は、一連のカプセル3のためのリザーバとしての機能を果たす取り外し可能なチューブ2と、受け入れ領域5を有する整列手段4とから成る。カプセル8はチューブ内に積層状態で格納されている。
【0025】
用語「カプセル」は、任意のタイプの分割された且つ包装された食品を意味している。カプセルは、コーヒー、茶、粉末チョコレート、植物エキス、ミルク、クリーム或いは代替物、スープ、料理用製品、又は、これらの組み合わせ、のうちの一部を含んでいてもよい。包みは、プラスチック、金属、紙又はカード等の異なる種類の材料、及び、これらの材料の複合体である材料を使用してもよい。カプセルの形状は変えることができてもよい。これらは、レンズ形状、平行六面体形状、楕円形状、ゴブレット形状又は他の形状であってもよい。
【0026】
用語「チューブ」は、広く解釈されるべきであり、任意のタイプの様々な形状の容器を含んでいる。しかしながら、以下で詳細に説明するように、底部20と、十分な数のカプセルを格納できる十分な長さの本体21と、底部と反対側の開口を閉塞する除去可能なキャップ22であってカプセルの除去のために必要なキャップ22と、整列手段に対するチューブの接続を可能にする接続手段23とを備えるチューブを設けることが好ましい。チューブはカプセルの断面に適した形状を有している。したがって、図示のようにカプセルが円形状を成している場合、チューブ自体は円形の断面を有する。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの他の形状のカプセル/チューブを想定することができる。
【0027】
チューブは、プラスチック、セルロース又は複合材料で形成された廃棄できる或いはリサイクルできるパックであってもよい。チューブは、成形、切断−曲げ−接着などの任意の適切な技術によって形成されてもよい。キャップを除くチューブの主部は、ブロー成形できるプラスチックから成ることが好ましい。このため、チューブは、押し出し成形によりプラスチックの予備成形体を形成することによって製造され、或いは、予備成形体のサイズ及び形状を与えるモールド内で成形することによって製造される。その後、予備成形体は、取り出されるとともに、チューブの最終形状に対応するサイズ及び形状の第2のモールド内でブロー成形される。予備成形体は、吹き込み鉄(blowing iron)による機械的伸張により、その後、加圧ガスによるブロー成形により或いはブロー成形のみにより取り出されてもよい。このような技術の利点は、整列手段内に正しく嵌め付けることができる正確な寸法を有する薄く透明な或いは半透明なリローディングチューブを製造できるという点である。最後に、このような技術は、長い生産工程に適用される場合には経済的でもある。
【0028】
本発明において、整列手段4は、保持面60の形態でカプセルを保持する手段6を備えており、保持面60は、チューブの開口が略水平又は上方に向けられている姿勢からその後に開口が図2に示されるように整列位置(一直線に合わされる位置)で下方に向けられる姿勢へとチューブが傾けられるときにカプセルを保持して、結果的に上記カプセルが受け入れ領域を通過できるようにするべく配置されている。
【0029】
また、整列手段は、整列位置へのチューブの傾動中にチューブを案内する働きをする傾動案内手段7を備えることが好ましい。これらの手段は、チューブの傾動時にカプセルの積層体が保持面60に対して押し当たることができるように、保持手段6と関連して配置されている。
【0030】
傾動案内手段7は、チューブの接続手段23を補完する接続手段71を備えるチューブ支持体70を備える。接続手段23,71は、可能な任意のタイプのもの、例えばねじ又はバヨネット型の機械的なソケット嵌合を伴う構造或いは任意の等価な手段であってもよい。チューブ支持体は、しっかりとした嵌め合いを形成するため、チューブを挿入でき或いは入れ子にできる形状を成していることが好ましい。チューブ支持体は、カプセルの通過を可能にする断面を有する開口を画定する端縁72を備える。支持体は、2つの対向する側方翼部610,611を備える保持手段の基部61上に、回転軸Xを中心に回転可能に装着される。側方翼部は、保持面60の両側で延びるとともに、軸Xに沿うチューブ支持体70の接続を可能にする開口を備える。チューブ支持体は、基部上に取り外し不能に装着されてもよく、或いは、取り外し可能に装着されてもよい。後者の場合、チューブ支持体70は、チューブ2上に取り外し可能又は取り外し不能に装着されてもよい。
【0031】
