説明

カメラユニットおよび映像記録装置

【課題】意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うこと。
【解決手段】カメラ部に対して覆設する部材として、第一のカバーと、第二のカバーと、回転つまみ部との3種類の分離した部材を備えることとしたうえで、かかる第一のカバーと第二のカバーとを、両カバーを嵌合した場合に形成される回転軸部において接合するようにカメラユニットを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラユニットおよび映像記録装置に関し、特に、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができるカメラユニットおよび映像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両へ設置され、走行中の車両周辺の状況を撮像しつつ、交通事故や急操作といった所定のイベントが生じた場合には、イベント前後の撮像映像を記憶媒体へ記録するイベントデータレコーダ(以下、「ドライブレコーダ」と記載する)が知られている。なお、かかるドライブレコーダが記録した撮像映像は、交通事故などの原因究明における客観的な分析資料として用いられる。
【0003】
ところで、ドライブレコーダには、記憶部などを含む本体部とカメラユニットとが、分離した個別の筐体に収められた分離型のものと、同一の筐体に収められた一体型のものとが存在する。
【0004】
ここで、分離型のドライブレコーダにおいては、本体部とカメラユニットとを有線接続することが一般的であるが、交通事故の衝撃の大きさによってはかかる有線接続の断線や短絡(ショート)などが起こり得る。このため、近年では、分離型に比べて一体型のドライブレコーダの普及がめざましい。
【0005】
たとえば、特許文献1には、円筒形状の本体部内部にカメラユニットを搭載した一体型のドライブレコーダが開示されている。なお、かかる特許文献1に開示されているドライブレコーダの取り付けは、フロントガラスに取り付けられた支持部を、本体部の一方の端部と円形状のナットとで挟み込みつつ螺合することによって行われる。また、かかるドライブレコーダの撮像角度の調整は、カメラユニットを本体部ごと回動させることによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−105530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術を用いた場合、上述のように撮像角度の調整を行うにあたっては、カメラユニットを本体部ごと回動させる必要があるため、かかる調整に本体部の重量が影響を与えやすく、容易に調整しづらいという問題があった。
【0008】
また、本体部の一方の端部でドライブレコーダを支持しているため、本体部がバランスを失いやすく、さらに角度調整を行いづらくしていた。
【0009】
なお、この点、調整操作を行う操作部の意匠を工夫などすることで角度調整を行いやすくすることは可能である。しかしながら、特許文献1においては、かかる点について言及していない。
【0010】
また、これらの問題点に加えて、ドライブレコーダは、保安基準として「前面ガラスの上縁であって、車両中心線と平行な鉛直面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲」に取り付けなければならない旨が規定されている。したがって、一体型でありつつも、より小型に構成できることが好ましい。
【0011】
これらのことから、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができるカメラユニットあるいはドライブレコーダをいかにして実現するかが大きな課題となっている。なお、かかる課題は、ドライブレコーダに限らず、カメラユニットを搭載して映像を記録する映像記録装置全般についても同様に発生する課題である。
