説明

カートリッジ型装置用送り機構

ランセット切開装置の送り機構が、カートリッジ内のランセットを順次送るように動作する。この送り機構は、ラチェット機構などの歯車間一方向駆動機構の動作によって第1の角度方向に共回転する第1の歯車および第2の歯車を有する回転駆動歯車組立体を含む。ラチェット機構などの第2歯車一方向ロック機構が、上記第2の駆動歯車を、反対の第2の角度方向に第1の駆動歯車と共回転することがないよう、第1の方向の回転は妨げずにロックする。上記第2の歯車はピニオン歯車を直接的または間接的に回転式に駆動し、このピニオン歯車はカートリッジ歯車を回転式に駆動して、ランセットを使用するために割出し増分ずつ送る。上記第1の駆動歯車は、移動操作ハンドルのラック歯車によって第1および第2の方向に回転する。さらに、他の実施形態では、回転歯車キャップ移動機構および回転歯車蓄勢/作動機構が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2009年9月28日出願の米国仮特許出願第61/246,223号の優先権の利益を主張し、その全体を参照によりここに援用する。
【0002】
本発明は、一般にカートリッジ型の装置に関し、より詳細には、1つまたは複数のランセットまたはその他の製品を使用または分配するために保持するカートリッジを用いた、医療またはその他の装置のための送り機構に関する。
【背景技術】
【0003】
カートリッジ型装置は、薬、ランセット、縫合糸、針、手術用ステープル等の特定の医療用製品や、その他の医療またはそれ以外の製品の分配または適用に利用することができる。例えば、器具またはその他の装置内に、順次使用用の複数の製品を含んだ交換可能なカートリッジを装填することができる。このような装置は、人と直接連係するように製造することも、そこに入っている製品を利用する機械と連係するように製造することもできる。例えば、医療処置の多くで、被験動物または被験者の皮膚、時には下にある組織を穿刺する必要がある。被験体の皮膚を切開部位で穿刺するには、鋭利なランセット先端部が一般に使用され、この穿刺は、例えば糖尿病患者による血液/グルコース監視や、血液型判定および血液スクリーニング用途などで血液、間質液、またはその他の体液のサンプルを得るために行われる。
【0004】
1日中または1週間にわたって複数の検査を行うためには、人が周期的にその血液をサンプリングしなければならない場合がある。これは一般に、ある種のランセット切開装置(lancing device)を使用して行われる。ランセットの再使用は血液由来の汚染物質の感染または拡散をもたらす可能性があることから、繰り返し検査を必要とする人は複数のランセットを携行しなければならないことがある。ランセットはそれぞれ別々に、サンプリング毎にランセット切開装置に装填されるが、これは不便な場合があり、処方された検査計画の遵守率の低下を招く可能性がある。
【0005】
使用者がカートリッジをランセット切開装置内に装填できるように、カートリッジ型のランセット切開装置が開発されている。各カートリッジは順次使用のために複数のランセットを保持している。これらのカートリッジ型のランセット切開装置の動作は、典型的には、カートリッジ内のランセットをそれぞれ使用するために送り、駆動ばねを蓄勢し、アクチュエータの作動時にランセットを解放して上記の放勢用駆動ばねにより切開行程全体にわたって推進することによって行われる。さらに、穿刺先端部に滅菌キャップを有するランセットを保持するカートリッジの場合、典型的なランセット切開装置ではさらに、切開行程前にランセット穿刺先端部から滅菌キャップを取り外すように動作する。さらに、ランセット切開装置には、ランセット先端部の様々な穿刺深さの調節を可能にするよう動作可能なものもある。しかしながら既存のカートリッジ型のランセット切開装置は、その利便性、使い勝手、コスト、信頼性、および/または効果の点で完全に申し分ないということが証明されるまでには至っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、カートリッジ型の装置の送り機構、キャップ取り外し機構、深さ調節機構、および蓄勢機構において、改良の必要があることが分かっている。本発明は、上記およびその他の要求を満たす改良型のカートリッジ型装置およびカートリッジを提供することを主に対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、革新的な送り機構、蓄勢/作動機構、および/または移動機構を含んだカートリッジ型の装置に関する。図示されている各実施形態において、上記装置は、一続きのランセットを保持するカートリッジと共に使用するように適合されている。代替実施形態において、上記装置は、その他の製品を順次使用かつ/または分配するために保持するカートリッジと共に使用するように適合されている。
【0008】
図示されている各実施形態のランセット切開装置は、ハウジングおよび操作ハンドルを含み、操作ハンドルは、収縮位置(ハウジングに押し付けられた位置)と伸長位置(ハウジングから摺動して離れた位置)との間で移動する。操作ハンドルは、握りと、少なくとも1つのラック歯車と、を含む。上記握りは、1回の押し/引き操作サイクルにわたって操作ハンドルを押し/引きする使用者が把持することができる。また、上記ラック歯車は、ハウジング内部で移動して、ランセット切開装置の1つまたは複数の動作組立体を動作させる。
【0009】
第1の例示的な実施形態では、送り機構が、カートリッジ内にあるランセットを使用するために順次送るように動作可能である。この送り機構は、歯車間一方向駆動機構の動作によって第1の角度方向に共回転する第1の駆動歯車と第2の駆動歯車とを備える回転駆動歯車組立体を含む。上記送り機構はまた、第2の駆動歯車を、第1の方向の回転を妨げることなく、反対の第2の角度方向に第1の駆動歯車と共に共回転することがないようにロックする、第2歯車一方向ロック機構を有することができる。第1の歯車は、例えばハンドルを引く、押すなどしたときに、操作ハンドルのラック歯車によってそれぞれ第1の角度方向、第2の角度方向に回転式に駆動される。
【0010】
上記歯車間一方向駆動機構は、ラチェット式駆動機構によって実現することができる。図示されている実施形態では、ラチェット式駆動機構は、キャッチ面を画成する少なくとも1つの爪と、キャッチ面を画成する少なくとも1つのラチェット歯と、例えば少なくとも1つのラチェット歯などによって画成される傾斜した係合解除面と、を含む。上記のキャッチ面は互いに向かい合い、第1の駆動歯車が操作ハンドルのラック歯車によって第1の方向に回転式に駆動される場合に(例えばハンドルが引き出されたときなど)、第2の駆動歯車と共回転するようになっている。しかし第1の駆動歯車がラック歯車によって反対の第2の方向に回転式に駆動されるときは(例えばハンドルが押し込まれたときなど)、キャッチ面は互いに向かい合わず、したがって第2の駆動歯車は第1の駆動歯車と共回転されない。また、上記傾斜した係合解除面が爪のキャッチ面を一時的に移動させる。その移動は、爪が歯を乗り越えた後、キャッチ面によるその後の対向係合ためにその爪を再セットできるようになっている。
【0011】
第2歯車一方向ロック機構は、ラチェット式ロック機構によって実現することができる。図示されている実施形態では、ラチェット式ロック機構は、ロック面を画成する少なくとも1つの爪と、ロック面を画成する少なくとも1つのラチェット歯と、例えば少なくとも1つの爪などによって画成される傾斜した係合解除面と、を含む。ロック面は互いに向かい合い、第1の駆動歯車がラック歯車によって反対の第2の方向に回転式に駆動される場合に、第2の駆動歯車が共回転することがないようロックされる。しかし第1の駆動歯車がラック歯車によって第1の方向に回転式に駆動されるときは、ロック面は互いに向かい合わず、したがって第2の駆動歯車は自在に第1の駆動歯車と共に共回転する。また、傾斜した係合解除面が爪のロック面を一時的に移動させる。その移動は、爪が歯を乗り越えた後、ロック面によるその後の対向係合ためにその爪を再セットできるようになっている。
【0012】
第2の歯車はピニオン歯車を直接的または間接的に回転式に駆動し、このピニオン歯車はカートリッジ歯車を回転式に駆動して、ランセットを使用するために割出し増分ずつ送る。第2の駆動歯車がピニオン歯車として機能することもでき、多対歯車のピニオン歯車組立体を歯車数低減のために設けることもでき、かつ/または中間の遊び歯車組立体を歯車数低減のために設けることもできる。
【0013】
さらに、作動位置にあるランセットの滅菌キャップを移動させるための回転歯車キャップ移動機構が設けられる。キャップ移動機構は、回転リフタ歯車と、リフタ歯車上に形成された半円形のリフト斜路と、リフタ構造体と、を含む。リフタ歯車が回転すると、リフト斜路が回転してリフタと係合する。リフト斜路は、回転しながらリフタを横切るときに、リフタを押して取り外されたランセットキャップと係合し、それを切開行程経路から押し出す。リフタ歯車は、送り機構の動作に使用されるものと同じラック歯車で駆動することも、異なるラック歯車で駆動することもできる。
【0014】
さらに、作動位置にあるランセットを後退させ駆動ばねを蓄勢し、作動機構の作動時にランセットを解放して上記放勢用駆動ばねによって切開行程全体にわたって推進するための回転歯車蓄勢機構が設けられる。この蓄勢機構は、ガイド要素と、ピストンと、駆動ばねと、戻しばねとを含むことができる。ピストンは、作動状態のランセットと係合し、その切開行程全体にわたってそのランセットを駆動する。駆動ばねは、ランセット切開行程においてピストン(したがって作動状態のランセット)を前方へ推進し、戻しばねは、それを完全にハウジング内へと後方に付勢する。ガイドは、キャップ移動回転歯車または別個の回転歯車上に配置される。ガイドは、回転歯車が回転するとピストンのフォロア面を移動しながら横切る偏心的に湾曲したカム面を含む。それによって、カム面はピストンを後方に案内して、ランセットを後退/蓄勢位置まで後退させる。回転歯車は、送り機構および/またはキャップ移動機構の動作に使用されるものと同じラック歯車で駆動することも、異なるラック歯車で駆動することもできる。
