説明

ガイド部材

【課題】ガイド部材のコストを低減でき、かつ、搬送コンベアで搬送するワークの種類を変更する際の作業工数を低減可能なガイド部材を提供する。
【解決手段】搬送コンベアC・Cにより搬送方向に搬送されるワーク110・120をガイドするガイド部材1であって、ワーク110・120は、ワーク110・120を搬送コンベアC・Cに載置した際に、搬送コンベアC・C間に位置する部分に、ガイド部材1と係合可能な係合部112・122を有し、係合部112・122は、その形状がワーク110・120毎にそれぞれ異なり、ガイド部材1は、軸回りに回動可能に支持される回動軸10と、回動軸10に設けられ、ワーク110・120を前記搬送方向にガイドするガイド部11・12とを有し、ガイド部11・12は、係合部112・122の形状に対応した形状に形成されるとともに、互いに回動軸10の周方向へ位相をずらして配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送コンベアにより搬送されるワークをガイドするガイド部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを搬送コンベア等により搬送する際に、搬送されるワークをガイド部材によりガイドする技術は公知であり、例えば、図14に示すガイド部材500が知られている。
図14(a)(b)に示すガイド部材500は、ワークの搬送方向(図14(b)の矢印Aの方向)と直交する方向に所定の間隔を空けて並設される一対の搬送コンベアC・Cに付設されており、搬送コンベアC・Cにより搬送方向に搬送されるワーク(第一ワーク610)をガイドするものである。
ガイド部材500は一対のガイド部510を有しており、各ガイド部510・510は、それぞれ搬送コンベアC・Cの幅方向(図14(b)の矢印Aと直交する方向)外側に配置されている。各ガイド部510は、ワークの搬送方向に延在する板状部材にて構成されており、搬送コンベアC・C上を搬送されるワーク(第一ワーク610)の幅方向外側面をガイドして、ワーク(第一ワーク610)の幅方向への移動を規制している。
【0003】
第一ワーク610は、その幅寸法が(W1)に形成されており、第一ワーク610を搬送する搬送コンベアC・Cの幅方向寸法は、第一ワーク610の幅寸法と同じ(W1)に設定されている。つまり、搬送コンベアC・Cの幅方向外側に配置されるガイド部510・510の間隔が寸法(W1)となるように搬送コンベアC・Cの間隔を設定して、搬送される第一ワーク610をガイド部510・510によりガイドするように構成している。
つまり、ガイド部510・510間の寸法を(W1)に設定することで、第一ワーク610の幅方向外側面にガイド部510・510が摺接することとなり、ワーク610が、幅方向の移動を規制されて搬送方向にガイドされた状態になる。
【0004】
また、前記ガイド部510・510は、複数種類の幅寸法のワークをガイド可能に構成されており、搬送コンベアC・C上を搬送されるワークの幅寸法に応じて、ガイド部510・510の間隔を設定可能に構成されている。
例えば、図14(c)(d)に示すように、幅寸法が前記第一ワーク610の幅寸法(W1)より小さな寸法(W2)に形成された第二ワーク620をガイドする場合には、ガイド部510・510の間隔が第二ワーク620の幅寸法である寸法(W2)に設定される。
なお、図14において、第一ワーク610および第二ワーク620は、それぞれ搬送コンベアC・Cに載置される面の間に上方へ陥没した凹陥形状611・621を有している。
【0005】
この、ガイド部510・510の間隔の設定は、一方の搬送コンベアCを他方の搬送コンベアCに対して適宜近接・離間移動して、ガイド部510・510間(搬送コンベアC・C間)の寸法が所望の寸法となるように調節することにより行われる。
例えば、ガイド部510・510の間隔を、第一ワーク610をガイドしていた状態から第二ワーク620をガイドする状態へ変更する場合には、一方の搬送コンベアCを他方の搬送コンベアCに対して近接移動することにより、ガイド部510・510の間隔が(W1)から(W2)に変更される。(図14(c)および図14(d)参照)。
【0006】
すなわち、搬送するワークの種類を幅寸法が異なるものに変更するたびに、一方の搬送コンベアCを他方の搬送コンベアCに対して近接・離間移動して、ガイド部510・510の間隔を、ワークの幅方向の寸法にあわせる必要があり、煩雑な作業を要する。
特に、ワークの搬送を阻害せずに、かつワークを確実にガイドするためには、ガイド部510・510の間隔を高精度に設定する必要があり、搬送コンベアCの近接・離間移動操作が煩雑で、作業工数が増大していた。
【0007】
また、特許文献1には、ワークを搬送する搬送部材本体に着脱自在に取り付けられ、外周面にワークの搬送路の一部を形成し、部品整列機能を有する搬送溝を備えたシャフト(ガイド部材)が記載されている。
特許文献1に記載のガイド部材は、前記搬送溝にワークを嵌め込んでガイドしつつ搬送する。そして、搬送するワークの種類を変更する際には、ガイド部材をワークの寸法や形状に応じた搬送溝を有するものに取り換えるように構成されている。
しかし、ワークの種類毎に専用のガイド部材を用意する必要がある。これにより、ガイド部材のコストが増大する点で不利である。
また、搬送するワークの種類の変更する際、既設のガイド部材を搬送部材本体から取り外した後、新たなガイド部材を搬送部本体に取り付ける作業が必要であり、煩雑な作業を要する。これにより、作業工数が増大する点で不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−039200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ガイド部材のコストを低減でき、かつ、搬送コンベアで搬送するワークの種類を変更する際の作業工数を低減可能なガイド部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のガイド部材は、
所定間隔を空けて搬送方向と直交する方向へ並列に配置される一対の搬送コンベアに載置され、前記一対の搬送コンベアにより前記搬送方向に搬送される複数種類のワークをガイドするガイド部材であって、
前記複数種類のワークは、該ワークを前記一対の搬送コンベアに載置した際に、前記一対の搬送コンベア間に位置する部分に、前記ガイド部材と係合可能な各係合部を有し、
前記複数種類ワークの各係合部は、その形状がワーク毎にそれぞれ異なり、
前記ガイド部材は、軸回りに回動可能に支持される回動軸と、前記回動軸に設けられ、前記複数種類のワークを前記搬送方向にガイドする各ガイド部と、を有し、
前記各ガイド部は、前記複数種類のワークの各係合部の形状に対応した形状に形成されるとともに、互いに回動軸の周方向へ位相をずらして配置される。
【0011】
請求項2に記載のガイド部材においては、
前記複数種類のワークは、第一係合部を有する第一ワークと、第二係合部を有する第二ワークと、で構成され、