保持面60及びチューブ支持体70は、整列位置に向けて十分な角度にわたってチューブ及び支持体を上記保持面に沿って回転させることができる特定の形状を有している。したがって、保持面は、その中心がその軸として軸Xを有する円弧面であることが好ましい。チューブ支持体は、回転のその形状において正弦曲線のエッジを有する、保持面の側に向けられた端縁72を有している。このような形状は、チューブが回転可能に傾けられるときに保持面60に沿ってチューブ支持体端縁を最適に密閉する。これにより、チューブ支持体が永久的に閉じられるとともに、カプセルが側部から滑り落ちる可能性がなくなる。厳密に言えば、カプセル積層体は一方側もしくは他方側に傾き易く、そのため、何らかの隙間がカプセルの下側に通路を形成し、この隙間により、カプセルの一部がシステムをブロックしてしまう可能性がある。
【0032】
また、チューブ支持体は、チューブ及びその支持体が受け入れ領域との整列位置に達するときに当接手段として働く機能を有し且つ保持手段6の側に向けられるカラー73も有している。カラーは、保持手段の側方翼部610,611に接続する機能を有する回動取り付け手段を支持するサイドラグ74,75によって側方に延びている。無論、当接手段及び当接手段が当て付く表面は、本発明の範囲から逸脱することなく同じ機能を与えつつ他の形状を成していてもよい。
【0033】
なお、傾動案内手段7は、任意であるが、高速で且つ問題のないローディングを確保するのに非常に役立つ。これらの手段は実際には省くことができ、その場合、傾動は、チューブを保持面60に対して単に押し付けることにより手動で行なうことができる。この場合、その端縁も正弦曲線形状を成す開口を有するチューブを用意しなければならず、或いは、その端縁がこの同じ形状を有するチューブ支持体の改作物を用意しなければならない。後者の場合、チューブ支持体は、保持手段6に取り付けられる回転手段を必要としない。これは、開口を保持面60に沿わせたまま手動案内により傾動が行なわれるからである。
【0034】
保持手段は、整列位置でチューブがもたれかかることができる支持手段9により上方へと延在されている。このような手段は、例えば、チューブの外面の半分を補完する形状を成す、管を二つ割りにした半管部であってもよい。ロッド状、ストリップ状、グリッド状或いは他の手段など、異なる形状の支持手段が考え出されてもよい。
【0035】
カプセルのための受け入れ領域5は、保持面60の延在部の状態で、保持手段の下側に位置されている。受け入れ領域は、特定数のカプセルを格納するための領域であってもよい。したがって、受け入れ領域は、特定数のカプセルを受けることができるバッファ領域を形成する管状部を備えていてもよい。このようにして、チューブ2が除去されるときに、装置は、分配又は移すことができるカプセルを含んでいてもよい。管状部5の端縁は、チューブ支持体70の端縁の形状と一致させて、表面、特に内面のきれいな接合を可能にし、それにより、任意のカプセルが受け入れ領域内への排出時に詰まることを防止するために切り取られる。カプセルを個別に解放する機能を有するカプセル選択装置(図示せず)が管状部5の下側に収容されていてもよい。装置の好ましい実施形態は2004年5月5日に提出された“Device for selecting capsules contained in a stack”と題された欧州出願第04010645.2に記載されており、その内容の全てが参照により本明細書に援用される。
【0036】
図示の実施形態において、管状部は、クリッピング部材等の機械的な接続手段により接続される2つの半管部50,51によって形成されている。節約のため、また、組み立てを容易にするため、半管部51は、例えば保持手段6及び支持手段9との射出プラスチックの一体成形品により形成されていてもよい。
【0037】
管状部の代わりに、受け入れ領域は、カプセルを停止させ及び/又は移動させる他のバッファ手段又は機械的な手段に取って代えられてもよい。
【0038】
ここで、図4〜図7を参照しながら、本発明に係るローディング装置の動作原理について説明する。
【0039】
カプセルを収容する前述した管状パック2の形態を成すカプセルの新たな補充品は、チューブ2の開口24を解放するためにキャップ22が除去された後、一連の整列手段4内に挿入される。これにより、接続手段23,71によってチューブがチューブ支持体70に対して接続される。この接続は、例えば相補的な回動接合部74,75,610,611により基部の所定位置に保持されたチューブ支持体に対してチューブを螺合することにより達成されてもよい。図4に示されるように、チューブ支持体は、その後、チューブの開口を上方に向けてリローディング前にカプセルが誤ってこぼれ落ちることを防止するため、下側へと向けられる。管状部5内へと無制御にこぼれ落ちると、カプセルの位置決めが不正確になる場合があり、それにより、装置の下流側のシステム、特に選択装置が詰まってしまう場合がある。
