説明

ガス化の方法およびガス化ユニット

本発明は、火室裏打ちされ狭窄されたガス化空間(K)であって、その裏打ちされた壁区画上に少なくとも部分的に存在する一次空気分配アセンブリによってガス化空気が運び込まれるガス化空間(K)において、与えられる固体燃料がガス化されるガス化ユニットが利用されるガス化方法に関する。ガス化空気は、断面で見て、本質的に全体からガス化空間(K)を囲繞する一次空間(P)であって、ガス化ユニットの筐体およびガス化空気の冷却をもたらす一次空間(P)内に導かれて、ガス化空気は、一次空気分配アセンブリを介してガス化空間内に導かれる前に安定する。本発明はまた、本発明に従って作動するガス化ユニットに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、火室裏打ちされ狭窄されたガス化空間であって、その裏打ちされた壁区画上に少なくとも部分的に存在する一次空気分配アセンブリによってガス化空気が運び込まれるガス化空間において、与えられる固体燃料がガス化されるガス化ユニットが利用されるガス化の方法に関する。
【0002】
フィンランド特許第20019号明細書において上述のタイプのガス化装置が提案されており、この装置は耐火構造のリングを有し、リング間に、一次空気をガス化空間に供給するための金属製の空気分配リングが設置されている。
【0003】
ガス化プロセスにおいて、ガス化空間内への空気の供給は、ガス化されるベッドへと導かれる空気が可能な限り均一に分配されるように行われなければならない。これは、前述の特許において利用されている空気分配リングが、空気分配リング内での空気流を可能な限り達成するために複数の平行分配管を有する、かなり複雑な構造によって実行されているためである。その複雑性に加えて、このタイプの解決法に関するさらなる課題は、このタイプの空気分配リングにあまり長い耐久力がないことであり、そのため、この特許において、リングが容易に置き換えられ得るように、その場所で着脱可能に組立てられる構造によってリングを実行することが示唆されている。一方、実際の事実問題は、ノズルが従来のガス化装置において最も脆弱な構成要素であるということである。これは、ノズルによって、まず第1に、燃料が融解粉砕される熱点が発生するという事実による。一方、低温帯がノズル間に残され、低温帯から燃料が熱分解せずに還元帯内に入り得る。
【0004】
本方法の目的は、前述の問題において決定的な改良を達成して、先行技術のレベルを本質的に高めることである。この目的を達成するために、本発明に従う方法は、ガス化空気が、断面で見て、本質的に全体から、ガス化空間を囲繞する一次空間であって、ガス化ユニットの筐体およびガス化空気の冷却をもたらす一次空間内に導かれて、ガス化空気は、一次空気分配アセンブリを介してガス化空間内に導かれる前に安定することを主に特徴とする。
【0005】
その作動の単純さおよび効率、ならびに本方法によって使用可能な構造の単純さおよび効率が、本発明に従う方法の最も重要な利点として記載され得、非常に単純な解決法によって、すなわち、ガス化空間を囲繞する一次空間によって、ガス化空気のガス化空間内への最適かつ均一な供給を同時にもたらすことで、ガス化ユニットの筐体の効果的な冷却をまず第1に確実にすることが可能である。本発明に従う方法のおかげで、まず第1に、ガス化空間の壁上に存在し、全体から本質的に開放し、かつガス化空間と耐火接合部分との間に配設され、受入空間の下部と連通して存在する空気分配開口部によって、きわめて簡易な様式で一次空気分配アセンブリを実行することができる。本発明の方法に従って実行される、空気の「ノズルレス」供給が、リアクタの全面積を覆う均一な空気分配を可能とし、そのおかげで、従来のガス化装置に関するノズルの問題を回避することができる。この関連において、大きな空気分配面積はとりわけ、泥炭および容易に融解する灰を含有する他の燃料も使用することができる。本発明の有利な実施形態として、ガス化空間内に与えられる固体燃料に対して内部に配設される二次空気分配アセンブリを利用することがさらに可能であり、ガス化される燃料ベッド内への均一な空気分配を促進する。
【0006】
本発明に従う方法の有利な実施形態は、本方法に関連する従属請求項に示されている。
本発明はまた、本方法に従って作動し、関連する独立請求項の前提部により詳細に記載されているガス化ユニットに関する。本発明に従うガス化ユニットの特徴は、対応する独立請求項の特徴部に示されている。
【0007】