【0015】
本発明の上記およびその他の態様、特徴および利点は、図面の図および本明細書の詳細な説明を参照することによって理解され、添付の特許請求の範囲で特に指摘される様々な要素および組合せによって実現されるだろう。前述の全般的な説明と後述の図面の簡単な説明および本発明の詳細な説明はいずれも、本発明の例示的実施形態の例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】収縮位置にある操作ハンドルを示す、本発明の第1の例示的な実施形態によるカートリッジ型ランセット切開装置の上面斜視図である。
【図2】操作ハンドルが伸長位置にある図1のランセット切開装置である。
【図3】図1のランセット切開装置の下面斜視図である。
【図4】図2のランセット切開装置の下面斜視図である。
【図5】図1のランセット切開装置の他の上面斜視図である。
【図6】図1のランセット切開装置の平面図である。
【図7】図6のランセット切開装置の左側面図である。
【図8】図6のランセット切開装置の正面図である。
【図9】図1のランセット切開装置のハウジング上部の上面斜視図である。
【図10】内部の送り機構を示すためにハウジング上部およびハウジング下部の内部カバーが取り除かれている、図1のランセット切開装置の上面斜視図である。
【図11】図10の送り機構のラチェット歯車組立体の下面斜視図である。
【図12】図11のラチェット歯車組立体の下面図である。
【図13】図12の線13−13におけるラチェット歯車組立体の断面図である。
【図14】図11におけるラチェット歯車組立体の第1の歯車の下面斜視図である。
【図15】図11におけるラチェット歯車組立体の第2の歯車の上面斜視図である。
【図16】第1の角度方向に回転し、第2のラチェット歯車を共に回転するように駆動する第1のラチェット歯車を示す、図11のラチェット歯車組立体の下面図である。
【図17】第2のラチェット歯車が静止した状態のまま第1のラチェット歯車が反対の第2の角度方向に回転する、図16のラチェット歯車組立体を示す図である。
【図18】内部の送り機構を示すためにハウジング上部およびハウジング下部の内部カバーが取り除かれている、図1のランセット切開装置の一部分の上面斜視図である。図が見やすいように第2のラチェット歯車は図示されていない。
【図19】下にある第2の歯車を示すために第1のラチェット歯車が取り除かれている、第1の角度方向に回転している、図18のランセット切開装置部分である。
【図20】第2の歯車が反対の第2の角度方向に回転することがないようロックされている、図19のランセット切開装置部分である。
【図21】内部の送り機構を示すためにハウジング上部およびハウジング下部のカバーが取り除かれている、操作ハンドルが収縮位置にある、図1のランセット切開装置の上面斜視図である。
【図22】送り機構を動作させるために操作ハンドルが中間位置を通過する、図21のランセット切開装置を示す図である。
【図23】操作ハンドルが伸長位置にある、図21のランセット切開装置を示す図である。
【図24】図23のランセット切開装置の上面図である。
【図25】送り機構を再セットするために操作ハンドルが中間位置を通って戻る、図24のランセット切開装置の上面図である。
【図26】操作ハンドルが収縮位置に戻されている、図24のカートリッジ型のランセット切開の上面図である。
【図27】図1のランセット切開装置と共に使用されるランセットカートリッジの上面斜視図である。
【図28】図27のランセットカートリッジの下面斜視図である。
【図29】内部のランセットを示すためにカートリッジハウジング上部が取り除かれている、図27のランセットカートリッジの上面斜視図である。
【図30】内部のランセットを示すためにカートリッジハウジング下部が取り除かれている、図27のランセットカートリッジの下面図である。
【図31】ランセット切開装置のラチェット機構によるカートリッジの係合を示すためにカートリッジハウジング上部が取り除かれている、図1のランセット切開装置に取り付けられた図27のランセットカートリッジの上面斜視図である。
【図32】図31のランセットカートリッジおよびランセット切開装置の一部分の平面図である。
【図33】内部の送り機構を示すためにハウジング上部およびハウジング主下部カバーが取り除かれている、操作ハンドルが伸長位置にある、蓄勢機構の一部分を示す(見やすいように全ての回転歯車が取り除かれている)、図1のランセット切開装置の一部分の上面斜視図である。
【図34】操作ハンドルが収縮位置にある、図33のランセット切開装置部分である。
【図35】図33のランセット切開装置の他の上面斜視図である。
【図36】図35のランセット切開装置の一部分の拡大詳細図である。
【図37】ハウジング上部が取り除かれているがハウジング下部主カバーは取り除かれていない、図35のランセット切開装置の他の上面斜視図である。
【図38】ハウジング下部ピストンカバーが定位置にある、図37のランセット切開装置の他の上面斜視図である。
【図39】図37のランセット切開装置の拡大図である。
【図40】ハウジング下部ピストンカバーが定位置にある、図38のランセット切開装置の他の拡大図である。
【図41】蓄勢/後退位置まで後退したランセットを示す、図36のランセット切開装置部分をさらに拡大した詳細図である。
【図42】図41のランセット切開装置の、ランセットがその切開行程全体にわたって駆動される部分の図である。
【図43】図42のランセット切開装置部分の他の上面斜視図である。
【図44】内部の送り機構を示すためにハウジング上部およびハウジング主下部カバーが取り除かれている、図1のランセット切開装置の一部分の上面斜視図である。
【図45】図44のランセット切開装置の、キャップ移動機構が作動状態のランセットのキャップを切開行程経路から移動させるように動作する部分の図である。
【図46】図44のランセット切開装置の、キャップ移動機構が作動状態のランセットのキャップを完全に移動させるように動作する部分の図である。
【図47】回転爪を備える蓄勢機構を示す、本発明の第2の例示的な実施形態によるランセット切開装置の平面図である。
【図48】図47のランセット切開装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の本発明の詳細な説明を、この開示の一部を形成する添付の図面と併せて考慮することによって、本発明をより容易に理解できるだろう。本発明が、本明細書に記載されかつ/または示されている特定の装置、方法、条件またはパラメータに限定されないこと、ならびに本明細書で使用される技術が、特定の実施形態を例としてだけ説明するためのものであり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書で特定されている任意かつ全ての特許およびその他の出版物は、本明細書にそれが完全に記載されているかのように、参照により援用される。
【0018】
また、本明細書(添付の特許請求の範囲を含む)で使用する限りにおいて、単数形の「1つ」および「前記」は複数を含み、特定の数値について言及した箇所は、その文脈で別途明示しない限り少なくともその特定の値を含む。本明細書では範囲を、「約」もしくは「およそ」の1つの特定の値からかつ/または「約」もしくは「およそ」の別の特定の値まで示すことができる。かかる範囲が示されている場合、別の実施形態では、その一方の特定の値からかつ/またはもう一方の特定の値までを含む。同様に、各値が近似値として表される場合、先行する「約」を使用することによって、この特定の値が別の実施形態を構成することが理解されるだろう。
【0019】
次に各図面の図を参照する。対応する部品は、複数の図を通して同じ参照番号で示されている。図1〜46には、本発明の第1の実施形態によるランセット切開装置10が示されている。ランセット切開装置10は、複数のランセット82を保持するカートリッジ80と共に使用される(図27〜図32を参照)。本明細書で使用される用語「カートリッジ」は、カルーセル、キャリア、およびその他のタイプのディスペンサを含み、そのカートリッジが、再使用可能なランセット切開装置と共に使用される交換可能なカートリッジであるかどうか、またはランセット切開装置と一体的であって全てのランセットが一度使用された後にランセット切開装置と共に使い捨てにできるかどうかは問わないことが理解されるだろう。さらに、ランセットのカートリッジと共に使用されるランセット切開装置の代わりに、本明細書に記載の本発明の各組立体および各態様を、使用または分配するために送られるその他の製品を保持するカートリッジを用いる他の医療機器、建築工具、またはその他の装置で具体化できることも理解されるだろう。例えば、本明細書に記載の送り機構を、縫合糸、針、薬または手術用ステープルを分配する装置で使用するように適合させることができる。
【0020】
カートリッジ80およびランセット切開装置10のハウジング、歯車、アクチュエータ、および/またはその他の構成部品は、従来の製作技術を使用して従来の材料から製造することができる。したがって、これらの構成部品は、当技術分野で周知の成型、機械加工、プレス加工またはその他の適当な製法により、当技術分野で周知のプラスチック、金属、またはその他の適当な材料で形成することができる。
【0021】
