ガスホルダのピストン傾斜抑制方法
【課題】ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するにあたり、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制する。
【解決手段】ガスホルダのピストン6は、周方向に所定の間隔離間して複数組設けられたガイドローラユニットを有している。ピストン6がガスホルダ内を昇降動する際に、ガイドローラユニットがガスホルダの側板2を押圧する荷重を測定し、測定された荷重と、ガスホルダの側板2の弾性係数とに基づいて、ガイドローラユニットによる側板2への荷重を適正な値とするための必要移動量を求め、当該ガイドローラユニットの平面視における位置を前記必要移動量に基づいて前記ガスホルダの直径方向に沿って移動させることにより、側板2内面を外方に押圧する荷重を調整する。
【解決手段】ガスホルダのピストン6は、周方向に所定の間隔離間して複数組設けられたガイドローラユニットを有している。ピストン6がガスホルダ内を昇降動する際に、ガイドローラユニットがガスホルダの側板2を押圧する荷重を測定し、測定された荷重と、ガスホルダの側板2の弾性係数とに基づいて、ガイドローラユニットによる側板2への荷重を適正な値とするための必要移動量を求め、当該ガイドローラユニットの平面視における位置を前記必要移動量に基づいて前記ガスホルダの直径方向に沿って移動させることにより、側板2内面を外方に押圧する荷重を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するにあたり、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制する傾斜抑制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、製鉄所においては高炉や転炉から発生する可燃性の副生ガスをエネルギー源として有効利用するために、当該副生ガスを一旦貯留するピストン昇降式のガスホルダが設置されている。ガスホルダは、外面を基柱と回廊に支持された複数枚の側板で構成された円筒状のホルダ本体と、ホルダ本体の内部においてガス量の増減に応じて自在に昇降するピストンを備えている。このピストンの外周縁部には、昇降の際に摺動部から内部のガスが漏洩することを防止するため、例えば特許文献1に開示されるような、シール油を用いたシール装置が設けられている。
【0003】
このようなシール装置においては、ピストンが昇降する際にピストンが傾斜すると、シール装置内のシール油が移動すると共に、摺動部のシールと側板との間の距離が拡大し、摺動部のシールが維持できなくなる恐れがある。また、ピストンの傾斜角が大きくなると、シールが維持できなくなるだけではなく、シール装置の構造上可能な伸縮量を超過し、シール装置の損傷に至る恐れがある。そこで従来は、例えば図11に示すように、シール装置の上方に位置しガスホルダ100の側板101を外方に押圧する上下一対のガイドローラ102を、ガスホルダの周方向に所定の間隔で複数設置している(特許文献2)。
【0004】
この上下一対のガイドローラは、例えば図11に破線で示すようにピストン103が鉛直軸に対して傾斜した際に、ガイドローラ102が側板101を押圧する荷重がピストン103の傾斜に起因して大きくなる。その際、側板101を押圧する荷重が大きくなった箇所のガイドローラ102が、ガスホルダ100の側板101からの反力により押し戻される。これにより、ピストン103に復元モーメントが作用し、ピストン103が自動的に水平に保持される、いわゆる自動調芯が行われ、シール装置の水平が適切に維持される。
【0005】
上述の上下一対のガイドローラ102による自動調芯の効果は、側板101からの反力、すなわちガイドローラ102により側板101を押圧する力が大ききなるほどその効果も高くなる一方で、側板101を押圧する力を高めると、側板101が疲労破壊を起こす恐れがあるというトレードオフの関係にある。そのため、通常はガスホルダ100の据付時に、ガイドローラ102を支持する支持部材104とガイドローラ102との間に調整用のシムライナーを挿入することで、ガイドローラ102が側板101を押圧する力が適正な値になるように調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−219991号公報
【特許文献2】特開平11−201398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ガスホルダの内周面、すなわち側板の縦断面形状は、据付時の据付誤差、溶接による熱ひずみ等によるガスホルダ固有の凹凸を有している。また、ガスホルダ内に副生ガスが導入されガスホルダの内圧が上昇すると、側板が膨張する一方で、ガスホルダ側板の外方に設けられた回廊に対応する箇所の側板は、回廊により膨張が抑制される。そのため、ガスホルダの内圧が上昇すると、側板の縦断面形状は、ガスホルダ高さ方向の回廊に対応する位置ではガスホルダ内面に凸に突出し、回廊と回廊との間で凹に窪んだものとなる。
【0008】
したがって、据付時にガイドローラの調整を行っても、ガスホルダの内圧が上昇すると調整時に想定していた荷重が維持できず、自動調芯が適切に行われなくなるという問題があった。また、据付完了後、ガスホルダの内圧が上昇した状態で行われるガイドローラの調整では、内面に凸に突出した箇所において側板への荷重が適正な値になるように調整する必要がある。凹に窪んだ箇所で荷重が適正な値となるように調整した場合、凸に突出した箇所においては過剰な荷重が側板にかかり、疲労破壊を招く恐れがあるためである。しかしながらその場合は、凹に窪んだ箇所では適正な押付力が得られず、自動調芯が行われないという問題もあった。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するガスホルダにおいて、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するための本発明は、ガスホルダ周方向に所定の間隔離間して複数組設けられガスホルダの側板内面を外方に押圧するガイドローラを備えたピストンが、ガスホルダ内を昇降する際に傾斜することを抑制するピストンの傾斜抑制方法であって、前記ピストンが昇降動する際に、前記複数のガイドローラが前記ガスホルダの側板を押圧する荷重を測定し、前記測定された荷重と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて、前記ガイドローラによる前記側板への荷重を適正な値とするための、前記ガスホルダの直径方向への必要移動量を求め、前記ピストンが昇降動する際に、前記ガイドローラの平面視における位置を前記必要移動量に基づいて前記ガスホルダの直径方向に沿って移動させることにより、側板内面を外方に押圧する荷重を調整することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、ガイドローラを必要移動量に基づいて移動させることで、当該ガイドローラが側板の内面を押圧する荷重を調整するので、側板内面の形状に凹凸がある箇所においても、ガイドローラの荷重を適正な値に保つことができる。これにより、ガイドローラによる自動調芯機能が適切に作動し、ピストンが昇降動する際、ピストンのストローク高さの全域に渡って傾斜の発生を抑制することができる。
【0012】
