カメラマウント組立装置
【課題】レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつ効率よく行うことのできるカメラマウント組立装置を提供する。
【解決手段】クランプ機構15に時差式カム機構36を設けることにより、操作摘み42の押し、引き操作のみで、マウントベース24のクランプ、クランプ解除を行う。
【解決手段】クランプ機構15に時差式カム機構36を設けることにより、操作摘み42の押し、引き操作のみで、マウントベース24のクランプ、クランプ解除を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリアイメージセンサを実装したセンサホルダとレンズマウントを有するマウントベースとにより構成されるカメラマウントの製造時に適用されるカメラマウント組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マシンビジョンシステムにおいては、工業用の電子撮像カメラとして、撮像素子となるエリアイメージセンサに、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)を用いた固体撮像素子カメラが広く用いられている。
【0003】
この種、マシンビジョンシステムに適用される固体撮像素子カメラは、例えば検出位置精度等に関して高精度の位置検出が可能な撮像出力が要求される。
【0004】
このため、カメラレンズ取付部(フランジ)およびレンズ光軸に平行な取付基準面を有するマウントベースに、エリアイメージセンサを取り付ける製造工程においては、マウントベースに対するセンサ撮像面の微細な位置調整が必要となる。
【0005】
とくに、この種のカメラ組立においては、カメラレンズ取付面(フランジ面)とセンサ撮像面との距離(フランジバック)の管理は非常に重要である。例えばCマウントレンズの場合、フランジバック(FB)を17.526mmに設定する必要がある。
【0006】
カメラ筐体となる上記マウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをレンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置にマウントする場合、従来では、マウントベースとセンサホルダをそれぞれ個別に支持機構で支持し、数カ所のねじ締め加工により、センサホルダをマウントベースに固定している。この際、マウントベース側のレンズマウントとセンサホルダ側のセンサとの光軸(x,Y,θ方向)精度を保ちながら組み上げるには、ねじ締付時のトルクの影響で位置ずれが発生しないように、マウントベースとセンサホルダをしっかりと固定しておく必要がある。このため、従来では、人手作業により、位置ずれが生じていないことを確認しながらねじ締め作業を行っていた。
【0007】
この種、位置決め部品の支持機構として、従来ではクランパーによるICパッケージの取付構造が存在した(特許文献1参照)。また、ねじ締めを伴うカメラの組立構造として、レンズ鏡筒本体を回転させることなく、ねじマウントへの装着ができるレンズ鏡筒が存在した(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−319076号公報
【特許文献2】特開平10−048727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、マシンビジョンシステムに適用される、高精度の撮像出力が要求される固体撮像素子カメラの組立工程において、従来では、マウントベースとセンサホルダをそれぞれ個別に支持機構で支持し、マウントベース側のレンズマウントとセンサホルダ側のセンサとの光軸精度を保ちながら(位置ずれが生じていないことを確認しながら)、人手作業により、ねじ締め作業を行っていた。このため、レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをレンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置でマウントする組立工程において、作業性の面で問題があった。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつ効率よく行うことのできるカメラマウント組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、円筒状のレンズマウントおよび前記レンズマウントのフランジ面に直交する取付基準面を有するマウントベースに、矩形状の撮像面を有するイメージセンサを保持したセンサホルダを前記レンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置でマウントするカメラマウント組立装置であって、前記マウントベースを前記マウント位置で支持するクランプ機構と、前記センサホルダを前記マウント位置で支持するパレット機構と、前記パレット機構に支持されたイメージセンサを前記クランプ機構に支持されたマウントベースにねじ締め固定するねじ締め機構とを具備し、前記クランプ機構は、前記取付基準面に接合して、前記マウントベースを前記レンズマウントを上方に向け前記光軸に平行な垂直に支持する垂直プレートと、前記マウントベースの前記レンズマウントが設けられた前面部に接合して前記フランジ面を水平に支持する水平プレートと、棒状の操作桿を有し、この操作桿の軸方向の移動操作により、第1の操作位置で前記前面部を前記水平プレートに押し付け、続く第2の操作位置で前記取付基準面を前記垂直プレートに押し付けて、前記マウントベースを前記ねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつ効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0013】
本発明の実施形態に係る、光軸位置調整を行うカメラマウント組立装置の全体構成を図1に示し、同装置におけるマウントベースのクランプ構造を図2乃至図4に示し、組立対象となるマウントベースおよびセンサホルダの構成例を図5乃至図7に示し、上記マウントベースの取付構造を図8および図9に示す。なお、図2は上記クランプ構造の平面図、図3は同側面図、図4は図3に示す垂直プレートの正面図、図5は組立前のマウントベースとセンサホルダを示す上面図、図6は同側面図、図7(a)は組立後の側面図、同図(b)は同正面図である。
【0014】
本発明の実施形態に係るカメラマウント組立装置は、図5乃至図9に示す、円筒状のレンズマウント24aおよびレンズマウント24aのフランジ面faに直交する取付基準面24bを有するマウントベース24に、矩形状の撮像面62aを有するイメージセンサ62を保持したセンサホルダ21をレンズマウント24aの光軸O1上のフランジバック(FB)を確保したマウント位置でマウントする装置であって、図1に示す、マウントベース24を支持するクランプ機構15と、センサホルダ21を支持するパレット機構(センサホルダパレット)20と、パレット機構20に支持されたセンサホルダ21をクランプ機構15に支持されたマウントベース24にねじ締め固定するねじ締め機構22とを具備し、クランプ機構15は、図2乃至図4に示す、取付基準面24bに接合して、マウントベース24をレンズマウント24aを上方に向け光軸O1に平行な垂直に支持する垂直プレート26と、マウントベース24のレンズマウント24aが設けられた前面部24cに接合してレンズマウント24aのフランジ面faを水平に支持する水平プレート27と、棒状の操作桿41を有し、この操作桿41の軸方向の移動操作により、第1の操作位置でマウントベース24の前面部24cを水平プレート27に押し付け、続く第2の操作位置でマウントベース24の取付基準面24bを垂直プレート26に押し付けて、マウントベース24をねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構36(41〜44)とを具備する。なお、クランプ機構15および時差式カム機構36の構成については図2乃至図4を参照して後述する。クランプ機構15の作用については図13乃至図15を参照して後述する。センサホルダパレット20に固定支持されたセンサホルダ21は、イメージセンサ62を実装したセンサ基板61を撮像面62aを露出させ、一対のホルダ部材でセンサホルダパレット20に固定するもので、この実施形態ではセンサホルダ21の具体的な構成について説明を省略する。
【0015】
上記時差式カム機構36は、クランプ機構15に支持されたマウントベース24を水平プレート27に弾性的に押し付ける垂直方向の押圧手段(45〜47)と、クランプ機構15に支持されたマウントベース24を垂直プレート26に弾性的に押圧する水平方向の押圧手段(48〜50)とを具備する。
【0016】
