説明

ガス誘導チューブから液体を除去するための挿通部材を持つドレイン組立体

作動用ガス誘導導管から凝結を除去するための装置及び方法である。従来の装置と違い、本発明の装置及び方法は、ガス誘導導管結合部の間で又はガス誘導導管の末端点ではなく、ガス誘導導管又はシステムに沿って凝結の除去を施す。装置から蓄積された液体の周期的な吸引が、ガス誘導導管内のガスの流れを中断することなく促進されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
チューブを通して様々なガス、エーロゾル、又は吸入剤を移送することが望まれる場合が多くある。しかしながら、これらの多くのチューブの中で凝結が起こり、このような移送の効率を低下させる。これは、呼吸回路及び同様の多くの医療用途において、特に問題となる。
【背景技術】
【0002】
種々異なる状況及び理由に対して、患者の呼吸回路に使用される人工呼吸器及び麻酔装置においては、様々なガス、エーロゾル、又は吸入剤が患者に利用される。例えば、患者が呼吸のための介助が必要な状況において、呼吸ガス流量を十分に供給、すなわち増大するために、人工呼吸器が使用される。これらの装置においては、呼吸周期、吸気、呼気、及び他の換気の相は、患者の個々の必要性に見合った装置に対して、制御装置を操作することによって制御され、種々異なるものとすることができる。異なる呼吸器を、患者の状態に応じて使用することができる。すなわち、補助呼吸器モードが、自発呼吸をしてはいるが肺胞呼吸が不十分である患者のために使用される。一方、制御された呼吸器モードが、自発呼吸運動をほとんどしていないか又はまったくしていない患者のために使用される。これらの呼吸器は、モードの選択に応じて設定された圧力又は設定された体積のいずれかが達成されるまで、呼吸器からの加圧ガスにより患者の肺を膨張させる。この設定されたレベルに到達すると、吸気は終了し呼気が始まる。
【0003】
典型的な人工呼吸器は、患者に呼吸ガスを供給するための吸気リム、又同様に患者から呼吸ガスを受け取る呼気リムを持っている。吸気リム及び呼気リムは、各々がY型コネクタのアームと結合されている。患者リムは、Y型コネクタの第三アームから人工空気路又は患者の顔面用マスクに延びる。
【0004】
共通した型の別の装置として麻酔器があり、これは、二酸化炭素吸着材を通して呼気リムの中にある患者の吐出した呼吸ガスを、吸気リムに戻して循環させ、患者に再呼吸させるものである。このような閉鎖式呼吸回路は、大気中へ麻酔剤が損失することを妨げるものである。このような呼吸回路は、「低流量」モードで頻繁に作用され、少なくとも原則的には、呼吸回路に加えられる新鮮で乾燥した呼吸ガスの量は、原則的には、患者によって消費されたガスと入れ替わるだけの量が必要である。
【0005】
麻酔器及び人工呼吸器の双方において、吸気側は、吸気の体積及び周期に加えて、空気の酸素濃度及び湿度などのパラメータを観察及び/又は整えることができる。すべての人工呼吸器及び麻酔器は、機械に取り付けられ更に回路に適合する加湿器から能動的加湿を供給する能力を持つ。この能動的加湿器は、回路を通して患者に与えられるガスを暖め、かつ、湿らせるように作用する。ほとんどの人工呼吸器は、吐き出された空気を受け取り更に濾過する呼気側を含む。呼気側は、吐き出された空気の体積を観察し、患者の換気を制御するために使用することができる。換気システムの一般的例としては、1963年5月21日に付与されたFeganの米国特許第3,090,382号、1972年3月7日に付与されたFosterの米国特許第3,646,934号、及び1978年3月21日に付与されたBirdの米国特許第4,080,103号に含まれている。
【0006】
同様の呼吸回路が、連続流エーロゾル療法の間欠的陽圧呼吸法(IPPB)処置を受ける胸部疾患を持つ患者に使用される。IPPB処置は、患者の加圧呼吸回路の中のネブライザーから、患者にエーロゾル化された薬を投与することを含むものである。更に、開口した、加圧されていない呼吸回路によって、大容量ネブライザーから患者へ、連続流エーロゾルの投与が成されることもある。
【0007】
