説明

カードタイマー装置

【課題】冷蔵庫、テレビなどの課金管理を行うカードタイマー装置において、安全な無料設定を可能にする。
【解決手段】本発明に係るカードタイマー装置は、装着された外部カードに記憶されている情報を読み取るカード読取手段と、冷蔵庫などの制御対象機器に対する電源供給を制御する電源供給手段と、カード読取手段に装着された外部カードが、課金情報を記憶した課金カードである場合、課金情報を減額して電源供給手段に電源供給させる第1処理と、カード読取手段に装着された外部カードが、無料カードである場合、電源供給手段に電源供給させる第2処理と、第2処理の実行の可否を設定する設定処理と、を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院やホテルなどにおいて、冷蔵庫やテレビの利用時に課金を行うカードタイマー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院の入院病室、あるいは、ホテルの客室などでは、部屋に設置されたテレビ、冷蔵庫などの使用に際し、磁気カードなど課金情報を記憶したプリペイドカードによる課金管理が行われている。利用者は、売店、自動販売機などでプリペイドカードを購入し、テレビ、冷蔵庫などの課金管理を行うカードタイマー装置に挿入することで、これらの電化製品を利用することが可能となる。このカードタイマー装置では、テレビ、冷蔵庫などの稼働状況を監視し、所定時間毎にプリペイドカードに記憶されている課金情報を減額する課金処理を実行する。
【0003】
特許文献1には、テレビとDVD装置など利用において密接に関係する2つの電気機器に対して、それぞれ異なる課金料率を設定して同時に制御することができるカードタイマー装置について開示されている。
【0004】
特許文献2には、このようなカードタイマー装置について、テレビの稼働発光ダイオードの発光を検知することで、テレビ用の課金の度数を減算することが開示されている。このカードタイマー装置では、消費電力が異なるテレビの機種であっても、テレビの稼働と待機状態を的確に検出することができる。また、特許文献2には、同じプリペイドカードを使用することで、テレビの稼働に対する課金、冷蔵庫の稼働に対する課金を行うことについても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−299218号公報
【特許文献2】特開2006−186827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、病院の入院病室などで利用されるカードタイマー装置は、プリペイドカードを用いた課金処理を行うものであるが、入院病室における個室などの特別室では、冷蔵庫、テレビなどの利用を無料とする場合がある。このような特別室は、追加料金を支払った患者にて利用されることとなるが、一方、一般室が満室の場合、緊急的に特別室を一般室として利用する場合がある。
【0007】
図7は、このような入院病室の利用時におけるカードタイマー装置の利用形態(従来の利用形態)を説明する図である。図7(A)は、通常利用時の特別室、一般室におけるカードタイマー装置の利用形態を示した図となっている。一般室には、冷蔵庫やテレビなどの制御対象機器の使用に対する課金管理を実行するカードタイマー装置1が設置されている。利用者は、プリペイドカード3aを購入し、カードタイマー装置1に装着することで、制御対象機器を利用することができる。一方、特別室においてもカードタイマー装置1が設置されることとなるが、このカードタイマー装置1は無料設定されたものであって、プリペイドカード3aを装着することなく、すなわち、無料で制御対象機器を利用することが可能となっている。
【0008】
図7(B)は、一般室が満室であって、特別室を一般室として利用する場合のカードタイマー装置の利用形態が示されている。特別室に設置されたカードタイマー装置1は、無料・有料設定カード3eを利用することで、図7(A)の無料の利用形態から、一般室同様、プリペイドカード3aを使用する有料の利用形態に変更される。無料・有料設定カード3eには、制御情報が書き込まれたカードであって、このカードを装着することで、無料利用形態から有料利用形態に変更される。このように特別室に設置されたカードタイマー装置1は、無料の利用形態と有料の利用形態に切り換えて利用される。
【0009】
しかしながら、このような従来の利用形態では、無料・有料設定カード3eを紛失した場合などに問題を抱えたものとなっている(図7(C))。カードタイマー装置1は、一般室、特別室のものどちらもその構成に特段の違いを有するものではない。そのため、無料・有料設定カード3eが、管理者以外の者により一般室に設置されたカードタイマー装置1に適用された場合には、一般室においてもプリペイドカード3aを装着することなく、無料で冷蔵庫などの制御対象機器を使用可能な状態としてしまう。