説明

カード収容装置

本発明は、フラット構造のカード収容装置(1)であって、クランプユニット(3)と伝動装置とが設けられている形式のものに関する。本発明の課題は、冒頭で述べた形式の装置を改良して、不利な周辺条件下でのカード(2)の確実な搬送およびコンタクティングが可能となるようにすることである。カード収容装置(1)が、第1の伝動装置(4)と第2の伝動装置(5)とを有しており、両伝動装置(4,5)が、それぞれ少なくとも一時的に駆動装置によって駆動されており、伝動装置(4,5)が、クランプユニット(3)に運動学的に接続可能であり、第1の搬送段階で第1の伝動装置(4)が、クランプユニット(3)に運動学的に接続されており、第2の搬送段階で第2の伝動装置(5)が、クランプユニット(3)に運動学的に接続されていることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを内部に完全に自動的に引き込むためのカード収容装置であって、カードを位置固定するクランプユニットと、該クランプユニットに運動学的に接続された伝動装置と、該伝動装置を駆動しかつひいてはクランプユニットを当該カード収容装置内に搬送する少なくとも1つの駆動装置とが設けられている形式のものに関する。
【0002】
本発明による装置の使用事例の重点は、タコグラフまたはもしくは商用車運転者の作業時間および休息時間を検出するための装置の分野にある。しかし、別の使用事例、たとえば銀行業および支払業の分野または閉鎖システムにおける分野での使用事例も同じく可能である。本発明は、あらゆる種類のカード状のデータ担体に組み合わせて有利な使用事例を獲得する。タコグラフにおける検出したいデータの経済的なかつ法的な高い意義に基づき、記録が確実に不正操作に対して守護されなければならない。守護手段は、データ検出およびデータ伝送だけでなく、カードのメモリ内の検出されたデータの伝送および蓄積にも該当している。該当の規格は、手段によって達成したい安全性水準に厳しい要求を課している。したがって、カードが読取り・書込み過程の間に完全にカード収容装置によって収容されていて、環境に対して適切な閉鎖装置によって隔離されていることが定められている。閉鎖装置は閉鎖位置で読取り・書込み過程の間に拘束されていなければならない。付加的な困難が、慣用の装置の、汚物による機能故障に基づき、特にコンタクト遮断によってまたはカードの引込み時にさえ生ぜしめられる。カードの引込みおよび装置のコンタクトへのカードの正確な位置決めは問題を帯びている。なぜならば、種々異なるカードが、装置のコンタクトに対する所要の位置決め精度に対して高い製造誤差を有しているからである。カードは、使用者が認知しているように、特に高い頑丈性によって特徴付けられているので、カードは一般的に、本来必要となる慎重さで処理されず、これによって、製造による誤差に対して付加的に変形および損傷がカード収容装置と協働して機能形式に損傷を与える。さらに、自動車内での運転条件は機能確実性に、強い振動および無数の衝撃ならびに広範囲に及ぶ温度変動に基づき、高められた要求を課している。不正操作安全性の実現およびハンドリング時の所望の快適性は全自動的なカード引込みを必要とする。しかし、この要求に応じるために、構成に大きな困難が突きつけられている。なぜならば、自動車ラジオのサイズのタコグラフにおける提供された構成スペースが、全自動的な引込みに対して約10mmの高さしか提供していないからである。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願第10208259.6号明細書に基づき、すでに全自動的な構造のチップカード収容装置が公知である。この公知のチップカード収容装置では、2つの緊締エレメントがキャリッジにばね弾性的に支承されている。両緊締エレメントは、送入されたチップカードをトング状に把持し、読取り/書込み位置に搬送する。
【0004】
しかし、カード収容装置内へのカードの全自動的なかつ完全な引込みのための提案された装置は極端に面倒であり、多数の構成部材に基づき高い故障確率を有している。さらに、慣用の装置による、確実なコンタクティングのために必要となる精度での読取り・書込み位置への収容したいカードの搬送は困難を提供する。なぜならば、特にクランプユニットの、カードの完全な引込みのために必要となる長い搬送路が、端位置での正確な位置決めに抵抗する属性であるからである。正確な位置決めを長い搬送路と調和させることは、公知先行技術では、特に精密に調和された伝動装置を、正確に制御可能な駆動装置によって大きな動程を介して運転しかつ手間のかかる調整によって制御することを意味している。このために必要となる手間は高いコストを生ぜしめ、同時に許容できないほど高いアクセス時間を結果的に招く。
