説明

カラー立体視印刷物およびモノクロ立体視印刷物

【課題】横方向に不適正な色変化を生じることがないレンチキュラー方式によるカラー立体視印刷物等を提供する。
【解決手段】 縦方向に向いた複数本のシリンドリカルレンズ111が、横方向に連続して並列されてなるレンチキュラーレンズ11と、レンチキュラーレンズの背面に配置され、各シリンドリカルレンズにそれぞれ対応した、複数の画素列よりなる縦長画像121から構成されたカラー網点印刷画像とを備え、カラー網点印刷画像は、複数色の網点が各色それぞれの二次元軸上に形成されるとともに、当該二次元軸の一つが共通の縦軸であり、一画素列を構成する各色の網点の組が同一の前記縦軸上に連続して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンチキュラー方式による立体視印刷物を網点印刷する場合のYMCKの網点の配置技術に関し、横方向に不適正な色変化を生じることがなく、階調を高くして表現することあるいは網点密度を高くして表現することができるカラー立体視印刷物およびモノクロ立体視印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
レンチキュラー方式(長体レンズ方式)による立体視印刷物は、図1に示すように網点印刷画像91と、この網点印刷画像91上に配置されたレンチキュラーレンズ92とから構成される。レンチキュラーレンズ92は、縦方向に配置したM本のシリンドリカルレンズ93が横方向に並列して構成される。
【0003】
網点印刷画像91の作成には、たとえば、図2に示すように円弧配置した4個のカメラC1,C2,C3,C4により撮影した画像が用いられる。
図3(A),(B),(C),(D)は、図2に示したカメラC1,C2,C3,C4により、2つの物体A,Bを撮影したときの撮影画像G1,G2,G3,G4をモデル化して示している。
【0004】
たとえば、立体視印刷物の作成には、まず図4(A),(B),(C),(D)に示すように、撮影画像G1,G2,G3,G4をそれぞれ縦方向にMの短冊画像、
s11,s12,・・・,s1M
s21,s22,・・・,s2M
s31,s32,・・・,s3M
s41,s42,・・・,s4M
に分割する。
【0005】
そして、横方向位置が同一位置の短冊画像を、4つで1つの画像として、Mのグループ画像g1,g2,・・・,gMを作成する。
g1:s11+s21+s31+s41
g2:s12+s22+s32+s42
g3:s13+s23+s33+s43
・・・・・・
gM:s1M+s2M+s3M+s4M
(ここで、「+」は短冊画像を並列させることを意味する)
【0006】
この後、グループ画像g1,g2,・・・,gMを図5(A)に示すように連接し、この連接した画像を、図5(B)に示すように横方向1/4倍に圧縮して網点印刷画像91を作成する。
【0007】
本明細書では、シリンドリカルレンズの背面の画像を縦長画像と称する。図5(B)の例では、縦長画像v1,v2,v3,・・・,vMは、グループ画像g1,g2,・・・,gMをそれぞれ横方向1/4倍に圧縮した画像である。
画像G1,G2,G3,G4の短冊画像sxy(x=1,2,・・・,4,y=1,2,・・・,M)への分割、各短冊画像sxyの並列による縦長画像g1〜gMの作成、作成した並列画像g1,g2,・・・,gMの圧縮による縦長画像v1,v2,v3,・・・,vMの作成は、コンピュータ(画像処理装置)上で行うことができる。なお、説明は省略するが、撮影画像の撮影の手法、グループ画像の構成方法については、上記で説明したものは一例であって、上記以外にも様々な方法が知られている。
【0008】
ところで、スクリーン印刷等では、CMYKの4色の網点の大小により、色および階調を表現する。通常、これらの各色の網点格子軸(二軸)の角度が適切に設定されていないと、図6に示すように、モアレが生じる(だたし、図6では、4色を同一モノクロ色に変換して示してある)。
【0009】
通常、モアレを解消するために、(1)Cの網点格子軸:105°,Mの網点格子軸:75°,Yの網点格子軸:90°,Kの網点格子軸:45°、あるいは(2)Cの網点格子軸:15°,Mの網点格子軸:75°,Yの網点格子軸:90°,Kの網点格子軸:45°の組み合わせが使用される。
【0010】
図7(A)に(1)の組み合わせでの、各色での網点を示し、図7(B)にこれらの角度の網点格子を重ね合せた画像を示す(だたし、図7(A),(B)では、4色を同一モノクロ色に変換して示してある)。
【0011】
