説明

ガスタービンにおける高温部品の寿命診断方法

【課題】 ガスタービンの高温部品の寿命判断を正確に行える方法を提供する。
【解決手段】 先ず、主流の燃焼ガス及び混入流体について、実際の運転で想定される複数の運転条件に対応した複数の境界条件を与えてCFD解析を行い、想定の運転条件ごとに、各高温部品に伝達される局所ガス温度を算出する。次に、CFD解析結果に基づき、高温部品ごとに、想定の各運転条件と局所ガス温度との相関図を作成する。次に、所望の高温部品について、相関図、及び実際の運転に伴って蓄積されている運転情報に基づき、相関図より実際の運転時の運転条件ごとに対応する局所ガス温度を抽出し、抽出した局所ガス温度ごとの運転時間を運転情報より抽出する。次に、抽出した各運転時間を局所ガス温度ごとに定められた重み係数で重み付けし、重み付けした各運転時間を累積する。そして、累積運転時間を当該高温部品に定められた基準値と比較して残り寿命を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電設備やジェットエンジン等のガスタービンにおける高温部品の寿命を診断する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンは、圧縮機、燃焼器、及びタービンを主な構成要素とし、互いに主軸で直結された圧縮機とタービンの間に燃焼器が配設されてなり、作動流体となる空気が主軸の回転により圧縮機に吸入されて圧縮され、その圧縮空気が燃焼器に導入されて燃料とともに燃焼し、その高温高圧の燃焼ガスがタービンに吐出されてタービンとともに主軸を回転駆動させる。このようなガスタービンは、主軸の前端に発電機等を接続することで発電設備の駆動源として活用され、また、タービンの前方に燃焼ガス噴射用の排気口を配設することでジェットエンジンとして活用される。
【0003】
具体的には、図5に示すように、ガスタービン1は、大きくは、圧縮機2、燃焼器3、及びタービン4から構成される。燃焼器3は、圧縮機2とタービン4の間に形成された空洞を有する車室5に取り付けられており、燃焼領域を有する内筒6、この内筒6の前端に連結された尾筒7、内筒6と同心状に配設された外筒8、内筒6の中心軸線上に後端から配設されたパイロット燃料ノズル9、このパイロット燃料ノズル9の周囲に円周方向で等間隔に配設された複数のメイン燃料ノズル10、尾筒7の側壁に連結され車室5に開口するバイパスダクト11、このバイパスダクト11に配設されたバイパス弁12、このバイパス弁12の開閉度合いを調整するバイパス弁可変機構13を備える。
【0004】
タービン4では、主軸に、これと同軸状で複数段に亘ってロータディスク15が設けられ、各ロータディスク15の外周からは複数枚の動翼16が放射状に延出している。このロータディスク15と動翼16は、主軸と共に一体的に回転する。また、主軸に沿って動翼16と交互に配置される態様で、タービン4本体に対して固定の静翼17が設けられている。
【0005】
このような構成のもと、圧縮機2で圧縮された圧縮空気は、車室5内に流入し(図中の白抜き矢印参照)、内筒6の外周面と外筒8の内周面とで形成される管状空間を経た後ほぼ180度反転して(図中の実線矢印参照)、内筒6内に後端側から導入される。次いで、パイロット燃料ノズル9から噴出された燃料と混合されて拡散火炎となって燃焼し、これと同時に、メイン燃料ノズル10から噴出された燃料と混合されて拡散火炎に放出されることで主火炎となって燃焼し、高温高圧の燃焼ガスが生成する。この燃焼ガスは、尾筒7内を経由してその前端から吐出され、タービン4に導入される。
【0006】
タービン4に送り込まれた燃焼ガスは、動翼16と静翼17とを交互に経て流動した後、外部へ排出される。その際、動翼16は燃焼ガスから揚力を受けてロータディスク15と共に軸回転し、これにより主軸が回転駆動される。なお、バイパスダクト11から尾筒7内へは車室5内の圧縮空気の一部が供給され、これにより内筒6内の燃焼ガス濃度が調整される。
【0007】
ところで、このようなガスタービン1においては、定期的な保守点検及びこれに伴う部品交換は欠かせない。高温高圧の燃焼ガスが流動するため、ガスタービン1を構成する種々の部品のうち、特に、燃焼ガスの流通経路に存在し燃焼ガスより熱が与えられて高温になる動翼16や静翼17等の高温部品は、運転の経過に連れて熱影響により損傷していくからである。
【0008】
一方、高温部品の交換を含めた保守点検には莫大な費用がかかるため、長期的なコスト低減の観点から、安全性の確保を踏まえつつ的確なタイミングで保守点検を行うべく、高温部品の損傷の程度を見極め、その残り寿命を正確に判断することが重要である。また、高温部品の損傷の程度は、プラントごとの実際のガスタービン1の運転条件によって大きく変動するため、その損傷程度の見極めにあたっては、実際の運転条件を考慮することが重要である。ここでいう運転条件としては、圧縮機2へ吸入される空気の圧力(大気圧)や温度(大気温度)、車室5内の圧力(車室圧)、バイパス弁12の開閉度合い(バイパス弁開度)、車室圧と大気圧との比率(圧力比)、尾筒7の出口での燃焼ガス温度分布(燃焼器出口ガス温度分布)や燃焼ガス圧力分布(燃焼器出口ガス圧力分布)、タービン4の入口での燃焼ガス温度(タービン入口ガス温度)や出口での燃焼ガス温度(タービン出口ガス温度)、外部へ放出される燃焼ガスの温度(排ガス温度)等が相当する。
