ガス吸着体およびこれを用いたガス吸着フィルター
【課題】
毛皮革製品の製造加工現場で発生する多量の革屑について、新たな用途を提供し廃棄処分される量を減らすこと。
【解決手段】
獣皮由来のコラーゲン線維が繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスとアンモニアガスを吸着する作用を有するガス吸着体、および、これを用いたガス吸着フィルター、空気清浄機等を提供する。
毛皮革製品の製造加工現場で発生する多量の革屑について、新たな用途を提供し廃棄処分される量を減らすこと。
【解決手段】
獣皮由来のコラーゲン線維が繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスとアンモニアガスを吸着する作用を有するガス吸着体、および、これを用いたガス吸着フィルター、空気清浄機等を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲン線維を用いた、室内に微量に存在する人体に有害なガスの吸着体およびこれを用いたガス吸着フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲン線維を主成分とする動物の皮は、古来より、鞣めし処理によって革素材として使用され、それに伴い、鞣めし剤やそれが革の性状に及ぼす影響などの研究がなされてきたが、化学物質を吸着する素材としてはあまり着目されず検討および研究がなされてこなかった。
【0003】
動物の皮の鞣めし工程において、革の物性向上のため、ホルムアルデヒドを動物の皮中のタンパク質であるコラーゲン線維間の架橋剤として利用する場合があり、動物の皮およびコラーゲン線維が水溶液中でホルムアルデヒドと反応することが知られている。
非特許文献1では、革(鹿、羊、豚及び牛革)のコラーゲン線維が空気中のホルムアルデヒドに対して優れた吸着性能を有することを示唆している。
非特許文献2では、空気清浄機のホルムアルデヒド吸着用フィルター材料としてコラーゲン線維が有効であることを示唆している。
【0004】
現代病と言われるシックビル症候群や化学物質過敏症の原因は、室内空気中に存在する微量の化学物質であり、その原因物質の一つとしてホルムアルデヒドが考えられている。
【0005】
その対策として建材の改良などが行なわれ、ホルムアルデヒドを使用しないもしくは使用量を低減した建築材料が一般住宅で使用されるようになってきた。しかし、室内の家庭用品からも微量の化学物質が放散され続けており、何らかの方法を用いて室内空気中のホルムアルデヒドを除去する必要がある。
【0006】
一方、アンモニアは、トイレやペットの屎尿および生ごみ等から発生する悪臭の代表的な原因物質である。快適な日常生活を送るためには、ホルムアルデヒド同様、室内空気中のアンモニアを除去する必要がある。
【0007】
毛皮革製品の製造加工現場における、動物の皮を鞣めし加工し毛皮革製品に仕上げるまでの工程で、原料の皮のおよそ1/3の部分は利用できず廃棄されている。
毛皮革製品の材料として品質が基準に達せず使用できなかった革、および、革の端材や加工屑等のいわゆる革屑が、たとえば、奈良県毛皮革工業団地内だけでも年間数十トン発生し廃棄処分されている現状がある。
【0008】
このような革屑の新たな用途開発として、空気中に微量含まれる人体に有害なガスの吸着体の原料としての利用価値が生まれると廃棄処分せずに済む。
【非特許文献1】奈良県工業技術センター研究報告 No.32 2006
【非特許文献2】なら技術だより Vol.24 No.3(通巻135号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような現状を踏まえたもので、目的は、毛皮革製品の製造加工現場で発生する多量の革屑について、新たな用途を提供し廃棄処分される量を減らすこと、具体的には、革屑の主成分であるコラーゲン線維による、空気中に微量含まれるホルムアルデヒドおよびアンモニアの吸着体について、簡単な方法で製造することが可能で、物理的強度を調整可能なものを提供し、さらにこの吸着体を用いたガス吸着フィルターや空気清浄機、タバコ用フィルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決するために検討した結果、次の構成を要旨とする発明を見出した。
項1:少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
項2:少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスおよびアンモニアガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
項3:項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたガス吸着フィルター。
項4:項3に記載のガス吸着フィルターを備えた空気清浄機。
項5:項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたタバコ用フィルター。
【0011】
請求項で用いられる用語「獣皮」とは、牛、羊、豚、鹿等これら動物の皮、および、これら動物の皮を鞣した革のことを指す。
