説明

ガス絶縁開閉装置

【課題】受変電所における据付面積を縮小し、より小さな重機を使用して機器の吊上げ作業を容易にし、縦型遮断器の高さよりも低い位置に各主母線や接続母線を配置して全体の耐震性能が向上するGISを提供する。
【解決手段】相分離した第1及び第2系統の主母線21、22を、所定間隔を有して略平行に配置し、この間に相分離の縦型遮断器CBを用いた各相3台の遮断器ユニット10を、各相の3台1組の3組を並置して接続母線23A、23Bで直列接続し、主母線21、22とは接続母線23C又は23Dで接続して1・1/2遮断器方式GISにする。縦型遮断器CBは、一方の上方側面に設ける上部接続部12、及び他方の下方側面に設ける下部接続部13に水平配置の断路器DSを備える。各断路器DSは、その下面又は上面に中間接続母線24A又は24Bを連結し、中間接続母線24A、24Bの下方又は上方に接続母線23A、23Bを配置して連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス絶縁開閉装置に係り、特に1・1/2遮断器方式の全体配置の変更で据付面積を縮小でき、しかも耐震性の向上に好適なガス絶縁開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガス絶縁開閉装置(以下「GIS」と略称する)は、ガス絶縁構成の主母線の他に、主として金属容器内に導体を配置して六弗化硫黄ガス(SF)の如き絶縁ガスでガス絶縁した接続母線と、横型又は縦型の遮断器や断路器や変流器等の電気機器をそれぞれ金属容器内に配置して絶縁ガスを充填する遮断器ユニットとにより構成している。
【0003】
通常、500kV級の超高圧系統の変電所では、異なる系統の第1及び第2の主母線間を、各相とも3台の遮断器ユニットを直列接続し、各遮断器ユニットの接続点にケーブルヘッドやブッシング等の絶縁導出手段を設ける構造、所謂1・1/2遮断器方式のGISが使用される。そして、1・1/2遮断器方式のGISは、各相とも各主母線側から供給される電流を接続母線や遮断器本体を経由させ、それぞれ各絶縁導出手段から負荷側に送電できるようにすることで、一方の主母線に連なる遮断器ユニットにおける遮断器等を保守点検のときであっても、他の主母線に連なる遮断器ユニット側を使用し、回線停止を必要としない系統構成とすることができる。
【0004】
1・1/2遮断器方式のGISは、相分離型の主母線を所定の間隔を保持して平行に配置し、横型の遮断器を用いた遮断器ユニットの3台を直列接続して各相分を主母線間に配置する構造とすると、主母線間の距離が大きくて変電所の据付面積が大きくなるため、これを防止する種々の配置構成が従来から知られている。
【0005】
例えば、三相一括型の第1及び第2の主母線を、所定の間隔を保持して平行に配置し、これら主母線間に相分離構成の横型或いは縦型の遮断器を用いた遮断器ユニットのU、V及びW相の3台を1組として、主母線と直交するように3組並置している。そして、各主母線の真上に接続母線を配置し、この接続母線を用いて隣接する同相の遮断器ユニット間を接続しており、遮断器ユニット間の直列接続部である各接続母線に絶縁導出手段を設けて立体的にする構造が提案されている(特許文献1及び2参照)。
【0006】
また、上記と同様に三相一括型の第1及び第2の主母線を配置すると共に、横型の遮断器を用いた遮断器ユニットの3組を主母線と直交するように3組並置し、同相の遮断器ユニット間を接続すると共に絶縁導出手段を設ける接続母線を、各主母線の上方の異なった位置でしかも主母線と平行に配置し、遮断器の上部に断路器や主母線や接続母線等の遮断器ユニットを構成する各機器を立体化して高層化する構造が提案されている(特許文献3参照)。
【0007】
更に、同様に相分離型とした主母線を用い、この主母線間に横型の遮断器を用いた遮断器ユニットの3台を直列接続して配置する構成で変電所の据付面積が増大するのを防ぐため、縦型遮断器を用いた遮断器ユニットを、各相分それぞれ3台を配置するとき、少なくとも1台の遮断器ユニットをずらして配置し、遮断器ユニットの配置全体を平面的に見てジグザクに構成することも提案されている(特許文献4参照)。
【0008】
また更に、各相とも縦型遮断器を用いた遮断器ユニットの3台を直列接続し、これら直列接続の遮断器ユニットを相分離型とした第1及び第2の主母線間に配置して所定の接続を行い、一方の相分離型の主母線や接続母線は縦型遮断器に設ける下部接続部の延長軸線の近傍位置に配置し、また他方の相分離型の主母線や接続母線は、縦型遮断器に設ける上部接続部の延長軸線より上方で、しかも縦型遮断器の上端よりも上の位置に配置する構成が提案されている(特許文献5参照)。
【0009】
【特許文献1】特開昭61−161909号公報