【0005】
公知先行技術の問題および欠点から出発して、本発明の課題は、前述した不利な周辺条件下でのカードの絶対的に確実な搬送および読取り・書込み位置での信頼できるコンタクティングを可能にすると共に廉価にならびに大量生産向きにフラットなフォーマットで製作可能であるカード収容装置を提供することである。
【0006】
本発明によれば、この課題は、冒頭で述べた形式のカード収容装置において、カード収容装置が、第1の伝動装置と第2の伝動装置とを有しており、両伝動装置が、それぞれ少なくとも一時的に駆動装置によって駆動されており、伝動装置が、クランプユニットに運動学的に接続可能であり、第1の搬送段階で第1の伝動装置が、クランプユニットに運動学的に接続されており、第2の搬送段階で第2の伝動装置が、クランプユニットに運動学的に接続されていることによって解決される。
【0007】
クランプユニットに緊締されたカードのそれぞれ異なる搬送段階でクランプユニットにそれぞれ異なる伝動装置を接続することの可能性は、運動における速度、位置決め精度、加速段階および遅れをその都度の運動段階に正確に調和させることができるという決定的な利点を有している。カードを把持した後のカードの搬送の開始時には迅速な引込みが望まれているのに対して、次いで、読取り・書込み装置の、コンタクトを収容するコンタクトセットへのカードの正確な位置決めが必要となる。さらに、それぞれ異なる伝動装置の入力接続は同時に、それぞれ異なる伝動装置に結合された付加的な機能、たとえば装置の押込み開口のクロージャをロックするためのロックユニットの駆動またはロックを拘束するための拘束ユニットの駆動のスイッチオン・オフを可能にする。場合により、第2の伝動装置に接続された別個の位置決めユニットも端位置でのカードの正確な位置決めを引き受けることができる。
【0008】
この場合、クランプユニットへのそれぞれ異なる伝動装置の自動的な入力接続または接続もしくは、ただ1つの駆動装置の場合には、クランプユニットと駆動装置との間へのそれぞれ異なる伝動装置の自動的な入力接続または接続が特に有利である。自動的な接続または入力接続は搬送段階に関連して行うことができ、有利には、個々の搬送段階の経過を検出する適宜なセンサと協働して機械的に生ぜしめることができるものの、電動モータを用いて生ぜしめられていてもよい。
【0009】
構成スペースおよび製作コストの削減は、第1の伝動装置および第2の伝動装置の駆動のために、ただ1つの駆動装置しか設けられておらず、第1の伝動装置と第2の伝動装置とが、駆動装置とクランプユニットとの間に運動学的に入力接続可能であり、第1の搬送段階で第1の伝動装置が、駆動装置とクランプユニットとの間に運動学的に入力接続されており、第2の搬送段階で第2の伝動装置が、駆動装置とクランプユニットとの間に運動学的に入力接続されている場合に得られる。伝動可能な全装置は、1つの駆動装置に対する切換可能な個々の2つの伝動装置を備えた切換可能な全伝動装置である。有利には、装置の故障確率が減少させられる。なぜならば、もはや1つの電気的な駆動装置しか必要とならないからである。同じく、駆動装置を制御するための手間が減少させられる。この場合、第1の伝動装置が、第2の搬送段階で駆動装置とクランプユニットとの間の力伝達から分離されていると有利である。第1の伝動装置は、有利には第2の伝動装置とその機能的な結合の点で異なっている。第1の伝動装置がクランプユニットおよび有利には付加的に引込み部を駆動しかつ制御するのに対して、第2の伝動装置は精密位置決め部の駆動を引き受ける。さらに、第2の伝動装置がロックユニットも駆動しかつ制御すると有利である。有利には、ロックユニットの機能と精密位置決めの役割とを互いに結合することができる。有利な構成は、ここでは、ロックエレメントがカードを、有利には入口側の縁部およびまたは丸み付けられた角隅で端位置に押圧することを提案している。
【0010】