図7(B)の画像では、AMスクリーニングにより網点を構成したので、ロゼット・パターン(Rosette Pattern)と呼ばれる亀甲模様が現れているが、FMスクリーニングにより網点を構成した場合にはロゼット・パターンは表れない。なお、コンピュータ上でのデジタル処理により印刷画像を網点により構成し、スクリーンを用いずに網点による画像を作り出すことも行われている。
【特許文献1】特開平11−2798号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記の網点配置を用いた立体視印刷物の印刷画像では、視点を横方向にわずかに移動した場合に、図1に示したレンチキュラーレンズ92を介して見える画像91に横方向の色変化が生じることがある。
【0013】
これは、CMYKの各色の網点格子軸が互いに異なるからである。換言すると、CMYKの各色の網点格子が共通の縦軸を持たないからである。
【0014】
レンチキュラーレンズ方式で網点印刷画像を採用した場合の画質改善方法として、立体視印刷物のレンズの配列と、網点印刷画像上の各色の網点の配列との間に一定の関連性を持たせ、これによりモアレの発生を防止する技術も知られている(特開平11−2798号)。しかし、この技術でも、上述した視点が横方向にわずかにずれた場合の横方向色変化を解消することはできない。
【0015】
本発明の目的は、立体視に際して横方向の色変化を生じさせることがないカラー立体視印刷物を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、レンチキュラーレンズの背面に配置される印刷画像の階調表現を高くして表現することあるいは網点密度を高くして表現することができる、カラー立体視印刷物およびモノクロ立体視印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のカラー立体視印刷物は、
縦方向に向いた複数本のシリンドリカルレンズが横方向に連続して並列されてなるレンチキュラーレンズと、
前記レンチキュラーレンズの背面に配置され、前記各シリンドリカルレンズにそれぞれ対応した、複数の画素列よりなる縦長画像から構成されたカラー網点印刷画像と、
を備えたものであって、
前記カラー網点印刷画像は、複数色の網点が各色それぞれの二次元軸上に形成されるとともに、当該二次元軸の一つが縦軸であり、一画素列を構成する各色の網点の組が同一の前記縦軸上に連続して形成されてなることを特徴とする。ここで、「縦軸」は複数の縦軸の群である。
【0018】
本発明のカラー立体視印刷物では、前記二次元軸を、縦方向および斜方向に向けて形成し、前記各網点を前記二次元軸が作る斜方格子点上に形成することができる。ここで、二次元軸は複数の縦軸の群と、斜軸の群とからなる。
また、前記二次元軸を、縦方向および横方向に直交して形成し、前記各網点を前記二次元軸が作る正方格子点または長方格子点上に形成することができる。ここで、二次元軸は複数の縦軸の群と、横軸の群とからなる。
【0019】
本発明のカラー立体視印刷物では、前記一の網点に最も近接した他の網点の色は、当該一の網点の色と異なるように構成できる。
【0020】
本発明のカラー立体視印刷物では、前記網点は、幅を略一定として、階調に応じて網点の高さを変化させて形成させることができる。
【0021】
本発明のカラー立体視印刷物では、一画素を構成する各色の網点の組を、各色f個(fは正の整数)の網点により構成できる。この場合、f個の網点の面積の合計で一画素の階調を表す。
【0022】
また、本発明のモノクロ立体視印刷物は、縦方向に向いた複数のシリンドリカルレンズが横方向に連続して並列されてなるレンチキュラーレンズと、
前記レンチキュラーレンズの背面に配置され、前記各シリンドリカルレンズにそれぞれ対応した、複数の画素列よりなる縦長画像から構成されたモノクロ網点印刷画像と、
を備えたものであって、
前記モノクロ網点印刷画像は、網点が二次元軸上に形成されるとともに、当該二次元軸の一つが縦軸であり、一画素列を構成する網点が同一の前記縦軸上に連続して形成されてなることを特徴とする。
【0023】
本発明のモノクロ立体視印刷物では、前記二次元軸を、縦方向および斜方向に向けて形成し、前記各網点が前記二次元軸が作る斜方格子点上に形成することができる。また、本発明のモノクロ立体視印刷物では、前記二次元軸を、縦方向および横方向に直交して形成し、前記各網点を前記二次元軸が作る正方格子点または長方格子点上に形成することができる。
【0024】
本発明のモノクロ立体視印刷物では、前記網点は、幅を略一定として、階調に応じて高さを変化させて形成することができる。
【0025】