特に、無料・有料設定カード3eが一般室における複数のカードタイマー装置1に適用され、無料化された場合には損失を被ることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであって、本発明に係るカードタイマー装置は、装着された外部カードに記憶されている情報を読み取るカード読取手段と、冷蔵庫などの制御対象機器に対する電源供給を制御する電源供給手段と、前記カード読取手段に装着された外部カードが、課金情報を記憶した課金カードである場合、課金情報を減額して前記電源供給手段に電源供給させる第1処理と、前記カード読取手段に装着された外部カードが、無料カードである場合、前記電源供給手段に電源供給させる第2処理と、前記第2処理の実行の可否を設定する設定処理と、を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明に係るカードタイマー装置において、前記設定処理は、前記カード読取手段に設定変更カードが装着された場合、前記第2処理の実行の可否を設定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無料カードを利用すると共に、無料カードを利用できる第2処理の実行の可否を設定可能とすることで、カードタイマー装置の利用形態に応じて設定を切り換えることができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、設定変更カードの装着により、第2処理の実行の可否を設定することで、切り換えのためのインターフェイスとして既存のカード読取手段を利用し、設定処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るカードタイマー装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るカードタイマー装置のフロントパネルを示す図。
【図3】本発明の実施形態に係るカードタイマー装置の各モードを説明する図。
【図4】本発明の実施形態に係るカードタイマー装置の処理を示すフロー図。
【図5】本発明の実施形態に係るモード設定時の表示部の表示の様子を示す図。
【図6】本発明の他の実施形態に係るカードタイマー装置の各モードを説明する図。
【図7】従来のカードタイマー装置の利用形態を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るカードタイマー装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のカードタイマー装置1は、制御部10、表示部11、計時部12、記憶部13、電源制御部14、カードリーダ・ライタ15、操作部17などを備えて構成されている。また、外部構成として、カードリーダ・ライタ15にて課金情報の読み込み、書き込みされる外部カード3、電源制御部14にコンセントが接続され、電源供給制御される制御対象機器としての、冷蔵庫21、テレビ22、テーブルタップ23を有している。
【0016】
制御部10(本発明における「制御手段」)は、CPU、各種プログラムを記憶したROMなどを含んで構成され、カードタイマー装置1において中核となる処理を実行する手段である。カードリーダ・ライタ15は、磁気カードなどの外部カード3に記憶された課金情報を読み取るとともに、制御対象機器に対する電源供給に従って、減額された課金情報を外部カード3に書き込む。計時部12は、電源供給時間を管理するとともに、表示部11にて表示するための計時情報を得るために設けられたものである。本実施形態では、計時情報として、日付を示す日付情報、時刻を示す時刻情報の両方を採用しているが、時刻情報のみであってもよい。
【0017】
記憶部13は、カードタイマー装置1の各種状態を記憶するための手段であって、RAMなどの一時記憶媒体にて構成されている。本実施形態では、外部カードの装着状態の他、外部カード3から読み取った課金情報などを一時的に記憶する。
【0018】
表示部11は、ユーザーに対して各種情報を表示する手段である。本実施形態では、漢字(2バイト文字)を2段にわたって20文字程度表示可能な液晶表示パネルを用いて構成されている。また、装着された外部カード3の課金情報(残度数)の他、少なくとも時刻を含んだ計時情報、各種メッセージを表示させることとしている。
【0019】
操作部17は、カードタイマー装置1の各種設定を行うスイッチなどで構成される入力手段であって、例えば、計時部12の時刻設定を行うことや、カードリーダ・ライタ15に装着された外部カード3を取り出すために使用される。
【0020】
電源制御部14(本発明における「電源供給手段」)は、コンセント14aから供給される商用電源を、冷蔵庫21、テレビ22、テーブルタップ23などの制御対象機器に対する電源供給を制御する手段である。制御部10は、カードリーダ・ライタ15(本発明における「カード読取手段」)に装着された外部カード3から読み取った課金情報が有効、すなわち、残度数がある場合には、この電源制御部14を介して、各制御対象機器に商用電源を供給する処理を実行する。そして、外部カード3が装着されていない場合、もしくは、外部カード3に残度数が無い場合には、各制御対象機器に対する電源供給を停止する。また、各制御対象機器に対しては、それに応じた課金処理を実行する。
【0021】
