説明

カード発行用申込用紙及びラミネートカード

【課題】 利用者情報の記入を行った利用者に対して、その場で速やかにカードを手渡すことができ、かつ、その際、氏名等を記したカードへのラミネートシールの接着を簡単に行い、ラミネートカードを発行することができるラミネートカードを提供する。
【解決手段】 利用者情報を記入する箇所311を有するカード310と、カード310と略同形のラミネートシール350と、ラミネートシール350の利用者情報を記入する側311への接着部分を覆った剥離紙340とを備え、カード310に利用者情報を記入した後、剥離紙340を剥がしながらラミネートシール350を接着するラミネートカード300を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者情報を記入した利用者に対してカードを発行するシステムで使用される申込用紙及びカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公共施設、商業施設、あるいはこれらの店舗など(以下、施設や店舗)では、申込用紙に利用者情報を記入した利用者に対して、当該施設や店舗を利用できるカードを発行するシステムを実施しており、利用者は受け取ったカードを用いて、施設や店舗が提供するサービスを利用している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−272807号公報
【0003】
カード発行までの作業について簡単に説明する。施設や店舗側は、予め利用者情報を記入する欄を有する申込用紙と、会員番号を印字あるいは会員番号がエンコードされたバーコードを印刷したカードを用意している。入会を希望する利用者は、カード発行担当者により渡された申込用紙に利用者本人の氏名、住所、電話番号、E-mailアドレス、生年月日等の必要事項を記入する。
【0004】
カード発行担当者は申込用紙に記入された利用者情報を端末上で記録するとともに、カードに印字あるいはエンコードされていた会員番号を申込用紙に転記する。これにより、施設や店舗側は、利用者がカードを提示した際に、会員番号を読み取って端末上で検索することにより、利用者を特定することができる。なお、申込用紙は施設や店舗側で管理される。カード発行担当者は、これらの作業を終えた後、利用者の氏名等をカードに記入した上で、カードを発行する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術は、利用者情報を記入した利用者に対してカードを発行するまでに、カード発行担当者は、端末上への利用者情報の記録、及びカードに記されている会員番号の申込用紙への転記などの作業を行っているので、登録を行う利用者に対してその場で速やかにカードを手渡すことができず、後日、郵送などの手段により発行しており、両者にとって不都合が生じるという問題があった。
【0006】
また、発行されるカードは、その損傷を防止するため、ラミネート保護を施しておくのが望ましい。しかしながら、ラミネート保護されたカードに氏名等を記入することは、その材質上、困難であり、記入できたとしても消えやすいという問題があった。氏名等をカードに記した後、ラミネートシールを接着することにより、この問題を回避することはできるが、カードと略同形のラミネートシールをずらさずに接着するのは困難であり、こうしたラミネートカードをその場で速やかに発行するのは非常に困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、こうした問題に着目し、利用者情報の記入を行った利用者に対して、その場で速やかにカードを手渡すことができ、かつ、その際、氏名等を記したカードへのラミネートシールの接着を簡単に行い、ラミネートカードを発行することができる、カード発行用申込用紙及びラミネートカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカード発行用申込用紙は、利用者情報を記入する欄を有する申込用紙と、申込用紙の所定位置に接着された擬似接着シートと、擬似接着シートと擬似接着したラミネートカードとを備えたカード発行用申込用紙であって、申込用紙及びラミネートカードに利用者を特定する識別情報を予め示しておくことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のラミネートカードは、利用者情報を記入する箇所を有するカードと、カードと略同形のラミネートシールと、ラミネートシールの利用者情報を記入する側への接着部分を覆った剥離紙とを備え、カードに利用者情報を記入した後、剥離紙を剥がしながらラミネートシールを接着することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカード発行用申込用紙によれば、申込用紙及びラミネートカードを擬似接着しておき、これらに利用者を特定する識別情報を予め示しておくことにより、カード発行担当者は、申込用紙に利用者情報を記入してもらった後、擬似接着されたカードを簡単に剥がして、その場で速やかにカードを手渡すことができる。
【0011】