【0012】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができるカメラユニットおよび映像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、カメラ部を内蔵するカメラユニットであって、前記カメラ部に対して覆設される第一のカバー部材および第二のカバー部材と、前記第一のカバー部材および第二のカバー部材を嵌合することによって形成される回転軸部に対して取り付けられる回転つまみ部材とを備え、前記第一のカバー部材および第二のカバー部材は、前記回転軸部において相互に接合されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、カメラ部を内蔵するカメラユニットを収容可能な本体部を有する映像記録装置であって、前記カメラユニットは、前記カメラ部に対して覆設される第一のカバー部材および第二のカバー部材と、前記第一のカバー部材および第二のカバー部材を嵌合することによって形成される回転軸部に対して取り付けられる回転つまみ部材とを備え、前記第一のカバー部材および第二のカバー部材を前記回転軸部において相互に接合したうえで、前記本体部の端部に該本体部に対して回動可能に固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カメラ部に対して覆設される第一のカバー部材および第二のカバー部材と、かかる第一のカバー部材および第二のカバー部材を嵌合することによって形成される回転軸部に対して取り付けられる回転つまみ部材とを備え、第一のカバー部材および第二のカバー部材は、回転軸部において相互に接合されることとしたので、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、カメラユニットは、カメラ部に対して覆設される第一のカバー部材および第二のカバー部材と、かかる第一のカバー部材および第二のカバー部材を嵌合することによって形成される回転軸部に対して取り付けられる回転つまみ部材とを備え、第一のカバー部材および第二のカバー部材を回転軸部において相互に接合したうえで、本体部の端部に本体部に対して回動可能に固定されることとしたので、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係るカメラユニット組み立て手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係るカメラユニットの斜視図である。
【図3】図3は、本実施例に係るカメラユニットの分解図である。
【図4】図4は、回転つまみ部の種々の意匠を示す図である。
【図5】図5は、第一のカバーと第二のカバーとの接合手法、および、回転つまみ部の取り付け手法の変形例を示す図である。
【図6】図6は、ドライブレコーダの構造および外観を示す図である。
【図7】図7は、ドライブレコーダの第二の本体部カバーの内部構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るカメラユニットおよび映像記録装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係るカメラユニット組み立て手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係るカメラユニット組み立て手法を適用したカメラユニットおよび映像記録装置についての実施例を図2〜図7を用いて説明することとする。また、以下では、映像記録装置が、一体型のドライブレコーダである場合について説明する。
【0019】
まず、本発明に係るカメラユニット組み立て手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るカメラユニット組み立て手法の概要を示す図である。なお、同図の(A)には、従来のカメラユニット組み立て手法の概要を、同図の(B)には、本発明に係るカメラユニット組み立て手法の概要を、それぞれ示している。
【0020】
また、同図の(A−a)および(B−a)には、カメラユニット10をY軸の正方向からみた概略上面図を、同図の(A−b)および(B−b)には、カメラユニット10をZ軸の負方向からみた分解側面図および回転つまみ部をX軸の正方向からみた側面図を、それぞれ示している。
【0021】
同図の(A)に示したように、従来のカメラユニット組み立て手法によれば、カメラユニット10は、第一のカバー部材11と第二のカバー部材12との2種類の部材を、カメラ部20を覆うように接合することによって組み立てられていた。
【0022】
ここで、第一のカバー部材11には開口部が設けられており、かかる開口部からカメラ部20のレンズ部が露出される(同図の(A−a)参照)。また、第一のカバー部材11は、突起部11aおよび11bを有しており、同様に第二のカバー部材12が有する突起部12aおよび12bとそれぞれ接合されることによって回転軸部が形成される(同図の(A−b)参照)。
【0023】