【特許文献2】特開昭63−242109号公報
【特許文献3】特開平4−109806号公報
【特許文献4】特開平6−78422号公報
【特許文献5】特開平7−193926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
超高圧系統級のGISに使用する三相一括型の主母線や接続母線は、金属円筒容器の直径が1m程度かこれ以上にもなって全体が大型化するから、特許文献1及び2のように接続母線やここから引出す絶縁導出手段の設置位置が高くなり、また特許文献3のように主母線や接続母線、更には断路器や絶縁導出手段が全て、遮断器ユニットに用いる横型遮断器よりも上方位置に配置されると、これらの部分のためにGIS全体の耐震性能が悪化してしまう問題がある。特に、遮断器ユニットに縦型遮断器を使用する構造では、高層化すると耐震性低下が顕著になる。
【0011】
また、特許文献4の如き各相とも直列接続する3台の遮断器ユニットの配置では、主母線の位置をより低くできるが、遮断器の口出し部を略直角に導出して他の遮断器と接続するため、三相分の遮断器を1組として近接して配置することができず、しかも操作器は各相毎に離して配置する必要があり、保守点検が行いにくい欠点がある。
【0012】
更に、特許文献5のように、縦型遮断器の上部接続部の延長軸線より上方でかつ縦型遮断器の上端よりも上の位置に、主母線や接続母線の一部を配置する構成でも、同様に耐震性能が悪化してしまう問題があるし、また第1及び第2の主母線間に縦型遮断器を用いた遮断器ユニットの3台を直列接続したものを配置すると、主母線間の距離が大きくなるため、GIS全体の据付面積が大きくなる。その上、主母線間の距離が大きなこの種のGISでは、部品の点検や交換のために主母線の外側から重機を使用して遮断器等の機器を吊上げようとすると、極めて大きな重機を用意して作業せねばならない問題がある。
【0013】
本発明の目的は、相分離型の第1及び第2系統の主母線を、所定間隔を有して略平行に配置し、これら主母線間に相分離の縦型遮断器を用いた各相3台の遮断器ユニットを配置し、各接続母線から絶縁端子を引出すGISの構成であっても、主母線間の距離の縮小で発変電所における据付面積を小さくし、より小さな重機を使用して機器の吊上げ作業を容易に行え、しかも縦型遮断器の高さよりも低い位置に各主母線や接続母線を配置して全体の耐震性能を向上できるGISを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のガス絶縁開閉装置は、相分離型の第1及び第2系統の主母線を、所定間隔を有して略平行に配置し、前記主母線間に相分離の縦型遮断器を用いた遮断器ユニットの三相分を1組として3組配置し、各相の前記遮断器ユニット間を接続母線で直列接続すると共に、前記各主母線はそれぞれ前記遮断器ユニットから延びる接続母線により接続し、前記遮断器ユニット間を直列接続する接続母線からそれぞれ各相の絶縁端子を引出す際に、前記遮断器ユニットは、前記縦型遮断器の一方の上方側面に設ける上部接続部に接続する水平配置の断路器と、前記縦型遮断器の他方の下方側面に設ける下部接続部に接続する水平配置の断路器を備え、前記遮断器ユニットの各組はそれぞれ前記断路器の水平軸線が前記各主母線と略平行となるように配置し、前記上部接続部に接続した断路器はその下面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の下方に一方の前記接続母線を配置して連結し、前記下部接続部に接続した断路器はその上面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の上方に他方の前記接続母線を配置して連結し、前記中間接続母線と略同じ高さに前記各主母線を配置して構成したことを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記各中間接続母線の一部に延長母線を設け、前記各延長母線をそれぞれ主母線と略直交させて配置し、前記延長母線より前記絶縁端子を引出して構成したことを特徴とする。
【0016】