前記測定された荷重と、前記ガイドローラにより前記側板内面を外方に押圧する際の適正荷重との差分を算出し、前記算出された適正荷重との差分と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて前記必要移動量を求めてもよい。
【0013】
前記ガスホルダの対角線を挟んだ一方の半円周側に配置される前記ガイドローラには、固定式ガイドローラが用いられ、他の半円周側に配置される前記ガイドローラには、ばね式ガイドローラが用いてもよい。
【0014】
前記ガイドローラは、側面視において相対する面が対称な所定の角度の勾配を有する支持部材により前記ピストンに支持され、前記ガイドローラの直径方向の位置調整は、前記支持部材を昇降動させることにより行ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するガスホルダにおいて、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態にかかるピストン傾斜抑制装置を有するガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかるピストン傾斜抑制装置を有するガスホルダの構成の概略を示す横断面図である。
【図3】ガイドローラユニット近傍の構成の概略を示す説明図である。
【図4】ピストンの高さとガイドローラユニットによる荷重との相関関係を示す表である。
【図5】ピストンの高さとガイドローラユニットの適正荷重との差分の相関関係を示す表である。
【図6】ピストンの高さとガイドローラユニットの必要移動量との相関関係を示す表である。
【図7】ピストンに転倒モーメントが作用した状態を示す説明図である。
【図8】他の実施の形態にかかるガイドローラユニット近傍の構成を示す説明図である。
【図9】ピストンの傾斜量についての説明図である。
【図10】ピストンの傾斜量についての説明図である。
【図11】従来のガスホルダの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態にかかるピストンの傾斜抑制方法が適用されるガスホルダ1の構成の概略を示す縦断面図である。図2は本実施の形態にかかるピストンの傾斜抑制方法を実行するための傾斜抑制装置を有するガスホルダ1の構成の概略を示す横断面図である。
【0018】
ガスホルダ1は、略円筒状に組み上げられた複数枚の側板2、側板2の外側を支持しガスホルダの周方向に所定の間隔離隔して垂直に配置された複数本の基柱C、及び側板2の外周に沿って設けられた回廊Pにより構成される略円筒状をなすホルダ本体5と、ホルダ本体5の内部に設けられたピストン6と、ホルダ本体5の上端開口部を閉塞する屋根7と、ピストン6が昇降動する際の傾斜を抑制する傾斜抑制装置8を備えている。ピストン6は、ホルダ本体5の内部においてガス容量に応じて昇降動し、ホルダ本体5の内部空間が、ピストン6によって、ピストン6よりも下方の領域とピストン6よりも上方の領域とに仕切られている。なお、図示の都合上、図1では3つの回廊P1〜P3を、図2では12の基柱C1〜12をそれぞれ描図している。
【0019】
ホルダ本体5の内部において、ピストン6よりも下方の領域は、ガスの貯留部となっている。ホルダ本体5の下部には、ガスの流通路(図示せず)が接続されており、この流通路を通じて導入されたガスが、ホルダ本体5の内部において、ピストン6よりも下方の領域に貯留されるようになっている。
【0020】
ピストン6はその外周部に、ピストン6より下方の領域とピストン6より上方の領域とを封止するためのシール機構10と、シール機構10の上方であって側板2の基柱C1〜12に対応する位置に当接して設けられたガイドローラユニット11を備えている。ガイドローラユニット11は、上下方向に所定の間隔離間して配置された一対のガイドローラである、上部ローラ12及び下部ローラ13を有している。上部ローラ12及び下部ローラ13は側板2の内面を外方に押圧するよう設けられ、ピストン6外周部の上面に配置された支持部材14を介してピストン6に支持されている。側板2がガイドローラユニット11と当接する箇所は、ガイドローラユニット11の荷重により外方に撓み、その際の荷重は、基柱C及び回廊Pにより支持されている。
【0021】
このガイドローラユニット11は、流通路を通じてホルダ本体5内に副生ガスが導入されピストン6が副生ガスの容量に応じて昇降する際に、上部ローラ12及び下部ローラ13が回転することにより、ホルダ本体5内においてピストン6が円滑に昇降する。また、ガイドローラユニット11は例えばピストン6がガスホルダ1の鉛直軸に対して傾斜した際に、ピストン6を自動的に水平に保持する、いわゆる自動調芯の機能を備えている。具体的には、例えばピストン6が傾斜した場合、ピストン6の傾斜に起因して側板2の撓み量が多くなる箇所が発生する。側板2は弾性係数Kを有する鋼材により形成されているため、撓み量が多くなった箇所では、弾性係数K及び撓み量に比例して、上部ローラ12又は下部ローラ13を押し戻す反力が発生する。したがって、この反力によりピストン6に復元モーメントが作用し、ピストン6の自動調芯が行われる。
【0022】
支持部材14は、例えば図3に示すように、ピストン6の上面に垂直に設置された支持柱20と、支持柱20に連結され、上部ローラ12及び下部ローラ13をそれぞれ上面で支持する支持梁21とを有している。支持梁21の上面であって、上部ローラ12及び下部ローラ13と支持柱20との間には、後述する荷重調整機構33が載置されている。
【0023】
傾斜抑制装置8は、ピストン6の外周部近傍の高さ方向の位置を測定する4つの位置測定手段30と、上部ローラ12及び下部ローラ13に作用する側板2からの反力、すなわち上部ローラ12及び下部ローラ13が側板2を押圧する荷重を測定する荷重測定手段31と、位置測定手段30及び荷重測定手段31による測定結果が入力される制御装置32と、上部ローラ12及び下部ローラ13による側板2への荷重を調整する荷重調整機構33と、を有している。荷重調整機構33は、支持柱20に側面を支持され、支持柱20に支持される面と反対側の側面に設けられた移動部33aが図示しない駆動装置により水平方向に移動自在に構成されている。移動部33aの先端は上部ローラ及び下部ローラ13に接続されている。したがって、荷重調整機構33の移動部33aを水平動させることで、上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の位置を調整することができ、上部ローラ12及び下部ローラ13が側板2を押圧する荷重を変化させることができる。移動部33aの水平動は、制御装置32からの電気信号により制御される。
【0024】
位置測定手段30は、屋根7の外周の上面に90度のピッチで4箇所に配置されている。位置測定手段30としては、例えばワイヤ式あるいは超音波式のレベル計などを用いることができる。荷重測定手段31は、上部ローラ12及び下部ローラ13の側面に設けられている。荷重測定手段31としては、例えばひずみゲージなどを用いることができる。制御装置32の記憶部34には、位置測定手段30と荷重測定手段31との測定結果に基づき制御装置32より予め求められた、ピストン6の測定高さHと、当該測定高さHにおけるガイドローラ6の平面視における直径方向への必要移動量Aとの相関関係が記憶されている。制御装置32は、記憶部34に記憶されている相関関係と、位置測定手段30の測定結果とを比較し、ピストン6の昇降動に応じて、上部ローラ12及び下部ローラ13による側板2への荷重が所定の範囲内に収まるように荷重調整機構33の移動部33aの移動量の制御を行う。