ところで、同図の(A−b)に示したように、従来のカメラユニット組み立て手法によれば、回転つまみ部は、あらかじめ第二のカバー12と連接して成形されていた。このため、金型へ溶融した樹脂などを流し込んで型取りを行う成形工程において、回転つまみ部に金型の継ぎ目であるパーティングラインlが生じた。
【0024】
また、回転つまみ部が第二のカバー12と連接されて成形されるがゆえに、第二のカバー12を成形する金型の構造は複雑なものとならざるを得なかった。このため、回転つまみ部に対しても独立した複雑な意匠を施しにくかった。
【0025】
また、従来のカメラユニット組み立て手法によれば、第一のカバー11と第二のカバー12とは、上述の回転軸部以外の部分(以下、「カバー本体部」と記載する)において接合されていた。
【0026】
すなわち、同図の(A)のP軸上およびQ軸上に示したように、カバー本体部へネジ穴を設けたうえで、かかるネジ穴へ固定用ネジを締め込むことによって、第一のカバー11と第二のカバー12とを接合していた。
【0027】
このため、カバー本体部は、ネジ穴を含んだ所定の幅L1を有せざるを得なかった。すなわち、かかる所定の幅L1は、小型化を図るうえにおいてのデメリットとなっていた。
【0028】
そこで、本発明に係るカメラユニット組み立て手法では、第一のカバー11と第二のカバー12とをカバー本体部ではなく「回転軸部において接合」することとした。具体的には、同図の(B)のP軸上およびQ軸上に示したように、突起部11a、11b、12aおよび12bへそれぞれネジ穴を設けたうえで、かかる突起部によって形成される回転軸部において固定用ネジによる接合を行うこととした。
【0029】
これにより、カバー本体部は、ネジ穴を含む必要がなくなり、所定の幅L1より小さい所定の幅L2を有することができる。すなわち、カメラユニット10の小型化を図ることが可能となる。
【0030】
また、同図の(B−b)に示したように、本発明に係るカメラユニット組み立て手法では、回転つまみ部13を第二のカバー12と連接した部材ではなく、第二のカバー12とは「分離した独立の部材」として設けることとした(同図の(B−b)の白色矢印を参照)。
【0031】
これにより、各部材を成形する金型の構造を簡素化することができるため、回転つまみ部13に対して独立した複雑な意匠を施すことが可能となる。たとえば、カメラ部20の撮像角度を調整するうえでの操作性を高める回転つまみガイド13aなどを設けることができる(同図の(B−b)参照)。
【0032】
なお、同図の(B−b)には図示していないが、回転つまみ部13は延伸部を有しており、かかる延伸部を第一のカバー11と第二のカバー12との間に挟み込む形で取り付けられる。かかる点については、図3を用いて後述する。
【0033】
また、同図の(B−b)においては、真円状の回転つまみ部13および複数の真円を連接した形状の回転つまみガイド13aを例に挙げているが、回転つまみ部13の意匠はかかる場合に限定されない。かかる意匠の自由度については、図4を用いて後述する。
【0034】
また、図1においては、第一のカバー11と第二のカバー12とを、固定用ネジを用いて接合する場合を示しているが、かかる接合手法はネジを用いるものに限られない。たとえば、弾性体素材による係合爪を用いることとしてもよい。かかる点については、図5を用いて後述する。
【0035】
また、カメラユニット10の組み立ての際に、第一のカバー11と第二のカバー12とを容易に係り合わせることができるように、係合方向を一定とする工夫を施してもよい。かかる点については、図2を用いて後述する。
【0036】
このように、本発明に係るカメラユニット組み立て手法では、カメラ部に対して覆設する部材を、第一のカバー11と、第二のカバー12と、回転つまみ部13との「3種類の分離した部材」によって構成することとした。
【0037】
そして、第一のカバー11と、第二のカバー12とを、「回転軸部において接合」することとした。したがって、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができる。
【0038】
以下では、図1を用いて説明したカメラユニット組み立て手法を適用したカメラユニットおよびドライブレコーダについての実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0039】
図2は、本実施例に係るカメラユニット10の斜視図である。なお、同図の(A)には、カメラユニット10を回転つまみ部13側からみた斜視図を、同図の(B)には、カメラユニット10を突起部11aおよび12a側からみた斜視図を、それぞれ示している。