また本発明のガス絶縁開閉装置は、相分離型の第1及び第2系統の主母線を、所定間隔を有して略平行に配置し、前記主母線間に相分離の縦型遮断器を用いた遮断器ユニットの三相分を1組として3組配置し、各相の前記遮断器ユニット間を接続母線で直列接続すると共に、前記各主母線はそれぞれ前記遮断器ユニットから延びる接続母線により接続し、前記遮断器ユニット間を直列接続する接続母線からそれぞれ各相の絶縁端子を引出す際に、前記遮断器ユニットは、前記縦型遮断器の一方の上方側面に設ける上部接続部に接続する水平配置の断路器と、前記縦型遮断器の他方の下方側面に設ける下部接続部に接続する水平配置の断路器を備え、前記遮断器ユニットの各組はそれぞれ前記断路器の水平軸線が前記各主母線と略直交するように配置し、前記上部接続部に接続した断路器はその下面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の下方に一方の前記接続母線を配置して連結し、前記下部接続部に接続した断路器はその上面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の上方に他方の前記接続母線を配置して連結し、前記下部接続部に接続した断路器の水平軸線と略同じ高さに前記各主母線を配置して構成したことを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記各中間接続母線の一部に延長母線を設け、前記各延長母線をそれぞれ主母線と略直交させて配置し、前期延長母線より前記絶縁端子を引出して構成したことを特徴とする。
【0018】
また好ましくは、前記遮断器ユニットの各組間に作業用空間を設け、前記作業用空間側に各相の開閉部用の共通操作機構を設けて構成したことを特徴とする。更に好ましくは、前記遮断器ユニットの各組間に作業用空間を設け、前記作業用空間側に開閉部用の共通操作機構を設けると共に、前記作業用空間に通路枠体を設けて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の如くGISを構成すれば、遮断器ユニットに用いる縦型遮断器や断路器等の高さ寸法、縦型遮断器の左右に配置する中間接続母線や接続母線や主母線の高さ寸法を略同じにできるため、GISを構成する部品の共通化が図れ、製作を容易にすることができる。
また、従来に比べて小さい重機を使用して機器の吊上げ作業を容易に行え、しかも遮断器ユニットに用いる縦型遮断器の高さよりも低い位置に各主母線や接続母線を配置できるため、GIS全体の耐震性能を向上できる。
【0020】
更に、各接続母線の一部又は各中間接続母線の一部にそれぞれ延長母線を設けて配置し、これらから絶縁端子を引出すようすると、絶縁端子の引出し配置構成を容易にすることができる。各中間接続母線の一部にそれぞれ延長母線を設ける場合には、GISの耐震性を低下させることのない絶縁端子の引出し配置構成が可能になる。
【0021】
また、三相分の遮断器ユニットの3台一組として作業用空間を設けて配置し、作業用空間側に三相分の各開閉部を一括操作する共通操作機構を設け、或いは更に作業用空間に通路枠体を設けると、共通操作機構の保守点検作業が容易に行える利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のGISは、相分離した第1及び第2系統の主母線を、所定間隔を有して略平行に配置し、これらの主母線間に相分離の縦型遮断器を用いた各相3台の遮断器ユニットを配置する。各相の遮断器ユニットは接続母線で電気的に直列接続すると共に、前記各主母線それぞれ前記遮断器ユニットから延びる接続母線により電気的に接続し、遮断器ユニット間を直列接続する接続母線からそれぞれ各相の絶縁端子を引出して1・1/2遮断器方式にする。そして、各遮断器ユニットの縦型遮断器は、一方の上方側面に設ける上部接続部に連結する水平配置の断路器と、他方の下方側面に設ける下部接続部に連結する水平配置の断路器を備え、前記遮断器ユニットの各組はそれぞれ前記断路器の水平軸線が前記各主母線と略平行となるように配置する。そして、前記上部接続部に接続した断路器は、その下面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の下方に一方の前記接続母線を配置して連結し、また前記下部接続部に接続した断路器はその上面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の上方に他方の前記接続母線を配置して連結し、前記中間接続母線と略同じ高さに前記各主母線を配置して構成する。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明を適用したGISを、図1から図8を用いて説明する。
本発明の実施例である図1及び図2に示すGISは、異なる系統の第1及び第2の主母線21、22に一般的な相分離型を用い、それぞれU、V、W相の三相分を並置している。しかも、主母線21、22は、予め定めた所定間隔を有して略平行に配置し、この主母線21、22間に確保した空間に、相分離型の縦型遮断器CBを用いた構成の遮断器ユニット10の三相分を1組として、その3組を後述する如く主母線21、22の長手方向と平行に配置している。
【0024】
