説明

カード支払いシステムのためのダイナミックな通貨変換

【課題】多種通貨環境において行われる取引に対して適切な通貨を決定するカード決済システムおよび方法を提供する。
【解決手段】小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に伴う好適な通貨を決定するデータ処理方法であり、
前記支払いカードのカード番号をカード所有者から得るステップと、
前記カード番号からカード発行者コードを特定するステップと、
前記発行者コードに対するオペレーティング通貨を決定するステップと、
前記支払いカード取引に伴う前記通貨を、前記発行者コードに対して決定されたオペレーティング通貨として設定するステップと、
を含むことを特徴とするデータ処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種の通貨を取り扱う環境で使用するカード決済システムに関する。特に、カード決済システムを用いて行われる個々の取引に対する適切な通貨を決定する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかのタイプのカード決済システムが利用可能である。例えば、クレジットカード、チャージカード、デビットカードなどである。
【0003】
カード決済システムの仕組みの例を図1に示す。カード決済システムは、小売業者のPOS(point of sales:販売地点)端末1、オーソリゼーション・ホスト2、収集/管理ホスト3、取引データ集積系4、資金管理事務所5、決済銀行6、複数のカード方式7及び複数の発行会社8、9.従来技術のPOS端末1(図2に示す)は、支払いカードの詳細を受け付ける手段20を備える。このような支払いカード内容入力手段20の例としては、キーボード、磁気走査装置、スマートカード技術およびポイントツーポイント式無線トランシーバ(国際公開WO第9912136)などがある。あるいは、端末は、例えばインターネットなどの通信網に接続しても良いし、カード内容入力手段20は、カード所有者により電子的形式で転送されるカード内容(例えば、ハイパーテキスト構成言語(HTML)形式で送信されるデータ)を受け付けるソフトウェアで構成してもよい。
【0004】
典型的な支払い処理を説明するフローチャートを図3に示す。同図において、先ず、支払いカードの内容の入力を行い(ステップ30)、POS端末は、その通信用のハードウェア/ソフトウェア22を用いてオーソリゼーション・ホストに接続を行う(ステップ31)。一般に、この接続10は、公衆電話網または無線リンクによって行われるが、インターネットなど他のいかなる通信手段を用いても良い。カードの内容に関する情報の他、必要に応じて取引内容もオーソリゼーション・ホストに転送する(ステップ32)。オーソリゼーション・ホストは、カードの内容が有効であること及びその取引が許されることを確認するためのチェックを行う(ステップ33)。カードの内容が有効で、且つその取引の値が許される場合、オーソリゼーション・ホスト2は、承認コードをPOS端末1に送り(ステップ34)、POS端末はその取引の進行を許可する(ステップ35)。通常は、カード所有者がサインするための取引伝票を印刷する(手段21)が、インターネット取引の場合は、確認用のHTMLページ又は電子メールをカード所有者に送ってもよい。また、システムによっては、この段階で業者が取引を取り消すことができるようにしてもよい。カードの内容が無効であるとか、その取引は許されないとオーソリゼーション・ホストが判断した場合、承認コードは与えられることなく、オーソリゼーション・ホストは、その取引の進行は許されない旨を端末1に通知する(ステップ39)。この場合、端末1は、一般にその旨のエラーメッセージを出力する(ステップ40)。
【0005】
取引が許可され完了すると、取引の内容が端末1内の処理データ・テーブル23に保存される(ステップ38)。
【0006】
必要に応じて、端末1は、図4に例示したように、通信リンク11を介して収集ホスト3に接続し(ステップ42)、取引内容を処理データ・テーブル23から収集ホスト3に送る(ステップ43)。端末は、通常、送信した取引の内容を記した報告書を端末利用者のために印刷する(ステップ44)。取引の内容を全て通信し終わると、端末は、収集ホストとの接続を断つ(ステップ45)。
【0007】
一般に、端末1は、ソフトウェア(即ち、プログラム)24により制御されるが、このソフトウェア24は、変更可能なコンフィギュレーション・ファイル25により異なる状況に対応できるようになっている。
【0008】
処理データ・テーブルに収容されている取引内容は、後に収集ホスト3から取引集積ホスト4へと送られ、さらに決済銀行6に転送される。すると、決済銀行6は、取引に用いられるカードの方式にしたがって、取引内容をソートする。取引内容が適切なカード方式7に分けられることにより、取引はカード発行者に基づいてソートされる、各発行者に関する取引がその発行者のコンピュータ8、9に渡されることになる。そこで、発行者は、特定のカードに対する取引の内容をそのカードの所有者の口座に割り当てる。
【0009】
これに代わるシステムでは、1つ以上の端末と収集ホスト、オーソリゼーション・ホスト又はこれらの両方との間のインタフェースの役割を果たす中央決済ルータと称する中継手段を備える。このようなシステムは、端末の数が多い大規模な小売店網で一般に用いられる。中央決済ルータを使用すると、取引内容を個々の端末から人的に集積する必要がないので、各小売業者の取引内容の中央集積が可能となり、効率が増し、全体的コストが下がる。
【0010】