前記回動軸は、前記一対の搬送コンベア間にて、軸心が前記搬送方向に沿う状態で、軸回りに回動可能に配置され、
前記各ガイド部は、前記第一ワークの第一係合部に係合可能であり、前記第一ワークを前記搬送方向にガイドする第一ガイド部と、前記第二ワークの第二係合部に係合可能であり、前記第二ワークを前記搬送方向にガイドする第二ガイド部と、を有する。
【0012】
請求項3に記載のガイド部材においては、
前記回動軸は、軸心が前記搬送方向に沿う状態で、前記一対の搬送コンベアに載置された前記複数種類のワークの各係合部に近接離間可能に支持される。
【0013】
請求項4に記載のガイド部材は、
所定間隔を空けて搬送方向と直交する方向へ並列に配置される一対の搬送コンベアに載置され、前記一対の搬送コンベアにより前記搬送方向に搬送される複数種類のワークをガイドするガイド部材であって、
前記複数種類のワークは、該ワークを前記一対の搬送コンベアに載置した際に、前記一対の搬送コンベア間に位置する部分に、前記ガイド部材と係合可能な各係合部を有し、
前記複数種類のワークの各係合部は、その形状がワーク毎にそれぞれ異なり、
前記ガイド部材は、軸心が前記搬送方向に沿う状態で、前記一対の搬送コンベアに載置された前記複数種類のワークの各係合部に近接離間可能に支持され、かつ、軸回りに回動可能に支持される回動軸と、前記回動軸に設けられ、前記複数種類のワークを前記搬送方向にガイドする各ガイド部とを有し、
前記各ガイド部は、前記複数種類のワークの各係合部の形状に対応した形状に形成されるとともに、複数の群に分けられ、かつ、前記複数の群毎に、互いに回動軸の周方向へ位相をずらして配置され、
前記複数の群内のガイド部は、前記回動軸の径方向に並んで配置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ガイド部材のコストを低減でき、かつ、搬送コンベアで搬送するワークの種類を変更する際の作業工数を低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るガイド部材が用いられる搬送コンベアおよびワークを示す図である。
【図2】本発明に係るガイド部材の第一実施形態であるガイド部材の斜視図である。
【図3】図2のガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図4】本発明に係るガイド部材の第一実施形態であるガイド部材の斜視図である。
【図5】図4のガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図6】本発明に係るガイド部材の第一実施形態の別実施形態を搬送方向からみた図である。
【図7】本発明に係るガイド部材の第二実施形態であるガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図8】本発明に係るガイド部材の第二実施形態であるガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図9】本発明に係るガイド部材の第三実施形態であるガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図10】本発明に係るガイド部材の第三実施形態であるガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図11】(a)は本発明に係るガイド部材の第二実施形態の別実施形態を搬送方向からみた図であり、(b)は本発明に係るガイド部材の第三実施形態の別実施形態を搬送方向からみた図である。
【図12】本発明に係るガイド部材の第四実施形態であるガイド部材を搬送方向からみた図である。
【図13】本発明に係るガイド部材の第四実施形態の別実施形態を搬送方向からみた図である。
【図14】従来のガイド部材を示す図であり、(a)および(c)はガイド部材を搬送方向からみた図であり、(b)および(d)はガイド部材を上方からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明に係るガイド部材の実施形態であるガイド部材1・2・3・4について、図面を参照して説明する。
【0017】
ガイド部材1・2・3は、一対の搬送コンベアC・Cを有するコンベアにより搬送されるワーク100をガイドするための部材である。
図1に示すように、前記コンベアを構成する一対の搬送コンベアC・Cは、所定間隔を空けて搬送方向(図1の矢印A参照)と直交する方向へ並列に配置されている。
【0018】
ワーク100は、例えばクランクキャップ等であり、搬送コンベアC・C上に載置された状態で搬送される。
ワーク100は、例えば直方体形状の部材の下部を円弧状に切り欠いた形状に形成されており、円弧状に切り欠いた部分がガイド部材1・2・3と係合可能な係合部102として構成され、係合部102の両側部の下面が搬送コンベアC・C上に載置される載置面101・101として構成されている。
つまり、係合部102は載置面101・101の間に形成されており、係合部102および載置面101・101は、ワーク100の搬送コンベアC・Cによる搬送方向(図1における矢印Aの方向)と直交する方向(図1における矢印Bの方向)へ並列に配置されている。
載置面101・101は、平面形状に形成されている。係合部102は、載置面101・101に対して上方に陥没した形状を有し、半円柱形状に凹陥した形状に形成されている。
【0019】
ワーク100は、載置面101・101が搬送コンベアC・C上にそれぞれ載置された状態で搬送される。このとき、係合部102は、その半円柱形状の軸心が搬送コンベアC・C間もしくはその上方にて、搬送方向に延在した姿勢に配置される。
【0020】
ワーク100には、係合部102の径(R)や幅方向(搬送方向と直交する水平方向であり、図1の矢印Bの方向)の寸法(W)等が異なる複数種類の形状のものが存在する。
【0021】
[第一実施形態]
以下では、ガイド部材1について説明する。
【0022】
図2、図4に示すように、ガイド部材1は、二種類の形状のワーク(第一ワーク110・第二ワーク120)をガイド可能に構成されている。
第一ワーク110および第二ワーク120は、前記ワーク100と同様に、例えば直方体形状の部材の下部を円弧状に切り欠いた形状に形成されており、円弧状に切り欠いた部分がガイド部材1と係合可能な係合部112・122として構成され、係合部112・122の両側部の下面が搬送コンベアC・C上に載置される載置面111・121として構成されている。
係合部112・122は、載置面111・121に対して上方に陥没した形状を有し、半円柱形状に凹陥した形状に形成されている。
第一ワーク110の係合部112の径(R1)の方が、第二ワーク120の第二係合部122の径(R2)よりも大きく形成されている(R1>R2)。また、第一ワーク110の幅方向の寸法(W1)の方が、第二ワーク120の幅方向の寸法(W2)よりも大きく形成されている(W1>W2)。
【0023】