上記垂直プレート26は、マウントベース24のリフトステージを構成する。この垂直プレート26は、図3、図4および図8に示すように、マウントベース24の取付基準面24bに接合する取付面26aに、位置決めピン26cおよび真空吸引孔26dを有し、マウントベース24は、図8および図9に示すように、取付基準面24bに、位置決めピン26cが嵌合する位置決め用孔24f、および真空吸引孔26dに連通して取付面26aに真空吸着室を形成する、凹陥部により形成された吸着面24eを有する。上記垂直プレート26の位置決めピン26cにマウントベース24の位置決め用孔24fが嵌合され、上記マウントベース24の吸着面24eが垂直プレート26の取付面26aに真空吸着されることにより、マウントベース24が垂直プレート26の予め定められた取付位置に真空吸着により支持される。
【0017】
リフトステージを構成する垂直プレート26は、光軸O1に平行な垂直方向に昇降するZ軸ステージ12に設けられ、垂直プレート26の取付面26aに平行して、操作桿41の移動操作により垂直プレート26を上下方向に駆動する垂直カムのカム面(第1のカム面)39を有する。
【0018】
上記水平プレート27は、基端側が上記Z軸ステージ12に固定され、先端側が上記垂直プレート26の取付面26aと直交する水平方向に延出し、この延出部に上記レンズマウント24aが緩挿されるレンズマウントの逃げ孔31を有し、この逃げ孔31の周囲の下面に上記マウントベース24の前面部24cが当接するマウントベースの押し当て天面fbを有する固定側クランププレート28と、この固定側クランププレート28上に、同プレートが延出する水平方向(矢印c方向)にスライド可能に設けられ、同プレートの延出側に向かう端部にマウントベース24の一側部をクランプするクランプレバー35を有し、固定側クランププレート28の基端側に向かう端部に、操作桿41の移動操作によりクランプレバー35を上記スライド方向(矢印c方向)に駆動する水平カムのカム面(第2のカム面)40を有する可動側クランププレート33とを具備する。
【0019】
上記垂直プレート26には、同プレートを水平プレート27側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)47が張設され、水平プレート27の可動側クランププレート33には、同プレートを固定側クランププレート28の基端側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)50が張設されている。
【0020】
レンズマウント24aのフランジ面faを上方に向け、レンズマウント24aからイメージセンサ62の撮像面62aが露出した状態でクランプ機構15に固定支持されたマウントベース24の上方には、レンズマウント24aのレンズ光軸O1を測定基軸として、イメージセンサ62の撮像面62aの光軸O1に対する位置ずれを光学的に計測する三次元光学測定器(図示せず)が設けられている。
【0021】
上記クランプ機構15に固定支持されたマウントベース24に対して、センサホルダパレット20に固定支持されたセンサホルダ21が、レンズマウント24aのフランジ面faの上方に位置する三次元光学測定器により光学測定され、この測定値をもとに、Y軸ステージ17、X軸ステージ18およびθ軸ステージ19が駆動されて、レンズマウント24aの光軸O1とイメージセンサ62との光軸位置合わせ調整が行われた後、ねじ締め機構22により、センサホルダ21がマウントベース24にねじ締め固定される。
【0022】
上記した本発明の実施形態に係るカメラマウント組立装置によれば、操作桿41の軸方向の移動操作による第1の操作位置でマウントベース24の前面部24cを水平プレート27に押し付け、続く第2の操作位置でマウントベース24の取付基準面24bを垂直プレート26に押し付けて、マウントベース24をねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構36(41〜44)を備えて、マウントベース24をクランプ機構15に固定支持する構成としたことにより、人手によるねじ締め固定作業によらず、ねじ締め機構22による自動化したねじ締め固定作業にて、ねじ締め時の回転トルクに伴って発生する、マウントベース24とイメージセンサ62の撮像面62aとの光軸ずれ(レンズマウント24aの光軸O1に対する撮像面62aの位置ずれ、および光軸O1の軸回り方向のずれを含む)による光軸位置出し精度の劣化を回避できる。これにより、マウントベース24にセンサホルダ21をねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつねじ締め機構22を用いて効率よく行うことができる。
【0023】
ここで、上記各図を参照して上記実施形態に係るカメラマウント組立装置の構成をさらに説明する。
【0024】
図1乃至図4を参照して本発明の実施形態に係るカメラマウント組立装置の全体構成を概略的に説明する。カメラマウント組立装置のベースとなる基台11には、Z軸ステージ12が設置されている。このZ軸ステージ12は、Z軸方向に駆動する駆動機構13を有する。この駆動機構13には、昇降台14が設けられ、昇降台14には、図2乃至図4を参照して詳細を後述する時差式カム機構36を備えたクランプ機構15が搭載されている。
【0025】
Z軸ステージ12の前部の基台11には、パレット機構(センサホルダパレット)20をX,Y,Z方向に移動制御するステージの基台16が設けられ、この基台16にはY軸方向に直線移動するY軸ステージ17が設けられている。このY軸ステージ17にはX軸方向に直線移動するX軸ステージ18が搭載されている。さらに、X軸ステージ18にはθ軸ステージ19が搭載されている。このθ軸ステージ19には、センサホルダパレット20が設けられ、このセンサホルダパレット20によってセンサホルダ21を支持できるようになっている。すなわち、センサホルダパレット20で支持したセンサホルダ21をY軸ステージ17、X軸ステージ18およびθ軸ステージ19によってXYおよびθ軸方向に移動してクランプ機構15に位置決めできるようになっている。
【0026】
さらに、Z軸ステージ12とY軸ステージ17との間の基台11には、ねじ締め機構22が設けられている。このねじ締め機構22はドライバービット23が垂直上向きに設けられ、XY方向に移動自在であるとともに、Z軸方向に移動自在であり、センサホルダ21をマウントベース24にねじ締めする際に駆動するようになっている。
【0027】
次に、図2乃至図4を参照してクランプ機構15について説明する。Z軸ステージ12の昇降台14にはクランプベース25が固定され、このクランプベース25の前面には真空吸着面を形成する取付面26aを有する垂直プレート26が設けられている。この垂直プレート26の裏面には垂直方向のガイドブロック26bが設けられ、このガイドブロック26bは昇降台14に設けられたガイドレール14aに対して垂直方向にガイドされるようになっている。
【0028】
真空吸着面を形成する取付面26aの上部には、左右方向に離間して一対の基準位置決めピン26cが突設されている。さらに、真空吸着面を形成する取付面26aの下部には1個の真空吸着孔26dが設けられ、この真空吸着孔26dは真空吸引パイプ26eを介して真空吸引源(図示しない)に連通している。垂直プレート26の裏面にはカム用の開口部38が形成され、この下辺には斜面からなる第1のカム面39が設けられている。第1のカム面39はクランプ機構15の垂直カムのカム面を構成している。
【0029】
また、クランプベース25の上面には固定側クランププレート28の基端部が固定され、先端部は垂直プレート26より前方に突出して設けられている。したがって、垂直プレート26と固定側クランププレート28とによって側面視で、逆L字状に構成されている。
【0030】
固定側クランププレート28は、下面に垂直プレート26の真空吸着面を形成する取付面26aに対して直角で、マウントベース水平基準面となるマウントベースの押し当て天面fbが形成されている。固定側クランププレート28は基端側が肉厚で、先端側が薄肉に形成され、固定側クランププレート28の上面の先端側(薄肉部)には基端側より一段低く形成されたスライド面29が設けられている。このスライド面29の幅方向の中央部は固定側クランププレート28の基端側(肉厚部)まで延長しており、固定側クランププレート28の基端側には矩形状の開口部30が設けられている。
【0031】
固定側クランププレート28のスライド面29には上下方向に貫通する真円の第1のレンズマウント緩挿孔31が設けられ、この第1のレンズマウント緩挿孔31を挟んで両側部にはスライドガイド部32が対称的に設けられている。第1のレンズマウント緩挿孔31はレンズマウント24aの逃げ孔を構成している。
【0032】