【0009】
高温部品の損傷程度を見極める手法としては、FEM(Finite Element Method:有限要素法)解析やCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)解析を用いて、高温部品の寿命を診断する方法がある(例えば特許文献1)。この寿命診断方法では、ガスタービンの適所に設置したセンサからの情報と実際の運転条件とに基づいて境界条件を定め、その高温部品の損傷程度をFEM解析により推測するようになっている。
【特許文献1】特開2002−108440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記した従来の寿命診断方法によれば、高温部品に熱を与えるそもそもの根源である主流の燃焼ガスからの熱流れの算出方法を明示しておらず、最も重要な局所ガス温度の予測精度が問題となる。たとえば、高温部品によっては、局所ガス温度が解析値と実際値とでかけ離れる場合がある。実際のタービン4内を流通する流体には、主流の燃焼ガスの他に、意図的に混入される混入流体が在り、この混入流体の温度や流量の影響を無視できないからである。
【0011】
その場合、実際値とはかけ離れた解析値の局所ガス温度に基づいて高温部品の損傷程度が推測されることになり、結果として実際の状況とは相違する損傷程度をもってして残り寿命が判断されることになる。従って、高温部品の寿命判断の正確性に欠けるという問題がある。
【0012】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ガスタービンにおける高温部品の寿命判断を正確に行える寿命診断方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明は、ガスタービンを構成する部品のうち主流の燃焼ガスより熱が与えられて高温になる高温部品についての寿命診断方法において、以下の第1〜第5ステップを含む。先ず事前準備として、第1、第2ステップを順に経る。第1ステップでは、主流の燃焼ガス及びこれに混入される混入流体について、実際の運転で想定される複数の運転条件に対応した複数の境界条件を与えてCFD解析を行い、想定の運転条件ごとに、各高温部品に伝達される局所ガス温度を算出する。続く第2ステップでは、第1ステップでのCFD解析の結果に基づき、高温部品ごとに、想定の各運転条件と局所ガス温度との相関図を作成する。
【0014】
続いて、実際の寿命評価の場面として、第3〜第5ステップを順に経る。第3ステップでは、所望の高温部品について、第2ステップで作成した相関図、及び実際の運転に伴って蓄積されている運転情報に基づき、相関図より実際の運転時の運転条件ごとに対応する局所ガス温度を抽出し、抽出した局所ガス温度ごとの運転時間を運転情報より抽出する。続く第4ステップでは、第3ステップで抽出した各運転時間を局所ガス温度ごとに定められた重み係数で重み付けし、重み付けした各運転時間を累積する。そして第5ステップでは、第4ステップでの累積運転時間を当該高温部品に定められた基準値と比較して残り寿命を判断する。
【0015】
これにより、CFD解析において、主流の燃焼ガスと共に混入流体の熱流れを解析対象としているため、高温部品を問わず、局所ガス温度の解析値が実際値と同等になる。従って、その局所ガス温度に基づいて推測される高温部品の損傷程度も実際の状況に近いものとなり、正確に高温部品の寿命判断を行うことが可能になる。この場合、高温部品に生じるクリープ変形や高温酸化に対して有効に寿命判断が行える。
【0016】
また、実際の寿命評価の場面として、次のような第3〜第5ステップを順に経ても構わない。第3ステップでは、所望の高温部品について、第2ステップで作成した相関図、及び実際の運転に伴って蓄積されている運転情報に基づき、相関図より実際の運転時の運転条件ごとに対応する局所ガス温度を抽出し、抽出した局所ガス温度ごとの運転起動停止回数を運転情報より抽出する。続く第4ステップでは、第3ステップで抽出した各運転起動停止回数を局所ガス温度ごとに定められた重み係数で重み付けし、重み付けした各運転起動停止回数を累積する。そして第5ステップでは、第4ステップでの累積運転起動停止回数を当該高温部品に定められた基準値と比較して残り寿命を判断する。
【0017】
このようにしても、CFD解析において、高温部品を問わず、局所ガス温度の解析値が実際値と同等になるため、正確に高温部品の寿命判断を行うことが可能になる。この場合、高温部品に生じる低サイクル疲労に対して有効に寿命判断が行える。
【発明の効果】
【0018】