図2〜図5に示すように、ガイド部材1は、第一ワーク110および第二ワーク120の搬送方向(矢印Aの方向)へ延出する柱状形状の部材であり、軸回りに回動可能な回動軸10、第一ワーク110をガイドする第一ガイド部11、および第二ワーク120をガイドする第二ガイド部12を有する。
【0024】
回動軸10は、第一ガイド部11・第二ガイド部12を支持する部材であり、円柱形状に形成されている。
回動軸10は、搬送コンベアC・C間にて、搬送コンベアC・Cと並列に配置されており、軸心が搬送方向に沿うように配置されている。また、回動軸10は、軸心が搬送コンベアC・Cにおける第一ワーク110・第二ワーク120が載置される面と同じ高さに位置するように水平に配置されている。
回動軸10の端部には取っ手10aが設けられており、取っ手10aを回動操作することにより回動軸10が軸回りに回動可能となっている。
【0025】
第一ガイド部11および第二ガイド部12は、回動軸10に設けられており、回動軸10と一体的に回動する。
第一ガイド部11および第二ガイド部12は、それぞれ回動軸10を中心とする半円柱形状に形成されており、回動軸10の軸心に沿って設けられている。すなわち、第一ガイド部11および第二ガイド部12は、第一ワーク110・第二ワーク120の搬送方向(図3および図5の紙面奥行き方向)に延在している。
【0026】
第一ガイド部11および第二ガイド部12は、互いに位相を回動軸10の周方向(図3の矢印D参照)へ180°ずらして配置されている。
従って、ガイド部材1は、第一ガイド部11が回動軸10の上方に位置するように配置すると、第二ガイド部12は回動軸10の下方に位置することとなり(図2および図3参照)、第二ガイド部12が回動軸10の上方に位置するように配置すると、第一ガイド部11は回動軸10の下方に位置することとなる(図4および図5参照)。
【0027】
第一ガイド部11は、その外径が第一係合部112の径(R1)と同程度の大きさに形成されており、第一係合部112に接触(面接触)可能に構成されている。
第二ガイド部12は、その外径が第二係合部122の径(R2)と同程度の大きさに形成されており第二係合部122に接触(面接触)可能に構成されている。
【0028】
図2および図3に示すように、ガイド部材1で第一ワーク110をガイドするときには、回動軸10を軸回りに回動して、第一ガイド部11が回動軸10の上方に位置し、第二ガイド部12が回動軸10の下方に位置する姿勢にガイド部材1を配置する。
ガイド部材1をこのような姿勢に配置した状態では、第一ワーク110を搬送コンベアC・C上に載置した際に、第一ガイド部11が第一ワーク110の係合部112に接触して係合した状態になる。これにより、第一ワーク110は第一ガイド部11にガイドされて幅方向(矢印B方向)の移動を規制されることとなり、第一ガイド部11に沿って摺動し、搬送方向に搬送される。すなわち、第一ワーク110が搬送方向に平行移動される。
【0029】
図4および図5に示すように、ガイド部材1で第二ワーク120をガイドするときには、回動軸10を軸回りに回動して、第二ガイド部12が回動軸10の上方に位置し、第一ガイド部11が回動軸10の下方に位置する姿勢にガイド部材1を配置する。すなわち、ガイド部材1を、第一ワーク110をガイドするときとは、回動軸10の位相を180°異ならせた姿勢に配置する。
ガイド部材1をこのような姿勢に配置した状態では、第二ワーク120を搬送コンベアC・C上に載置した際に、第二ガイド部12が第二ワーク120の第二係合部122に接触して係合した状態になる。これにより、第二ワーク120は第二ガイド部12にガイドされて幅方向(矢印B方向)の移動を規制されることとなり第二ガイド部12に沿って摺動し、搬送方向に搬送される。
【0030】
搬送コンベアC・Cによる搬送対象を第一ワーク110と第二ワーク120との間で変更するときには、回動軸10を表裏反転(180°回動)すればよい。これにより、第一ガイド部11および第二ガイド部12の位置関係が切替わり、ワークをガイドするガイド部11・12を切替えることができる。
【0031】
以上のように構成することで、一つのガイド部材1で二種類のワーク110・120をガイドすることができ、ワーク110・120毎に専用のガイド部材を用意する必要がない。これにより、ガイド部材1のコストを低減できる。
【0032】
また、搬送コンベアC・Cによる搬送対象を、ワーク110・120間で変更する際に、ガイド部材1を表裏反転して、回動軸10の上方に位置するガイド部11・12を変更すれば、ワーク110・120をガイドするガイド部11・12を切替えることができ、ガイド部11・12の切替えをワンタッチで容易に行える。
これにより、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク110・120の種類を変更する際の作業が簡便になり、作業工数を低減できる。
【0033】
また、図14に示すように、従来のガイド部材500は、ワーク610・620の幅方向側端部に接触して、ワーク610・620をガイドするように構成されている。従って、搬送するワーク610・620の種類を変更するたびに、ワーク610・620の幅方向の寸法にあわせて、搬送コンベアC・Cの間隔を変更する必要がある。
これに対し、ガイド部材1は、ガイド部11・12をワーク110・120の係合部112・122(下側中央部)に接触させることによりワーク110・120をガイドするように構成している。
これにより、ワーク110・120の幅方向の寸法にあわせて搬送コンベアC・Cの間隔を変更する必要がなくなる。すなわち、搬送コンベアC・Cにワーク110の載置面111・111およびワーク120の載置面121・121の一部でも載置できる限りは、搬送コンベアC・Cの間隔を変更する必要がない(図2および図4参照)。
従って、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク110・120の種類を変更する際の作業工数を低減できる。
【0034】
なお、図6に示すように、第一ガイド部11・第二ガイド部12に換えて、第一ガイド部13・第二ガイド部14を用いてもよい。
ガイド部13・14は、それぞれ回動軸10に設けられ、回動軸10の径方向に突出する形状を有し、互いに回動軸10の周方向に位相をずらして配置されている。
第一ガイド部13は、第一係合部112の径の大きさに応じた突出量を有し、先端を第一係合部112に接触させて第一係合部112に係合する。
第二ガイド部14は、第二係合部122の径の大きさに応じた突出量を有し、先端を第二係合部122に接触させて第二係合部122に係合する。
第一ワーク110を搬送コンベアC・Cで搬送するときは、回動軸10を回動して、ガイド部材を第一ガイド部13が回動軸10の上方に位置する姿勢に配置する(図6(a)参照)。同様に、第二ワーク120を搬送するときは、回動軸10を回動して、ガイド部材を第二ガイド部14が回動軸10の上方に位置する姿勢に配置する(図6(b)参照)。
【0035】
[第二実施形態]
以下では、ガイド部材2について説明する。
なお、ガイド部材1と異なる部分について説明し、同様の部材に対しては同一符号を付し、詳細な説明およびそれに付随する効果等の記載は省略する。