【0025】
次に、記憶部34に記憶されている、ピストン6の測定高さHと、当該測定高さHにおけるガイドローラ6の平面視における直径方向への必要移動量Aとの相関関係を求める方法について詳述する。
【0026】
上述の相関関係を求めるにあたっては、先ずピストン6の高さ方向の位置を位置測定手段30で測定しながらピストン6を昇降動させると共に、荷重測定手段31により各上部ローラ12及び下部ローラ13に作用する荷重を測定する。なお、この測定作業は、例えばガスホルダ1の据付完了後に、ガイドローラユニット11の位置を、シムライナー等により調整する基礎調整作業に先立って行うことが好ましい。荷重測定手段31により測定した値を、シムライナーによるガイドローラユニット11の基礎調整の際のデータとして使用できるためである。
【0027】
位置測定手段30及び荷重測定手段31の測定結果は制御装置32に入力される。制御装置32は、各測定手段の測定結果に基づき、側板2への荷重Mと、その荷重が作用する際のピストン6のホルダ本体5の測定高さHとの相関関係を、例えば図4に示す表のように求める。図4は、3つの回廊P1〜P3の高さ方向の間隔が10m、ピストン6の昇降高さが35mのガスホルダ1において測定を行い、1m毎の測定高さHと、当該測定高さHにおける荷重Mとの相関関係を求めた結果を表している。なお、図4においては図示の都合上、1m毎の測定高さHについて、荷重Mとの相関関係を表しているが、測定高さHの間隔は任意であり、例えば連続的な曲線として相関関係を求めてもよい。
【0028】
次に、図4に示される測定高さHにおける荷重Mから、上部ローラ12により側板2を押圧する際の適正な荷重を減算し、例えば図5に示すように各高さ位置Hにおいて増減が必要な荷重ΔMとの関係を求める。図5の例においては、例えば適正な荷重を8tonとして荷重ΔMを求めている。なお、この時点で、シムライナーを支持部材14とガイドローラユニット11との間に調整用シムライナーを挿入して、荷重ΔMの値がゼロとなるように補正してもよい。
【0029】
ここで、図5の表において荷重ΔMの値が正となっている箇所は、側板2間の距離、すなわちホルダ本体5の直径が、適正な荷重を得られる直径に比べて小さく、荷重ΔMの値が負となっている箇所はその逆であることを意味している。したがって、ホルダ本体5内をピストン6が昇降動する際に、ピストン6のストローク高さの全域に渡って上部ローラ12及び下部ローラ13が側板2を押圧する荷重を適正な値とするためには、測定高さHにおけるホルダ本体5の直径、すなわち側板2の縦断面形状にあわせて上部ローラ12及び下部ローラ13の平面視における位置を、ホルダ本体5の直径方向に沿って移動させればよい。したがって、測定高さHにおいて適正な荷重を得るために必要な、上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向への必要移動量AHは、測定高さHにおける荷重ΔMHと、予め求められている側板2の弾性係数Kとから、制御装置32によりAH=ΔM/Kとして求められる。側板2の弾性係数Kは予め制御装置32に入力されている。
【0030】
図6は制御装置32により求められた、AHと測定高さHとの相関関係である。なお、弾性係数Kはホルダ本体5の高さ方向において一定ではなく、回廊Cに対応する高さ方向の位置で大きく、上下に隣り合う回廊C間では小さくなる。これば、回廊Cにより側板2の膨張が抑制されるためである。なお、図6においては、回廊Cに対応する位置では弾性係数Kを2.0(ton/mm)、回廊の上下1mの箇所では1.5(ton/mm)、それ以外の箇所で0.5(ton/mm)として、必要移動量AHを求めている。
【0031】
そして、各測定高さHにおける必要移動量AHを、各基柱C1〜12に対応するガイドローラユニット11毎に求め、記憶部34に記憶しておく。なお、弾性係数Kの値が大きい場合、ローラユニット11の僅かな移動で、側板2への荷重の値が大きく変動するため、荷重調整機構33にはミリメートル単位での位置制御が可能なものを用いることが望ましく、本実施の形態においては、例えばウォームギアジャッキである。ミリメートル単位の制御が可能なものであれば、例えば油圧アクチュエータ、電動アクチュエータあるいはエアアクチュエータなどを用いてもよい。
【0032】
本実施の形態にかかる傾斜抑制装置8を有するガスホルダ1は以上のように構成されており、次にこのガスホルダ1のピストン6の昇降動作について説明する。
【0033】
先ず、流通路から副生ガスがガスホルダ1内に流入し、それに伴いピストン6が上昇する。その際、ピストン6の高さ方向の位置が位置測定手段30により測定され、制御装置32に測定結果が入力される。制御装置32は位置測定手段30によるピストン6の測定高さHと、図6に示される測定高さHにおける必要移動量AHとの相関関係に基づき、上部ローラ12及び下部ローラ13を荷重調整機構33の移動部33aにより必要移動量AHだけ水平に移動させる。
【0034】
そして、ガスホルダ1内のガス量の変化に応じてピストン6の高さが変化すると、ピストン6の測定高さHに合わせて、引き続き制御装置32により荷重調整機構33が制御される。
【0035】
以上の実施の形態によれば、ピストン6が昇降動する際に、記憶部34に記憶されているピストン6の測定高さHと必要移動量AHとの相関関係に基づいて上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の位置が調整されるので、上部ローラ12及び下部ローラ13による側板2への荷重を、側板2内面の凹凸に関わらず常に適正な値に保つことができる。このため、ガイドローラユニット11による自動調芯機能が適切に作動し、ピストン6が昇降動する際、ピストン6のストローク高さの全域に渡ってピストン6の傾斜を抑制することができる。
【0036】
また、側板2が過剰な力で押圧されることがなくなるので、側板2の疲労破壊を防止することができる。したがって、側板2の長寿命化を図ることができる。
【0037】
さらには、ガイドローラユニット11による側板2への荷重を適正な値に保つことで、例えば従来のガイドローラではホルダ本体5内面の凹凸部でピストン6に対して作用する恐れがあった転倒モーメントが発生することを防止できる。具体的には、例えば図7に示すように、ホルダ本体5内面が狭くなっている箇所をピストン6が上方に向かって通過する際、ピストン6が傾斜する場合がある。その場合、例えば図7に破線で示すように、本来ピストン6の傾斜により側板2から受ける反力が増大する側の上部ローラ12又は下部ローラ13に荷重がかからず、ホルダ本体5内面の狭まった箇所を通過している上部ローラ12又は下部ローラ13にさらに荷重がかり、転倒モーメントが発生する恐れがある。しかしながら、以上実施の形態のように、ホルダ本体5内面の凹凸に沿って上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の位置を調整しているので、上述のような転倒モーメントは発生しない。
【0038】