【0040】
チューブとチューブ支持体との間の結合が成されたら、チューブ2は、図5に示されるようにチューブ支持体70が装着される回転軸Xを中心に上端から下端まで傾動されてもよい。この傾動は、チューブ開口を下方に向け且つカプセル8をそれらが保持手段の保持面60上の積層体上の最初のカプセルと接触するまで降下させるという効果がある。その後、積層体は、回転動作中にわたってチューブ内の所定位置に保持される(図5及び図6)。
【0041】
チューブ支持体は、チューブが下側の管状部と正確に一直線を成すときに、保持面60と当接する。整列動作中、チューブ開口は受け入れ領域の通路52と同軸の態様で移動され、また、カプセルは上記通路を通じて重力により下降できる。
【0042】
図8の実施形態は、整列手段4に対して取り外し可能な態様で接続される傾動案内手段の一部をチューブ2が構成する本発明の装置の変形例を表わしている。特に、チューブ2及びチューブ支持体70は固定して取り付けられている。チューブ支持体は、回動手段、例えば溝612,613などの受け手段内に取り外し可能に結合される一対のラグ(凸部)750を備える。溝は、チューブ開口が上側に向けられているときにラグを挿入できるように、開放された形状を成している。ラグが溝内の所定位置にくると、チューブ及びその支持体は、ラグを溝内に保持しつつ、チューブが受け入れ領域と一直線を成すまで傾動することができる。
【0043】
好ましい実施形態により本発明を説明してきた。しかしながら、当業者の能力の範囲内で本発明が多くの変形例又は等価物を包含し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】カプセルの格納に対応する整列位置における本発明に係るカプセルローディング装置の斜視図である。
【図2】図1の位置においてカプセルローディング装置に積層されたカプセルを示す斜視断面図である。
【図3】カプセルローディング装置の分解斜視図である。
【図4】カプセルローディング装置におけるカプセルのリローディングを行なうための取り外し可能なチューブの挿入位置における装置の断面図である。
【図5】チューブが傾けられている中間位置におけるカプセル保持手段を示す平断面図である。
【図6】他の中間位置における装置の斜視断面図である。
【図7】整列位置における装置の斜視断面図である。
【図8】本発明のカプセルローディング装置の異なる実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層されたカプセル(8)のリザーバを形成するカプセルローディング装置において、
積層されたカプセル(8)を収容する取り外し可能なチューブ(2)であって、カプセルを当該チューブに挿通させるための開口(24)を備えるチューブ(2)と、
その内部へカプセルが重力により下降するカプセル受け入れ領域(5)とチューブ(2)とを一直線に整列させることができるチューブ整列手段(4)と、
を備え、
整列手段(4)は、チューブが受け入れ領域(5)と一直線に整列される位置の方向へチューブ(2)がその開口(24)を下方に向けたまま移動されるときにカプセルをその積層状態に保持するための手段(6)を備えることを特徴とする、カプセルローディング装置。
【請求項2】
カプセル保持手段(6)が、チューブの開口(24)が上方を向く姿勢にある或いは略水平となっている位置からチューブの開口(24)が受け入れ領域(5)と一直線に整列される整列位置へとチューブ(2)が傾けられるときにカプセル(8)を支持してカプセル(8)が受け入れ領域内へと通過できるようにする保持面(60)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカプセルローディング装置。
【請求項3】
保持面(60)が円弧形状を成していることを特徴とする、請求項2に記載のカプセルローディング装置。
【請求項4】
保持面(60)が、受け入れ領域(5)の入口を画定する略水平に設けられた通路(52)で終端していることを特徴とする、請求項2又は3に記載のカプセルローディング装置。
【請求項5】
整列手段(4)が、カプセル(8)の積層体を保持面(60)に対して常に押し付け続けるように前記保持面と関連して構成された、チューブの傾動を案内するための手段(7,70,610,611)を備えることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載のカプセルローディング装置。