【0036】
図7および図8に示すように、ガイド部材2は、三種類の形状のワーク(第一ワーク110・第二ワーク120・第三ワーク130)をガイド可能に構成されている。
図8(b)に示すように、第三ワーク130は、前記ワーク100と同様に、例えば直方体形状の部材の下部を円弧状に切り欠いた形状に形成されており、円弧状に切り欠いた部分がガイド部材2と係合可能な係合部132として構成され、係合部132の両側部の下面が搬送コンベアC・C上に載置される載置面131として構成されている。
係合部132は、載置面131に対して上方に陥没した形状を有し、半円柱形状に凹陥した形状に形成されている。
第三ワーク130の第三係合部132の径(R3)は、第一ワーク110・第二ワーク120の係合部112・122の径(R1)・(R2)よりも小さく形成されている(R1>R2>R3)。また、第三ワーク130の幅方向の寸法(W3)は、第一ワーク110・第二ワーク120の幅方向の寸法(W1)・(W2)よりも小さく形成されている(W1>W2>W3)。
【0037】
図7および図8に示すように、ガイド部材2は、ワーク110・120・130の搬送方向(紙面奥行き方向)へ延出する柱状形状の部材であり、軸回りに回動可能な回動軸20、第一ワーク110をガイドする第一ガイド部21、第二ワーク120をガイドする第二ガイド部22、および第三ワーク130をガイドする第三ガイド部23を有する。
【0038】
回動軸20は、第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23を支持する部材であり、円筒形状に形成されている。
回動軸20は、軸心が搬送方向に沿う状態で、構造物(不図示)に上下動可能に支持されている。回動軸20は、搬送コンベアC・C間の下方に配置されている。
回動軸20は、ワーク110・120・130が搬送コンベアC・C上に載置された状態にて上昇されることによって、ワーク110・120・130の係合部112・122・132に近接し、下降されることによって係合部112・122・132から離間する。
【0039】
図7に示すように、回動軸20には、その径方向に突出する第一突出部20a・第二突出部20b・第三突出部20cが設けられている。第一突出部20a・第二突出部20b・第三突出部20cは、互いに位相を回動軸20の周方向へ120°ずつずらして配置されている。
第一突出部20a・第二突出部20b・第三突出部20cには、第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23がそれぞれ設けられている。
【0040】
第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23は、例えば四角柱形状に形成されており、互いに対向する上面21a・22a・23aおよび底面21b・22b・23bをそれぞれ有する。
第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23は、底面21b・22b・23bが第一突出部20a・第二突出部20b・第三突出部20cの先端にそれぞれ固定されており、上面21a・22a・23aが回動軸20の径方向外側に位置している。このように、第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23は、第一突出部20a・第二突出部20b・第三突出部20cを介して回動軸20に固定されており、回動軸20と一体的に回動する。
第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23は、回動軸20の軸心に沿って設けられている。すなわち、第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23の上面21a・22a・23aおよび底面21b・22b・23bは、ワーク110・120・130の搬送方向に延在している。
【0041】
第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23は、第一突出部20a・第二突出部20b・第三突出部20cにそれぞれ固定されることによって、互いに位相を回動軸20の周方向(図7の矢印E参照)へ120°ずつずらして配置されている。
従って、ガイド部材2は、第一ガイド部21が回動軸20の上方に位置するように配置すると、第二ガイド部22・第三ガイド部23は回動軸20よりも下方に位置することとなり(図7参照)、第二ガイド部22が回動軸20の上方に位置するように配置すると、第一ガイド部21・第三ガイド部23は回動軸20よりも下方に位置することとなり(図8(a)参照)、第三ガイド部23が回動軸20の上方に位置するように配置すると、第一ガイド部21・第二ガイド部22は回動軸20よりも下方に位置することとなる(図8(b)参照)。
【0042】
図7に示すように、第一ガイド部21の上面21aは、その幅方向の寸法が第一係合部112の径(R1)よりも小さく形成されており、回動軸20の上昇に伴って第一係合部112内に進入して、第一係合部112の内周面に接触可能に構成されている。このとき、上面21aは、幅方向外側に位置する角部(第一接触部部21c・21c)が第一係合部112の内周面の幅方向両側に線接触する。
【0043】
図8(a)に示すように、第二ガイド部22の上面22aは、その幅方向の寸法が第二係合部122の径(R2)よりも小さく形成されており、回動軸20の上昇に伴って第二係合部122内に進入して、第二係合部122の内周面に接触可能に構成されている。このとき、上面22aは、幅方向外側に位置する角部(第二接触部部22c・22c)が第二係合部122の内周面の幅方向両側に線接触する。
【0044】
図8(b)に示すように、第三ガイド部23の上面23aは、その幅方向の寸法が第三係合部132の径(R3)よりも小さく形成されており、回動軸20の上昇に伴って第三係合部132内に進入して、第三係合部132の内周面に接触可能に構成されている。このとき、上面23aは、幅方向外側に位置する角部(第三接触部部23c・23c)が第三係合部132の内周面の幅方向両側に線接触する。
なお、本実施形態においては、第一ガイド部21の上面21aは、その幅方向の寸法が第二係合部122の径(R2)よりも大きく形成されており、第二ガイド部22の上面22aは、その幅方向の寸法が第三係合部132の径(R3)よりも大きく形成されている。
【0045】
図7に示すように、ガイド部材2で第一ワーク110をガイドするときには、回動軸20をある程度下降した状態で、回動軸20を回動して、第一ガイド部21が回動軸20の上方に位置する姿勢にガイド部材2を配置する。すなわち、第一ガイド部21が搬送コンベアC・C上の第一ワーク110の第一係合部112と対向する姿勢にガイド部材2を配置する。
回動軸20をある程度下降した状態で回動するのは、ガイド部21・22・23と搬送コンベアC・Cとの間の距離を確保して、回動軸20の回動時に、搬送コンベアC・Cがガイド部21・22・23に干渉することを回避するためである。
