説明

カード決済金額自動分割承認システム、カード決済金額自動分割承認方法及びプログラム

【課題】消費者や利用店舗がカードの利用制限を意識することなくカード決済を実行することができる仕組みを提供する。
【解決手段】決済処理システムは、決済金額を段階的に設定する部分決済額設定条件を記憶する記憶手段と、決済希望総額に基づく決済要求をカード決済センタに送信する決済要求送信手段と、カード決済センタから決済結果を受信する決済結果受信手段と、決済結果が不承認である場合に、部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を部分決済希望金額として決定する部分決済希望金額決定手段と、部分決済希望金額に基づく部分決済要求をカード決済センタに送信する部分決済要求送信手段と、カード決済センタから部分決済要求に対する部分決済結果を受信する部分決済結果受信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード決済金額自動分割承認システム、カード決済金額自動分割承認方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードは、商品の購入や役務の提供を受ける際の決済手段の一つであり、クレジットカード発行会社は、信用リスクを限定するため、一般に、クレジットカードの利用者(会員)に与信(利用)限度額を予め設定する。これにより、消費者(利用者)は、購入時に金銭を持ち合わせていなくても利用限度額の範囲で、商品の購入等をすることができる。
【0003】
クレジットカード決済システムの一例として、下記特許文献1には、カード利用情報入力装置から送信される取引承認要求情報を受付ける受信手段と、取引承認要求情報に含まれるクレジットカード識別子をキーとして利用者情報を検索し、クレジットカードが有効か否かを判定する第1の承認部、クレジットカード識別子をキーとしてクレジットカード識別子に対応する利用限度額情報を検索し、取引承認要求情報と利用限度額情報とに基づいてクレジットカード取引の諾否を判定する第2の承認部と、第1及び第2の承認部がクレジットカード取引を承認する場合には売上額情報を更新するとともに、更新された売上額情報に基づいて利用限度額情報を更新する利用限度額管理部と、更新された利用限度額情報をカード利用情報入力装置に送信する送信部とを備えるクレジットカード管理装置が開示されている。
【0004】
ところで、特定の役務については、その性質上、継続的に受けることが必要であり、また、実際に受けてみないと効果がわからないものがあり、その効果等によっては、消費者(役務受益者)は、後日、中途解約を希望したくなる場合がある。このため、消費者の保護等を図るため、所定の法制度の下、特定継続的役務提供等を契約する場合には、役務事業提供者又は販売業者(役務提供者)は、当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面(「概要書面」)を契約の相手方に交付しなければならず、また、特定継続的役務提供契約を締結したときは、遅滞なく、当該特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面(「契約書面」)を当該特定継続的役務の提供を受ける者(役務受益者)に交付しなければならないことになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−203188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日では多くの消費者が種類の異なる複数枚のカードを同時に保有しているところ、締め支払はカード会社或いはカードの種類によりバラバラであることが多い。また、カード会社は、中間審査やカード利用状況などにより、消費者の利用可能残高を変更する場合があるが、このような変更後の情報は消費者には告知されない場合が多い。そのため、カードの利用時点において実際に当該カードがあといくら利用できるのかを消費者が掌握することは一般的には、困難である。
【0007】
また、カード会社によって、利用地域、利用店舗、利用サービス内容に対する与信等の考え方はさまざまであり、例えば、利用地域に応じて、店舗ごとに1回あたりに決済できる金額(店舗別利用可能金額)や総額で決済できる金額(店舗別利用可能総額)を制限する場合があるが、そのような制限は一般的には利用店舗(加盟店)には開示されない。
【0008】
そのため、消費者がクレジットカードを利用して支払を行う時、消費者及び利用店舗(加盟店)は、その時点における消費者の利用可能残高や利用店舗が決済できる金額を判断することができない。その結果、消費者が、利用可能残高以上の支払金額でカードをきってしまった場合には、決済が承認されないという不都合が生じる。例えば、あるカードに対する利用可能残高が10万円である場合に、支払金額12万円で決済しようとすると、支払金額のうちの10万円については利用可能残高内であるにも関わらず、決済そのものが不承認となってしまう。その結果、消費者にとっては、カードを利用することができない上にカード不良者のごとく扱われてしまう場合があるという問題がある。一方、利用店舗にとっては、決済が承認されない結果、カード払いが持つ支払の気軽さが損なわれ、消費者にとっては、購買意欲が低下するという問題がある。
【0009】
したがって、消費者や利用店舗が利用可能残高などの利用制限を意識することなくカード決済を実行することができるための仕組みが望まれる。しかしながら、上記特許文献1は、単に、取引承認要求情報と利用限度額情報とに基づいてクレジットカード取引の諾否を判定するものであり、そのような仕組みを提供することについては開示も示唆もされていない。
【0010】
そこで、本願発明の目的は、消費者や利用店舗がカードの利用制限を意識することなくカード決済を実行することができる仕組みを提供することにある。
【0011】
また、特定継続的役務提供に際しては、役務提供者は、法に従った複数種類の所定の書面を準備しなければならず、特に、法改正等による書式の変更に当たっては、直ちに対応することが難しく、また、そのコストも嵩んでしまうという課題がある。
【0012】
