説明

ガス絶縁開閉装置

【目的】 ケーブルの端末処理及びケーブルのケーブルヘッドへの取付の作業を容易にする。
【構成】 ベース1上に操作器収納箱2及びケーブルヘッド用架台3を設け、収納箱2及び架台3上にガス絶縁開閉装置本体4を装着し、架台3の上枠7,下枠8間の隅部の4本の支柱9,10のうち、収納箱2側の2本の内側支柱9を両枠7,8の内側隅部に固定し、他の2本の外側支柱10を両枠7,8の外側隅部と,その外側隅部と内側隅部とのほぼ中間部との2個所に着脱自在にする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、電力ケーブルの取付作業を容易にしたガス絶縁開閉装置,とくにそのケーブルヘッド用架台の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス絶縁開閉装置は、図3及び図4に示す構成になっている。それらの図において、1は据付現場のベース、2,3はベース1上に並設された操作器収納箱及びケーブルヘッド用架台、4は収納箱2及び架台3上に装着されたガス絶縁開閉装置本体、5は架台3の上面に固定された本体4の底板、6は本体4内において底板5に立設されたケーブルヘッドである。
【0003】
7,8は架台3の上枠及び下枠、9,10は上枠7,下枠8間の隅部の4本の支柱のうち収納箱2側の2本の内側支柱及び外側の2本の外側支柱であり、4本の支柱9,10は上枠7,下枠8に一体に形成されている。11は上枠7に形成された底板5の取付用ボルトの挿通孔、12は上枠7の下側からケーブルヘッド6に接続された電力ケーブル、13は接地開閉器、14は断路器、15はガス遮断器である。
【0004】
そして、据付現場において、ベース1上に収納箱2,架台3及びガス絶縁開閉装置本体4を設置し、電力ケーブル12を適合した長さに切断し、ケーブル12の端末を絶縁処理し、架台3の上枠7の下からケーブルヘッド6に差込んで固定している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
従来の前記装置の場合、据付現場のベース1とくに架台3の周囲の空間が狭く、かつ、2本の外側支柱10が邪魔になり、ケーブル12の端末処理及びケーブル12のヘッド6への差込み,固定の作業がきわめて困難であるという問題点がある。
本考案は、前記の点に留意し、ケーブルの端末処理及びケーブルのケーブルヘッドへの差込み,固定の作業を容易にしたガス絶縁開閉装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本考案は、ベース上に操作器収納箱及びケーブルヘッド用架台を設け、収納箱及び架台上にガス絶縁開閉装置本体を装着したガス絶縁開閉装置において、架台の上枠,下枠間の隅部の4本の支柱のうち、収納箱側の2本の内側支柱を両枠の内側隅部に固定し、他の2本の外側支柱を両枠の外側隅部と,外側隅部と内側隅部とのほぼ中間部との2個所に着脱自在にしたものである。
【0007】
【作用】
前記のように構成された本考案のガス絶縁開閉装置は、ケーブルヘッド用架台の4本の支柱のうち、2本の外側支柱が上枠,下枠の外側隅部と,その外側隅部と内側隅部とのほぼ中間部との2個所に着脱自在であるため、2本の外側支柱を両枠の外側隅部に装着した状態で装置本体の据付を行い、電力ケーブルの端末処理及びケーブルのケーブルヘッドへの取付時のみ、外側支柱の1本ずつを順次外側隅部から中間部に移して装着することができ、空間が広くなり、その作業がきわめて容易になる。そして、ケーブルの取付後は、外側支柱を1本ずつ順次中間部から外側隅部へ移して装着することにより、架台の強度が充分に保持される。
【0008】
【実施例】
1実施例について図1及び図2を参照して説明する。それらの図において図3及び図4と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点はつぎの通りである。
16,17は上枠7,下枠8の外側隅部に透設された外側挿通孔、18,19は両枠7,8の外側隅部と内側隅部とのほぼ中間部に透設された中間挿通孔、20,21は外側支柱10の上部及び下部に透設された支柱挿通孔であり、両支柱挿通孔20,21を外側挿通孔16,17又は中間挿通孔18,19に適合し、ボルトを挿通し、外側支柱10を両枠7,8の外側隅部又は中間部に着脱自在に装着できる。
【0009】
そして、現場において、ケーブル12の取付以外の据付作業の終了後、1本の外側支柱10を外側隅部から中間部に移し、そののち他の外側支柱10を外側隅部から中間部に移し、広い空間でケーブル12の端末処理及びケーブルヘッド6への取付作業を行う。その作業の終了後、中間部の2本の外側支柱10を1本ずつ外側隅部に戻して装着する。
【0010】
【考案の効果】
本考案は、以上説明したように構成されているため、つぎに記載する効果を奏する。
ケーブルヘッド用架台3の4本の支柱9,10のうち、2本の外側支柱10が上枠7,下枠8の外側隅部と,その外側隅部と内側隅部とのほぼ中間部との2個所に着脱自在であるため、2本の外側支柱10を両枠7,8の外側隅部に装着した状態で装置本体4の据付を行い、電力ケーブル12の端末処理及びケーブル12のケーブルヘッド6への取付時のみ、外側支柱10の1本ずつを順次外側隅部から中間部に移して装着することができ、空間が広くなり、その作業をきわめて容易にすることができる。かつ、ケーブル12の取付後は、外側支柱10を1本ずつ順次中間部から外側隅部へ移して装着することにより、架台の強度を充分に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A,Bは本考案の1実施例の2つの状態の要部の斜視図である。
【図2】A,Bは図1Aの一部の分解斜視図である。
【図3】従来例の全体の正面略図である。
【図4】図3の一部の斜視図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 操作器収納箱
3 架台
4 ガス絶縁開閉装置本体
7 上枠
8 下枠
9 内側支柱
10 外側支柱

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 ベース上に操作器収納箱及びケーブルヘッド用架台を設け、前記収納箱及び前記架台上にガス絶縁開閉装置本体を装着したガス絶縁開閉装置において、前記架台の上枠,下枠間の隅部の4本の支柱のうち、前記収納箱側の2本の内側支柱を前記両枠の内側隅部に固定し、他の2本の外側支柱を前記両枠の外側隅部と,該外側隅部と前記内側隅部とのほぼ中間部との2個所に着脱自在にしたガス絶縁開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】実開平5−60113
【公開日】平成5年(1993)8月6日
【考案の名称】ガス絶縁開閉装置
【国際特許分類】
【出願番号】実願平3−113101
【出願日】平成3年(1991)12月27日
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)