つまり、回動軸20は、各ガイド部21・22・23がコンベアC・Cに干渉しない位置まで下降した状態で回動される。
そして、回動軸20を上昇して、第一ガイド部21の第一接触部21c・21cが、搬送コンベアC・C上の第一ワーク110の第一係合部112に接触する位置に、ガイド部材2を到達させる。
ガイド部材2をこのような姿勢に配置した状態では、第一ワーク110を搬送コンベアC・C上に載置した際に、第一接触部21c・21cが係合部112の内周面に接触して係合した状態になる。これにより、第一ワーク110は第一ガイド部21にガイドされて幅方向(矢印B方向)の移動を規制されることとなり、第一ガイド部21に沿って摺動し、搬送方向に搬送される。
【0046】
図8(a)(図8(b))に示すように、ガイド部材2で、第二ワーク120(第三ワーク130)をガイドするときについても、以下の(1)、(2)の操作が行われる。
(1)まず、回動軸20を、各ガイド部21・22・23がコンベアC・Cに干渉しない位置まで一旦下降してから120°単位で回動して、第二ガイド部22(第三ガイド部23)が回動軸20の上側にくる姿勢にガイド部材2を配置し、(2)その後回動軸20を上昇して、第二接触部22c・22c(第三接触部23c・23c)が、搬送コンベアC・C上の第二ワーク120の第二係合部122(第三ワーク130の第三係合部132)に接触する位置に、ガイド部材2を到達させる。
これにより、第二ワーク120(第三ワーク130)は第二ガイド部22(第三ガイド部23)にガイドされて、搬送方向に搬送される。
【0047】
搬送コンベアC・Cによる搬送コンベアC・Cによる搬送対象をワーク110・120・130間で変更するとき、回動軸20を120°単位で回動すればよい。これにより、ガイド部21・22・23の位置関係が切替わり、ワークをガイドするガイド部21・22・23を切替えることができる。
【0048】
以上のように構成することで、一つのガイド部材Bで三種類のワーク110・120・130をガイドすることができ、ワーク110・120・130毎に専用のガイド部材を用意する必要がない。これにより、ガイド部材2のコストを低減できる。
【0049】
また、搬送コンベアC・Cによる搬送対象を、ワーク110・120・130間で変更する際に、回動軸20を軸回りに回動して、回動軸20の上方に位置するガイド部21・22・23を変更すれば、ワークをガイドするガイド部21・22・23を切替えることができ、ガイド部21・22・23の切替えを容易に行える。
これにより、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク110・120・130の種類を変更する際の作業が簡便になり、作業工数を低減できる。
【0050】
また、ガイド部材2を用いることで、ワーク110・120・130幅方向の寸法にあわせて搬送コンベアC・Cの間隔を変更する必要がなくなる。
従って、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク110・120・130の種類を変更する際の作業工数を低減できる。
【0051】
なお、本実施形態では、三種類の形状のガイド部21・22・23を回動軸20の周方向に設けたが、ガイド部の種類については特に限定されず、さらに多くの種類の形状のガイド部を回動軸20の周方向に設けてもよい。
【0052】
また、ガイド部21・22・23の形状について、ガイド部材1のガイド部11・12ような半円柱形状としてもよい。これによると、半円柱形状のガイド部と係合部112・122・132とが面接触するので、ワーク110・120・130がより安定的にガイドされる。
【0053】
[第三実施形態]
以下では、ガイド部材3について説明する。
なお、ガイド部材1・2と異なる部分について説明し、同様の部材に対しては同一符号を付し、詳細な説明およびそれに付随する効果等の記載は省略する。
【0054】
ガイド部材3は、四種類の形状のワーク(第一ワーク110・第二ワーク120・第三ワーク130・第四ワーク140)をガイド可能に構成されている。
図10(b)に示すように、第四ワーク140は、前記ワーク100と同様に、例えば直方体形状の部材の下部を円弧状に切り欠いた形状に形成されており、円弧状に切り欠いた部分がガイド部材3と係合可能な係合部142として構成され、係合部142の両側部の下面が搬送コンベアC・C上に載置される載置面141として構成されている。
係合部142は、載置面131に対して上方に陥没した形状を有し、半円柱形状に凹陥した形状に形成されている。
第四ワーク140の第四係合部142の径(R4)は、第一ワーク110・第二ワーク120・第三ワーク130の係合部112・122・132の径(R1)・(R2)・(R3)よりも小さく形成されている(R1>R2>R3>R4)。また、第四ワーク140の幅方向の寸法(W4)は、第一ワーク110・第二ワーク120・第三ワーク130の幅方向の寸法(W1)・(W2)・(W3)よりも小さく形成されている(W1>W2>W3>W4)。
【0055】
図9および図10に示すように、ガイド部材3は、ワーク110・120・130・140の搬送方向(紙面奥行き方向)へ延出する柱状形状の部材であり、前記回動軸20、第一ガイド部21、第二ガイド部22、および第三ガイド部23に加えて、第四ワーク140をガイドする第四ガイド部24を有する。
第四ガイド部24は、例えば四角柱形状に形成されており、互いに対向する上面24aおよび底面24bを有する。
【0056】
図9(a)に示すように、回動軸20には、その径方向に突出する第一突出部30a・第二突出部30bが設けられている。第一突出部30a・第二突出部30bは、互いに位相を回動軸20の周方向へ180°ずつずらして配置されている。
第一突出部30aの先端には第一ガイド部21・第三ガイド部23が設けられており、第二突出部30bの先端には第二ガイド部22・第四ガイド部24が設けられている。
【0057】
第一ガイド部21・第三ガイド部23は、第一ガイド部21の底面21bが第一突出部30aの先端に固定されており、第三ガイド部23の底面23bが第一ガイド部21の上面21aに固定されている。すなわち、第一ガイド部21と第三ガイド部23とが、回動軸20の径方向に二段に並んで配置されており、第三ガイド部23が第一ガイド部21よりも径方向外側に位置している。第一ガイド部21の上面21aの方が第三ガイド部23の底面23bよりも回動軸20の周方向外側に幅広く形成されており、回動軸20の周方向外側に突出して形成されている。
第二ガイド部22・第四ガイド部24は、第二ガイド部22の底面22bが第二突出部30bの先端に固定されており、第四ガイド部24の底面24bが第二ガイド部22の上面22aに固定されている。すなわち、第二ガイド部22と第四ガイド部24とが、回動軸20の径方向に二段に並んで配置されており、第四ガイド部24が第二ガイド部22よりも径方向外側に位置している。第二ガイド部22の上面22aの方が第四ガイド部24の底面24bよりも回動軸20の周方向外側に幅広く、回動軸20の周方向外側に突出して形成されている。