【0040】
同図の(A)に示したように、カメラユニット10は、カメラ部20と、かかるカメラ部20に対して覆設される第一のカバー11と、第二のカバー12と、回転つまみ部13とから構成される。
【0041】
第一のカバー11は、カメラ部20を露出する開口部を有する部材である。なお、同図の(A)においては、かかる開口部の形状が真円状である例を示しているが、カメラ部の形状や意匠の自由度に応じた最適な形状とすればよい。
【0042】
また、第一のカバー11は、突起部11aおよび11bを有しており、第二のカバー12が有する突起部12aおよび12b(同図の(A)では図示せず)とそれぞれ接合されて回転軸部を形成する。なお、第一のカバー11および第二のカバー12は、かかる回転軸部においてカバー固定ネジ31および32を用いて固定される。
【0043】
また、第一のカバー11は、回転軸部の軸線に直交する平面で切断した場合に半円状となる形状を有している。かかる半円状の形状には、回転軸部を軸とする回動動作をスムースに行わせるだけでなく、内部に配する(カメラ部に配線されている)接続ケーブルの(カメラの回転に際してケーブルが動く為の)逃げを設けるうえで、小型でありつつ十分な奥行きを得られるというメリットがある。
【0044】
第二のカバー12は、第一のカバー11と係り合わせて接合される部材である。なお、図示しないが、第二のカバー12は、カメラ部20の台座部を有しており、カメラ部20は、かかる台座部へ据えつけられる。
【0045】
回転つまみ部13は、操作者が撮像角度の調整を行う際に操作する部材であり、操作者が行う回動操作を、回転軸部を通じてカメラ部へ伝達することによって角度調整を実現する。なお、回転つまみ部13は、回転軸部に対して固定されるが、かかる固定の手法については図3を用いて後述する。
【0046】
また、回転つまみ部13は、回転つまみガイド13aを有しており、たとえば、操作者は、かかる回転つまみガイド13aへ指を挿し込むことによって容易に回動操作を行うことができる。
【0047】
また、図2の(B)に示したように、回転つまみガイド13aは、角度支持ネジ穴13bを有している。かかる角度支持ネジ穴13bは、回転つまみ部13の回動角度に応じて複数設けられており、図6を用いて後述する角度支持ネジを貫入することによってカメラ部20の撮像角度を支持する役割を果たす。
【0048】
なお、図2の(B)に示したように、第一のカバー11は、突起部11aにおいて、カバー固定ネジ31を保持する座面用切り欠き11aaを有している。かかる座面用切り欠き11aaは、回転軸部においてもカバー固定ネジ31を安定して保持できるように、ネジ座面と密着する形状に成形されることが好ましい。また、かかる座面用切り欠き11aaは、第一のカバー11あるいは第二のカバー12のいずれの突起部に設けられてもかまわない。
【0049】
また、第一のカバー11および第二のカバー12を容易に係り合わせることができるように、第一のカバー11あるいは第二のカバー12の係合面は、それぞれ異なる形状であることが好ましい。
【0050】
たとえば、同図の(B)に示したように、第二のカバー12については、その突起部12aに対して係合爪12aaを設けたうえで、第一のカバー11については、かかる係合爪12aaに対応する係合溝を設けることができる。なお、かかる係合面における形状の工夫は、カメラユニット10の内部においても施すことができる。かかる点については、つづく図3の説明において後述する。
【0051】
図3は、本実施例に係るカメラユニット10の分解図である。同図に示したように、カメラユニット10は、第一のカバー11と、カメラ部20を台座部へ据えつけた第二のカバー12とを回転軸部において固定することによって組み立てられる。
【0052】
このとき、回転つまみ部13は、かかる回転つまみ部13の有する延伸部13cが、第一のカバー11と第二のカバー12との間に挟み込まれ、カバー固定ネジ32がQ軸上のネジ穴を貫いて締め込まれることによって固定される。
【0053】
また、第二のカバー12は、図2において示した係合爪12aaだけでなく、係合突起12baを有しており、第一のカバー11と第一のカバー12との係合方向を一定方向とすることを容易にする役割を果たす。
【0054】
なお、図示していないが、かかる係合方向を一定方向とするにあたっては、たとえば、回転軸部において、突起部11aおよび12aを係合した部分の長さと、突起部11bおよび12bを係合した部分の長さとを、それぞれ異なるものとしてもよい。