加圧された(例えば、人工呼吸器、麻酔、及びIPPB)回路及び加圧されていない(連続流エーロゾル)供給システムの双方に起きる問題の1つは、制御装置(例えば、人工呼吸器、麻酔器、IPPB又は大容量ネブライザー)から患者まで延びるチューブの全体に、望まれない程度に凝結が集積することである。対象が、湿分のある暖かい呼吸ガスを吸うことは望ましいが、呼吸回路の中にこのような湿気が存在することは不利益である。更に、物体からの暖かい湿分のある吐出ガスは、体温と同じ温度であるので、室温である呼吸回路の中を通過する時、吐き出されたガスの中の水蒸気が、呼吸回路の内壁の中、更に部品の上に凝結する。物体が呼吸を続けると、凝結水(「水滴」)が蓄積する。蓄積された水は、バルブ、センサー、及び他の部品の作動又は、呼吸回路を通るガス流を妨げるものとなる。又、回路内の微生物成長の媒体となり、生物学的有害物質とみなされる。したがってこのような蓄積は、閉鎖式呼吸回路システムにおいて特に問題として存在する。
【0008】
水滴の懸念は、水蒸気で飽和状態になったガスが回路の中の高度に敏感な部品に通るという事実を含む、多くの理由により生じる。凝結した湿分は、これらの部品の上に集積し、換気機能に影響を与え、更にある種の換気部品に損失を与えるものである。
【0009】
水蒸気の凝結は、呼吸器の作動に対し付加的問題を起こさせるものである。例えば、呼吸器には、患者によって吐き出されたガスの体積を求めるために使用される流れ変換器を含むことができる。この変換器は、微細なメッシュスクリーンの形態であり、空気流に抵抗を与えるものである。吐き出されたガスがスクリーンに衝突する時に形成される圧力の増加が、体積流量を求めるために使用される。スクリーン上に湿分が蓄積されると、これは、空気流に対して更なるバリアを与えるものとなり、これにより流れ変換器に間違った読みとりを生じさせる。流れ変換器の下方向への空気圧も、ある場合においては、吸い込まれた空気を患者へ移送することのトリガとなるように使用される。作動においては、流れ変換器の下方への陰圧の展開が、患者による吸い込みの始まりの合図となり、それに応じて呼吸器が作動する。流れ変換器のスクリーン上の凝結は、この機能に不利に作用する。又、細菌フィルターは、部屋の中への細菌の媒介を妨げるために、患者からの呼気ラインに付与される。細菌フィルター上の湿分の集積は、流れに大きく抵抗するものであり、体積流量の正確な値の読みとりと同様に、患者の吐き出し易さ双方に影響を及ぼす。フィルターでの又は呼吸器の中での水蒸気の凝結は、これらのすべての点において、呼吸器の望ましい作動に著しく影響を及ぼすであろうことが明らかである。
【0010】
別の問題点は、水滴(凝結水蒸気の望ましくない蓄積)も又、麻酔器、呼吸器又は大容量ネブライザーからのガスの流れを物理的に妨げることである。呼吸器の場合、これは、与えられる圧力、又は流れに干渉する(減少する)時の警告閾値に影響を与えることがある。麻酔器の場合は、凝結によって麻酔吸入剤が吸気ガスの中に「なくなる」かもしれないといった、流れ及びガス組成物に影響を与えるものである。大容量ネブライザーのほとんどは、ネブライザーを駆動する酸素に室内空気を混合するためにベンチュリを利用する。回路は、開放されているので、回路内の水の蓄積は流れを減少させることとなり、これは酸素濃度が望まれるものより高くなるのでネブライザーの効率を減少する。
【0011】
この問題を解決するために様々な解決策が提案されてきたが、これまでに全体的に効果のあるものはなかった。例えば、Bartel他の米国特許第5,722,393号、Lorenzen他の米国特許第4,867,153号、及びCronenbergの米国特許第4,327,718号に記載されているような水トラップ又はドレインは、水が危機的成分に到達することを防ぐために、呼吸回路の中に挿入されることができる。
【0012】
不運なことに、知られている水トラップのほとんどは、頻繁に排液されなければならず、水を排液する時に閉状態の回路を破る必要のある場合もある。更に幾つかのこれらの水トラップはかなり大きく、患者用回路の圧縮体積を増加させる。小容量の水トラップの幾つかは、患者が移動したり又はチューブを引っ張ったりすると、水を患者用回路に戻すことになり効果を失うものとなる。もちろん、小容量のトラップは、より頻繁に排液されなければならない。存在する水トラップのほとんどにおいて、加圧して作動する場合に排液が行われる時は、トラップから水を空にする間、患者用回路は、閉じて、減圧されなければならない。もちろん減圧された状態の間、患者へのガス、空気又は蒸気の供給は妨げられる。現状のトラップの手操作による排液の必要性は、時間の無駄であり、トラップが一杯になる時を監視するために、看護人によって周期的に観察される必要性がある。更に、加圧されている患者用呼吸回路が減圧される間、患者への提供が妨げられることは望ましくない。