【0058】
このように、第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23・第四ガイド部24は、第一突出部30a・第二突出部30bを介して回動軸20に固定されており、回動軸20と一体的に回動する。
第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23・第四ガイド部24は、回動軸20の軸心に沿って設けられている。すなわち、第一ガイド部21・第二ガイド部22・第三ガイド部23・第四ガイド部24の上面21a・22a・23a・24aおよび底面21b・22b・23b・24bは、ワーク110・120・130・140の搬送方向に延在している。
【0059】
ガイド部21・22・23・24は、第一ガイド部21・第三ガイド23で構成される群と、第二ガイド部22・第四ガイド部24で構成される群と、に分けられ、当該二つの群が、上記したように第一突出部30a・第二突出部30bにそれぞれ設けられている。すなわち、第一・第三ガイド部21・23の群と、第二・第四ガイド部22・24の群とは、互いに回動軸20の周方向(軸回り)へ180°ずつ位相をずらして配置されている。
また、第一ガイド部21・第三ガイド23、および第二ガイド部22・第四ガイド部24は、それぞれ回動軸20の径方向に並んで配置されている。
従って、ガイド部材3は、第一ガイド部21・第三ガイド部23が回動軸20の上方に位置するように配置すると、第二ガイド部22・第四ガイド部24は回動軸20の下方に位置することとなり(図9(a)および図9(b)参照)、第二ガイド部22・第四ガイド部24が回動軸20の上方に位置するように配置すると、第一ガイド部21・第三ガイド部23は回動軸20の下方に位置することとなる(図10(a)および図10(b)参照)。
【0060】
図10(b)に示すように、第四ガイド部24の上面24aは、第四係合部142の径(R2)よりも幅方向の寸法が小さく形成されており、回動軸20の上昇に伴って第四係合部142内に進入して、第四係合部142の内周面に接触可能に構成されている。このとき、上面24aは、幅方向外側に位置する角部(第四接触部部24c・24c)が第四係合部142の内周面の幅方向両側に線接触する。
なお、本実施形態においては、第三ガイド部23の上面23aは、その幅方向の寸法が第四係合部142の径(R4)よりも大きく形成されている。
【0061】
図9(a)に示すように、ガイド部材3で第一ワーク110をガイドするときには、以下の(3)、(4)の操作が行われる。
(3)まず、回動軸20を、各ガイド部21・22・23・24がコンベアC・Cに干渉しない位置まで一旦下降させ、その下降状態にて回動軸20を回動して、ガイド部21・23が回動軸20の上方に位置する姿勢にガイド部材3を配置する。(4)つぎに、回動軸20を上昇して、第一ガイド部21の第一接触部21c・21cが、搬送コンベアC・C上の第一ワーク110の第一係合部112に接触する位置(第一係合位置)に、ガイド部材3を到達させる。
これにより、第一ワーク110は第一ガイド部21にガイドされて幅方向(矢印B方向)の移動を規制されることとなり、第一ガイド部21に沿って摺動し、搬送方向に搬送される。
【0062】
ガイド部材3でガイドする対象を、図9(a)に示す第一ワーク110から、図9(b)に示す第三ワーク130に変更するときは、上記(4)に示す第一係合位置から回動軸20を下降して、搬送コンベアC・C上に第三ワーク130を載置した際に、第三ガイド部23の第三接触部23c・23cが、第三ワーク130の第三係合部132に接触する位置に、ガイド部材3を到達させる。これにより、第三ワーク130を、第三ガイド部23によりガイドした状態で搬送方向に搬送することが可能となる。
すなわち、ガイド部材3でガイドする対象を第一ワーク110・第三ワーク130間で変更するときは、上記(1)に示すガイド部21・23が回動軸20の上方に位置する状態で、回動軸20を適宜上下動して、ガイド部材3の上下方向の位置を変更することによって対応可能である。
【0063】
図10(a)(図10(b))に示すように、ガイド部材3で第二ワーク120(第四ワーク140)をガイドするときには、以下の(5)、(6)の操作が行われる。
(5)まず、回動軸20を、各ガイド部21・22・23・24がコンベアC・Cに干渉しない位置まで一旦下降させ、その下降状態にて回動軸20を回動して、ガイド部22・24が回動軸20の上方に位置する姿勢にガイド部材3を配置する。(6)つぎに、回動軸20を上昇して、第二ガイド部22の第二接触部22c・22c(第四ガイド部24の第四接触部24c・24c)が、搬送コンベアC・C上の第二ワーク120の第二係合部122(第四ワーク140の第四係合部142)に接触する位置に、ガイド部材3を到達させる。
これにより、第二ワーク120(第四ワーク140)は第二ガイド部22(第四ガイド部24)にガイドされて、搬送方向に搬送される。
ガイド部材3でガイドする対象を第二ワーク120・第四ワーク140間で変更するときは、上記(5)に示すガイド部22・24が回動軸20の上方に位置する状態で、回動軸20を適宜上下動して、ガイド部材3の上下方向の位置を変更することによって対応可能である。
【0064】
以上のように構成することで、一つのガイド部材4で四種類のワーク110・120・130・140をガイドすることができ、ワーク110・120・130・140毎に専用のガイド部材を用意する必要がない。これにより、ガイド部材4のコストを低減できる。
【0065】
また、搬送コンベアC・Cによる搬送対象を、ワーク110・120・130・140間で変更する際、回動軸20を軸回りに回動して回動軸20の上方に位置するガイド部21・22・23・24を変更したり、回動軸20を上下動してガイド部材3の上下方向の位置を変更したりすることで、ワークをガイドするガイド部21・22・23・24を切替えることができ、ガイド部21・22・23・24の切替えを容易に行える。
これにより、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク110・120・130・140の種類を変更する際の作業が簡便になり、作業工数を低減できる。
【0066】
また、ガイド部材3を用いることで、ワーク110・120・130・140の幅方向の寸法にあわせて搬送コンベアC・Cの間隔を変更する必要がない。
従って、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク110・120・130・140の種類を変更する際の作業工数を低減できる。
【0067】
なお、本実施形態では、回動軸20に四種類のガイド部21・22・23・24を設けたが、ガイド部の種類については特に限定されず、さらに多くの種類のガイド部を回動軸20の周方向に並べて設けてもよく、また、さらに多くの種類のガイド部を回動軸20の径方向に並べて設けてもよい。