【0012】
さらに、「獣皮」とは、毛皮革製品の製造加工現場において、動物の皮を鞣めし加工し毛皮革製品に仕上げるまでの工程で、材料として品質が基準に達せず使用できない革、および、革の端材や加工屑等のいわゆる革屑も含む。
【0013】
請求項で用いられる用語「繊維」とは、化学繊維、天然繊維に分類されるこれら一般の繊維を指す。
【0014】
請求項で用いられる用語「担持」とは、物理的に付着、吸着している状態、または、化学的に結合している状態を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
コラーゲン線維がホルムアルデヒドを吸着する理由は、コラーゲンのアミノ基にホルムアルデヒドが反応するからである。
【0016】
同じくアンモニアを吸着する理由は、コラーゲンのカルボキシル基にアンモニアが反応するからである。
【0017】
獣皮を加工し細かくすれば、空気と接する表面積が増えるため、当然、コラーゲン線維によるガス吸着能力が増す。
【0018】
本発明におけるコラーゲン線維のサイズ、形状については、ガス吸着体の用途に応じて、担持させる繊維の種類、繊維長、担持させやすさ等その都度、加工方法と合わせ検討すべき事項であるため、特に限定しない。
【0019】
本発明におけるガス吸着体用に、獣皮を加工し細かくする方法は、物理的、化学的、さまざまな方法が考えられるが、中小零細企業が多い毛皮革製品製造加工業界にとって、既存設備を用いた物理的な方法の方が安価、簡便で望ましい。
【0020】
なお、獣皮を細かく加工する際注意すべき点は、加工時の摩擦熱により獣皮のタンパク質が変性すると、ホルムアルデヒドガスやアンモニアガスの吸着性能があまり期待できないことである。
【0021】
金属ブラシやグラインダーなどにより獣皮表面を削る方法は、摩砕機を用いる方法に比べ、摩擦熱による獣皮のタンパク質の変性が比較的少なく、コラーゲン線維がほぐれ適した方法である。
【0022】
しかもこの方法によると、綿状、繊維形状のコラーゲン線維を得ることができ、繊維と混ぜ合わせるとからまりやすく、簡単にコラーゲン線維を繊維に担持することができる。
【0023】
獣皮として、鞣す前の皮を用いてもホルムアルデヒドおよびアンモニアガス吸着効果はあるが、吸着能力を高めるためには、鞣し革を用いる方が望ましい。これは、鞣し革の方が、鞣し処理によりコラーゲン線維間でほぐれて通気性が良くなるからである。
【0024】
獣皮として鞣し革を使用する場合、ホルムアルデヒドを鞣し剤として使用していない革であることが望ましい。これは、ホルムアルデヒドを鞣し剤として使用した革は、微量ながら逆にホルムアルデヒドが放散する可能性があるためである。
【0025】
さらに、鞣し革を使用する場合、本吸着体使用後の廃棄処分方法を考慮すると、クロム化合物を成分に含む鞣し剤を使用していない革が望ましい。
【0026】
毛皮革製品の製造加工現場における、動物の皮を鞣めし加工し毛皮革製品に仕上げるまでの工程で、材料として品質が基準に達せず使用できない革、および、革の端材や加工屑等のいわゆる革屑を安定的に低コストで入手できるのであれば、廃棄処分せずに済むので、本発明におけるコラーゲン線維として望ましい。
【0027】
さらに、毛皮革製品の製造加工工程で生じる粉状の革屑、例えば、革の表面を滑らかにするペーパーがけの工程や、この工程で生じた粉状の革屑をふるい落とす工程で発生したものは、本発明におけるコラーゲン線維としてそのまま使用することができる。
【0028】
コラーゲン線維を繊維に担持させることで、コラーゲン線維間に隙間があき通気性が良くなりガス吸着性能の向上が期待できる。
【0029】
繊維について、用途に応じ繊維の種類や繊維長を選び、また、コラーゲン線維に対する混合比率を調節することで、ガス吸着体の物理的強度を調節したり、好みに応じた形状に加工することができる。
【0030】
このガス吸着体を、目的のガス吸着フィルターに適した物理的強度、形状に加工することでガス吸着フィルターとして用いることができる。
【0031】
化学物質ではなく天然材料を成分とするガス吸着フィルターであるので、消費者に安心感を与えるとともに、使用後の廃棄が容易であるメリットがある。
【0032】
さらに、このガス吸着体を別のガス吸着材と組み合わせることで、さまざまな有害ガスを一度に吸着するガス吸着フィルターを作ることが可能である。
【0033】
シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因物質であるホルムアルデヒドガスや室内の悪臭の代表的な原因物質であるアンモニアガスを吸着するので、特に家庭用の空気清浄機に適している。
【0034】
タバコ用フィルターは、煙中から人体へ悪影響を及ぼす化学物質を取り除く必要がある。ホルムアルデヒドやアンモニアなど、すなわち人体の皮膚および気管などに直接影響を及ぼす化学物質を吸着するが、揮発性有機化合物など、すなわち気管を経て肺から血液中まで到達する化学物質は吸着しない特異的な特徴を有するこのガス吸着素材は、タバコ用フィルターに適している。
【実施例】
【0035】
以下、実施例、比較例、実験例に基づいて本発明を説明するが、本発明がこれらに限定されないことはいうまでもない。また、%は重量% を意味するものとする。