【0055】
次に、図4を用いて、回転つまみ部13の意匠の多様性について説明する。図4は、回転つまみ部13の種々の意匠を示す図である。なお、同図の(A)には、真円状の形状をベースとした回転つまみ部13の意匠について、同図の(B)には、楕円状の形状をベースとした回転つまみ部13の意匠について、同図の(C)には、多角形状の形状をベースとした回転つまみ部13の意匠について、それぞれ示している。
【0056】
同図の(A)に示したように、本実施例に係るカメラユニット10は、操作者に対して中心cを中心とする回動動作であることを容易に想定させる意匠として、回転つまみ部13を、真円形状をベースとしたものとすることができる。
【0057】
そして、かかる回動動作を操作者に対して容易に行わせることができるように、指を挿し込む形状の回転つまみガイド13aを設けることができる。
【0058】
また、同図の(B)に示したように、回転つまみ部13を、楕円形状をベースとしたものとしてもよい。たとえば、同図の(B−a)には、回転つまみガイド13aをあえて設けない楕円形状の回転つまみ部13を示している。
【0059】
なお、かかる楕円形状の回転つまみ部13は、真円形状のものと比較して外縁を指でつまみやすいというメリットを有する。したがって、さらなるつまみやすさを考慮して、たとえば、同図の(B−b)に示したように、かかる楕円形状の回転つまみ部13の外縁に対してくぼんだ回転つまみガイド13aを設けてもよい。
【0060】
また、同図の(C)に示したように、回転つまみ部13を、多角形状をベースとしたものとしてもよい。なお、同図の(C)には、三角形状をベースとしたものを例として挙げている。
【0061】
同図の(C−a)に示したように、本実施例に係るカメラユニット10は、回転つまみ部13を、三角形状をベースとすることもできる。かかる意匠は、たとえば、カメラユニット10を搭載するドライブレコーダが鋭角的な意匠である場合に、かかるドライブレコーダとあわせて統一的な意匠としたい場合などに効果を奏する。
【0062】
また、同図の(C−b)に示したように、かかる三角形状をベースとした回転つまみ部13の外縁に対して、大きなくぼみ状の回転つまみガイド13aを設けることとしてもよい。この場合、たとえば、かかるくぼみ状の回転つまみガイド13aの一つに指1本を掛からせるのみで、容易に回動操作を行うことができるというメリットを有する。
【0063】
このように、回転つまみ部13の意匠には、さまざま趣向をこらすことができる。したがって、上述した操作性やドライブレコーダの意匠との統一感などを考慮すれば、図4に示した真円状、楕円状および多角形状のものに限定されない。
【0064】
ところで、これまでは、第一のカバー11と第二のカバー12とを、回転つまみ部13を挟み込みつつカバー固定ネジを用いて接合する場合について説明したが、ネジを用いることなく、たとえば、弾性体素材による係合爪などを利用することとしてもよい。
【0065】
そこで、かかる場合の変形例について、図5を用いて説明する。図5は、第一のカバー11と第二のカバー12との接合手法、および、回転つまみ部13の取り付け手法の変形例を示す図である。
【0066】
なお、同図の(A)には、変形例に係るカメラユニット10をY軸の正方向からみた概略上面図を、同図の(B)には、変形例に係るカメラユニット10をZ軸の負方向からみた分解側面図および回転つまみ部13をX軸の正方向からみた側面図を、それぞれ示している。
【0067】
同図の(A)に示したように、変形例に係るカメラユニット10は、回転軸部においてカバー固定ネジのネジ穴を設けることを要しない。したがって、カバー本体部だけでなく、回転軸部についても小型化を図ることができる。
【0068】
そして、同図の(B)に示したように、変形例に係るカメラユニット10は、係合爪とそれに対応する係合溝によって、第一のカバー11と第二のカバー12との係合を行うことができる。
【0069】
具体的には、同図の(B)の破線の閉曲線1に囲まれた部分に示したように、変形例に係るカメラユニット10の第二のカバー12は、鉤状の係合爪を有している。そして、第一のカバー11は、かかる係合爪に対応する形状の係合溝を有している。
【0070】
なお、第一のカバー11および第二のカバー12は、組成成分に弾性体素材を含んでおり、かかる係合爪と係合溝との係合は、人手による所定の加重によって容易に行うことができる。
【0071】
