説明

カード型記憶媒体の収納ケース

【解決課題】カード型記憶媒体を多数保管しておくことが可能な手段を提供すること。
【解決手段】下側ケース部材の上に、上側ケース部材を合わせることにより、内部にカード型記憶媒体を収納するための収納ケース部となる下側ケース部材及び上側ケース部材を有し、該収納ケース部の第三辺側には、長手方向に延びる第一張り出し部材が付設され、且つ、該収納ケース部の第四辺側には、長手方向に延びる第二張り出し部材が付設されていること、を特徴とするカード型記憶媒体の収納ケース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDメモリーカード、マルチメディアカード(MMC)等のカード型の記憶媒体を収納するためのカード型記憶媒体の収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、携帯用音楽プレーヤー、ノート型パソコン等の携帯可能な電子機器の記憶媒体として、SDメモリーカード、マルチメディアカード(MMC)等のカード型の記憶媒体が用いられている。
【0003】
そして、次々に多数のデータを、多数のカード型記憶媒体に保存する場合、データが保存された多数のカード型記憶媒体を、順序良く整理して保管しておく必要がある。
【0004】
多数のカード型記憶媒体を保管しておく手段としては、例えば、特開2001−56843号公報(特許文献1)に、メモリカード、メモリカード用の保護ケース及びメモリカード入り保護ケースを被収納体とするメモリカード収納具において、共通の底板と、前記底板に沿って列をなすように並べられ、かつ前記被収納体を、その一部を露出させた状態で1つずつ収納する複数のカード収納部と、前記複数のカード収納部が、互いに離間し、かつ前記底板に対して略同一角度で傾斜する第1傾斜状態と、底板に沿って互いに重なり合う第2傾斜状態との間で傾きを変え得るように、各カード収納部を底板に曲げ可能に接続する複数の接続部とを備えることを特徴とするメモリカード収納具が開示されている。
【0005】
また、特開2007−128264号公報(特許文献2)には、外装と、複数のメモリカードを収納可能な前記外装内の収納部と、収納された前記メモリカードと電気的に接続し、かつ前記メモリカードを前記収納部内で把持する電気接続部と、前記電気接続部を前記収納部で支持する支持部材とを備えたメモリカードケースであって、前記電気接続部が前記メモリカードを把持する部位において、前記支持部材及び前記電気接続部の両面は、前記外装の内面から離間しており、前記支持部材の長手方向の両端部が、前記外装の対向する側壁に結合されていることを特徴とするメモリカードケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−56843号公報(特許請求の範囲、図1、図2)
【特許文献2】特開2007−128264号公報(特許請求の範囲、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示されているメモリカードの保護ケースでは、カード型記憶媒体の保護が不十分であるため、メモリカードが破損するおそれがあった。
【0008】
また、特許文献2に開示されているメモリカードケースでは、メモリカードが、カードケース内の収納部で把持されるため、メモリカードの破損のおそれはないが、メモリカードの保管数に制限があり、多数のメモリカードを保管することはできなかった。
【0009】
従って、本発明の課題は、カード型記憶媒体を多数保管しておくことが可能な手段を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明は、下側ケース部材の上に、上側ケース部材を合わせることにより、内部にカード型記憶媒体を収納するための収納ケース部となる下側ケース部材及び上側ケース部材を有し、
該収納ケース部の平面形状が、略長方形又は略正方形であり、
該上側ケース部材が開閉自在となるように、該収納ケース部の第一辺側で、上側ケース部材と下側ケース部材とが連結しており、
該上側ケース部材と該下側ケース部材には、該上側ケース部材を該下側ケース部材に合わせたときに、該上側ケース部材と該下側ケース部材とを固定するための固定手段が設けられており、
該収納ケース部の第三辺側には、長手方向に延びる第一張り出し部材が付設され、且つ、該収納ケース部の第四辺側には、長手方向に延びる第二張り出し部材が付設されていること、
