説明

カメラ付き警棒

【目的】 この発明は、常時携帯する警棒にカメラを組み込んでおき、必要な時に直ちに写真を撮影できるようにした警棒に関する。
【構成】 警棒1に一体に組み込まれたカメラ10に、フィルム収納用の空隙2が形成され、小型カメラ用フィルム11を嵌合しセットする。カメラ10を別体として警棒1の中空内に嵌合してもよい。警棒1は開閉手段3により、上記空隙2を開閉して上記フィルム11を交換することができる。上記カメラ10は、警棒1の周壁に設けた孔にレンズ12が配置されており、また把持部1a近傍で警棒1を握った際に操作しやすい位置にシャッター用操作部13が配置されているので、警棒の使用時にもカメラを操作して写真を撮ることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、使用時でも随時に写真を撮ることができる警棒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、警官やガードマン等などは警棒を常時携帯しているが、犯行時に写真を撮るには、一定の場所に保管されているカメラを持ち出して来て、撮影する必要があり、緊急時には間に合わない。犯行時に写真が撮れれば、犯人や犯行の決定的な証拠となるので、犯人を逮捕しやすくなり、また結果的に犯罪を予防することにもなる。しかし、前述のようにカメラは常時携帯していないので、突発的に起こる犯行時に撮影を行うことは不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】この発明は上記事情に鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、常時携帯する警棒にカメラを組み込んでおき、必要な時に直ちに写真を撮影できるようにした警棒を提供することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】上記課題を解決すために、請求項1の発明では、(a).警棒にカメラを内蔵する、(b).警棒の外周にレンズ部と、シャッター用操作部とを備える、という技術的手段を講じている。
【0005】また、請求項2の発明では、(c).シャッター用操作部が、警棒の把持部近傍に配置されてなる、という技術的手段を講じてる。
【0006】また、請求項3の発明では、(d).警棒の中空部にカメラが組み込まれ、開閉手段を設けて、フィルムの交換が可能となっている、という技術的手段を講じてる。
【0007】なお、この発明で警棒の使用者は、警官、ガードマンに限定されるものではないこと勿論であって、警棒を携帯する全ての人が対象となるが、説明の便宜上、警官やガードマン等と称する。
【0008】
【作用】この発明では、警官やガードマン等が常時携帯する警棒にカメラを組み込んだので、警棒を使用している際にも、シャッター用操作部を操作するだけで、犯人や犯行の状態を撮影することができる。また、警棒に開閉手段を設けてフィルムの交換を行うことができる。
【0009】
【実施例】以下に、この発明の警棒の好適実施例について図面を参照しつつ説明する。警棒1は、図1に示すように剛性を有する素材から形成されており、把持部近傍にカメラ2を内蔵している。図示例では、警棒1にカメラ10を一体的に組み合わせた構造からなっており、カセット式のポケットカメラ用フィルム11を着脱可能に収納しうる構成となっている。
【0010】即ち、警棒1に一体に組み込まれたカメラ10には、フィルム収納用の空隙2が形成される。そして、警棒1は開閉手段3により、上記空隙を開閉することができるようになっている。本実施例では、警棒1が図示しないヒンジを介して把持部分側で二つ折りとなって、上記空隙2が開くようになっている。尚、図中5は開閉操作用のボタンである。
【0011】そして、空隙2には、カセット式のポケットカメラ用フィルム(ワンテンフィルム)11が収納されており、先端が引き出しやすいように、開口から一部が突出するように嵌め込まれている。従って、このフィルム11を脱着することによりフィルムの交換を行うことができる。
【0012】次に、カメラ10は、警棒1の周壁に設けた孔にレンズ12が配置されており、また把持部1a近傍で警棒1を握った際に操作しやすい位置にシャッター用操作部13が配置されている。ここでレンズは視野の広いレンズが好ましい。また、14は、カメラ機構を保護するための補強プレートである。
【0013】次に、この警棒1の作用を説明する。警官やガードマン等は常時この警棒1を携帯する。そして、警棒1を握って犯罪者等に対処する。この際に、撮影が必要となると、シャッター用操作部13を操作してカメラ10のシャッターを切り撮影を行う。
【0014】図示例でフィルム11が、自動焦点機構や自動露出機構を内蔵していれば、簡単に正確な写真を撮影することができ、更にフィルムの自動巻取り機構を内蔵していれば、所望の枚数の写真を連続して撮ることができ好ましい。このようにして必要な写真が撮影されると、警棒1を開閉手段3を介して開き、フィルム12を取り出して現像に回せばよい。これにより、警官やガードマン等は、どこにいても携帯する警棒に内蔵されたカメラで写真を撮ることができる。
【0015】この警棒1には、図3に示しように、別の中空部2’を設け、該中空部2’内に防弾性や刃物に耐える強度を有する防護着7等を収納しておいてもよい。これによれば、警棒1の中空部から防護着を取り出して着用することができるので、使用者の安全を保つことができ好ましい。
【0016】また、カメラ10の近傍に、カメラのシャッタ動作と連動する発光装置(図示せず)を組み込んで、撮影時のフラッシュとしてもよい。警棒11の先端には、必要に応じて磁石や重り、あるいは電子ガン(高電力発生器)等を組み込んで、攻撃性を高めても良い。その他、この発明で警棒の空隙からフィルムを取り出すための開閉手段は上記実施例に限定されず、嵌込み係合式や、ネジ式のキャップその他公知の手段を用いることができる。
【0017】また、警棒は、図示例のように1本の棒状のもの、グリップやクロスバー付きのもの等、公知の警棒に適用することができる。更に、カメラは完成品の小型カメラを警棒の中空内に嵌合し内蔵するものであると、上記実施例のように警棒にカメラ機構を一体に組み込む構成であるとを問わない。小型カメラを内蔵する場合には、前記実施例とは異なり、小型カメラを警棒から取り出し、取り出された小型カメラからフィルムを抜き取ることになる。その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【0018】
【発明の効果】この発明では、警棒にカメラを内蔵したので、警棒を携帯している限り、どこであってもカメラを用いて写真を撮影することができる。また、警棒の使用時であっても、シャッター用操作部を操作することにより、写真を撮影することができる。従って、犯罪者に対して、犯行時に警棒を使用しながら、犯人や犯行状況を撮影することができるので、決定的な証拠となって犯人を逮捕しやすくなり、また結果的に犯罪を予防することにもなり有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の警棒の実施例を示す斜視図である。
【図2】中空部の開閉状態を示す斜視図である。
【図3】防護着等を同時に収納した警棒の斜視図である。
【符号の説明】
1 警棒
2 フィルム収納用の空隙
3 開閉手段
5 操作ボタン
10 カメラ
11 ポケットカメラ用フィルム
12 レンズ
13 シャッター用操作部
14 補強プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】 警棒にカメラを内蔵し、警棒の外周にレンズ部と、シャッター用操作部とを備えてなることを特徴としたカメラ付き警棒。
【請求項2】 シャッター用操作部が警棒の把持部近傍に配置されてなることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付き警棒。
【請求項3】 警棒の中空部にカメラが組み込まれ、開閉手段を設けて、フィルムの交換が可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付き警棒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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