説明

カードケースを係留できる装飾品

【課題】胸元に装着されるカードケースにおいて、認知し易く、胸部に垂れ下がる冗長な吊り紐の存在を無くする事ができ、ファッション性等を高めることが可能なカードケースを提供する。
【解決手段】ネクタイピン1は、ネクタイピン本体2、支点3により回転自在に取り付けられたクリップアーム4、バネ体5、ボタン掛け金具6、鎖7等により構成され、さらに、ネクタイピン本体2にカードケース係留金具8を設けた構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードやカードケース(以下カードケースと称する。)を係留できる装飾品、および係留するため用いる部材(以下係留金具と称する。)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のIDや磁気またはIC情報を有するカードケースを胸部に装着するには、特許文献1の様にカードケースを首から吊り下げる方式や、特許文献2で紹介されているように、カードケース本体に付属するピンやクリップ金具を用いて直接服装に取り付けるか、またはカードケース上部に付属するシートや紐などを経由し付属するピンやクリップ金具で服装に取り付ける方式等が一般的である。また胸元に装着する装飾品に関しては特許文献3の様に装飾品の金具を変えることにより、同一装飾品をネクタイピン、ブローチ、またはネックレス等とし使い分け使用できるものや、特許文献4による異なる装飾品の組み合わせにより、多機能装飾品とする技術等がある。
【特許文献1】特許公開2008−58518
【特許文献2】登録実用新案3071629
【特許文献3】特許公開2001−245711
【特許文献4】特許公開平09−294613
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の胸元に装着されるカードケースは、同じ胸元に装着されるネクタイピン、ブローチ、さらに特定の集団や特定目的を表示する為の装飾品を含む各種の装飾品とは互いに遊離した別個の存在となっている。
【0004】
カードケースに関しては、従来の吊り下げ方式の場合、胸部正面中央に首から紐で吊り下げ保持されるが、紐のカラー、太さ、強度等カードケース保持用とし使用するための適正な外観と安全性に関する条件が求められる。特に腹部まで吊り下がる紐の場合、カードケースと吊り紐が不必要に大きく浮動し、身体から取り外し後には、吊り紐は冗長で邪魔な存在となる。
【0005】
図7で示すカードケースをピンやクリップ等の金具で服装に取り付ける方式も広く用いられているが、シンプルな構造であるが極度に事務的なものである。特に私服や装飾品の着用が認められた職場では、許される範囲で各人嗜好により好みの服装や装飾品を着用するが、カードケース取り付けに関しては、そのデザインは画一的なものである。
【0006】
一方胸元に付ける装飾品に関しては、[特許文献3]例では、異なる金具を用いて装飾品本体を使い分ける発明で、装飾品本体をブローチやネックレスなど異なった装飾品としての使い分けをするための発明である。[特許文献4]による装飾品の組み合わせや、他装飾品への転用、さらに装飾性に変化を付ける等の技術が他にも存在するが、これ等の発明は、装飾品を、装飾品以外の機能目的を創生するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
私服や装飾品の着用が認められた職場では、各自の嗜好により胸元にネクタイピンやブローチ等装飾品を装着するが、さらに特定の集団や特定目的のため共通の装飾品を装着する場合を含め、それら装飾品をその特性を生かしたカードケース・ホールダとしても実用的に利用する。そのため本発明は、係留金具を装飾品、カードケースのいずれか、または両者に設け装飾品とカードケースを連結する。
【発明の効果】
【0008】
胸元に装着する装飾品に、カードケースを係留することにより、対面者が最も認知し易い胸部にカードケースを装着できる。また、胸部に垂れ下がる冗長な吊り紐の存在を無くする事ができ、ファッション性等を有する装飾品のイメージ効果で画一的なカードケースに記されたID等の情報をより強くアピールでき、その内容の認知してもらい易さに貢献し、扱い易いカードケースとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施による装飾品、およびカードケースを図により説明する。
【0010】
図1は、本発明をクリップ式ネクタイピンに応用した例である。ネクタイピン1は、ネクタイピン本体2、支点3により回転自在に取り付けられたクリップアーム4、バネ体5、ボタン掛け金具6、鎖7等により構成されるが、さらに、ネクタイピン本体2に本発明によるカードケース係留金具8を設ける。図2は図1のA部でカードケース係留金具8部の拡大図である。
【0011】