図示の実施形態のランセット切開装置10は、深さ調節機構13、送り機構30、ランセットキャップ移動機構100、蓄勢機構90、および作動機構16を含む。深さ調節機構13(図1〜図9参照)は、ランセット先端部を使用者の皮膚に穿刺する様々な深さの調節を可能とするように動作する。送り機構30(図10〜図26を参照)は、使用のためにランセットを順次送るように動作する。キャップ移動機構100(図10および図44〜図46を参照)は、切開行程前に、ランセット穿刺先端部から滅菌キャップを取り外すように動作する。蓄勢機構90(図10および図33〜図43を参照)は、作動位置にあるランセットを後退させ駆動ばねを蓄勢し、作動ボタンが作動すると、ランセットを解放して上記の放勢用駆動ばねによって切開行程全体にわたって推進するように動作する。また作動機構16(図33を参照)は、蓄勢された位置からランセットを解放するように動作し、その動作は、放勢用駆動ばねによってそのランセットを切開行程全体にわたって推進できるようになっている。
【0022】
図1〜図9に、ランセット切開装置10のハウジング12および操作ハンドル21が示されている。ハウジング12は上部部分12aおよび下部部分12bを含むことができる。上部部分12aおよび下部部分12bは、ランセットカートリッジを交換するための開位置まで少なくとも部分的に分離可能(例えばクラムシェル配置で旋回式に)であってよい。操作ハンドル21は、収縮位置(図1を参照)と伸長位置(図2を参照)の間で摺動するように、ハウジング12に移動式に取り付けられる。操作ハンドル21は、収縮位置と伸長位置の間でハンドルを押し引きするために使用者が把持するための握り部分20を含む。握り20はC字形の側面形状を有していてもよく、これにより、図のように操作ハンドル21が収縮位置にあるときにハウジング上部部分12aおよびハウジング下部部分12bを閉位置で保持するように、握り20がハウジング12の上部側および下部側と重なり合う。また操作ハンドル21とハウジング12は、収縮位置と伸長位置の間の操作ハンドル21の移動を制限するように互いに当接する協働停止面を有する。
【0023】
図10〜図20に、ハウジング12内部に収容されている送り機構30の構造的な詳細が示されている。図示されている送り機構30は、送りハンドル歯車22と、駆動歯車組立体40と、歯車間一方向共回転駆動組立体(ラチェット式駆動組立体46など)と、第2歯車一方向回転ロック組立体(ラチェット式ロック組立体70など)と、中間遊び歯車組立体50と、ピニオン歯車組立体60と、を含む。
【0024】
送りハンドル歯車22は、操作ハンドル21によって画成されるか、操作ハンドル21に取り付けられるかのいずれかである。図示されている実施形態では、このハンドル歯車はラック歯車22によって実現される。例えば、ラック歯車22は、握り20からハウジング12へと延びる、図示されている薄い矩形構造体のような細長い部材23の側部に沿って形成することができる。したがって、握り20を操作してハンドル21を収縮位置と伸長位置の間で摺動させると、ラック歯車22はハウジング12内部で移動する。代替実施形態では、操作ハンドルは、回転式、移動式、またはその両方であり、かつ/またはランセット切開装置の各動作組立体を駆動する1つまたは複数の回転歯車を(ラック歯車の代わりに)含む。
【0025】
駆動歯車組立体40は、同じ回転軸に取り付けられた第1の回転駆動歯車41および第2の回転駆動歯車42を含む。第1の歯車41は、操作ハンドル21が収縮位置と伸長位置の間で摺動されたときにラック歯車22がハウジング12内部で移動すると、ラック歯車と係合し、そのラック歯車によって第1の角度方向および反対の第2の角度方向に回転式に駆動される。第1の歯車41は、その周縁全体、または図のようにその一部分のみけに沿った歯を含むことができる。
【0026】
歯車間一方向駆動組立体は、第1の駆動歯車41と第2の駆動歯車42とを動作可能に相互連結し、これにより、第2の歯車は第1の方向に第1の歯車によって駆動されて第1の歯車と共に回転するが、反対の第2の方向には第1の歯車によって共回転して駆動されないようになっている。具体的には、歯車間一方向駆動組立体は少なくとも1つのキャッチ面を含み、このキャッチ面は、第1の駆動歯車41および第2の駆動歯車42の各要素によって画成されるか、またはこれらから延びる。このキャッチ面はそれぞれ、第1の方向には上記2つの歯車を共回転状態に保つように係合し、第1の歯車が反対の第2の方向に回転するときにはこのキャッチ面のうちの少なくとも1つは係合しない。こうした係合解除は少なくとも1つの係合解除面によって引き起こすことができ、係合解除面は、キャッチ面のうちの少なくとも1つを画成する要素のうちの可動なものを動かす。
【0027】
例えば、歯車間一方向駆動組立体は、少なくとも1つの爪要素およびその爪と動作可能に係合する少なくとも1つの歯要素を含んだ、歯車間ラチェット式駆動組立体によって実現することができる。上記爪は、第1および第2の駆動歯車のうちの一方から延びることができ、上記歯は、第1および第2の駆動歯車のうちのもう一方から延びることができる。上記爪はキャッチ面の一方を画成し、上記歯はキャッチ面のもう一方を画成する。1つまたは複数の傾斜係合解除面が上記爪および/または上記歯によって画成され、そのキャッチ面に隣接して位置する。上記傾斜係合解除面は、直線状、曲線状、またはその組合せにすることができる。
【0028】
動作の際には、第1の駆動歯車が第1の方向に回転する場合、第1の歯車キャッチ面が第2の歯車キャッチ面と接触して第2の駆動歯車を第1の駆動歯車と共に回転式に駆動するように、上記のキャッチ面が互いに向かい合う。しかし、第1の歯車が反対の第2の方向に回転するときは、第1の歯車キャッチ面は第2の歯車キャッチ面から遠ざかるように回転し、したがって第2の歯車は第1の歯車によって回転式に駆動されない。また第1の歯車が第2の角度方向にさらに回転すると、第1の歯車キャッチ面が回転しながら第2の歯車キャッチ面を通り越すように、傾斜した面が爪または歯と係合して少なくとも1つのキャッチ面を一時的に移動させる(係合位置から係合解除位置まで)。傾斜した面を乗り越え完了すると、爪または歯は係合位置に戻り、その結果、第1の歯車の回転により再び第2の歯車がそれと共に回転するように、キャッチ面が再度互いに対向する関係になる。
【0029】
図示されている実施形態(図10〜図17を参照)のラチェット式駆動組立体46では、少なくとも1つの爪が、第2の駆動歯車42からそれぞれ全般に螺旋状配置で延びる3つのカンチレバー状の弾性爪アーム44によって実現される。また、少なくとも1つの歯が、第1の駆動歯車41の内側環状面における3つのラチェット駆動歯45(例えば部分的に3つのノッチで形成された歯など)によって実現される。弾性アーム44はキャッチ面44aを含み、歯45はキャッチ面45aおよび傾斜した面45bを含む。弾性アーム44は可撓性を有する弾性材料で形成され、この材料の選択は、弾性アームが、ラチェット駆動歯45との係合位置からその係合から逸れた係合解除位置まで弾性的に撓み、係合位置に弾性的に戻るように行われる。弾性アーム44およびラチェット駆動歯45はそれぞれ、第2の歯車42、第1の歯車41の一体的形状として製造することも、それらに結合する別個の構造体として製造することもできる。ラチェット駆動歯45は、第1の歯車41の歯車歯とは独立した構造体であると好ましい(図示されている実施形態では、ラチェット歯と歯車歯は、異なる半径を有する共軸の円に沿って異なる回転平面に配置され、ラチェット歯は歯車列における噛合を行うようには設計されていない)。
【0030】
動作の際には、第1の歯車41が第1の方向に回転する場合、弾性アーム44のキャッチ面44aがラチェット歯45のキャッチ面45aと接触し、その面により保持される。したがって、図16に示されているように、第1の歯車41が第1の方向に回転式に駆動されると、第2の歯車42の弾性アーム44のキャッチ面44aは、第2の歯車を回転式に駆動してそれと共に回転(角度方向矢印47aによって示されている)する第1の歯車のラチェット歯45の対応するキャッチ面45aと係合する。しかし、第1の歯車41が反対の第2の方向に回転するときは、弾性アーム44は弾性的に撓み、ラチェット歯45を迂回して進む。したがって、図17に示されるように、第1の歯車41が反対の第2の方向(角度方向矢印47a’によって示されている)に回転式に駆動されると、ラチェット歯45のキャッチ面45aは回転して弾性アーム44のキャッチ面44aとの係合を解除し、その結果、第2の駆動歯車42は第1の駆動歯車と係合せず、第1の駆動歯車と共に回転するよう駆動されない。次いで第1の歯車41が第2の方向にさらに回転すると、弾性アーム44は、傾斜した面45bとの係合によって径方向内向き(径方向矢印48によって示されている)に弾性的に撓み、その結果、弾性アームは、そのキャッチ面44aが次の歯のキャッチ面45と真向かいになって係合位置に再び弾性的に戻るまで次の歯45を迂回して進む。
【0031】
一代替実施形態では、歯車間ラチェット式駆動組立体は、2つまたはその他の数の爪および歯を含む。他の代替実施形態では、ラチェット式駆動組立体は、1つの爪と複数の歯を含んでいる。他の代替実施形態では、ラチェット式駆動組立体は、第1の駆動歯車から延びる少なくとも1つの爪と、第2の駆動歯車によって形成された少なくとも1つの歯を含む(「逆」配置)。他の代替実施形態では、ラチェット式駆動組立体は、上述の弾性アーム爪の代わりに、少なくとも1つのばね付勢された硬質の旋回アーム爪を含む。
【0032】
ラチェット式駆動組立体の他の代替実施形態では、キャッチ面は、第1および第2の歯車のデテント(detent:戻り止め)要素によって画成される。したがって、爪はキャッチ面を画成するデテントによって実現され、歯はキャッチ面を画成するデテントによって実現され、傾斜した係合解除面は、第1または第2の歯車によってデテントロック面の1つに隣接して画成される。例えば、爪および歯のデテント要素は、それぞれ四半球形(すなわち半球の対称的な半分)の対合する雄型要素と雌型要素によって実現することができ、対向する平坦な面がキャッチ面を画成し、湾曲した面が傾斜した係合解除面を画成する。爪デテントは、係合位置と係合解除位置の間を移動するように、弾性的に撓み可能であっても、ばね付勢しても、またはその他の方法で構成してもよい。