を特徴とするカード型記憶媒体の収納ケースを提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カード型記憶媒体を多数保管しておくことが可能なカード型記憶媒体の収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のカード型記記憶媒体の収納ケースの模式的な平面図である。
【図2】図1中のカード型記憶媒体の収納ケースの側面図である。
【図3】図1中のカード型記憶媒体の収納ケースをx−x線で切ったときの断面図である。
【図4】図1中のカード型記憶媒体の収納ケースの上側ケース部材を開閉する様子を示す斜視図である。
【図5】図1中のカード型記憶媒体の上側ケース部材を閉じた状態を示す図である。
【図6】把持部材及び突起部材を説明するための模式的な図であり、把持部材にSDメモリーカードが把持される様子を示す模式的な斜視図である。
【図7】把持部材にSDメモリーカードが把持されている状態を示す模式的な平面図である。
【図8】図7中のy−y線で切ったときの断面図である。
【図9】図7中のz−z線で切ったときの断面図である。
【図10】カード型記憶媒体の収納ケース1の使用方法を示す模式的な平面図である。
【図11】カード型記憶媒体の収納ケース1の使用方法を示す模式的な斜視図である。
【図12】図10中のシート側張り出し部の近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のカード型記憶媒体の収納ケースについて、図1〜図5を参照して説明する。図1は、本発明のカード型記記憶媒体の収納ケースの模式的な平面図であり、収納ケースの上側ケース部材を180°開けた状態を示す図である。図2は、図1中のカード型記憶媒体の収納ケースの側面図である。図3は、図1中のカード型記憶媒体の収納ケースをx−x線で切ったときの断面図である。図4は、図1中のカード型記憶媒体の収納ケースの上側ケース部材を開閉する様子を示す斜視図である。図5は、図1中のカード型記憶媒体の上側ケース部材を閉じた状態を示す図であり、図5中、(A)が平面図、(B)が左側面図、(C)が底面図、(D)が正面図、(E)が背面図である。
【0014】
図1〜図3に示すように、カード型記憶媒体の収納ケース1は、下側ケース部材2と、下側ケース部材2の上に合わさる上側ケース部材11とを有する。この下側ケース部材2は、底面4と、底面4の周囲に形成される側壁である下側ケース部材の第一側壁5、第二側壁6、第三側壁7及び第四側壁8と、からなる。また、上側ケース部材11は、上面111と、上面111の周囲に形成される側壁である上側ケース部材の第一側壁12、第二側壁13、第三側壁14及び第四側壁15と、からなる。
【0015】
そして、下側ケース部材2を、上側ケース部材11に合わせることにより、つまり、下側ケース部材2と上側ケース部材11の側壁同士を重ね合わせることにより、内部にカード型記憶媒体を保管するための収納ケース部となる。
【0016】
下側ケース部材2及び上側ケース部材11の平面形状、すなわち、下側ケース部材2及び上側ケース部材11を平面視したとき(図2において、上側から見たとき)の下側ケース部材2及び上側ケース部材11の外形は、略長方形又は略正方形である。言い換えると、平面視したときの収納ケース部の外形は、略長方形又は略正方形である。
【0017】
上側ケース部材の第一側壁12と下側ケース部材の第一側壁5とは、連結部18で繋がっている。このとき、図4に示すように、上側ケース部材11が、開閉自在となるように、連結部18で、上側ケース部材11と下側ケース部材2とが繋がっている。なお、図1に示す形態例は、板状の連結部で、上側ケース部材と下側ケース部材とが連結されている形態例であるが、本発明では、上側ケース部材と下側ケース部材との連結形態は、これに限定されず、上側ケース部材が開閉自在となるように、上側ケース部材と下側ケース部材とが連結されていればよい。また、本発明において、上側ケース部材11と下側ケース部材2とを繋ぐ連結部が設けられている側の側壁を第一側壁と呼ぶ。
【0018】
