説明

カードの印刷表面加工方法及びその加工方法に使用する治具

【課題】簡単かつ正確にカードの印刷表面を透明フィルムで覆うことができるようにすること。
【解決手段】表面に印刷を施したカード2と、裏面に粘着剤が塗着され、その上に二分割した離型紙4a、4bを貼り付けたカード2と同形同サイズの透明フィルム3と、カード2および透明フィルム3と同形同サイズの凹部を有するトレイ状の治具1とを備え、離型紙4aを剥がした透明フィルム3を露出した粘着剤を上面にして治具1に嵌入固定し、その上にカード2の印刷表面を下にして前記治具1の凹部に嵌入して、カード2と透明フィルム3を貼り付け、その後、そのカードを取り出し、残りの離型紙4bを剥がしてカード2の印刷表面全域に透明フィルムを密着して貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの印刷表面を透明フィルムで保護する方法及びその方法に使用する治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばラベルなどにおいて、印刷した表面を保護するために、印刷表面全域に透明フィルムを貼り付けて、その印刷表面を保護する場合がある。この場合の一つ方法として、台紙にラベルを貼り付け、また、このラベルと同サイズとした透明フィルムを別の台紙に仮着し、両台紙を、ラベルの上面に透明フィルムが重なるように位置決めして重ね、その後、透明フィルムを仮着した台紙を取り除いて、ラベルの上面に透明フィルムを貼り付ける方法が知られている。
【特許文献1】特開平11−212465号公報
【0003】
しかし、この方法では、ラベルと透明フィルムの位置合わせが難しく、ラベルと透明フィルムの位置ずれが発生すると、ラベルの上面全域を透明フィルムで保護することができなくなる。これを避けるために透明フィルムをラベルのサイズよりも多少大きいサイズとすればよいが、このときには、後にラベルからはみ出す部分の透明フィルムを切断しなければならず、手間がかかるといった問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、簡単かつ正確にカードの印刷表面を透明フィルムで覆うことができるようにし、斯かる問題を解消する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、表面に印刷を施したカードと、裏面に粘着剤が塗着され、その上に二分割した離型紙を貼り付けた前記カードと同サイズの透明フィルムと、前記カードおよび透明フィルムと同サイズの凹部を有するトレイ状の治具とを備え、前記透明フィルムの分割した一方の離型紙を剥がし、露出した粘着剤を上面にして前記治具に前記透明フィルムを嵌入固定し、その上に前記カードの印刷表面を下にして前記治具の凹部に嵌入して、前記カードの印刷表面に前記透明フィルムを露出した粘着剤で貼り付け、その後、前記カードを前記治具の凹部から取り出し、前記透明フィルムの分割した他方の離型紙を剥がして前記カードの印刷表面全域に前記透明フィルムを貼り付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、カードの印刷表面に、裏面に粘着剤が塗着されたカードと同サイズの透明フィルムを貼り付けるに際し、カードおよび透明フィルムと同サイズの凹部を有するトレイ状の治具を使用して、この治具でカードと透明フィルムとを位置合わせて一部貼り付け固定するので、カードと透明フィルムとを正確に合わせることが、簡単にできる。その後、カードを治具の凹部から取り出し、残りの離型紙を剥がしてカードの表面全域に透明フィルムを、空気が印刷表面にかみ込むのを防ぎながら、貼り付けるので、印刷表面を透明フィルムで保護したカードを誰でも簡単かつ綺麗に仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
簡単かつ正確にカードの印刷表面を透明フィルムで覆うことができるようにする目的を、カードに裏面に粘着剤が塗着され、その上を離型紙で覆ったカードと同サイズの透明フィルムを貼り付けるに際し、カードと同サイズの凹部を有するトレイ状の治具を使用し、この治具でカードと透明フィルムとの位置を合わせることにより実現した。
【実施例】
【0008】
以下、本発明の実施例について、図を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る治具の構成を示す平面図(a)とA−A断面図(b)、図2は使用状態を説明する説明図、図3はカードの断面図である。治具1は図1に示すように、平面視長方形をなし、外周縁に突出部1aを形成したトレイ状に構成され、底面の中央部に貫通する丸孔1bが形成されており、凸部で囲まれる凹状の内面は、図2に示すカード2がほぼ隙間なく嵌合するサイズとされている。
【0009】
本実施例におけるカードは、図3に拡大して示すように、厚み略500μmのPET(ポリエチレンテフタレート)シート2aの両面に厚み略13μmの粘着剤層2bが形成され、その粘着剤層2bの上に厚み略50μmのPETフィルム2cが張り付けられ、PETフィルムの上に厚み略50μmのインク受容層2dが形成された硬質シートで、長辺略8.6cm、短辺略5.4cmの長方形を成しており、片側面のインク受容層2dに印刷が施されているものとする。
【0010】
この印刷されたカードの印刷表面を透明フィルムで保護するとき、このカードと同サイズの、裏面に粘着剤が塗着され、その上を二つに分割した離型紙で覆った透明フィルムを用意する。そして、図2に示すように、一方の離型紙4aを剥して粘着剤層を露出し、露出した粘着剤層を上にして治具1の凹状内に透明フィルム3を嵌め込む。嵌め込んだ透明フィルム3の上に印刷表面を下にしてカード2を治具1の凹状内に嵌め込む。この嵌め込みによりカード2と透明フィルム3は、正確に重ねられ、露出した粘着剤で貼り付けられる。
【0011】
その後、治具1の丸孔1bに指を差し込み透明フィルム3を貼り合わせたカード2を押し出し、残りの離型紙4bを剥離し、スキージで印刷表面への空気のかみ込みを防ぎながら密着させて貼り付けを完了する。なお、カードの両面を印刷した場合には、同様の手順を繰り返してその両面に透明フィルム3を貼り付ける。
【0012】
以上の実施例は、長方形のカードで、長方形の凹状の嵌め込み部を有する治具であるが、カードの形状や治具の凹状の嵌め込み部の形状は任意であり、治具の凹状の嵌め込み部はカードがほぼ隙間なく嵌め込まれるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る治具の構成を示す平面図(a)と断面図(b)である。
【図2】図1に示す治具の使用を説明する説明図である。
【図3】カードの拡大した断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 治具
1a 突出部
1b 貫通丸孔
2 カード
3 粘着剤塗着透明フィルム
4a、4b 離型紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に印刷を施したカードと、裏面に粘着剤が塗着され、その上に二分割した離型紙を貼り付けた前記カードと同サイズの透明フィルムと、前記カードおよび透明フィルムと同サイズの凹部を有するトレイ状の治具とを備え、前記透明フィルムの分割した一方の離型紙を剥がし、露出した粘着剤を上面にして前記治具に前記透明フィルムを嵌入固定し、その上に前記カードの印刷表面を下にして前記治具の凹部に嵌入して、前記カードの印刷表面に前記透明フィルムを露出した粘着剤で貼り付け、その後、前記カードを前記治具の凹部から取り出し、前記透明フィルムの分割した他方の離型紙を剥がして前記カードの印刷表面全域に前記透明フィルムを貼り付けてなることを特徴とするカードの印刷表面加工方法。
【請求項2】
トレイ状の治具の凹部底面に、凹部に嵌入したカードを押し出す丸穴を形成してなることを特徴とする請求項1に記載のカードの印刷表面加工方法に使用する治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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