さらに、それぞれの所定の書面には、共通する記入事項も多く、消費者は、所定の書面を交付されるごとに共通する内容を記入しなければならず、過度の負担を強いられることになる。また、役務提供者にとって、消費者がカード決済を希望する場合、所定の書面に記入された事項をカード決済処理に引き継ぐことができれば利便性が向上するが、このような仕組みが提供されていなかった。
【0013】
そこで、本願発明の他の目的は、所定の書面の交付手続きと連携するカード決済を実行することができる仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
カード決済センタに通信可能に構成される決済処理システムであって、決済金額を段階的に設定する部分決済額設定条件を記憶する記憶手段と、決済希望総額に基づく決済要求を前記カード決済センタに送信する決済要求送信手段と、前記カード決済センタから送信される前記決済要求に対する決済結果を受信する決済結果受信手段と、前記カード決済センタから送信される決済結果が不承認である場合に、前記記憶手段に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を部分決済希望金額として決定する部分決済希望金額決定手段と、前記部分決済希望金額に基づく部分決済要求を前記カード決済センタに送信する部分決済要求送信手段と、前記部分決済要求に対する部分決済結果を受信する部分決済結果受信手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
前記部分決済希望金額決定手段は、前記部分決済要求に対する部分決済結果が不承認である場合は、前記記憶手段に記憶された部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された部分決済希望金額よりも低い金額を次の部分決済希望金額として決定することを特徴とする。
【0016】
前記部分決済において承認された承認金額の合計を承認合計金額として算出し、前記決済希望総額から当該承認合計金額を減算したものを決済不承認金額として算出する部分決済制御手段、を備えることを特徴とする。
【0017】
前記部分決済希望金額決定手段は、前記部分決済に対する部分決済結果が承認である場合は、当該時点における未承認金額が当該部分決済結果に係る部分決済希望金額以上であることを条件に、当該部分決済希望金額に基づく部分決済要求を前記カード決済センタへ送信する。
【0018】
前記部分決済希望金額決定手段は、前記部分決済結果が承認である場合は、当該時点における未承認金額が当該部分決済結果に係る部分決済希望金額未満であることを条件に、前記記憶手段に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該部分決済希望金額よりも低い金額を次の部分決済希望金額として決定する。
【0019】
前記算出された前記決済希望総額における決済承認金額と決済不承認金額とを出力する決済結果出力手段を備える。
【0020】
また、前記決済処理システムは、所定の役務提供に関する契約の管理を支援する契約管理支援手段をさらに備え、前記契約管理支援手段は、複数の入力フォームを含む画面が表示されるように制御して、前記複数の入力フォームのうち前記契約に関わる第1の入力フォームに対して入力された内容が前記契約に関わる第2の入力フォームに対する入力内容に引き継がれるように制御する。
【0021】
前記契約管理支援手段は、前記第2の入力フォームに対して入力された内容が決済に関わる第3の入力フォームに対する入力内容に引き継がれるように制御し、前記決済要求送信手段は、前記第3の入力フォームに対して入力された内容に基づいて、前記決済要求を前記カード決済センタに送信する。
【0022】
カード決済センタに通信可能に構成される決済処理システムにおける決済処理方法であって、当該決済処理システムは、決済金額を段階的に設定する決済額設定条件を記憶する記憶装置を備え、前記決済処理方法は、決済希望総額に基づく決済要求を前記カード決済センタに送信する決済要求送信ステップと、前記カード決済センタから送信される前記決済要求に対する決済結果を受信する決済結果受信ステップと、前記カード決済センタから送信される決済結果が不承認である場合に、前記記憶装置に記憶された部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を部分決済希望金額として決定する部分決済希望金額決定ステップと、前記部分決済希望金額に基づく部分決済要求を前記カード決済センタに送信する部分決済要求送信ステップと、前記カード決済センタから送信される前記部分決済要求に対する部分決済結果を受信する部分決済結果受信ステップと、を備える。
【0023】
また、本発明のプログラムは、上記方法の各処理ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
また、本発明のプログラムをネットワークセンター内のサーバに配置し、クライアントコンピュータ上のWebブラウザを用いて当該プログラムを利用するようにしてもよい。
【0024】
なお、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、消費者や利用店舗がカードの利用制限を意識することなくカード決済を実行することができるようになる。
【0026】
また、本発明によれば、役務提供等の契約締結に際して、所定の書面の交付手続きを容易に行うことができ、また、かかる契約締結に伴うカード決済手続きを容易に実行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】カード決済金額自動分割承認システムを説明するための図である。
【図2】カード決済金額自動分割承認システムの概略構成の一例を示す図である。
【図3】決済額設定条件DBのデータ構造の一例を表す図である。
【図4】カード決済金額自動分割承認処理を説明するための図である。
【図5】カード決済金額自動分割承認処理の一例を表すフローチャートである。
【図6】カード決済金額自動分割承認処理の具体例を表すフローチャートである。
【図7】カード決済金額自動分割承認処理を説明するための図である。
