説明

カード受容装置

本発明は、ガイド(42a,42b)と、カード(5)をガイドしながら緊締する緊締ユニット(3)とを有するカード収容装置(1)に関する。装置を不都合に操作すると摩擦接続が発生しないことがある。本発明の課題は、装置を不都合に操作した場合でも、また不都合な周辺条件においてもカードを引き込みかつ搬送することができるような装置及び方法を提供することである。本発明によれば、緊締ユニット(3)が、第1の領域(9)と第2の領域(10)とを備えた少なくとも1つの第1の弾性的な部材(8)を有しており、該弾性的な部材(8)が、少なくとも1つの第1の領域(9)で間接的に又は直接的に、少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドされていて、少なくとも1つの第2の領域(10)によってカード(5)を間接的に又は直接的に緊締するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード収容装置であって、少なくとも1つのガイドと、少なくとも1つの緊締エレメントを備えた緊締ユニットとを有しており、該緊締ユニットが、互いに逆向きの両面側を備えた、収容しようとするカードの一方の面側を、少なくとも1つのガイドに対する緊締ユニットの相対運動時に、少なくとも1つのガイドによって制御しながら緊締するようになっている形式のものに関する。また本発明は、特にこのような形式のカード収容装置内カードを収容させるための方法に関する。
【0002】
本発明による装置及び方法は、主に、商用車の作業時間及び休憩時間を把握するための装置若しくはタコグラフにおいて使用される。またその他に、例えば銀行業務及び支払い業務の分野において又はロックシステムにおいて使用することも考えられる。本発明は、あらゆる形式のカード状のデータ担体と組み合わせて使用することができる。タコグラフにおいて収集しようとするデータの高価な経済的及び法律的な意義に基づいて、記録は不正な改ざんに対して確実に保護されなくてはならない。保護手段は、データ収集及びデータ伝達、並びに収集したデータをカードのメモリーに伝達しかつ記憶させることに関する。これに関する規格は、前記保護手段によって得ようとする信頼性の基準に厳しい要求を課する。従って、カードが読み取り及び書き込み過程中に、カード収容装置によって完全に収容され、環境に対して適当な閉鎖装置によって絶縁されるように定められている。閉鎖装置は、読み取り及び書き込み過程中に閉鎖位置で係止されなければならない。付加的な困難さは、従来の装置の汚れによる機能停止に基づいて、特に接触中断によって又はカードの引き込み時に発生する。装置の接点におけるカードの引き込み及び精確な位置決めには問題がある。何故ならば、カードは、装置の接点に対する必要な位置決め精度と比較して、高度の製作公差を有しているからである。カードは、使用者のために特に高い頑丈さを有しているので、一般的に本来必要な注意深さをもって取り扱われることはない。従って、製作公差に加えて、カードの変形及び損傷によって、カード収容装置との協働作業による、機能形式に不都合な影響が及ぼされる。さらにまた、強い振動及び無数の衝撃並びに広範囲の温度変動に基づいて、自動車の運転条件を高める、機能信頼度に対するより高い要求が課せられる。取り扱う際の、操作の確実性及び所望の快適性を実現するためには、全自動式のカード引き込み装置を必要とする。しかしながらこれは構造上非常に困難である。何故ならば、カーラジオの大きさのタコグラフ内において、全自動式の引き込み装置のために提供される構造スペースは、高さが約10mmだけだからである。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願第10208259号明細書によれば、2つの緊締エレメントがスライダ上にばね弾性的に支承されていて、これらの2つの緊締エレメントが挿入されたチップカードをトング(Zangen;やっとこ)状に把持して、読み取り/書き込み位置に搬送するようになっている、全自動式構造のチップカード収容装置について公知である。
【0004】
2つの緊締エレメントによってチップカードのグリッパを原則的に正しく当て付けることによって、付随的な問題が発生することが分かった。つまり、挿入されたカードの変形に基づいて、及び公差範囲内にあるカードの強度若しくは厚さに関連して、しばしば、カードと緊締エレメントとの間で発生する摩擦接続が、装置の不都合な操作による例えばカードが固着に対して十分に対処できなくなることがある。
【0005】
従来技術のこのような問題及び欠点から出発して、本発明の課題は、前記のような不都合な周辺条件下においてカードが装置の不適当な操作においても確実に引き込むことができ、かつ読み取り過程及び書き込み過程のための終端位置に搬送することができるような、カード収容装置、及びカードを収容するための方法を提供することである。
【0006】
この課題を解決した本発明によれば、冒頭に述べた形式のカード収容装置において、緊締ユニットが、第1の領域と第2の領域とを備えた少なくとも1つの第1の弾性的な部材を有しており、該弾性的な部材が、少なくとも1つの第1の領域で以て間接的に又は直接的に、少なくとも1つのガイドによってガイドされていて、少なくとも1つの第2の領域で以て間接的に又は直接的にカードを緊締するようになっている。
【0007】