このように構成された固定側クランププレート28の上面、すなわちスライド面29には平板状の可動側クランププレート33が前後方向(矢印c方向)にスライド自在に載置されている。可動側クランププレート33は固定側クランププレート28のスライド面29と略同一形状であり、一端部には開口部30の一部を覆うように突出部34が一体に設けられている。可動側クランププレート33の他端部には固定側クランププレート28を避けて下方へ突出するクランプレバー35が設けられている。このクランプレバー35はレンズマウント24を垂直プレート26の取付面26a方向に押圧する際のプッシャーとして作用する。
【0033】
さらに、可動側クランププレート33の中央部にはその前後方向に長径部を有する略楕円形状の第2のレンズマウント緩挿孔34が設けられ、この第2のレンズマウント緩挿孔34は固定側クランププレート28の第1のレンズマウント緩挿孔31に対向と対向している。第2のレンズマウント緩挿孔34は第1のレンズマウント緩挿孔31と同様にレンズマウント24aの逃げ孔を構成している。さらに、第2のレンズマウント緩挿孔34の両側部における可動側クランププレート33の下面にはスライドガイド部32に前後方向にスライド自在に嵌合するガイドブロック37が設けられている。
【0034】
可動側クランププレート33の突出部34の端面には斜面からなる第2のカム面40が設けられている。第2のカム面40はクランプ機構15の水平カムのカム面を構成している。
【0035】
上記第1のカム面39と第2のカム面40は直角であり、第1のカム面39が上下方向の勾配面を有し、第2のカム面40は水平方向の勾配面を有している。
【0036】
さらに、第1のカム面39と第2のカム面40の近傍で、前記Z軸ステージ12の昇降台14には左右方向に貫通する貫通孔(図示しない)が設けられ、この貫通孔には操作桿(操作ロッド)41が軸方向にスライド自在に挿入されている。操作ロッド41の両端部には操作摘み42が設けられ、手指によって操作摘み42を摘んで操作ロッド41を軸方向にスライドできるようになっている。
【0037】
操作ロッド41の中間部には第1のカム面39と接離可能な第1のカムローラ43と、第2のカム面40と接離可能な第2のカムローラ44が設けられている。第2のカムローラ44はクランプベース25の上面に設けられた長孔25hから突出して第2のカム面40に接離可能に設けられている。第1のカムローラ43と第1のカム面39は垂直カムを構成し、第2のカム面40と第2のカムローラ44は水平カムを構成している。すなわち、操作ロッド41を一方向(図4に示す矢印a方向)にスライドすることにより、第1のカムローラ43が第1のカム面39に対して接離し、第2のカムローラ44が第2のカム面40に対して接離するようになっている。この場合、操作ロッド41を一方向(矢印a方向)にスライドすると、まず第1のカムローラ43が第1のカム面39に対して離間し(図14参照)、続いて第2のカムローラ44が第2のカム面40に対して離間する(図15参照)時差式カム機構36を構成している。
【0038】
また、上記垂直プレート(昇降プレート)26の両側部には固定ピン45が固定され、固定側クランププレート28の両側部の下面には固定ピン46が固定されている。そして、固定ピン45と46との間には垂直プレート26を引き上げる方向に付勢するコイルスプリング47が張設されている。さらに、固定側クランププレート28の両側部には固定ピン48が固定され、可動側クランププレート33の両側部には固定ピン49が固定されている。そして、固定ピン48と49との間には可動クランププレート33を固定側クランププレート28に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング50が張設されている。したがって、第1のカムローラ43はコイルスプリング47によって第1のカム面39に接触する方向に付勢され、第2のカムローラ44はコイルスプリング50によって第2のカム面40に接触する方向に付勢されている。
【0039】
上記した、操作ロッド41および操作摘み42と、垂直カムを構成する第1のカムローラ43および第1のカム面39と、水平カムを構成する第2のカム面40および第2のカムローラ44と、コイルスプリング(引っ張りばね)47,50とにより、時差式カム機構36が構成される。この時差式カム機構36の操作桿41を軸方向に一方向(矢印a方向)移動操作により、第1の操作位置でマウントベース24の前面部24cを水平プレート27に押し付け、続く第2の操作位置でマウントベース24の取付基準面24bをリフトステージを構成する垂直プレート26に押し付けて、マウントベース24をねじ締め時の回転トルクに対し移動不能にクランプ機構15に支持することができる。この際、図8に示すように、上記第1の操作位置で、マウントベース24に設けられたレンズマウント24aの周面全域に亘る前面部24cが水平プレート27を構成する固定側クランププレート28のマウントベース押し当て天面fbに当接して、レンズマウント24aの周面全域に亘る前面部24cに歪み防止用の面圧反力(Pb)が加わり、さらに、上記第2の操作位置で、クランプレバー35がマウントベース24を垂直プレート26に押し付けることで、マウントベース24の取付基準面24bが垂直プレート26の取付面26aに当接して、マウントベース24に光軸ずれ防止用押圧力(Pa)が加わる。これにより、マウントベース24は、ねじ締め機構22によるねじ締めの回転トルクに対して移動不能にクランプ機構15に固定支持される。
【0040】
図10乃至図15は上記クランプ機構15の動作明図であり、このうち、図10はマウントベース24をクランプ機構15の垂直プレート26に取り付ける状態を示す図、図11はマウントベース24の前面部24cを水平プレート27(固定側クランププレート28の裏面部に形成されたマウントベースの押し当て天面fb)に押し付ける第1の操作位置の状態を示す図、図12はマウントベース24の取付基準面24bを垂直プレート26の取付面26aに押し付ける第2の操作位置の状態を示す図である。図13はマウントベース24を垂直プレート26に取り付けた後のクランプ開始時の垂直カム、水平カムの状態を示す図、図14は上記図11に示す第1の操作位置における垂直カム、水平カムの状態を示す図、図15は上記図12に示す第2の操作位置における垂直カム、水平カムの状態を示す図である。
【0041】
クランプ機構15にマウントベース24を取り付ける、マウントベースの取付、交換時は、操作ロッド41を図4に矢印bで示す方向に位置させ、クランプ解除の状態にしておく。この際は、垂直カム(第1のカムローラ43および第1のカム面39)および水平カム(第2のカム面40および第2のカムローラ44)が図13に示す状態にあり、図10に示すように、リフトステージを構成する垂直プレート26が、コイルスプリング(引っ張りばね)47の作用に抗して下降位置にあり、水平プレート27の可動側クランププレート33に設けられたクランプレバー35が、コイルスプリング(引っ張りばね)50の作用に抗して固定側クランププレート28の延長方向最前端の位置にある。この状態で、マウントベース24の位置決め用孔24fを垂直プレート26の位置決めピン26cに嵌合し、マウントベース24の吸着面24eを垂直プレート26の取付面26aで真空吸着することにより、マウントベース24がリフトステージを構成する垂直プレート26の予め定められた取付位置に真空吸着により支持される。
【0042】
次に、操作摘み42により、操作ロッド41を図14に矢印aで示す方向に所定量移動操作し、図14に示す第1の操作位置状態とすることにより、垂直カムの第1のカムローラ43が第1の傾斜カム面39を移動し、これにより、図11に示すように、リフトステージを構成する垂直プレート26が、コイルスプリング47の引っ張り方向(矢印e方向)に押し上げられて、マウントベース24の前面部24cが水平プレート27を構成する固定側クランププレート28の裏面部に形成されたマウントベース押し当て天面fbに当接し、マウントベース24の前面部24cをマウントベース押し当て天面fbに押し付ける(図8の符号Pb参照)。
【0043】
さらに、操作ロッド41を矢印aで示す方向に所定量移動操作し、図15に示す第2の操作位置状態とすることにより、水平カムの第2のカム面40が第2のカムローラ44を移動し、これにより、図12に示すように、水平プレート27の可動側クランププレート33に設けられたクランプレバー35が、コイルスプリング50の引っ張り方向(矢印f方向)により固定側クランププレート28の基端側に引き寄せられて、クランプレバー35がマウントベース24を垂直プレート26に押圧する(図8の符号Pa参照)。
【0044】