例えば、冷蔵庫21のように常時、通電する制御対象機器には、所定時間毎に課金情報から所定額減額する課金処理を、また、テレビ22については、流れる電流値を監視し、設定電流値を超えたことをもって主電源が投入されたことを判断し、課金情報から所定額減額して所定時間の視聴を許可する。また、本実施形態では、携帯電話やゲーム機などの各種情報端末の充電用にテーブルタップ23が設けられている。この場合、情報端末毎に供給電流が異なる場合があるため、テーブルタップ23に流れる電流値を検出し、電流値に従った課金処理が実行される。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係るカードタイマー装置のフロントパネルを示す図である。本実施形態のカードタイマー装置1のフロントパネル16には、図1で説明した表示部11の他、カードリーダ・ライタ15に外部カードを装着するためのカード挿入口15a
、第1スイッチ17a、第2スイッチ17bを備えて構成されている。
【0023】
図2において、表示部11には、日付、時刻を含む計時情報の他、外部カード3に記憶されている課金情報に基づいて、冷蔵庫21を使用可能とする日数(冷23)、並びに、課金情報の残度数(残1900)が表示された状態となっている。カード挿入口15aに外部カード15aが挿入されると、挿入を検知したカードリーダ・ライタ15が外部カード3を引き込んで装着状態とする。また、第1スイッチ17aを操作することで、外部カード3を取り出すことができる。
【0024】
では、本実施形態のカードタイマー装置について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態に係るカードタイマー装置の各モードを説明する図、図4は、本発明の実施形態に係るカードタイマー装置の処理を示すフロー図、図5は、本発明の実施形態に係るモード設定時の表示部の表示の様子を示す図となっている。
【0025】
図3に示されるように、本実施形態に係るカードタイマー装置1は、2つのモード、すなわち、無料カード3bの利用に係る利用可能モードと利用不能モードの状態をとることができる。
【0026】
図3(A)に示される利用可能モードは、外部カード3としてのプリペイドカード3a、無料カード3bのどちらを利用することもできるモードとなっている。カードリーダ・ライタ15にプリペイドカード3a(本発明の「課金カード」)が装着された場合には、プリペイドカード3aに記録された課金情報に基づいて、制御対象機器に対する給電処理とともに課金処理が実行される。一方、無料カード3bが装着された場合には、制御対象機器に対する給電処理は実行されるが、課金処理は実行されることはなく、利用者は無料で冷蔵庫やテレビなどの制御対象機器を利用することができる。
【0027】
一方、図3(B)に示される利用不能モードでは、利用可能モードと同様、プリペイドカード3aを利用することはできるものの、無料カード3bの利用ができないモードとなっている。このモードにて、無料カード3bが装着された場合には、カードリーダ・ライタ15は、当該カードタイマー装置1では利用できないことを理由として無料カード3bを排出する。その際、表示部11に利用できない旨のメッセージを表示することとしてもよい。
【0028】
図7で説明した特別室、一般室からなる入院病室の利用形態では、特別室に設置されるカードタイマー装置を図3(A)の利用可能モードに、また、一般室に設置されるカードタイマー装置を図3(B)の利用不能モードに設定しておく。そして、特別室の利用者には無料カード3bが配布(貸与)される。このようなモード設定により、一般室の利用者は購入したプリペイドカード3aにて、特別室の利用者は配布された無料カード3bにてカードタイマー装置1を利用することとなる。
【0029】
また、本実施形態のカードタイマー装置1は、利用可能モードと、利用不能モードを切り換えて利用することが可能となっている。モードの切り換えは、無料カード利用設定カード3dを使用して行うこととしている。すなわち、無料カード利用設定カード3dをカードリーダ・ライタ15に装着する毎に、図3(A)の利用可能モードと図3(B)の利用不能モードが交互に切り換えられる。図7で説明したように、例えば、特別室を一般室として利用する場合には、特別室に設置されるカードタイマー装置1を利用不能モードに切り換えておくことで、確実にプリペイドカード3aによる課金を行うことが可能となる。なお、利用可能モードと利用不能モードの切り換えは、カードタイマー装置1の納入時などに業者によって行われることとなり、この無料カード利用設定カード3dは、業者によって管理されるため、不用意にモードが切り換えられることはない。
【0030】
では、図4のフロー図を用いて本実施形態のカードタイマー装置1の処理を説明する。まず、カードタイマー装置1の電源投入後、処理が開始されると、制御部10は、カードリーダ・ライタ15に外部カード3が装着されたか否かを監視する(S102)。外部カード3が装着された場合、外部カード3の種類別に処理が実行される。本実施形態では、図3にて説明したプリペイドカード3a、無料カード3b、無料カード利用設定カード3dについての処理を示しているが、これ以外の種類のカードについて別途処理を行うものであってもよい。
【0031】