上側ケース部材の第一側壁12の反対側である上側ケース部材の第二側壁13側及び下側ケース部材の第一側壁5の反対側である上側ケース部材の第二側壁6側には、上側ケース部材11を下側ケース部材2に合わせて閉じたときに、上側ケース部材11が開かないように、上側ケース部材11と下側ケース部材2とを固定するために、下側ケース部材2には固定部材16が付設されており、且つ、上側ケース部材11には固定部材16が嵌め込まれる嵌め込み部17が形成されている。そして、図5中に示すように、上側ケース部材11を閉じた状態、すなわち、下側ケース部材2の上に上側ケース部材11を合わせて、すなわち、下側ケース部材2と上側ケース部材11の側壁同士を重ね合わせた状態で、固定部材16の嵌め込み口161が、嵌め込み部17に嵌め込まれることにより、上側ケース部材11と下側ケース部材2とが固定される。なお、図1に示す形態例は、下側ケース部材2に固定部材16を付設し、それを上側ケース部材11に形成されている嵌め込み部17に嵌め込むことにより、上側ケース部材11と下側ケース部材2とが固定される形態例であるが、本発明では、上側ケース部材と下側ケース部材とを固定できる形態であれば、固定手段としては、特に制限されない。また、本発明において、第一側壁の反対側とは、上側ケース部材又は下側ケース部材を平面視したときに、長方形又は正方形の中心に対して第一側壁の反対側という意味である。
【0019】
下側ケース部材の第三側壁7には、第一張り出し部材9が付設されている。第一張り出し部材9は、平面視したときに、下側ケース部材2の外縁から外に向かって張り出しており、且つ、第三側壁7の長手方向に延びている。また、下側ケース部材の第四側壁8には、第二張り出し部材10が付設されている。第二張り出し部材10は、平面視したときに、下側ケース部材2の外縁から外に向かって張り出しており、且つ、第四側壁8の長手方向に延びている。つまり、下側ケース部材2の上に上側ケース部材11を合わせた状態の収納ケース部を平面視したときに、収納ケース部の外縁から外に向かって、第一張り出し部材9及び第二張り出し部材10が張り出している。なお、本発明において、下側ケース部材2の第三側壁及び第四側壁とは、下側ケース部材を平面視したときに、第一側壁及び第二側壁と略垂直な長方形又は正方形の2つの辺であり、第四側壁は、長方形又は正方形の中心に対して第三側壁の反対側に位置する。
【0020】
図1に示す形態例は、第一張り出し部材9及び第二張り出し部材10が、カード型記憶媒体の収納ケース1の収納ケース部の側壁の短手方向(長手方向に垂直な方向)の最下部に付設される形態例であるが、本発明では、第一張り出し部材及び第二張り出し部材が付設される収納ケース部の短手方向の位置(図2中、上下方向の位置)は、後述する収納ケースホルダーシートの形状により、適宜選択される。
【0021】
カード型記憶媒体の収納ケース1では、下側ケース部材2の底面4に、カード型記憶媒体を把持するための把持部材21が付設されている。また、下側ケース部材2を平面視したときに、把持部材21の内側には、突起部材22が付設されている。把持部材及び突起部材について、図6〜図9を参照して説明する。図6は、把持部材及び突起部材を説明するための模式的な図であり、把持部材にSDメモリーカードが把持される様子を示す模式的な斜視図である。図7は、把持部材にSDメモリーカードが把持されている状態を示す模式的な断面図である。図8は、図7中のy−y線で切ったときの断面図である。図9は、図7中のz−z線で切ったときの断面図であり、図9中(A)は、SDメモリーカードが把持部材に把持されている状態を示す図であり、また、図9中(B)は、SDメモリーカーが把持部材から外れた状態を示す図である。なお、図6〜図9では、把持部材及び突起部材と、把持部材に把持されるSDメモリーカードのみを示している。
【0022】
図6〜図9に示すように、把持部材21(21a、21b、21c)は、下側ケース部材2の底面4に付設されている。そして、把持部材21の壁面の内側の形状、すなわち、SDメモリーカード30を把持する側の壁面の形状は、把持するSDメモリーカード30の外形に合わせて、SDメモリーカード30を把持できるような形状である。なお、本発明では、把持部材の形状は、把持するカード型記憶媒体の外形により、適宜選択される。
【0023】
把持部材21の壁面のうち、SDメモリーカード30側の壁面には、SDメモリーカード30の把持力を高めるために、SDメモリーカード30と接触する凸部が形成されていてもよい。
【0024】