本発明に従ってカード収容装置の緊締ユニット内に弾性的な部材を使用したことによって、緊締力が比較的高く、それと同時に誤操作に対する最大公差のために、高い変形率及び汚れ率において収容しようとするカードを確実に緊締し、かつ搬送するという、相反する目的を実現することができる。常に大きい構造スペースを必要とする従来一般的なゴムローラ搬送システム(何故ならばゴムローラは確実な機能を得るために最少直径を必要するからである)に対して、本発明によれば著しく平らな構造(平型構造)を実現することができる。本発明の配置構成によれば、ゴムローラによる搬送におけるように複数のローラを相前後して配置する必要なしに、収容しようとするカードを装置内に任意の深さで引き込むことができる。弾性的な部材によってもたらされる緊締力をガイドによって制御することによって、チップカードにおける緊締力を必要に応じて変化させることができるので、例えばカードに対してまだ外部からアクセス可能である間に、最大圧着力が得られ、次いで装置内における緊締力が減少される。
【0008】
本発明の有利な実施態様によれば、弾性的な部材が、第1の緊締エレメントの一部として構成されていて、第1の領域で以て少なくとも1つのガイドによってガイドされていて、カードが、第1の緊締エレメントと協働して少なくとも1つの第2の領域によって緊締するようになっている。このような配置構成によって、有利な形式で弾性的な部材の機能と緊締エレメントの機能とがまとめられるので、装置の構造はより簡単なものとなり、構成部分の数は減少され、組み付けコストが低減される。
【0009】
また特に装置の構造高さを減少させることができる。何故ならば、そうでなければ、弾性的な部材及び、弾性的な部材にまとめられた緊締エレメントは、収容しようとするカード若しくはカード収容縦穴の隣に高さ方向に位置することになるからである。
【0010】
緊締ユニットが少なくとも1つの第2の緊締エレメントを有しており、弾性的な部材の第2の領域が第1の緊締エレメントに接触し、緊締過程中に、第1の緊締エレメントが第2の緊締エレメントと共に、収容しようとするカードを互いに逆向きの両面側において緊締するように、カードを押圧するようになっていれば、摩擦接続(摩擦による束縛)の改良された精確さが得られる。何故ならばこのような実施例では、弾性的な部材の機能は緊締エレメントの機能と分離されるので、こら2つの部材(弾性的な部材と緊締エレメント)は、上記課題に良好に適合させることができ、引き込み過程をさらに精確に実現することができる。
【0011】
緊締ユニットは、この緊締ユニットがカード収容装置の挿入方向に移動する際に、カードをガイドによって制御しながら緊締するようになっていれば、有利な形式で緊締ユニットの運動を、本発明による緊締のためにも利用することができる。このような形式で、個別の駆動装置を、緊締ユニットを挿入方向に搬送するために、また緊締ユニット内でカードを緊締するために駆動することができる。
【0012】
弾性的な部材が板ばねとして構成されていれば、非常に平らな構造形式及び高い緊締力が実現できる。同様に棒ばね(Stabfeder)又はリーフスプリング(Schenkelfeder)を使用することも考えられる。このような関係において有利な実施態様によれば、板ばねが一端部で回転軸に回転可能に支承されており、板ばねを少なくとも1つのガイドによってガイドしている第1の領域が、板ばねの前記一端部とは反対側の端部に配置されていて、第2の領域が回転軸の近くに配置されている。この場合、回転軸は、回転の際に原則として小さい回転角度に亘って空間的に固定されていないようにしなければならない。これは特に、板ばねがこの領域内で所定の軸に回転可能に支承されているのではなく、ここでカードに向かう方向にだけ簡単に押圧されている場合である。1つの板ばねによって得られる緊締力が上昇すると、弾性的な部材の摩擦力が高くなるか、若しくはプリロード(予備荷重)力を制御するガイド内で板ばねの摩擦力が高くなり、緊締ユニットの挿入運動のために必要な駆動装置の駆動力が高くなる。これを避けるために、本発明によれば、板ばねが第2の領域内で、板ばねの、カードに向かう曲げモーメントの方向に延在する屈曲部を有している。この屈曲部は第2の緊締ユニットに直接接触しているか、又は緊締しようとするカードに直接的に接触している。板ばねの屈曲部と、板ばねのガイドされた第1の領域との間の間隔は、ガイド内で載設力を減少させるレバーとして働く。板ばねに屈曲部を設ける代わりに、緊締部の上面に圧刻成形部を設けてもよい。この圧刻成形部は、板ばねのための載設面として用いられる。
【0013】
少なくとも1つの緊締エレメントが、収容しようとするカードに向かって、ほぼ回転しながら下降せしめられ、それによってカードを緊締するようになっていれば、装置の可動な部分の固定が得られる。これに関連して、収容しようとするカードが、緊締エレメントによってトング状に緊締されるようになっていれば、有利である。有利な形式で本発明によれば、このような形式でトング状の緊締システムのてこ比が利用されている。
【0014】
少なくとも1つの緊締エレメントが、収容しようとするカードに向かってほぼ回転しながら下降せしめられ、それによってカードが緊締されるようになっていれば、カードを特に一様に負荷し、かつカードの全平面側に亘っての均一な摩耗を得るために有利である。平行移動運動の下降によって、カードが緊締過程時に優先的な変位方向を有していない、という利点が提供される。
【0015】
本発明の有利な実施態様によれば、有利にはカード収容装置が、カード収容縦穴の隣で側方に配置された2つのガイドを有しており、弾性的な部材例えば板ばねがほぼカード収容縦穴の幅に亘って延在しており、弾性的な部材が第1の領域内で側方に配置された少なくとも2つのガイドエレメントを有しており、弾性的な部材が各1つのガイドエレメントによって、側方に配置されたガイドでそれぞれガイドされている。このような十分に左右対称の構成によって、カード内に常に均一な力が導入されるようになっている。
【0016】