【0036】
実施例、比較例で用いた空気清浄機は日立ホーム&ライフソリューション株式会社製EX−X11で家庭用のものである。標準で装着されていたフィルターを外して代わりに実施例、比較例用に作成したフィルターを装着してデータを収集した。
【0037】
なお、特に言及しない限り、下記の実施例等における「コラーゲン線維」は、ディスクグラインダーで鹿革の表面を削って得た粉を用い、同じく、「植物繊維」は牛乳パックの表裏のコーティングをはがしたあとの紙の部分を、水でほぐし乾燥させたものを用いた。
【0038】
<実験例1>
ディスクグラインダーで鹿革の表面を削って得た粉の内部組織を走査型電子顕微鏡で撮影した(図1)。なお、粉のサイズ、形状は、太さ2〜4μm、長さ数百μmの繊維形状であった。図1より線維がほぐれ通気性が確保された良好な状態であることがわかる。このような状態であればガス吸着体の原料として好ましい。
【0039】
<実験例2>
超微粒摩砕機で鹿革を粉砕して得た粉の内部組織を走査型電子顕微鏡で撮影した(図2)。なお、粉のサイズ、形状は、ほとんどが直径数十μmの粒状であった。図2より線維がからまった状態で、さらに、線維の一部が溶けたように変成しているのがわかる。このような状態は通気性が悪くガス吸着体の原料としてはあまり好ましくない。
【0040】
<実験例3>
コラーゲン線維:植物繊維の重量比がそれぞれ100:0、90:10、75:25、50:50、0:100の配合のものについて、水中で混合後、乾燥させて、総質量が4g、大きさが10×15cmのシートを作製した。そのシートをJIS1098 一般織物試験法 8.20.1A法(ガーレ法)により曲げ強度を測定した。
【0041】
その結果を表1に示す。表1より植物繊維の比率が高くするに従い、剛軟度の値が高くなり、コラーゲン線維と植物繊維の配合比をかえることによりシートの物理的強度を調整することが可能であることが分かる。
【0042】
【表1】
【0043】
<比較例1>
コラーゲン線維10gを、水に懸濁、成形した後、乾燥させてコラーゲン線維100%のガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このガス吸着シートを空気清浄機内に取り付け、容積0.22m3の密閉容器内でホルムアルデヒドガス吸着試験を行った。なお、ホルムアルデヒドの定量は、チャンバー内の空気(3L)を、2、4―ジニトロフェニルヒドラジンをシリカゲルにコーティングしたカートリッジに通気させ、カートリッジ内で誘導化されたホルムアルデヒドをアセトニトリルで抽出し、高速液体クロマトグラフにより行った。
【0044】
この結果を図3に示す。図3よりコラーゲン線維がホルムアルデヒドを良く吸着することが分かる。
【0045】
<実施例1>
ホルムアルデヒドガス吸着試験
コラーゲン線維5gと植物繊維5gを水中で混合、成形した後、乾燥させてガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このガス吸着シートを空気清浄機内に取り付け、比較例1と同様にホルムアルデヒドガス吸着試験を行った。
【0046】
この結果を図4に示す。図4より、コラーゲン線維の量が比較例3より少ないにもかかわらずホルムアルデヒドを良く吸着していることが分かる。これは、植物繊維によりコラーゲン線維間に隙間があき通気性が良くなっているからと考えられる。
【0047】
<比較例2>
植物繊維10gを、水に懸濁、成形した後、乾燥させて植物繊維100%のシート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このシートを空気清浄機内に取り付け、容積0.22m3の密閉容器内でアンモニアガス吸着試験を行った。アンモニア測定には連続測定機器をチャンバーに取り付け、5分毎の濃度を測定した。
【0048】
この結果を図5に示す。なお、「ブランク」とは空気清浄機にシートを取り付けずに、ファンが稼動した状態でアンモニアガスを注入し測定した時の値である。図5より、ブランクよりアンモニア濃度は減少しているが、6時間経過後も2ppm以上の高濃度であったため、高い吸着効果は認められない。
【0049】
<実施例2>
アンモニアガス吸着試験
実施例1と同様にコラーゲン線維50%と植物繊維50%のガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このガス吸着シートを空気清浄機内に取り付け、比較例2と同様にアンモニアガス吸着試験を行った。
【0050】
この結果を図5に示す。なお、「コラーゲン/植物繊維」の線が実施例2の試験結果である。図5より、70分で1ppm以下となり、4時間経過後では定量限界である0.1ppmとなった。さらに、6時間経過後は定量限界以下となった。このことからこのガス吸着シートはアンモニア除去に対して、極めて高い効果があることが分かる。
【0051】
<比較例3>
比較例2と同様に作製した植物繊維100%のシート(10×15cm、厚さ約7mm)を空気清浄機内に取り付け、容積0.22m3の密閉容器内で、揮発性有機化合物であるトルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン、パラジクロロベンゼン、ノナナールおよびテトラデカン以上7物質についてガス吸着試験を行った。揮発性有機化合物の定量は、加熱脱着装置およびガスクロマトグラフ/質量分析計を使用して行った。