第1の伝動装置の役割に対して、第1の伝動装置が、クランプユニットに結合されたラックと、駆動装置に結合された駆動歯車とを有しており、該駆動歯車が、ラックに第1の搬送段階で噛み合っていると有利である。有利には、伝動可能な別の伝達エレメント、たとえば歯車またはベルト伝動装置が、運動に所望の特性を付与するために、駆動装置とラックとの間に配置されていてよい。ラックの使用が有利である。なぜならば、第1の搬送段階で比較的長い搬送路が乗り越えられなければならないからである。このように長い搬送路は、ゴムローラを備えた、公知先行技術で公知の搬送装置では、カードを完全に装置内に引き込むことができるように、多数のゴムローラの連続配置を必要とする。
【0011】
第2の伝動装置の搬送役割のためには、第2の伝動装置が、滑子案内状の第1のガイドを有していると有利である。1つの滑子案内状のガイドは、有利には第2の搬送段階における極めて特殊な運動特性に調和することができ、特に遅れ、加速および不連続な運動パターンを不変の駆動装置回転数で滑子案内部もしくは滑子案内状のガイドの経過に応じて許容する。2つの異なる伝動装置の本発明による使用によって初めて、第2の伝動装置が、収容したいカードに対する送入開口のクロージャをロックするためのロックユニットに運動学的に接続されており、該ロックユニットが、第2の伝動装置によって制御されていて、駆動されていることが可能となる。2つの異なる伝動装置の本発明による配置形式によって初めて、一方の伝動装置に結合された機能をこの伝動装置の入力接続によってスイッチオンする、たとえばロックユニットのロックを第2の伝動装置のスイッチオンによって生ぜしめることが可能となる。
【0012】
別の構成では、第1の伝動装置が、カードの読取り/書込み位置への到達前に分離されているように形成されており、第2の伝動装置が、滑子案内状の第1のガイドを備えた、第1の回動軸線を中心として回動可能な第1のガイド構成部分を有しており、第1の伝動装置が噛み合っておらず、かつ第1のガイドがクランプユニットを読取り/書込み位置に搬送する場合に、第1のガイドが、クランプユニットに結合された第1のガイドエレメントに係合するように形成されていると有利である。第1のガイド構成部分が、第1の回動軸線に駆動歯車と一緒に配置されていると有利である。1つの回動軸線に一緒に配置することは、これらの構成エレメントの同期化を確保し、必要となる支承部の数を減少させる。
【0013】
クランプユニットの運動役割に相応して、カード収容装置が、第1の線形の支承部を有しており、該支承部によってクランプユニットが、進入方向で線形に支承されていると有利である。こうして、クランプユニットの運動の自由度が規定通り減少させられる。支承部は廉価に滑り支承部として形成されていることが望ましい。
【0014】
カード収容装置内へのカードの不適切な送入に対する可能な限り高い公差のために、第1の伝動装置が、線形の歯列を有しており、該歯列が、ラックエレメントの構成要素であり、該ラックエレメントとクランプユニットとの間に弾性的なエレメントが配置されており、これによって、クランプユニットが、第1の伝動装置の駆動装置にばね弾性的に支承されていると有利である。こうして、強制的に押し込まれたカードが、駆動装置と、この駆動装置に続く伝動装置とに損傷を与え得ない。なぜならば、カード送りが、有利には引張りばねまたは圧縮ばねとして形成された弾性的なエレメントによって受け止められるからである。さらに、使用者はセンサ的なフィードバックを、クランプユニットに位置するストッパへのカードの到達時に獲得する。
【0015】
同じく、第1のガイドエレメントが、ラックエレメントの不動の構成要素であると有利である。弾性的なエレメントの前述した配置形式では、こうして、第1のガイドエレメントがすでに伝動装置の、不適切な作用に対して防護された側に位置している。
【0016】
1つの滑子案内状のガイドの利点は、特に第1のガイド構成部分に相対回動不能に、第2のガイドを備えた第2のガイド構成部分が結合されており、第2のガイドが、ロックユニットを制御しかつ駆動するようになっている場合に使用される。ここでは、有利には、ガイドがその経過において、全ての装置の、駆動されかつ制御されるユニットの最適な同期的な協働に対して設計されている。
【0017】
ガイド構成部分がガイドエレメントを常に確実にガイドするように、ガイドが溝またはスリットとして形成されており、こうして、ガイドエレメントが相応のガイドから移行し得ないと有利である。クランプユニットの線形の支承部と協働して、各運動段階で機械的な構成部材の一義的な強制制御が付与されている。
【0018】
付加的な機能性は、1つのガイドが、別のガイドへの分岐部を有しており、特に第2のガイドが、第3のガイドへの分岐部を有しており、第1のガイドエレメントが第1のガイド内に係合する場合にまたは係合した後に、第3のガイド内に第2のガイドエレメントが滑り込むようになっている場合に実現することができる。