【0033】
また、他の代替実施形態では、歯車間一方向駆動組立体は、ラチェット組立体によって実現されるのではなく、フリーホイール機構またはクラッチ機構によって実現される。
【0034】
第1の歯車が第2の方向に回転しているときに第2の駆動歯車42を静止させておくために(すなわち第2の方向47a’では第1の駆動歯車41と共回転しないようにする)、第2歯車一方向ロック組立体が設けられる。具体的には、第2歯車一方向駆動組立体は、保持要素(例えばハウジング12の側壁に取り付けられていたり、そこから延びていたり、そこに形成されていたりする)と第2の駆動歯車42のロック要素とによって画成されるかそこから延びるかの、少なくとも1つのロック面を含む。このロック面はそれぞれ、第2の歯車を第2の方向に第1の歯車と共回転することがないようロックするように係合し、第1の歯車が第1の方向に回転するときにはこのロック面のうちの少なくとも1つは係合しない。こうした係合解除は、ロック面のうちの少なくとも1つを画成する保持要素を少なくとも動かす少なくとも1つの係合解除面によって引き起こすことができる。
【0035】
例えば、第2歯車一方向ロック組立体は、少なくとも1つの爪保持要素およびその爪保持体と動作可能に係合する少なくとも1つの歯要素を含んだ、第2歯車のラチェット式ロック組立体によって実現することができる。上記爪保持体は、第2の駆動歯車およびハウジングのうちの一方から延びる(直接的、または中間構造を介して間接的に)ことができ、上記歯は、第2の駆動歯車およびハウジングのうちのもう一方から延びることができる。上記爪保持体はロック面の一方を画成し、上記歯はロック面のもう一方を画成する。1つまたは複数の傾斜係合解除面が、上記爪保持体および/または上記歯によって画成され、上記ロック面に隣接して配置される。上記傾斜係合解除面は、直線状、曲線状、またはその組合せにすることができる。
【0036】
動作の際には、第1の駆動歯車が第2の方向に回転し、第2の駆動歯車がその第1の駆動歯車と共回転して駆動されない場合、爪保持体ロック面が歯のロック面に接触して第2の歯車を定位置に固定するように、上記のロック面は互いに向かい合う。しかし、第1の歯車が第1の方向に回転するときは、歯のロック面は保持体ロック面から遠ざかるように回転し、したがって第2の歯車は、第1の歯車によって回転式に駆動されることがないよう拘束されない。また第1の歯車が第1の方向にさらに回転すると、歯のロック面が回転しながら爪のロック面を通り越すように、傾斜した面が爪と係合して爪およびそのロック面を一時的に移動させる(係合位置から係合解除位置まで)。傾斜した面を乗り越え完了すると、爪は係合位置に戻り、その結果、第1の歯車が再び第2の方向に回転するときに第2の歯車がそれと共回転することがないようロックされるように、ロック面が再度互いに対向する関係になる。
【0037】
図示されている実施形態のラチェット式ロック組立体70では(図10および図18〜図20を参照)、少なくとも1つの爪保持体は、ハウジング12の外側周縁部に旋回式に取り付けられ、そこから内向きに延びる、単一の爪アーム71によって実現される。また、少なくとも1つの歯は、第2の駆動歯車42から延びる3つのラチェットロック歯43によって実現される。ラチェットロック歯43はロック面49を含み(図15も参照)、爪71はロック面73および傾斜した係合解除面72を含む。ラチェットロック歯43は、例えば第2の歯車42の上部面に配置することができる。ラチェットロック歯43は、第2の歯車42の一体的形状として製造することも、それらに結合する別個の構造体として製造することもできる。ラチェットロック歯43は、第2の歯車42の歯車歯とは独立した構造体であると好ましい(図示されている実施形態では、ラチェット歯と歯車歯は、異なる半径を有する共軸の円に沿って異なる回転平面に配置され、ラチェット歯は歯車列における噛合を行うようには設計されていない)。さらに、図示されている板ばねアームなどのばね74が、爪アーム71とハウジング12の間に延び、それらに対抗して付勢して、爪アームが傾斜した係合解除面72によって係合解除位置に移動していない場合に、爪アームをそのラチェットロック歯43と係合する係合位置まで押しやる。板ばねアーム74は、爪アーム71の一体的形状として製造することも、それらに結合する別個の構造体として製造することもできる。
【0038】
動作の際には、ラチェットロック歯43のうちの1つが、第2の歯車42が第1の方向47aに回転するときに、爪アーム71の傾斜した面72を回転しながら横切って、係合位置から係合解除位置まで爪アームを押す。したがって、図19に示されているように、第2の歯車42が第1の方向47aに回転するとき、そのラチェットロック歯43は、爪の傾斜した面72に沿って徐々に進むことによって爪71を迂回して進んで、ハウジング12に対抗する板ばねアーム71のばね動作に対抗して外向きに爪を旋回させることができる。しかし、そのラチェットロック歯43の爪71の乗り越えが完了し、その爪がその係合位置に戻った後、そのラチェットロック歯のロック面49は爪アームのロック面73と真っ向から向かい合い、その面と係合する。したがって、図20に示されているように、第2の駆動歯車42は、爪アームが係合位置にあり、そこで板ばねアーム74によって付勢されている場合、上記のラチェットロック歯43のロック面49が爪アーム71のロック面73と向かい合いその面と係合すると、第2の方向では回転が妨げられる。次いで、第2の歯車42が再び第1の歯車41と共に第1の方向47aに回転すると、ラチェットロック歯43の次の歯が爪71の傾斜した面72を回転しながら横切って、やはり爪を係合位置から係合解除位置まで押し、その結果その歯は爪を迂回して進む。
【0039】
一代替実施形態では、第2の歯車のラチェット式ロック組立体は、2つまたはその他の数の爪および歯を含む。他の代替実施形態では、ラチェット式ロック組立体は、複数の爪および複数の歯を含んでいる。他の代替実施形態では、ラチェット式ロック組立体は、第2のラチェット歯車から延びる少なくとも1つの爪と、ハウジングによって形成された少なくとも1つの歯と含む(「逆」配置)。他の代替実施形態では、ラチェット式ロック組立体は、上述のばね付勢された爪の代わりに、少なくとも1つの可撓性を有する弾性アーム爪を含む。
【0040】
ラチェット式ロック組立体の他の代替実施形態では、ロック面は、保持体および第2の歯車のデテント要素によって画成される。したがって、爪はキャッチ面を画成するデテントによって実現され、歯はキャッチ面を画成するデテントによって実現され、傾斜した係合解除面は、爪または第2の歯車によってデテントロック面の1つに隣接して画成される。例えば、爪および歯のデテント要素は、それぞれ四半球形(すなわち半球の対称的な半分)の対合する雄型要素と雌型要素によって実現することができ、対向する平坦な面がキャッチ面を画成し、湾曲した面が傾斜した係合解除面を画成する。爪デテントは、係合位置と係合解除位置の間を移動するように、弾性的に撓み可能であっても、ばね付勢しても、またはその他の方法で構成してもよい。
【0041】
他の代替実施形態では、第2歯車一方向ロック組立体は、第2の駆動歯車と直接的に係合する代わりに、中間/遊び歯車またはピニオン歯車の1つと係合し、それを逆回転させることがないよう拘束する。これらの歯車は歯車列で互いに噛合しているので、中間/遊び歯車またはピニオン歯車の逆回転が妨げられることにより、第2の駆動歯車の逆回転が間接的に妨げられる。
【0042】
また、他の代替実施形態では、歯車間一方向ロック組立体は、ラチェット組立体によって実現されるのではなく、ハウジングまたは別の非回転構成部品上に固定されたデテントを組み込むことによって実現され、このデテントは歯車上にある噛み合い形状と係合する。歯車は、ハウジングの固定デテントに対して歯車を押し付ける傾向を有するばね要素を備え、ばね要素はそのばねの軸に沿って作用する。歯車は、一方向に回転することから、上記噛み合い部品の一方または両方に傾斜を有し、その部品がばねに対抗して歯車を軸方向に変位させる。反対方向には傾斜は設けられない。他の代替実施形態では、歯車間一方向ロック組立体は、フリーホイール機構またはクラッチ機構によって実現される。
【0043】
図10および図18〜図20にやはり示されているように、中間の遊び歯車組立体50は、第1の入力歯車51および第2の出力歯車52を有し、これらの歯車は、それらが互いに同期して回転するように同じ軸の周りに回転式に取り付けられ、相互連結されている。例えば、第1の中間歯車51および第2の中間歯車52は、(例えば、成型されたプラスチックの)単一部品として一体的に形成することができる。第1の中間歯車51は、第2のラチェット歯車が角度方向47aに回転するときに、第2のラチェット歯車42と係合し、角度方向47bに回転式に駆動される。
【0044】
ピニオン歯車組立体60は、第1の入力歯車61および第2の出力歯車62を含み、これらの歯車は、互いに同期して回転するように同じ軸の周りに回転式に取り付けられ、相互連結されている。例えば、第1の中間歯車61および第2の中間歯車62は、(例えば、成型されたプラスチックの)単一部品として一体的に形成することができる。第1のピニオン歯車61は、第2の中間歯車が角度方向47bに回転するときに、第2の中間歯車52と係合し、角度方向47cに回転式に駆動される。第2のピニオン歯車62は、カートリッジ歯車と係合し、それを回転式に駆動して、下記に詳細に説明するように、ランセットを使用するために作動位置に順次送る。