また、本発明のラミネートカードによれば、ラミネートシールの利用者情報を記入する側への接着部分を剥離紙により覆っておくことにより、カード発行担当者は、氏名等を記入したカードへのラミネートシールの接着を簡単に行い、その場で速やかにラミネートカードを作成し、手渡すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明は以下の実施例で説明する範囲に何ら限定されるものではなく、その範囲を逸脱しなければ、適宜に変更及び実施できるものである。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の第1実施例について説明する。はじめにカード発行用申込用紙の各部位について説明する。図1及び図2に示すように、本実施例のカード発行用申込用紙10は、利用者情報を記入する欄を印字した申込用紙100、申込用紙100の所定位置に接着された擬似接着シート200、及び擬似接着シート200と擬似接着したラミネートカード300を備えている。
【0014】
申込用紙100には、利用者本人の氏名、住所、電話番号、E-mailアドレス、生年月日等の必要事項を記入する欄110が印字されており、また、この他に数字や文字などを組み合わせた会員番号120を印字、あるいは会員番号がエンコードされたバーコード130を印刷している。
【0015】
擬似接着シート200は、粘着部210、及び粘着部210に積層された擬似接着部220を備えている。擬似接着部220に含まれる天然ゴムあるいはバインダ等が有する自着力により、擬似接着部220とラミネートカード300を所定位置で接触させ、これに圧力を加えることにより、擬似接着させている(図4(a)参照)。擬似接着シート200と擬似接着したラミネートカード300は簡単に剥がすことができ、申込用紙100から分離できるようになっている。
【0016】
図3に示すように、ラミネートカード300には、数字や文字などを組み合わせた会員番号320を印字、あるいは会員番号がエンコードされたバーコード330を印刷しており、これにより施設側は利用者を特定することができる。ラミネートカード300は、利用者情報を記入する側311を有するカード310、カード310と略同形のラミネートシール350,360(図4参照)、ラミネートシール350の利用者情報を記入する側への接着部分を覆った剥離紙340を備えている。
【0017】
カード310は、その材質は、ポリエステルなどの合成樹脂製、または厚紙により作製されるのが望ましい。また、その大きさは、車の免許証ほどの大きさのものであり、カード入れや財布(図示しない)に収納できるほどの大きさが望ましい。
【0018】
ラミネートシール350,360は粘着部351,361を有しており、これによりカード310に接着している。ラミネートシール350はカード310の表面をラミネート保護するものであり、ラミネートカード300が発行されるまでは、利用者情報を記入しない側312だけ粘着部351で接着しており、利用者情報を記入する側311は剥離紙340により粘着部351は覆われて、接着していない。一方、ラミネートシール360はカード310の裏面をラミネート保護するものであり、裏面全体を粘着部361で接着している。また、ラミネートシール360の他方面362は、擬似接着シート200の擬似接着部220と擬似接着している。なお、ラミネートシール350,360はポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等を用いるのが望ましい。
【0019】
剥離紙340は、ラミネートシール350の粘着部351と接触する面にシリコン加工を施しており、粘着部351から容易に剥がせるようになっている。
【0020】
以下、図1乃至図4を参照してカード発行用申込用紙10の使用例を説明する。はじめに、施設や店舗側は、予め申込用紙100及びラミネートカード300を、擬似接着シート200を介して擬似接着したカード発行用申込用紙10を用意している(図1参照)。入会を希望する利用者は、カード発行用申込用紙10をカード発行担当者から渡されると、申込用紙100の記入欄110に利用者本人の氏名、住所、電話番号、E-mailアドレス、生年月日等の必要事項を記入する(図2、図4(a)参照)。
【0021】
必要事項が記入された申込用紙100を受け取ったカード発行担当者は、申込用紙100に擬似接着されているラミネートカード300を剥がして分離する(図2、図3(a)、図4(b)参照)。ラミネートカード300の利用者情報を記入する側311はラミネート保護されておらず、カード310の表面は露出した状態になっている。
【0022】
つづいて、カード発行担当者は、この箇所に利用者の氏名等の利用者情報を記入した後(図3(b)、図4(c)参照)、剥離紙340を剥がしながら、粘着部351をカード310に接着していき(図4(d)参照)、ラミネートシール350をカード310の表面全体に接着する(図3(c)、図4(e)参照)。ラミネートシール350の粘着部351は利用者情報を記入しない側312には既に接着されており、かつ、この位置決めが正確にされているので、剥離紙340を剥がしていくと、粘着部351はカード310からずれずに、正確に接着される。すなわち、利用者の氏名等の利用者情報を記入したカード310へのラミネートシールの接着を簡単に行うことができ、カード310の損傷を防止するとともに、カード310上に記入した氏名等が消えるのを防止することもできる。
【0023】
そして、カード発行担当者は作成したラミネートカード300を利用者に手渡した後、申込用紙100に記入された利用者情報を端末上で記録しておく。以上により、本実施例のカード発行用申込用紙10を使用し、ラミネートカード300を発行するまでの作業は終了する。