【請求項6】
傾動を案内するための手段(7,70,61,610,611,612,613,750)が、回転軸(X)を中心にチューブを回動させるように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載のカプセルローディング装置。
【請求項7】
傾動案内手段(7,70,61,610,611,612,613,750)がチューブ(2)が挿入されるチューブ支持体(70)を形成し、前記支持体が、保持面(60)の両側に位置される2つの側方翼部(610,611)が形成された整列手段の基部(61)上に、回転軸(X)を中心に回転可能に装着されていることを特徴とする、請求項6に記載のカプセルローディング装置。
【請求項8】
保持面(60)が、傾動案内手段(7,70,61,610,611,612,613,750)の回転軸(X)をその中心として有する円弧状の面であることを特徴とする、請求項7に記載のカプセルローディング装置。
【請求項9】
チューブ支持体(70)が、チューブの相補的取付手段(23)と相互に作用する取付手段(71)を備えることを特徴とする、請求項7又は8に記載のカプセルローディング装置。
【請求項10】
チューブ支持体(70)が、チューブ(2)が受け入れ領域(5)との整列位置にあるときに保持面(60)を押圧するカラー形状の支持手段(73)を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載のカプセルローディング装置。
【請求項11】
受け入れ領域(5)が、カプセルを受けるためのバッファ格納ハウジングを形成する管状部(50,51)を備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のカプセルローディング装置。
【請求項12】
チューブ(2)が、開口(24)と受け入れ領域(5)とが一直線に整列する位置で支持手段(9)上に載置することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のカプセルローディング装置。
【請求項13】
チューブ(2)が、チューブを整列手段(4)に対して接続するのに適した急速接続手段(22)を備える、一連のカプセル(8)のための取り外し可能なパックを形成することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のカプセルローディング装置。
【請求項14】
急速接続手段(22)が、チューブ開口(24)の周囲の後部に存在することを特徴とする、請求項13に記載のカプセルローディング装置。
【請求項15】
チューブ(2)が、ブロー成形されたプラスチックの一体成形品から成ることを特徴とする、請求項13又は14に記載のカプセルローディング装置
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のカプセルローディング装置に適するようになっている取り外し可能なチューブであって、本体(21)と、底部(20)と、底部と反対側の開口とを備え、一連のカプセル(3)を収容することを特徴とするチューブ。
【請求項17】
チューブを装置の整列手段に対して接続できる接続手段(23)を備えることを特徴とする、請求項16に記載のチューブ。
【請求項18】
開口がキャップ(22)により閉じられることを特徴とする、請求項16又は17に記載のチューブ。
【請求項19】
プラスチック、セルロース又は複合材料で形成された廃棄できる或いはリサイクルできるパックを含むことを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載のチューブ。
【請求項20】
本体が、PET等の透明なブロー成形されたプラスチックから成ることを特徴とする、請求項19に記載のチューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−536035(P2007−536035A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511932(P2007−511932)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004369
【国際公開番号】WO2005/104910
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)