S104〜S107は、プリペイドカード3aが装着された場合の処理(本発明における「第1処理」)となっている。S104では装着されたプリペイドカードの課金情報を読み取り、残度数があるか否かを判定する。残度数がある場合には、使用する制御対象機器に応じた課金処理(S105)を実行するとともに、制御対象機器に対して電源を供給する給電処理(S106)を実行する。一方、課金情報に残度数が無い場合には、カードリーダ・ライタ15はプリペイドカード3aを排出(S115)して処理を終了する。また、利用中に第1スイッチ17aの操作によるカード排出操作が行われた場合(S107)にもプリペイドカード3aを排出(S115)して処理を終了する。
【0032】
S109〜S111は、無料カード3bが装着された場合の処理(本発明における「第2処理」)となっている。S109では、無料カードが利用可能か否か、すなわち、図3(A)の利用可能モードであるか、図3(B)の利用不能モードであるかが判定される。カードタイマー装置1がどのモードにあるかは、図1に示される記憶部13に記憶されている。S109にて無料カード3bが利用可能である、すなわち、利用可能モードにあると判定された場合には、制御対象機器に対して電源を供給する給電処理(S110)を開始する。この処理は、第1スイッチ17aの操作(S111)によるカード排出処理(S115)が実行されるまで継続される。一方、無料カード3bが利用できない、すなわち、利用不能モードにあると判定された場合には、カードの排出処理(S115)を実行して処理を終了する。このとき、表示部11に、無料カードが利用できない旨を表示することとしてもよい。
【0033】
S113、S114は、無料カード利用設定カード3dが装着された場合の処理(本発明における「設定処理」)である。無料カード利用設定カード3dが装着されると、S113にて無料カードの利用設定が変更され、記憶部13にその状態が記憶される。すなわち、利用可能モードであった場合には利用不能モードに変更され、利用不能モードであった場合には利用可能モードに変更される。
【0034】
本実施形態では、このように無料カード利用設定カード3dが装着される毎に、モードをトグル的に切り換えている。そのため、S114にて表示部11にどちらのモードに切り換えられたかを一時的に表示させることとしている。図5は、そのときの表示部11の様子が示されており、図5(A)は、利用可能モードに切り換えられたときの表示部11の様子が、図5(B)は利用不能モードに切り換えられたときの表示部11の様子が示されている。モードの切り換えが完了すると、無料カード利用設定カード3dはカードリーダ・ライタ15から排出される(S115)。
【0035】
各モードへの設定は、このように1種類のカードで切り換えるのではなく、利用可能モードから利用不能モードに切り換えるカード、利用不能モードから利用可能モードに切り換えるカードに分けて構成してもよい。また、カードを利用した形態に限らず、操作部17を操作することでモードの切り換えを利用するものであってもよい。
【0036】
以上、本実施形態では、無料カードを利用できる利用可能モードと、無料カードの利用
ができない利用不能モードを切り換えて利用することで、利用形態に応じて切り換えることができる。また、無料カード利用設定カード3dによるモード切り換えを採用したことで、切り換えのためのインターフェイスとして既存のカードリーダ・ライタ15を利用し、安全にモード切り換えを行うことが可能となる。
【0037】
では、本発明の他の実施形態について図6を用いて説明する。前述の実施形態が利用可能モードと利用不能モード、2つのモードを切り換えていたのに対し、本実施形態では、さらにカードタイマー装置1について第2の利用可能モードに設定可能とするとともに、部分無料カードを使用可能とする点で異なっている。なお、第2の利用可能モードを含む各モード間の切換は、前述の実施形態と同様、設定カードで設定することとしてもよい。この場合、各モードに設定するための設定カードを設けることとしてもよいし、1枚の設定カードを挿入する毎に、利用可能モード、第2の利用可能モード、利用不能モードをトグル的に切り換えることとしてもよい。なお、モードの設定は、業者によってカードタイマー装置1を納入する際などにおいて実行される。
【0038】
図6は、本発明の他の実施形態に係るカードタイマー装置の各モードを説明する図である。特別室Aに設置されるカードタイマー装置1は、前述の実施形態における利用可能モードに相当し、一般室に設置されるカードタイマー装置1は、前述の実施形態における利用不能モードに相当している。本実施形態のカードタイマー装置1は、特別室Bに設置されるカードタイマー装置1にみられるように第2の利用可能モードに設定可能とされている。この第2の利用可能モードでは、例えば、一部の制御対象機器に対する利用が無料とされている。図6に示される例では、冷蔵庫の使用は無料、テレビ、テーブルタップの使用は有料に設定されている。
【0039】