突起部材22(22a、22b)は、把持部材21の内側の下側ケース部材2の底面4に付設されている。なお、本発明において、把持部材の内側とは、下側ケース部材を平面視したときに、把持部材の内側という意味である。そして、図9に示すように、把持部材21に把持されているSDメモリーカード30の一端25付近を、上から指で押し込むことにより(図9中(A))、てこの原理により、突起部材22aが支点、SDメモリカード30の一端25付近が力点となって、SDメモリーカードの反対側の一端26側が、把持部材21から外れる(図9中(B))。
【0025】
図1に示す形態例では、把持部材22に把持されているSDメモリーカード30の一端25付近を、指で押し込み易くするために、押し込み位置近傍には、把持部材22が付設されていない。なお、本発明では、このような把持部材の未付設部分がなくとも、突起部材の付設位置により、てこの原理でSDメモリーカード30を把持部材22から外すことができる形態例であれば、あるいは、SDメモリーカード30を、2本の指で両側から挟んで、把持部材22から外す形態例であれば、押し込み位置近傍にも把持部材が付設されていてもよい。
【0026】
図1に示す形態例では、SDメモリーカード30を、2本の指で両側から挟んで、把持部材22から外せるように、SDメモリーカード30の両側の2本の指で挟む位置近傍には、把持部材22は付設されていない。なお、このような把持部材の未付設部分がなくとも、てこの原理でSDメモリーカード30を把持部材22から外すことができる形態例であれば、図1中の2本の指で挟む位置近傍にも把持部材が付設されていてもよい。
【0027】
なお、把持部材の高さ(図8の上下方向の長さ)及び突起部材の高さ(図8の上下方向の長さ)は、把持されるカード型記憶媒体の厚み及びカード型記憶媒体の収納ケースの厚みにより、適宜選択される。
【0028】
図1に示す形態例は、把持部材が、下側ケース部材の底面に付設されている形態例であるが、本発明では、把持部材が付設されていなくてもよい。また、図1に示す形態例は、突起部材が、下側ケース部材の底面に付設されている形態例であるが、本発明では、突起部材が付設されていなくてもよい。
【0029】
次に、カード型記憶媒体の収容ケース1の使用方法について、図10〜図12を参照して説明する。図10は、カード型記憶媒体の収納ケース1の使用方法を示す模式的な平面図である。図11は、カード型記憶媒体の収納ケース1の使用方法を示す模式的な斜視図である。図12は、図10中のシート側張り出し部近傍の拡大図である。
【0030】
図10中、収納ケースホルダーシート31は、カード型記憶媒体の収納ケース1を多数保管するためのシートであり、ひとつながりのシートが立体加工されたものである。収納ケースホルダーシート31には、区画壁32(32a、32b)が形成されており、区画壁32により、各カード型記憶媒体の収納ケース1が保管される保管場所36が、区画されている。
【0031】
区画壁32のうち、横方向の区画壁32aには、保管場所36の内に向かって張り出すようにして、区画壁32aの長手方向に延びるシート側張り出し部33が、形成されている。このシート側張り出し部33は、各保管場所36の上側の側壁32aと下側の側壁32aの両方に形成されている。
【0032】
そして、保管場所36に対して横側から、カード型記憶媒体の収納ケース1を入れていき(図10中、最上段の保管場所に示す状態)、次いで、更に、カード型記憶媒体の収納ケース1を横にずらし、シート側張り出し部33と保管場所36の底面38との間34に、カード型記憶媒体の収納ケース1の第一張り出し部材9及び第二張り出し部材10を差し込み(図10中、2段目の保管場所に示す状態)、次いで、カード型記憶媒体の収納ケース1を更に横にずらして、カード型記憶媒体の収納ケース1を、保管場所36内に完全に収める(図10中、3段目の保管場所に示す状態)。
【0033】
また、区画壁32のうち、縦方向の区画壁32aには、凹み部35が形成されている。凹み部35は、カード型記憶媒体の収納ケース1が、保管場所36に収められた状態で、固定部材16を外すし易くするために形成されている。
【0034】
図10に示す収納ケースホルダーシートの形態例では、収納ケースホルダーシートの区画壁のうち、横方向の区画壁に、シート側張り出し部が形成されているが、例えば、収納ケースホルダーシートの区画壁のうち、縦方向の区画壁に、シート側張り出し部が形成されている収納ケースホルダーシートを用いれば、カード型記憶媒体の収納ケース1を、保管場所に、上から下に向かって入れるようにして、保管することもできる。