誤操作に対する最大公差のために、ガイドは、カードが挿入方向に移動する際にカードに作用する緊締力が最初は高くなるように、構成されていれば有利である。緊締力は、できるだけ急勾配の特性曲線で上昇するようにすべきである。それによって緊締ユニット内でのカードのスリップは最少長さに減少される。カードの引き込みは、少なくとも1つの電動モータ式の駆動装置によって行われ、この駆動装置は、緊締装置をカードと共に収容装置の挿入方向に駆動する。有利には、本発明によるガイドに基づいて1つの電動モータ式の駆動装置だけを設ければよい。何故ならば緊締過程は有利な形式で緊締ユニットの挿入運動に連結されているからである。本発明による緊締に基づいて初めて、このような平らな構造スペースにカードを全自動式に、かつ確実な操作でカード収容装置内に完全に引き込むことができる。
【0017】
必要な操作確実性は、カード収容装置が、挿入開口と閉鎖部材とを有していて、挿入開口が閉鎖部材によって閉鎖可能であることによって、保証される。また、係止ユニットが前記閉鎖部材を閉鎖位置において係止するようになっていれば、操作を避けるための法律的な規定を十分に満たすことができる。
【0018】
特に粗い誤操作に基づいて駆動装置が破壊されるのを避けるために、駆動装置と緊締ユニットとの間に滑りクラッチが配置されていれば、有利である。
【0019】
カードを粗く不注意に挿入することによって装置が損傷を被るのを避けるために、挿入運動のための駆動装置と緊締ユニットとの間に第2の弾性的な部材が配置されていれば有利である。この第2の弾性的な部材は、カードによって緊締ユニットに外部から導入される力に基づいて緊締ユニットの挿入運動をばね弾性的に受容する。このような形式で場合によっては前記高価な摩擦クラッチを省くことができる。
【0020】
緊締ユニットが、カードに接触して緊締する領域で、少なくとも部分的に摩擦ライニングを備えていれば、緊締の確実性が高くなる。また選択的に、このようにして摩擦係数を高め、ひいてはカードと緊締ユニットとの間の摩擦力を高めるために、緊締面を粗く構成すれば有利である。
【0021】
本発明による課題を解決するために、カード収容装置と共に、カードをカード収容装置内に収容するための方法が提案されており、この方法によれば、第1の運動段階中に、カードをまず手動で挿入開口を通して挿入し、第1の終端位置において緊締ユニットのストッパに達するようにし、第2の運動段階中に、緊締ユニットをカードを介在させて手動で挿入方向にスライドさせ、ガイドが、このガイドによって間接的又は直接的に第1の領域にガイドされた弾性的な部材の第2の領域を、間接的又は直接的にカードに押し付けるようにし、センサによって第2の運動段階の終わりを感知し、第3の運動段階の最初にセンサが駆動装置を制御するようにし、この駆動装置が緊締ユニットを挿入方向に搬送するようにした。この場合、有利な形式で、緊締ユニットは、挿入方向への手動の挿入に抗して、第2の弾性的な部材によってプリロード(予備荷重)がかけられているので、カードが全自動式に挿入される前に、使用者はセンサによって高くなる抵抗を検知することができる。このような手段による利点は、一方では人間工学(アーゴノミックス)的な改善が得られ、他方では、カードを緊締ユニットの後部のストッパに確実に当接させることができるので、終端位置において確実な接触を保証するために、カード位置決めを僅かに修正するだけでよい。カードの端面側を緊締ユニットのストッパに、挿入側で当接させることは特に意味がある。何故ならばカードの接点集合体の位置がカードによって調節されるからである。
【0022】
第1の運動段階中に、まずカードを手動で挿入開口内に挿入し、第1の終端位置においてセンサによって感知し、第2の運動段階の最初にセンサによって駆動装置の制御を開始するようにし、該駆動装置が緊締ユニットを挿入方向に搬送し、その間にガイドが、このガイドによって間接的又は直接的に第1の領域においてガイドされた弾性的な部材の第2の領域を間接的に又は直接的にカードに押し付けるようにすれば、使用者のために操作がより快適なものになる。このようなカード引き込み法において、カードが完全に緊締ユニットの対応する傾斜面に当接しないようにしたい場合は、次いで行われる操作によって装置内におけるカードの位置を修正することができる。これは例えば、挿入平面において側方で入口側の挿入開口を通して実施されるロックによって行うことができる。このロックは、カードに有利な形式でばね弾性的に接触し、終端位置にシフトし、この場合、有利な形式で緊締は予め解除されているので、カードは対応するストッパに押しつけられる。
【0023】
この課題を解決するために、本発明の別の方法によれば、第1の運動段階中に、まずカードを手動で挿入開口内に挿入し、第1の終端位置においてセンサによって感知し、ガイドを挿入方向に移動可能し、センサが駆動装置の制御を開始するようにし、該駆動装置がガイドを挿入方向で移動させて、緊締ユニットがカードを緊締するようにし、この場合、ガイドが、このガイドによって間接的又は直接的に第1の領域においてガイドされた弾性的な部材の第2の領域を間接的に又は直接的にカードに押し付けるようにし、第3の運動段階中に緊締ユニットがカードを挿入方向に搬送するようにした。
【0024】
緊締が第4の運動段階中に、カードを精確に位置決めするためにカードによって解除され、カードが接点集合体に精確に位置決めされ、それによって、次いで行われるデータ伝達の段階が間違いなしに行われるようにすれば、データ伝達のためにカードを特に確実に接触させることができる。このために有利には、カードは、緊締解除後に精確位置決め部材によって終端位置に、特に終端位置においてケーシングに固定して設けられたストッパに搬送される。この場合、別の実施態様では、カードを、このカードの入口側の端面側又はそれに続く角隅部或いは丸味部で以て、挿入方向で、終端位置にあるケーシング固定されたストッパに押しつける精確位置決め部材が有利であることが分かった。また有利には、精確位置決め部材の機能はロックユニットの機能と組み合わせることができる。ロックユニットは有利な形式で2つのロックエレメントを有しており、これらのロックエレメントは、両側から装置の収容開口内に侵入し、既にケーシング内に存在するカードの、入口側の両角隅部に接触し、終端位置に押しつけるか若しくは搬送するようになっている。
