説明

カメラ付き歯ブラシ

【課題】歯ブラシを奥迄挿入し磨く事ができ、カメラ撮影時の充分な光源が得られるカメラ付き歯ブラシを提供する。
【解決手段】口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置されたカメラ1と、撮影箇所を照明する為に、上記カメラ撮影方向を光で照らす様に歯ブラシヘッド部5に設置した発光素子2と、歯垢又は食べ残し等の口腔内の汚れを取るブラシ部が交換出来る構造を持つ歯ブラシヘッド部5と、操作者が保持する為の握り部と、カメラ映像を外部モニターに送信する為のケーブルを設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯磨き時にカメラで歯についた汚れ又は歯間についた食べ残しを確認する事で磨き残しを無くす事が出来るカメラ付き歯ブラシに関する物である。
【背景技術】
【0002】
従来の歯磨きは、汚れている箇所を目で確認しながら磨くのではなく人の勘で磨いていた。そこで、カメラで観察しながら歯磨き作業が出来るカメラ付き歯磨き装置があった。
【特許文献1】特開2001‐170084号広報
【特許文献2】特開2001‐218624号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来歯磨きは、汚れを目で見て確認しながら磨くのでは無かった為に汚れや歯垢の磨き残しが生じた。
そこで、特開2001‐170084号「ビデオスコープ付き歯磨き装置」では磨く場所を観察しながら歯を磨く方法を採用しているが、カメラが撮影する方向が歯ブラシのブラシ根元から先端にかけての方向と同じ方向に設置されるので歯ブラシ上部に設置したカメラ部、ライト部また光学窓への付着物を水噴射して除去するノズルを設けなくてはならない為歯ブラシ部先端に大きな構造部を設置しなければならず、例えば奥歯に向かい段々狭くなる口の中ではのど横の口腔壁にブラシ先端部があたり歯ブラシを奥迄挿入し磨く事が困難であった。
【0004】
また、特開2001‐170084「ビデオスコープ付き歯磨き装置」では上記と同様にカメラが撮影する方向が歯ブラシのブラシ根元から先端にかけての方向と同じ方向に設置され、さらに光源に光ファイバーのブラシ又光源に刷毛台を採用した為、光ファイバーの光源では使用時に起こるブラシ先の曲がりにより光源が分散され充分な光源を得る事が出来ずまた、刷毛台を採用した光源では、回転式電動歯ブラシに採用した場合光を透過する刷毛部が回転し光源からの光量を減少させた。さらにカメラの撮影方向をブラシ根元からブラシ先端に伸びる方向に設置する事は、歯ブラシ使用時に起こる又、継続した使用により発生するブラシの毛先の曲がりによりカメラが撮影した画像に常に歯ブラシの毛先が入る欠陥があった。
上記両方の発明に共通している事は、当業者の間で長年、映像を見ながら磨かなければならないという固定観念があり、この固定観念からは脱却する事は困難でブラシ先と同方向にカメラ撮影方向を設定せざるを得なかった事を示唆している。
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとする物であり、カメラ撮影時に充分な光源を確保する事で歯の撮影を容易くし、継続したブラシ使用時に起こるブラシの毛先曲がりによるカメラ撮影画像の影響を受ける事を無くし、さらにブラシ部先端の構造を簡易にし、奥歯等の口腔内の狭い部分にも入り易いカメラ付き歯ブラシを実現する事である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決する為に、第一の本発明は、口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置されたカメラと、撮影箇所を照明する為に、上記カメラ撮影方向を光で照らす様に歯ブラシヘッド部に設置した発光素子と、歯垢又は食べ残し等の口腔内の汚れを取るブラシ部が交換出来る構造を持つ歯ブラシヘッド部と、操作者が保持する為の握り部と、カメラ映像を外部モニターに送信する為のケーブルを設置した事を特徴とするカメラ付き歯ブラシである。
【0007】