なお、以上の実施の形態では、測定高さHと必要移動量AHとの相関関係を求める作業は、ガスホルダ1の据付完了後の基礎調整時に行っていたが、ガスホルダ1内に実際に副生ガスが導入された際に行ってもよい。そうすることで、実際の運転状態、すなわち内圧、副生ガスの温度条件における側板2の縦断面形状を反映することができ、より正確な必要移動量AHを求めることができる。必要移動量AHを求めた後も、荷重測定手段31の値を確認し、荷重が所定の範囲内に収まっていない場合は、再度あるいは繰り返し荷重Mと測定高さHとを測定し、必要移動量AHの補正を行ってもよい。なお、ガスホルダ1は外気温の変化によっても、側板2の縦断面形状が変化するので、必要移動量AHを例えば、季節ごとに作成してもよい。
【0039】
以上の実施の形態では、上部ローラ12及び下部ローラ13の位置を、荷重調整機構33の移動部33aを水平方向に移動させることで調整していたが、例えば、図8に示すように、上部ローラ12及び下部ローラ13を相対する面が対称な角度αの勾配を有する略台形状の固定側支持部材40及び自由側支持部材41により支持し、自由側支持部材41を荷重調整機構33により昇降動させることで、その位置を調整してもよい。この場合、固定側支持部材40は支持柱20に固定され、自由側支持部材41は上部ローラ12及び下部ローラ13側に固定される。かかる場合、上部ローラ12及び下部ローラ13の移動部33aによる移動量は、移動部33aが実際に昇降動を行った場合の移動量をtanαで除した値となるので、より制度の高い荷重調整を行うことが可能となる。
【0040】
また、以上実施の形態では、例えば図4に示す、測定高さHと荷重Mとの相関関係を求める際に特にピストン6の傾斜について考慮していなかったが、傾斜が発生した場合は、荷重測定手段31による測定値Mと実際に側板2にかかる荷重との間に誤差が生じる。したがって、ピストン6の傾斜量に基づき、必要移動量AHの補正を行ってもよい。以下に補正の手順を示す。
【0041】
先ず、測定高さHにおいて、4つの各位置測定手段30の測定値を平均し、その値をピストン6の中心点における高さ方向の位置として求める。ピストン6が傾斜している場合は、4つの測定点のうち、隣り合う2点が上述の平均値より大きく、他の隣り合う2点が平均値より小さくなる。ピストン6の中心位置の高さに対して、ピストン6の外周縁部の高さが最も高くなる最大傾斜点Sは、図9に示すように測定高さHが4点の平均値より大きい2点U、Tの間に存在する。したがって、最大傾斜点Sと、平均値より大きい2点U,Tとの測定点のうちの1の測定点との平面視におけるなす角をθ、最大傾斜点Sの傾斜量をY、点U、Tにおける傾斜量をそれぞれY1、Y2とすると、tanθ=(Y2/Y1)、Y=(Y1/cosθ)としてそれぞれの関係を求めることができる。
【0042】
次に、例えば平面視で点Uに一致する基柱が基柱C1であるとして、ピストン6の傾斜により生じる、基柱C1及び基柱C1の直径方向、すなわち基柱C1の対角線上に位置する基柱C7に対応する上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の移動量を求める。その場合、例えば図10に示すように、対向する上部ローラ12、12間の距離、すなわちピストン6の直径をL、上下一対の上部ローラ12と下部ローラ13間の斜辺の長さをG、直径Lと斜辺Gのなす角をβとし、基柱C1に対応する下部ローラ13を支点にしてピストン6が例えば傾斜量Y1傾斜することにより図9の時計回りに傾斜角γだけ傾斜したとすると、傾斜角γの影響による基柱C1に対応する上部ローラ12の移動量Qと、基柱C7に対応する上部ローラ13の移動量R1及び基柱C7に対応する下部ローラの移動量R2は、それぞれQ=G×cos(β−γ)−L、(R1+R2)=G×cos(β+γ)−L、R1=Q+R2、tanγ=(Y1/L)と表される。
【0043】
したがって、各ガイドローラの移動量Q、R1、R2に弾性係数Kを乗じることで、傾斜量Y1に起因して各ガイドローラユニット11に発生する荷重を求めることができる。そのため、傾斜量に起因する荷重により図5の表の荷重Mを補正することで、より正確な必要移動量AHを求めることができる。これにより、ガイドローラによる側板2への荷重をさらに厳密に調整することが可能となり、ガイドローラユニット11による自動調芯機能をさらに向上させることができる。なお、他の基柱Cでの傾斜量は、上述の角度θの値を各基柱の位置に応じて変化させることで求めることができる。また、例えば点Uと基柱C1に平面視での位置が所定の角度ずれている場合も、その角度に応じて角度θの補正を行えばよい。
【0044】
以上の実施の形態では、全て固定式のガイドローラを用いていたが、半周分の基柱C1〜C6に対応するガイドローラユニット11には固定式ガイドローラを用い、基柱C1〜C6の対角線を挟んで反対側の半周側、すなわち基柱C7〜C12に対応するガイドローラユニット11には、内蔵するばねによりホルダ本体5の側板2の鉛直方向の凹凸に追従して水平動するばね式ガイドローラを用いてもよい。かかる場合、柱C7〜C12に対応する位置のガイドローラユニット11がホルダ本体5内面の凹凸を吸収することができるので、ガイドローラユニット11の自動調芯機構がさらに向上する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ガスホルダのピストンの傾斜をガイドローラにより抑制する際に有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 ガスホルダ
2 側板
5 ホルダ本体
6 ピストン
7 屋根
8 傾斜制御装置
10 シール機構
11 ガイドローラユニット
14 支持部材
20 支持柱
21 支持梁
30 位置測定手段
31 荷重測定手段
32 制御装置
33 荷重調整機構
33a 移動部
34 記憶部
40 固定側支持部材
41 自由側支持部材
C 基柱
P 回廊
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するにあたり、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制する傾斜抑制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、製鉄所においては高炉や転炉から発生する可燃性の副生ガスをエネルギー源として有効利用するために、当該副生ガスを一旦貯留するピストン昇降式のガスホルダが設置されている。ガスホルダは、外面を基柱と回廊に支持された複数枚の側板で構成された円筒状のホルダ本体と、ホルダ本体の内部においてガス量の増減に応じて自在に昇降するピストンを備えている。このピストンの外周縁部には、昇降の際に摺動部から内部のガスが漏洩することを防止するため、例えば特許文献1に開示されるような、シール油を用いたシール装置が設けられている。
【0003】
このようなシール装置においては、ピストンが昇降する際にピストンが傾斜すると、シール装置内のシール油が移動すると共に、摺動部のシールと側板との間の距離が拡大し、摺動部のシールが維持できなくなる恐れがある。また、ピストンの傾斜角が大きくなると、シールが維持できなくなるだけではなく、シール装置の構造上可能な伸縮量を超過し、シール装置の損傷に至る恐れがある。そこで従来は、例えば図11に示すように、シール装置の上方に位置しガスホルダ100の側板101を外方に押圧する上下一対のガイドローラ102を、ガスホルダの周方向に所定の間隔で複数設置している(特許文献2)。
【0004】