【0052】
この結果を図6〜12に示す。なお、「ブランク」とは空気清浄機にシートを取り付けずに、ファンが稼動した状態でそれぞれの揮発性有機化合物を注入し測定した時の値である。図6〜12より、シートとブランクの各成分の濃度変化がほぼ同様であることから、今回測定対象とした揮発性有機化合物は植物繊維には吸着されないことが分かる。
【0053】
<比較例4>
実施例1と同様に作製したコラーゲン線維50%と植物繊維50%のガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を空気清浄機内に取り付け、比較例3と同様に揮発性有機化合物吸着試験を行った。
【0054】
この結果を図6〜12に示す。図6〜12より、シートとブランクの各成分の濃度変化がほぼ同様であることから、今回測定対象とした揮発性有機化合物は植物繊維と同様にコラーゲン線維には吸着されないことが分かる。
【0055】
実施例1、2およびこの結果より、コラーゲン線維は、ホルムアルデヒドやアンモニアなど、すなわち人体の皮膚および気管などに直接影響を及ぼす化学物質を吸着するが、揮発性有機化合物など、すなわち気管を経て肺から血液中まで到達する化学物質は吸着しない特異的な特徴を有していることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】ディスクグラインダーで鹿革の表面を削って得た粉の内部組織の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】超微粒摩砕機で鹿革を粉砕して得た粉の内部組織の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】コラーゲン線維100%のガス吸着シートによるホルムアルデヒドガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図4】コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1で作製したガス吸着シートによるホルムアルデヒドガス吸着試験の結果を示したグラフである(実施例1)。
【図5】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるアンモニアガス吸着試験の結果を示したグラフである(実施例2)。なお、「ブランク」とは空気清浄機にシートを取り付けずに測定した値である。
【図6】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるトルエンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図7】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるエチルベンゼンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図8】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるキシレンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図9】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるスチレンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図10】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるパラジクロロベンゼンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図11】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるノナナールガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図12】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるテトラデカンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲン線維を用いた、室内に微量に存在する人体に有害なガスの吸着体およびこれを用いたガス吸着フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲン線維を主成分とする動物の皮は、古来より、鞣めし処理によって革素材として使用され、それに伴い、鞣めし剤やそれが革の性状に及ぼす影響などの研究がなされてきたが、化学物質を吸着する素材としてはあまり着目されず検討および研究がなされてこなかった。
【0003】
動物の皮の鞣めし工程において、革の物性向上のため、ホルムアルデヒドを動物の皮中のタンパク質であるコラーゲン線維間の架橋剤として利用する場合があり、動物の皮およびコラーゲン線維が水溶液中でホルムアルデヒドと反応することが知られている。