【0019】
第3のガイドへの第2のガイドエレメントの滑込みを生ぜしめるための有利な方法は、本発明の有利な構成の対象である。この対象は、クランプユニットが、当接エレメントを有しており、該当接エレメントが、作動レバーに進入方向へのクランプユニットの運動時に突き当たるようになっており、これによって、第2のガイドエレメントが、第3のガイド内に移行するようになっていることを提案している。
【0020】
第2のガイドが、第1の搬送段階の間の運動経過を妨害しないかまたは阻止しないように、第2のガイドが、第1の回動軸線に対して同心的な円形状を有していると有利である。こうして、作動レバーがさらにコントロールされて所定の位置に保持される。同じく、第1のガイドが、2つの区分、つまり、第1の区分と第2の区分とを有しており、該第2の区分が、第1の回動軸線に対して同心的に円形に形成されていると有利である。こうして、クランプユニットが、押込み開口のクロージャのロック過程の間にカード収容装置内の同じ場所にとどまる。
【0021】
駆動装置を制御するためには、少なくとも1つのセンサが、作動レバーの位置をコントロールユニットに報知するようになっていると有利である。このコントロールユニットは、一方では、装置の正確な機能を監視することができ、他方では、制御信号を駆動装置に送信する、特に駆動装置をスイッチオフするかまたは回動方向を逆転させることができる。
【0022】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0023】
以下、第1の搬送段階とは、収容したいカードのクランプおよび本発明によるカード収容装置内への引込みを表しており、第2の搬送段階とは、装置のクロージャのロックおよび端位置でのカードの精密位置決めを表している。両搬送段階の間の主要な違いは、それぞれ異なる伝動装置の運動学的な入力接続にある。第1の搬送段階の間には、第1の伝動装置4が噛み合っており、第2の搬送段階の間には、第2の伝動装置5が噛み合っている。
【0024】
図1に簡単に示したクランプユニット3は、主として、第1の伝動装置4の両構成要素であるキャリッジ36と、歯列8を備えたラックエレメント15とを有している。このラックエレメント15はばね弾性的にキャリッジ36のブラケット37に取り付けられている。ラックエレメント15は弾性的なエレメント16、つまり、引張りばね38によってキャリッジ36のブラケット37に進入方向14でばね弾性的に支承されている。同じく進入方向14には、キャリッジ36の側方に配置された2つの滑り支承面39として形成された第1の線形の支承部13が延びている。キャリッジ36は金属薄板部材として形成されていて、入口側に、カード2を導入するための進入斜面40を備えている。キャリッジ36のカード2のための載着面の裏側では、キャリッジ36に当接エレメント35が一体成形されている。この当接エレメント35は、図4および図5に示した作動レバー23に、第2の搬送段階への移行時に制御して突き当たる。進入方向14に延びるラックエレメント15は、歯列8のほかに、第1のガイドエレメント34を有している。この第1のガイドエレメント34はラックエレメント15に一体に結合されている。
【0025】
図2および図3では、駆動歯車(入力歯車)6が符号6を備えており、第1のガイド構成部分11が符号11を備えており、第2のガイド構成部分17が符号17を備えている。両ガイド構成部分11,17は第2の伝動装置5の構成要素である。第2のガイド構成部分17の外周面41は歯列(図示せず)を備えている。この歯列は、運転中に直接的にまたは一方の伝動装置に続いて電動モータの被駆動歯車(出力歯車)に噛み合っている。ラックエレメント15に対する駆動歯車6はガイド構成部分11,17と共に一体の構成エレメントを形成している。第1のガイド構成部分11は、第1の区分25と第2の区分26とを備えた第1のガイド12を有している。第2の区分26は第1の回動軸線9に対して同心的に円形に形成されている。ラックエレメント15の第1のガイドエレメント34が、溝として形成された第1のガイド12の第1の区分25から第2の区分26に移行する場合、クランプユニット3はガイド構成部分11の回動で運動しない。第2のガイド構成部分17を下方から見た図3には、溝として形成された第2のガイド18と第3のガイド22とが示してある。