【図8】カード決済金額自動分割承認システムの概略構成の一例を示す図である。
【図9】カード決済金額自動分割承認システムにより提供される入力画面の一例を示す図である。
【図10】特定継続的役務提供等の契約締結までに交付される概要書面を作成するための入力フォームの一例を示す図である。
【図11】特定継続的役務提供等の契約締結時に交付される契約書面を作成するための入力フォームの一例を示す図である。
【図12】カード決済金額自動分割承認システムにより提供される入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
[第1の実施形態]
[カード決済金額自動分割承認システムの概略構成]
本システムの特徴は、消費者が希望する決済希望総額に対する決済が承認されない場合は、当該決済希望総額よりも低い金額について部分的な決済要求を段階的に行うことにより、クレジット会社が設定した利用可能金額の範囲内で有効に決済の承認を得ようとするものである。このような決済は、個々に独立した決済であり、いわゆる分割払いとは異なるものであるところ、消費者が最初に希望した決済希望総額の一部について決済の承認を得るものであるため、以下「部分決済」と呼ぶ。
【0030】
以下、図1を参照して、第1実施形態におけるカード決済金額自動分割承認システム(以下、単に「システム」という場合もある。)における動作概要について説明する。
【0031】
カード決済金額自動分割承認システム30(以下、「自動分割承認システム30」という。)は、カード決済端末20と、クレジットカード決済センタ40(以下、「決済センタ40」という。)とネットワーク(ネットワークNは、サーバと端末装置との間で情報を送受信するための回線である。例えば、インターネット、専用線、パケット通信網、電話回線、LAN、企業内ネットワーク、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。)を介して通信可能に構成されている。
【0032】
消費者は、カード10のカード情報を、利用店舗に配置されたカード決済端末20に入力する。このような入力は、通常は、消費者に代わり、店舗の従業員により行われる。カード決済端末20は、カード情報を所定の方式により入力可能に構成されたものであればよく、その構成に特に限定はないが、例えば、CAT端末、POS端末、PC、携帯電話端末などが該当する。
【0033】
カード決済端末20に入力されたカード情報は、消費者が購入した役務/商品の金額情報(決済希望総額)や、必要な場合には消費者の個人情報とともに、自動分割承認システム30に送信される。なお、当該利用店舗を識別する店舗識別情報なども送信される。
【0034】
自動分割承認システム30は、取得したカード情報や決済希望総額に基づいて決済要求を決済センタ40へ送信する。決済センタ40は、取得したカード情報に基づいて、当該時点における当該消費者や利用店舗の利用可能金額をチェックし、決済を承認するか否か判断する。なお、決済センタ40における決済の承認方法については、特に限定はないが、消費者や利用店舗ごとに所定の利用可能金額(非公開)が決められているものとする。決済センタ40には、決済承認機能を有する従来のクレジットカード決済センタを適用することができる。
【0035】
決済センタ40は、決済金額総額が当該所定の利用可能金額を超えていない場合は、決済を承認し、決済金額総額が当該利用可能金額を超えている場合は、決済を不承認し、決済結果として自動分割承認システム30へ送信する。
【0036】
自動分割承認システム30は、決済結果が承認である場合は、その結果を結果情報としてカード決済端末20に送信する。カード決済端末20は、結果情報を例えば画面やプリンタに出力する。
【0037】
一方、自動分割承認システム30は、決済結果が不承認である場合は、不承認された総額(決済希望総額)よりも低い所定の第1設定金額に基づく部分決済要求を決済センタ40へ送信する。決済センタ40は、第1設定金額が利用可能金額を超えていない場合は、決済を承認し、第1設定金額が利用可能金額を超えている場合は、決済を不承認し、決済結果として自動分割承認システム30へ送信する。
【0038】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が不承認である場合は、不承認された第1設定金額よりもさらに低い所定の第2設定金額に基づく部分決済要求を決済センタ40へ送信する。決済センタ40は、第2設定金額が利用可能金額を超えていない場合は、決済を承認し、第2設定金額が利用可能金額を超えている場合は、決済を不承認し、決済結果として自動分割承認システム30へ送信する。
【0039】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が不承認である場合は、以上の処理を第3設定金額〜第N設定金額について実行し、決済センタ40から決済結果を受信する。なお、自動分割承認の処理の詳細については、後述する。
【0040】
このように、自動分割承認システム30は、不承認された決済希望総額を、より低い決済金額に分割して部分決済要求として決済センタ40へ送信するので、決済希望総額について、決済時点における利用可能金額の範囲内にある金額での決済(部分決済)をすることが可能になる。
【0041】
なお、図1では、自動分割承認システム30が、カード決済端末20や決済センタ40とは別々のシステムとして説明しているが、自動分割承認システムの機能を、カード決済端末20や決済センタ40が備えるように構成することもできる。
【0042】
[カード決済金額自動分割承認システムの機能構成]
次に、図2を参照して、自動分割承認システム30の機能構成についてさらに説明する。なお、自動分割承認システム30は、システム全体の処理及び動作を制御するCPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入力装置110、ディスプレイ111、プリンタ(出力装置)112、通信装置及びこれらを結ぶバスを備える汎用のコンピュータを適用することができ、例えば、CPUが、メモリなどに記憶されたカード決済金額自動分割承認プログラムを実行することにより、後述する各種機能実現手段として機能する。