非特許文献1では、革(鹿、羊、豚及び牛革)のコラーゲン線維が空気中のホルムアルデヒドに対して優れた吸着性能を有することを示唆している。
非特許文献2では、空気清浄機のホルムアルデヒド吸着用フィルター材料としてコラーゲン線維が有効であることを示唆している。
【0004】
現代病と言われるシックビル症候群や化学物質過敏症の原因は、室内空気中に存在する微量の化学物質であり、その原因物質の一つとしてホルムアルデヒドが考えられている。
【0005】
その対策として建材の改良などが行なわれ、ホルムアルデヒドを使用しないもしくは使用量を低減した建築材料が一般住宅で使用されるようになってきた。しかし、室内の家庭用品からも微量の化学物質が放散され続けており、何らかの方法を用いて室内空気中のホルムアルデヒドを除去する必要がある。
【0006】
一方、アンモニアは、トイレやペットの屎尿および生ごみ等から発生する悪臭の代表的な原因物質である。快適な日常生活を送るためには、ホルムアルデヒド同様、室内空気中のアンモニアを除去する必要がある。
【0007】
毛皮革製品の製造加工現場における、動物の皮を鞣めし加工し毛皮革製品に仕上げるまでの工程で、原料の皮のおよそ1/3の部分は利用できず廃棄されている。
毛皮革製品の材料として品質が基準に達せず使用できなかった革、および、革の端材や加工屑等のいわゆる革屑が、たとえば、奈良県毛皮革工業団地内だけでも年間数十トン発生し廃棄処分されている現状がある。
【0008】
このような革屑の新たな用途開発として、空気中に微量含まれる人体に有害なガスの吸着体の原料としての利用価値が生まれると廃棄処分せずに済む。
【非特許文献1】奈良県工業技術センター研究報告 No.32 2006
【非特許文献2】なら技術だより Vol.24 No.3(通巻135号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような現状を踏まえたもので、目的は、毛皮革製品の製造加工現場で発生する多量の革屑について、新たな用途を提供し廃棄処分される量を減らすこと、具体的には、革屑の主成分であるコラーゲン線維による、空気中に微量含まれるホルムアルデヒドおよびアンモニアの吸着体について、簡単な方法で製造することが可能で、物理的強度を調整可能なものを提供し、さらにこの吸着体を用いたガス吸着フィルターや空気清浄機、タバコ用フィルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決するために検討した結果、次の構成を要旨とする発明を見出した。
項1:少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
項2:少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスおよびアンモニアガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
項3:項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたガス吸着フィルター。
項4:項3に記載のガス吸着フィルターを備えた空気清浄機。
項5:項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたタバコ用フィルター。
【0011】
請求項で用いられる用語「獣皮」とは、牛、羊、豚、鹿等これら動物の皮、および、これら動物の皮を鞣した革のことを指す。
【0012】
さらに、「獣皮」とは、毛皮革製品の製造加工現場において、動物の皮を鞣めし加工し毛皮革製品に仕上げるまでの工程で、材料として品質が基準に達せず使用できない革、および、革の端材や加工屑等のいわゆる革屑も含む。
【0013】
請求項で用いられる用語「繊維」とは、化学繊維、天然繊維に分類されるこれら一般の繊維を指す。
【0014】
請求項で用いられる用語「担持」とは、物理的に付着、吸着している状態、または、化学的に結合している状態を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
コラーゲン線維がホルムアルデヒドを吸着する理由は、コラーゲンのアミノ基にホルムアルデヒドが反応するからである。
【0016】
同じくアンモニアを吸着する理由は、コラーゲンのカルボキシル基にアンモニアが反応するからである。
【0017】
獣皮を加工し細かくすれば、空気と接する表面積が増えるため、当然、コラーゲン線維によるガス吸着能力が増す。
【0018】
本発明におけるコラーゲン線維のサイズ、形状については、ガス吸着体の用途に応じて、担持させる繊維の種類、繊維長、担持させやすさ等その都度、加工方法と合わせ検討すべき事項であるため、特に限定しない。
【0019】
本発明におけるガス吸着体用に、獣皮を加工し細かくする方法は、物理的、化学的、さまざまな方法が考えられるが、中小零細企業が多い毛皮革製品製造加工業界にとって、既存設備を用いた物理的な方法の方が安価、簡便で望ましい。
【0020】
なお、獣皮を細かく加工する際注意すべき点は、加工時の摩擦熱により獣皮のタンパク質が変性すると、ホルムアルデヒドガスやアンモニアガスの吸着性能があまり期待できないことである。
【0021】