上記したように、クランプ機構15に時差式カム機構36を設けたことにより、操作ロッド41の押し、引き操作のみで、マウントベース24のクランプ、クランプ解除が可能であり、時差式カム機構36により、クランプ時には、操作ロッド41の移動操作に連動して、リフトアップ天面押し付け、側面クランプの順で確実にマウントベース24をクランプ機構15に固定できる。さらに、クランプ解除の位置では、リフトステージを構成する垂直プレート26が下降し、周囲に作業空間が形成されることから、マウントベース24を容易に取り付け、取り外しできる。また、マウントベース24のクランプ機構に時差式カム機構36を設けたことにより、ねじ締め機構22によるねじ締め固定の自動制御が可能となり、さらに真空吸着機構に吸着センサを設けることで、ねじ締め機構22を外部制御し自動化した際、ねじ締め固定完了時に位置ずれが発生した場合に、この位置ずれの発生を判定し報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る光軸位置調整を行うカメラマウント組立装置の全体構成を示す図。
【図2】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースのクランプ構造を示す図。
【図3】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースのクランプ構造を示す図。
【図4】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースのクランプ構造を示す図。
【図5】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置で扱うマウントベースおよびセンサホルダの構成例を示す図。
【図6】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置で扱うマウントベースおよびセンサホルダの構成例を示す図。
【図7】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置で扱うマウントベースおよびセンサホルダの構成例を示す図。
【図8】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースの取付構造を示す図。
【図9】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースの取付構造を示す図。
【図10】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図11】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図12】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図13】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図14】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図15】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【符号の説明】
【0046】
11…基台、12…Z軸ステージ、13…駆動機構、14…昇降台、14a…ガイドレール、15…クランプ機構、16…基台、17…Y軸ステージ、18…X軸ステージ、19…θ軸ステージ、20…パレット機構(センサホルダパレット)、21…センサホルダ、22…ねじ締め機構、23…ドライバービット、24…マウントベース、24a…レンズマウント、24b…取付基準面、24c…前面部、24f…位置決め用孔、24e…吸着面、25…クランプベース、26…垂直プレート(リフトステージ)、26a…取付面、26b…ガイドブロック、26c…位置決めピン、26d…真空吸引孔、27…水平プレート、28…固定側クランププレート、29…スライド面、30…開口部、31…第1のレンズマウント緩挿孔(レンズマウントの逃げ孔)、32…第2のレンズマウント緩挿孔(レンズマウントの逃げ孔)、33…可動側クランププレート、34…突出部、35…クランプレバー、36…時差式カム機構、37…ガイドブロック、38…開口部、39…垂直カムのカム面(第1のカム面)、40…水平カムのカム面(第2のカム面)、41…操作桿(操作ロッド)、42…操作摘み、43…第1のカムローラ、44…第2のカムローラ、45,46…固定ピン、47…垂直プレートを水平プレート側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)、48,49…固定ピン、50…可動側クランププレートを固定側クランププレートの基端側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)、61…センサ基板、62…イメージセンサ、62a…撮像面、O1…光軸、fa…レンズマウント24aのフランジ面、fb…マウントベースの押し当て天面、。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリアイメージセンサを実装したセンサホルダとレンズマウントを有するマウントベースとにより構成されるカメラマウントの製造時に適用されるカメラマウント組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マシンビジョンシステムにおいては、工業用の電子撮像カメラとして、撮像素子となるエリアイメージセンサに、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)を用いた固体撮像素子カメラが広く用いられている。
【0003】
この種、マシンビジョンシステムに適用される固体撮像素子カメラは、例えば検出位置精度等に関して高精度の位置検出が可能な撮像出力が要求される。
【0004】
このため、カメラレンズ取付部(フランジ)およびレンズ光軸に平行な取付基準面を有するマウントベースに、エリアイメージセンサを取り付ける製造工程においては、マウントベースに対するセンサ撮像面の微細な位置調整が必要となる。
【0005】
とくに、この種のカメラ組立においては、カメラレンズ取付面(フランジ面)とセンサ撮像面との距離(フランジバック)の管理は非常に重要である。例えばCマウントレンズの場合、フランジバック(FB)を17.526mmに設定する必要がある。
【0006】
カメラ筐体となる上記マウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをレンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置にマウントする場合、従来では、マウントベースとセンサホルダをそれぞれ個別に支持機構で支持し、数カ所のねじ締め加工により、センサホルダをマウントベースに固定している。この際、マウントベース側のレンズマウントとセンサホルダ側のセンサとの光軸(x,Y,θ方向)精度を保ちながら組み上げるには、ねじ締付時のトルクの影響で位置ずれが発生しないように、マウントベースとセンサホルダをしっかりと固定しておく必要がある。このため、従来では、人手作業により、位置ずれが生じていないことを確認しながらねじ締め作業を行っていた。
【0007】
この種、位置決め部品の支持機構として、従来ではクランパーによるICパッケージの取付構造が存在した(特許文献1参照)。また、ねじ締めを伴うカメラの組立構造として、レンズ鏡筒本体を回転させることなく、ねじマウントへの装着ができるレンズ鏡筒が存在した(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−319076号公報
【特許文献2】特開平10−048727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、マシンビジョンシステムに適用される、高精度の撮像出力が要求される固体撮像素子カメラの組立工程において、従来では、マウントベースとセンサホルダをそれぞれ個別に支持機構で支持し、マウントベース側のレンズマウントとセンサホルダ側のセンサとの光軸精度を保ちながら(位置ずれが生じていないことを確認しながら)、人手作業により、ねじ締め作業を行っていた。このため、レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをレンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置でマウントする組立工程において、作業性の面で問題があった。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつ効率よく行うことのできるカメラマウント組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、円筒状のレンズマウントおよび前記レンズマウントのフランジ面に直交する取付基準面を有するマウントベースに、矩形状の撮像面を有するイメージセンサを保持したセンサホルダを前記レンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置でマウントするカメラマウント組立装置であって、前記マウントベースを前記マウント位置で支持するクランプ機構と、前記センサホルダを前記マウント位置で支持するパレット機構と、前記パレット機構に支持されたイメージセンサを前記クランプ機構に支持されたマウントベースにねじ締め固定するねじ締め機構とを具備し、前記クランプ機構は、前記取付基準面に接合して、前記マウントベースを前記レンズマウントを上方に向け前記光軸に平行な垂直に支持する垂直プレートと、前記マウントベースの前記レンズマウントが設けられた前面部に接合して前記フランジ面を水平に支持する水平プレートと、棒状の操作桿を有し、この操作桿の軸方向の移動操作により、第1の操作位置で前記前面部を前記水平プレートに押し付け、続く第2の操作位置で前記取付基準面を前記垂直プレートに押し付けて、前記マウントベースを前記ねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、レンズマウントを有するマウントベースに、イメージセンサを保持したセンサホルダをねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつ効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0013】