本発明のモノクロ立体視印刷物では、一画素をf個(fは正の整数)の縦方向に並ぶ網点により構成し、f個の網点の面積の合計で前記一画素の階調を表すことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のカラー立体視印刷物によれば、立体視に際して横方向の色変化を生じさせることはない。
【0027】
また、カラー立体視印刷物およびモノクロ立体視印刷物によればレンチキュラーレンズの背面に配置される印刷画像の階調表現を高くすること、あるいは網点密度を高くすることができる。
【好ましい発明の実施の形態】
【0028】
本発明の立体視印刷物1は、図8に示すように、レンチキュラーレンズ11と、網点印刷画像12とを備えている。レンチキュラーレンズ11は、縦方向に向いた複数のシリンドリカルレンズ111が横方向に連続して並列されて構成される。
【0029】
網点印刷画像12は、レンチキュラーレンズ11の背面に配置され、各シリンドリカルレンズ111にそれぞれ対応した複数色(本実施形態ではCMYKの4色)の各網点により形成された複数の画素列よりなる縦長画像121からなる。
【0030】
本実施形態では、網点印刷画像12のCMYKの網点が形成される二次元軸は、二次元軸の一つが縦軸(シリンドリカルレンズ111に平行な軸)である。
【0031】
従来技術におけるように、CMYK各色の網点の二次元軸を別個に定義すると、視点を横方向にわずかに移動した場合にレンチキュラーレンズを介して見える画像の横方向の色変化が顕著となることがある。これに対して、本実施形態では二次元軸は、CMYK各色の網点について縦軸が共通に定義されているので、横方向の色変化が顕著となるといった不都合は生じない。
【0032】
図9(A)に、二次元軸(ここでは、A,Bの直交する二軸からなる)を示す。図9(B)は、二次元軸A−B上の、CMYKの各網点を示している。図9(B)に示すように、一画素(PIX)を構成するCMYK各色の網点の組が、縦軸A上に連続して形成されている。また、図9(B)では、CMYK各色の網点は、それぞれ横方向に全て連続して形成されている。なお、図において、CMYK各色の「C」は「白抜きの丸」で、「M」は「マイナス符号付き丸」で、「Y」は「プラス符号付き丸」で、「C」は「塗潰し丸」で示してある。
【0033】
図9(C),(D),(E),(F)は、CMYK各色のスクリーンSc,Sm,Sy,Skに形成された網点を示している。
【0034】
なお、網点は、後述するようにAMスクリーニングにより形成することもできるし、FMスクリーニングにより形成することもできる(図17(A),(B)参照)。
【0035】
図9(B)の網点の構成では、図9(C),(D),(E),(F)からわかるように、隣接する同色の網点が近接しているので、網点の大きさが制限されるため、網点の階調を増やすことができない。これを解決するために、網点の隣接行間でCMYKの各色の組み合わせを変えることができる。
【0036】
たとえば、図10(B)では、CMYKの各色の網点は、上から「→C→M→Y→K→」、「→Y→K→C→M→」の順で配置されている。なお、図10(A)に示すように、図10(B)のCMYKの各色の網点の二次元軸は、図9(A)に示したものと同様、A,Bの直交する二軸からなる。
【0037】
図10(B)の網点の構成では、図10(C),(D),(E),(F)からわかるように、隣接する同色の網点は近接していない(各色の網点は、各色のスクリーンSc,Sm,Sy,Sk上に平均して分散している)ので、各色の階調(すなわち、網点の孔の面積変化による階調)を増やすことができる。
【0038】
図11(A)に、2軸が直交しない二次元軸(ここでは、A軸(縦軸)と、このA軸に対して120°の角を持つB軸からなる)を示す。図11(B)は、二次元A−B軸上の、CMYKの各網点を示している。図11(B)に示すように、一画素(PIX)を構成するCMYK各色の網点の組が、A軸上に連続して形成されている。また、図11(B)では、CMYK各色の網点が、隣接する列で、網点の中心間距離の1/2だけ縦方向にずれてジグザグに構成されている。
【0039】
図11(C),(D),(E),(F)は、CMYK各色のスクリーンSc,Sm,Sy,Skに形成された網点を示している。図11(B)の網点の構成では、図11(C),(D),(E),(F)からわかるように、隣接する同色の網点が近接しているので、網点の階調を増やすことができない。これを解決するために、網点の隣接行間でCMYKの組み合わせを変えることができる。
【0040】
図12(B)でも、図10(B)の場合と同様、CMYKの各色の網点は、上から「→C→M→Y→K→」,「→Y→K→C→M→」の順で配置されている。