【0013】
上記した2つの水トラップ又はドレイン(米国特許第4,327,718号及び第4,867,153号)は、患者用回路を減圧する必要なく排液を可能にすることが知られているが、両方とも、望ましくないことに、回路の2つの部品の間にトラッップ(Y型コネクタを持つか又は必要とする)の挿入が必要であり、回路の部品の間にこのY型コネクタを挿入することの必要性のために、全体にわたって加熱ワイヤを持つ回路に使用することは考慮されていない。更に、米国特許4,327,728号は、望まれるものではないが、ガス不透過性材料を必要とし、ドレインに水以外のものが入ることを妨げる。しかしながら、この装置は、集積コンテナを周期的に交換することが介護人に要求され、そのため介護人を生物学的有害物質の流体又は排液物に曝す可能性がある。
【0014】
凝結問題に対して提案された他の解決策は、水蒸気の凝結を妨げる試みとして、湿分蓄積により特に影響される1つ又はそれ以上の呼吸回路の部分に対し加熱を行うことを含むものである。これは例えば、リムのチューブの周囲及びバルブの周囲などにラップされているワイヤのような、抵抗加熱器により達成される。加熱ワイヤに組み込まれたこのような呼吸用加湿器用導管の例は、1996年7月23日付けのMcPheeの米国特許第5,537,996号に記載されている。記載されている加熱ワイヤはループ状加熱要素であり、2つの自由端が、導管端部の1つから加湿器の交流電流の供給源まで結合したものである。加熱ワイヤが導管の底部に沿って不規則経路に置かれているこの形態の加熱導管は、導管を通過するガスが導管の幅にわたって均一に加熱されないという不都合がある。更に、不規則なワイヤの分布は、導管壁の特定の領域を低い温度にし、一方他の領域を過度に加熱することとなり、凝結又は水滴を起こさせる原因となる。
【0015】
他の加湿用導管は、凝結の問題に対処するために、熱を導管壁(導管の周囲と壁の長さ方向に沿っての双方)に同等に付与するように、導管の外側の周囲を巻く状態に加熱ワイヤを持つ。外側に巻かれ加熱された加湿用導管の例は、1987年8月11日付けのMakinの米国特許第4,686,354号、及び1994年10月25日付けのEilentroppの米国特許第5,357,948号にみることができる。しかしながら、これらの形態は両方とも、導管壁を通ってガスの中まで熱を伝導するのに十分なものとする加熱要素によって引き出される動力が要求される。したがって、加熱ワイヤによって引き出される動力は、ワイヤの温度としては高すぎるものである。更に、加熱ワイヤからの熱が導管壁を通って最初に通過しなければならないので、ガスを加熱するのにかかる時間が過度になり、導管の外側表面の温度が患者又は介護人にやけどをさせるように高くなる可能性もあり、このことは悲惨な結果を生み出す。
【0016】
上記したように、幾つかの場合においては、加熱が凝結の開始を遅らせ、更に回路の重要な部分での凝結を避けるか又は減少させるが、呼吸ガスからの水蒸気の凝結を十分に妨げることは困難又は不可能である。このことは、回路が使用される環境が、各々の使用に対し頻繁に異なるので、特に問題である。
【0017】
水滴問題に対する幾つかの解決策は、もたらされる成果が限界のあるものであった。このように、ガス移送チューブ又は導管での蒸気の凝結に関連する問題を避ける部品又は換気システムの必要性が残っている。
【0018】
【特許文献1】米国特許第3,090,382号公報
【特許文献2】米国特許第3,646,934号公報
【特許文献3】米国特許第4,080,103号公報
【特許文献4】米国特許第5,722,393号公報
【特許文献5】米国特許第4,867,153号公報
【特許文献6】米国特許第4,327,718号公報
【特許文献7】米国特許第5,537,996号公報