取引を行う又は処理する厳密な方法やシステムは、カードシステムごとに、銀行ごとに、また国によってもかなり異なる。例えば、オーソリゼーション・ホスト2と収集ホスト3は、1つの同じものである場合が多い。カード決済取引を扱う種々の装置、システム及び方法の例には、米国特許第5678010号明細書、米国特許第5671285号明細書、米国特許第5661517号明細書、米国特許第5448047号明細書、米国特許第5416306号明細書、米国特許第5287268号明細書、米国特許第3723655号明細書、米国特許第4961142号明細書、米国特許第4962531号明細書、米国特許第5386458号明細書及び米国特許第5826245号明細書が含まれる。
【0011】
一般に、カード決済を伴う取引は、小売業者の通貨で行われる。したがって、クレジットカードが米国内の買い物に使用される場合は、その取引の通貨は米国ドルと言うことになる。このような制約は、カード所有者が外国に行くには不便になる。なぜなら、カード所有者は、その取引の(所有者自身の通貨での)正確な額がよくは分からないからである。仮に、カード所有者が取引を行う相手である小売業者の通貨ではなく自国の通貨で支払うことができるか、又は参考のために取引額をカード所有者自身の通貨で見ることができれば、好都合である。
【0012】
さらに、欧州単一通貨EUROの導入に伴い、多種通貨環境において取引を行う可能性が増大した。欧州通貨統合(EMU)への参加各国は、移行期間中は2つの通貨単位、即ち、EUROと自国通貨とを共存させることになる。移行期間が実に長いので、異なるカード発行者および小売業者がそれぞれの基本通貨を自国通貨からEUROへと別々に切り替えるのは避けられないので、結果的に小売業者と消費者とは必ず異なる通貨を使用することになる。その上、インターネット商取引の増大により、消費者は以前に利用できた供給源より一層多様な供給源から購入が可能となる。これらのオンライン取引の大部分は、カード所有者の通貨以外の通貨で行われることになる。
【0013】
したがって、カード所有者が取引相手である小売業者の通貨ではなく所有者の自国通貨での支払いの確認、支払いの実施またはその両方を行うことができれば、好都合である。
【0014】
POS及びその他のシステムには、カード所有者が選択した通貨で取引を行うことのできる多種通貨取引を可能とするものも色々ある。例えば、トリンテック(Trintech)グループ(ダブリン)は、販売時点におけるカード所有者の選択した通貨でのカード所有者による支払いを容易にするコンパクトなPOS端末およびシステムを提供している。これら既存のシステムに関する問題点は、小売業者がその取引に対して希望する通貨をシステムに入力しなければならないことである。これを行うには、小売業者は、カード所有者の通貨を決定して、その通貨が許されているかどうかを知るべく確認する必要がある。このため、小売業者はカード又はカード所有者またはこれらの両方を見て、そのカード所有者の出身国を決める試みを余儀なくされる。出身国の決定には、小売業者の側に動作と某かの知性を必要とする。さらに、インターネットの出現に伴い、POSがコンピュータとなり、小売業者が人としては関与しなくなり、決定のための検査に支払いカードが利用できなってしまった。この点は、遠隔地から別の手段(例えば、ファクシミリや電話)によって行われる取引に対しても当てはまる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5678010号明細書
【特許文献2】米国特許第5671285号明細書
【特許文献3】米国特許第5661517号明細書
【特許文献4】米国特許第5448047号明細書
【特許文献5】米国特許第5416306号明細書
【特許文献6】米国特許第5287268号明細書
【特許文献7】米国特許第3723655号明細書
【特許文献8】米国特許第4961142号明細書
【特許文献9】米国特許第4962531号明細書
【特許文献10】米国特許第5386458号明細書
【特許文献11】米国特許第5826245号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、支払いカードの内容のみを用いてカード所有者の通貨をPOSにおいて自動的に決定する方法およびシステムが与えられれば、好都合である。
【0017】
米国特許第5842185号には、クレジットカード取引などの金銭的取引をコンピュータに保存されている財務口座へと自動的に入力するシステム及び方法が開示されている。その財務口座を更新するために、取引をすべて取り込んだ会計一覧表が、コンピュータ・データ・ファイルのようなコンピュータが理解できる電子的形式で与えられる。1つひとつのクレジットカード口座に対して、この電子一覧表は、購入などのクレジットカード取引を1つ以上含む。電子一覧表を受け入れる前に、その一覧表の電子的形式が、作成後に変更されたことがなく、したがって元の一覧表の取引を正しく反映していることを確認する処理を行う。取引を入力していく過程で、取引は、すべて支出の分類に自動的に指定することにより追跡される。先ず、プロセスは、電子一覧表から、取引の支払先がコンピュータに登録されているかどうかを判断し、登録されている場合、その取引をその取引先にすでに関係付けられている分類に割り当てる。登録されていない場合、プロセスは、次に電子一覧表から、標準工業コード(SIC)などの小売業者の分類コードを決定する。小売業者分類コードは、コンピュータにより認識される分類に関係付けられていて、取引は、その認識された分類へと割り当てられる(分類される)。認識された分類がない場合、プロセスは、その取引を割り当てられる分類を利用者に要求する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に付随した好適通貨を決定するデータ処理方法が与えられる。このデータ処理方法は、前記支払いカードのカード番号をカード所有者から得るステップと、前記カード番号からカード発行者コードを特定するステップと、前記発行者コードに対するオペレーティング通貨(取引が行われる通貨)を決定するステップと、前記支払いカード取引に伴う前記好適通貨を前記発行者コードに対する決定されたオペレーティング通貨に設定するステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