第2のガイド18と第3のガイド22とは分岐部21で互いに接続されている。第2のガイド構成部分17のガイド18,22は、運転の間、図4および図5の作動レバー23に取り付けられた第2のガイドエレメント42をガイドする。第1の搬送段階の間には、第1の伝動装置4がクランプユニット3のクランプおよび送りのために働くのに対して、第2の伝動装置の第2のガイドエレメント42は第2のガイド18に位置している。この第2のガイド18は回動軸線9を中心として円形に同心的に形成されており、これによって、第2のガイドエレメント42が第1の搬送段階では運動せず、作動レバー23が静止した状態に位置している。したがって、第2の伝動装置5は、第1の搬送段階での運動にまだ運動学的に寄与していない。
【0026】
図4および図5では、作動レバーが符号23を備えている。この作動レバー23はフラットな金属薄板構成部材として形成されていて、第2の回動軸線20に、図6a〜図9bに示したベース支持体48の切欠き(図示せず)内に作動レバー23を支承するための突出部43を有している。作動レバー23は、切欠き44として形成されたストッパ45を備えている。このストッパ45は当接エレメント35と運転中に協働し、これによって、カード2の第1の搬送段階から第2の搬送段階への移行時に、クランプユニットの当接エレメント35が作動レバー23のストッパ45に突き当たり、こうして、第2のガイドエレメント42が分岐部21で第2のガイド18から第3のガイド22に到達するようになっている。作動レバー23は、カード収容装置の押込み開口(図示せず)のクロージャ(図示せず)をロックするためのロックユニット31(図示せず)を制御しかつ駆動するので、作動レバー23は、それぞれ突出部の形の第3のガイドエレメント46と第4のガイドエレメント47とを備えている。両ガイドエレメント46,47は、ロックユニットの、対応する切欠き内に係合している。
【0027】
図6a〜図9bには、それぞれカード収容装置1の平面図および下面図が、機能的に主要な構成部材を組み立てた状態で種々異なる運動段階で示してある。図6a、図6bに示した第1の搬送段階の運動段階では、カード2がすでにカード収容装置1内に押し込まれており、センサ(図示せず)が駆動装置(図示せず)をスイッチオンしている。駆動歯車6がラックエレメント15を駆動し、これによって、カード2が進入方向14に運動する。カード2は、詳しく図示しない形式でクランプユニット3にクランプされている。第1のガイドエレメント34は、これまでまだ第1のガイド12に係合していない。
【0028】
図6bから明らかであるように、第2のガイドエレメント42は第2のガイド構成部分17の第2のガイド18に係合して位置している。作動レバー23に結合された第2のガイドエレメント42はこれまで運動していない。なぜならば、第2のガイド18が、第1の回動軸線9を中心として同心的な円形状を有しているからである。したがって、作動レバー23も静止し続けている。
【0029】
図7aおよび図7bに示した第1の搬送段階の運動段階では、装置が、カード2をカード収容装置1内に並進運動させる第1の搬送段階から第2の搬送段階への移行の直前に位置している。この第2の搬送段階の間には、カード2がカード収容装置1内で静止状態をとり続け、第2の伝動装置5がロックユニット(図示せず)の制御および操作を引き受ける。駆動歯車6が、図7aに示したように、ラックエレメント15から噛合い解除され、第1のガイドエレメント34が第1のガイド12の第1の区分25に移行し、クランプユニット3の当接エレメント35が作動レバー23にストッパ45で突き当たり、これによって、作動レバー23が第2の回動軸線20を中心として回動させられ、これによって、第2のガイドエレメント42が分岐部21で第2のガイド18から第3のガイド22に移行するようになっている。
【0030】
図8aおよび図8bに示した第2の搬送段階の運動段階の間には、駆動歯車6が完全にラック15の歯列8から噛合い解除している。第2のガイド18の第1の区分25の傾斜に基づき、クランプユニット3が端位置に並進移動させられていて、同時に当接エレメント35によって、作動レバー23の切欠き44に設けられたストッパ45に突き当てられており、これによって、作動レバーが第2の回動軸線20を中心として回動させられており、第2のガイドエレメント42が第3のガイド22内に移行されている。第2の搬送段階の第2の部分の間には、第1のガイドエレメント34が、第1のガイド12の、第1の回動軸線9を中心として円形に同心的に形成された第2の区分26に位置しており、これによって、クランプユニット3が静止し続ける。第3のガイド22内での第2のガイドエレメント42のガイドは、ガイドエレメント46,47によってロックユニット(図示せず)を操作する作動レバー23の旋回を生ぜしめる。