【特許文献8】米国特許第4,686,354号公報
【特許文献9】米国特許第5,357,948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記した困難点及び問題に対応して、ガス誘導チューブから凝結した蒸気及び湿分を集積する組立体が開発された。より特定的には、本発明の一態様は、少なくとも一部分に流体流路が貫通形成された挿通部材と、該挿通部材に流体連通関係にあり、内部を有する集積リザーバと、ガス誘導チューブに対して組立体の位置を維持するための保持機構とを含む組立体に向けられる。
【0020】
本発明の第二態様は、ガス誘導チューブから凝結した蒸気及び湿分を集積するために少なくとも一部分に流体流路が貫通形成された挿通部材と、該挿通部材に対して流体連通関係にあり、内部を有する集積リザーバと、ガス誘導チューブに対して組立体の位置を維持するための保持機構とを含む組立体を準備し、ガス誘導チューブに挿通部材を挿入してガス誘導チューブの中に開口を形成し、組立体をチューブに取り付けてチューブの中の液体がリザーバの中に流通するようにすることを含む換気システムを排液する方法に向けられる。
【0021】
本発明の別の態様は、加熱ワイヤ回路の排液方法に向けられている。特にこの方法は、回路から凝結した蒸気及び湿分を集積するために、少なくとも一部分に流体流路が貫通形成された挿通部材と、該挿通部材に対し流体連通関係にあり、内部を有する集積リザーバと、回路に対して組立体の位置を維持するための保持機構とを含む組立体を準備し、回路内に挿通部材を挿入して該回路内に開口を形成し、組立体を回路に取り付けて該回路内の流体がリザーバ内に流通するようにすることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照するが、この図面は、本発明の様々な要素に数字による表示を付したものであり、当業者が本発明を形成し使用することができるように説明するものである。同様な番号は、全体を通して同様な部分を示すように使用されている。各々の例は、本発明の説明のために付与されるものであり、本発明を制限するものではないことが認識されるべきである。例えば、一実施形態に対して図示され又は説明される特徴を、別の実施形態において使用し、更に別の実施形態とすることができる。これらの及び他の修正及び変更は、本発明の範囲及び思想の範囲内とするものである。
【0023】
以下の詳細な説明は、医療的使用に適した換気システム又は呼吸回路の内容にについて成されるものである。しかしながら、本発明の物品は、他の型のシステム、回路、又は導管及び同様のものの使用にも適しており、医療用装置又は医療分野での使用に制限されるものではないことは、容易に明らかである。
【0024】
図面に戻って、特に図1においては、患者22が使用中の患者用呼吸装置20が描かれている。装置20は、全体が3つの部品から成り、すなわち制御可能な患者用呼吸装置24、該呼吸装置24から水トラップ28に延びる長さを持った可撓性のあるチューブ26及び患者22まで延びる可撓性チューブのもう一方の部分30である。装置20は、図1で示すように吸気側のみを持つことができるか、又は、患者22から吐き出された呼吸ガスを受け取り、循環のためにそのガスを呼吸装置24に戻す呼気側を含む図2に示す装置20′の構成と類似したものとすることができる。第二水トラップ28は、可撓性チューブ32及び34の間の部分の、装置20′の呼気側に含まれることができる。装置20及び20′は、様々な流れセンサー及び圧力センサー、チェックバルブ、加熱器、空気冷却器、及び同様のものなどの他の部品を含むことができ、これはこのシステムの湿分又は凝結の量に影響を与えることがあるが、これらの部品は、この特許を理解するためには必要ではなく、したがって当業者によって認識されるであろう本発明の範囲内に含まれるものとして示される必要はない。
【0025】
患者用呼吸装置24は、換気、吸入、麻酔及び呼吸療法などの用途において、患者にガス、蒸気、空気又は同様のものを移送するための、あらゆる周知の装置とすることができる。例えば、患者用呼吸装置24は、圧力値設定又は体積値設定のいずれかの人工呼吸器とすることができる。制御可能な、例えば加圧された状態で患者へ流体を移送する場合においては、この呼吸装置は、その中に流体の供給源(示されていない)を含むか、或いは患者へ通すことができるような供給源と結合されている。更に、典型的な呼吸器は、呼吸器が使用されるときはいつでも正しい呼吸リズムを確立するために、介護人が種々異なる設定をできるように、呼吸周期及び換気の吸気及び呼気相を患者の個々の必要性に応じて種々異ならせることが可能である。