【0043】
希望総額取得手段101は、消費者の決済希望総額及びカード情報を、例えば入力装置110を介して取得する。決済要求送信手段102は、希望総額取得手段101が取得した決済希望総額とカード情報に基づく決済要求を決済センタ40へ送信する。決済結果受信手段103は、決済センタ40から、決済希望総額に基づく決済要求に対する決済結果を受信する。
【0044】
なお、希望総額取得手段101、決済要求送信手段102および決済結果受信手段103は、従来のカード決済端末装置が有する機能と同様であり、後述する部分決済制御手段104、部分決済額決定手段105、部分決済要求送信手段106、部分決済結果受信手段107および部分決済額設定条件記憶手段108が、本願発明の特徴を構成する。
【0045】
部分決済制御手段104は、決済希望総額に基づく決済要求に対する決済結果が不承認である場合に、利用可能金額の範囲内で部分決済が承認されるように、当該決済希望総額をより低い金額に分割して部分決済するために後述する各種手段を制御する。また、部分決済要求に対する決済結果に基づいて、決済希望総額における決済承認金額と決済不承認金額とを算出する。
【0046】
部分決済額決定手段105は、決済センタ40から送信された決済結果が不承認である場合に、決済額記憶手段108に記憶された決済額設定条件109を参照することにより、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を部分決済希望金額として決定する。
【0047】
図3は、部分決済額設定条件記憶手段(DB)108のデータ構造の一例を示している。部分決済額設定条件記憶手段108は、決済金額を分割して段階的に部分決済金額を設定する部分決済額設定条件109を格納する記憶装置であり、データベースとしての機能を有する。そのデータ構造に特に限定はないが、同図では、決済希望総額ごとに4段階の設定金額が予め設定されており、決済希望総額が300、000円以内である場合は、第1設定金額に「100,000円」、第2設定金額に「50,000円」、第3設定金額に「10,000円」、第4設定金額に「10,000未満」が設定されている。第4設定金額は、最終設定金額に該当する。なお、決済額設定条件は、決済センタ40が管理する利用可能金額を割り出すように設計されているものであればよく、仕様や設計に応じて任意に設定することが可能である。例えば、設定金額は4段階に限られず、任意のN段階とすることができる。また、設定金額を固定金額とする代わりに、決済希望総額に対する割合(例えば、第1設定金額=決済希望総額×80%、第2設定金額=決済希望総額×60%、第3設定金額=決済希望総額×40%、第4設定金額=決済希望総額×20%)を設定してもよい。さらに、決済中の決済金額や、決済金額の承認/不承認の状況に応じて、設定条件を動的に変更するように構成してもよい。また、決済金額と承認/不承認の金額を履歴情報として記憶しておき、過去の履歴情報に基づいて条件を設定するようにしてもよい。
【0048】
部分決済要求送信手段106は、部分決済希望金額とカード情報に基づく部分決済要求を決済センタ40に送信する。
【0049】
部分決済結果受信手段107は、決済センタから送信される部分決済要求に対する部分決済結果を受信する。
【0050】
決済結果出力手段113は、決済センタから送信される決済要求に対する決済結果や部分決済要求に対する部分決済結果に基づく結果をディスプレイ111やプリンタ112に出力する。決済結果(部分決済結果を含む)の出力方法に特に限定はないが、たとえば、決済希望総額について部分決済が行われた場合は、最終的に決済承認された金額の合計である合計承認金額と、決済不承認された金額の合計である合計不承認金額とを合わせて出力する。
【0051】
[カード決済金額自動分割承認処理の流れ]
次に、カード決済金額自動分割承認システム30における処理の流れについて、図3〜5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、後述するフローチャートに示す各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0052】
図4は、決済額設定条件として第1設定〜第N設定(最終設定)が設定されている場合における、カード決済金額自動分割承認処理を説明するための図である。決済希望総額に対する決済承認要求がYESである場合は、決済希望総額にて決済が承認され、決済希望総額に対する決済承認要求がNOである場合は、第1設定金額についての部分決済要求が行われる。
【0053】
そして、第1設定金額についての部分決済承認要求がYESである場合は、当該第1設定金額について再度部分決済要求が行われる。第1設定金額については、当該第1設定金額について部分決済が不承認されるか、または、残高(不承認金額)が第1設定金額を下回るまで、部分決済要求が行われる。一方、当該第1設定金額について部分決済が不承認された場合、または、残高(不承認金額)が第1設定金額を下回った場合は、残高(不承認金額)以下の設定金額(第2設定〜第N設定(最終設定)のいずれか、あるいは残高自体)によって部分決済要求が行われる。
【0054】
一方、第1設定金額についての部分決済承認要求がNOである場合は、第2設定金額についての部分決済要求が行われる。第2設定金額についての部分決済要求の処理は、第1設定金額についての部分済要求の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
第1設定金額から順次設定金額を下げながら部分決済要求が段階的に行わった後、第N設定金額(最終設定金額)についての部分決済要求を行う。最終設定金額についても、第1設定金額についての部分決済要求と同様であるが、残高(不承認金額)が最終設定金額を下回った場合は、当該残高にて部分決済要求を行う。
【0056】
以上の結果、決済/部分決済が承認された金額の合計が合計承認金額となり、希望決済総額から当該合計承認金額を減算した値が不承認金額となる。
【0057】
図5は、カード決済金額自動分割承認システム30における処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