この上下一対のガイドローラは、例えば図11に破線で示すようにピストン103が鉛直軸に対して傾斜した際に、ガイドローラ102が側板101を押圧する荷重がピストン103の傾斜に起因して大きくなる。その際、側板101を押圧する荷重が大きくなった箇所のガイドローラ102が、ガスホルダ100の側板101からの反力により押し戻される。これにより、ピストン103に復元モーメントが作用し、ピストン103が自動的に水平に保持される、いわゆる自動調芯が行われ、シール装置の水平が適切に維持される。
【0005】
上述の上下一対のガイドローラ102による自動調芯の効果は、側板101からの反力、すなわちガイドローラ102により側板101を押圧する力が大ききなるほどその効果も高くなる一方で、側板101を押圧する力を高めると、側板101が疲労破壊を起こす恐れがあるというトレードオフの関係にある。そのため、通常はガスホルダ100の据付時に、ガイドローラ102を支持する支持部材104とガイドローラ102との間に調整用のシムライナーを挿入することで、ガイドローラ102が側板101を押圧する力が適正な値になるように調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−219991号公報
【特許文献2】特開平11−201398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ガスホルダの内周面、すなわち側板の縦断面形状は、据付時の据付誤差、溶接による熱ひずみ等によるガスホルダ固有の凹凸を有している。また、ガスホルダ内に副生ガスが導入されガスホルダの内圧が上昇すると、側板が膨張する一方で、ガスホルダ側板の外方に設けられた回廊に対応する箇所の側板は、回廊により膨張が抑制される。そのため、ガスホルダの内圧が上昇すると、側板の縦断面形状は、ガスホルダ高さ方向の回廊に対応する位置ではガスホルダ内面に凸に突出し、回廊と回廊との間で凹に窪んだものとなる。
【0008】
したがって、据付時にガイドローラの調整を行っても、ガスホルダの内圧が上昇すると調整時に想定していた荷重が維持できず、自動調芯が適切に行われなくなるという問題があった。また、据付完了後、ガスホルダの内圧が上昇した状態で行われるガイドローラの調整では、内面に凸に突出した箇所において側板への荷重が適正な値になるように調整する必要がある。凹に窪んだ箇所で荷重が適正な値となるように調整した場合、凸に突出した箇所においては過剰な荷重が側板にかかり、疲労破壊を招く恐れがあるためである。しかしながらその場合は、凹に窪んだ箇所では適正な押付力が得られず、自動調芯が行われないという問題もあった。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するガスホルダにおいて、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するための本発明は、ガスホルダ周方向に所定の間隔離間して複数組設けられガスホルダの側板内面を外方に押圧するガイドローラを備えたピストンが、ガスホルダ内を昇降する際に傾斜することを抑制するピストンの傾斜抑制方法であって、前記ピストンが昇降動する際に、前記複数のガイドローラが前記ガスホルダの側板を押圧する荷重を測定し、前記測定された荷重と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて、前記ガイドローラによる前記側板への荷重を適正な値とするための、前記ガスホルダの直径方向への必要移動量を求め、前記ピストンが昇降動する際に、前記ガイドローラの平面視における位置を前記必要移動量に基づいて前記ガスホルダの直径方向に沿って移動させることにより、側板内面を外方に押圧する荷重を調整することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、ガイドローラを必要移動量に基づいて移動させることで、当該ガイドローラが側板の内面を押圧する荷重を調整するので、側板内面の形状に凹凸がある箇所においても、ガイドローラの荷重を適正な値に保つことができる。これにより、ガイドローラによる自動調芯機能が適切に作動し、ピストンが昇降動する際、ピストンのストローク高さの全域に渡って傾斜の発生を抑制することができる。
【0012】
前記測定された荷重と、前記ガイドローラにより前記側板内面を外方に押圧する際の適正荷重との差分を算出し、前記算出された適正荷重との差分と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて前記必要移動量を求めてもよい。
【0013】
前記ガスホルダの対角線を挟んだ一方の半円周側に配置される前記ガイドローラには、固定式ガイドローラが用いられ、他の半円周側に配置される前記ガイドローラには、ばね式ガイドローラが用いてもよい。
【0014】
前記ガイドローラは、側面視において相対する面が対称な所定の角度の勾配を有する支持部材により前記ピストンに支持され、前記ガイドローラの直径方向の位置調整は、前記支持部材を昇降動させることにより行ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ピストンの外周部に配置されたガイドローラによりガスホルダの側板を押圧することでピストンを水平に保持するガスホルダにおいて、側板を押圧する力を適正に制御してピストンの傾斜を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態にかかるピストン傾斜抑制装置を有するガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかるピストン傾斜抑制装置を有するガスホルダの構成の概略を示す横断面図である。
【図3】ガイドローラユニット近傍の構成の概略を示す説明図である。
【図4】ピストンの高さとガイドローラユニットによる荷重との相関関係を示す表である。
【図5】ピストンの高さとガイドローラユニットの適正荷重との差分の相関関係を示す表である。
【図6】ピストンの高さとガイドローラユニットの必要移動量との相関関係を示す表である。
【図7】ピストンに転倒モーメントが作用した状態を示す説明図である。
【図8】他の実施の形態にかかるガイドローラユニット近傍の構成を示す説明図である。
【図9】ピストンの傾斜量についての説明図である。
【図10】ピストンの傾斜量についての説明図である。
【図11】従来のガスホルダの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態にかかるピストンの傾斜抑制方法が適用されるガスホルダ1の構成の概略を示す縦断面図である。図2は本実施の形態にかかるピストンの傾斜抑制方法を実行するための傾斜抑制装置を有するガスホルダ1の構成の概略を示す横断面図である。
【0018】
ガスホルダ1は、略円筒状に組み上げられた複数枚の側板2、側板2の外側を支持しガスホルダの周方向に所定の間隔離隔して垂直に配置された複数本の基柱C、及び側板2の外周に沿って設けられた回廊Pにより構成される略円筒状をなすホルダ本体5と、ホルダ本体5の内部に設けられたピストン6と、ホルダ本体5の上端開口部を閉塞する屋根7と、ピストン6が昇降動する際の傾斜を抑制する傾斜抑制装置8を備えている。ピストン6は、ホルダ本体5の内部においてガス容量に応じて昇降動し、ホルダ本体5の内部空間が、ピストン6によって、ピストン6よりも下方の領域とピストン6よりも上方の領域とに仕切られている。なお、図示の都合上、図1では3つの回廊P1〜P3を、図2では12の基柱C1〜12をそれぞれ描図している。
