説明

カラーリング用ケープ

【課題】カラーリングの際には上半身(胴部)への汚れを防止し、カラーリング後は髪部の保温が可能な、カラーリング用ケープを提供することにある。
【解決手段】使用者の頭部Hを通すための穴部4と、穴部4の外側に形成された保護部を備えたカラーリング用ケープ1において、穴部4を頭部Hから首に通し使用者に装着し、カラーリング剤(クリームCR)を前記使用者の髪に塗布した後、穴部4を首から頭部Hに持ち上げ、さらに前記保護部をカラーリング剤の付着した髪HRに貼着して覆いカラーリング剤を保温できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーリング剤の身体への汚れ防止のためのカバー及びカラーリング後の髪の毛の保温技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、使い捨てケープを着用して髪の毛にカラーリングを行っていた。使い捨てケープは、カラーリングの際に、身体や衣服などを覆うことで、カラーリング剤等による汚れを防止するものである。カラーリング後には、髪につけたカラーリング剤が髪に定着することを促進するために、髪を保温する必要があるが、この保温専用の特別な用具がなく、シャワーキャップなどを代用品として使っていた。このため、カラーリングの際に、ケープとシャワーキャップという異なる2つの用品を用いなければならず、カラーリングに使用する用品の数が多くなってしまった。そこで、特許文献1に示すような、1つの用品で首への汚れを防止し、かつ、カラーリング後は髪の毛を覆うことが可能なキャップ状の使い捨て用品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−167372
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、首などへのカラーリング剤の飛散を防止することはできるが、身体や胸元や背中、肩等の上半身へのカラーリング剤の飛散を防止することはできず衣服などを汚してしまうという問題があった。
【0005】
そこでこの発明の目的は、上記技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、カラーリングの際には上半身(胴部)への汚れを防止し、カラーリング後は髪部の保温が可能な、カラーリング用ケープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、略花びら状のカラーリング用ケープであって、中心に穴部を設け、その穴部の周縁に沿ってゴムを備える。そして、まず頭を穴部に通し、穴部を首まで移動させ、カラーリングを行う際はケープとして使用し、その後は、ケープの端を持ち上げることで、首に装着した穴部を、ケープごと上方に移動させ、頭部の顔がケープ下部から出る位置まで引き上げる。そして、カラーリング用ケープを頭に密着するように貼りあわせてキャップとして機能させ、上記問題を解決する。
【0007】
請求項1に記載の発明は、使用者の頭部を通すための穴部と、該穴部の外側に形成された保護部を備え、カラーリング剤を髪に塗布するときに用いるカラーリング用ケープにおいて、前記穴部を前記頭部から首に通し前記使用者に装着し、前記カラーリング剤が使用者の胴部に付着するのを防ぎ、及び/または、前記穴部を前記頭部に装着して前記保護部をカラーリング剤の付着した前記髪に貼着して前記頭部を覆いカラーリング剤を保温することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記カラーリング用ケープの、前記穴部を前記首から前記頭部に持ち上げて髪の毛の生え際に沿って保持することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記穴部を略中央に備え、該穴部に向かって切れ込んだ凹部を前記保護部に少なくとも2つ備え、前記カラーリングの際に、前記使用者が両腕を持ち上げたとき、前記凹部が前記使用者の前記両腕近傍に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記保護部の先端につまみ部を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記穴部が円状に形成され、該穴部の外縁に弾性部材を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記保護部の先端近傍に粘着部材を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のカラーリング用ケープにおいて、前記保護部が保温層に基材層を裏打ちして形成され、