オペレーティング通貨を決定するステップは、発行者コードをテーブルのレコード(エントリー)と比較するステップからなる。前記のテーブルは多数のレコードを収容し、テーブルの各レコードは、発行者コードおよび対応する通貨コードを収容する。これに代わり、各レコードが発行者コードの範囲を定め、発行者コードの各範囲が対応する通貨コードを持つようにしてもよい。
【0020】
発行者コードに対してオペレーティング通貨を決定することができない場合、好適通貨を小売業者のデフォルト通貨に設定する。
【0021】
取引を好適通貨で行うべきか否かについて、カード所有者に問い合わせてもよい。前記の問い合わせは、取引額を好適通貨による同等額へと変換し、且つこれらの取引額をカード所有者による確認のために提示することで行ってもよい。取引額の提示に代えて、又はそれに加えて、交換レートをカード所有者に提示してもよい。この交換レートは、小売業者の通貨と好適通貨との間のレートに相当する。取引が好適通貨で進行すべきことをカード所有者が示す場合、取引を好適通貨で処理してもよい。取引が好適通貨で進行すべきでないことをカード所有者が示す場合、取引を小売業者の通貨で処理してもよい。
【0022】
取引額の1以上を好適通貨での同等額に変換して、カード所有者に提示してもよい。また、小売業者の通貨と好適通貨との間のレートに相当する交換レートをカード所有者に提示してもよい。これらの取引内容を、小売業者のデフォルト通貨と共に、又はデフォルト通貨の代わりに、カード所有者に提示してもよい。取引に対しカード所有者の承諾を得る前か、または得た後に、取引内容をカード所有者に提示してもよい。何れの場合も、提示される額は、カード所有者への情報提供のみを目的とし、名目交換レートに基づく。
【0023】
小売業者の通貨に代わる通貨で処理するための所定の最小レベルを、取引額が超えるかどうかを決定するために、最初に確認してもよい。
【0024】
本発明の方法の各ステップは、端末オペレータからの入力を必要とせず、ほぼ自動的に行うことが望ましい。
【0025】
本発明の方法は、支払いカード端末、オーソリゼーション・ホスト、中央決済ルータ、又はこれらの装置の組み合わせで実施するのに適している。
【0026】
また、前記の方法は、インターネットなどのコンピュータネットワーク上で行われる支払いカード取引、例えば、電子商取引型の取引に拡張してもよい。
【0027】
一実施例として、小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に伴う好適通貨を決定する手段を有する装置(以下、本装置と称する)を提案する。この好適通貨決定手段は、支払いカードのカード番号をカード所有者から得る手段と、カード番号からカード発行者コードを特定する手段と、発行者コードに対するオペレーティング通貨を決定する手段と、支払いカード取引に伴う好適通貨を発行者コードに対して決定されたオペレーティング通貨に設定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】
本装置は、発行者識別コードをテーブルのレコードと比較する手段をさらに備える。テーブルの各レコードは、発行者コードおよび対応する通貨コードを収容する。これに代わり、各レコードが発行者コードの範囲を定め、発行者コードの各範囲が対応する通貨コードを持つようにしてもよい。
【0029】
本装置は、発行者コードに対してオペレーティング通貨を決定することができない場合、好適通貨を小売業者のデフォルト通貨に設定する手段を備えてもよい。
【0030】
取引を好適通貨で行うべきか否かについて、カード所有者に問い合わせる手段を備えてもよい。問い合わせ手段は、取引額を好適通貨による同等額へと変換し、且つこれらの取引額をカード所有者による確認のために提示する変換手段を含んでもよい。問い合わせ手段は、必要に応じて、交換レートをカード所有者に提示する手段をさらに備えてもよい。この交換レートは、小売業者の通貨と好適通貨との間のレートに相当する。
【0031】
前記取引が前記好適通貨で進行すべきか否かに関する指示を前記カード所有者から受け取る付加的な手段と、そのような指示を受け取った場合、前記取引が前記好適通貨で処理できるようにし、そのような指示を受け取らない場合、前記取引が前記の小売業者の通貨で処理できるようにする手段とを備えてもよい。
【0032】
本装置は、取引額の少なくとも1つをカード所有者に提示するように構成することが好ましい。この場合、取引額を好適通貨による同等額で表したり、取引額に小売業者の通貨と好適通貨との間のレートに相当する交換レートを添えたり、又はこれら両方を組み合わせてもよい。
【0033】
本装置は、取引に対しカード所有者の承諾を得る前か、または得た後に、取引内容をカード所有者に提示するように構成してもよい。
【0034】
小売業者の通貨に代わる通貨で処理するための所定の最小レベルを取引額が超えるかどうかを判断するために最初に確認する手段を必要に応じて備えてもよい。
【0035】
本装置は、種々の装置内において実施することができる。例えば、支払いカード端末、中央決済ルータ、オーソリゼーション・ホスト、支払いカード端末と連動するオーソリゼーション・ホスト、又は決済ルータと連動するオーソリゼーション・ホストなどの内部で実施してもよい。
【0036】
一実施例として、本装置は、コンピュータネットワークのノードに接続する手段を備える。この実施例では、カード番号がコンピュータ網を介して受信されることが好ましい。この実施例は、特に電子商取引に適している。
【0037】
本発明によれば、販売時点にカード所有者の通貨を自動的に決定する方法およびシステムが与えられる。
【0038】