自動分割承認システム30は、決済希望総額にて決済要求を決済センタ40送信し、決済センタ40から決済結果を受信する(S201)。
【0059】
自動分割承認システム30は、決済が承認されたか否かを判断し(S202)、承認された場合は(S202;YES)、処理を終了する。一方、承認されなかった場合は(S202;No)は、決済金額自動分割承認処理を開始する(S203)。
【0060】
自動分割承認システム30は、決済額設定条件を参照して、未承認金額よりも低い次の設定金額(1〜N)を部分決済希望金額として決定する(S204)。部分決済希望金額は、前回要求した決済金額(部分決済金額を含む)よりも低い金額であり、対象時点で承認されていない未承認残高以下の金額が特定される。例えば、決済希望総額が未承認金額である場合は、第1設定金額(≦未承認残高の場合)が部分決済希望金額として決定され、第n設定金額が未承認金額である場合は、第n+1設定金額(≦未承認残高の場合)が部分決済希望金額として決定される。
【0061】
自動分割承認システム30は、部分決済希望金額に基づく部分決済要求(1〜N)を決済センタ40へ送信し(S205)、部分決済結果を決済センタ40から受信する(S206)。
【0062】
自動分割承認システム30は、部分決済が承認されたか否かを判断し(S207)、承認された場合は(S207;YES)、承認された部分決済金額に基づいて承認合計金額を算出/更新する(S208)。
【0063】
自動分割承認システム30は、当該時点における未承認残高が、対象となる部分決済希望金額未満であるか否かを判断し(S209)、未承認残高が対象となる部分決済希望金額未満でない場合は(S209;NO)、同じ部分決済希望金額に基づいて再度、部分決済要求を行うように、S205へ進む。例えば、部分決済希望金額が第1設定金額である場合は、第1設定金額について再びS205以降の処理が実行される。
【0064】
一方、自動分割承認システム30は、当該時点における未承認残高が、対象となる部分決済希望金額未満である場合は(S209;YES)、未承認残高以下の設定金額が部分決済額設定条件に設定されているか否かを判断し(S210)、未承認残高以下の設定金額が設定されている場合は(S210;YES),当該未承認残高以下の設定金額にて新たに部分決済要求を行うように、S204へ進む。S204では、例えば、未承認残高以下の設定金額であって未承認残高に最も近い設定金額が、次の部分決済希望金額として決定され、再びS205以降の処理が実行される。例えば、第4設定≦未承認残高≦第3設定の関係にある場合、第4設定の決済金額が次の部分決済希望金額として決定される。
【0065】
一方、未承認残高以下の設定金額が設定されていない場合は(S210;NO)、未承認残高に基づく部分決済要求を送信し(S212)、当該部分決済要求が承認されたか否かを判断する(S213)。そして、当該部分決済要求が承認された場合は(S213;YES)、承認された決済金額をS208の承認金額に加算して承認合計金額を算出する(S215)。一方、承認されなかった場合は(S213;NO)、決済希望総額からS208の承認合計金額を減算した結果を不承認金額として算出する(S214)。
【0066】
S207に戻り、自動分割承認システム30は、部分決済が不承認された場合は(S207;NO)、当該部分決済が最終設定金額であるか否かを判断し(S211)、当該部分決済が最終設定金額でない場合は(S211;NO)、当該部分決済希望額よりも低い金額で次の部分決済要求が行われるように、S204に移行する。一方、当該部分決済が最終設定金額である場合は(S211;YES)、処理を終了する。
【0067】
図6は、カード決済金額自動分割承認処理の具体的事例について説明する図である。決済希望総額及び各種設定金額には、それぞれ金額が設定されている。なお、決済センタ40に設定された利用可能金額は160,000円であるとする。
【0068】
自動分割承認システム30は、決済希望総額(216,500円)に基づく決済要求を送信したところ(同図中(1))、利用可能金額(160,000円)を超えているので、決済不承認の結果が通知される(同図中(2))。この時点では、承認済決済額は0円であり、未承認決済額は216,500円である。
【0069】
自動分割承認システム30は、第1設定金額(100,000円)に基づく部分決済要求を送信したところ(同図中(3))、利用可能金額(160,000円)を超えていないので、部分決済承認の結果が通知される(同図中(4))。これにより、承認済決済額は100,000円となり、未承認決済額は116,500円となる。なお、100,000円が承認されたため、利用可能金額は160,000円から60,000円に変更される。
【0070】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が承認であったため、第1設定金額(100,000円)に基づく部分決済要求を再び送信したところ(同図中(5))、利用可能金額は60,000円になっているため、部分決済不承認の結果が通知される(同図中(6))。不承認のため、承認済決済額と未承認決済額に変更はない。
【0071】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が不承認であったため、段階を下げて、第2設定金額(50,000円)に基づく部分決済要求を送信したところ(同図中(7))、利用可能金額(60,000円)を超えていないので、部分決済承認の結果が通知される(同図中(8))。これにより、承認済決済額は150,000円となり、未承認決済額は66,500円となる。なお、合計150,000円が承認されたため、利用可能金額は60,000円から10,000円に変更される。
【0072】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が承認であったため、第2設定金額(60,000円)に基づく部分決済要求を再び送信したところ(同図中(9))、利用可能金額は10,000円になっているため、部分決済不承認の結果が通知される(同図中(10))。不承認のため、承認済決済額と未承認決済額に変更はない。