【0068】
また、図11に示すように、ガイド部材2・3の第一ガイド部21について、第一係合部112と接触する部分を、第一ガイド部21の第一接触部21cに換えて、第一ガイド部21の幅方向両側の側端面21dとしてもよい。側端面21dは、第一係合部112の形状に応じた円弧形状に形成される。これにより、第一ガイド部21(端面21d)と第一係合部112とが面接触して、第一ワーク110がより安定的にガイドされる。
第二ガイド部22・第三ガイド部23・第四ガイド部24についても同様に、第二係合部122・第三係合部132・第四係合部142と接触する部分を、第二係合部122・第三係合部132・第四係合部142の内周の形状に応じた円弧形状を有する、第二ガイド部22・第三ガイド部23・第四ガイド部24の幅方向両側の側端面22d・23d・24dとしてもよい。
【0069】
[第四実施形態]
以下では、ガイド部材4について説明する。
なお、ガイド部材1・2・3と異なる部分について説明し、同様の部材に対しては同一符号を付し、詳細な説明およびそれに付随する効果等の記載は省略する。
【0070】
ガイド部材4は、一対の搬送コンベアC・Cを有するコンベアにより搬送される四種類の形状のワーク410・420・430・440をガイドするための部材である。
ワーク410・420・・・は、例えばカムキャップ等であり、搬送コンベアC・C上に載置された状態で搬送される。
図12に示すように、ワーク410は、例えば直方体形状の部材の下部の二箇所を円弧状に切り欠いた形状に形成されており、円弧状に切り欠いた二箇所の部分がガイド部材4と係合可能な一対の係合部412・412として構成され、一対の係合部412・412の幅方向外側部の下面が搬送コンベアC・C上に載置される載置面411・411として構成されている。
ワーク420・430・440も、同様に直方体形状の部材の下部の二箇所を円弧状に切り欠いた形状に形成されており、円弧状に切り欠いた二箇所の部分が、それぞれ一対の係合部422・422、一対の係合部432・432、一対の係合部442・442として構成されており、各係合部422・432・442の幅方向外側部の下面が、それぞれ搬送コンベアC・C上に載置される載置面421・421、載置面431・431、載置面441・441として構成されている、
一対の係合部412・412、一対の係合部422・422、一対の係合部432・432、および一対の係合部442・442は、それぞれ所定間隔を空けてワーク410・420・430・440の搬送方向と直交する方向へ並列に配置されている。
載置面411・421・・・は、平面形状に形成されている。係合部412・422・・・は、載置面411・421・・・に対してそれぞれ上方に陥没した形状を有し、半円柱形状に凹陥した形状に形成されている。
【0071】
ワーク410・420・・・は、載置面411・421・・・が搬送コンベアC・C上にそれぞれ載置された状態で搬送される。このとき、半円柱形状に凹陥した形状の各係合部412・422・・・の軸心は、搬送コンベアC・C間もしくはその上方にて、ワーク410・420・430・440の搬送方向に配置される。
【0072】
第一ワーク410の各係合部412の間隔(w1)の方が、第二ワーク420の各係合部422の間隔(w2)よりも大きく形成されている(w1>w2)。各係合部412の径と各係合部422の径とは、略同じ寸法に形成されている。
また、第三ワーク430の各係合部432の径(r1)の方が、第四ワーク440の各係合部442の径(r2)よりも大きく形成されている(r1>r2)。
【0073】
図12(a)に示すように、ガイド部材4は、ワーク410・420・・・の搬送方向(紙面表裏方向)へ延出する一対の柱状形状の部材であり、軸回りに回動可能な一対の回動軸40・40、およびワーク410・420・・・をガイドする一対のガイド部41・41を有する。
【0074】
回動軸40・40は、ガイド部41・41を支持する部材であり、円柱形状に形成されている。
回動軸40・40は、搬送コンベアC・C間にて、搬送コンベアC・Cと並列に配置されており、軸心が搬送方向に沿うように配置されている。
【0075】
ガイド部41は、第一ガイド部41a、および第二ガイド部41bを有する。
第一ガイド部41aおよび第二ガイド部41bは、回動軸40に設けられており、回動軸40と一体的に回動する。
第一ガイド部41aおよび第二ガイド部41bは、それぞれ半楕円柱形状に形成されている。第一ガイド部41aは回動軸40を中心に形成されており、第二ガイド部41bは中心を回動軸40の径方向に僅かにずらして形成されている。
第二ガイド部41bは、第一ガイド部41aよりも外形寸法(断面の楕円の短軸および長軸の寸法)が大きく形成されており、第一ガイド部41aよりも回動軸40の径方向に突出する形状を形成している。すなわち、第一ガイド部41aと第二ガイド部41bは、回動軸40の軸心からガイド部41a・41bの外周までの距離が不均一なカム形状を形成している。
第一ガイド部41aおよび第二ガイド部41bは、回動軸40の軸心に沿って設けられている。すなわち、第一ガイド部41aおよび第二ガイド部41bは、ワーク410・420・・・の搬送方向に延在している。
【0076】
第一ガイド部41aおよび第二ガイド部41bは、互いに位相を回動軸40の周方向(図12(c)の矢印Fの方向)へ180°ずらして配置されている。
従って、ガイド部材4は、第一ガイド部41aが回動軸40の上方に位置するように配置すると、第二ガイド部41bは回動軸40の下方に位置することとなり、第二ガイド部41bが回動軸40の上方に位置するように配置すると、第一ガイド部41aは回動軸40の下方に位置することとなる。
【0077】
図12(a)に示すように、ガイド部材4で各第一係合部412の間隔(w1)が比較的大きい第一ワーク410をガイドするときには、回動軸40を軸回りに回動して、各第一ガイド部41aが回動軸40の上方に位置し、各第二ガイド部41bが回動軸40の下方に位置する姿勢にガイド部材4を配置する。
ガイド部材4をこのような姿勢に配置した状態では、第一ワーク410を搬送コンベアC・C上に載置した際に、各第一ガイド部41aが各第一係合部412における幅方向(図12の矢印Bの方向)内側の面412aにそれぞれ接触して係合した状態になる。これにより、第一ワーク410は各第一ガイド部41aにガイドされて幅方向(矢印B方向)の移動を規制されることとなり、各第一ガイド部41aに沿って摺動し、搬送方向に搬送される。
【0078】
図12(b)に示すように、ガイド部材4で各第二係合部422の間隔(w2)が比較的小さい第二ワーク420をガイドするときには、第一ワーク410をガイドするときと同様に、各第一ガイド部41aが回動軸40の上方に位置し、各第二ガイド部41bが回動軸40の下方に位置する姿勢にガイド部材4を配置する。
ガイド部材4をこのような姿勢に配置した状態では、第二ワーク420を搬送コンベアC・C上に載置した際に、各第一ガイド部41aが、各第二係合部422における幅方向外側の面422aにそれぞれ接触して係合した状態になる。これにより、第二ワーク420は各第一ガイド部41aにガイドされて、搬送方向に搬送される。