本発明によれば、取引通貨をカード発行者の通貨に自動的に変換する、支払いカード用の取引捕捉(キャプチャ)システムが与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術による支払いカード方式の仕組みのブロック図
【図2】従来技術による支払いカード販売地点(POS)端末の図
【図3】従来技術による典型的なオーソリゼーション要求手順を説明するフローチャート
【図4】従来技術により取引内容を収集ホストに通信する典型的な手順を例示するフローチャート
【図5】本発明による方法のフローチャート
【図6】本発明による銀行参照テーブルを例示する図
【図7】小売店で用いる、本発明によるPOS端末を示す図
【図8】図7に示すようなPOS端末で実行される、本発明の実施例による方法のステップを示すフローチャート
【図9】図7に示すようなPOS端末と共に用いられる、本発明の実施例によるバッチ入力処理のフローチャート
【図10】本発明により関連通貨を決定し、且つその処理を行う、他の方法のステップを例示するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の動作のフローチャートを図5に示す。同図において、支払いカードの内容から識別コードを抽出する(ステップ50)。好ましい実施例では、識別コードは、支払いカード番号の一部から成る。
【0041】
一般に、支払いカード発行者には、顧客にカードを発行するためにある範囲のカード番号が割り当てられる。例えば、小さい銀行ならば、
4555999033300000から
4555999033399999まで
の範囲が割り当てられ、大きい銀行ならば、
4555998800000000から
4555998819999999まで
の範囲が割り当てられる。このように、識別コードは、発行者同士を区別するカード番号の部分である。
【0042】
識別コードを銀行参照テーブルのレコードと比較する(ステップ51)。銀行参照テーブル(この例を図6に示す)は、カード発行者の識別コードのリストを含む。テーブル内の各発行者識別コード60(1-n)は、取引に伴う関連通貨を収容する関連レコード61(1-n)を有する。収容される関連通貨は、カード発行者のカード所有者口座の支払いの通貨に対応する。例えば、カード発行者がアイルランドの銀行ならば、関連通貨はアイルランド・ポンド(IR」)かEUROとなり、同様にカード発行者が英国の銀行ならば、関連通貨はおそらく英貨ポンド(STG)である。銀行参照テーブルは、カード方式管理組織を含む多数の情報源から生成してもよいし、多くのカード所有者から収集したデータを基に生成してもよい。
【0043】
カードの発行者の識別コードに対するレコードが銀行参照テーブルに見当たらない場合、その取引は従来技術により従来どおり処理される(ステップ53)。識別コードに対するレコードが見つかった場合、発行者識別コードに対応する関連通貨を取り出し、その関連通貨を用いる一層高度な機能で処理される(ステップ54)。支払いカード所有者の口座が分かると、種々の機能向上が可能となる。
【0044】
例えば、取引を関連通貨で処理して、情報提供の目的で、関連通貨での取引額を顧客に見せてもよいし、現地通貨額および同等の関連通貨、又は組み合わせで示すレシートを印刷することもできる。
【0045】
機能強化が、端末で行われ、通貨変換を伴うならば、通貨交換レートが必要となる。通貨交換レートは、端末に保存して必要に応じて更新してもよいし、あるいは、例えば、オーソリゼーション・ホストなどの他の場所から入手してもよい。
【0046】
これらの機能強化は、選択可能な特徴として提供してもよい。例えば、希望により取引を関連通貨で行うことができることを、小売業者がカード所有者に知らせることもできる。カード所有者がそれを選択した場合は、取引を関連通貨で行い、選択しない場合には、取引を小売業者の通貨で行うようにしてもよい。あるいは、機能強化がすべても場合に行われるという意味において、機能強化を必須とすることも可能である。この場合、カード所有者には選択権が与えられない。
【0047】
さらに、図5に例示した方法のステップは、取引の幾つかの異なる段階で実施してもよい。例えば、抽出50、判断51、52および高度機能による処理54の各ステップは、(端末がオーソリゼーション・ホスト2に接続する場合に限るが)端末がオーソリゼーション・ホスト2に接続する前に行ってもよいし、その後に取引完了前の任意の段階で行ってもよい。同様に、抽出50、判断51、52および高度機能による処理54の各ステップは、端末、オーソリゼーション・ホスト、又はこれらの組み合わせにおいて、行ってもよい。例えば、端末が関連通貨を識別し、オーソリゼーション・ホストが高度機能による処理を行ってもよいし、この逆を行ってもよい。
【0048】
したがって、本発明によるステップを実行するソフトウェア、ハードウェア又はこれらの両方を、端末、決済ルータ、オーソリゼーション・ホスト、又はこれらの任意の組み合わせに配置してもよいことが解る。
【0049】
本発明の一実施例によるPOS端末の例を図7に示す。端末70は、店、レストラン及びホテルなどの小売り環境における使用に適している。端末70により、小売業者はカード所有者に商品、サービス又はその両方の支払いをカード所有者のカードの通貨で行う選択肢を提供することが可能となる。端末70は、小売業者に支払われるべき額を彼らの国内通貨で金額を記録する。そして、端末70は、決済のために取引データを適切な決済協力者へと送る。端末70がカードの通貨を判断できない場合、取引は、小売業者の通貨で処理される。
【0050】
端末70は、磁気ストリップ・リーダ71、英数および機能キーパッド72、表示ユニット75及びレシート73を印刷するレシートプリンタ74を備えている。カードの内容は、支払いカードを磁気ストリップ・リーダ71に通すか、キーパッド72を用いて、入力される。取引内容は、キーパッド72を用いて入力される。必要に応じて、カード所有者がパスワードを入力できるように、個人識別番号(PID)キーバッド(図示せず)を備えてもよい。端末70は、端末を動作させるための適切な電子回路を内蔵している。この電子回路は、一般にモデム、電源、マイクロプロセッサ、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)及びROM(読み出し専用記憶)を備えている。