【0026】
図3及び図4を参照すると、本発明の教示によって形成されたドレイン組立体100が示されている。ドレイン組立体100は、挿通部材102、集積リザーバ104及び保持機構106(図3)及び106′(図4)を含む。図3及び図4に示された実施形態においては、挿通部材102が少なくともその一部分を通る流体流路108(図3)を持つように示されている。集積リザーバ104は、内部110(図3)を持ち、挿通部材102と流体連通する関係を持つように示されている。保持機構106(図3)及び106′(図4)は、ガス誘導チューブ又は導管112(図3)に対してドレイン組立体100の位置を維持するために維持又は補助するのに適している。
【0027】
ガス誘導チューブ又は導管112(図3、4及び図9)が参照されているが、あらゆる適当なチャネル、回路、シリンダー、ダクト、ホース、パイプ、又は同様のものが使用されることができることが認識されるであろう。しかしながら、本特許を読み易く、更に理解しやすくするために、更にこれらによって制限されないように、これより後、ガス誘導チューブが導管112として述べられるであろう。
【0028】
図3を再び参照すると、本発明の組立体は、リザーバ104に流体を誘導することができる導管114も含むことができる。このような導管114は、挿通部材102(例えば上記した流体流路)の部分とすることができ、保持部材106の部分とすることができるか、或いは導管114は、挿通部材102とリザーバ104の間に位置されることができる別個の部品とすることができる。いずれの場合においても、導管114は、剛性であることが望ましいが、可撓性の又は半剛性の材料で形成されることができる。
【0029】
図3及び図4に最もよく示されているように、挿通部材102は、流体を挿通部材102の少なくとも一部分を通って流れるように、複数の開口116を持つことができる。すなわち、挿通部材102は、導管112の中に開口(示されていない)を形成し及び/又は拡大するための生成又は形成に用いられるだけでなく、導管112内に適切に位置決めされたとき、挿通部材102は、導管112内の流体、特に液体が、導管112を出て流体流路108(図3)内を流れるようにする通路を提供することができる。流体(例えば、液体及び/又はガス)が挿通部材102に入り、その後導管114(存在する場合には)に入り、結果的にはリザーバ104に流れるようにするために、ドレイン組立体100が正しく位置決めされる時、少なくとも開口116の1つが導管112と流体連通状態にあるような方法で、導管112の中の流体が集積リザーバ104に入ることが可能なように、1つ又はそれより多い開口116が、挿通部材102の上又はその周囲に位置決めされることが望ましい。明らかなように、挿通部材102に入る流体に、挿通部材102から流通し又は流れ出てリザーバ104に、或いは導管114(挿通部材102と分かれている場合は)に、そしてその後でリザーバ104に流れるようにする少なくとも1つの開口117(図4)がなければならない。
【0030】
開口116の向きは、種々異なる排液シナリオを許容するものであることが分かるであろう。例えば、ドレイン組立体100が正確に配置されている時、挿通部材102の端部103が導管112(図4)の内部にあるように十分に近位な位置にある、1つ又はそれより多い開口116は、ドレイン組立体100及び特に挿通部材102に近位にある導管112の中に蓄積されたすべての液体を除去するように、導かれる必要はない。その代わりに、開口116は、挿通部材102周囲の導管112の内部にある液体があるレベルに到達すると、液体が排液されるように導かれることができる。更に、上記したように、流体を挿通部材102に流入させる1つ又は多くの開口(例えば穴、溝など)116が挿通部材102の中に存在することができる。存在する開口116の数及び/又は大きさは、種々異ならせることができ、排液の意図された使用に応じてその設計を種々異ならせることができる。例えば、一実施形態においては、多くの小さい開口を持つことが望ましく、又別の実施形態においては、1つの大きな開口を持つことが望ましく、或いは更に、異なる形状の開口だけでなく、大きい開口及び小さい開口の組み合わせを持つことが望ましいこともある。開口116の位置は、流体が1つの開口116に流入し、別の開口から流通して、導管112及び集積リザーバ104から流体が漏れたり或いは漏れる結果となることがないようにすべきであることが分かるであろう。