本発明のガスタービンにおける高温部品の寿命診断方法によれば、正確に高温部品の寿命判断を行うことが可能になるため、ガスタービンの保守点検のタイミングを的確に定めることができ、その結果として長期的なコスト低減を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態であるガスタービンにおける高温部品の寿命診断方法について、図1に示す手順に従って説明する。本実施形態の寿命診断の手順は、事前準備の段階と、実際に高温部品の寿命評価を行う段階とに大きく区分される。
【0020】
先ず、事前準備の段階について説明する。ステップ#5において、一般に入手が可能なCFD解析プログラムを用いてCFD解析を行う。ここでのCFD解析は、主流の燃焼ガス及びこれに混入される混入流体の熱流れを解析対象とする。混入流体としては、ディスクロータ15や動翼16や静翼17の過度の温度上昇を防止するためのいわゆるフィルム冷却空気、流通経路からの燃焼ガスの漏出を防止するためのいわゆるシール空気等が相当する。
【0021】
例えば図2に示すように、フィルム冷却空気(図中の実線矢印参照)としては、動翼16の表面に設けられた複数の噴出孔16aから燃焼ガスの流通経路へ噴出され、動翼16の表面を覆いつつこれに沿って流動するもの、同様に、静翼17の表面に設けられた複数の噴出孔17aから燃焼ガスの流通経路へ噴出され、静翼17の表面を覆いつつこれに沿って流動するものがある。ロータディスク15の外周面に設けられた複数の噴出孔15aから燃焼ガスの流通経路へ噴出され、ロータディスク15の外周面を覆いつつこれに沿って流動するものもある。シール空気(図中の破線矢印参照)としては、ロータディスク15同士の隙間から燃焼ガスの流通経路へ噴出されるものがある。
【0022】
また、CFD解析は、実際の運転で想定される種々の運転条件にそれぞれ対応した境界条件を与えて行う。ここでの運転条件としては、大気圧や大気温度、車室圧、バイパス弁開度、圧力比、燃焼器出口ガス温度分布や燃焼器出口ガス圧力分布、タービン入口ガス温度やタービン出口ガス温度、排ガス温度等が相当する。なお、混入流体の混入温度や混入流量は運転条件に対応して定められる。
【0023】
そして、CFD解析により、想定の各種運転条件ごとに、各高温部品(ディスクロータ15、動翼16、静翼17、尾筒7等)に伝達される局所ガス温度を算出する。
【0024】
次にステップ#10において、上記のCFD解析の結果に基づき、高温部品ごとに、想定の各運転条件と局所ガス温度との相関図を作成する。例えば図3に示すように、各高温部品について、縦軸に局所ガス温度を、横軸に圧力比をとり、この図上にタービン入口温度の等高線T1,T2,T3・・・、及びバイパス弁開度の等高線B1,B2,B3・・・を描く。これで、事前準備が整う。
【0025】
続いて、実際の高温部品の寿命評価について説明する。先ず、実際のプラント(ガスタービン1)において、これから寿命評価の対象とする所望の高温部品(ディスクロータ15、動翼16、静翼17、尾筒7等)を選定する。続いてステップ#15において、実際の運転に伴って蓄積されている運転情報、すなわち実際のガスタービン1で逐次計測・遠隔監視している履歴データに基づき、その実際の運転時の運転条件(圧力比、タービン入口温度、バイパス弁開度)ごとに対応する局所ガス温度を上記の相関図より抽出する。
【0026】
次いでステップ#20において、その抽出した局所ガス温度ごとのガスタービン1の運転時間を運転情報(履歴データ)より抽出する。ちなみに、このようにして抽出した各局所ガス温度ごとの運転時間をまとめると、例えば図4に示すようになる。
【0027】
次にステップ#25において、その抽出した各運転時間に局所ガス温度ごとに予め定められた重み係数を掛けて、各運転時間を重み付けする。その重み係数は、局所ガス温度が高いほど大きいものが定められる。実際に高温部品が受ける損傷の程度は、その高温部品に伝達される局所ガス温度の高低に依存して、顕著に変動するからである。ここで重み係数を局所温度ごとに予め定めておくわけであるが、その設定にあたっては、例えば、各高温部品について各局所温度を境界条件として予めFEM解析を行い、そのクリープ変形の度合いを数値化して重み係数としている。なお、クリープ変形の度合いに代えて、高温酸化の度合いを数値化して重み係数としても構わない。
【0028】
次にステップ#30において、その重み付けした各運転時間を累積する。そしてステップ#35において、累積運転時間を当該高温部品に定められた基準値と比較して、クリープ変形や高温酸化に対しての残り寿命を判断する。これで、実際の高温部品の寿命評価を終える。
【0029】
このような寿命診断方法によれば、CFD解析において、主流の燃焼ガスと共に混入流体の熱流れを解析対象としているため、高温部品を問わず、局所ガス温度の解析値が実際値と同等になる。従って、その局所ガス温度に基づいて推測される高温部品の損傷程度も実際の状況に近いものとなり、正確に高温部品の寿命判断を行うことが可能になる。本実施形態の場合、クリープ変形や高温酸化に対して有効に寿命判断が行える。そうすると、ガスタービン1の保守点検のタイミングを的確に定めることができ、その結果として長期的なコスト低減を実現できる。
【0030】