【0031】
図9a、図9bには、第2の搬送段階の終了が示してある。第1のガイドエレメント34と第2のガイドエレメント42とは、それぞれ第1のガイド12の第2の区分26の端部にもしくは第3のガイド22の端部に位置している。センサ(図示せず)が作動レバー23の位置を記録し、コントロールユニット(図示せず)を介して駆動装置(図示せず)をスイッチオフする。
【0032】
図10の経過グラフには、第2の伝動装置5、第1の伝動装置4および駆動装置Eのスイッチオン・スイッチオフ状態が示してある。第1の搬送段階TP1の運動段階T1前にカード2がカード収容装置1内に導入され、駆動装置Eが始動する。第1の伝動装置4は駆動装置Eに接続されていて、ラック15によってカード2もしくはクランプユニット3を進入方向14に搬送する。運動段階T2での第2の搬送段階TP2の開始によって、第1の伝動装置4が噛合い解除され、第2の伝動装置5がカード2のさらなる搬送を開始する。第1の搬送段階TP1から第2の搬送段階TP2へ移行の範囲内では、第1の伝動装置4がまだ噛み合って位置している場合に、第2の伝動装置5が運動段階T2aで開始する。運動段階T2bにまで、第1の伝動装置4は第2の伝動装置5にオーバラップして正確な引渡しOのために噛合い続ける。第2の搬送段階TP2の入口では、第1のガイドエレメント34が第1のガイド12の第1の区分25に移行し、駆動歯車6がラックエレメント15から噛合い解除される。運動段階T2bに続いて、精密位置決めFの段階が生ぜしめられる。この段階では、ロックユニットとして形成された手段(図示せず)が、送入されたカード2を、第2の伝動装置5によって駆動されて入口側の端縁部で進入方向14で端位置にコンタクトセットの端部側のストッパに向かって押圧する。精密位置決めFの入口では、クランプユニット3のクランプがカード2の搬送段階に関連して解除され、これによって、精密位置決めに対する所要の運動自由度が得られる。第2の搬送段階TP2の運動段階T3では、第2の伝動装置5が、カード収容装置1内へのカード2の並進搬送を終了し、作動レバー23がストッパ45で当接エレメント35によって突き当てられることにより、第2のガイドエレメント42が第2のガイド18から分岐部21を介して第3のガイド22に移行し、ロックユニットが作動レバー23によって操作される。運動段階T4では、センサが作動レバー23の端位置を確認し、駆動装置Eがスイッチオフされる。カード収容装置内でのカード2の端位置が達成されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】クランプユニットの簡単な斜視図である。
【図2】ガイド構成部分を上方から見た斜視図である。
【図3】ガイド構成部分を下方から見た斜視図である。
【図4】作動レバーを下方から見た斜視図である。
【図5】作動レバーを上方から見た斜視図である。
【図6A】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの所定の搬送段階で示す平面図である。
【図6B】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの所定の搬送段階で示す下面図である。
【図7A】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの、図6Aの次の搬送段階で示す平面図である。
【図7B】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの、図6Bの次の搬送段階で示す下面図である。
【図8A】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの、図7Aの次の搬送段階で示す平面図である。
【図8B】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの、図7Bの次の搬送段階で示す下面図である。
【図9A】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの、図8Aの次の搬送段階で示す平面図である。