金属ブラシやグラインダーなどにより獣皮表面を削る方法は、摩砕機を用いる方法に比べ、摩擦熱による獣皮のタンパク質の変性が比較的少なく、コラーゲン線維がほぐれ適した方法である。
【0022】
しかもこの方法によると、綿状、繊維形状のコラーゲン線維を得ることができ、繊維と混ぜ合わせるとからまりやすく、簡単にコラーゲン線維を繊維に担持することができる。
【0023】
獣皮として、鞣す前の皮を用いてもホルムアルデヒドおよびアンモニアガス吸着効果はあるが、吸着能力を高めるためには、鞣し革を用いる方が望ましい。これは、鞣し革の方が、鞣し処理によりコラーゲン線維間でほぐれて通気性が良くなるからである。
【0024】
獣皮として鞣し革を使用する場合、ホルムアルデヒドを鞣し剤として使用していない革であることが望ましい。これは、ホルムアルデヒドを鞣し剤として使用した革は、微量ながら逆にホルムアルデヒドが放散する可能性があるためである。
【0025】
さらに、鞣し革を使用する場合、本吸着体使用後の廃棄処分方法を考慮すると、クロム化合物を成分に含む鞣し剤を使用していない革が望ましい。
【0026】
毛皮革製品の製造加工現場における、動物の皮を鞣めし加工し毛皮革製品に仕上げるまでの工程で、材料として品質が基準に達せず使用できない革、および、革の端材や加工屑等のいわゆる革屑を安定的に低コストで入手できるのであれば、廃棄処分せずに済むので、本発明におけるコラーゲン線維として望ましい。
【0027】
さらに、毛皮革製品の製造加工工程で生じる粉状の革屑、例えば、革の表面を滑らかにするペーパーがけの工程や、この工程で生じた粉状の革屑をふるい落とす工程で発生したものは、本発明におけるコラーゲン線維としてそのまま使用することができる。
【0028】
コラーゲン線維を繊維に担持させることで、コラーゲン線維間に隙間があき通気性が良くなりガス吸着性能の向上が期待できる。
【0029】
繊維について、用途に応じ繊維の種類や繊維長を選び、また、コラーゲン線維に対する混合比率を調節することで、ガス吸着体の物理的強度を調節したり、好みに応じた形状に加工することができる。
【0030】
このガス吸着体を、目的のガス吸着フィルターに適した物理的強度、形状に加工することでガス吸着フィルターとして用いることができる。
【0031】
化学物質ではなく天然材料を成分とするガス吸着フィルターであるので、消費者に安心感を与えるとともに、使用後の廃棄が容易であるメリットがある。
【0032】
さらに、このガス吸着体を別のガス吸着材と組み合わせることで、さまざまな有害ガスを一度に吸着するガス吸着フィルターを作ることが可能である。
【0033】
シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因物質であるホルムアルデヒドガスや室内の悪臭の代表的な原因物質であるアンモニアガスを吸着するので、特に家庭用の空気清浄機に適している。
【0034】
タバコ用フィルターは、煙中から人体へ悪影響を及ぼす化学物質を取り除く必要がある。ホルムアルデヒドやアンモニアなど、すなわち人体の皮膚および気管などに直接影響を及ぼす化学物質を吸着するが、揮発性有機化合物など、すなわち気管を経て肺から血液中まで到達する化学物質は吸着しない特異的な特徴を有するこのガス吸着素材は、タバコ用フィルターに適している。
【実施例】
【0035】
以下、実施例、比較例、実験例に基づいて本発明を説明するが、本発明がこれらに限定されないことはいうまでもない。また、%は重量% を意味するものとする。
【0036】
実施例、比較例で用いた空気清浄機は日立ホーム&ライフソリューション株式会社製EX−X11で家庭用のものである。標準で装着されていたフィルターを外して代わりに実施例、比較例用に作成したフィルターを装着してデータを収集した。
【0037】
なお、特に言及しない限り、下記の実施例等における「コラーゲン線維」は、ディスクグラインダーで鹿革の表面を削って得た粉を用い、同じく、「植物繊維」は牛乳パックの表裏のコーティングをはがしたあとの紙の部分を、水でほぐし乾燥させたものを用いた。
【0038】
<実験例1>
ディスクグラインダーで鹿革の表面を削って得た粉の内部組織を走査型電子顕微鏡で撮影した(図1)。なお、粉のサイズ、形状は、太さ2〜4μm、長さ数百μmの繊維形状であった。図1より線維がほぐれ通気性が確保された良好な状態であることがわかる。このような状態であればガス吸着体の原料として好ましい。
【0039】
<実験例2>
超微粒摩砕機で鹿革を粉砕して得た粉の内部組織を走査型電子顕微鏡で撮影した(図2)。なお、粉のサイズ、形状は、ほとんどが直径数十μmの粒状であった。図2より線維がからまった状態で、さらに、線維の一部が溶けたように変成しているのがわかる。このような状態は通気性が悪くガス吸着体の原料としてはあまり好ましくない。
【0040】
<実験例3>
コラーゲン線維:植物繊維の重量比がそれぞれ100:0、90:10、75:25、50:50、0:100の配合のものについて、水中で混合後、乾燥させて、総質量が4g、大きさが10×15cmのシートを作製した。そのシートをJIS1098 一般織物試験法 8.20.1A法(ガーレ法)により曲げ強度を測定した。
【0041】
その結果を表1に示す。表1より植物繊維の比率が高くするに従い、剛軟度の値が高くなり、コラーゲン線維と植物繊維の配合比をかえることによりシートの物理的強度を調整することが可能であることが分かる。
