説明

カメラのストラップ

【課題】 カメラに取付けたストラップ紐をグリップ部材としても使用できるようにする。
【解決手段】 ストラップ紐11の一端にカメラ三脚ねじ穴に取付けるカメラ取付部20を備え、ストラップ紐11の他端にカメラの吊金具に取付けるカメラ取付ベルト部30を備え、ストラップ紐11にパッド部材40を挿通させたカメラのストラップ10であって、該パッド部材40にはストラップ紐11を巻きつけて収納するストラップ紐収納部50を備え、パッド部材内にストラップ紐11を収納した状態において、カメラ60とパッド部材40との間に手70を差し込み、カメラ60を保持するカメラグリップ部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラのストラップに係り、カメラの携帯時にはネックストラップ又はショルダーストラップとして使用でき、カメラの撮影時にはカメラグリップとして使用できるカメラのストラップに関する。
【0002】
【従来の技術】カメラにはストラップ紐が取付けられ、該ストラップ紐を首や肩に掛け携帯する。
【0003】一方、撮影時には、カメラぶれを防止するため、カメラを確実に保持する必要があり、カメラ本体にグリップ用の突起を設けたり、カメラ自体に特別な突起を設けない場合には、カメラに備えられている三脚ねじ穴や吊金具に接続するグリップ部材を取付けたりすることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カメラにストラップ紐とグリップ部材とをそれぞれ別に取付けることは、カメラへの部品の取付個所が三脚ねじ穴、吊金具と限られていることから難しい。また、カメラに様々な部材を取付けると、カメラの取りまわしが煩わしくなる。
【0005】またカメラにストラップ紐だけを取付けている状態でカメラを使い慣れた人はカメラのホールドを確実にするため、ストラップ紐を手に巻きつけ、手にカメラを保持することも知られているが、このような操作は一般の人には容易にはできない。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、カメラに取付けたストラップ紐をグリップ部材としても使用できるようにし、上記課題を解決するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、以下の手段によって上記の課題を解決した。本発明の第1の手段は、ストラップ紐の一端にカメラ三脚ねじ穴に取付けるカメラ取付部を備え、ストラップ紐の他端にカメラの吊金具に取付けるカメラ取付ベルト部を備え、ストラップ紐にパッド部材を挿通させたカメラのストラップであって、該パッド部材にはストラップ紐を巻きつけて収納するストラップ紐収納部を備え、パッド部材内にストラップ紐を収納した状態において、カメラとパッド部材との間に手を差込みカメラを保持できるようにした。
【0008】本発明では、前記パッド部材は、基部と蓋部とからなり、それらを折り畳み可能に形成し、内部に前記ストラップ紐収納部を形成することができる。
【0009】また本発明では、前記パッド部材の蓋部には、カメラのレンズフィルタやレンズキャップを収納する袋部を備えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明に係るカメラのストラップの実施の形態を説明する。図1乃至図5は本発明に係るストラップ10の実施の形態を説明するものである。
【0011】本例において、ストラップ10は、図4に示すように、例えばポリプロピレンあるいはナイロン製等の合成樹脂製のストラップ紐11の一端にカメラ60の三脚ねじ穴に取付けられるカメラ取付部20を設けている。また、ストラップ紐11の他端にはカメラ60の吊金具61に取付けられるカメラ取付ベルト部30を備えている。また、ストラップ紐11にはパッド部材40を挿通させている。図1において、符号12、13はストラップの長さ調整環を、符号51及び52はカメラ取付部20とパッド部材40とを連結する雌雄のバックルを示している。ストラップの材料としては上述した合成樹脂のほか天然繊維、皮革等の天然素材を用いることができる。
【0012】また、本例では、パッド部材40は、合成樹脂繊維から成る布製でストラップ紐11を貫通させた基部41とこの基部41を覆う蓋部42とで全体を二つに折り畳めるようになっている。また、パッド部材40内にはストラップ紐11を巻きつけて収納するストラップ紐収納部50を備えている。この他パッド部材としては革その他の素材を用いることができる。
【0013】前記ストラップ紐収納部50はパッド部材40の基部41に対して回動可能に取付けられ、略コ字状をなした板状部材で、ストラップ紐11を巻取ってストラップ紐11をパッド部材40内に収納できるようになっている。ここで符号43、44はパッド部材40の基部41と蓋部42とを接合する雌雄の面ファスナを示している。
【0014】また本発明では、前記パッド部材40の蓋部42には、カメラのレンズキャップや、レンズフィルタなどの付属部品を収納できる袋部45を備えている。また、図中符号46は袋部45を塞ぐ覆紐、47,48は覆紐固定用の面ファスナを示している。
【0015】本例に係るストラップ10をカメラ60に取付けた状態において、図4に示すように、パッド部材40内にストラップ紐11を収納しない状態で、カメラ60をストラップ紐11で首や肩に吊り下げ携帯でき、この際パッド部材40を首当てや肩当てとして使用することができる。
【0016】また、本例に係るストラップ10は、図5に示すように、パッド部材40内にストラップ紐11を収納しタ状態で、バックル51、52を結合した状態にすると、カメラ60とパッド部材40との間が狭くなり、カメラ60とパッド部材40との間に手70を挿入してカメラ60を確実に保持できる。
【0017】尚、本発明に係るカメラのストラップは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】以上、説明したように本発明に係るカメラのストラップによれば、パッド部材内にストラップ紐を収納しない状態において、カメラをストラップ紐で吊り下げ携帯でき、パッド部材を首当てや肩当てとして使用することができる。
【0019】また、本例に係るストラップによれば、パッド部材内にストラップ紐を収納した状態にすると、カメラとパッド部材との間に手を挿入してカメラを確実に保持できる。
【0020】さらに、本発明に係るストラップには、レンズフィルタあるいはレンズキャップを収納する袋部を備えているので、利便性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラのストラップを示す図であり、(a)はストラップの平面図、(b)はストラップの正面図、(c)はストラップのカメラ取付部の背面図である。
【図2】図1に示したストラップのパッド部を示す平面図である。
【図3】図1に示したストラップのパッド部の開状態を示す平面図である。
【図4】図1に示したストラップをネックストラップとして使用した状態を示す図である。
【図5】図1に示したストラップをカメラグリップとして使用した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 ストラップ
11 ストラップ紐
12 調整環
13 調整環
20 カメラ取付部
30 カメラ取付ベルト部
40 パッド部材
41 基部
42 蓋部
43 面ファスナ
44 面ファスナ
45 袋部
50 ストラップ紐収納部
51 バックル
52 バックル
60 カメラ
61 吊金具
70 手

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ストラップ紐の一端にカメラ三脚ねじ穴に取付けるカメラ取付部を備え、ストラップ紐の他端にカメラの吊金具に取付けるカメラ取付ベルト部を備え、ストラップ紐にパッド部材を挿通させたカメラのストラップであって、該パッド部材にはストラップ紐を巻きつけて収納するストラップ紐収納部を備え、パッド部材内にストラップ紐を収納した状態において、カメラとパッド部材との間に手を差し込んでカメラを保持可能としたストラップ。
【請求項2】 前記パッド部材は、基部と蓋部とからなりこれらが折り畳み自在に形成され、内部に前記ストラップ紐収納部を形成した請求1に記載のカメラのストラップ。
【請求項3】 前記パッド部材は、レンズフィルタあるいはレンズキャップを収納する袋部を備えた請求項1に記載のカメラのストラップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2003−116621(P2003−116621A)
【公開日】平成15年4月22日(2003.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−315343(P2001−315343)
【出願日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【出願人】(390023191)ハクバ写真産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】