【0025】
以下に図面を用いて本発明を詳しく説明する。
【0026】
図1は、緊締ユニットの斜視図、
図2A,図2B,図3A,図3B,図4A,図4B,図5A,図5Bは、カードを収容する異なる段階における、それぞれ本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、それぞれ図2C,図3C,図4C,図5Cに示したG−G線若しくはF−F線に沿った縦断面図、
図2C,図3C,図4C,図5Cは、それぞれ本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の平面図である。
【0027】
図1には、カード収容装置1の緊締ユニット2及び隣接する構造群が示されている。主要な構成部分は、側方のサポート2a,2b、第1の緊締エレメント4、挿入平面16内に配置されたカード収容縦穴15を包囲する第2の緊締エレメント11、第1の弾性的な部材8若しくは板ばね12、駆動装置の歯付きラックである。
【0028】
以下の図面にも示されているように、緊締ユニット3は、滑り軸受されていて、側方のサポート2a,2bによってベースサポート50に対して相対的に、緊締ユニット3の側方に配置されたガイド42a,42bに沿って内方に向かう挿入方向24に線(linear;リニア)状にしゅう動可能である。
【0029】
緊締ユニットは、トング(Zangen;やっとこ)状に第1の緊締エレメント4をカード5の第1の面側6に当接させ、かつ第2の緊締エレメント11をカード5の第2の面側7に当接させて、挿入されたカード5を把持する。
【0030】
第1の緊締エレメント4は、緊締ユニット3に取り付けられていて、回転軸13で回転可能に支承されている。この取付けは、主に、緊締ユニット3の堅固な構成部分である2つの保持部材41a,4bによる保持によって行われる。同様に、第1の弾性的な部材8若しくは板ばね12は回転軸13に回転可能に支承されており、この第1の弾性的な部材8若しくは板ばね12は、同様の形式で保持部材41a,41bによって緊締ユニット3に固定されている。
【0031】
板ばね12は、挿入方向24で入口側に配置された第1の領域9と、挿入方向で終端側に配置された第2の領域10とを有している。第1の領域9において板ばね12は、カード5のための挿入領域の両側で翼状に突き出すガイドエレメント35a,35bを有している。ガイドエレメント35a,35bによって、第1の領域9はガイド42a,42b内で、挿入方向24におけるガイド42a,42bに対する板ばね12の相対運動が、収容しようとするカード5に対して間隔を保つ方向で第1の領域9のガイドされた運動を生ぜしめるように、ガイドされている。それによってガイド42a,42bは次のような2重の機能を有している。つまりガイド42a,42bは、挿入方向24で緊締ユニット3の平行移動運動(並進運動)を生ぜしめる機能と、カード5に対して若しくは挿入平面16に対して垂直方向で間隔を保つ方向で、第1の緊締エレメント4若しくは板ばね12の緊締運動を生ぜしめる機能とを有している。第2の領域10において板ばね12は回転軸13で回転可能に支承されている。また第2の領域10内において板ばね12は、収容しようとするカード5若しくは第2の緊締エレメント11に向かって突き出す屈曲部14を備えている。この屈曲部14は、ガイド42a,42bの圧力を受けて板ばね12を第2の緊締エレメント11に押し付ける。第2の緊締エレメント11は、カード5の第1の面側6に当接して、カード5を第1の緊締エレメント4と協働することによって緊締する。
【0032】
緊締ユニット3の第2の緊締エレメント11は、側方のサポート2a,2bと一体的に構成されているので、第2の緊締エレメント11は挿入方向の範囲内で、側方のガイド42a,42bに沿った純粋な平行移動運動を行う。
【0033】
第2の緊締エレメント11は入口側で導入斜面31を備えているので、不正確に導入されたカード5も第1の緊締エレメント4と第2の緊締エレメント11との間に達するようになっている。同様に、第1の緊締エレメント4も導入斜面32を備えている。第1の緊締エレメント4は挿入方向24に延びる第1の延長部33を有しており、この第1の延長部33において、歯付きラック30が第2の弾性的な部材43によってばね弾性的に、かつ線状に支承されている。第2の弾性的な部材43のばねストロークは、カード5が、緊締ユニット3の終端部側に配置されたストッパ34に向かってスライドせしめられると、緊締ユニット3を挿入方向24に撓ませるようになっている。
【0034】
図2A〜図2Cでは、カード収容装置1の緊締ユニット3が隣接する構造群と共に、カード5の挿入運動の種々異なる段階において示されている。
【0035】
緊締ユニット3と隣接する構造群とはベースプレート40に組み付けられており、このベースプレート40上に、各構成部分のための種々異なる受容部材がアウトサート技術(outserttechnik;外折り技術)で射出成形によって取り付けられている。特に、緊締ユニット3をベースサポート40において滑り軸受しながらガイド運動させるためのガイドエレメント16a,16bは、アウトサート技術でベースサポート40に取り付けられている。
【0036】
図2A,図2B,図2Cは、挿入方向24で終端部側に配置されたストッパ34まで挿入されたカード5における配置を示している。挿入方向24で入口側において第1の領域9の両側に設けられたガイド翼35a,35bは、この運動段階においてまだ曲げ負荷にさらされていない。ガイド42a,42bは、それぞれ始端側斜面36a,36bと、板ばね12のガイドエレメント35a,35bのための終端側斜面37a,37bとを備えている。板ばね12のガイドエレメント35a,35bは、始端側斜面36a,36bに接触する。伝動装置45は、特に、歯付きラック30と駆動歯車17と滑子案内47とその他の伝動構成エレメントとを有している。