【0042】
【表1】
【0043】
<比較例1>
コラーゲン線維10gを、水に懸濁、成形した後、乾燥させてコラーゲン線維100%のガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このガス吸着シートを空気清浄機内に取り付け、容積0.22m3の密閉容器内でホルムアルデヒドガス吸着試験を行った。なお、ホルムアルデヒドの定量は、チャンバー内の空気(3L)を、2、4―ジニトロフェニルヒドラジンをシリカゲルにコーティングしたカートリッジに通気させ、カートリッジ内で誘導化されたホルムアルデヒドをアセトニトリルで抽出し、高速液体クロマトグラフにより行った。
【0044】
この結果を図3に示す。図3よりコラーゲン線維がホルムアルデヒドを良く吸着することが分かる。
【0045】
<実施例1>
ホルムアルデヒドガス吸着試験
コラーゲン線維5gと植物繊維5gを水中で混合、成形した後、乾燥させてガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このガス吸着シートを空気清浄機内に取り付け、比較例1と同様にホルムアルデヒドガス吸着試験を行った。
【0046】
この結果を図4に示す。図4より、コラーゲン線維の量が比較例3より少ないにもかかわらずホルムアルデヒドを良く吸着していることが分かる。これは、植物繊維によりコラーゲン線維間に隙間があき通気性が良くなっているからと考えられる。
【0047】
<比較例2>
植物繊維10gを、水に懸濁、成形した後、乾燥させて植物繊維100%のシート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このシートを空気清浄機内に取り付け、容積0.22m3の密閉容器内でアンモニアガス吸着試験を行った。アンモニア測定には連続測定機器をチャンバーに取り付け、5分毎の濃度を測定した。
【0048】
この結果を図5に示す。なお、「ブランク」とは空気清浄機にシートを取り付けずに、ファンが稼動した状態でアンモニアガスを注入し測定した時の値である。図5より、ブランクよりアンモニア濃度は減少しているが、6時間経過後も2ppm以上の高濃度であったため、高い吸着効果は認められない。
【0049】
<実施例2>
アンモニアガス吸着試験
実施例1と同様にコラーゲン線維50%と植物繊維50%のガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を作製した。このガス吸着シートを空気清浄機内に取り付け、比較例2と同様にアンモニアガス吸着試験を行った。
【0050】
この結果を図5に示す。なお、「コラーゲン/植物繊維」の線が実施例2の試験結果である。図5より、70分で1ppm以下となり、4時間経過後では定量限界である0.1ppmとなった。さらに、6時間経過後は定量限界以下となった。このことからこのガス吸着シートはアンモニア除去に対して、極めて高い効果があることが分かる。
【0051】
<比較例3>
比較例2と同様に作製した植物繊維100%のシート(10×15cm、厚さ約7mm)を空気清浄機内に取り付け、容積0.22m3の密閉容器内で、揮発性有機化合物であるトルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン、パラジクロロベンゼン、ノナナールおよびテトラデカン以上7物質についてガス吸着試験を行った。揮発性有機化合物の定量は、加熱脱着装置およびガスクロマトグラフ/質量分析計を使用して行った。
【0052】
この結果を図6〜12に示す。なお、「ブランク」とは空気清浄機にシートを取り付けずに、ファンが稼動した状態でそれぞれの揮発性有機化合物を注入し測定した時の値である。図6〜12より、シートとブランクの各成分の濃度変化がほぼ同様であることから、今回測定対象とした揮発性有機化合物は植物繊維には吸着されないことが分かる。
【0053】
<比較例4>
実施例1と同様に作製したコラーゲン線維50%と植物繊維50%のガス吸着シート(10×15cm、厚さ約7mm)を空気清浄機内に取り付け、比較例3と同様に揮発性有機化合物吸着試験を行った。
【0054】
この結果を図6〜12に示す。図6〜12より、シートとブランクの各成分の濃度変化がほぼ同様であることから、今回測定対象とした揮発性有機化合物は植物繊維と同様にコラーゲン線維には吸着されないことが分かる。
【0055】
実施例1、2およびこの結果より、コラーゲン線維は、ホルムアルデヒドやアンモニアなど、すなわち人体の皮膚および気管などに直接影響を及ぼす化学物質を吸着するが、揮発性有機化合物など、すなわち気管を経て肺から血液中まで到達する化学物質は吸着しない特異的な特徴を有していることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】ディスクグラインダーで鹿革の表面を削って得た粉の内部組織の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】超微粒摩砕機で鹿革を粉砕して得た粉の内部組織の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】コラーゲン線維100%のガス吸着シートによるホルムアルデヒドガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図4】コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1で作製したガス吸着シートによるホルムアルデヒドガス吸着試験の結果を示したグラフである(実施例1)。