【0035】
収納ケースホルダーシート31には、バインダー用穴37が設けられているので、収納ケースホルダーシート31に、カード型記憶媒体の収納ケース1を収めた状態で、収納ケースホルダーシート31をバインダーに綴じることができる。
【0036】
すなわち、本発明のカード型記憶媒体の収納ケースは、下側ケース部材の上に、上側ケース部材を合わせることにより、内部にカード型記憶媒体を収納するための収納ケース部となる下側ケース部材及び上側ケース部材を有し、
該収納ケース部の平面形状が、略長方形又は略正方形であり、
該上側ケース部材が開閉自在となるように、該収納ケース部の第一辺側で、上側ケース部材と下側ケース部材とが連結しており、
該上側ケース部材と該下側ケース部材には、該上側ケース部材を該下側ケース部材に合わせたときに、該上側ケース部材と該下側ケース部材とを固定するための固定手段が設けられており、
該収納ケース部の第三辺側には、長手方向に延びる第一張り出し部材が付設され、且つ、該収納ケース部の第四辺側には、長手方向に延びる第二張り出し部材が付設されていること、
を特徴とするカード型記憶媒体の収納ケースである。
【0037】
なお、収納ケース部の第一辺とは、下側ケース部材の上に上側ケース部材を合わせた状態、すなわち、上側ケース部材を閉じた状態で平面視したときに、上側ケース部材と下側ケース部材とが連結されている側の長方形又は正方形の辺を指し、図1に示す形態例では、第一側壁側の辺を指す。また、収納ケース部の第二辺とは、下側ケース部材の上に上側ケース部材を合わせた状態で平面視したときに、長方形又は正方形の中心に対して、収納ケース部の第一辺とは反対側の長方形又は正方形の辺を指し、図1に示す形態例では、第二側壁側の辺を指す。また、収納ケース部の第三辺及び第四辺とは、下側ケース部材の上に上側ケース部材を合わせた状態で平面視したときに、収納ケース部の第一辺及び第二辺に略垂直な長方形又は正方形の2辺を指し、図1に示す形態例では、第三側壁側の辺及び第四側壁側の辺を指す。
【0038】
下側ケース部材及び上側ケース部材の形態は、下側ケース部材の上に、上側ケース部材を合わせることにより、内部にカード型記憶媒体を収納するためのカード型記憶媒体の収納ケース部となるような、下側ケース部材と上側ケース部材の組み合わせであれば、特に制限されない。下側ケース部材と上側ケース部材の組み合わせとしては、例えば、図1に示す形態例のように、下側ケース部材及び上側ケース部材のいずれに側壁が形成されている形態例が挙げられ、この形態例では、下側ケース部材に形成されている側壁と上側ケース部材に形成されている側壁とが合わさることにより、収納ケース部の側壁となる。また、他の下側ケース部材及び上側ケース部材の組み合わせの形態例としては、下側ケース部材にのみ、収納ケース部の側壁となる側壁が形成されている形態例や、下側ケース部材に収納ケース部の側壁のうちの2つの側壁が形成されており且つ上側ケース部材に収納ケース部の側壁のうちの他の2つの側壁が形成されている形態例等が挙げられる。また、下側ケース部材と上側ケース部材とが合わさる部位及びその形状は、図1に示す形態例では、下側ケース部材及び上側ケース部材の底面及び上面に平行な側壁の面同士が重ね合わさるような形状であるが、本発明では、下側ケース部材と上側ケース部材とが合わさる部位の形状は、特に制限されず、例えば、上側ケース部材の側壁の内側に、下側ケース部材の側壁の全部又は一部が嵌り込むようにして、下側ケース部材及び上側ケース部材の底面及び上面に垂直な側壁の面同士が重なり合うような形状や、下側ケース部材及び上側ケース部材の底面及び上面が咬み合わさる形状等が挙げられる。
【0039】
下側ケース部材の上に上側ケース部材を合わせた状態での収納ケース部の平面形状は、略長方形又は略正方形であり、図1に示す形態例では、長方形又は正方形の角に相当する部分が丸く、いわゆる面取りされた形状となっているが、角が直角のままでもよい。
【0040】
収納ケース部の厚み(図5(B)中、符号tで示す長さ)は、内部に収納されるカード型記憶媒体の厚みにより、適宜選択されるが、通常、6.5〜9.5mm、好ましくは6.9〜8.9mm、特に好ましくは7.4〜8.4mmである。
【0041】