【図9B】本発明によるカード収容装置をクランプユニットもしくはカードの、図8Bの次の搬送段階で示す下面図である。
【図10】搬送段階に関連した駆動装置および伝動装置の切換状態の経過グラフである。
【符号の説明】
【0034】
1 カード収容装置、 2 カード、 3 クランプユニット、 4 伝動装置、 5 伝動装置、 6 駆動歯車、 8 歯列、 9 回動軸線、 11 ガイド構成部分、 12 ガイド、 13 支承部、 14 進入方向、 15 ラックエレメント、 16 エレメント、 17 ガイド構成部分、 18 ガイド、 20 回動軸線、 21 分岐部、 22 ガイド、 23 作動レバー、 25 区分、 26 区分、 31 ロックユニット、 34 ガイドエレメント、 35 当接エレメント、 36 キャリッジ、 37 ブラケット、 38 引張りばね、 39 滑り支承面、 40 進入斜面、 41 外周面、 42 ガイドエレメント、 43 突出部、 44 切欠き、 45 ストッパ、 46 ガイドエレメント、 47 ガイドエレメント、 48 ベース支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード(2)を内部に完全に自動的に引き込むためのカード収容装置(1)であって、カード(2)を位置固定するクランプユニットと、該クランプユニット(3)に運動学的に接続された伝動装置と、該伝動装置を駆動しかつひいてはクランプユニット(3)を当該カード収容装置(1)内に搬送する少なくとも1つの駆動装置とが設けられている形式のものにおいて、当該カード収容装置(1)が、第1の伝動装置(4)と第2の伝動装置(5)とを有しており、両伝動装置(4,5)が、それぞれ少なくとも一時的に駆動装置によって駆動されており、伝動装置(4,5)が、クランプユニット(3)に運動学的に接続可能であり、第1の搬送段階で第1の伝動装置(4)が、クランプユニット(3)に運動学的に接続されており、第2の搬送段階で第2の伝動装置(5)が、クランプユニット(3)に運動学的に接続されていることを特徴とする、カードを内部に完全に自動的に引き込むためのカード収容装置。
【請求項2】
第1の伝動装置(4)と第2の伝動装置(5)とが、搬送段階に関連してクランプユニット(3)に運動学的に接続可能である、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項3】
第1の伝動装置(4)および第2の伝動装置(5)の駆動のために、ただ1つの駆動装置しか設けられておらず、第1の伝動装置(4)と第2の伝動装置(5)とが、駆動装置とクランプユニット(3)との間に運動学的に入力接続可能であり、第1の搬送段階で第1の伝動装置(4)が、駆動装置とクランプユニット(3)との間に運動学的に入力接続されており、第2の搬送段階で第2の伝動装置(5)が、駆動装置とクランプユニット(3)との間に運動学的に入力接続されている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項4】
第1の伝動装置(4)が、第2の搬送段階で駆動装置とクランプユニット(3)との間の力伝達から分離されている、請求項3記載のカード収容装置。
【請求項5】
第1の伝動装置(4)が、クランプユニット(3)に結合されたラック(15)と、駆動装置に結合された駆動歯車(6)とを有しており、該駆動歯車(6)が、ラック(15)に第1の搬送段階で噛み合っている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項6】
第2の伝動装置(4)が、滑子案内状の第1のガイドを有している、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項7】
第2の伝動装置(4)が、収容したいカード(2)に対する送入開口のクロージャをロックするためのロックユニットに運動学的に接続されており、該ロックユニットが、第2の伝動装置(4)によって制御されていて、駆動されている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項8】