前記保温層を前記カラーリング剤の付着した前記髪に貼着して前記頭部を覆いカラーリング剤を保温することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のカラーリング用ケープにおいて、前記保温層がアルミ箔で形成されることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載のカラーリング用ケープにおいて、前記基材層が不織布で形成されることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載のカラーリング用ケープにおいて、前記基材層がプラスチックシートで形成されることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載のカラーリング用ケープにおいて、前記保護部の先端に雄雌で一対となる掛止部を複数備え、
前記穴部を挟んで対向する位置にそれぞれ雄の掛止部と雌の掛止部を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のカラーリング用ケープにおいて、前記掛止部がメカニカルファスナーであることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、穴部を頭部から首に通し使用者に装着し、カラーリング剤を前記使用者の髪に塗布した後、前記穴部を前記首から前記頭部に持ち上げ、さらに保護部をカラーリング剤の付着した前記髪に貼着して覆うことでカラーリング剤を保温する、カラーリング用ケープの使用方法である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、使用者の頭部を通すための穴部と、該穴部の外側に形成された保護部を備え、カラーリング剤を髪に塗布するときに用いるカラーリング用ケープにおいて、前記穴部を前記頭部から首に通し前記使用者に装着し、前記カラーリング剤が使用者の胴部に付着するのを防ぎ、及び/または、前記穴部を前記頭部に装着して前記保護部をカラーリング剤の付着した前記髪に貼着して前記頭部を覆いカラーリング剤を保温することを特徴とする。そのため、一つの用品で、カラーリングの際には上半身(胴部)への汚れを防止し、カラーリング後は髪部の保温が可能となる。また、粘着部材を用いなくとも頭部にカラーリング用ケープを貼着させて覆い、前記髪に付着した前記カラーリング剤を保温することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、前記カラーリング用ケープの、前記穴部を前記首から前記頭部に持ち上げて髪の毛の生え際に沿って保持することを特徴とする。前記穴部を髪の毛の生え際に沿って保持することで、顔部を覆ってしまうことを防止し、前記髪を確実に覆い、保温することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記穴部を略中央に備え、該穴部に向かって切れ込んだ凹部を前記保護部に少なくとも2つ備え、前記カラーリングの際に、前記使用者が両腕を持ち上げたとき、前記凹部が前記使用者の前記両腕近傍に配置されることを特徴とする。前記使用者が両腕を持ち上げたとき、前記凹部が前記使用者の前記両腕近傍に配置されることで、カラーリング等の際に両腕を持ち上げる必要がある時に、より出しやすくなる。
【0023】
請求項4の発明は、前記保護部の先端につまみ部を備えることを特徴とする。前記保護部に該つまみ部を設けることでカラーリング用ケープをより持ち上げやすくすることができる。また、カラーリング用ケープを着用する際に、前後を見分けやすくする印ともなる。
【0024】
請求項5の発明は、前記穴部が円状に形成され、該穴部の外縁に弾性部材を備えることを特徴とする。前記穴部が円状に形成され、該穴部の外縁に弾性部材を備えることで、カラーリングの際には首にカラーリング用ケープを固定して装着でき、前記カラーリング後、前記穴部を首から前記頭部に移動させる際には、垂れ下っている髪を上部のカラーリング用ケープの内側にまとめやすくすることができる。
【0025】
請求項6の発明は、前記保護部の先端近傍に粘着部材を備えることを特徴とする。前記保護部の先端近傍に粘着部材を備えることで、前記使用者が、前記保護部が前記頭部を覆った際に、前記髪に貼着しなかった部分がある。該部分を、前記頭部を覆っている前記保護部に、より簡便に貼り付けることができる。
【0026】
請求項7の発明は、前記保護部が保温層に基材層を裏打ちして形成され、前記保温層を前記カラーリング剤の付着した前記髪に貼着して前記頭部を覆いカラーリング剤を保温するので、カラーリング剤をいっそう効果的に保温することができる。
【0027】
請求項8の発明は、前記保温層がアルミ箔で形成されるので、入手しやすい素材を用いてカラーリング剤をいっそう効果的に保温可能なカラーリング用ケープを提供することができる。
【0028】