【0073】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が不承認であったため、段階を下げて、第3設定金額(1,000円)に基づく部分決済要求を送信したところ(同図中(11))、利用可能金額(10,000円)を超えていないので、部分決済承認の結果が通知される(同図中(12))。これにより、承認済決済額は160,000円となり、未承認決済額は56,500円となる。なお、合計160,000円が承認されたため、利用可能金額は0円に変更される。
【0074】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が承認であったため、第3設定金額(10,000円)に基づく部分決済要求を送信したところ(同図中(13))、利用可能金額は0円になっているため、部分決済不承認の結果が通知される(同図中(14))。不承認のため、承認済決済額と未承認決済額に変更はなく、承認済決済額は160,000円であり、未承認決済額は56,500円である。
【0075】
自動分割承認システム30は、部分決済結果が不承認であったため、段階を下げて、第4設定金額(1,000円未満の所定の金額:例えば、6,500円)に基づく部分決済要求を送信したところ(同図中(15))、利用可能金額は0円になっているため、決済不承認の結果が通知される(同図中(16))。不承認のため、承認済決済額と未承認決済額に変更はなく、承認済決済額は160,000円であり、未承認決済額は56,500円である。
【0076】
以上のとおり、決済希望総額216,500円の決済要求に対して、160,000円が決済承認され、56,500円が決済不承認となる。当該決済時点の利用可能金額が160,000円であったため、決済希望総額に対して利用可能金額の範囲内で有効に決済が承認されたことになる。
【0077】
以上、上記実施形態によれば、決済希望総額について決済が承認されない場合は、当該決済希望総額よりも低い金額で段階的に部分決済要求を行うこととしたので、クレジットカード会社が設定した利用可能金額の範囲内で有効に決済の承認を得ることが可能になる。したがって、消費者や加盟店は、カード会社、カードの種類、利用可能残高、1回あたりの利用可能金額などを意識することなく、カード決済を実行することができるようになる。
【0078】
また、決済希望総額に対する決済が承認されない場合は、自動的に部分決済要求が行われるので、消費者や加盟店は、自ら利用可能金額を予測して、試行錯誤で決済金額を入力する必要がなくなる。その結果、カード決済における消費者や加盟店の利便性をより一層向上することができるようになる。
【0079】
[第2の実施形態]
上記実施形態では、段階的な部分決済金額を順次に承認することにより、承認合計金額を算出するものであったが、本実施形態では、決済希望総額から部分決済金額を段階的に引き下げながら、承認金額を導き出す例を示す。
【0080】
図7は、カード決済金額自動分割承認処理の他の具体的事例について説明する図である。本例では、消費者の決済希望総額は216,500円であり、決済センタ40に設定された利用可能金額は160,000円であるとする。
【0081】
自動分割承認システム30は、決済希望総額(216,500円)に基づく決済要求を送信したところ(同図中(1))、利用可能金額(160,000円)を超えているので、決済不承認の結果が通知される(同図中(2))。この時点では、承認済決済額は0円であり、未承認決済額は216,500円である。
【0082】
自動分割承認システム30は、決済希望総額から所定の金額(例えば10,000円)を減額した金額を第1設定金額(206,500円)として、これに基づく部分決済要求を送信する(同図中(3))。しかしながら、利用可能金額(160,000円)を超えているので、決済不承認の結果が通知される(同図中(4))。したがって、承認済決済額及び未承認決済額に変動はない。
【0083】
自動分割承認システム30はさらに、第1設定金額から所定の金額(例えば10,000円)を減額した金額を第2設定金額(196,500円)として、これに基づく部分決済要求を送信する(同図中(5))。しかしながら、利用可能金額(160,000円)を超えているので、決済不承認の結果が通知される(同図中(6))。したがって、承認済決済額及び未承認決済額に変動はない。
【0084】
同様にして、自動分割承認システム30は、順次に所定の金額を減額した第x設定金額を算出し、部分決済要求を送信し、承認の結果が通知されるまで繰り返す(同図中(7)〜(14))。この手順を繰り返すことにより、第6設定金額(156,500円)に基づく部分決済要求の送信に応答して、承認の結果が通知されることになる。これにより、承認済決済額は156,500円であり、未承認決済額は60,000円である。
【0085】
以上のとおり、決済希望総額216,500円の決済要求に対して、156,500円が決済承認され、60,000円が決済不承認となる。当該決済時点の利用可能金額が160,000円であったため、決済希望総額に対して利用可能金額の範囲内で有効に決済が承認されたことになる。なお、減額幅を小さくすれば、利用可能金額に対して決済希望総額を一致乃至は近接させることが可能である。また、減額幅を各段階で変更するようにしてもよい。
【0086】
[第3実施形態]
本実施形態では、上述したカード決済金額自動分割承認システムに契約管理システムを有機的に連携させた例について説明する。ここでは、契約管理システムは、特定継続的役務に関するものとし、また、当該特定継続的役務は、エステティックサービスであるものとする。なお、契約管理システムは、カード決済金額自動分割承認システムに有機的に連携させることができる他、それ単独でも利用可能である。
【0087】