【0045】
ラック22とラチェット歯車組立体40と中間歯車組立体50とカートリッジピニオン歯車組立体60の合成歯車列によって、ラチェット式送り機構30の全般的な回転の伝達が規定される。中間の遊び歯車組立体50により、ラック歯車22の移動に基づいて、第2のピニオン歯車62の所望の回転を発生させるための歯車比がもたらされ、それによって、ハウジング12を比較的小さなサイズで設計、寸法決めすることが可能になる。
【0046】
一代替実施形態では、送り組立体30に中間歯車組立体が含まれておらず、第2のラチェット歯車が第1のピニオン歯車と直接係合し、それを回転式に駆動する。他の代替実施形態では、ピニオン歯車組立体60が、第2のラチェット歯車によって回転式に駆動(直接的、または1つまたは複数の中間の遊び歯車によって間接的に)されるただ一つのピニオン歯車のみを含み、そのピニオンがカートリッジ歯車と係合し、それを回転式に駆動する。また他の代替実施形態では、ピニオン歯車組立体60は含まれず、第2のラチェット歯車それ自体が、カートリッジ歯車と係合しそれを回転式に駆動するピニオン歯車として機能する。
【0047】
他の実施形態では、ラチェット式送り機構30は、操作ハンドル21の握り20が内向きに押されたときに第2のピニオン歯車62を回転させるように、ならびに握り20が外向きに引っ張られたときに第2のピニオン歯車の回転を防止するように適合される(「逆」配置)。あるいは、送り機構30は、ハウジング12に対して内/外向きの握り20の押し/引き毎に第2のピニオン歯車62を回転させるように設計することもできる。ラチェット式送り機構30の歯車およびその他の構成部品の数、位置、形状、および寸法は、送り機構30を内部で使用するランセット切開装置ハウジング12のサイズ、または第2のピニオン歯車62に求められる角度回転量に応じて異なっていてもよい。したがって、図示されている実施形態では、操作ハンドル20の押し/引き操作ごとに第2のラチェット歯車42が1/3回転(120度)するが、代替実施形態では、それによって第2のラチェット歯車は異なる角度だけ回転する。
【0048】
送り機構30の構造的な詳細について説明したが、次にその動作について図21〜図26を参照して説明する。図21に示されているように、ランセット切開装置は、使用されていないときは操作ハンドル21が収縮位置になって格納される。図22に、送り機構30を動作させるために中間の位置を通って動かされている操作ハンドル21が示されている(その方向が直線的方向矢印によって示されている)。したがって、ラック歯車22は、駆動歯車組立体40を方向47aに回転式に駆動し、駆動歯車組立体40は中間の遊び歯車組立体50を方向47bに回転式に駆動し、遊び歯車組立体50はピニオン歯車組立体60を方向47cに回転式に駆動する。駆動歯車組立体40の第1の歯車41および第2の歯車42は共に、歯車間一方向ラチェット式駆動組立体46の動作によって方向47aに回転し、歯車間一方向ラチェット式駆動組立体46は、それらが同期して共回転するように、第1の歯車の回転を第2の歯車に伝達する。図23に、操作ハンドル21が完全伸長位置まで引っ張られた、ランセット切開装置10が示されている。これにより1回の「押し/引き」操作サイクルの「引き」の部分が完了する。
【0049】
図24に、図23と同じ状態のランセット切開装置10が示されている。図25に示されているように、操作ハンドル21は、その後の使用するために送り機構30を再セットするため中間の位置を通って戻される。したがって、ラック歯車22は、駆動歯車組立体40の第1の歯車41を反対方向47a’に回転式に駆動する。しかし、駆動歯車組立体40の第2の歯車42は、第2歯車一方向ラチェット式ロック組立体70の動作によって、共回転することがないようロックされる。したがって、駆動歯車組立体40の第2の歯車42はそのまま静止する。このため、ピニオン歯車組立体50もまたそのまま静止し、中間の遊び歯車組立体50も必然的に同様になる。したがって、操作ハンドル21は、出力ピニオン歯車62を逆転させることなく、その収縮位置に戻る(これにより、使用したばかりのランセットがランセット作動位置まで後退するはずである)。図26に、操作ハンドル21が完全収縮位置まで押された、ランセット切開装置10が示されている。これにより1回の「押し/引き」操作サイクルの「押し」の部分が完了し、ここで、送り機構30は、次のランセットを使用するために送るよう再セットされる。
【0050】
次に図27〜図32を参照して、送り機構30とカートリッジ組立体80の相互関係について説明する。カートリッジ80は、複数のランセット82を例えば放射状の配置などで保持するハウジング85を含む。カートリッジ80は、ピニオン歯車組立体60のピニオン出力歯車62と係合し、回転式に駆動されるカートリッジ歯車81を含む。これで、2分の1回の操作サイクルにわたって(例えば操作ハンドル21を収縮位置から伸長位置まで引っ張ることによって)送り機構30が操作されると、ピニオン出力歯車62が回転式に駆動される。次いで、ピニオン歯車62は、一定の割出し角度増分だけカートリッジ歯車81を回転式に駆動して、使用済みのランセット82を作動位置から送り、次の新規のランセットを使用するために作動位置に送る。したがって送り機構30により、ランセット82を正確に送ることが可能になり、その結果、次の順次位置への送りの過不足によって引き起こされる詰まりまたは位置ずれに関する問題がなくなる。
【0051】
図示されている実施形態では、カートリッジ歯車81は、ランセット82を保持する環状キャリア87の外側環状壁に沿って円周方向に画成される。カートリッジハウジング85は環状であり、その内側環状壁に歯車開口86を含み、その歯車開口86を介して、内部のキャリア87のカートリッジ歯車81がピニオン歯車62との係合のために露出される。したがって、ピニオン歯車62は、キャリア87のカートリッジ歯車81の、カートリッジハウジング85の歯車開口86を介して露出される部分と係合して、そのキャリアを回転させ、それによって、キャリア87の割出し送り毎にランセット82をその次の順次位置に送る。カートリッジハウジング85は回転されず、内部のキャリア87およびランセット82だけが回転される。キャリア87は、どれくらい多くのランセットが使用されたか、または使用するためにどれくらい残っているかの可視表示を可能にするために、カートリッジハウジング85における表示開口から視認可能なランセット表示84を含むことができる。
【0052】
一代替実施形態では、カートリッジ歯車はカートリッジハウジングによって画成され、そのカートリッジハウジングが内部に保持されたランセットと共に全体が回転式に送られるようになっている。キャリアはこの実施形態では必要ない。他の代替実施形態では、カートリッジ歯車は、全てのランセットによって、例えばその本体(ランセット切開先端部がそこから延びる)またはその滅菌キャップ83上などに、協働式に画成される。ランセットはやはり内部キャリアによって保持することができ、内部キャリアはまた、滑らかな送り動作のためにランセット間に歯車を備えることもできる。ランセット以外の製品を使用または分配するための実施形態では、送り機構は、その製品を、装置のタイプに応じてそれらがアクセス、分配、配置、実装などできる作動位置に送る。
【0053】
さらに、ランセット切開装置10は、ハウジング12に対する操作ハンドル20の外向きの引き出しかつ/または内向きの押し込み中に、例えば蓄勢機構の蓄勢、キャップ取り外し機構の動作、キャップ移動機構の動作、またはランセット切開装置全体のその他の部分組立体の動作などのその他の動作を実行するよう設計することができる。送り機構30の構造および動作については説明したが、次に、図示されている実施形態のランセット切開装置10のその他の各動作組立体の詳細について説明する。ランセット切開装置は、所与の用途での要求に応じて、これらの追加の組立体のうちのいくつかのみを備えていても、同じ機能を実行するためのその他の従来の組立体を備えていても、これらの機能を実行するための組立体を備えていなくてもよいことが分かるであろう。
【0054】
深さ調節機構13(図1〜図9を参照)は、使用者の皮膚へのランセット先端部の様々な穿刺深さの調節を可能にするように動作する。深さ調節機構13は、2009年6月30日に共に出願された米国特許出願第12/522,764号および第12/522,765号(米国特許出願公開第2010/0094326号および第2010/0057119号)に詳細に記述され、示されているタイプのものにすることができる。
【0055】
作動機構16(図33を参照)は、作動状態のランセット82を蓄勢/後退位置から解放するように動作し、その動作は、ランセットを放勢用駆動ばねによって切開行程全体にわたって推進できるようになっている。この作動機構は、蓄勢時にブリッジ部品(例えばプラスチック製)の背後にポップアップする一体成形カンチレバーを含むことができる。作動ボタン96が押されると、そのボタンがカンチレバーを押し下げ、カンチレバーがブリッジの下に摺動するのを可能にする。
【0056】
次に図33〜図43を参照すると、蓄勢機構90は、作動位置にあるランセットを後退させ駆動ばねを蓄勢し、作動ボタンの作動時に、ランセットを解放して上記の放勢用駆動ばねによって切開行程全体にわたって推進するように動作する。蓄勢機構90は、ガイド要素91、ピストン92、駆動ばね93、戻しばね94、および作動ボタン96を含む(図1も参照)。これらの構成部品は、ハウジング下部12bに配置され(ピストンのランセット係合要素92aを除く)、主要カバーパネル97およびピストンカバーパネル97aによって覆われる。ガイド91は、操作ハンドル21から、例えば握り20からハウジング内へ延びる細長い部材23などから延びて突出する。ガイド91はピストンのフォロア面98と係合するカム面95を含み、フォロアがカム面に沿って移動すると、ピストンが駆動ばね93の付勢力に対抗して蓄勢位置まで後退されるようになっている。図示されているランセット切開装置10では、ガイド91は、ピストン92の作動準備とランセット82のキャップ取り外しの両方の役割を果たす。駆動ばね93および戻しばね94は、図のように別個のばねとして実現することも、単一の二機能ばねによって実現することもできる。またそれらは、図のようにトーションばねによって実現することも、コイルばね(圧縮ばねまたは張力ばね)、板ばね、弾性部材などのその他の従来のタイプのばねによって実現することもできる。