本発明の実施形態に係る、光軸位置調整を行うカメラマウント組立装置の全体構成を図1に示し、同装置におけるマウントベースのクランプ構造を図2乃至図4に示し、組立対象となるマウントベースおよびセンサホルダの構成例を図5乃至図7に示し、上記マウントベースの取付構造を図8および図9に示す。なお、図2は上記クランプ構造の平面図、図3は同側面図、図4は図3に示す垂直プレートの正面図、図5は組立前のマウントベースとセンサホルダを示す上面図、図6は同側面図、図7(a)は組立後の側面図、同図(b)は同正面図である。
【0014】
本発明の実施形態に係るカメラマウント組立装置は、図5乃至図9に示す、円筒状のレンズマウント24aおよびレンズマウント24aのフランジ面faに直交する取付基準面24bを有するマウントベース24に、矩形状の撮像面62aを有するイメージセンサ62を保持したセンサホルダ21をレンズマウント24aの光軸O1上のフランジバック(FB)を確保したマウント位置でマウントする装置であって、図1に示す、マウントベース24を支持するクランプ機構15と、センサホルダ21を支持するパレット機構(センサホルダパレット)20と、パレット機構20に支持されたセンサホルダ21をクランプ機構15に支持されたマウントベース24にねじ締め固定するねじ締め機構22とを具備し、クランプ機構15は、図2乃至図4に示す、取付基準面24bに接合して、マウントベース24をレンズマウント24aを上方に向け光軸O1に平行な垂直に支持する垂直プレート26と、マウントベース24のレンズマウント24aが設けられた前面部24cに接合してレンズマウント24aのフランジ面faを水平に支持する水平プレート27と、棒状の操作桿41を有し、この操作桿41の軸方向の移動操作により、第1の操作位置でマウントベース24の前面部24cを水平プレート27に押し付け、続く第2の操作位置でマウントベース24の取付基準面24bを垂直プレート26に押し付けて、マウントベース24をねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構36(41〜44)とを具備する。なお、クランプ機構15および時差式カム機構36の構成については図2乃至図4を参照して後述する。クランプ機構15の作用については図13乃至図15を参照して後述する。センサホルダパレット20に固定支持されたセンサホルダ21は、イメージセンサ62を実装したセンサ基板61を撮像面62aを露出させ、一対のホルダ部材でセンサホルダパレット20に固定するもので、この実施形態ではセンサホルダ21の具体的な構成について説明を省略する。
【0015】
上記時差式カム機構36は、クランプ機構15に支持されたマウントベース24を水平プレート27に弾性的に押し付ける垂直方向の押圧手段(45〜47)と、クランプ機構15に支持されたマウントベース24を垂直プレート26に弾性的に押圧する水平方向の押圧手段(48〜50)とを具備する。
【0016】
上記垂直プレート26は、マウントベース24のリフトステージを構成する。この垂直プレート26は、図3、図4および図8に示すように、マウントベース24の取付基準面24bに接合する取付面26aに、位置決めピン26cおよび真空吸引孔26dを有し、マウントベース24は、図8および図9に示すように、取付基準面24bに、位置決めピン26cが嵌合する位置決め用孔24f、および真空吸引孔26dに連通して取付面26aに真空吸着室を形成する、凹陥部により形成された吸着面24eを有する。上記垂直プレート26の位置決めピン26cにマウントベース24の位置決め用孔24fが嵌合され、上記マウントベース24の吸着面24eが垂直プレート26の取付面26aに真空吸着されることにより、マウントベース24が垂直プレート26の予め定められた取付位置に真空吸着により支持される。
【0017】
リフトステージを構成する垂直プレート26は、光軸O1に平行な垂直方向に昇降するZ軸ステージ12に設けられ、垂直プレート26の取付面26aに平行して、操作桿41の移動操作により垂直プレート26を上下方向に駆動する垂直カムのカム面(第1のカム面)39を有する。
【0018】
上記水平プレート27は、基端側が上記Z軸ステージ12に固定され、先端側が上記垂直プレート26の取付面26aと直交する水平方向に延出し、この延出部に上記レンズマウント24aが緩挿されるレンズマウントの逃げ孔31を有し、この逃げ孔31の周囲の下面に上記マウントベース24の前面部24cが当接するマウントベースの押し当て天面fbを有する固定側クランププレート28と、この固定側クランププレート28上に、同プレートが延出する水平方向(矢印c方向)にスライド可能に設けられ、同プレートの延出側に向かう端部にマウントベース24の一側部をクランプするクランプレバー35を有し、固定側クランププレート28の基端側に向かう端部に、操作桿41の移動操作によりクランプレバー35を上記スライド方向(矢印c方向)に駆動する水平カムのカム面(第2のカム面)40を有する可動側クランププレート33とを具備する。
【0019】
上記垂直プレート26には、同プレートを水平プレート27側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)47が張設され、水平プレート27の可動側クランププレート33には、同プレートを固定側クランププレート28の基端側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)50が張設されている。
【0020】
レンズマウント24aのフランジ面faを上方に向け、レンズマウント24aからイメージセンサ62の撮像面62aが露出した状態でクランプ機構15に固定支持されたマウントベース24の上方には、レンズマウント24aのレンズ光軸O1を測定基軸として、イメージセンサ62の撮像面62aの光軸O1に対する位置ずれを光学的に計測する三次元光学測定器(図示せず)が設けられている。
【0021】
上記クランプ機構15に固定支持されたマウントベース24に対して、センサホルダパレット20に固定支持されたセンサホルダ21が、レンズマウント24aのフランジ面faの上方に位置する三次元光学測定器により光学測定され、この測定値をもとに、Y軸ステージ17、X軸ステージ18およびθ軸ステージ19が駆動されて、レンズマウント24aの光軸O1とイメージセンサ62との光軸位置合わせ調整が行われた後、ねじ締め機構22により、センサホルダ21がマウントベース24にねじ締め固定される。
【0022】
上記した本発明の実施形態に係るカメラマウント組立装置によれば、操作桿41の軸方向の移動操作による第1の操作位置でマウントベース24の前面部24cを水平プレート27に押し付け、続く第2の操作位置でマウントベース24の取付基準面24bを垂直プレート26に押し付けて、マウントベース24をねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構36(41〜44)を備えて、マウントベース24をクランプ機構15に固定支持する構成としたことにより、人手によるねじ締め固定作業によらず、ねじ締め機構22による自動化したねじ締め固定作業にて、ねじ締め時の回転トルクに伴って発生する、マウントベース24とイメージセンサ62の撮像面62aとの光軸ずれ(レンズマウント24aの光軸O1に対する撮像面62aの位置ずれ、および光軸O1の軸回り方向のずれを含む)による光軸位置出し精度の劣化を回避できる。これにより、マウントベース24にセンサホルダ21をねじ締め固定する固定作業を光軸精度を保ちつつねじ締め機構22を用いて効率よく行うことができる。
【0023】
ここで、上記各図を参照して上記実施形態に係るカメラマウント組立装置の構成をさらに説明する。