【0051】
回路および要素は、専有面積が小さく且つコンパクトな端末を生み出すように配慮することが好ましい。
【0052】
端末のソフトウェアは、以下の機能を実行するコードから成る。即ち、モデム制御、カード読み取り、オペレータ・インタフェース、オーソリゼーション、略記された銀行参照テーブル管理、通貨レート管理、端末コンフィグレーション、プリンタ制御、オーソリゼーション/収集ホスト間通信、および報告及びバッチ処理などの機能である。
【0053】
モデム制御機能は、データに送信用の書式を調整し、受信データから書式を除去し、さらにモデムを動作させる役割を果たす。カード読み取り機能は、磁気ストライプ・リーダからデータを受信し、このデータからカードの内容を抽出する。オペレータ・インタフェースは、キーパッドからデータを受信し、そのデータに応答し、且つ必要な場合はメッセージを表示装置に出力する。オーソリゼーション機能は、オーソリゼーション要求を生成してオーソリゼーション・ホストに送信し、オーソリゼーション・ホストから受信した承認または拒絶のコードを処理する役割を果たす。銀行参照テーブルは、世界中のクレジット/デビット・カードの発行者の番号の先頭部を収容し、且つ各発行者に対する関連通貨コードを識別するテーブルである。通貨レート管理は、取引に対する適切な交換レート決定し、且つ交換レートのテーブルを維持管理する役割を果たす。端末コンフィグレーション機能は、多くのパラメータの変更を許すことにより、個々の小売業者および所在の異なる小売業者などに適合させて端末を設定できるようにするのに用いられる。これらのパラメータの例には、次の1つ又は2以上が含まれる。即ち、変換のための最小の取引値、変換のための最大の取引値、オーソリゼーション限度/最低限度、正確な日付、正確な時刻、バッチ入力間隔の最大時間、ホスト識別番号、第1のシステム・ホスト電話番号、第2のシステム・ホスト電話番号、第1のオーソリゼーション電話番号、第2のオーソリゼーション電話番号、次のシステム・バッチ番号、モデム速度、基本通貨コード、小売業者マスター番号、小売業者通貨番号、および端末識別コードなどのパラメータである。正しく動作させるためには、端末は、これらのパラメータを総て用いて設定する必要がある。しかし、少ない数のパラメータを入力した場合、端末は限定的に動作してもよい。例えば、適切な銀行参照テーブル、その取引日に対する通貨レート、又はこれらの組み合わせなどの付加的なパラメータを、取引を処理する前に、保存しなければならない場合もある。プリンタ制御機能は、必要に応じてデータを書式化し、書式化したデータをプリンタに出力する。オーソリゼーション/収集ホスト間通信は、端末とオーソリゼーション・ホストおよび収集ホストとの遣り取りを制御する。報告及びバッチ処理機能は、取引データを入力されたとおりに保存し、保存したデータを照合し、収集ホストが端末に接続されているときに照合結果データを収集ホストに送る。
【0054】
端末が正しく動作するためには、次の1つまたは2以上が必要である;即ち、標準PSTN(公衆交換電話網)のダイヤル発信可能な電話回線、プリンタに設置された用紙、乾燥し且つ正常な湿度の動作環境、および主電源電圧への接続。
【0055】
動作において、端末は、先ずホストに接続して、端末ソフトウェアの最新版の他、その標準の構成情報をダウンロードする。このダウンロードが完了すると、端末は、直ちにオーソリゼーション/収集ホストに自動的にダイヤルし、銀行参照テーブルの最新版を集める。端末は、或る将来の期間にわたり適用すべき通貨レートをダウンロードする。システムが変換すべき各通貨に対して、日付、通貨コード及び通貨レートをダウンロードする。受信した通貨レートを詳細に記した報告書を印刷する。これらのテーブルを受信すると、システムは取引を処理する準備が整ったことになる。
【0056】
典型的な取引サイクルを説明する。取引サイクルは、カード所有者が商品やサービスに対する支払いの手段として、支払いカードを小売業者に提示したときに始まる。小売業者は、通常、POS端末の磁気ストライプ・リーダにカードを通す、すると、リーダは、そのカードから、カード番号、有効期限およびカード所有者の名前を抽出する(ステップ205)。
【0057】
端末のソフトウェアは、銀行参照テーブルを探して、カード番号から得た発行者コードに対応するレコードがあるかどうか調べる(ステップ210)。レコードが見つかった場合、その取引に対する通貨を支払いカードの通貨に設定する(ステップ215)。銀行参照テーブルにレコードが見つからない場合、通貨を小売業者の通貨に設定する(ステップ220)。
【0058】
次に、端末は、数字キーパッドを用いてキー入力される小売業者の通貨での取引額を求める(ステップ225)。これに代わり、キャッシュ・レジスタ又はその他の装置に接続して取引の総額を直接得るようにしてもよい。
【0059】
必要に応じて、システムは、小売業者の通貨での取引の値が、システムのコンフィグレーション・テーブルに収容されている最小範囲240及び最大範囲230に入っているかどうかを判断するためにチェックを行ってもよい。その額が範囲内ならば、カード所有者の通貨で処理される(ステップ245)。その額が限度を超えている場合、小売業者の通貨で処理される(ステップ255)。
【0060】
小売業者の通貨に相対してカード所有者の通貨で処理される取引に付いては、端末70は、カード所有者の通貨コード、通貨変換レート及びカード所有者自身の通貨による金額を表示する(ステップ265)。カード所有者は、その申し出を承諾するか拒否するかを判断する(ステップ270)。その申し出を拒否すると、システムは、小売業者の通貨額へと逆戻りする(ステップ255)。カード所有者は、その取引が小売業者の通貨で処理されるか又はカード所有者の通貨で処理されるかに関わりなく、既存のシステムと同様にその取引全体を取り消すことができる。