請求項9の発明は、前記基材層が不織布で形成されるので、入手しやすい素材を用いてカラーリング剤をいっそう効果的に保温可能なカラーリング用ケープを提供することができる。
【0029】
請求項10の発明は、前記基材層がプラスチックシートで形成されるので、入手しやすい素材を用いてカラーリング剤をいっそう効果的に保温可能なカラーリング用ケープを提供することができる。
【0030】
請求項11の発明は、前記保護部の先端に雄雌で一対となる掛止部を複数備え、前記穴部を挟んで対向する位置にそれぞれ雄の掛止部と雌の掛止部を備えるので、カラーリング剤を保温する際に、カラーリング用ケープで確実に頭部を覆うことができる。
【0031】
請求項12の発明は、記掛止部がメカニカルファスナーであるので、入手しやすい素材を用いて掛止部を構成することができる。
【0032】
請求項13に記載の発明は、穴部を頭部から首に通し使用者に装着し、カラーリング剤を前記使用者の髪に塗布した後、前記穴部を前記首から前記頭部に持ち上げ、さらに保護部をカラーリング剤の付着した前記髪に貼着して覆うことでカラーリング剤を保温する、カラーリング用ケープの使用方法である。この方法を用いることにより、一つの用品で、カラーリングの際には上半身(胴部)への汚れを防止し、カラーリング後は髪部の保温が可能となる。また、粘着部材を用いなくとも頭部にカラーリング用ケープを貼着させて覆い、前記髪に付着した前記カラーリング剤を保温することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の一例のカラーリング用ケープが収納されたカラーリングセットを示す図である。
【図2】(a)は、この発明のカラーリング用ケープの展開図、(b)は、(a)のX―X矢視断面図である。
【図3】(a)〜(g)はカラーリング用ケープを用いてカラーリングを行う手順を示す図である。
【図4】(a)は、シールの平面図、(b)は、(a)のZ−Z矢視断面図である。
【図5】(a)は、カラーリング用ケープの凸部の拡大図、(b)は、(a)のY−Y矢視断面図、(c)は、別の例を示す断面図である。
【図6】この発明のカラーリング用ケープの別の例を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は(a)のA矢視底面図である。
【図7】図6のカラーリング用ケープの保護部の一部断面図である。
【図8】(a)〜(f)は図6のカラーリング用ケープを用いてカラーリングを行う手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、カラーリング用ケープ1は折り畳まれ、シール14、ボトル13とともに専用の収納箱に収納されてカラーリングセット10として販売される。
【0035】
図2に示すように、カラーリング用ケープ1は、展開図で略花びら状に形成され、凹部を4か所、凸部を4か所備える。凹部3A,3B,3C,3Dと凸部2A,2B,2C,2Dとは交互に並ぶよう構成されている。凸部2A,2B,2C,2Dは、カラーリング用ケープ1の外側に向かって円孤のように形成されている。凹部3A,3B,3C,3Dはカラーリング用ケープ1の内側に向かって円孤のように形成されている。凹部3A,3B,3C,3Dは図に示すよりも深く切り込まれていてもよい。(凹部3A,3B,3C,3Dと凸部2A,2B,2C,2Dは4つずつに限定するものではないし、大きさが異なっていてもよい。)
【0036】
カラーリング用ケープ1はプラスチックフィルム、ビニールなど、可撓性の材質で形成されていると好適である。なお、カラーリング用ケープ1の厚みは、低密度ポリエチレン(LD−PE)で10〜60μmまたは、高密度ポリエチレン(HD−PE)で10〜60μmが好適である。そして、凸部2A、2Cの先端近傍には、それぞれつまみ部T1、T2、T3、T4が二つずつ一体に形成されている。つまみ部T1,T2,T3,T4,は、凸部2A,2Cの先端近傍に2つずつ延設され、つまみ部の先端が半円状に形成されている。(つまみ部は2つずつ延設しなければならないというわけではなく、設置場所も必ずしも凸部2A,2Cでなくともよい。)凸部2A、2B、2C、2Dの先端を頂点2AT、2BT、2CT、2DTとする。また、凹部3A、3B、3C、3Dの最も窪んだ位置を底点J1、J2、J3、J4とする。
【0037】
そして頂点2ATと頂点2CTを結ぶ線を頂線L1、頂点2BTと頂点2DTを結ぶ線を頂線L2とする。また、底点J1とJ3を結ぶ線を底線B1、底点J2と底点J4を結ぶ線を底線B2とする。この時、頂線L1と底線B1のなす角、頂線L1と底線B2のなす角、頂線L2と底線B1のなす角、頂線L2と底線B2のなす角は全てθ=45度である。これら頂線L1、頂線L2、底線B1、底線B2はカラーリング用ケープ1の中心で交わる。前記中心部Cを中心として、円形の穴部4が形成されている(なお、穴部4の中心が、中心部Cと同一でなくてもよい。また、穴部4を円形に限定するものではなく、多角形であってもよい)。