【0019】
ホルダ本体5の内部において、ピストン6よりも下方の領域は、ガスの貯留部となっている。ホルダ本体5の下部には、ガスの流通路(図示せず)が接続されており、この流通路を通じて導入されたガスが、ホルダ本体5の内部において、ピストン6よりも下方の領域に貯留されるようになっている。
【0020】
ピストン6はその外周部に、ピストン6より下方の領域とピストン6より上方の領域とを封止するためのシール機構10と、シール機構10の上方であって側板2の基柱C1〜12に対応する位置に当接して設けられたガイドローラユニット11を備えている。ガイドローラユニット11は、上下方向に所定の間隔離間して配置された一対のガイドローラである、上部ローラ12及び下部ローラ13を有している。上部ローラ12及び下部ローラ13は側板2の内面を外方に押圧するよう設けられ、ピストン6外周部の上面に配置された支持部材14を介してピストン6に支持されている。側板2がガイドローラユニット11と当接する箇所は、ガイドローラユニット11の荷重により外方に撓み、その際の荷重は、基柱C及び回廊Pにより支持されている。
【0021】
このガイドローラユニット11は、流通路を通じてホルダ本体5内に副生ガスが導入されピストン6が副生ガスの容量に応じて昇降する際に、上部ローラ12及び下部ローラ13が回転することにより、ホルダ本体5内においてピストン6が円滑に昇降する。また、ガイドローラユニット11は例えばピストン6がガスホルダ1の鉛直軸に対して傾斜した際に、ピストン6を自動的に水平に保持する、いわゆる自動調芯の機能を備えている。具体的には、例えばピストン6が傾斜した場合、ピストン6の傾斜に起因して側板2の撓み量が多くなる箇所が発生する。側板2は弾性係数Kを有する鋼材により形成されているため、撓み量が多くなった箇所では、弾性係数K及び撓み量に比例して、上部ローラ12又は下部ローラ13を押し戻す反力が発生する。したがって、この反力によりピストン6に復元モーメントが作用し、ピストン6の自動調芯が行われる。
【0022】
支持部材14は、例えば図3に示すように、ピストン6の上面に垂直に設置された支持柱20と、支持柱20に連結され、上部ローラ12及び下部ローラ13をそれぞれ上面で支持する支持梁21とを有している。支持梁21の上面であって、上部ローラ12及び下部ローラ13と支持柱20との間には、後述する荷重調整機構33が載置されている。
【0023】
傾斜抑制装置8は、ピストン6の外周部近傍の高さ方向の位置を測定する4つの位置測定手段30と、上部ローラ12及び下部ローラ13に作用する側板2からの反力、すなわち上部ローラ12及び下部ローラ13が側板2を押圧する荷重を測定する荷重測定手段31と、位置測定手段30及び荷重測定手段31による測定結果が入力される制御装置32と、上部ローラ12及び下部ローラ13による側板2への荷重を調整する荷重調整機構33と、を有している。荷重調整機構33は、支持柱20に側面を支持され、支持柱20に支持される面と反対側の側面に設けられた移動部33aが図示しない駆動装置により水平方向に移動自在に構成されている。移動部33aの先端は上部ローラ及び下部ローラ13に接続されている。したがって、荷重調整機構33の移動部33aを水平動させることで、上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の位置を調整することができ、上部ローラ12及び下部ローラ13が側板2を押圧する荷重を変化させることができる。移動部33aの水平動は、制御装置32からの電気信号により制御される。
【0024】
位置測定手段30は、屋根7の外周の上面に90度のピッチで4箇所に配置されている。位置測定手段30としては、例えばワイヤ式あるいは超音波式のレベル計などを用いることができる。荷重測定手段31は、上部ローラ12及び下部ローラ13の側面に設けられている。荷重測定手段31としては、例えばひずみゲージなどを用いることができる。制御装置32の記憶部34には、位置測定手段30と荷重測定手段31との測定結果に基づき制御装置32より予め求められた、ピストン6の測定高さHと、当該測定高さHにおけるガイドローラ6の平面視における直径方向への必要移動量Aとの相関関係が記憶されている。制御装置32は、記憶部34に記憶されている相関関係と、位置測定手段30の測定結果とを比較し、ピストン6の昇降動に応じて、上部ローラ12及び下部ローラ13による側板2への荷重が所定の範囲内に収まるように荷重調整機構33の移動部33aの移動量の制御を行う。
【0025】
次に、記憶部34に記憶されている、ピストン6の測定高さHと、当該測定高さHにおけるガイドローラ6の平面視における直径方向への必要移動量Aとの相関関係を求める方法について詳述する。
【0026】
上述の相関関係を求めるにあたっては、先ずピストン6の高さ方向の位置を位置測定手段30で測定しながらピストン6を昇降動させると共に、荷重測定手段31により各上部ローラ12及び下部ローラ13に作用する荷重を測定する。なお、この測定作業は、例えばガスホルダ1の据付完了後に、ガイドローラユニット11の位置を、シムライナー等により調整する基礎調整作業に先立って行うことが好ましい。荷重測定手段31により測定した値を、シムライナーによるガイドローラユニット11の基礎調整の際のデータとして使用できるためである。
【0027】
位置測定手段30及び荷重測定手段31の測定結果は制御装置32に入力される。制御装置32は、各測定手段の測定結果に基づき、側板2への荷重Mと、その荷重が作用する際のピストン6のホルダ本体5の測定高さHとの相関関係を、例えば図4に示す表のように求める。図4は、3つの回廊P1〜P3の高さ方向の間隔が10m、ピストン6の昇降高さが35mのガスホルダ1において測定を行い、1m毎の測定高さHと、当該測定高さHにおける荷重Mとの相関関係を求めた結果を表している。なお、図4においては図示の都合上、1m毎の測定高さHについて、荷重Mとの相関関係を表しているが、測定高さHの間隔は任意であり、例えば連続的な曲線として相関関係を求めてもよい。
【0028】
次に、図4に示される測定高さHにおける荷重Mから、上部ローラ12により側板2を押圧する際の適正な荷重を減算し、例えば図5に示すように各高さ位置Hにおいて増減が必要な荷重ΔMとの関係を求める。図5の例においては、例えば適正な荷重を8tonとして荷重ΔMを求めている。なお、この時点で、シムライナーを支持部材14とガイドローラユニット11との間に調整用シムライナーを挿入して、荷重ΔMの値がゼロとなるように補正してもよい。
【0029】
ここで、図5の表において荷重ΔMの値が正となっている箇所は、側板2間の距離、すなわちホルダ本体5の直径が、適正な荷重を得られる直径に比べて小さく、荷重ΔMの値が負となっている箇所はその逆であることを意味している。したがって、ホルダ本体5内をピストン6が昇降動する際に、ピストン6のストローク高さの全域に渡って上部ローラ12及び下部ローラ13が側板2を押圧する荷重を適正な値とするためには、測定高さHにおけるホルダ本体5の直径、すなわち側板2の縦断面形状にあわせて上部ローラ12及び下部ローラ13の平面視における位置を、ホルダ本体5の直径方向に沿って移動させればよい。したがって、測定高さHにおいて適正な荷重を得るために必要な、上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向への必要移動量AHは、測定高さHにおける荷重ΔMHと、予め求められている側板2の弾性係数Kとから、制御装置32によりAH=ΔM/Kとして求められる。側板2の弾性係数Kは予め制御装置32に入力されている。