【0057】
動作の際には、操作ハンドル21が、直線の方向矢印99aによって示されるように(図41を参照)ハウジング12に向かって収縮位置まで押し込まれる(ランセット82を送るために操作ハンドルが伸長位置まで引き出された後の、「押し/引き」サイクルの「押し」部分)。これが行われると、ガイド91のカム面95は、直線の方向矢印99bによって示されているようにフォロア98(したがってピストン92)と係合し、それを駆動して蓄勢/後退位置まで後退させる。その位置で、ピストンの作動要素が作動ボタン96と係合して、ピストンを定位置に保持する。ピストン92が駆動ばね93のばね力に対抗して後退すると、駆動ばねは、それがエネルギーを蓄えるように蓄勢される。次いで、ピストン92は、ボタンが作動されると(例えば押し下げにより)作動ボタン96との係合から解放される。次いで、ピストン92は、作動状態のランセット82の穿刺先端部がハウジング12にあるランセット切開開口を通って延びるまで、切開行程全体にわたって駆動ばね93によって前方へ駆動される。ランセット82が放勢用駆動ばねの作用下で切開行程全体にわたって推進されると、そのばねが戻しばねを付勢して、そこにエネルギーを蓄積する。ランセット82は、その前方の移動距離の端に達した後、戻しばねの蓄勢状態下でハウジング12内に後退する。
【0058】
上記およびそれと同様の蓄勢機構の構造および動作の追加の詳細は、共に2009年6月30日に出願された米国特許出願第12/522,764号および第12/522,765号(米国特許出願公開第2010/0094326号および第2010/0057119号)に開示されている。蓄勢機構が後退/蓄勢位置にある作動状態のランセットを作動させるための要素を含むことができること、あるいは別個の作動機構を設けることができることが分かるだろう。
【0059】
次に図33〜図43を参照すると、キャップ移動機構100は、ランセット切開行程の前に、作動位置にあるランセット82の穿刺先端部から滅菌キャップ83を取り外すように動作する。操作ハンドル21が収縮位置に押し込まれる間に蓄勢機構90のガイド91が移動してピストン92と係合すると、操作ハンドルのキャップ移動ラック歯車104がキャップ移動機構100と係合し、それを作動させる。キャップ移動ラック歯車104は、例えば握り20からハウジング内へと延びる細長い部材23上などに形成することができる。図示されている実施形態では、キャップ移動ラック歯車104は、細長い部材23上の送りラック歯車22と反対側に配置される。各代替実施形態では、単一のラック歯車が両方の組立体を駆動する。また他の実施形態では、キャップ移動機構100は、例えば送り機構の遊び歯車のうちの1つなどのランセット切開装置の別の動作組立体の別の歯車によって作動される。
【0060】
キャップ移動機構100は、リフタ歯車101、リフト斜路102、およびリフタ要素103を含む。リフタ歯車101は、図のように、その周縁全体に沿って、またはその一部分だけに沿って歯車歯を含むことができる。リフタ歯車101は、キャップ移動機構100だけで使用するための専用回転歯車であっても、蓄勢機構でも使用される共用の歯車であってもよい(例えば遊び歯車のうちの1つ)。リフタ歯車101は、図のように、その周縁全体に沿って、またはその一部分だけに沿って歯車歯を含むことができる。例えば図のようにその外側周縁部から径方向外向きになどに延びるリフト斜路102が、リフタ歯車101上に形成される。リフト斜路102は、直線状、曲線状、またはその組合せにすることができる傾斜した面を画成する。リフタ歯車101へのリフト斜路102の配置は、リフタ103が、リフト斜路102に達する前に、タイミングを合わせのためにリフタ歯車の事前リフト面106を通り抜けるようになっている。つまり、リフタ103は、リフト歯車101の事前リフト面106が回転するときはその事前リフト面との係合全体にわたって動かない。これにより、取り外されたキャップを移動させるためにリフタ103が動く前に、蓄勢機構が作動状態のランセット82を後退させ、そのキャップ83を取り外すことが可能になる。リフタ103はフォロア面を含み、その面をリフト斜路102が回転して横切り、リフタを軸方向に移動させる。リフタ103はまた、1つの(または2つ以上、例えば2つが図示されている)指状部を含み、この指状部は、作動状態のランセット82のキャップ83と係合するが、ランセット切開行程経路には侵入しない。したがって、ランセット82の本体は、リフタ103の図示されている2本の指状部の間にある開口を通り抜けることができる。
【0061】
動作の際には、操作ハンドル21が収縮位置に押し込まれたときに(ランセット82を送るために操作ハンドル21が伸長位置まで引き出された後の、「押し/引き」サイクルの「押し」部分)、キャップ移動ラック歯車104がリフタ歯車101と係合し、それを角度方向105に回転式に駆動する。リフタ歯車101が方向105に回転すると、そのリフト斜路102が回転してリフタ103と係合する。次いで、回転する傾斜面のリフト斜路102により、リフタ103は押し上げられて作動状態のランセット82のキャップ83と係合する。作動状態のランセット82が蓄勢機構によってその蓄勢/後退位置まで後退されると、作動状態のランセットのキャップ83は、作動状態のランセット82と共に後退することがないよう、例えば保持要素などによって保持される。したがって、移動されたキャップ83はそのままその元の位置に留まり、それによって、そのランセット82から取り外される。次いで、リフタ103により取り外されたキャップ83は、ランセット切開行程経路の外に押し出される。移動されたキャップ83は、その移動された位置に、例えばカートリッジ80のキャップ保持要素などによって保持することができる。あるいは、キャップ83を、例えばハウジング内のリフタの反対側にあるキャップ戻しばねなどによって、その元の位置に戻すことができる。いずれの場合も、ランセット切開装置10が作動してランセット82を発射した後、操作アーム21が後で、現在使用されているランセット83を作動位置から外すために伸長位置まで引っ張られると、キャップ移動歯車104がリフト歯車101を反対の角度方向に回転させる。これにより、リフト斜路102が回転して元の位置に戻り、リフタ103が元の位置まで降下し、作動位置に送られる次のランセット82のキャップ83が移動できる状態になる。
【0062】
上記およびそれと同様のキャップ移動機構の構造および動作の追加の詳細は、2009年6月30日に共に出願された米国特許出願第12/522,764号および第12/522,765号(米国特許出願公開第2010/0094326号および第2010/0057119号)に開示されている。具体的には、リフタおよびリフト斜路の関連する詳細がこれらの開示に含まれている。
【0063】
次に図47〜図48を参照すると、本発明の第2の例示的な実施形態によるカートリッジ型のランセット切開装置210が図示されている。ランセット切開装置210は、複数のランセット282を保持する(1つのランセットが例示の目的のために示されている)カートリッジ(図示せず)と共に使用するように設計される。ランセット282およびカートリッジは、本明細書の他で説明したものと同じタイプのものでも異なるタイプのものでもよい。ランセット切開装置210は、本明細書の他で説明したものと同じまたは異なる動作組立体を含むことができる。
【0064】
ランセット切開装置210は、上記で説明した蓄勢機構90と同様の蓄勢機構290を含む。具体的には、蓄勢機構290は、ピストン292、駆動ばね293、戻しばね294、および作動ボタン(図示せず)を含む。これらは、図33〜図43の実施形態にあるそれらの構成部品と同じまたは同様である。ランセット切開装置210はまた、ガイド要素291を含むが、ガイドは操作ハンドル221上に配置される代わりに(例えば握りからハウジング内に延びる細長い部材上に)、キャップ移動機構の回転歯車などの回転蓄勢歯車201上に配置される。
【0065】
ガイド291は、ピストン292のフォロア面298と係合するカム面295を含み、この係合は、カム面がフォロアを横切って移動するときに、ピストンが駆動ばね293の付勢力に対抗して蓄勢位置まで後退されるようになっている。カム面295は、回転歯車201の回転軸に対して偏心した湾曲形状に勾配をなしている。操作ハンドル221が図示されている伸長位置から収縮位置に押し込まれると(ランセット282を送るために操作ハンドルが伸長位置まで引き出された後の、「押し/引き」サイクルの「押し」部分)、ピストンのフォロア298は、カム面295に沿って案内されて、歯車201の回転軸から遠ざかっていく。ピストンのフォロア298がこのように駆動されて歯車201の回転軸から遠ざかると、ピストン292は、発射できる状態の後退/蓄勢位置まで後退される。ピストン292が後退/蓄勢位置になると、カム面295は、ランセット切開行程経路内に入らないように、ピストンのフォロア298の端部を完全に通過して移動完了する。
【0066】
