説明

カーテンレールの先頭ランナー

【課題】先頭ランナーの製造コストを低減し、意匠性を向上させる。
【解決手段】先頭ランナー(10)のアーム部(11)と本体(1)は一体の合成樹脂成形品とし、前後ホイールの一方(6)の片側直下において本体(1)に一端を固定した車軸リベット(7)にガイドロール(2)を回転自在に外嵌し、車軸リベット(7)の他端を軸受けしてガイドロール(2)の上面部以外を囲むカバー(3)を本体(1)に取り付け、ガイドロール(2)の外周面を垂直横断面においてカーテンレール(9)の底面部(13)の片側凸面に沿う凹形とした。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、カーテンレールの中央において、左右のカーテンを交叉させる先頭ランナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の先頭ランナーは、カーテンの先端のフックを掛ける金属板製のアームを、カーテンレール内を走行する合成樹脂製の本体に組み付けていた。本体はカーテンレール内の走行面を走行するホイールと、カーテンの開閉操作時にアームが縦横に引かれても、ホイールがカーテンレール内の走行面から離れることを防止するガイドロールを備えていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の先頭ランナーは金属板製アームに塗装、メッキ等の表面処理を施して、本体に組み付けるため、コストが高くなるという問題があった。又、従来の先頭ランナーのガイドロールは、露出するために意匠性が低下するだけでなく、走行を安定させるために2つ以上設けると、コストも増加するという問題があった。
【0004】
本考案は、これらの問題を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、先頭ランナーのコストを低減し、意匠性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するため、本考案が採用する手段は、先頭ランナーのアームと本体を一体に合成樹脂、好ましくは、強度の高い合成樹脂により成形したこと、及びカーテンレール底面部の凸形面に沿う凹形外周面を有するガイドロールを1個だけ設けたこと、及びガイドロールを覆い、かつ軸受けするカバーを本体に付設したことにある。
【0006】
上記手段により、本考案の先頭ランナーは、アームが本体と一体の合成樹脂成形品であるから、表面処理と組み付けに要するコストが節減される。又、ガイドロールは1個であるが、カーテンレールの底面部の凸形面に沿う凹形外周面を有するから、ホイールと共にカーテンレールの底面部片側を挟持し、常にホイールをランナー走行面に保持する。さらに、カバーにより、ガイドロールは外部にはほとんど露出しないから、意匠性にも優れている。
【0007】
【考案の実施の形態】
本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1、図2、図3は実施例の先頭ランナーの正面図、平面図、背面図、図4はカーテンレールに取り付けた図1の先頭ランナーの部分断面側面図、図5は図1のV−V線矢視図である。
【0009】
図1ないし図3に示すように、先頭ランナー10の本体1は、強度の高い合成樹脂成形品であり、横へ少しずれて前方へ長く突出するアーム部11の先端にはカーテンのフックを掛ける掛け穴12を有する。本体1の正面後部下側には車軸リベット7が組み付けられ、その車軸リベット7にガイドロール2が回転自在に外嵌される。そのガイドロール2は大半が本体1に付設したカバー3に被覆され上部が少し露出するだけである。本体1の上部前後に1軸2輪のホイール5、6が取り付けられるから、先頭ランナーは2軸4輪型である。
【0010】
本体1の前ホイール5の下側にマグネット吸着板4がねじ8によりねじ止めされる。カーテンを閉じたとき、左右の先頭ランナーのマグネット吸着板4は相互に吸着して左右の先頭ランナーを結合させる。
【0011】
図5に示すように、ガイドロール2の車軸リベット7の両端は本体1とカバー3に軸受けされる。本体1に止めねじ8で固定された吸着板4は強磁性金属板である。
【0012】
図4に示すように、カーテンレール9に先頭ランナー10を取り付けたとき、カーテンレール9の底面部13の片側は、ガイドロール2とホイール6に挟まれた形になる。ガイドロール2は垂直横断面においてカーテンレール9のレール溝内底面部13片側の凸形外周に沿う凹形の外周面を有するから、本体1にどのような方向の外力が作用しても、ガイドロール2がホイール6を走行面に保持して、先頭ランナー10の走行が不安定になることを防止する。
【0013】
このように、先頭ランナー10はアーム部11に塗装、メッキ等の表面処理を施す必要も、本体に組み付ける必要もないから、従来のものに比べると製造コストが大幅に低減する。又、先頭ランナー10のガイドロール2は1個だけであるが、従来のガイドロールを2個設けていたものと同等の走行安定性を有し、そのガイドロール2はカバー3に覆われて外からはほとんど見えないから、先頭ランナー10は意匠性にも優れる。
【0014】
【発明の効果】
上記のとおり、本考案の先頭ランナーは、従来の金属板製アームを合成樹脂製本体に組み付け、ガイドロールを露出させていたものとは異なり、アームと本体は一体の合成樹脂成形品であり、ガイドロールはカバーにより露出せず、垂直横断面においてカーテンレールの凸形底面に沿う凹形外周面を有するから、次のような優れた効果を奏する。
1.アームに表面処理を施して本体に組み付けるコストを節減することができる。
2.ガイドロールが露出しないから、意匠性が向上する。
3.ガイドロールは1個だけで、従来のガイドロールを2個設けていたものに匹敵する走行安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の先頭ランナーの正面図、
【図2】図1の先頭ランナーの平面図、
【図3】図1の先頭ランナーの背面図、
【図4】カーテンレールに取り付けた図1の先頭ランナーの部分断面側面図、
【図5】図1のV−V線矢視図、
【符号の説明】
1:本体
2:ガイドロール
3:カバー
4:吸着板
5:ホイール
6:車軸
7:車軸
8:止めねじ
9:カーテンレール
10:先頭ランナー
11:アーム部
12:掛け穴
13:底面部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 前方に突出するアーム部(11)と、上部にカーテンレール(9)内を走行する前後ホイール(5、6)を備えた本体(1)とからなる先頭ランナー(10)であって、前記アーム部と前記本体は一体の合成樹脂成形品であり、前記ホイールの一方の片側直下において前記本体に一端を固定した車軸リベット(7)にガイドロール(2)が回転自在に外嵌され、前記車軸リベットの他端を軸受けして前記ガイドロール上面部以外を囲むカバー(3)が前記本体に取り付けられたことを特徴とするカーテンレールの先頭ランナー。
【請求項2】 ガイドロール(2)は外周面が垂直横断面においてカーテンレール(11)の底面部(13)片側の凸面に沿う凹面に形成されたことを特徴とする請求項1記載のカーテンレールの先頭ランナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】実用新案登録第3073952号(U3073952)
【登録日】平成12年9月27日(2000.9.27)
【発行日】平成12年12月15日(2000.12.15)
【考案の名称】カーテンレールの先頭ランナー
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2000−3999(U2000−3999)
【出願日】平成12年6月9日(2000.6.9)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)