各遮断器ユニット10は、図1(b)の単線結線図に示す如く、相分離型の縦型遮断器CBと、縦型遮断器CBの遮断部の前後にそれぞれ設ける変流器CT、接地開閉器ESを備える断路器DS等を有している。遮断器ユニット10間や主母線21、22とは、接続母線23により直列接続すると共に、遮断器ユニット10間の接続母線23A、23Bにそれぞれ連なる延長母線23A1、23B1から、絶縁端子となるブッシングBgやケーブルヘッドCHが引出される。
【0025】
遮断器ユニット10は、図1(a)及び図2に示すような構成、即ち縦型遮断器CBは筒状の金属容器11を用いて内部に遮断部を配置し、金属容器11の一方の上部側面に上部接続部12を設けると共に、他方の下部側面に下部接続部13を設けている。そして、上部接続部12には組立や分解を考慮して伸縮可能な脱着部材14を介して変流器CTを、また下部接続部13に変流器CTを連結し、更にこれら変流器CTに続いて水平配置の断路器DSをそれぞれ連結して遮断器ユニット10を構成している。
【0026】
この構成としたので、各遮断器ユニット10は上方から見た平面図で水平方向に長くなり、しかも縦型遮断器CBを中心として左右の変流器CTと断路器DSが、上部及び下部接続部12、13の水平軸線と同じ直線状に位置するようになっている。
【0027】
なお、水平配置の断路器DSとは、上部及び下部接続部12、13の水平軸線上に断路開閉部が位置するように配置したものを意味している。
【0028】
上記の遮断器ユニット10は、1・1/2遮断器方式の接続構成が容易にできるように三相分を1組とし、この3組を図1(a)に示す如く上方から見たとき主母線21、22と略平行となるように、各組の遮断器ユニット10を順に並置している。しかも、各組の遮断器ユニット10間に予め定めた作業用空間SPを確保した上で設置している。
【0029】
また、三相分の3組を並置した遮断器ユニット10と主母線21や22に対して、略直交するように各接続母線23A、23B、23C、23Dを配置しており、この接続母線23A、23Bによって遮断器ユニット10間の直列接続、及び接続母線23C、23Dによって主母線21、22との接続を行っている。接続母線23A、23Bには、主母線21、22と略直交するように配置する延長母線23A1、23B1を連結し、これら延長母線23A1、23B1から、絶縁端子が引出される。これにより、主母線21、22間の距離を小さくして据付面積を縮小できるため、縦型遮断器CBの吊上げる重機もより小型のものを使用することができる。
【0030】
このGISでは、本発明により縦型遮断器CBの上部接続部12に連なる断路器DSの下面に中間接続母線24Aを連結し、また逆に下部接続部13に連なる断路器DSの上面に、中間接続母線24Bを連結する構造にしている。そして、縦型遮断器CBの一方側(図2の右側)では、中間接続母線24Aの下側に接続母線23Aを配置(下部接続部13の高さに略相当する位置)して連結している。また、縦型遮断器CBの他方側(図2の左側)では、中間接続母線24Bの上側に接続母線23Bを配置(上部接続部12の高さに略相当する位置)して連結している。これにより、主母線21、22は中間接続母線24A、24Bと略同様な高さ位置、即ち側面から見ると中間接続母線24A、24Bの下側及び上側に配置する両接続母線23A、23B間の高さ位置に配置できる。
【0031】
この結果、遮断器ユニット10は、縦型遮断器CBの高さTに対し、一方(図2の右側)の断路器DSとこの延長線上にある接続母線23Bの高さT1、各中間接続母線24A、24Bの高さT2、接続母線23Aとこの延長線上にある他方(図2の左側)の断路器DSの高さT3の3種類にできる。また、中間接続母線24A、24Bを効果的に介在させているため、図1(a)及び図2に示す如く上下の接続母線23A、23B間である中間接続母線24A、24Bの高さT2に相当する位置に、各主母線21、22を配置できる。
【0032】
したがって、縦型遮断器CBの高さよりも低い位置に全ての機器を配置した遮断器ユニット10を活用してGISを構成できるから、GISの耐震性は向上するし、遮断器ユニット10間の接続や、遮断器ユニット10と主母線21、22との接続も、中間接続母線24A、24B及び、遮断器ユニット10の両側に纏めて配置できる接続母線23A、23B、23C、23Dを使用してそれぞれ簡単に行える。更に、接続母線23A、23Bは、遮断器ユニット10間を接続すると共に、延長母線23A1、23B1を設けることにより、主母線21、22の上部又は下部と略直交し、その先の任意の位置の絶縁端子と接続できる。このようにすると、接続母線23A、23Bを延長するだけで絶縁端子と接続できるため、引出し構成が容易となる。
【0033】