【0024】
図1乃至図4を参照して本発明の実施形態に係るカメラマウント組立装置の全体構成を概略的に説明する。カメラマウント組立装置のベースとなる基台11には、Z軸ステージ12が設置されている。このZ軸ステージ12は、Z軸方向に駆動する駆動機構13を有する。この駆動機構13には、昇降台14が設けられ、昇降台14には、図2乃至図4を参照して詳細を後述する時差式カム機構36を備えたクランプ機構15が搭載されている。
【0025】
Z軸ステージ12の前部の基台11には、パレット機構(センサホルダパレット)20をX,Y,Z方向に移動制御するステージの基台16が設けられ、この基台16にはY軸方向に直線移動するY軸ステージ17が設けられている。このY軸ステージ17にはX軸方向に直線移動するX軸ステージ18が搭載されている。さらに、X軸ステージ18にはθ軸ステージ19が搭載されている。このθ軸ステージ19には、センサホルダパレット20が設けられ、このセンサホルダパレット20によってセンサホルダ21を支持できるようになっている。すなわち、センサホルダパレット20で支持したセンサホルダ21をY軸ステージ17、X軸ステージ18およびθ軸ステージ19によってXYおよびθ軸方向に移動してクランプ機構15に位置決めできるようになっている。
【0026】
さらに、Z軸ステージ12とY軸ステージ17との間の基台11には、ねじ締め機構22が設けられている。このねじ締め機構22はドライバービット23が垂直上向きに設けられ、XY方向に移動自在であるとともに、Z軸方向に移動自在であり、センサホルダ21をマウントベース24にねじ締めする際に駆動するようになっている。
【0027】
次に、図2乃至図4を参照してクランプ機構15について説明する。Z軸ステージ12の昇降台14にはクランプベース25が固定され、このクランプベース25の前面には真空吸着面を形成する取付面26aを有する垂直プレート26が設けられている。この垂直プレート26の裏面には垂直方向のガイドブロック26bが設けられ、このガイドブロック26bは昇降台14に設けられたガイドレール14aに対して垂直方向にガイドされるようになっている。
【0028】
真空吸着面を形成する取付面26aの上部には、左右方向に離間して一対の基準位置決めピン26cが突設されている。さらに、真空吸着面を形成する取付面26aの下部には1個の真空吸着孔26dが設けられ、この真空吸着孔26dは真空吸引パイプ26eを介して真空吸引源(図示しない)に連通している。垂直プレート26の裏面にはカム用の開口部38が形成され、この下辺には斜面からなる第1のカム面39が設けられている。第1のカム面39はクランプ機構15の垂直カムのカム面を構成している。
【0029】
また、クランプベース25の上面には固定側クランププレート28の基端部が固定され、先端部は垂直プレート26より前方に突出して設けられている。したがって、垂直プレート26と固定側クランププレート28とによって側面視で、逆L字状に構成されている。
【0030】
固定側クランププレート28は、下面に垂直プレート26の真空吸着面を形成する取付面26aに対して直角で、マウントベース水平基準面となるマウントベースの押し当て天面fbが形成されている。固定側クランププレート28は基端側が肉厚で、先端側が薄肉に形成され、固定側クランププレート28の上面の先端側(薄肉部)には基端側より一段低く形成されたスライド面29が設けられている。このスライド面29の幅方向の中央部は固定側クランププレート28の基端側(肉厚部)まで延長しており、固定側クランププレート28の基端側には矩形状の開口部30が設けられている。
【0031】
固定側クランププレート28のスライド面29には上下方向に貫通する真円の第1のレンズマウント緩挿孔31が設けられ、この第1のレンズマウント緩挿孔31を挟んで両側部にはスライドガイド部32が対称的に設けられている。第1のレンズマウント緩挿孔31はレンズマウント24aの逃げ孔を構成している。
【0032】
このように構成された固定側クランププレート28の上面、すなわちスライド面29には平板状の可動側クランププレート33が前後方向(矢印c方向)にスライド自在に載置されている。可動側クランププレート33は固定側クランププレート28のスライド面29と略同一形状であり、一端部には開口部30の一部を覆うように突出部34が一体に設けられている。可動側クランププレート33の他端部には固定側クランププレート28を避けて下方へ突出するクランプレバー35が設けられている。このクランプレバー35はレンズマウント24を垂直プレート26の取付面26a方向に押圧する際のプッシャーとして作用する。
【0033】
さらに、可動側クランププレート33の中央部にはその前後方向に長径部を有する略楕円形状の第2のレンズマウント緩挿孔34が設けられ、この第2のレンズマウント緩挿孔34は固定側クランププレート28の第1のレンズマウント緩挿孔31に対向と対向している。第2のレンズマウント緩挿孔34は第1のレンズマウント緩挿孔31と同様にレンズマウント24aの逃げ孔を構成している。さらに、第2のレンズマウント緩挿孔34の両側部における可動側クランププレート33の下面にはスライドガイド部32に前後方向にスライド自在に嵌合するガイドブロック37が設けられている。
【0034】
可動側クランププレート33の突出部34の端面には斜面からなる第2のカム面40が設けられている。第2のカム面40はクランプ機構15の水平カムのカム面を構成している。
【0035】
上記第1のカム面39と第2のカム面40は直角であり、第1のカム面39が上下方向の勾配面を有し、第2のカム面40は水平方向の勾配面を有している。
【0036】
さらに、第1のカム面39と第2のカム面40の近傍で、前記Z軸ステージ12の昇降台14には左右方向に貫通する貫通孔(図示しない)が設けられ、この貫通孔には操作桿(操作ロッド)41が軸方向にスライド自在に挿入されている。操作ロッド41の両端部には操作摘み42が設けられ、手指によって操作摘み42を摘んで操作ロッド41を軸方向にスライドできるようになっている。
【0037】
操作ロッド41の中間部には第1のカム面39と接離可能な第1のカムローラ43と、第2のカム面40と接離可能な第2のカムローラ44が設けられている。第2のカムローラ44はクランプベース25の上面に設けられた長孔25hから突出して第2のカム面40に接離可能に設けられている。第1のカムローラ43と第1のカム面39は垂直カムを構成し、第2のカム面40と第2のカムローラ44は水平カムを構成している。すなわち、操作ロッド41を一方向(図4に示す矢印a方向)にスライドすることにより、第1のカムローラ43が第1のカム面39に対して接離し、第2のカムローラ44が第2のカム面40に対して接離するようになっている。この場合、操作ロッド41を一方向(矢印a方向)にスライドすると、まず第1のカムローラ43が第1のカム面39に対して離間し(図14参照)、続いて第2のカムローラ44が第2のカム面40に対して離間する(図15参照)時差式カム機構36を構成している。
【0038】
また、上記垂直プレート(昇降プレート)26の両側部には固定ピン45が固定され、固定側クランププレート28の両側部の下面には固定ピン46が固定されている。そして、固定ピン45と46との間には垂直プレート26を引き上げる方向に付勢するコイルスプリング47が張設されている。さらに、固定側クランププレート28の両側部には固定ピン48が固定され、可動側クランププレート33の両側部には固定ピン49が固定されている。そして、固定ピン48と49との間には可動クランププレート33を固定側クランププレート28に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング50が張設されている。したがって、第1のカムローラ43はコイルスプリング47によって第1のカム面39に接触する方向に付勢され、第2のカムローラ44はコイルスプリング50によって第2のカム面40に接触する方向に付勢されている。
【0039】
上記した、操作ロッド41および操作摘み42と、垂直カムを構成する第1のカムローラ43および第1のカム面39と、水平カムを構成する第2のカム面40および第2のカムローラ44と、コイルスプリング(引っ張りばね)47,50とにより、時差式カム機構36が構成される。この時差式カム機構36の操作桿41を軸方向に一方向(矢印a方向)移動操作により、第1の操作位置でマウントベース24の前面部24cを水平プレート27に押し付け、続く第2の操作位置でマウントベース24の取付基準面24bをリフトステージを構成する垂直プレート26に押し付けて、マウントベース24をねじ締め時の回転トルクに対し移動不能にクランプ機構15に支持することができる。この際、図8に示すように、上記第1の操作位置で、マウントベース24に設けられたレンズマウント24aの周面全域に亘る前面部24cが水平プレート27を構成する固定側クランププレート28のマウントベース押し当て天面fbに当接して、レンズマウント24aの周面全域に亘る前面部24cに歪み防止用の面圧反力(Pb)が加わり、さらに、上記第2の操作位置で、クランプレバー35がマウントベース24を垂直プレート26に押し付けることで、マウントベース24の取付基準面24bが垂直プレート26の取付面26aに当接して、マウントベース24に光軸ずれ防止用押圧力(Pa)が加わる。これにより、マウントベース24は、ねじ締め機構22によるねじ締めの回転トルクに対して移動不能にクランプ機構15に固定支持される。