一代替実施形態では、ランセット切開装置は蓄勢機構を備えるが、キャップ移動機構は異なるものを備えるかまたは無いか(例えばランセットがキャップを備えない場合など)のいずれかである。かかる実施形態では、蓄勢機構は、共用の回転キャップ移動・蓄勢歯車101/201の代わりに、ガイド要素およびそのカム面を形成する専用の回転歯車を含む。他の代替実施形態では、ランセット切開装置は、回転キャップ移動歯車101から独立した、専用の回転蓄勢歯車201を有する蓄勢機構を備え、これらの回転歯車101および201は、操作ハンドルの同じまたは別個のラック歯車によって駆動される。
【0067】
好ましい例示的実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は、以下の請求項によって定義される本発明の範囲内に様々な変更、追加および削除が含まれることを理解するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ歯車を画成する回転カートリッジ内の医療用製品を使用または分配するための医療機器であって、
ハウジングと、
握りおよび歯車を含んだ、第1の位置と第2の位置の間で動作可能な操作ハンドルと、
前記医療用製品を使用または分配するために順次送るように動作可能な送り機構と、を備え、
前記送り機構が、回転駆動歯車組立体と、歯車間一方向回転駆動組立体と、ピニオン出力歯車と、を含み、
前記回転駆動歯車組立体が、共通軸の周りに回転する第1の回転歯車および第2の回転歯車を含み、
前記第1の歯車は、前記操作ハンドルが前記第1の位置と前記第2の位置の間で動かされると、前記ハンドル歯車によって第1の角度方向とその反対の第2の角度方向に回転式に駆動され、
前記第2の歯車は、前記ピニオン歯車を直接的または間接的に回転式に駆動し、
前記ピニオン歯車は、前記カートリッジ歯車を回転式に駆動し、
前記歯車間一方向回転駆動組立体は前記第1の駆動歯車および第2の駆動歯車を動作可能に相互連結し、これにより前記第2の歯車が、前記第1の方向には前記第1の歯車によって駆動されて前記第1の歯車と共回転するが、前記反対の第2の方向には前記第1の歯車によって共回転駆動されないようになっており、
前記歯車間一方向回転駆動組立体は、第1のキャッチ要素によって画成される第1のキャッチ面と、第2のキャッチ要素によって画成される第2のキャッチ面と、係合解除面と、を含み、
前記キャッチ面は、前記第1の角度方向では、前記2つの歯車を共回転状態に保つように係合し、
前記キャッチ面のうちの少なくとも1つは、前記第1の歯車が前記反対の第2の方向に回転するときに移動して係合を解除し、
前記キャッチ面の係合解除は、前記キャッチ要素のうちの動作可能な要素を前記係合解除面が動かすことによって引き起こされる、医療機器。
【請求項2】
前記操作ハンドルが、前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動し、
前記第1のハンドル位置が、前記握りが前記ハウジングの近傍に移動した収縮位置であり、
前記第2のハンドル位置が、前記握りが前記ハウジングから遠ざかるように移動した伸長位置である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記操作ハンドルが、前記握りから前記ハウジング内へと延びる細長い部材を含み、
前記ハンドル歯車が、前記細長い部材によって画成されるラック歯車である、請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記歯車間一方向回転駆動組立体が、
前記第1および第2の駆動歯車のうちの一方から延び前記第1のキャッチ面を画成する爪によって実現された前記第1のキャッチ要素と、
前記第1および第2の駆動歯車のうちのもう一方から延び前記第2のキャッチ面を画成する歯によって実現された前記第2のキャッチ要素と、
前記爪または前記歯によって画成され前記キャッチ面に隣接して位置する傾斜した面によって実現された前記係合解除面と、を含むラチェット式駆動組立体によって実現される、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記第1の駆動歯車が前記第1の方向に回転する場合には、前記第1の歯車キャッチ面が前記第2の歯車キャッチ面に接触して前記第2の駆動歯車を前記第1の駆動歯車と共に回転式に駆動するが、前記第1の歯車が前記反対の第2の方向に回転する場合には、前記第1の歯車キャッチ面が前記第2の歯車キャッチ面から遠ざかるように回転して前記第2の歯車を前記第1の歯車によって回転式に駆動しないように、前記キャッチ面が互いに向かい合っており、
前記第1の歯車が前記第2の角度方向にさらに回転すると、前記傾斜した面が前記爪または前記歯と係合して、前記キャッチ面のうちの少なくとも1つを係合位置から係合解除位置へ一時的に移動し、前記第1の歯車キャッチ面が回転しながら前記第2の歯車キャッチ面を通り越し、
前記傾斜した面の乗り越えが完了すると、前記爪または前記歯が前記係合位置に戻り、前記キャッチ面が再び互いに対向する関係になって、再び前記第1の歯車の回転により前記第2の歯車が前記第1の歯車と共に回転する、請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
前記爪が、全般に螺旋状の配置で前記第2の駆動歯車からそれぞれ延びる3つのカンチレバー状の弾性爪アームによって実現され、
前記歯が、前記第1の駆動歯車の内側環状面上に形成された3つのラチェット駆動歯によって実現され、
前記係合解除面が、前記歯によって画成されその前記キャッチ面に隣接して配置された3つの傾斜した面によって実現され、
前記ラチェット歯が回転して前記弾性爪アームと接触すると、前記傾斜した面が前記爪アームを横切って移動して前記爪アームを弾性的に撓ませ、前記ラチェット歯が前記爪アームを迂回して進むことができる、請求項4に記載の医療機器。
【請求項7】
前記送り機構が第2歯車一方向回転ロック組立体をさらに備え、
前記第2歯車一方向回転ロック組立体は前記第1の駆動歯車と第2の駆動歯車とを動作可能に相互連結し、これにより前記第2の歯車が、前記第1の方向には自在に前記第1の歯車によって駆動されて前記第1の歯車と共回転するが、前記反対の第2の方向には共回転することがないようロックされるように、前記第1の駆動歯車と第2の駆動歯車とを動作可能に相互連結し、
前記歯車間一方向回転ロック組立体が、第1のロック要素によって画成される第1のロック面と、第2の保持要素によって画成される第2のロック面と、係合解除面と、を含み、
前記ロック面は、前記第2の方向には前記第2の歯車を回転することがないようロックするように係合し、
前記ロック面のうちの少なくとも1つは、前記第2の歯車が前記第1の方向に回転するときには移動して係合を解除し、
前記ロック面の係合解除は、前記キャッチ要素のうち動作可能な要素を前記係合解除面が動かすことによって引き起こされる、請求項1に記載の医療機器。
【請求項8】
前記歯車間一方向回転ロック組立体が、
前記第2の駆動歯車および前記ハウジングの一方から延び前記第1のロック面を画成する歯によって実現された前記第1のロック要素と、
前記第2の駆動歯車および前記ハウジングのうちのもう一方から延び前記第2のロック面を画成する爪によって実現された前記第2の保持要素と、
前記爪または前記歯によって画成されその前記ロック面に隣接して位置する傾斜した面によって実現される前記係合解除面と、を含むラチェット式ロック組立体によって実現される、請求項7に記載の医療機器。
【請求項9】
前記第1の駆動歯車が前記第2の方向に回転し、前記第2の駆動歯車が前記第1の駆動歯車と共に共回転に駆動されない場合には前記爪のロック面が前記歯のロック面に接触して前記第2の歯車を定位置に固定するが、前記第1の歯車が前記第1の方向に回転する場合には前記歯のロック面が前記爪のロック面から遠ざかるように回転して前記第2の歯車は前記第1の歯車によって回転式に駆動されることがないよう拘束されないように、前記ロック面が互いに向かい合っており、、
前記第1の歯車が前記第1の方向にさらに回転すると、前記傾斜した面が前記爪およびそのロック面と係合して係合位置から係合解除位置へ一時的に移動し、前記歯のロック面が回転しながら前記爪のロック面を通り越し、
前記傾斜した面の乗り越えが完了すると、前記爪が前記係合位置に戻り、前記ロック面が再び互いに対向する関係になって、再び前記第1の歯車が前記第2の方向に回転すると、前記第2の歯車が前記第1の歯車と共に共回転することがないようロックされる、請求項7に記載の医療機器。
【請求項10】
前記爪が、前記ハウジングに旋回式に取り付けられた単一のばね付勢された爪アームによって実現され、
前記歯が、前記第2の駆動歯車から延びる3つのラチェット駆動歯によって実現され、
前記係合解除面が、前記爪のロック面に隣接して配置された、前記爪によって画成される単一の傾斜した面によって実現され、
前記ラチェット歯が回転して前記弾性爪アームと接触すると、前記傾斜した面が前記爪アームを横切って移動して前記爪アームを弾性的に撓ませ、前記ラチェット歯が前記爪アームを迂回して進むことができる、請求項7に記載の医療機器。
【請求項11】
少なくとも1つの遊び歯車を含んだ遊び歯車組立体をさらに備え、
前記遊び歯車組立体が、前記駆動歯車組立体の前記第2の歯車によって回転式に駆動され、前記ピニオン出力歯車を回転式に駆動する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項12】
共通軸の周りに共回転する前記ピニオン出力歯車およびピニオン入力歯車を含んだピニオン歯車組立体をさらに備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項13】
カートリッジ歯車を画成する回転カートリッジにあるランセットを使用するためのランセット切開装置であって、
ハウジングと、
握りと、前記握りから前記ハウジング内に延びる細長い部材と前記細長い部材によって画成されるラック歯車と、を含んだ、収縮位置と伸長位置の間で移動する操作ハンドルと、