【0061】
カード所有者が承諾した場合、その取引は、カード所有者の通貨で処理されることになる(ステップ275)。
【0062】
取引通貨を決定した後、端末は、処理を進めて、承認(オーソリゼーション)コードが必要かどうか判断する(図示せず)。これは、小売業者の通貨による取引額を予め設定した下限と比較することにより判断する。取引額が下限を上回る場合、承認コードを求める。
【0063】
端末のシステム・ソフトウェアは、モデムを始動し、ダイヤル発信回線を獲得し、第1のオーソリゼーション・ホスト番号の呼び出しを試みる。所定数の試行の後も接続が得られない場合、システムは、第2のオーソリゼーション・ホスト番号を用いる電話を試みる。
【0064】
何れのオーソリゼーション・ホスト番号に対しても、接続が得られない場合、その取引は拒否され、ホストへの接続の失敗を詳しく述べた印刷伝表が発行される。
【0065】
オーソリゼーション・ホストへの接続が行われた場合、端末内部の通信ソフトウェアは、通信用の工業規格プロトコルを用いてオーソリゼーション・ホストとの間に端末の識別情報(ID)を設定する。端末は、そのID、カード番号、その通貨のための小売業者の番号、および取引額を送信する。オーソリゼーション・ホストは、その取引を拒否するか、又は承認番号(これは、システムにより受信されて保存される)により応じることができる。承認コードを受信すると、システムは、そのホストとの接続を断ち、一般に次の内容を記載した取引伝票を作成する(ステップ260)。即ち、小売業者の名称、所在地、小売業者ID、端末番号、取引の日時、カード所有者のカード番号、承認番号、小売業者の通貨による取引額、カード所有者の通貨による取引額、およびカード所有者がその取引に同意して署名するべき領域が、取引伝票に含まれる。署名欄を除く内容が取引データテーブルに保存される。
【0066】
小売業者およびカード所有者に対して写しを作成した後、カード所有者と小売業者との間で、その取引は完了する。
【0067】
毎日の終わりに、小売業者は、あるキーを押すことにより、蓄積された取引データの収集ホストへのバッチ入力を実行するように端末に指示することができる。この処理を図9に示す。即ち、前回のバッチ入力以来蓄積された取引内容が、
収集ホストに転送される。小売業者がバッチ入力処理を手作業で要求しない場合、所定のパラメータがバッチ入力の無いことを検出し、自動的にバッチ入力を開始する(ステップ300)。この最初のステップ301では、収集ホストへの接続を行う。
【0068】
バッチ入力の期間中、端末によって処理された取引は、照合されて、収集ホストへと送信される(ステップ302)、その送信において転送された取引を要約した報告書を印刷する(ステップ303)。
【0069】
当業者であれば解ることであるが、取引内容を決済銀行に送るには、その内容を決済銀行が利用できる形式に変換する何らかの処理が必要となる。この処理は、収集ホストで行ってもよいし、あるいは図1において取引データ集積系(システム)として示した支援事務所にデータを送って処理してもよい。
【0070】
取引データを首尾よく送ると、端末は、銀行参照テーブルへの変更を求める(ステップ304)。端末は、銀行参照テーブルへの追加および削除を受信して処理する。
【0071】
銀行参照テーブルを適切に修正した(ステップ305)後、端末は、収集ホストより改訂された通貨レートを得ることにより、通貨レートを更新しようとする(ステップ307)。この更新307により、期限切れのレートが削除され、新たな将来のレートが取り入れられる。通貨レートを更新し終わると、将来の取引に適用される新たなレートの印刷出力308を行う。
【0072】
この時点で、端末は、収集ホストとの接続を断つ(309)。バッチ入力が終了し310、端末はさらなる取引を処理する準備が整う。
【0073】
以上の代案として、取引に対する通貨の決定をオーソリゼーション・ホストで行う実施例も可能である。この実施例による方法のフローチャートを図10に示す。端末がオーソリゼーション・ホストに接続したときに、動作が開始400される。有効な接続が確立されると、端末は、カードの内容と取引額を含むオーソリゼーション要求をオーソリゼーション・ホストに送信する(ステップ405)。オーソリゼーション・ホストは、その取引を承認すべきか否かを判断するためのチェックを行う。その取引が許されない場合、取り消しコードを小売業者の端末に送る(ステップ415)。端末は、その取引が許されないことを示す取引伝票を印刷する(ステップ420)。取引が承認される場合、オーソリゼーション・ホストは、支払いカードの内容からカード発行者コードを取り出し、取り出したカード発行者コードを銀行参照テーブルのレコードに照らしてチェックを行う(ステップ425)。銀行参照テーブルに該当のレコードが見つからないか、又はその発行者に関係付けられた通貨が小売業者の通貨と同じである場合、取引内容をそのまま承認コードと共に端末に送り返す(ステップ435)。あるいは、こうする代わりに、端末は既に取引内容を知っているので、ホストは、単に承認コードを送るだけでもよい。銀行参照テーブルで該当レコードが見つかり、且つ発行者に関係付けられた通貨(関連通貨)が小売業者の通貨と異なる場合、取引額を関連通貨における同等額へと変換する(ステップ420)。この変換された金額と関連通貨コードを承認コードと共に端末に送る(ステップ435)。必要に応じて、使用される通貨交換レートも送るようにしてもよい。端末は、関連通貨による取引額と関連通貨コードを示す取引伝票を印刷する(ステップ440)。この伝票にカード所有者が署名するようにしてもよい。また、小売業者の通貨による同等額と、使用される通貨交換レートもこの取引伝票に含めてもよい。