本発明に従うガス化ユニットの最も重要な利点として、その構造および使用の単純さおよび信頼性が言及され得る。断面で見て、本質的に全体からガス化空間を囲繞する一次空間は、ガス化ユニットの筐体の非常に効率的な冷却を可能とし、他方ではまた、全体にわたって可能な限り均一に、ガス化空間に存在する燃料に一次空気が供給され得るように、ガス化空間内へのガス化空気の最適な供給を可能とする。本発明に従うガス化ユニットの有利な実施形態として、上方から作用し、中心に配設される、二次空気分配チャンネルが利用されており、燃料ベッドの中央から外側へ向かう一次空気に対して反対方向に空気を供給することによって、さらに空気の分配の均衡を保つ。本発明に従うガス化ユニットの一次空気分配アセンブリはまた、たとえば金属製の余分なノズル構造のない極めて有利な様式で構造的に実行され得、そのおかげで余分な維持管理も必要としない。本発明に従うガス化ユニットの1つの重大な利点はまた、ノズル間に存在し、従来の解決法では典型的な高温帯および低温帯が、本発明に従う空気の「ノズルレス」分配のおかげで回避することができ、リアクタの全面積にわたる均一性に関して、均一な熱分配および最適なガス化プロセスを可能とするという事実である。
【0008】
本発明に従うガス化ユニットの有利な実施形態は、ガス化ユニットに関する従属請求項に示されている。
【0009】
以下の記載において、本発明は、本発明の方法に従って作動するガス化ユニットの有利な断面を原理レベルで示す添付の図面を参照して説明されている。
【0010】
本発明は、火室裏打ちされ狭窄されたガス化空間Kであって、その裏打ちされた壁区画上に少なくとも部分的に存在する一次空気分配アセンブリによってガス化空気が運び込まれるガス化空間Kにおいて、与えられる固体燃料がガス化されるガス化ユニットが利用されるガス化の方法に関する。添付の図面に従って、ガス化空気は、断面で見て、本質的に全体からガス化空間Kを囲繞する一次空間Pであって、ガス化ユニットの筐体およびガス化空気の冷却をもたらす一次空間P内に導かれて、ガス化空気は、一次空気分配アセンブリを介してガス化空間内に導かれる前に安定する。
【0011】
有利な実施形態として、二次空気が、有利には中心に配設される二次空気分配アセンブリIIを介して、ガス化空間K内に与えられる固体燃料に対して内部に、ガス化空間K内に導かれる。
【0012】
請求項1に従う方法は、ガス化される固体燃料用の内蔵された受入空間Tを有するガス化ユニットと関連して有利に適用され、本発明のさらなる有利な実施形態との関連で、一次空気分配アセンブリは、全体から本質的に開放したガス化空間Kの壁上に存在し、かつガス化空間Kと耐火接合部分Oとの間に配設され、受入空間Tの下部と連通して存在する空気分配開口部Iから形成される。
【0013】
さらに、有利な実施形態として、ガス化空間Kおよび接合部分Oの裏打ちは、単一部分構造としての、または複数の部分から成るセラミック材から形成される。
【0014】
本発明はガス化ユニットにも関し、ガス化ユニットは、与えられる固体燃料をガス化するための、火室裏打ちされ狭窄されたガス化空間Kを有する。ガス化空気は、その裏打ちされた壁区画上に少なくとも部分的に存在する一次空気分配アセンブリによって、ガス化空間K内に運び込まれる。添付の図面を参照して、ガス化空間は、断面で見て、本質的に全体からガス化空間Kを囲繞する一次空間Pであって、ガス化ユニットの筐体およびガス化空気の冷却をもたらす一次空間Pが備えられ、ガス化空気は、一次空気分配アセンブリを介してガス化空間内に導かれる前に安定する。本発明の有利な実施形態として、ガス化ユニットは、ガス化空間K内に与えられる固体燃料に対して内部に配設される二次空気分配アセンブリIIであって、二次空気をガス化空間K内に導く二次空気分配アセンブリIIを有する。二次空気分配アセンブリIIは、有利な実施形態において、図面に示されるように、上部空気チャンネルによって実行され、中心に配設される。
【0015】
本発明に従うガス化ユニットの有利な実施形態として、ガス化ユニットは、ガス化される固体燃料用の内蔵された受入空間Tを有し、その場合、一次空気分配アセンブリは、全体から本質的に開放したガス化空間Kの壁上に存在し、かつガス化空間Kと耐火接合部分Oとの間に配設され、受入空間Tの下部と連通して存在する空気分配開口部Iから形成される。
【0016】
ガス化空間Kおよび接合部分Oの裏打ちは、有利な実施形態として単一部分構造としての、または複数の部分から成るセラミック材から形成される。
【0017】