前記ランセットを使用するために順次送るように動作可能な送り機構と、を備え、
前記送り機構が、回転駆動歯車組立体と、歯車間一方向回転ラチェット式駆動組立体と、第2歯車一方向回転ラチェット式ロック組立体と、ピニオン出力歯車と、を含み、
前記回転駆動歯車組立体が、共通軸の周りに回転する第1の回転歯車および第2の回転歯車を含み、
前記第1の歯車が、前記操作ハンドルが前記収縮位置と前記伸長位置の間で移動されると前記ハンドルラック歯車によって第1の角度方向と反対の第2の角度方向に回転式に駆動され、
前記第2の歯車が前記ピニオン歯車を直接的または間接的に回転式に駆動し、前記ピニオン歯車が前記カートリッジ歯車を回転式に駆動し、
前記歯車間一方向回転ラチェット式駆動組立体が、前記第1の駆動歯車と第2の駆動歯車を動作可能に相互連結し、これにより、前記第2の歯車が、前記第1の方向には前記第1の歯車によって駆動されその歯車と共に回転するが、前記反対の第2の方向には前記第1の歯車によって共回転駆動されないようになっており、
前記歯車間一方向回転ラチェット式駆動組立体が、前記第1および第2の駆動歯車のうちの一方から延びキャッチ面を画成する少なくとも1つの爪と、前記第1および第2の駆動歯車のうちのもう一方から延びキャッチ面を画成する少なくとも1つの歯と、前記爪または前記歯によって画成されその前記キャッチ面に隣接して位置する少なくとも1つの傾斜した面と、をを含み、
前記キャッチ面が、前記第1の角度方向には前記第1の歯車と第2の歯車を共回転に保つように互いに係合し、前記第1の歯車が前記反対の第2の方向に回転するときには前記爪のキャッチ面が移動して前記歯キャッチ面との係合を解除し、このキャッチ面の係合解除が、前記傾斜した面が前記爪を動かすことによって引き起こされ、
前記第2歯車一方向回転ロック組立体が、前記第1の駆動歯車と第2の駆動歯車を動作可能に相互連結し、これにより、前記第2の歯車が、前記第1の方向に自在に前記第1の歯車によって駆動されその歯車と共回転するが、前記反対の第2の方向には共回転することがないようロックされるようになっており、
前記第2歯車一方向回転ラチェット式駆動組立体が、前記第2の駆動歯車と前記ハウジングのうちの1つから延びロック面を画成する少なくとも1つの歯と、前記第2の駆動歯車および前記ハウジングのうちのもう一方から延びロック面を画成する少なくとも1つの爪と、前記爪または前記歯によって画成されその前記ロック面に隣接して位置する少なくとも1つの傾斜した面と、を含み、
前記ロック面が互いに係合して、前記第2の方向には前記第2の歯車を回転することがないようロックし、前記第2の歯車が前記第1の方向に回転するときには前記爪のロック面が移動して前記歯のロック面との係合を解除し、このロック面の係合解除が、前記爪を前記傾斜した面が動かすことによって引き起こされる、ランセット切開装置。
【請求項14】
前記第1の駆動歯車が前記第1の方向に回転する場合には、前記第1の歯車キャッチ面が前記第2の歯車キャッチ面に接触して前記第2の駆動歯車を前記第1の駆動歯車と共に回転式に駆動し、前記第1の歯車が前記反対の第2の方向に回転する場合には、前記第1の歯車キャッチ面が前記第2の歯車キャッチ面から遠ざかるように回転して前記第2の歯車は前記第1の歯車によって回転式に駆動されないように、前記キャッチ面が互いに向かい合っており、
前記第1の歯車が前記第2の角度方向にさらに回転すると、前記傾斜した面が前記爪または前記歯と係合して、前記キャッチ面のうちの少なくとも1つを係合位置から係合解除位置へ一時的に移動し、前記第1の歯車キャッチ面が回転しながら前記第2の歯車キャッチ面を通り越し、
前記傾斜した面の乗り越えが完了すると、前記爪または前記歯が前記係合位置に戻り、前記キャッチ面が再び互いに対向する関係になって、再び前記第1の歯車の回転により前記第2の歯車がその歯車と共に回転する、請求項13に記載のランセット切開装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの爪が、全般に螺旋状の配置で前記第2の駆動歯車からそれぞれ延びる3つのカンチレバー状の弾性爪アームによって実現され、
前記少なくとも1つの歯が、前記第1の駆動歯車の内側環状面上に形成された3つのラチェット駆動歯によって実現され、
前記少なくとも1つの係合解除面が、前記歯によって画成されその前記キャッチ面に隣接して配置された3つの傾斜した面によって実現され、
前記ラチェット歯が回転して前記弾性爪アームと接触すると、前記傾斜した面が前記爪アームを横切って移動して前記爪アームを弾性的に撓ませ、前記ラチェット歯が前記爪アームを迂回して進むことができる、請求項4に記載のランセット切開装置。
【請求項16】
前記ロック面が互いに向かい合っており、前記第1の駆動歯車が前記第2の方向に回転し、前記第2の駆動歯車がその歯車と共に共回転に駆動されない場合、前記爪のロック面が、前記歯のロック面に接触して、前記第2の歯車を定位置に固定するようになっているが、前記第1の歯車が前記第1の方向に回転するときは、前記歯のロック面が前記爪のロック面から遠ざかるように回転し、したがって前記第2の歯車は前記第1の歯車によって回転式に駆動されることがないよう拘束されず、前記第1の歯車が前記第1の方向にさらに回転すると、前記傾斜した面が前記爪およびそのロック面と係合して係合位置から係合解除位置へ一時的に移動し、その結果、前記歯のロック面が回転しながら前記爪のロック面を通り越し、したがって前記傾斜した面の乗り越えが完了すると、前記爪が前記係合位置に戻り、その結果前記ロック面が再び互いに対向する関係になって、再び前記第1の歯車が前記第2の方向に回転すると、前記第2の歯車がその歯車と共に共回転することがないようロックされる、請求項13に記載のランセット切開装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの爪が、前記ハウジングに旋回式に取り付けられた単一のばね付勢された爪アームによって実現され、
前記少なくとも1つの歯が、前記第2の駆動歯車から延びる3つのラチェット駆動歯によって実現され、
前記少なくとも1つの係合解除面が、前記爪のロック面に隣接して配置された、前記爪によって画成される単一の傾斜した面によって実現され、
前記ラチェット歯が回転して前記弾性爪アームと接触すると、前記傾斜した面が前記爪アームを横切って移動して前記爪アームを弾性的に撓ませ、前記ラチェット歯が前記爪アームを迂回して進むことができる、請求項13に記載のランセット切開装置。
【請求項18】
少なくとも1つの遊び歯車を含んだ遊び歯車組立体をさらに備え、
前記遊び歯車組立体が、前記駆動歯車組立体の前記第2の歯車によって回転式に駆動され、前記ピニオン出力歯車を回転式に駆動する、請求項13に記載のランセット切開装置。
【請求項19】
共通軸の周りに共回転する前記ピニオン出力歯車およびピニオン入力歯車を含んだピニオン歯車組立体をさらに備える、請求項13に記載のランセット切開装置。
【請求項20】
カートリッジ歯車を画成する回転カートリッジにあるランセットを使用するためのランセット切開装置であって、
ハウジングと、
握りと、前記握りから前記ハウジング内に延びる細長い部材と前記細長い部材によって画成されるラック歯車と、を含んだ、第1の位置と第2の位置の間で移動する操作ハンドルと、
前記ランセットのうちの作動状態のものの滅菌キャップをランセット切開行程経路の外へ移動させるように動作可能なキャップ移動機構と、を備え、
前記キャップ移動機構が、回転リフタ歯車と、前記リフタ歯車上に画成されるリフト斜路と、フォロア面を画成するリフタ構造体と、を含み、
前記リフタ歯車が、前記ラック歯車によって回転式に駆動されて、前記リフト斜路を回転させて前記リフタのフォロア面を通過させ、前記リフタが移動し、
前記リフタの移動により、前記作動状態のキャップが前記ランセット切開行程経路から押し出される、ランセット切開装置。
【請求項21】
カートリッジ歯車を画成する回転カートリッジにあるランセットを使用するためのランセット切開装置であって、
ハウジングと、
握りと、前記握りから前記ハウジング内に延びる細長い部材と前記細長い部材によって画成されるラック歯車と、を含んだ、第1の位置と第2の位置の間で移動する操作ハンドルと、
前記ランセットのうち作動状態のものを、切開行程経路全体にわたって発射できる状態の蓄勢位置まで動かすように動作可能な蓄勢機構と、を備え、
前記蓄勢機構が、回転蓄勢歯車と、前記回転歯車によって画成されるカム面と、フォロア面を画成し前記作動状態のランセットと係合する駆動ピストンと、を含み、
前記カム面が、前記回転歯車の回転軸に対して偏心しており、
前記回転歯車が、前記ラック歯車によって回転式に駆動されて、前記カム面を回転させて前記ピストンのフォロア面を通過させて、前記ピストンを後退/蓄勢位置まで後退させ、前記ピストンが前記後退/蓄勢位置から前記切開行程経路全体にわたって付勢可能である、ランセット切開装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公表番号】特表2013−505795(P2013−505795A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531111(P2012−531111)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/050513
【国際公開番号】WO2011/038386
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(504317824)ファセット・テクノロジーズ・エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】