なお、図12(A)に示すように、各網点の各色それぞれの二次元軸は、図11(A)に示したものと同様、2軸が直交していない(ここでは、縦軸Aと、この縦軸Aに対して120°の角を持つA,B軸からなる)。
【0041】
ところで、一つのシリンドリカルレンズ111の幅は、レンチキュラーレンズ11を通して見たときの一画素(「見た目の一画素」)の横幅に相当する。したがって、「見た目の一画素」の高さが横幅と同じまたは略横幅と同じだとすると、縦長画像121の横方向の網点数が多くなればなるほど(すなわち、撮影画像の数が多いほど)、縦方向の網点密度は横方向の網点密度と比較して低くなる(網点の縦方向間隔は横方間隔に対して相対的に長くなる)。
【0042】
換言するなら、縦長画像121の横方向の網点数が多くなればなるほど、図13(A),図14(A)に示すように、各色それぞれのスクリーンSc,Sm,Sy,Sk(図9(C),(D),(E),(F)、図10(C),(D),(E),(F)参照)に使用されない領域が増えることになる。
【0043】
したがって、図13(B),図14(B)に示すように、一画素を、縦軸に連続した複数のCMYKの網点の組(図13(B),図14(B)では2組)で表すようにすれば、高い階調で一画素を表すことができる。たとえば、1つの網点で128階調を表現できるとすると、2つの網点では256階調を表すことができる。このように複数の網点を用いて、それらの面積の足し算で階調が表せるため、それぞれの網点を小さくすることができる。すなわち、網点の密度を上げることが可能になる。
【0044】
もちろん、図13(C),図14(C)に示すように、1つのCMYKの網点の組で1つの画素を表すようにすれば、縦方向の解像度を横方向の解像度よりも高くする(図13(C),図14(C)では縦方向解像度は横方向解像度の2倍)ことができる。
【0045】
このようなことは、モノクロ画像についても言える。モノクロ画像の場合には、図15(A)に示すように一画素を高い階調で一画素を表すことができるし、図15(B)に示すように縦方向の解像度を横方向の解像度よりも高くすることもができる。
【0046】
上記の実施形態では、説明の便宜上、異なる色の網点は、互いに重ならないことを前提としているが、図16(A)に示すように、異なる色同士が重なってもよい。
【0047】
また、上記の実施形態では、各網点は丸い形状で形成してあるが、図16(B)に示すように幅が略一定で高さが異なる形状として形成することができる。網点の面積で階調を表すが、階調によって網点の横幅が変化すると、ひとつの網点をシリンドリカルレンズを通して見たときの水平方向の広がりが変化することになる。そこで、網点の幅を略一定にして、階調に応じて網点の高さを変化させることで、ひとつの網点をシリンドリカルレンズを通して見たときの水平方向の広がりを一定に保ったまま、階調表現が可能になる。
【0048】
さらに、図16(C)に示すように、網点の縦方向のピッチを、横方向のピッチに比べて大きくし、または小さくすることもできる。図16(C)では、網点の縦方向へのピッチを横方向にピッチに比べて小さくし、見た目の一画素の縦方向のピッチと横方向のピッチを等しくした例を示している。ただし、各色のスクリーン上での網点の縦方向と横方向のピッチは等しくなっている。
【0049】
上記の図16(C)に示した構成を用いて、600線の密度で網点印刷を行う場合を考える。通常、600線という密度は色分解後の各色のスクリーン上の網点密度を表し、図16(C)の斜め軸方向の密度を表す。したがって、水平方向の網点密度は600×√2≒849線になる。シリンドリカルレンズを30本/インチの密度で水平方向に並べると、ひとつのシリンドリカルレンズに約28個の画素列を対応させることが可能になる。ここで、網点の密度が水平方向と垂直方向で同一であるとする。また、「見た目の一画素」の高さと横幅を等しくすると、当該一画素に各色で縦方向に約14個の網点を対応させることが可能になる。したがって、ひとつの網点で16階調を表す場合には、一画素で各色224階調を表現できることになる。
【0050】
上記のようにひとつの網点で16階調を表す場合は、通常はひとつの網点を4×4個のドットの集まりで表現する。この場合に、図16(B)に示した網点の幅を略一定とする方法を適用すると、ひとつの網点の幅を4ドットとして、縦方向に用いるドット数で階調を表現することになる。図16(A)に示したように、異なる色の網点は重なってもよいので、4色に対応して縦方向には4×4ドット用いることが可能であり、ひとつの網点で16階調を表現できる。また、ひとつの網点の幅は最小1ドットまで減らすことができ、シリンドリカルレンズに対応させる画素列の数を増やすことができる。上記の例では画素列の数を約113個まで増やすことができる。