【0024】
以後、利用者は手渡されたラミネートカード300を施設や店舗で提示し、施設側の担当者はラミネートカード300に印刷されている会員番号120、あるいは、バーコード130を読み取って、これを端末上で検索することにより利用者を特定することができ、特定された利用者は施設や店舗側が提供するサービスを利用することができる。
【0025】
以上、本実施例によれば、申込用紙及びラミネートカードを擬似接着しておき、これらに利用者を特定する識別情報を予め示しておくことにより、カード発行担当者は、申込用紙に利用者情報を記入してもらった後、擬似接着されたカードを簡単に剥がして、その場で速やかにカードを手渡すことができる。
【0026】
また、本実施例によれば、ラミネートシールの利用者情報を記入する側への接着部分を剥離紙により覆っておき、一方、ラミネートシールの利用者情報を記入する側へはラミネート保護を施して正確な位置決めをしておくことにより、ラミネートシールを剥がしていくだけで残りのラミネート保護を簡単に施すことができ、その場で速やかにラミネートカードを作成して手渡すことができる。
【0027】
なお、本実施例では申込用紙100に示した識別情報120及びラミネートカード300に示した識別情報320を同一にしているが、識別情報をキーにして利用者を特定できる識別情報であれば、これに限定しなくても良い。
【0028】
また、本実施例では、ラミネートカード10のカード310上に識別情報を示しているが、ラミネートシール350上に示しても良い。
【0029】
さらに、本実施例では、会員番号をエンコードしたバーコード330を印刷しているが、何らかの手段で識別情報を埋め込み、何らかの手段でこれを読み取ることができれば、これに限定しなくても良い。例えば、RFID(radio frequency identification)チップをカード310内に埋め込むようにしても良い。
【0030】
また、図5に示すように、カード310上の利用者情報を記入する側に写真を載置する写真載置部313を備え、この箇所に利用者の写真400を載置するようにしても良い。この場合も、利用者の写真400を載置した後(図4(c)参照)、剥離紙340を剥がしながら、粘着部351をカード310に接着していき(図4(d)、図5(b)参照)、ラミネートシール350をカード310の表面全体に貼り付けることにより作成される。(図4(e)、図5(c)参照)。剥離紙340を剥がしていった場合、載置した写真400がラミネートシールの粘着部351に接着するので、接着剤などを用いなくても、写真付のラミネートカード300を簡単に作成することができ、カードや写真の損傷を防止するとともに、写真がずれるのを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のカード発行用申込用紙及びラミネートカードは、公共施設、商業施設、あるいはこれらの店舗などの産業分野で利用できるものである。例えば、スポーツジムやレンタルビデオショップ等のメンバーズカード、あるいは図書館の貸し出しカードなどの利用者登録を行ってカードを発行する分野以外にも、学生証や社員証、あるいは建築現場の立ち入り許可カードなど利用者認証を行うために発行するカードとしても使用することができ、様々な産業分野で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例で用いるカード発行用申込用紙を示す平面図
【図2】申込用紙に必要事項を記入した状態を示すカード発行用申込用紙の平面図
【図3】本発明の一実施例で用いるラミネートカードを示す平面図
【図4】本発明の一実施例で用いるカード発行用申込用紙を使用する工程を示す図
【図5】本発明の一実施例で用いる写真付のラミネートカードを示す平面図
【符号の説明】
【0033】
10 カード発行用申込用紙
100 申込用紙
120 会員番号(識別情報)
130 バーコード(識別情報)
200 擬似接着シート
300 ラミネートカード
310 カード
311 利用者情報を記入する側
312 利用者情報を記入しない側
340 剥離紙
350,360 ラミネートシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者情報を記入する欄を有する申込用紙と、
申込用紙の所定位置に接着された擬似接着シートと、
前記擬似接着シートと擬似接着したラミネートカードとを備えたカード発行用申込用紙であって、
前記申込用紙及び前記ラミネートカードに利用者を特定する識別情報を予め示しておくことを特徴とするカード発行用申込用紙。
【請求項2】
前記識別情報は、数字や文字などを組み合わせた会員番号、あるいはバーコードであることを特徴とする請求項1に記載のカード発行用申込用紙。
【請求項3】
利用者情報を記入する箇所を有するカードと、
前記カードと略同形のラミネートシールと、
前記ラミネートシールの前記利用者情報を記入する側への接着部分を覆った剥離紙とを備え、
前記カードに前記利用者情報を記入した後、前記剥離紙を剥がしながら前記ラミネートシールを接着することを特徴とするラミネートカード。
【請求項4】
前記カードは写真を載置する写真載置部を有することを特徴とする請求項3に記載のラミネートカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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