【0040】
図10乃至図15は上記クランプ機構15の動作明図であり、このうち、図10はマウントベース24をクランプ機構15の垂直プレート26に取り付ける状態を示す図、図11はマウントベース24の前面部24cを水平プレート27(固定側クランププレート28の裏面部に形成されたマウントベースの押し当て天面fb)に押し付ける第1の操作位置の状態を示す図、図12はマウントベース24の取付基準面24bを垂直プレート26の取付面26aに押し付ける第2の操作位置の状態を示す図である。図13はマウントベース24を垂直プレート26に取り付けた後のクランプ開始時の垂直カム、水平カムの状態を示す図、図14は上記図11に示す第1の操作位置における垂直カム、水平カムの状態を示す図、図15は上記図12に示す第2の操作位置における垂直カム、水平カムの状態を示す図である。
【0041】
クランプ機構15にマウントベース24を取り付ける、マウントベースの取付、交換時は、操作ロッド41を図4に矢印bで示す方向に位置させ、クランプ解除の状態にしておく。この際は、垂直カム(第1のカムローラ43および第1のカム面39)および水平カム(第2のカム面40および第2のカムローラ44)が図13に示す状態にあり、図10に示すように、リフトステージを構成する垂直プレート26が、コイルスプリング(引っ張りばね)47の作用に抗して下降位置にあり、水平プレート27の可動側クランププレート33に設けられたクランプレバー35が、コイルスプリング(引っ張りばね)50の作用に抗して固定側クランププレート28の延長方向最前端の位置にある。この状態で、マウントベース24の位置決め用孔24fを垂直プレート26の位置決めピン26cに嵌合し、マウントベース24の吸着面24eを垂直プレート26の取付面26aで真空吸着することにより、マウントベース24がリフトステージを構成する垂直プレート26の予め定められた取付位置に真空吸着により支持される。
【0042】
次に、操作摘み42により、操作ロッド41を図14に矢印aで示す方向に所定量移動操作し、図14に示す第1の操作位置状態とすることにより、垂直カムの第1のカムローラ43が第1の傾斜カム面39を移動し、これにより、図11に示すように、リフトステージを構成する垂直プレート26が、コイルスプリング47の引っ張り方向(矢印e方向)に押し上げられて、マウントベース24の前面部24cが水平プレート27を構成する固定側クランププレート28の裏面部に形成されたマウントベース押し当て天面fbに当接し、マウントベース24の前面部24cをマウントベース押し当て天面fbに押し付ける(図8の符号Pb参照)。
【0043】
さらに、操作ロッド41を矢印aで示す方向に所定量移動操作し、図15に示す第2の操作位置状態とすることにより、水平カムの第2のカム面40が第2のカムローラ44を移動し、これにより、図12に示すように、水平プレート27の可動側クランププレート33に設けられたクランプレバー35が、コイルスプリング50の引っ張り方向(矢印f方向)により固定側クランププレート28の基端側に引き寄せられて、クランプレバー35がマウントベース24を垂直プレート26に押圧する(図8の符号Pa参照)。
【0044】
上記したように、クランプ機構15に時差式カム機構36を設けたことにより、操作ロッド41の押し、引き操作のみで、マウントベース24のクランプ、クランプ解除が可能であり、時差式カム機構36により、クランプ時には、操作ロッド41の移動操作に連動して、リフトアップ天面押し付け、側面クランプの順で確実にマウントベース24をクランプ機構15に固定できる。さらに、クランプ解除の位置では、リフトステージを構成する垂直プレート26が下降し、周囲に作業空間が形成されることから、マウントベース24を容易に取り付け、取り外しできる。また、マウントベース24のクランプ機構に時差式カム機構36を設けたことにより、ねじ締め機構22によるねじ締め固定の自動制御が可能となり、さらに真空吸着機構に吸着センサを設けることで、ねじ締め機構22を外部制御し自動化した際、ねじ締め固定完了時に位置ずれが発生した場合に、この位置ずれの発生を判定し報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る光軸位置調整を行うカメラマウント組立装置の全体構成を示す図。
【図2】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースのクランプ構造を示す図。
【図3】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースのクランプ構造を示す図。
【図4】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースのクランプ構造を示す図。
【図5】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置で扱うマウントベースおよびセンサホルダの構成例を示す図。
【図6】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置で扱うマウントベースおよびセンサホルダの構成例を示す図。
【図7】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置で扱うマウントベースおよびセンサホルダの構成例を示す図。
【図8】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースの取付構造を示す図。
【図9】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるマウントベースの取付構造を示す図。
【図10】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図11】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図12】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図13】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図14】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【図15】上記実施形態に係るカメラマウント組立装置におけるクランプ機構の動作明図。
【符号の説明】
【0046】
11…基台、12…Z軸ステージ、13…駆動機構、14…昇降台、14a…ガイドレール、15…クランプ機構、16…基台、17…Y軸ステージ、18…X軸ステージ、19…θ軸ステージ、20…パレット機構(センサホルダパレット)、21…センサホルダ、22…ねじ締め機構、23…ドライバービット、24…マウントベース、24a…レンズマウント、24b…取付基準面、24c…前面部、24f…位置決め用孔、24e…吸着面、25…クランプベース、26…垂直プレート(リフトステージ)、26a…取付面、26b…ガイドブロック、26c…位置決めピン、26d…真空吸引孔、27…水平プレート、28…固定側クランププレート、29…スライド面、30…開口部、31…第1のレンズマウント緩挿孔(レンズマウントの逃げ孔)、32…第2のレンズマウント緩挿孔(レンズマウントの逃げ孔)、33…可動側クランププレート、34…突出部、35…クランプレバー、36…時差式カム機構、37…ガイドブロック、38…開口部、39…垂直カムのカム面(第1のカム面)、40…水平カムのカム面(第2のカム面)、41…操作桿(操作ロッド)、42…操作摘み、43…第1のカムローラ、44…第2のカムローラ、45,46…固定ピン、47…垂直プレートを水平プレート側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)、48,49…固定ピン、50…可動側クランププレートを固定側クランププレートの基端側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリング(引っ張りばね)、61…センサ基板、62…イメージセンサ、62a…撮像面、O1…光軸、fa…レンズマウント24aのフランジ面、fb…マウントベースの押し当て天面、。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のレンズマウントおよび前記レンズマウントのフランジ面に直交する取付基準面を有するマウントベースに、矩形状の撮像面を有するイメージセンサを保持したセンサホルダを前記レンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置でマウントするカメラマウント組立装置であって、