【0038】
次に、穴部4の周りには、全周にわたってゴムなどの弾性部材を収納する折り返し部5が形成されている。(必ずしも弾性部材が穴部4の全周にわたっていなくともよい。また、折り返し部5を形成せず、ゴムを穴部4の縁部に縫い付けるようにしてもよい。)このとき、穴部4が伸縮可能なように穴部4の周縁にゴムを配置する。
【0039】
カラーリング用ケープ1から穴部4を除いた部分が保護部Pである。保護部Pの大きさは、穴部4を人の首に装着した際に、人の上半身(胴部)を覆うことができる程度であると好適である。
【0040】
折り返し部5は、先端部を折り返して袋状とし、その中に輪ゴムRを収納する。折り返し部5の先端は、ヒートシールHSによって、閉じた形態となっている。穴部4の周りに弾性部材を取り付けるために、折り返し部5を形成する方法の他、ロックミシン等の方法によって、弾性部材を穴部4の周りに取り付けてもよい。また、穴部4は輪ゴムRの収縮力によって、首の太さよりも、収縮して小さくなった状態となっていると好適である。
【0041】
次に、カラーリングセット10を用いて毛染め(カラーリング)を行う方法を説明する。まず、使用者は、穴部4を手で拡げながら頭部Hに通し、頭部H、顔、首へと移動させる。このときつまみ部T1,T2が着用者の前側(胸側)に来るように着用する。したがって、凸部2Cが着用者の背側となり、また、凸部2B、2Dが肩Sに支持されるようになる。(図3(a))
【0042】
次に、ボトル13に入ったクリームCR(カラーリング剤)を髪HRに塗る(図3(b))。このとき、カラーリング用ケープ1には凹部3A、3Bが形成されているので、両腕が凹部3A、3Bから出せて、頭部HにクリームCRを塗りやすくなっている。また、つまみ部T1、T2があることにより、カラーリング材キャップ兼ケープの前後がわかりやすくなる。(また、前記つまみ部があることでカラーリング用ケープ1を持ち上げやすくすることにもなる。)
【0043】
クリームCRを頭部Hに塗り終えたら、カラーリング用ケープ1の凸部2B、2Dを、手でつまみながらカラーリング用ケープ1の保護部Pを頭部Hに向けてめくり上げる(図3(c))。そして穴部4を拡げながら、穴部4を首から上方に移動させ、髪HRの生え際に沿うように配置する(図3(d))。さらに、髪HRをカラーリング用ケープ1の保護部Pの内側に収めさせ、頭部にあてるように纏めながら、凸部2Bと凸部2Dをこの順に、髪HRにあてる。このとき、髪HRにはクリームCRが塗布されているので凸部2Bと凸部2Dは、髪HRに貼着する(図3(e))。次に、凸部2C、2Aをこの順に髪HRにあてて、クリームCRを介して髪HRに貼着する。
【0044】
そして、凸部2Aと凸部2Cを連結するようにシール14を貼り付けて(図3(f))、保護部Pで髪HRを覆う(図3(g))。図4(a)(b)に示すようシール14は、台紙14A、(形は円でも多角形でもよい。)シール部材14Bで構成され、シール部材14Bは四角形状に形成され、粘着層14B2と、フィルム14B1で構成される。シール部材14Bは、台紙14Aに、剥離可能に貼り付いている。
【0045】
図5(a)(b)には本発明のカラーリング用ケープ1の凸部2Aの実施の形態の変形例を示す。この例では、シール部114をカラーリング用ケープ1と一体に備える。くわしくは、凸部2Aの先端近傍にシール部114を、貼着して備える。(シール部114は凸部2A、2C、2Dに付着してもよい。)シール部114は、シール114Bを台紙114Cを介して凸部2Aに貼着してなる。シール114Bは、フィルム114B1と粘着層114B2からなる。フィルム114B1は、短形のプラスチックフィルムからなるテープ状に形成され、先端は、114Dとなっている。フィルム114B1の下側には粘着層114B2を備える。そしてシール114Bを長手方向の略中央部で折り返して粘着層114B2同士を貼り合わせるようにする。使用するときは114Dをつまんで、114Bを拡げ、凸部2Aと凸部2Cを連結するようにして貼り付ける。つまみ114Dが114B2を貼り合わせた部分からはみでる構成とすることにより、粘着層114B2同士を容易に剥離することができる。
【0046】
シール部114は図5(c)に示すように構成してもよい。すなわち、カラーリング用ケープ1の凸部2Aの先端近傍に剥離紙付きシールを備える。凸部2Aの先端近傍の表面にシール部214を備える。シール部214は剥離紙214Aと粘着層214B2で構成されている。粘着層214B2から剥離紙214Aを剥離し、剥離紙214Aを凸部2Cに貼着することで、カラーリング用ケープ1同士を貼り付けることができる。
【0047】