収納ケース部の材質は、特に制限されず、例えば、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられ、ポリプロピレン帯電防止樹脂(BC03BS)が静電気の帯電を防止できるので、カード型記憶媒体内のデータが静電気により失われるのを防止できる点で好ましい。
【0042】
第一張り出し部材は、収納ケース部の第三辺側の側壁の長手方向の全体に亘って付設されていても、あるいは、第三辺側の側壁の長手方向の一部に付設されていてもよい。同様に、第二張り出し部材は、収納ケース部の第四辺側の側壁の長手方向の全体に亘って付設されていても、あるいは、第四辺側の側壁の長手方向の一部に付設されていてもよい。
【0043】
そして、第一張り出し部材及び第二張り出し部材が、収納ケース部の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁の長手方向の一部に付設されていて、収納ケース部の第一辺側近傍の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁には付設されていないこと、あるいは、第一張り出し部材及び第二張り出し部材が、収納ケース部の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁の長手方向の一部に付設されていて、収納ケース部の第二辺側近傍の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁には付設されていないことが、本発明のカード型記憶媒体の収納ケースを、収納ケースホルダーシートの保管場所に収納する際及び保管場所から出す際に、2本の指で、カード型記憶媒体の収納ケースをつかみ易くなる点で好ましい。なお、図1に示す形態例は、第一張り出し部材及び第二張り出し部材が、収納ケース部の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁の長手方向の一部に付設されていて、収納ケース部の第二辺側近傍の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁には付設されていない形態例である。
【0044】
第一張り出し部材及び第二張り出し部材の長手方向の一端が、平面視したときに、長手方向に対して傾斜した形状であることが、本発明のカード型記憶媒体の収納ケースが、収納ケースホルダーシートの保管場所に収納されているときに、安定する点で好ましい。
【0045】
第一張り出し部材の短手方向の長さ(図5(A)中、符号w1で示す長さ)、すなわち、収納ケース部の外縁から張り出している第一張り出し部材の長さは、収納ケースホルダーシートに形成されているシート側張り出し部の区画壁から張り出している長さにより、適宜選択されるが、通常、3.0〜5.0mm、好ましくは3.5〜4.0mmである。第二張り出し部材の短手方向の長さ(図5(A)中、符号w2で示す長さ)、すなわち、収納ケース部の外縁から張り出している第二張り出し部材の長さは、収納ケースホルダーシートに形成されているシート側張り出し部の区画壁から張り出している長さにより、適宜選択されるが、通常、3.0〜5.0mm、好ましくは3.5〜4.0mmである。
【0046】
第一張り出し部材及び第二張り出し部材の厚みは、収納ケースホルダーシートにより、適宜選択される。
【0047】
本発明のカード型記憶媒体の収納ケースでは、収納ケース部の第三辺側の側壁及び第四辺側の側壁に、第一張り出し部材及び第二張り出し部材が付設されていればよい。そして、本発明のカード型記憶媒体の収納ケースのうち、下側ケース部材に、第一張り出し部材及び第二張り出し部材が付設されていることが、図10に示すように、シート側張り出し部33との共同作用により、収納ケースホルダーシート31の保管場所36に、カード型記憶媒体の収納ケース1を収めたままで、固定部材16を外し、上側ケース部材11を開けて(図10中、4段目の保管場所に示す状態)、カード型記憶媒体を取り出すことができる点で、好ましい。
【0048】
本発明のカード型記憶媒体の収納ケースは、下側ケース部材の底面に、カード型記憶媒体を把持するための把持部材が付設されていることが、収納ケース部内で、カード型記憶媒体が動くことなく保持されるので、カード型記憶媒体が破損し難くなる点で好ましい。
【0049】