しかも、CFD解析の結果を相関図に予めまとめ、この相関図を用いて実際の寿命判断を行えるため、実際の寿命判断の際には、本来長時間を必要とするCFD解析時間を要することなく、短時間で行える点で有利である。
【0031】
なお、CFD解析で用いる境界条件としての運転条件のうちで、燃焼器出口ガス温度分布や燃焼器出口ガス圧力分布は、予め試験的に行った燃焼実験でのデータに基づき、タービン入口ガス温度や圧力比等から算出することも可能である。このようにすると、より精度良く局所ガス温度を算出できる。
【0032】
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、ステップ#20〜#30において、抽出したり重み付けしたりする運転時間をガスタービン1の運転起動停止回数に置き換えてもよい。この場合、重み係数を高温部品の低サイクル疲労の度合いより設定しておくことで、高温部品の寿命評価を低サイクル疲労に対して有効に行える。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、ガスタービンにおける高温部品の寿命診断に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態であるガスタービンにおける高温部品の寿命診断の手順を示すフローチャートである。
【図2】混入流体の一例を示す模式図である。
【図3】CFD解析より作成されたある高温部品においての想定の各運転条件と局所ガス温度との相関図の一例を示す模式図である。
【図4】相関図及び実際の運転情報より抽出した各局所ガス温度ごとの運転時間をまとめた一例を示す模式図である。
【図5】一般的なガスタービンの燃焼器付近の縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ガスタービン
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 車室
6 内筒
7 尾筒
8 外筒
9 パイロット燃料ノズル
10 メイン燃料ノズル
11 バイパスダクト
12 バイパス弁
13 バイパス弁可変機構
15 ロータディスク
16 動翼
17 静翼

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンを構成する部品のうち主流の燃焼ガスより熱が与えられて高温になる高温部品についての寿命診断方法において、
主流の燃焼ガス及びこれに混入される混入流体について、実際の運転で想定される複数の運転条件に対応した複数の境界条件を与えてCFD解析を行い、想定の運転条件ごとに、各高温部品に伝達される局所ガス温度を算出する第1ステップと、
第1ステップでのCFD解析の結果に基づき、高温部品ごとに、想定の各運転条件と局所ガス温度との相関図を作成する第2ステップと、
所望の高温部品について、第2ステップで作成した相関図、及び実際の運転に伴って蓄積されている運転情報に基づき、相関図より実際の運転時の運転条件ごとに対応する局所ガス温度を抽出し、抽出した局所ガス温度ごとの運転時間を運転情報より抽出する第3ステップと、
第3ステップで抽出した各運転時間を局所ガス温度ごとに定められた重み係数で重み付けし、重み付けした各運転時間を累積する第4ステップと、
第4ステップでの累積運転時間を当該高温部品に定められた基準値と比較して残り寿命を判断する第5ステップと、
を含むことを特徴とするガスタービンにおける高温部品の寿命診断方法。
【請求項2】
ガスタービンを構成する部品のうち主流の燃焼ガスより熱が与えられて高温になる高温部品についての寿命診断方法において、
主流の燃焼ガス及びこれに混入される混入流体について、実際の運転で想定される複数の運転条件に対応した複数の境界条件を与えてCFD解析を行い、想定の運転条件ごとに、各高温部品に伝達される局所ガス温度を算出する第1ステップと、
第1ステップでのCFD解析の結果に基づき、高温部品ごとに、想定の各運転条件と局所ガス温度との相関図を作成する第2ステップと、
所望の高温部品について、第2ステップで作成した相関図、及び実際の運転に伴って蓄積されている運転情報に基づき、相関図より実際の運転時の運転条件ごとに対応する局所ガス温度を抽出し、抽出した局所ガス温度ごとの運転起動停止回数を運転情報より抽出する第3ステップと、
第3ステップで抽出した各運転起動停止回数を局所ガス温度ごとに定められた重み係数で重み付けし、重み付けした各運転起動停止回数を累積する第4ステップと、
第4ステップでの累積運転起動停止回数を当該高温部品に定められた基準値と比較して残り寿命を判断する第5ステップと、
を含むことを特徴とするガスタービンにおける高温部品の寿命診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−29190(P2006−29190A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208558(P2004−208558)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)