また、本発明のGISでは、各組の遮断器ユニット10間に設けた作業用空間SPを有効に活用するため、特定の作業用空間SP側の部分に、各相の断路器DSや接地開閉器ESの開閉部用であって、三相分を一括して操作する共通操作機構26、27をそれぞれ設けている。このように特定の作業用空間SP側に、一括して共通操作機構26、27を設けるようにすると、作業者によるこれらの保守点検の作業が容易に行える。
【0034】
遮断器ユニット10に用いる縦型遮断器CBは、遮断部を配設する金属容器11の上面に、着脱可能なカバーにて閉鎖するマンホールを上部に形成する構造にすると、遮断部の点検や接点部等の交換作業を並置する遮断器ユニット10の他の機器に影響されずに容易に行える。また、縦型遮断器を中心にして、変流器CTや断路器DS、更に中間接続母線24A、24Bや接続母線23A、23B等が、略回転対称の構造となるので、構成部品の共通化が可能になり、経済的に容易に製作することができる。
【実施例2】
【0035】
本発明の他の実施例である図3のGISは、遮断器ユニット10の各組間に設ける作業用空間SPを活用し、この部分に昇降用の階段を有する作業者通行用の通路枠体25を設けたもので、他の点は上記実施例1と同様な構造となっている。このように通路枠体25を設けると、この部分を作業者が安全に通行でき、上方にある共通操作機構26、27の保守点検作業も極めて容易に行うことができる。
【実施例3】
【0036】
本発明の別の実施例であるGISを図4及び図5に示している。このGISは、上記と同様に構成した三相分の3組の遮断器ユニット10を用い、また同様に各断路器DSに連結する中間接続母線24A、24Bを介在させ、これら中間接続母線24A、24Bの下側又は上側に接続母線23A、23Bを連結している。しかも、主母線21、22間に三相分3組の遮断器ユニット10の各組間に、作業用空間SPを介在させて配置するとき、遮断器ユニット10は上部接続部12の水平軸線が主母線21と略直交するように配置し、また下部接続部13の水平軸線が主母線22と略直交するように配置したものである。この構成では、主母線21、22も図5に示す如く接続母線23Aの高さと略同様な位置に設置することができる。
【0037】
そして、上部接続部12や下部接続部13に連なる各断路器DSと、中間接続母線24A、24Bを介して連結する接続母線23A、23Bは、主母線21又は22と略平行に配置している。これら接続母線23A、23Bで、遮断器ユニット10間を直列接続する。また、接続母線23C、23Dは各遮断器ユニット10と同様に主母線21、22と略直交するように配置し、それぞれ主母線21又は22と接続する。
【0038】
このように、接続母線23A、23B、23C、23Dの配置と、各遮断器ユニット10の組合せ構成や、主母線21、22の配置とすると、上記実施例1と同等な効果が得られるほか、次に述べるような効果を有する。本実施例は、実施例1に比べて主母線21、22間の距離を縮めることができるため、実施例1のGISより据付面積を縮小でき、縦型遮断器CBの吊上げに、上記より更に小さな重機を使用できる。また、本実施例は主母線21、22の位置を中間接続母線24A、24Bよりも高さの低い接続母線23Aと略同一の高さにすることができ、耐震性を向上させることができる。
【0039】
上記の接続母線23A、23Bの配置の場合、これらをこのまま絶縁端子の引出しに利用すると引き回し配置が難しくなる。このため、図5に示す如く中間接続母線24A、24Bを利用し、この一部に主母線21、22と上方で部略直交する延長母線24A1、24B1を設け、各延長母線24A1、24B1の部分から、それぞれ絶縁端子を引出すようしている。このようにすると、延長母線24A1、24B1は、主母線21又は22と略直交し、かつ遮断器ユニット10両側の同一位置に対向配置することができるから、絶縁端子の引出し構成も容易で、延長母線24A1、24B1の高さも中間接続母線24A、24Bと同一であるため、GISの耐震性を低下させることもない利点がある。
【実施例4】
【0040】
本発明の更に別の実施例である図6のGISは、実施例3と同様な配置構成であって、しかも作業用空間SPを活用して図3の実施例2と同様に作業用の通路枠体25を設けた構造となっている。このGISの例でも、実施例2及び上記実施例3と同様な効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a)は本発明を適用したガス絶縁開閉装置の一実施例を示す平面図、(b)は(a)の単線結線図である。
【図2】図1(a)のA−A線の縦断面図である。
【図3】本発明を適用したガス絶縁開閉装置の他の実施例を示す平面図である。
【図4】本発明を適用したガス絶縁開閉装置の別の実施例を示す平面図である。