本発明は、前述の実施形態に限定されないが、その時々で、本目的および実施形態に従って、かつ使用される固体燃料に応じてそれぞれ、本発明の基本概念内で修正することができることは明らかである。ゆえに、まず第1に、基部格子などのガス化ユニットの下部格子Aは、固体構造および可動機構の双方によって実行され得ることは明らかである。添付の図面に示される構造の断面図は、主に原理レベルで本発明を表すことを意図されているので、構造解およびその寸法はほぼ案内のような特性である。添付の図面において、ガス化ユニットのより下部の構造は、詳細に示されていない。というのも、本発明の観点から本質的ではないからである。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス化ユニットが利用されるガス化方法であって、火室裏打ちされ狭窄されたガス化空間(K)であって、その裏打ちされた壁区画上に少なくとも部分的に存在する一次空気分配アセンブリによってガス化空気が運び込まれるガス化空間(K)において、与えられる固体燃料がガス化され、ガス化空気が、断面で見て、本質的に全体からガス化空間(K)を囲繞する一次空間(P)であって、ガス化ユニットの筐体およびガス化空気の冷却をもたらす一次空間(P)内に導かれて、ガス化空気が、一次空気分配アセンブリを介してガス化空間内に導かれる前に安定するガス化方法において、
二次空気が、有利には中心に配設される二次空気分配アセンブリ(II)を介して、ガス化空間(K)内に与えられる固体燃料に対して内部に、ガス化空間(K)内に導かれることを特徴とするガス化方法。
【請求項2】
ガス化されるべき固体燃料用の内蔵された受入空間(T)を有するガス化ユニットと関連し、一次空気分配アセンブリが、全体から実質的に開放したガス化空間(K)の壁上に存在し、かつガス化空間(K)と耐火接合部分(O)との間に配設され、受入空間(T)の下部と連通して存在する空気分配開口部(I)から形成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ガス化空間(K)と接合部分(O)との裏打ちが、単一部分構造としての、または複数の部分から成るセラミック材から形成されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
与えられる固体燃料をガス化するための、火室裏打ちされ狭窄されたガス化空間(K)を有し、ガス化空気が、その裏打ちされた壁区画上に少なくとも部分的に存在する一次空気分配アセンブリによって、ガス化空間(K)内に運び込まれ、ガス化空間には、断面で見て、本質的に全体からガス化空間(K)を囲繞する一次空間(P)であって、ガス化ユニットの筐体およびガス化空気の冷却をもたらす一次空間(P)が備えられ、ガス化空気が、一次空気分配アセンブリを介してガス化空間内に導かれる前に安定するガス化ユニットにおいて、
ガス化空間(K)内に与えられる固体燃料に対して内部に配設される二次空気分配アセンブリ(II)であって、二次空気をガス化空間(K)内に導く二次空気分配アセンブリ(II)を有することを特徴とするガス化ユニット。
【請求項5】
二次空気分配アセンブリ(II)が、上部空気チャンネルによって実行され、中心に配設されることを特徴とする請求項4記載のガス化ユニット。
【請求項6】
ガス化される固体燃料用の内蔵された受入空間(T)を有し、一次空気分配アセンブリが、全体から実質的に開放したガス化空間(K)の壁上に存在し、かつガス化空間(K)と耐火接合部分(O)との間に配設され、受入空間(T)の下部と連通して存在する空気分配開口部(I)から形成されることを特徴とする請求項4または5記載のガス化ユニット。
【請求項7】
ガス化空間(K)と接合部分(O)との裏打ちが、単一部分構造としての、または複数の部分から成るセラミック材から形成されることを特徴とする請求項6記載のガス化ユニット。

【公表番号】特表2009−522437(P2009−522437A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549891(P2008−549891)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【国際出願番号】PCT/FI2006/000012
【国際公開番号】WO2007/080210
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508207332)
【氏名又は名称原語表記】PUHDAS ENERGIA OY
【住所又は居所原語表記】Pyynikintie 25,Tampere,Finland