【0037】
図3A,図3B,図3Cに示された運動段階において緊締ユニット3は、カード5によって手動で挿入方向24にスライドせしめられている。この場合、板ばね12の両側に配置されたガイドエレメント35a,35bは始端側斜面36a,36bに沿ってガイド42a,42bでガイドされるので、板ばね12は挿入されたカード5に対して間隔を保つ方向に押し付けられる。屈曲部14は第1の緊締エレメント4をカード5に押し付ける。手動によるカードのさらなるスライドは、第2の弾性的な部材43の、センサによって感知される抵抗に抗して行われる。この第2の弾性的な部材43は、接続された伝動構成部材が損傷を受けるのを阻止する。
【0038】
カード5が挿入され、かつ緊締されると、図示していないセンサが、カード5の存在を確認し、図示していない駆動装置が、伝動装置45によって緊締ユニット3を挿入方向24で引き込む作業を開始する。
【0039】
図4A,図4B,図4Cに示した運動段階において、カード5の引き込みはほぼ終了されている。カード5の緊締は、解除の直前状態にある。
【0040】
図5A,図5B,図5Cに示された運動段階において、カード5は完全に装置内に引き込まれ、板ばね12のガイドエレメント35a,35bは、それぞれ終端側斜面37a,37bに沿ってスライドするので、板ばね12及び第2の緊締エレメント11によるカード5の緊締は解除されている。次いで行われる図示していない作業段階で、カード5の精密位置決めは、装置内の適当なスラストエレメントによって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】緊締ユニットの斜視図である。
【図2A】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図2CのG−G線に沿った縦断面図である。
【図2B】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図2CのF−F線に沿った縦断面図である。
【図2C】本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の平面図である。
【図3A】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図3CのG−G線に沿った縦断面図である。
【図3B】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図3CのF−F線に沿った縦断面図である。
【図3C】本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の平面図である。
【図4A】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図4CのG−G線に沿った縦断面図である。
【図4B】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図4CのF−F線に沿った縦断面図である。
【図4C】本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の平面図である。
【図5A】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図5CのG−G線に沿った縦断面図である。
【図5B】カードを収容する異なる段階における、本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の、図5CのF−F線に沿った縦断面図である。
【図5C】本発明による緊締ユニット及び隣接する構造群の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード収容装置(1)であって、少なくとも1つのガイド(42a,42b)と、少なくとも1つの緊締エレメント(4)を備えた緊締ユニット(3)とを有しており、該緊締ユニット(3)が、互いに逆向きの両面側(6,7)を有するカード(5)の一方の面側(6)を、少なくとも1つのガイド(42a,42b)に対する緊締ユニット(3)の相対運動時に、少なくとも1つのガイド(42a,42b)によって制御しながら緊締するようになっている形式のものにおいて、
緊締ユニット(3)が、第1の領域(9)と第2の領域(10)とを備えた少なくとも1つの第1の弾性的な部材(8)を有しており、該弾性的な部材(8)が、少なくとも1つの第1の領域(9)で以て間接的に又は直接的に、少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドされていて、少なくとも1つの第2の領域(10)によって間接的に又は直接的にカード(5)を緊締するようになっていることを特徴とする、カード収容装置。
【請求項2】
第1の弾性的な部材(8)が、第1の緊締エレメント(11)の一部として構成されていて、第1の領域(9)で以て少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドされていて、カード(5)を、第1の緊締エレメント(4)と協働して少なくとも1つの第2の領域(10)によって緊締する、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項3】
緊締ユニット(3)が少なくとも1つの第2の緊締エレメント(11)を有しており、弾性的な部材(8)の第2の領域(10)が第1の緊締エレメント(4)に接触し、緊締過程中に、第1の緊締エレメント(4)が第2の緊締エレメント(11)と共に、収容しようとするカード(5)を互いに逆向きの両面側(6,7)において緊締するように、カード(5)を押圧するようになっている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項4】