第1の伝動装置(4)が、カード(2)の読取り/書込み位置への到達前に分離されているように形成されており、第2の伝動装置(4)が、滑子案内状の第1のガイド(12)を備えた、第1の回動軸線(9)を中心として回動可能な第1のガイド構成部分(17)を有しており、第1の伝動装置(4)が噛み合っておらず、かつ第1のガイド(12)がクランプユニット(3)を読取り/書込み位置に搬送する場合に、第1のガイド(12)が、クランプユニット(3)に結合された第1のガイドエレメント(34)に係合するように形成されている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項9】
第1のガイド構成部分(34)が、第1の回動軸線に駆動歯車(6)と一緒に配置されている、請求項5または8記載のカード収容装置。
【請求項10】
当該カード収容装置(1)が、第1の線形の支承部(13)を有しており、該支承部(13)によってクランプユニット(3)が、進入方向(14)で線形に支承されている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項11】
第1の伝動装置(4)が、線形の歯列(8)を有しており、該歯列(8)が、ラックエレメント(15)の構成要素であり、該ラックエレメント(15)とクランプユニット(3)との間に弾性的なエレメント(16)が配置されており、これによって、クランプユニット(3)が、第1の伝動装置(4)の被駆動装置にばね弾性的に支承されている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項12】
第1のガイドエレメント(34)が、ラックエレメント(15)の不動の構成要素である、請求項11記載のカード収容装置。
【請求項13】
第1のガイド構成部分(11)に相対回動不能に、第2のガイド(18)を備えた第2のガイド構成部分(17)が結合されており、第2のガイド(18)が、ロックユニットを制御しかつ駆動するようになっている、請求項6記載のカード収容装置。
【請求項14】
ロックユニットが、第2のガイドエレメント(42)を備えた、第2の回動軸線(20)を中心として回動可能な作動レバー(23)を有しており、該作動レバー(23)が、第2のガイド(18)に係合して位置している、請求項13記載のカード収容装置。
【請求項15】
第1のガイド(12)および/または第2のガイド(18)が、溝またはスリットとして第1のもしくは第2の各ガイド構成部分(11,17)に形成されている、請求項6または13記載のカード収容装置。
【請求項16】
第2のガイド(12)が、第3のガイド(22)への分岐部(21)を有しており、第1のガイドエレメント(34)が第1のガイド(12)内に係合する場合にまたは係合した後に、第3のガイド(22)内に第2のガイドエレメント(42)が滑り込むようになっている、請求項13記載のカード収容装置。
【請求項17】
クランプユニット(3)が、当接エレメント(35)を有しており、該当接エレメント(35)が、作動レバー(23)に進入方向(14)へのクランプユニット(3)の運動時に突き当たるようになっており、これによって、第2のガイドエレメント(42)が、第3のガイド(22)内に移行するようになっている、請求項14記載のカード収容装置。
【請求項18】
第2のガイド(18)が、第1の回動軸線(9)に対して同心的な円形状を有している、請求項13記載のカード収容装置。
【請求項19】
第1のガイド(12)が、2つの区分(25,26)、つまり、第1の区分(25)と第2の区分(26)とを有しており、該第2の区分(26)が、第1の回動軸線(9)に対して同心的に円形に形成されている、請求項5記載のカード収容装置。
【請求項20】
少なくとも1つのセンサが、作動レバー(23)の位置をコントロールユニットに報知するようになっている、請求項14記載のカード収容装置。
【請求項21】
第2の伝動装置(4)が、少なくとも1つの第3のガイドエレメント(46)を有しており、該ガイドエレメント(46)が、押込み開口のクロージャをロックするためのロックユニットを制御しかつ駆動するようになっている、請求項2記載のカード収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−526198(P2006−526198A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504920(P2006−504920)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003361
【国際公開番号】WO2004/100057
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】