【図5】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるアンモニアガス吸着試験の結果を示したグラフである(実施例2)。なお、「ブランク」とは空気清浄機にシートを取り付けずに測定した値である。
【図6】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるトルエンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図7】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるエチルベンゼンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図8】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるキシレンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図9】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるスチレンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図10】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるパラジクロロベンゼンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図11】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるノナナールガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【図12】ブランク、植物繊維100%シート、コラーゲン線維:植物繊維の重量比1:1のシートによるテトラデカンガス吸着試験の結果を示したグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
【請求項2】
少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスおよびアンモニアガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
【請求項3】
請求項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたガス吸着フィルター。
【請求項4】
請求項3に記載のガス吸着フィルターを備えた空気清浄機。
【請求項5】
請求項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたタバコ用フィルター。
【請求項1】
少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
【請求項2】
少なくとも獣皮由来のコラーゲン線維、および、繊維とを備え、前記コラーゲン線維が前記繊維に担持された状態の、空気中に含まれるホルムアルデヒドガスおよびアンモニアガスを吸着する作用を有することを特徴とするガス吸着体。
【請求項3】
請求項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたガス吸着フィルター。
【請求項4】
請求項3に記載のガス吸着フィルターを備えた空気清浄機。
【請求項5】
請求項1もしくは2いずれか1項に記載のガス吸着体を用いたタバコ用フィルター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−240889(P2009−240889A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89442(P2008−89442)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人科学技術振興機構、地域イノベーション創出総合支援事業「可能性試験(実用化検討)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000225142)奈良県 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人科学技術振興機構、地域イノベーション創出総合支援事業「可能性試験(実用化検討)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000225142)奈良県 (42)
【Fターム(参考)】
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