【図5】図5のA−A線の縦断面図である。
【図6】本発明を適用したガス絶縁開閉装置の更に別の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0042】
10…遮断器ユニット、11…金属容器、12…上部接続部、13…下部接続部、21、22…主母線、23A、23B、23C、23D、…接続母線、24A、24B…中間接続母線、23A1、23B1、24A1、24B1…延長母線、25…通路枠体、26、27…共通操作機構、CB…縦型遮断器、CT…変流器、DS…断路器、ES…接地開閉器、SP…作業用空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相分離型の第1及び第2系統の主母線を、所定間隔を有して略平行に配置し、前記主母線間に相分離の縦型遮断器を用いた遮断器ユニットの三相分を1組として3組配置し、各相の前記遮断器ユニット間を接続母線で直列接続すると共に、前記各主母線はそれぞれ前記遮断器ユニットから延びる接続母線により接続し、前記遮断器ユニット間を直列接続する接続母線からそれぞれ各相の絶縁端子を引出すガス絶縁開閉装置において、前記遮断器ユニットは、前記縦型遮断器の一方の上方側面に設ける上部接続部に接続する水平配置の断路器と、前記縦型遮断器の他方の下方側面に設ける下部接続部に接続する水平配置の断路器を備え、前記遮断器ユニットの各組はそれぞれ前記断路器の水平軸線が前記各主母線と略平行となるように配置し、前記上部接続部に接続した断路器はその下面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の下方に一方の前記接続母線を配置して連結し、前記下部接続部に接続した断路器はその上面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の上方に他方の前記接続母線を配置して連結し、前記中間接続母線と略同じ高さに前記各主母線を配置して構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項2】
請求項1において、前記接続母線の一部に延長母線を設け、前記各延長母線をそれぞれ主母線と略直交させて配置し、前記延長母線より前記絶縁端子を引出して構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項3】
相分離型の第1及び第2系統の主母線を、所定間隔を有して略平行に配置し、前記主母線間に相分離の縦型遮断器を用いた遮断器ユニットの三相分を1組として3組配置し、各相の前記遮断器ユニット間を接続母線で直列接続すると共に、前記各主母線はそれぞれ前記遮断器ユニットから延びる接続母線により接続し、前記遮断器ユニット間を直列接続する接続母線からそれぞれ各相の絶縁端子を引出すガス絶縁開閉装置において、前記遮断器ユニットは、前記縦型遮断器の一方の上方側面に設ける上部接続部に接続する水平配置の断路器と、前記縦型遮断器の他方の下方側面に設ける下部接続部に接続する水平配置の断路器を備え、前記遮断器ユニットの各組はそれぞれ前記断路器の水平軸線が前記各主母線と略直交するように配置し、前記上部接続部に接続した断路器はその下面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の下方に一方の前記接続母線を配置して連結し、前記下部接続部に接続した断路器はその上面に中間接続母線を連結し、かつ前記中間接続母線の上方に他方の前記接続母線を配置して連結し、前記下部接続部に接続した断路器の水平軸線と略同じ高さに前記各主母線を配置して構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項4】
請求項3において、前記各中間接続母線の一部に延長母線を設け、前記各延長母線をそれぞれ主母線と略直交させて配置し、前期延長母線より前記絶縁端子を引出して構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかにおいて、前記遮断器ユニットの各組間に作業用空間を設け、前記作業用空間側に各相の開閉部用の共通操作機構を設けて構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかにおいて、前記遮断器ユニットの各組間に作業用空間を設け、前記作業用空間側に開閉部用の共通操作機構を設けると共に、前記作業用空間に通路枠体を設けて構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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