【0051】
上記した網点は、図17(A)に示すように、集中して形成する(AMスクリーニング形成する)こともできるし、図17(B)に示すように、分散して形成する(FMスクリーニングにより形成する)こともできる。すなわち、図17(A)のAMスクリーニングでは、スクリーン上の一網点の形成が許容される領域に単一孔を空けることで形成している。また、図17(B)のFMスクリーニングではスクリーン材上の、一網点の形成が許容される領域に多数の微細孔を分散して空けることで形成している。
【0052】
上記の実施形態では、網点の色が上からCMYKの順番で並ぶ例を示したが、これ以外の順番で並ぶ場合でも、当然、本発明の手法は有効である。
【0053】
上記の実施形態では、網点への色分解をCMYKの4色で行う例を示したが、これ以外の色の組み合わせに色分解する場合でも、当然、本発明の手法は有効である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来のレンチキュラー方式による立体視印刷物を示す図である。
【図2】並列配置した4個のカメラC1,C2,C3,C4により、立体視印刷物に用いる画像を撮影する様子を示す図である。
【図3】(A),(B),(C),(D)は、図2に示したカメラC1,C2,C3,C4により、2つの物体A,Bを撮影したときの撮影画像G1,G2,G3,G4をモデル化して示す図である。
【図4】(A),(B),(C),(D)は、撮影画像G1,G2,G3,G4をそれぞれ縦方向にMの短冊画像に分割した様子を示す図である。
【図5】(A)はグループ画像g1,g2,・・・,gMを連接した様子を示す図、(B)はこの連接した画像を横方向1/4倍に圧縮して作成した網点印刷画像を示す図である。
【図6】従来の網点印刷により生じるモアレを示す図である。
【図7】(A)は網点印刷での各色のモアレが生じないような軸角度で各スクリーンに網点を形成した様子を示す図、(B)は網点印刷による印刷結果を示す図である。
【図8】本発明におけるカラー立体視印刷物を示す図である。
【図9】カラー立体視印刷物における網点印刷物を作成する際の網点構成の一例を示す図であり、(A)は二次元軸を示す図、(B)は、二次元軸A−B上のCMYKの各網点を示す図、(C),(D),(E),(F)は、CMYK各色のスクリーンに形成された網点を示す図である。
【図10】カラー立体視印刷物における網点印刷物を作成する際の網点構成の他の例を示す図であり、(A)は二次元軸を示す図、(B)は、二次元軸A−B上のCMYKの各網点を示す図、(C),(D),(E),(F)は、CMYK各色のスクリーンに形成された網点を示す図である。
【図11】カラー立体視印刷物における網点印刷物を作成する際の網点構成の一例を示す図であり、(A)は二次元軸を示す図、(B)は、二次元軸A−B上のCMYKの各網点を示す図、(C),(D),(E),(F)は、CMYK各色のスクリーンに形成された網点を示す図である。
【図12】カラー立体視印刷物における網点印刷物を作成する際の網点構成の他の例を示す図であり、(A)は二次元軸を示す図、(B)は、二次元軸A−B上のCMYKの各網点を示す図、(C),(D),(E),(F)は、CMYK各色のスクリーンに形成された網点を示す図である。
【図13】図9に示した網点のパターンにおいて縦長画像の横方向の網点数を増加させた網点パターンの説明図であり、(A)は縦長画像の横方向の網点数を増加させたことで、各色それぞれのスクリーンに使用されない領域が増えた様子を示す図、(B)は一画素を縦軸に連続した複数のCMYKの網点の組で表すことで高い階調を実現した様子を示す図、(C)は1つのCMYKの網点の組で1つの画素を表すようにすることで縦方向の解像度を横方向の解像度よりも高くした様子を示す図である。
【図14】図10に示した網点のパターンにおいて縦長画像の横方向の網点数を増加させた網点パターンの説明図であり、(A)は縦長画像の横方向の網点数を増加させたことで、各色それぞれのスクリーンに使用されない領域が増えた様子を示す図、(B)は一画素を縦軸に連続した複数のCMYKの組で表すことで高い階調を実現した様子を示す図、(C)は1つのCMYKの網点の組で1つの画素を表すようにすることで縦方向の解像度を横方向の解像度よりも高くした様子を示す図である。
【図15】(A)はモノクロ画像について一画素を縦軸に連続した複数の網点で表すことで高い階調を実現した様子を示す図、(B)は同じくモノクロ画像について複数の網点の組で1つの画素を表すようにすることで縦方向の解像度を横方向の解像度よりも高くした様子を示す図である。