本発明のカード型記憶媒体の収納ケースは、把持部材の内側の下側ケース部材の底面に、突起部材が付設されていることが、把持部材から、カード型記憶媒体を外し易くなる点で好ましい。また、突起部材は、カード型記憶媒体の裏面を、下側ケース部材の底面から、離間させることができるので、カード型記憶媒体の裏面に設けられている電気接続部が、下側ケース部材の底面と接触して破損するのを防ぐことができる。
【0050】
本発明のカード型記憶媒体の収納ケース内に収納されるカード型記憶媒体は、フラッシュメモリーが内蔵されている小型のカード型記憶媒体であれば、特に制限されず、SDメモリーカード、マルチメディアカード(MMC)等が挙げられる。
【0051】
図10に示すようなシート状の収納ケースホルダーシートを用いて、本発明のカード型記憶媒体の収納ケースを保管することにより、多数のカード型記憶媒体を、順序よく整理して保管することができる。更に、本発明のカード型記憶媒体の収納ケースが収められているシート状の収納ケースホルダーシートを、保存箱に多数重ねて保管することができる。また、シート状の収納ケースホルダーシートに、バインダー用穴が設けられている場合は、バインダーに本発明のカード型記憶媒体の収納ケースが収められているシート状の収納ケースホルダーシートを、多数綴じることができる。そのため、本発明によれば、極めて多数のカード型記憶媒体の収納ケースを、順序良く整理して保管することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、極めて多数のカード型記憶媒体の収納ケースを、順序良く整理して保管することが可能なカード型記憶媒体の収納ケースを提供することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 カード型記憶媒体の収納ケース
2 下側ケース部材
4 下側ケース部材の底面
5 下側ケース部材の第一側壁
6 下側ケース部材の第二側壁
7 下側ケース部材の第三側壁
8 下側ケース部材の第四側壁
9 第一張り出し部材
10 第二張り出し部材
11 上側ケース部材
12 上側ケース部材の第一側壁
13 上側ケース部材の第二側壁
14 上側ケース部材の第三側壁
15 上側ケース部材の第四側壁
16 固定部材
17 嵌め込み部
18 連結部
21 把持部材
22 突起部材
25 SDメモリーカードの一端付近
26 SDメモリーカードの反対側の一端
30 SDメモリーカード
31 収納ケースホルダーシート
32 区画壁
33 シート側張り出し部
35 凹み部
36 保管場所
37 バインダー用穴
38 保管場所の底面
161 嵌め込み口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側ケース部材の上に、上側ケース部材を合わせることにより、内部にカード型記憶媒体を収納するための収納ケース部となる下側ケース部材及び上側ケース部材を有し、
該収納ケース部の平面形状が、略長方形又は略正方形であり、
該上側ケース部材が開閉自在となるように、該収納ケース部の第一辺側で、上側ケース部材と下側ケース部材とが連結しており、
該上側ケース部材と該下側ケース部材には、該上側ケース部材を該下側ケース部材に合わせたときに、該上側ケース部材と該下側ケース部材とを固定するための固定手段が設けられており、
該収納ケース部の第三辺側には、長手方向に延びる第一張り出し部材が付設され、且つ、該収納ケース部の第四辺側には、長手方向に延びる第二張り出し部材が付設されていること、
を特徴とするカード型記憶媒体の収納ケース。
【請求項2】
前記下側ケース部材の底面には、カード型記憶媒体を把持するための把持部材が付設されていることを特徴とする請求項1記載のカード型記憶媒体の収納ケース。
【請求項3】
前記把持部材の内側の前記下側ケース部材の底面には、突起部材が付設されていることを特徴とする請求項2記載のカード型記憶媒体の収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−191853(P2011−191853A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55543(P2010−55543)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(591217012)株式会社浅沼商会 (3)
【Fターム(参考)】