第二の本発明は、口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置されたカメラと、撮影箇所を照明する為に、上記カメラ撮影方向を光で照らす様に歯ブラシヘッド部に設置した発光素子と、ブラシが電気で振動又は回転し歯垢又は食べ残し等の口腔内の汚れを取り、更にブラシが交換出来る構造を持つブラシ部と、操作者が保持する為の握り部と、カメラ映像を外部モニターに送信する為のケーブルを設置した事を特徴とするカメラ付き歯ブラシである。
【0008】
第三の本発明は、歯垢、歯石をより確認出来る様、カメラ撮影方向を照明する様にUV波長LEDを歯ブラシヘッド部に設置した事を特徴とする第一、第二の本発明に記載のカメラ付き歯ブラシである。
【0009】
本発明の実施の形態の歯ブラシ本体とケーブル9は常時接続していなくても良く、取り外しが出来る様に接続端子を用いても良い。同様にモニター画面との接続も同様に接続端子を用いる。
【0010】
本発明の実施の形態の映像処理回路20は歯ブラシから伸びるケーブルの途中に設置したが、歯ブラシ本体に内蔵しても良いし、又映像を携帯電話、携帯ゲーム機又PCで確認する事が前提であれば、映像処理回路20は各機種に映像処理プログラムをインストールする事で、歯ブラシ本体の軽量化を行っても良い。
【0011】
本発明の実施の形態のブラシ部を電気で振動又は回転する為の電源は、ケーブルの接続を携帯電話、携帯ゲーム機又PCでするのならば前記機種の電源を利用し歯ブラシ本体の軽量化を行っても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、口腔内の撮影をカメラで行う環境を、歯ブラシで歯磨き粉を付け泡立てて磨いている口内環境、又歯を磨いている場所をカメラで撮影する行動から、カメラで確認する事の出来る環境、例えば歯磨き粉の泡立ちの口内環境、またカメラについた唾液や泡は、歯を磨く際に利用する水道水等で洗い流してもらうという、今迄当業者が考えなかった環境を設定し、口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置されたカメラと、撮影箇所を照明する為に、カメラ撮影箇所を照明出来る様に歯ブラシヘッド部に設置した発光素子を設置している為、歯ブラシヘッド部をコンパクトに仕上げる事が出来、以前発明された歯ブラシのブラシ部上方にカメラ及び他の設備を設置する事で歯ブラシ部先端に部品が集まり、奥歯等の口内の狭い場所には先端がのどの横の口腔壁にぶつかる等の不具合も無く、ブラシと同方向にカメラを設置するため、カメラ映像に常にブラシ部の曲がった部分が入り撮影範囲を邪魔する事も無く広い範囲を撮影する事が出来、口腔内の奥歯等の狭い場所もブラシ部が容易に磨ける事が出来、歯磨きの途中でブラシ部の邪魔無しにカメラに撮影された自分の口腔内の様子を確認しながら歯磨きする事が出来る様になった。
更に、カメラ撮影方向を照明する様にUV波長LEDを歯ブラシヘッド部に設置する事により、目に見えなかった歯垢が確認出来る様になった。

【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明第一の実施の形態の歯ブラシヘッド部である。
【図2】本発明第一の実施の形態のカメラ及び光源素子設置範囲を示す図である。
【図3】本発明第二の実施の形態の歯ブラシ及び、モニター画面である。
【図4】本発明第三の実施の形態の歯ブラシヘッド部のカメラ及び発光素子の配列例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施する為の最良の形態について説明する。
【0015】
図1は本願発明第一の実施の歯ブラシヘッド部を示す側面図である。ブラシ3はブラシ台座4に設置されブラシ台座4は、使用によるブラシ3の劣化により歯ブラシヘッド部5より取り外す事が出来る。歯ブラシヘッド部にはカメラ1、発光素子2が取り付けられ口内を撮影する時には、カメラ部を歯の方向に向け光源素子2から出た光に照明され撮影される。ブラシ3は通常のブラシを記載しているが細いゴム板の集合等歯を洗浄する為の形状はこだわらない。
【0016】