【0030】
図6は制御装置32により求められた、AHと測定高さHとの相関関係である。なお、弾性係数Kはホルダ本体5の高さ方向において一定ではなく、回廊Cに対応する高さ方向の位置で大きく、上下に隣り合う回廊C間では小さくなる。これば、回廊Cにより側板2の膨張が抑制されるためである。なお、図6においては、回廊Cに対応する位置では弾性係数Kを2.0(ton/mm)、回廊の上下1mの箇所では1.5(ton/mm)、それ以外の箇所で0.5(ton/mm)として、必要移動量AHを求めている。
【0031】
そして、各測定高さHにおける必要移動量AHを、各基柱C1〜12に対応するガイドローラユニット11毎に求め、記憶部34に記憶しておく。なお、弾性係数Kの値が大きい場合、ローラユニット11の僅かな移動で、側板2への荷重の値が大きく変動するため、荷重調整機構33にはミリメートル単位での位置制御が可能なものを用いることが望ましく、本実施の形態においては、例えばウォームギアジャッキである。ミリメートル単位の制御が可能なものであれば、例えば油圧アクチュエータ、電動アクチュエータあるいはエアアクチュエータなどを用いてもよい。
【0032】
本実施の形態にかかる傾斜抑制装置8を有するガスホルダ1は以上のように構成されており、次にこのガスホルダ1のピストン6の昇降動作について説明する。
【0033】
先ず、流通路から副生ガスがガスホルダ1内に流入し、それに伴いピストン6が上昇する。その際、ピストン6の高さ方向の位置が位置測定手段30により測定され、制御装置32に測定結果が入力される。制御装置32は位置測定手段30によるピストン6の測定高さHと、図6に示される測定高さHにおける必要移動量AHとの相関関係に基づき、上部ローラ12及び下部ローラ13を荷重調整機構33の移動部33aにより必要移動量AHだけ水平に移動させる。
【0034】
そして、ガスホルダ1内のガス量の変化に応じてピストン6の高さが変化すると、ピストン6の測定高さHに合わせて、引き続き制御装置32により荷重調整機構33が制御される。
【0035】
以上の実施の形態によれば、ピストン6が昇降動する際に、記憶部34に記憶されているピストン6の測定高さHと必要移動量AHとの相関関係に基づいて上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の位置が調整されるので、上部ローラ12及び下部ローラ13による側板2への荷重を、側板2内面の凹凸に関わらず常に適正な値に保つことができる。このため、ガイドローラユニット11による自動調芯機能が適切に作動し、ピストン6が昇降動する際、ピストン6のストローク高さの全域に渡ってピストン6の傾斜を抑制することができる。
【0036】
また、側板2が過剰な力で押圧されることがなくなるので、側板2の疲労破壊を防止することができる。したがって、側板2の長寿命化を図ることができる。
【0037】
さらには、ガイドローラユニット11による側板2への荷重を適正な値に保つことで、例えば従来のガイドローラではホルダ本体5内面の凹凸部でピストン6に対して作用する恐れがあった転倒モーメントが発生することを防止できる。具体的には、例えば図7に示すように、ホルダ本体5内面が狭くなっている箇所をピストン6が上方に向かって通過する際、ピストン6が傾斜する場合がある。その場合、例えば図7に破線で示すように、本来ピストン6の傾斜により側板2から受ける反力が増大する側の上部ローラ12又は下部ローラ13に荷重がかからず、ホルダ本体5内面の狭まった箇所を通過している上部ローラ12又は下部ローラ13にさらに荷重がかり、転倒モーメントが発生する恐れがある。しかしながら、以上実施の形態のように、ホルダ本体5内面の凹凸に沿って上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の位置を調整しているので、上述のような転倒モーメントは発生しない。
【0038】
なお、以上の実施の形態では、測定高さHと必要移動量AHとの相関関係を求める作業は、ガスホルダ1の据付完了後の基礎調整時に行っていたが、ガスホルダ1内に実際に副生ガスが導入された際に行ってもよい。そうすることで、実際の運転状態、すなわち内圧、副生ガスの温度条件における側板2の縦断面形状を反映することができ、より正確な必要移動量AHを求めることができる。必要移動量AHを求めた後も、荷重測定手段31の値を確認し、荷重が所定の範囲内に収まっていない場合は、再度あるいは繰り返し荷重Mと測定高さHとを測定し、必要移動量AHの補正を行ってもよい。なお、ガスホルダ1は外気温の変化によっても、側板2の縦断面形状が変化するので、必要移動量AHを例えば、季節ごとに作成してもよい。
【0039】
以上の実施の形態では、上部ローラ12及び下部ローラ13の位置を、荷重調整機構33の移動部33aを水平方向に移動させることで調整していたが、例えば、図8に示すように、上部ローラ12及び下部ローラ13を相対する面が対称な角度αの勾配を有する略台形状の固定側支持部材40及び自由側支持部材41により支持し、自由側支持部材41を荷重調整機構33により昇降動させることで、その位置を調整してもよい。この場合、固定側支持部材40は支持柱20に固定され、自由側支持部材41は上部ローラ12及び下部ローラ13側に固定される。かかる場合、上部ローラ12及び下部ローラ13の移動部33aによる移動量は、移動部33aが実際に昇降動を行った場合の移動量をtanαで除した値となるので、より制度の高い荷重調整を行うことが可能となる。
【0040】
また、以上実施の形態では、例えば図4に示す、測定高さHと荷重Mとの相関関係を求める際に特にピストン6の傾斜について考慮していなかったが、傾斜が発生した場合は、荷重測定手段31による測定値Mと実際に側板2にかかる荷重との間に誤差が生じる。したがって、ピストン6の傾斜量に基づき、必要移動量AHの補正を行ってもよい。以下に補正の手順を示す。
【0041】
先ず、測定高さHにおいて、4つの各位置測定手段30の測定値を平均し、その値をピストン6の中心点における高さ方向の位置として求める。ピストン6が傾斜している場合は、4つの測定点のうち、隣り合う2点が上述の平均値より大きく、他の隣り合う2点が平均値より小さくなる。ピストン6の中心位置の高さに対して、ピストン6の外周縁部の高さが最も高くなる最大傾斜点Sは、図9に示すように測定高さHが4点の平均値より大きい2点U、Tの間に存在する。したがって、最大傾斜点Sと、平均値より大きい2点U,Tとの測定点のうちの1の測定点との平面視におけるなす角をθ、最大傾斜点Sの傾斜量をY、点U、Tにおける傾斜量をそれぞれY1、Y2とすると、tanθ=(Y2/Y1)、Y=(Y1/cosθ)としてそれぞれの関係を求めることができる。
【0042】
次に、例えば平面視で点Uに一致する基柱が基柱C1であるとして、ピストン6の傾斜により生じる、基柱C1及び基柱C1の直径方向、すなわち基柱C1の対角線上に位置する基柱C7に対応する上部ローラ12及び下部ローラ13の水平方向の移動量を求める。その場合、例えば図10に示すように、対向する上部ローラ12、12間の距離、すなわちピストン6の直径をL、上下一対の上部ローラ12と下部ローラ13間の斜辺の長さをG、直径Lと斜辺Gのなす角をβとし、基柱C1に対応する下部ローラ13を支点にしてピストン6が例えば傾斜量Y1傾斜することにより図9の時計回りに傾斜角γだけ傾斜したとすると、傾斜角γの影響による基柱C1に対応する上部ローラ12の移動量Qと、基柱C7に対応する上部ローラ13の移動量R1及び基柱C7に対応する下部ローラの移動量R2は、それぞれQ=G×cos(β−γ)−L、(R1+R2)=G×cos(β+γ)−L、R1=Q+R2、tanγ=(Y1/L)と表される。