なお、穴部4から上方に、円筒状にカバーが延設されていていてもよい。このとき、上記円筒の上方の先端にそって折り返し部があり、折り返し部の内側に輪ゴム等弾性部材を備えてもよい。このような構成にすることで、服だけでなく首もカラーリング剤による汚れから守ることができる。
【0048】
要するに、使用者の頭部Hを通すための穴部4と、穴部4の外側に形成された保護部Pを備えたカラーリング用ケープ1において、穴部4を頭部Hから首に通し使用者に装着し、カラーリング剤(クリームCR)を前記使用者の髪HRに塗布した後、穴部4を首から頭部Hに持ち上げ、さらに保護部Pをカラーリング剤の付着した髪HRに貼着して覆いカラーリング剤を保温できる。また、カラーリング用ケープ1の、穴部4を首から頭部Hに持ち上げて髪HRの生え際に沿って保持できるようになっている。そして、穴部4を略中央に備え、穴部4に向かって切れ込んだ凹部を保護部Pに少なくとも2つ備え、カラーリングの際に、使用者が両腕を持ち上げたとき、凹部が使用者の両腕近傍に配置されている。そして、保護部Pの外縁につまみ部T1,T2,T3,T4を備え、穴部4が円状に形成され、穴部4の外縁に弾性部材(輪ゴムR)を備える。また、保護部Pの外縁近傍に粘着部材(シール部114)を備える。
【0049】
図6(a),(b)には、この発明のカラーリング用ケープの別の例を示す。この例のカラーリング用ケープ1´は、使用者の頭部を通すための穴部4´と、穴部4´の外側に形成された保護部P´を備える。また、保護部P´の先端に雄雌で一対となるメカニカルファスナー(掛止部)FT1,FT2を2組備える。メカニカルファスナーFT1は雄タイプであり、先端が釣り針状に形成されている。一方、メカニカルファスナーFT2は雌タイプであり、先端がループ状に形成されている。
【0050】
メカニカルファスナーFT1とメカニカルファスナーFT2は、円状の穴部4´の中心に対して中心角が略90度となる位置に隣接して設けられる。すなわち、雄のメカニカルファスナーFT1の隣には雌のメカニカルファスナーFT2が配置され、そのメカニカルファスナーFT2の反対隣には、雄のメカニカルファスナーFT1が配置され、さらにそのメカニカルファスナーFT1の反対隣には、雌のメカニカルファスナーFT2が配置される。
【0051】
言い換えると、二対のメカニカルファスナーFT1とメカニカルファスナーFT2は、穴部4´を挟んで対向する位置(すなわち、円状の穴部4´の中心に対して線対称となる位置)に両者が係合可能に設けられる。
【0052】
なお、保護部P´は、4つのパートを縫合部STで縫い合わせて形成されている。また、メカニカルファスナーFT1とメカニカルファスナーFT2は、その基端側を保護部P´の外縁部に縫い付けて取り付けられる。
【0053】
穴部4´の周縁に沿って、弾性部材としてのゴムが縫い付けられている。ゴムは穴部4´を縮めた状態で縫い付けられている。
【0054】
図7に示すように、保護部P´は保温層PAに基材層PBを裏打ちして形成される。保温層PAはアルミ箔で形成され、基材層PBは不織布で形成される。なお、保温層PAは、アルミ箔に限定されるものではなく、保温性の高いものであればどのような材料を用いてもよい。
【0055】
また、基材層PBがプラスチックシートで形成されてもよいし、その他、保温層PAを裏打ち可能な材料であればどのようなものであってもよい。また、保護部P´を保温層PAに基材層PBを裏打ちして形成することに限定されず、樹脂フィルムによる1つの層で形成してもよい。
【0056】
次に、カラーリング用ケープ1´を用いてカラーリングを行う方法について説明する。まず、使用者は、穴部4´を拡げながら、頭部Hに通す。そして、穴部4´を頭部Hから、顔、首へと下方に移動させて肩Sにかかるように配置する(図8(a))。このとき、保護部P´の保温層PAは外側面となるように(すなわち、基材層PBが内側面になるように)配置する。
【0057】
次に、ボトル13に入ったクリームCR(カラーリング剤)を手などで髪HRに塗る(図8(b))。このとき、カラーリング用ケープ1´が肩Sや上半身を覆っているので、クリームCRが飛び散っても服を汚すことがない。
【0058】
クリームCRを頭部Hに塗り終えたら、カラーリング用ケープ1´の下縁部を手でつまんで上方にめくり上げる。このとき、頭部Hに保温層PAが接するようにめくり上げる。そして穴部4を伸ばしながら首から上方に移動させ、髪HRの生え際に沿うように配置する(図8(c))。
【0059】
さらに、髪HRをまとめるようにしてカラーリング用ケープ1´の内側に収めながら、保温層PAを頭部Hにあてるようにする。このとき、髪HRにはクリームCRが塗布されているので保温層PAが髪HRに貼着する(図8(d))。次に、両手でメカニカルファスナーFT1,FT2を係合させて、カラーリング用ケープ1´を頭部Hで留めて髪HR全体を包み込む(図8(e))。
【0060】