前記マウントベースを支持するクランプ機構と、
前記センサホルダを支持するパレット機構と、
前記パレット機構に支持されたセンサホルダを前記クランプ機構に支持されたマウントベースにねじ締め固定するねじ締め機構とを具備し、
前記クランプ機構は、
前記取付基準面に接合して、前記マウントベースを前記レンズマウントを上方に向け前記光軸に平行な垂直に支持する垂直プレートと、
前記マウントベースの前記レンズマウントが設けられた前面部に接合して前記フランジ面を水平に支持する水平プレートと、
棒状の操作桿を有し、この操作桿の軸方向の移動操作により、第1の操作位置で前記前面部を前記水平プレートに押し付け、続く第2の操作位置で前記取付基準面を前記垂直プレートに押し付けて、前記マウントベースを前記ねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構と
を具備したことを特徴とするカメラマウント組立装置。
【請求項2】
前記時差式カム機構は、前記クランプ機構に支持された前記マウントベースを前記水平プレートに弾性的に押し付ける垂直方向の押圧手段と、前記クランプ機構に支持されたマウントベースを前記垂直プレートに弾性的に押圧する水平方向の押圧手段とを具備する請求項1に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項3】
前記垂直プレートは、前記取付基準面に接合する取付面に、位置決めピンおよび真空吸引孔を有し、前記マウントベースは、前記取付基準面に、前記位置決めピンが嵌合する位置決め用孔および前記真空吸引孔に連通して真空吸着室を形成する吸着面を有して、前記位置決め用孔に前記位置決めピンが嵌合され、前記吸着面が前記取付面に真空吸着されることにより前記垂直プレートに支持されることを特徴とする請求項2に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項4】
前記垂直プレートは、前記光軸に平行な垂直方向に昇降するZ軸ステージに設けられ、前記取付面に平行して、前記操作桿の移動操作により前記垂直プレートを上下方向に駆動する垂直カムのカム面を有することを特徴とする請求項3に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項5】
前記水平プレートは、
基端側が前記Z軸ステージに固定され、先端側が前記垂直プレートの前記取付面と直交する水平方向に延出し、この延出部に前記レンズマウントが緩挿されるレンズマウントの逃げ孔を有し、この逃げ孔周囲の下面に前記マウントベースの前面部が当接するマウントベースの押し当て天面を有する固定側クランププレートと、
この固定側クランププレート上に前記固定側クランププレートが延出する水平方向にスライド可能に設けられ、前記固定側クランププレートの延出側に向かう端部に前記マウントベースの一側部をクランプするクランプレバーを有し、前記固定側クランププレートの基端側に向かう端部に、前記操作桿の移動操作により前記クランプレバーを前記スライド方向に駆動する水平カムのカム面を有する可動側クランププレートと
を具備したことを特徴とする請求項2に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項6】
前記垂直プレートを前記水平プレート側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリングを具備したことを特徴とする請求項4に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項7】
前記可動側クランププレートを前記固定側クランププレートの基端側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリングを具備したことを特徴とする請求項5に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項1】
円筒状のレンズマウントおよび前記レンズマウントのフランジ面に直交する取付基準面を有するマウントベースに、矩形状の撮像面を有するイメージセンサを保持したセンサホルダを前記レンズマウントの光軸上のフランジバックを確保したマウント位置でマウントするカメラマウント組立装置であって、
前記マウントベースを支持するクランプ機構と、
前記センサホルダを支持するパレット機構と、
前記パレット機構に支持されたセンサホルダを前記クランプ機構に支持されたマウントベースにねじ締め固定するねじ締め機構とを具備し、
前記クランプ機構は、
前記取付基準面に接合して、前記マウントベースを前記レンズマウントを上方に向け前記光軸に平行な垂直に支持する垂直プレートと、
前記マウントベースの前記レンズマウントが設けられた前面部に接合して前記フランジ面を水平に支持する水平プレートと、
棒状の操作桿を有し、この操作桿の軸方向の移動操作により、第1の操作位置で前記前面部を前記水平プレートに押し付け、続く第2の操作位置で前記取付基準面を前記垂直プレートに押し付けて、前記マウントベースを前記ねじ締め時の回転トルクに対し移動不能に支持する時差式カム機構と
を具備したことを特徴とするカメラマウント組立装置。
【請求項2】
前記時差式カム機構は、前記クランプ機構に支持された前記マウントベースを前記水平プレートに弾性的に押し付ける垂直方向の押圧手段と、前記クランプ機構に支持されたマウントベースを前記垂直プレートに弾性的に押圧する水平方向の押圧手段とを具備する請求項1に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項3】
前記垂直プレートは、前記取付基準面に接合する取付面に、位置決めピンおよび真空吸引孔を有し、前記マウントベースは、前記取付基準面に、前記位置決めピンが嵌合する位置決め用孔および前記真空吸引孔に連通して真空吸着室を形成する吸着面を有して、前記位置決め用孔に前記位置決めピンが嵌合され、前記吸着面が前記取付面に真空吸着されることにより前記垂直プレートに支持されることを特徴とする請求項2に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項4】
前記垂直プレートは、前記光軸に平行な垂直方向に昇降するZ軸ステージに設けられ、前記取付面に平行して、前記操作桿の移動操作により前記垂直プレートを上下方向に駆動する垂直カムのカム面を有することを特徴とする請求項3に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項5】
前記水平プレートは、
基端側が前記Z軸ステージに固定され、先端側が前記垂直プレートの前記取付面と直交する水平方向に延出し、この延出部に前記レンズマウントが緩挿されるレンズマウントの逃げ孔を有し、この逃げ孔周囲の下面に前記マウントベースの前面部が当接するマウントベースの押し当て天面を有する固定側クランププレートと、
この固定側クランププレート上に前記固定側クランププレートが延出する水平方向にスライド可能に設けられ、前記固定側クランププレートの延出側に向かう端部に前記マウントベースの一側部をクランプするクランプレバーを有し、前記固定側クランププレートの基端側に向かう端部に、前記操作桿の移動操作により前記クランプレバーを前記スライド方向に駆動する水平カムのカム面を有する可動側クランププレートと
を具備したことを特徴とする請求項2に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項6】
前記垂直プレートを前記水平プレート側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリングを具備したことを特徴とする請求項4に記載のカメラマウント組立装置。
【請求項7】
前記可動側クランププレートを前記固定側クランププレートの基端側に引き寄せる方向に付勢するコイルスプリングを具備したことを特徴とする請求項5に記載のカメラマウント組立装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−122464(P2010−122464A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295977(P2008−295977)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
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