【0043】
したがって、各ガイドローラの移動量Q、R1、R2に弾性係数Kを乗じることで、傾斜量Y1に起因して各ガイドローラユニット11に発生する荷重を求めることができる。そのため、傾斜量に起因する荷重により図5の表の荷重Mを補正することで、より正確な必要移動量AHを求めることができる。これにより、ガイドローラによる側板2への荷重をさらに厳密に調整することが可能となり、ガイドローラユニット11による自動調芯機能をさらに向上させることができる。なお、他の基柱Cでの傾斜量は、上述の角度θの値を各基柱の位置に応じて変化させることで求めることができる。また、例えば点Uと基柱C1に平面視での位置が所定の角度ずれている場合も、その角度に応じて角度θの補正を行えばよい。
【0044】
以上の実施の形態では、全て固定式のガイドローラを用いていたが、半周分の基柱C1〜C6に対応するガイドローラユニット11には固定式ガイドローラを用い、基柱C1〜C6の対角線を挟んで反対側の半周側、すなわち基柱C7〜C12に対応するガイドローラユニット11には、内蔵するばねによりホルダ本体5の側板2の鉛直方向の凹凸に追従して水平動するばね式ガイドローラを用いてもよい。かかる場合、柱C7〜C12に対応する位置のガイドローラユニット11がホルダ本体5内面の凹凸を吸収することができるので、ガイドローラユニット11の自動調芯機構がさらに向上する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ガスホルダのピストンの傾斜をガイドローラにより抑制する際に有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 ガスホルダ
2 側板
5 ホルダ本体
6 ピストン
7 屋根
8 傾斜制御装置
10 シール機構
11 ガイドローラユニット
14 支持部材
20 支持柱
21 支持梁
30 位置測定手段
31 荷重測定手段
32 制御装置
33 荷重調整機構
33a 移動部
34 記憶部
40 固定側支持部材
41 自由側支持部材
C 基柱
P 回廊
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスホルダ周方向に所定の間隔離間して複数組設けられガスホルダの側板内面を外方に押圧するガイドローラを備えたピストンが、ガスホルダ内を昇降する際に傾斜することを抑制するピストンの傾斜抑制方法であって、
前記ピストンが昇降動する際に、前記複数のガイドローラが前記ガスホルダの側板を押圧する荷重を測定し、
前記測定された荷重と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて、前記ガイドローラによる前記側板への荷重を適正な値とするための、前記ガスホルダの直径方向への必要移動量を求め、
前記ピストンが昇降動する際に、前記ガイドローラの平面視における位置を前記必要移動量に基づいて前記ガスホルダの直径方向に沿って移動させることにより、側板内面を外方に押圧する荷重を調整することを特徴とする、傾斜抑制方法。
【請求項2】
前記測定された荷重と、前記ガイドローラにより前記側板内面を外方に押圧する際の適正荷重との差分を算出し、
前記算出された適正荷重との差分と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて前記必要移動量を求めることを特徴とする、請求項1に記載の傾斜抑制方法
【請求項3】
前記ガスホルダの対角線を挟んだ一方の半円周側に配置される前記ガイドローラには、固定式ガイドローラが用いられ、他の半円周側に配置される前記ガイドローラには、ばね式ガイドローラが用いていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の傾斜抑制方法。
【請求項4】
前記ガイドローラは、側面視において相対する面が対称な所定の角度の勾配を有する支持部材により前記ピストンに支持され、
前記ガイドローラの直径方向の位置調整は、前記支持部材を昇降動させることにより行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の傾斜抑制方法。
【請求項1】
ガスホルダ周方向に所定の間隔離間して複数組設けられガスホルダの側板内面を外方に押圧するガイドローラを備えたピストンが、ガスホルダ内を昇降する際に傾斜することを抑制するピストンの傾斜抑制方法であって、
前記ピストンが昇降動する際に、前記複数のガイドローラが前記ガスホルダの側板を押圧する荷重を測定し、
前記測定された荷重と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて、前記ガイドローラによる前記側板への荷重を適正な値とするための、前記ガスホルダの直径方向への必要移動量を求め、
前記ピストンが昇降動する際に、前記ガイドローラの平面視における位置を前記必要移動量に基づいて前記ガスホルダの直径方向に沿って移動させることにより、側板内面を外方に押圧する荷重を調整することを特徴とする、傾斜抑制方法。
【請求項2】
前記測定された荷重と、前記ガイドローラにより前記側板内面を外方に押圧する際の適正荷重との差分を算出し、
前記算出された適正荷重との差分と、前記ガスホルダ側板の弾性係数とに基づいて前記必要移動量を求めることを特徴とする、請求項1に記載の傾斜抑制方法
【請求項3】
前記ガスホルダの対角線を挟んだ一方の半円周側に配置される前記ガイドローラには、固定式ガイドローラが用いられ、他の半円周側に配置される前記ガイドローラには、ばね式ガイドローラが用いていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の傾斜抑制方法。
【請求項4】
前記ガイドローラは、側面視において相対する面が対称な所定の角度の勾配を有する支持部材により前記ピストンに支持され、
前記ガイドローラの直径方向の位置調整は、前記支持部材を昇降動させることにより行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の傾斜抑制方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−61071(P2013−61071A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257062(P2012−257062)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2009−62517(P2009−62517)の分割
【原出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2009−62517(P2009−62517)の分割
【原出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
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