緊締ユニット(3)は、この緊締ユニット(3)がカード収容装置(1)の挿入方向(24)に移動する際に、カード(5)を少なくとも1つのガイド(42a,42b)によって制御しながら緊締するようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項5】
弾性的な部材が板ばね(12)である、請求項1から4までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項6】
板ばね(12)が一端部で回転軸(13)に回転可能に支承されており、板ばね(12)を少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドしている第1の領域(9)が、板ばね(12)の前記一端部とは反対側の端部に配置されていて、第2の領域(10)が回転軸(13)の近くに配置されている、請求項5記載のカード収容装置。
【請求項7】
板ばね(12)が第2の領域(10)内で、板ばね(12)の、カード(5)に向かう曲げモーメントの方向に延在する屈曲部(14)を有している、請求項6記載のカード収容装置。
【請求項8】
少なくとも1つの緊締エレメント(4)が、収容しようとするカード(5)に向かって、ほぼ回転しながら下降せしめられ、それによってカード(5)を緊締するようになっている、請求項1から7までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項9】
収容しようとするカード(5)が、緊締エレメント(4,11)によってトング状に緊締されるようになっている、請求項1から8までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項10】
少なくとも1つの緊締エレメント(4)が、収容しようとするカード(5)に向かってほぼ回転しながら下降せしめられ、それによってカード(5)が緊締されるようになっている、請求項1から9までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項11】
少なくとも1つの緊締エレメント(4)が回転軸(13)を中心にして回転可能に支承されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項12】
カード収容装置(1)が、カード収容縦穴(15)の隣で側方に配置された2つのガイド(42a,42b)を有しており、弾性的な部材(8)がほぼカード収容縦穴(15)の幅に亘って延在しており、弾性的な部材(8)が第1の領域(9)内で側方に配置された少なくとも2つのガイドエレメント(35a,35b)を有しており、弾性的な部材(8)が各1つのガイドエレメント(35a,35b)によって、側方に配置されたガイド(42a,42b)でそれぞれガイドされている、請求項1から11までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項13】
ガイド(42a,42b)は、カード(5)が挿入方向(24)に移動する際にカード(5)に作用する緊締力が最初は高くなるように、構成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項14】
カード収容装置(1)が電動モータ式の駆動装置を有していて、該駆動装置によってカード(5)の挿入運動が少なくとも部分的に駆動可能である、請求項1から13までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項15】
カード(5)がカード収容装置(1)内に完全に引き込み可能である、請求項1から14までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項16】
カード収容装置(1)が、挿入開口と閉鎖部材とを有していて、挿入開口が閉鎖部材によって閉鎖可能である、請求項15記載のカード収容装置。
【請求項17】
カード収容装置(1)が少なくとも1つの係止ユニットを有していて、前記閉鎖部材が閉鎖位置において係止ユニットによって係止可能である、請求項16記載のカード収容装置。
【請求項18】
駆動装置と緊締ユニット(3)との間に滑りクラッチが配置されている、請求項1から17までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項19】
緊締ユニット(3)が、カード(5)に接触して緊締する領域で、少なくとも部分的に摩擦ライニングを備えている、請求項1から18までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか1項記載のカード収容装置内にカード(5)を収容するための方法において、
第1の運動段階中に、カード(5)をまず手動で挿入開口を通して挿入し、第1の終端位置において緊締ユニット(3)のストッパ(34)に達するようにし、第2の運動段階中に、カード(5)を用いて手動で緊締ユニット(3)を挿入方向(24)にスライドさせ、ガイド(42a,42b)が、このガイド(42a,42b)によって間接的又は直接的に第1の領域(9)にガイドされた弾性的な部材(8)の第2の領域(10)を、間接的又は直接的にカード(5)に押し付けるようにし、センサによって第2の運動段階の終わりを感知し、第3の運動段階の最初にセンサが駆動装置を制御するようにし、この駆動装置が緊締ユニット(3)を挿入方向(24)に搬送するようにすることを特徴とする、カード収容装置。
【請求項21】
請求項1から19までのいずれか1項記載のカード収容装置にカード(5)を収容させるための方法において、