さらに、ユーザーが利用する外部カード3にも、前述のプリペイドカード3a、無料カード3b以外に、部分無料カード3cが設けられる。この部分無料カード3cは、特別室Bに設置されている第2の利用可能モードに設定されたカードタイマー装置1での使用が意図された外部カード3であって、第2の利用可能モードと同様、冷蔵庫のみ無料とする設定が書き込まれている。また、無料とする制御対象機器以外の利用のため、プリペイドカード3aと同様の課金情報も書き込まれている。本実施形態では、有料とされるテレビ、テーブルタップについては、この課金情報に基づいて課金が実行される。
【0040】
では、このような第2の利用可能モードに設定可能なカードタイマー装置1と、部分無料カード3cを使用した利用形態について説明を行う。まず、利用可能モードに設定されたカードタイマー装置1(特別室A)では、各カードの設定に応じた利用が可能とされている。具体的には、無料カード3bを装着した場合、全ての制御対象機器は無料で使用可能とされる。また、プリペイドカード3aを装着した場合、全ての制御対象機器を有料、すなわち、課金情報に基づいて使用可能とされる。そして、冷蔵庫のみ無料に設定されている部分無料カード3cを装着した場合は、冷蔵庫のみを無料、それ以外の制御対象機器を有料で使用可能としている。
【0041】
一方、利用不能モードに設定されたカードタイマー装置1(一般室)は、全ての外部カード3a〜3cについて無料で使用することはできない。具体的には、プリペイドカード3a、部分無料カード3cについては全ての制御対象機器について課金情報に基づいて使用可能とされる。そして、無料カード3bについては、課金情報が記録されていないため、前述の実施形態と同様に使用することができず、カードリーダ・ライタ15から排出される。
【0042】
そして、第2の利用可能モードに設定されたカードタイマー装置1(特別室B)では、無料カード3b、部分無料カード3cが装着された場合は、無料設定されている冷蔵庫の
みが無料で利用することが可能とされる。そして、プリペイドカード3aについては有料、すなわち、記憶されている課金情報に基づいて使用可能とされる。
【0043】
このように、本実施形態ではカードタイマー装置1において無料に設定された制御対象機器と、無料カード3b、部分無料カード3cにおいて無料と設定された制御対象機器、両方を満足する場合にのみ制御対象機器を無料利用可能としている。すなわち、無料とする場合においては、カードタイマー装置1の無料設定と、無料カード3b、部分無料カード3cに記憶する無料設定の論理積を満たす(論理積が1となる)制御対象機器が無料で利用可能となる。
【0044】
以上、本実施形態では、前述の実施形態で説明した利用可能モード、利用不能モードに加え、第2の利用可能モードを設け、第2の利用可能モードで使用が意図される部分無料カード3cを使用することで、カードタイマー装置1の利用形態の拡張を図ることが可能となる。特に、無料カード3b、部分無料カード3cについて、意図されていないモードで利用されることを防止することが可能となる。また、全ての制御対象機器を無料利用可能とする利用可能モードにおいて、部分無料カード3cが利用された場合にも、部分無料カード3cにて無料設定されている制御対象機器のみを無料利用することが可能となる。
【0045】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0046】
1…カードタイマー装置、10…制御部、11…表示部(液晶パネル)、12…計時部、13…記憶部、14…電源制御部、14a…コンセント、15…カードリーダ・ライタ、15a…カード挿入口、16…フロントパネル、17a…第1スイッチ、17b…第2スイッチ、18…インターフェイス、21…冷蔵庫、22…テレビ、23…テーブルタップ、3…外部カード、3a…プリペイドカード、3b…無料カード、3c…部分無料カード、3d…無料カード利用設定カード、3e…無料・有料設定カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着された外部カードに記憶されている情報を読み取るカード読取手段と、
冷蔵庫などの制御対象機器に対する電源供給を制御する電源供給手段と、
前記カード読取手段に装着された外部カードが、課金情報を記憶した課金カードである場合、課金情報を減額して前記電源供給手段に電源供給させる第1処理と、
前記カード読取手段に装着された外部カードが、無料カードである場合、前記電源供給手段に電源供給させる第2処理と、
前記第2処理の実行の可否を設定する設定処理と、を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする
カードタイマー装置。
【請求項2】
前記設定処理は、前記カード読取手段に設定変更カードが装着された場合、前記第2処理の実行の可否を設定することを特徴とする
請求項1に記載のカードタイマー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−208552(P2012−208552A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71539(P2011−71539)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000222624)株式会社アルメックス (6)