図2は本願発明第一の実施のカメラ1及び光源素子2の設置範囲を歯ブラシヘッド先端方向から本体に向けた方向から見て説明した図である。カメラ1及び光源素子2は、口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置したカメラ1と、撮影箇所を照明する為に、上記カメラ撮影方向を光で照らす様に歯ブラシヘッド部に設置した発光素子2の配置図である。この範囲の配置を取る事により歯ブラシヘッド部はコンパクトに収まる事が出来る。
【0017】
図3は、本願発明第一の実施の形態の歯ブラシ外観及び、ケーブル9をモニター10に接続した相関図である。カメラ付き歯ブラシは上記に記載した歯ブラシヘッド部と握り部6を持ちケーブル9によって接続されるモニター10の画面で口腔内の様子を確認する事ができる。映像処理回路20は歯ブラシから伸びるケーブルの途中に設置したが、歯ブラシ本体に内蔵しても良いし、又映像を携帯電話、携帯ゲーム機又PC等で確認する事が前提であれば、映像処理回路20は各機種に映像処理プログラムをインストールする事で、省略し歯ブラシ本体の軽量化を行っても良い。
又、歯ブラシ本体とケーブル9は常時接続していなくても良く、取り外しが出来る様に接続端子を用いても良い。同様にモニター画面との接続も接続端子を用いる。
本願発明第二の実施の形態のブラシ部が回転又は振動するカメラ付き歯ブラシの外観上の構造と相関図は図3とほぼ変わらないが、発明の実施の形態のカメラ部の撮影、ブラシ部を電気で振動又は回転する為の電源は、本体に充電池を設置してもよいし、直接電気プラグから電気を供給してもよいが、モニターを携帯電話、携帯ゲーム機又PCなどの機器に設定する場合ケーブルより前記機種の電源を利用する構造にする事で歯ブラシ本体の軽量化を行っても良い。
【0018】
図4は、本願発明第3の実施の形態の歯ブラシヘッド部のカメラ1発光素子2、UV波長LED15の配置図である。発光素子2は口腔内の照明に役に立ち、UV波長LED15は歯垢、歯石に反応し検出し易くなり、モニターで容易に確認出来る。またブラシで落とす目安になるだけでなく歯科検診の目安にもなり殺菌作用もある。
【符号の説明】
【0019】
1 カメラ
2 発光素子
3 ブラシ
4 ブラシ台座
5 ヘッド部
6 握り部
7 電源スイッチ
8 カメラ作動スイッチ
9 ケーブル
10 外部モニター
15 UV波長LED
20 映像処理回路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置されたカメラと、撮影箇所を照明する為に、上記カメラ撮影方向を光で照らす様に歯ブラシヘッド部に設置した発光素子と、歯垢又は食べ残し等の口腔内の汚れを取るブラシ部が交換出来る構造を持つ歯ブラシヘッド部と、操作者が保持する為の握り部と、カメラ映像を外部モニターに送信する為のケーブルを設置した事を特徴とするカメラ付き歯ブラシ。
【請求項2】
口内を撮影する為に歯ブラシのブラシ根元からブラシ先端に向かう方向に対してX軸を、ブラシ根元の台座平面にY軸をとりX軸方向から90度〜270度以内の方向を撮影する様に歯ブラシヘッド部に設置されたカメラと、撮影箇所を照明する為に、上記カメラ撮影方向を光で照らす様に歯ブラシヘッド部に設置した発光素子と、ブラシが電気で振動又は回転し歯垢又は食べ残し等の口腔内の汚れを取り、更にブラシが交換出来る構造を持つブラシ部と、操作者が保持する為の握り部と、カメラ映像を外部モニターに送信する為のケーブルを設置した事を特徴とするカメラ付き歯ブラシ。
【請求項3】
歯垢、歯石をより確認出来る様、カメラ撮影方向を照明する様にUV波長LEDを歯ブラシヘッド部に設置した事を特徴とする請求項1、2に記載のカメラ付き歯ブラシ。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−194181(P2011−194181A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67444(P2010−67444)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【特許番号】特許第4540015号(P4540015)
【特許公報発行日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(505248347)
【Fターム(参考)】