即ち、店舗等では、特定継続的役務提供等契約にあたり、カード決済に先立って、特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面(「概要書面」)及び特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面(「契約書面」)をそれぞれ所定の時点で消費者(顧客)に交付する必要がある。したがって、まず、店舗の従業員は、特定継続的役務提供契約を締結する前に、概要書面を作成するために、カード決済端末20を操作して、必要事項を入力する。その後、契約締結に至った場合には、従業員は、契約書面を作成するために、カード決済端末20を操作して、必要事項を入力する。本実施形態では、概要書面で入力した事項のうち契約書面と共通する事項は、契約書面に引き継がれ、さらに、カード決済処理に必要な事項は、カード決済金額自動分割システムに引き継がれることになる。
【0088】
図8は、本実施形態に係るカード決済金額自動分割承認システムの概略構成の一例を示す図である。既述した機能実現手段と同一のものには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0089】
契約管理支援手段120は、入力装置110及びディスプレイ111と相まって、契約管理のためのユーザインターフェースを提供する。具体的には、契約管理支援手段120は、概要書面及び契約書面を作成するための入力画面をディスプレイ111に表示し、入力装置110からの入力をインタラクティブに受け付ける。図9は、契約管理支援手段120による入力画面の一例を示す図である。入力画面は、例えば、複数のタブを含み、タブによって入力フォームを切り替えることができるように構成される。一例として、「都度支払い計算書」、「概要書面」、「契約書」、「役務提供履歴」、及び「決済処理」等の入力フォームを選択するためのタブが用意されている。同図では、概要書面タブが選択された状態の入力画面を示している。
【0090】
契約管理支援手段120は、ある入力フォームにおける特定のフィールドで入力された内容を他の入力フォームにおける対応する特定のフィールドに引き継ぐ機能を有している。つまり、入力フォームの切り換えはタブの選択によってなされるが、ある入力フォームにおける特定のフィールドの内容について、操作者は、切り替えられた入力フォームにおける特定のフィールドで参照及び/又は修正することができる。図10は、概要書面入力フォームの一例を示し、また、図11は、契約書面入力フォームの一例を示している。例えば、概要書面入力フォームにおいて入力された施術内容のフィールドは、契約書面入力フォームの対応するフィールドに引き継がれる。また、概要書面入力フォームにおける当該役務に関連して販売される関連商品のフィールドや支払い総額のフィールドもまた契約書面入力フォームの対応するフィールドに引き継がれる。このような入力フォーム間の引き継ぎは、例えば、引き継ぎ元フィールドの属性値を引き継ぎ先フィールドの属性値に代入することでなされる。これによって、操作者は、重複した内容を再入力する手間を省くことができ、また、入力ミスによる不一致を防止することができる。
【0091】
契約管理支援手段120は、操作者の指示の下、各入力フォームにおいて作成された書面を印刷するため、データをプリンタ112に出力する。プリンタ112は、これを受けて、紙等の印刷記録媒体にデータを印刷する。これによって、印刷された書面が消費者に交付されることになる。
【0092】
また、契約管理支援手段120は、カード決済に際しては(典型的には、特定継続的役務提供等契約の締結後)、決済処理入力フォームを操作者に提供し、消費者の決済希望総額及びカード情報の入力を促す。契約書面入力フォームに引き継がれたフィールドのうち決済処理入力フォームのフィールドに共通する事項もまた決済処理入力フォームの対応するフィールドに引き継がれる。例えば、契約書面入力フォームにおける合計金額のフィールドの内容は、決済処理入力フォームの購入金額のフィールドに引き継がれる。
【0093】
図12は、カード決済処理入力フォームの一例を示している。本例では、購入金額、顧客の電話番号、店舗担当者及び役務・商品名が契約書面入力フォームから引き継がれ、該当するフィールドに入力されている。この状態で、操作者は、例えばカードリーダを用いて、顧客から預ったクレジットカードのカード情報をカード決済端末20に入力する。これにより、カード会員の名前、カード番号及び有効期限がカード決済入力フォームの対応するフィールドに入力される。さらに、操作者は、必要に応じて、クレジットカードに記載されているセキュリティコードを該当するフィールドに入力する。契約管理支援手段120は、決済処理入力フォームで入力された内容を、上述した希望総額取得手段101に引き渡す。これによって、カード決済金額自動分割承認システム30は、必要に応じて、決済希望総額の一部についての決済の承認を得ることができるようになる。
【0094】
以上のとおり、ある入力フォームにおける特定のフィールドで入力された内容は、他の入力フォームにおける対応する特定のフィールドに自動的に引き継がれることになる。特に、煩雑な入力作業を要する特定継続的役務提供等の契約締結に際して、概要書面及び契約書面に共通する入力事項は、両者間で引き継がれるので、操作者は重複入力をする必要がなくなり、作業負担が軽減されるとともに、入力ミスによるデータ不一致が回避されることになる。さらに、カード決済に際しても、これまでの入力内容が決済処理に引き継がれるので、同様の利点が得られる。そして、カード決済に際して入力されたカード情報や購入金額等は決済金額自動分割承認システムに引き渡され、この結果、利用可能金額の状況に応じて、部分決済がなされることになる。
【0095】
以上、上記実施形態によれば、各種の入力フォーム間で共通データが引き継がれるようにしたので、特定継続的役務提供等の契約締結及び決済に際して、操作者は、重複入力をすることなく、概要書面及び契約書面を作成し、カード決済手続きをすることができるようになる。また、カード決済では、カード情報等が決済金額自動分割承認システムに引き渡されるので、部分決済が可能となり、クレジットカード会社が設定した利用可能金額の範囲内で有効に決済の承認を得ることが可能になる。したがって、比較的高額な決済になりやすい特定継続的役務提供等の決済においても、消費者や加盟店は、利用可能残高、1回あたりの利用可能金額などを意識することなく、カード決済を実行することができるようになる。
【0096】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態
はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0097】
10…カード
20…カード決済端末
30…カード決済金額自動分割承認システム
40…クレジットカード決済センタ
101…希望総額取得手段
102…決済要求送信手段
103…決済結果受信手段
104…部分決済制御手段
105…部分決済額決定手段
106…部分決済要求送信手段
107…部分決済結果受信手段
108…部分決済額設定条件記憶手段
109…部分決済額設定条件
110…入力装置
111…ディスプレイ
120…契約管理支援手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード決済センタに通信可能に構成される決済処理システムであって、
決済金額を段階的に設定する部分決済額設定条件を記憶する記憶手段と、
決済希望総額に基づく決済要求を前記カード決済センタに送信する決済要求送信手段と、
前記カード決済センタから送信される前記決済要求に対する決済結果を受信する決済結果受信手段と、
前記決済要求に対する決済結果が不承認である場合に、前記記憶手段に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を部分決済希望金額として決定する部分決済希望金額決定手段と、
前記部分決済希望金額に基づく部分決済要求を前記カード決済センタに送信する部分決済要求送信手段と、
前記部分決済要求に対する部分決済結果を受信する部分決済結果受信手段と、
を備えることを特徴とする決済処理システム。
【請求項2】
前記部分決済希望金額決定手段は、
前記部分決済要求に対する部分決済結果が不承認である場合、前記記憶手段に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された部分決済希望金額よりも低い金額を次の部分決済希望金額として決定することを特徴とする請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項3】
前記部分決済において承認された承認金額の合計を承認合計金額として算出し、前記決済希望総額から当該承認合計金額を減算したものを決済不承認金額として算出する部分決済制御手段、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の決済処理システム。
【請求項4】
前記部分決済希望金額決定手段は、
前記部分決済に対する部分決済結果が承認である場合は、当該時点における未承認金額が当該部分決済結果に係る部分決済希望金額以上であることを条件に、当該部分決済希望金額に基づく部分決済要求を前記カード決済センタへ送信する請求項1から3のいずれか1項に記載の決済処理システム。
【請求項5】
前記部分決済希望金決定手段は、
前記部分決済結果が承認である場合は、当該時点における未承認金額が当該部分決済結果に係る部分決済希望金額未満であることを条件に、前記記憶手段に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該部分決済希望金額よりも低い金額を次の部分決済希望金額として決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の決済処理システム。
【請求項6】
前記決済処理システムは、
所定の役務提供に関する契約の管理を支援する契約管理支援手段をさらに備え、
前記契約管理支援手段は、
複数の入力フォームを含む画面が表示されるように制御して、前記複数の入力フォームのうち前記契約に関わる第1の入力フォームに対して入力された内容が前記契約に関わる第2の入力フォームに対する入力内容に引き継がれるように制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の決済処理システム。
【請求項7】
前記契約管理支援手段は、
前記第2の入力フォームに対して入力された内容が決済に関わる第3の入力フォームに対する入力内容に引き継がれるように制御し、
前記決済要求送信手段は、前記第3の入力フォームに対して入力された内容に基づいて、前記決済要求を前記カード決済センタに送信することを特徴とする請求項6に記載の決済処理システム。
【請求項8】
カード決済センタに通信可能に構成される決済処理システムにおける決済処理方法であって、当該決済処理システムは、決済金額を段階的に設定する決済額設定条件を記憶する記憶装置を備え、前記決済処理方法は、
決済希望総額に基づく決済要求を前記カード決済センタに送信する決済要求送信ステップと、
前記カード決済センタから送信される前記決済要求に対する決済結果を受信する決済結果受信ステップと、
前記決済要求に対する決済結果が不承認である場合に、前記記憶装置に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を部分決済希望金額として決定する部分決済希望金額決定ステップと、
前記決定された部分決済希望金額に基づく部分決済要求を前記カード決済センタに送信する部分決済要求送信ステップと、
前記部分決済要求に対する部分決済結果を受信する部分決済結果受信ステップと、を備え、
前記部分決済希望金額決定ステップは、
前記部分決済要求に対する部分決済結果が不承認である場合は、前記記憶装置に記憶されている部分決済額設定条件を参照し、当該不承認された不承認金額よりも低い金額を次の部分決済希望金額として決定することを特徴とする決済処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の決済処理方法に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図1】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−233143(P2011−233143A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83917(P2011−83917)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(500161502)