この状態を一定時間保持することで、クリームCRが保温されて髪HRに定着する(図8(f))。特に、保温層PAがアルミ箔であるので、保温効果が大きい。
【0061】
一定時間経過したら、そのまま、カラーリング用ケープ1´を上方に移動させる。そして、穴部4´を頭Hから抜いて、カラーリング用ケープ1´を頭部Hからとり外す。
【0062】
なお、掛止部はメカニカルファスナーFT1,FT2に限定されるものではなく、例えば、ホックであってもよいし、一方にボタン、他方にボタンホールを形成して掛け止めるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1,1´ カラーリング用ケープ
2A,2B,2C,2D 凸部
3A,3B,3C,3D 凹部
4,4´ 穴部
CR クリーム
FT1,FT2 メカニカルファスナー(掛止部)
H 頭部
HR 髪
P,P´ 保護部
PA 保温層
PB 基材層
R 輪ゴム
T1,T2,T3,T4 つまみ部
114 シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭部を通すための穴部と、該穴部の外側に形成された保護部とを備え、カラーリング剤を髪に塗布するときに用いるカラーリング用ケープにおいて、
前記穴部を前記頭部から首に通し前記使用者に装着し、前記カラーリング剤が使用者の胴部に付着するのを防ぎ、及び/または、前記穴部を前記頭部に装着して前記保護部を前記カラーリング剤の付着した前記髪に貼着して前記頭部を覆い前記カラーリング剤を保温することを特徴とする、カラーリング用ケープ。
【請求項2】
前記カラーリング用ケープの、前記穴部を前記首から前記頭部に持ち上げて髪の毛の生え際に沿って保持することを特徴とする、請求項1に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項3】
前記穴部を略中央に備え、該穴部に向かって切れ込んだ凹部を前記保護部に少なくとも2つ備え、前記カラーリングの際に、前記使用者が両腕を持ち上げたとき、前記凹部が前記使用者の前記両腕近傍に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項4】
前記保護部の先端につまみ部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項5】
前記穴部が円状に形成され、該穴部の外縁に弾性部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項6】
前記保護部の先端近傍に粘着部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項7】
前記保護部が保温層に基材層を裏打ちして形成され、
前記保温層を前記カラーリング剤の付着した前記髪に貼着して前記頭部を覆いカラーリング剤を保温することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のカラーリング用ケープ。
【請求項8】
前記保温層がアルミ箔で形成されることを特徴とする、請求項7に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項9】
前記基材層が不織布で形成されることを特徴とする、請求項7に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項10】
前記基材層がプラスチックシートで形成されることを特徴とする、請求項7に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項11】
前記保護部の先端に雄雌で一対となる掛止部を複数備え、
前記穴部を挟んで対向する位置にそれぞれ雄の掛止部と雌の掛止部を備えることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載のカラーリング用ケープ。
【請求項12】
前記掛止部がメカニカルファスナーであることを特徴とする、請求項11に記載のカラーリング用ケープ。
【請求項13】
穴部を頭部から首に通し使用者に装着し、カラーリング剤を前記使用者の髪に塗布した後、前記穴部を前記首から前記頭部に持ち上げ、さらに保護部をカラーリング剤の付着した前記髪に貼着して覆うことでカラーリング剤を保温する、カラーリング用ケープの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−179351(P2012−179351A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−24966(P2012−24966)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(511036978)
【出願人】(511036989)
【Fターム(参考)】