また、同図の(B)に示したように、変形例に係るカメラユニット10は、回転つまみ部13の取り付けについても、カバー固定ネジを用いないで行うことができる。たとえば、同図の(B)の閉曲線2に囲まれた部分に示したように、第一のカバー11と第二のカバー12とが係合された場合に、回転軸部の端面に凸状の凸部が形成されるようにする。
【0072】
なお、かかる凸部は、同図の(B)に示したように、XY平面で切断した場合の形状がT字状であるものを含むものとする。そして、回転つまみ部13に対しては、かかる凸部と対応する形状の凹部(逆T字状を含む)があらかじめ設けられているものとする。
【0073】
そして、回転つまみ部13は、かかる凸部と凹部とを嵌合することによって、回転軸部に対して固定される。ここで、回転つまみ部13もまた、組成成分に弾性体素材を含んでおり、人手による所定の加重によって容易に嵌合することができる。
【0074】
このように、変形例に係るカメラユニット10によれば、係合爪と係合溝、および凸部と凹部などを利用することによって、回転つまみ部13の延伸部13cを挟み込むことなく、また、カバー固定ネジを用いることなくカメラユニット10を構成することができる。したがって、小型化および軽量化を図りつつ、工具を要さずに容易に組み立てを行うことが可能となる。
【0075】
次に、ここまで説明してきた本実施例に係るカメラユニット10を、一体型のドライブレコーダ50に搭載する場合について図6および図7を用いて説明する。図6は、ドライブレコーダ50の構造および外観を示す図であり、図7は、ドライブレコーダ50の第二の本体部カバー52の内部構造を示す図である。
【0076】
まず、図6を用いて、ドライブレコーダ50の構造および外観について説明する。なお、同図の(A)には、ドライブレコーダ50の構造を示す分解図を、同図の(B)には、ドライブレコーダ50の外観図を、それぞれ示している。
【0077】
同図の(A)に示したように、ドライブレコーダ50は、機構収納部57およびカメラユニット10に対して、第一の本体部カバー51および第二の本体部カバー52を覆設することによって構成される。
【0078】
ここで、機構収納部57には、ドライブレコーダ50の回路基盤や予備電源などが収納されており、機構収納部57自体は、ノイズの外部からの侵入あるいは内部からの漏れ出しを防止する役割を果たす。また、機構収納部57は、第二の本体部カバー52へ据えつけられる。
【0079】
第一の本体部カバー51は、機構収納部57を収納可能な空間を有する凸状取り付け部54を備えている。なお、かかる凸状取り付け部54の外面には両面テープ53が貼り付けられており、かかる両面テープ53をウィンドウなどに貼り付けることによって、ドライブレコーダ50は、車室へ取り付けられることとなる。
【0080】
また、第一の本体部カバー51は、半円状のカメラユニット収納部58を有しており、かかるカメラユニット収納部58には、カメラユニット10の回転軸部の軸受け55と角度支持ネジ穴56とが設けられている。
【0081】
なお、図示していないが、第二の本体部カバー52も半円状のカメラユニット収納部を有しており、かかるカメラユニット収納部にも軸受け55と同様の軸受けが設けられている。
【0082】
また、角度支持ネジ穴56には、後述する角度支持ネジが、回転つまみ部13のいずれかの角度支持ネジ穴13bを介して貫入される。すなわち、いずれの角度支持ネジ穴13bを選択するかによって、カメラユニット10の撮像角度が定まることとなる。
【0083】
そして、このような構造の、第一の本体部カバー51と第二の本体部カバー52とが接合されることによって、同図の(B)に示したように、カメラユニット10は、ドライブレコーダ50に対して回動可能に固定される。
【0084】
具体的には、同図の(B)に示したように、操作者による回転つまみ部13の方向100への回動操作に応じて、カメラ部20のレンズもまた方向200へ回動する。したがって、操作者は、回転つまみ部13を回動させることによって撮像角度を調整し、所望の調整位置に該当する角度支持ネジ穴13bに対して角度支持ネジ33を貫入することによって、撮像角度を保持することとなる。
【0085】
なお、第一の本体部カバー51と第二の本体部カバー52との接合については、特にその手法を限定しない。したがって、ネジを用いた螺合によるものであってもよいし、ネジを用いない係合爪と係合溝との係合によるものであってもよい。
【0086】
つづいて、図7を用いて、ドライブレコーダ50の第二の本体部カバー52の内部構造について説明する。同図に示したように、第二の本体部カバー52には、接続ケーブル60の配線用ガイドを設けることができる。