本ネクタイピンをカードケース・ホールダとして使用する場合には、カードケース吊り部10をカードケース係留金具8を通し留めピン11で固定し、カードケース9をネクタイピン1に係留する。この様にネクタイピン1に係留されたカードケース9は、ネクタイピン1の使用により胸部中央に装着される。
【0012】
ネクタイを結ぶシャツ等の上に、更にスーツを着用する場合に於いても、通常スーツの胸部あわせ面のY字の中央谷部でネクタイが露出する位置にネクタイピンを装着するため、着用スーツがカードケースの邪魔とはならない。また、このネクタイピンは、ネクタイを着用しない場合でも、カードホールダとして利用できる。
【0013】
図1に示す係留金具8は、角型をなしネクタイピン本体2に溶着されているが、その形状は丸型、多角形、引き輪式金具その他各種形状の係留用金具の溶着や、ねじで取り付け取り外し可能な構造としても良い。さらに装飾体部材を利用したり、鎖やプラスチック(非金属物)を用いて係留金具(係留部材〕としても良い。
【0014】
図3は、本発明をブローチ本体21、留めピン22で構成されるブローチ20に応用したもので、ブローチ本体21にカードケース係留金具23を設け、カードケース9を係留する。なおカードケース係留金具23は、その一例を示すもので、ネクタイピンの場合と同じく、好みや適合性に応じて各種の異なる係留金具を設ける事ができる。
【0015】
図4はネクタイピン本体31、キャッチャー32、鎖7、ボタン掛け金具6で構成されるタイバー式のネクタイ・ピン30にカードケースを係留する場合の例で、ネクタイピン本体31のピン31aに係留できる金具33を紐34等でカードケースに接続する。このように装飾品の部材の一部を係留金具として利用するため、専用金具と関連する必要部材をカードケース側に設けてもよい。この例では図示してないが、ぴん31aと本体31の接続部に金具33を安定してセットするための溝を設ける。
【0016】
図5はカードケースを胸部から離れた磁気、またはICリーダに近接させる必要が有る場合のカードケースの例で、上部カードケース係留金具41とカードケース35を繋ぐ渦巻きバネや回転ドラム等(図示されてない)を内蔵する巻き取り機42とをカードケースに接続する。巻き取り機42に付属する紐42aは、通常巻き取り機42に巻き込まれた状態でカードケース35を保持するが、図6に示すように、必要な場合にのみ巻き取り機42の紐42aを引き出すことにより、カードケース35を胸部より離れた磁気、またはICリーダに近接さすことができるもので、胸元での長い紐の存在を無くすることができる。また巻き取り機部材に連結金具を設け直接装飾品に取り付けても良い。
【0017】
なお、装飾品としては、ネクタイピン、ブローチに限定せず、ペンダント、ネックレス等の胸部装飾品に対しても、其の部材を利用したり、係留金具を設けて、カードケース・ホールダとし利用できる。但し、ペンダント等の長い鎖や紐などの長い部材にカードケースを係留する場合には、カードケースが大きく胸部で大きく揺れ動くことや、機械などに巻き込み防止などの安全対策を有する部材や構造を有する場合にのみ、その係留は許容される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 実施形態例を示すネクタイピンの斜視図
【図2】 図1のA部 係留部の拡大図
【図3】 実施形態例を示すブローチの斜視図
【図4】 実施形態例を示す他のネクタイピンの斜視図
【図5】 実施形態例を示すカードケースの斜視図
【図6】 図5で巻き取り機の紐を伸ばした状態の斜視図
【図7】 従来のカードケース例の斜視図
【符号の説明】
【0019】
1 ネクタイピン
2 本体
4 クリップ 部材
6 ボタン懸け用金具
7 鎖
8,23、33、41 カードケース係留金具
9、35、52 カードケース
11 カードケース留めピン
20 ブローチ
21 ブローチ−チ本体
22 留めピン
30 ネクタイピン
31 本体
32 キャチャー
33 カードケース係留金具
34 鎖または紐
42 巻き取り機(係留金具)
51 留め金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸元に装着する装飾品にカードケースを係留するための係留金具を、装飾品とカードケースのいずれか、または両者に設け、装飾品にカードケースを係留することができることを特徴とする装飾品およびカードケース。
【請求項2】
胸元に装着する装飾品とカードケースとの係留部に巻き取り機を有することを特徴とする装飾品およびカードケース

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−168491(P2012−168491A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46952(P2011−46952)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(599006786)
【Fターム(参考)】