【0079】
図12(c)に示すように、ガイド部材4で第三係合部432の径(r1)が比較的大きい第三ワーク430をガイドするときは、回動軸40を軸回りに回動して、各第二ガイド部41bが回動軸40の上方に位置し、各第一ガイド部41aが回動軸40の下方に位置する姿勢にガイド部材4を配置する。
ガイド部材4をこのような姿勢に配置した状態では、第三ワーク430を搬送コンベアC・C上に載置した際に、各第二ガイド部41bが、各第三係合部432における幅方向内側の面432aにそれぞれ接触して係合した状態になる。これにより、第三ワーク430は各第二ガイド部41bにガイドされて、搬送方向に搬送される。
なお、第三ワーク430における第三係合部432と第三係合部432との間隔は、第一ワーク410における第一係合部412・412の間隔(w1)よりも小さく、第二ワーク420における第二係合部422・422の間隔(w2)よりも大きく形成されている。
【0080】
図12(d)に示すように、ガイド部材4で第四係合部442の径(r4)が比較的小さい第四ワーク440をガイドするときは、回動軸40を軸回りに回動して、各第二ガイド部41bが幅方向外側上方に向けて傾斜した姿勢にガイド部材4を配置する。
ガイド部材4をこのような姿勢に配置した状態では、第四ワーク440を搬送コンベアC・C上に載置した際に、各第二ガイド部41b先端が各第四係合部442における幅方向外側の面442aにそれぞれ接触して係合した状態になる。これにより、第四ワーク440は各第二ガイド部41bにガイドされて、搬送方向に搬送される。
【0081】
以上のように構成することで、一つのガイド部材4で少なくとも四種類のワーク410・420・430・440をガイドすることができ、ワーク410・420・430・440毎に専用のガイド部材を用意する必要がない。これにより、ガイド部材4のコストを低減できる。
【0082】
また、搬送コンベアC・Cによる搬送対象を、ワーク410・420・430・440間で変更する際、回動軸40・40の回動角度を調節することで、ワーク410・420・430・440をガイドするガイド部41a・41bを切替えることができ、ガイド部41a・41bの切替えを容易に行える。
これにより、搬送コンベアC・Cで搬送するワークの種類を変更する際の作業が簡便になり、作業工数を低減できる。
【0083】
また、ガイド部材4を用いることで、ワーク410・420・430・440幅方向の寸法にあわせて搬送コンベアC・Cの間隔を変更する必要がない。
従って、搬送コンベアC・Cで搬送するワーク410・420・430・440の種類を変更する際の作業工数を低減できる。
【0084】
なお、図13に示すように、第一ガイド部41a・第二ガイド部41bに換えて、第一ガイド部42a・第二ガイド部42bを用いてもよい。
第一ガイド部42a・第二ガイド部42bは、それぞれ回動軸40の周方向に位相をずらして設けられ、回動軸40の径方向に突出する形状を有する。第一ガイド部42aは、ワーク430の係合部432の径の大きさに応じた突出量を有する(図13(a)参照)。第二ガイド部42bは、ワーク440の係合部442の径の大きさに応じた突出量を有する(図13(b)参照)。第一ガイド部42a・第二ガイド部42bは、回動軸40の周方向に180°ずれて配置されている。
ワーク430・440を搬送する際には、回動軸40の回動角度を調節し、用いるガイド部42a・42bを選択する。
【符号の説明】
【0085】
C 搬送コンベア
1・2・3・4 ガイド部材
10・20・40 回動軸
11・21・41a 第一ガイド部
12・22・41b 第二ガイド部
23 第三ガイド部
24 第四ガイド部
100 ワーク
102 係合部
110・410 第一ワーク
120・420 第二ワーク
130・430 第三ワーク
140・440 第四ワーク
112・412 第一係合部
122・422 第二係合部
132・432 第三係合部
142・442 第四係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を空けて搬送方向と直交する方向へ並列に配置される一対の搬送コンベアに載置され、前記一対の搬送コンベアにより前記搬送方向に搬送される複数種類のワークをガイドするガイド部材であって、
前記複数種類のワークは、該ワークを前記一対の搬送コンベアに載置した際に、前記一対の搬送コンベア間に位置する部分に、前記ガイド部材と係合可能な各係合部を有し、
前記複数種類ワークの各係合部は、その形状がワーク毎にそれぞれ異なり、
前記ガイド部材は、軸回りに回動可能に支持される回動軸と、前記回動軸に設けられ、前記複数種類のワークを前記搬送方向にガイドする各ガイド部と、を有し、
前記各ガイド部は、前記複数種類のワークの各係合部の形状に対応した形状に形成されるとともに、互いに回動軸の周方向へ位相をずらして配置される、
ガイド部材。
【請求項2】
前記複数種類のワークは、第一係合部を有する第一ワークと、第二係合部を有する第二ワークと、で構成され、
前記回動軸は、前記一対の搬送コンベア間にて、軸心が前記搬送方向に沿う状態で、軸回りに回動可能に配置され、
前記各ガイド部は、前記第一ワークの第一係合部に係合可能であり、前記第一ワークを前記搬送方向にガイドする第一ガイド部と、前記第二ワークの第二係合部に係合可能であり、前記第二ワークを前記搬送方向にガイドする第二ガイド部と、を有する、
請求項1に記載のガイド部材。
【請求項3】
前記回動軸は、軸心が前記搬送方向に沿う状態で、前記一対の搬送コンベアに載置された前記複数種類のワークの各係合部に近接離間可能に支持される、
請求項1に記載のガイド部材。
【請求項4】
所定間隔を空けて搬送方向と直交する方向へ並列に配置される一対の搬送コンベアに載置され、前記一対の搬送コンベアにより前記搬送方向に搬送される複数種類のワークをガイドするガイド部材であって、
前記複数種類のワークは、該ワークを前記一対の搬送コンベアに載置した際に、前記一対の搬送コンベア間に位置する部分に、前記ガイド部材と係合可能な各係合部を有し、
前記複数種類のワークの各係合部は、その形状がワーク毎にそれぞれ異なり、
前記ガイド部材は、軸心が前記搬送方向に沿う状態で、前記一対の搬送コンベアに載置された前記複数種類のワークの各係合部に近接離間可能に支持され、かつ、軸回りに回動可能に支持される回動軸と、前記回動軸に設けられ、前記複数種類のワークを前記搬送方向にガイドする各ガイド部とを有し、
前記各ガイド部は、前記複数種類のワークの各係合部の形状に対応した形状に形成されるとともに、複数の群に分けられ、かつ、前記複数の群毎に、互いに回動軸の周方向へ位相をずらして配置され、
前記複数の群内のガイド部は、前記回動軸の径方向に並んで配置される、
ガイド部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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