第1の運動段階中にカード(5)をまず挿入開口内に手動で挿入し、第1の終端位置においてセンサによって感知し、第2の運動段階の最初にセンサによって駆動装置の制御を開始するようにし、この駆動装置が緊締ユニット(3)を挿入方向(24)に搬送し、その間にガイド(42a,42b)が、ガイド(42a,42b)によって間接的に又は直接的に第1の領域(9)にガイドされた弾性的な部材(8)の第2の領域(10)を間接的に又は直接的にカード(5)に押し付けることを特徴とする、カード収容装置にカードを収容させるための方法。
【請求項22】
請求項1から19までのいずれか1項記載のカード収容装置にカード(5)を収容させるための方法において、
第1の運動段階中に、まずカード(5)を手動で挿入開口内に挿入し、第1の終端位置においてセンサによって感知し、ガイド(42a,42b)を挿入方向(24)に移動可能し、センサが駆動装置の制御を開始するようにし、該駆動装置がガイド(42a,42b)を挿入方向で移動させて、緊締ユニット(3)がカードを緊締するようにし、この場合、ガイド(42a,42b)が、このガイド(42a,42b)によって間接的又は直接的に第1の領域(9)においてガイドされた弾性的な部材(8)の第2の領域(10)を間接的に又は直接的にカード(5)に押し付けるようにし、第3の運動段階中に緊締ユニット(3)がカード(5)を挿入方向(24)に搬送するようにすることを特徴とする、カード収容装置にカードを収容させるための方法。
【請求項23】
第4の運動段階中にカード(5)の緊締を解除し、カード(5)を接点集合体に精確に位置決めする、請求項21又は22記載の方法。
【請求項24】
カード(5)の緊締解除後に、カード(5)を精確位置決め部材によって、カード(5)の入口側の端面又は入口側の角隅部において挿入方向(24)で終端位置のケーシング固定されたストッパに押し付けるようにする、請求項23記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード収容装置(1)であって、少なくとも1つのガイド(42a,42b)と、少なくとも1つの緊締エレメント(4)を備えた緊締ユニット(3)とを有しており、該緊締ユニット(3)が、互いに逆向きの両面側(6,7)を有するカード(5)の一方の面側(6)を、少なくとも1つのガイド(42a,42b)に対する緊締ユニット(3)の相対運動時に、少なくとも1つのガイド(42a,42b)によって制御しながら緊締するようになっており、緊締ユニット(3)が、第1の領域(9)と第2の領域(10)とを備えた少なくとも1つの第1の弾性的な部材(8)を有しており、該弾性的な部材(8)が、少なくとも1つの第1の領域(9)で以て間接的に又は直接的に、少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドされていて、少なくとも1つの第2の領域(10)によって間接的に又は直接的にカード(5)を緊締する形式のものにおいて、
カード収容装置(1)が電動モータ式の駆動装置を有していて、該駆動装置によってカード(5)の挿入運動が少なくとも部分的に駆動可能であり、少なくとも1つの緊締エレメント(4)が回転軸(13)を中心にして回転可能に支承されていて、収容しようとするカード(5)が、緊締エレメント(4,11)によってトング状に緊締されるようになっていることを特徴とする、カード収容装置。
【請求項2】
第1の弾性的な部材(8)が、第1の緊締エレメント(11)の一部として構成されていて、第1の領域(9)で以て少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドされていて、カード(5)を、第1の緊締エレメント(4)と協働して少なくとも1つの第2の領域(10)によって緊締する、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項3】
緊締ユニット(3)が少なくとも1つの第2の緊締エレメント(11)を有しており、弾性的な部材(8)の第2の領域(10)が第1の緊締エレメント(4)に接触し、緊締過程中に、第1の緊締エレメント(4)が第2の緊締エレメント(11)と共に、収容しようとするカード(5)を互いに逆向きの両面側(6,7)において緊締するように、カード(5)を押圧するようになっている、請求項1記載のカード収容装置。
【請求項4】
緊締ユニット(3)は、この緊締ユニット(3)がカード収容装置(1)の挿入方向(24)に移動する際に、カード(5)を少なくとも1つのガイド(42a,42b)によって制御しながら緊締するようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項5】
弾性的な部材が板ばね(12)である、請求項1から4までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項6】
板ばね(12)が一端部で回転軸(13)に回転可能に支承されており、板ばね(12)を少なくとも1つのガイド(42a,42b)によってガイドしている第1の領域(9)が、板ばね(12)の前記一端部とは反対側の端部に配置されていて、第2の領域(10)が回転軸(13)の近くに配置されている、請求項5記載のカード収容装置。
【請求項7】
板ばね(12)が第2の領域(10)内で、板ばね(12)の、カード(5)に向かう曲げモーメントの方向に延在する屈曲部(14)を有している、請求項6記載のカード収容装置。
【請求項8】
少なくとも1つの緊締エレメント(4)が、収容しようとするカード(5)に向かって、ほぼ回転しながら下降せしめられ、それによってカード(5)を緊締するようになっている、請求項1から7までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項9】