【0074】
先に述べた実施例と同様に、端末は、その後、ホストに接続してバッチ入力を行う。
【0075】
当業者には明らかなとおり、本発明は殆どの支払いカードシステムにおいて実施可能であり、且つ通貨の識別または決定は取引の別々の段階で実施することが可能である。したがって、上述の説明は、単に例を示したに過ぎず、制限を意図したものではない。本発明は、特許請求の範囲およびその均等事項によってのみ限定される。当業者であれば解るとおり、本発明の原理および範囲に当てはまる種々の実施例が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に伴う好適な通貨を決定するデータ処理方法であり、
前記支払いカードのカード番号をカード所有者から得るステップ(30、205)と、
前記カード番号からカード発行者コードを特定するステップ(50)と、
前記発行者コード(60(1−n))に対するオペレーティング通貨(61(1−n))を決定するステップと、
前記支払いカード取引に伴う前記通貨を、前記発行者コード(60(1−n))に対して決定されたオペレーティング通貨として設定するステップと、
を含むことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項2】
前記発行者コード(60(1−n))に対してオペレーティング通貨を設定するステップが、前記発行者コードをテーブルのレコードと比較するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記テーブルの各レコードが、発行者コード(60(1−n))および対応する通貨コード(61(1−n))を収容することを特徴とする請求項2記載のデータ処理方法。
【請求項4】
各レコードが発行者コードの範囲を定め、発行者コード(60(1−n))の各範囲が対応する通貨コード(61(1−n))を有する
ことを特徴とする請求項2記載のデータ処理方法。
【請求項5】
前記発行者コード(60(1−n))に対してオペレーティング通貨を決定することができない場合、前記好適通貨を前記小売業者のデフォルト通貨に設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記取引を前記好適通貨で行うべきか否かについて、前記カード所有者が問い合わせを受ける(ステップ265)ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記の問い合わせるステップ(265)が、取引額を前記好適通貨による同等額へと変換し、且つこれらの取引額を前記カード所有者による確認のために提示する付加的なステップを含むことを特徴とする請求項6記載のデータ処理方法。
【請求項8】
交換レートを前記カード所有者に提示するステップを更に含み、前記交換レートが小売業者の通貨と前記好適通貨との間のレートに相当することを特徴とする請求項7記載のデータ処理方法。
【請求項9】
前記取引が前記好適通貨で進行するべきことを前記カード所有者が示す場合、前記取引が前記好適通貨で処理されることを特徴とする請求項8記載のデータ処理方法。
【請求項10】
前記取引が前記好適通貨で進行するべきでないことを前記カード所有者が示す場合、前記取引が前記の小売業者の通貨で進行することを特徴とする請求項8記載のデータ処理方法。
【請求項11】
取引額の少なくとも1つは、前記好適通貨での同等額に変換されて、前記カード所有者に提示されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理方法。
【請求項12】
交換レートを前記カード所有者に提示するステップを更に含み、前記交換レートが小売業者の通貨と前記好適通貨との間のレートに相当することを特徴とする請求項11記載のデータ処理方法。
【請求項13】
小売業者の通貨による取引の詳細も前記カード所有者に提示されることを特徴とする請求項12記載のデータ処理方法。
【請求項14】
前記取引に対し前記カード所有者の承諾が得られた後に、前記取引の詳細が前記カード所有者に提示されることを特徴とする請求項13記載のデータ処理方法。
【請求項15】
前記取引に対する前記カード所有者の前記承諾に先立ち、前記取引の詳細が前記カード所有者に提示されることを特徴とする請求項14記載のデータ処理方法。
【請求項16】
取引額が、小売業者の通貨に代わる通貨で処理するための所定の最小レベルを超えるかどうかを判断するために最初に確認するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理方法。
【請求項17】
小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に伴う好適通貨を決定する手段を有するシステム(22)であり、前記手段が、
前記支払いカードのカード番号をカード所有者から得る手段(20、71、72)と、
前記カード番号からカード発行者コードを特定する手段(24)と、
前記発行者コードに対するオペレーティング通貨を決定する手段(24)と、
前記支払いカード取引に伴う通貨を、前記発行者コードに対して決定されたオペレーティング通貨として設定する手段(24)と
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記のオペレーティング通貨を決定する手段(24)が、前記発行者コードをテーブルのレコードと比較する手段を含むことを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記テーブルの各レコードが、発行者コードおよび対応する通貨コードを収容することを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