【図16】(A)は、異なる色の網点同士が重なった例を示す図、(B)は網点が縦長に形成された例を示す図、(C)は網点の縦方向のピッチが、横方向のピッチに比べて小さくなった例を示す図である。
【図17】(A)はAMスクリーニングによる場合の網点の説明図、(B)はFMスクリーニングによる場合の網点の説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1 立体視印刷物
11 レンチキュラーレンズ
12 網点印刷画像
111 シリンドリカルレンズ
121 縦長画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に向いた複数本のシリンドリカルレンズが、横方向に連続して並列されてなるレンチキュラーレンズと、
前記レンチキュラーレンズの背面に配置され、前記各シリンドリカルレンズにそれぞれ対応した、複数の画素列よりなる縦長画像から構成されたカラー網点印刷画像と、
を備えたカラー立体視印刷物であって、
前記カラー網点印刷画像は、複数色の網点が各色それぞれの二次元軸上に形成されるとともに、当該二次元軸の一つが縦軸であり、一画素列を構成する各色の網点の組が同一の前記縦軸上に形成されてなることを特徴とするカラー立体視印刷物。
【請求項2】
前記二次元軸が、縦方向および斜方向に向いて形成され、前記各網点が前記二次元軸が作る斜方格子点上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー立体視印刷物。
【請求項3】
前記二次元軸が、縦方向および横方向に直交して形成され、前記各網点が前記二次元軸が作る正方格子点または長方格子点上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカラー立体視印刷物。
【請求項4】
前記一の網点に最も近接した他の網点の色は、当該一の網点の色と異なることを特徴とする請求項1から3に記載のカラー立体視印刷物。
【請求項5】
前記網点は、幅を略一定として、階調に応じて高さを変化させて形成さしたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のカラー立体視印刷物。
【請求項6】
一画素を構成する各色の網点の組を、各色f個(fは正の整数)の縦方向に並ぶ網点により構成し、f個の網点の面積の合計で前記一画素の階調を表すことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のカラー立体視印刷物。
【請求項7】
縦方向に向いた複数のシリンドリカルレンズが横方向に連続して並列されてなるレンチキュラーレンズと、
前記レンチキュラーレンズの背面に配置され、前記各シリンドリカルレンズにそれぞれ対応した、複数の画素列よりなる縦長画像から構成されたモノクロ網点印刷画像と、
を備えたモノクロ立体視印刷物であって、
前記モノクロ網点印刷画像は、網点が二次元軸上に形成されるとともに、当該二次元軸の一つが縦軸であり、一画素列を構成する網点が同一の前記縦軸上に形成されてなることを特徴とするモノクロ立体視印刷物。
【請求項8】
前記二次元軸が、縦方向および斜方向に向いて形成され、前記各網点が前記二次元軸が作る斜方格子点上に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のモノクロ立体視印刷物。
【請求項9】
前記二次元軸が、縦方向および横方向に直交して形成され、前記各網点が前記二次元軸が作る正方格子点または長方格子点上に形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のモノクロ立体視印刷物。
【請求項10】
前記網点は、幅を略一定として、階調に応じて高さを変化させて形成したことを特徴とする請求項7から9の何れかに記載のモノクロ立体視印刷物。
【請求項11】
一画素を、f個(fは正の整数)の縦方向に並ぶ網点により構成し、f個の網点の面積の合計で前記一画素の階調を表すことを特徴とする請求項7から10の何れかに記載のモノクロ立体視印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−259645(P2006−259645A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80762(P2005−80762)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】