【0087】
具体的には、同図に示したように、第二の本体部カバー52の底面に、突起状の配線用ガイド52aおよび52bを設けることができる。たとえば、同図に示したように、2個の配線用ガイド52aを用いて接続ケーブル60を所定位置で挟み込むことができる。
【0088】
また、配線用ガイド52bのように、接続ケーブル60を誘導する形状のものを設けてもよい。これらの配線用ガイド52aあるいは52bを適切に配置することで、接続ケーブル60に対して引っ張りといった無理な負荷が加わる場合であっても、かかる負荷に対する所定の強度を確保することが可能となる。
【0089】
また、複数の配線パターンをかねる配線用ガイドをあらかじめ設けるなどすれば、たとえば、車室の形状といった諸要素に応じて接続ケーブル60の取り込み口を適宜選択するような場合であっても、かかる取り込み口の選択に応じて所定の強度を確保しつつ、接続ケーブル60の配線を行うことが可能となる。
【0090】
上述してきたように、本実施例では、カメラ部に対して覆設する部材として、第一のカバーと、第二のカバーと、回転つまみ部との3種類の分離した部材を備えることとしたうえで、かかる第一のカバーと第二のカバーとを、両カバーを嵌合した場合に形成される回転軸部において接合するようにカメラユニットを構成した。
【0091】
そして、かかるカメラユニットを、ドライブレコーダの本体部に対して回動可能に固定することとした。したがって、意匠の自由度を高めつつ小型化を図ることができ、かつ、容易に撮像角度の調整を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明に係るカメラユニットおよび映像記録装置は、意匠の自由度を高めつつ小型化を図り、かつ、容易に撮像角度の調整を行いたい場合に有用であり、特に、車室の形状や意匠の多様性に応じつつ、容易に取り付けや撮像角度の調整を行うことができるドライブレコーダへの適用に適している。
【符号の説明】
【0093】
10 カメラユニット
11 第一のカバー
11a 突起部
11aa 座面用切り欠き
11b 突起部
12 第二のカバー
12a 突起部
12aa 係合爪
12b 突起部
12ba 係合突起
13 回転つまみ部
13a 回転つまみガイド
13b 角度支持ネジ穴
20 カメラ部
31、32 カバー固定ネジ
33 角度支持ネジ
50 ドライブレコーダ
51 第一の本体部カバー
52 第二の本体部カバー
52a、52b 配線用ガイド
53 両面テープ
54 凸状取り付け部
55 軸受け
56 角度支持ネジ穴
57 機構収納部
58 カメラユニット収納部
60 接続ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ部を内蔵するカメラユニットであって、
前記カメラ部に対して覆設される第一のカバー部材および第二のカバー部材と、
前記第一のカバー部材および第二のカバー部材を嵌合することによって形成される回転軸部に対して取り付けられる回転つまみ部材と
を備え、
前記第一のカバー部材および第二のカバー部材は、
前記回転軸部において相互に接合されることを特徴とするカメラユニット。
【請求項2】
前記第一のカバー部材および第二のカバー部材は、
前記回転軸部において固定用ネジを用いて螺合されることによって相互に接合されることを特徴とする請求項1に記載のカメラユニット。
【請求項3】
前記第一のカバー部材および第二のカバー部材は、
前記回転つまみ部材が有する延伸部を挟み込みつつ相互に接合されることを特徴とする請求項2に記載のカメラユニット。
【請求項4】
前記回転軸部は、
前記固定用ネジの座面と密着する形状の切り欠きを有することを特徴とする請求項2または3に記載のカメラユニット。
【請求項5】
カメラ部を内蔵するカメラユニットを収容可能な本体部を有する映像記録装置であって、
前記カメラユニットは、
前記カメラ部に対して覆設される第一のカバー部材および第二のカバー部材と、
前記第一のカバー部材および第二のカバー部材を嵌合することによって形成される回転軸部に対して取り付けられる回転つまみ部材と
を備え、
前記第一のカバー部材および第二のカバー部材を前記回転軸部において相互に接合したうえで、前記本体部の端部に該本体部に対して回動可能に固定されることを特徴とする映像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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