各レコードが発行者コードの範囲を定め、発行者コードの各範囲が対応する通貨コードを有することを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項21】
前記発行者コードに対してオペレーティング通貨を決定することができない場合、前記好適通貨を前記小売業者のデフォルト通貨に設定する手段をさらに含むことを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項22】
前記取引が前記好適通貨で行われるべきか否かについて、前記カード所有者に問い合わせるための問い合わせ手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項23】
前記問い合わせ手段が、取引額を前記好適通貨による同等額へと変換し、及び、これらの取引額を前記カード所有者による確認のために提示する変換手段を含むことを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記問い合わせ手段が、交換レートを前記カード所有者に提示する手段をさらに含み、前記交換レートが小売業者の通貨と前記好適通貨との間のレートに相当することを特徴とする請求項23記載のシステム。
【請求項25】
前記取引が前記好適通貨で進行すべきか否かに関する指示を前記カード所有者から受け取る手段と、
そのような指示を受け取った場合、前記取引が前記好適通貨で処理できるようにする手段とをさらに含むことを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記取引が前記好適通貨で進行すべきか否かに関する指示を前記カード所有者から受け取る手段と、
そのような指示を受け取らない場合、前記取引が前記の小売業者の通貨で処理できるようにする手段とをさらに含むことを特徴とする請求項25記載のシステム。
【請求項27】
取引額の少なくとも1つを前記好適通貨での同等額に変換し、前記カード所有者に提示する変換手段とをさらに含むことを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項28】
前記変換手段が、交換レートを前記カード所有者に提示する手段をさらに含み、前記交換レートが小売業者の通貨と前記好適通貨との間のレートに相当することを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記変換手段が、前記取引に対し前記カード所有者の承諾が得られた後に、取引の詳細を前記カード所有者に提示するように適応されていることを特徴とする請求項28記載のシステム。
【請求項30】
前記変換手段が、前記取引に対する前記カード所有者の前記承諾に先立ち、前記取引の詳細を前記カード所有者に提示するように適応されていることを特徴とする請求項29記載のシステム。
【請求項31】
取引額が、小売業者の通貨に代わる通貨で処理するための所定の最小レベルを超えるかどうかを決定するために最初に確認する手段をさらに含むことを特徴とする請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記システムが支払いカード端末(70)に組み込まれていることを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項33】
前記システムが中央決済ルータに組み込まれていることを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項34】
前記システムがオーソリゼーション・ホストに組み込まれていることを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項35】
前記システムが、別のシステムと連携するオーソリゼーション・ホストに組み込まれていることを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項36】
前記の別のシステムが、支払いカード端末であることを特徴とする請求項35記載のシステム。
【請求項37】
前記の別のシステムが、中央決済ルータであることを特徴とする請求項35記載のシステム。
【請求項38】
コンピュータネットワークのノードに接続する手段をさらに含むことを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のシステム。
【請求項39】
前記カード番号が前記コンピュータネットワークを介して受信されることを特徴とする請求項38記載のシステム。
【請求項40】
小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に伴う好適通貨を決定するためのコンピュータ命令集合をエンコードするコンピュータプログラムであり、データ処理システム上で実行されたときに、請求項1乃至16の何れかに記載の方法を実行するように適合されている、コンピュータプログラム。
【請求項41】
小売業者と支払いカード所有者との間の支払いカード取引に伴う好適通貨を決定するための、エンコードされたデータおよびコンピュータ命令を記録した、コンピュータが使用可能な記録媒体であり、請求項1乃至16の何れかに記載の方法をデータ処理システムに実施させる記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−138129(P2012−138129A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97990(P2012−97990)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2010−151704(P2010−151704)の分割
【原出願日】平成11年9月1日(1999.9.1)
【出願人】(502017272)メインライン コーポレイト ホールディングス リミテッド (2)