少なくとも1つの緊締エレメント(4)が、収容しようとするカード(5)に向かってほぼ回転しながら下降せしめられ、それによってカード(5)が緊締されるようになっている、請求項1から8までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項10】
カード収容装置(1)が、カード収容縦穴(15)の隣で側方に配置された2つのガイド(42a,42b)を有しており、弾性的な部材(8)がほぼカード収容縦穴(15)の幅に亘って延在しており、弾性的な部材(8)が第1の領域(9)内で側方に配置された少なくとも2つのガイドエレメント(35a,35b)を有しており、弾性的な部材(8)が各1つのガイドエレメント(35a,35b)によって、側方に配置されたガイド(42a,42b)でそれぞれガイドされている、請求項1から9までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項11】
ガイド(42a,42b)は、カード(5)が挿入方向(24)に移動する際にカード(5)に作用する緊締力が最初は高くなるように、構成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項12】
カード(5)がカード収容装置(1)内に完全に引き込み可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項13】
カード収容装置(1)が、挿入開口と閉鎖部材とを有していて、挿入開口が閉鎖部材によって閉鎖可能である、請求項12記載のカード収容装置。
【請求項14】
カード収容装置(1)が少なくとも1つの係止ユニットを有していて、前記閉鎖部材が閉鎖位置において係止ユニットによって係止可能である、請求項13記載のカード収容装置。
【請求項15】
駆動装置と緊締ユニット(3)との間に滑りクラッチが配置されている、請求項1から14までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項16】
緊締ユニット(3)が、カード(5)に接触して緊締する領域で、少なくとも部分的に摩擦ライニングを備えている、請求項1から15までのいずれか1項記載のカード収容装置。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項記載のカード収容装置内にカード(5)を収容するための方法において、
第1の運動段階中に、カード(5)をまず手動で挿入開口を通して挿入し、第1の終端位置において緊締ユニット(3)のストッパ(34)に達するようにし、第2の運動段階中に、カード(5)を用いて手動で緊締ユニット(3)を挿入方向(24)にスライドさせ、ガイド(42a,42b)が、このガイド(42a,42b)によって間接的又は直接的に第1の領域(9)にガイドされた弾性的な部材(8)の第2の領域(10)を、間接的又は直接的にカード(5)に押し付けるようにし、センサによって第2の運動段階の終わりを感知し、第3の運動段階の最初にセンサが駆動装置を制御するようにし、この駆動装置が緊締ユニット(3)を挿入方向(24)に搬送するようにすることを特徴とする、カード収容装置。
【請求項18】
請求項1から16までのいずれか1項記載のカード収容装置にカード(5)を収容させるための方法において、
第1の運動段階中にカード(5)をまず挿入開口内に手動で挿入し、第1の終端位置においてセンサによって感知し、第2の運動段階の最初にセンサによって駆動装置の制御を開始するようにし、この駆動装置が緊締ユニット(3)を挿入方向(24)に搬送し、その間にガイド(42a,42b)が、ガイド(42a,42b)によって間接的に又は直接的に第1の領域(9)にガイドされた弾性的な部材(8)の第2の領域(10)を間接的に又は直接的にカード(5)に押し付けることを特徴とする、カード収容装置にカードを収容させるための方法。
【請求項19】
請求項1から16までのいずれか1項記載のカード収容装置にカード(5)を収容させるための方法において、
第1の運動段階中に、まずカード(5)を手動で挿入開口内に挿入し、第1の終端位置においてセンサによって感知し、ガイド(42a,42b)を挿入方向(24)に移動可能し、センサが駆動装置の制御を開始するようにし、該駆動装置がガイド(42a,42b)を挿入方向で移動させて、緊締ユニット(3)がカードを緊締するようにし、この場合、ガイド(42a,42b)が、このガイド(42a,42b)によって間接的又は直接的に第1の領域(9)においてガイドされた弾性的な部材(8)の第2の領域(10)を間接的に又は直接的にカード(5)に押し付けるようにし、第3の運動段階中に緊締ユニット(3)がカード(5)を挿入方向(24)に搬送するようにすることを特徴とする、カード収容装置にカードを収容させるための方法。
【請求項20】
第4の運動段階中にカード(5)の緊締を解除し、カード(5)を接点集合体に精確に位置決めする、請求項18又は19記載の方法。
【請求項21】
カード(5)の緊締解除後に、カード(5)を精確位置決め部材によって、カード(5)の入口側の端面又は入口側の角隅部において挿入方向(24)で終端位置のケーシング固定されたストッパに押し付けるようにする、請求項20記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−525560(P2006−525560A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500072(P2006−500072)
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003081
【国際公開番号】WO2004/100055
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】