【0031】
挿通部材102がどのような部分にあっても、導管114は、全体的に下向きの方向に向けられており、リザーバ104(図3−5及び図8)の中空内部110(図3、4及び図8)とシールされた流体連通状態とするべきである。より特定的には、下向きに向けられた導管114(図3、4及び図8)は、リザーバ104と結合された蓋120(図3−5及び図8)の開口118(図3−5)と整列する状態にあることが望ましい。中空の導管114(図3、4及び8)は、接着又は他のあらゆる適当な方法によって、取り付けられ、シールされた状態で蓋120(図3−5及び図8)に取り付けられる。
【0032】
実施形態に応じて、結合された蓋120(図3−5及び図8)は、従来の方法で、気密した関係で2つの部分が共に取り外し可能な状態に取り付けられるように、結合されたリザーバ104(図3−5及び図8)の上部縁部でへり122(図3及び図8)に圧力嵌めとすることができるか、又は蓋120(図3−5及び図8)が、シールされた係合関係でリザーバ104に永久的に取り付けられることができる。
【0033】
閉システムを維持することを望まれる実施形態において、及び/又は、介護人を流体に曝すようなことなく、リザーバ104から流体を除去することができることが望まれる実施形態においては、ドレイン組立体100(図3−5、8及び図9)は、一般的にリザーバから、より特定的に、全体を124(図3−5、7及び図8)で示されているプローブ受け組立体から、流体を吸引させるためのアクセス口を持つことができる。プローブ受け組立体124は、これらに制限されるものではないが、リザーバ104の側部又は底部を含む、リザーバ104の種々異なる位置にあることができるが、図3−5、7及び図8においては、リザーバ104の蓋120に位置するように示されている。図3、4及び図8の実施形態は、孔126を持ち、その中にプローブ受け組立体124が気密した状態で適合されている蓋120を示している。望まれるならば、孔126で蓋120に挿入された関係でプローブ受け組立体124を取り付けるために、接着剤が使用されることができる。上記した及び図3−5、7及び図8に示されたプローブ受け組立体124に加えて、例えば結合部材に取り付けられることができ又は適合される(示されていない)、更にリザーバ104の側部から延びる吸引ホース又は同様のものを含む、リザーバから流体を吸引又は除去するあらゆる他の適当な方法も、本発明によって考慮されることが認識されるであろう。
【0034】
プローブ受け組立体124は、一般的に、システムが閉鎖式の場合、呼吸回路又は換気システム270(図9)が汚染することを妨げるように、又換気システムの内部圧力を損失することを避けるように初期設定された、通常の閉状態で位置決めされるであろう。通常に閉状態のプローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)は又、リザーバ104(図3−5及び図8)が一杯になり、溢れることがないように、ドレイン組立体100(図3−5、8及び図9)からの流通及び漏れを避けるのを助ける。
【0035】
ドレイン組立体100は、種々異なる材料及び大きさの部品により製造することができるが、リザーバ104は、その中に蓄積された液体の重量が換気システム又はその部品へ過度の圧力又は応力を与えないことが望まれるならば、実質的にかなりの量の液体がその中に蓄積されることができるような十分な大きさとすることが望ましい。
【0036】
再びプローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)を参照すると、本発明で使用されるために、多くの適当な形態が考慮されている。このような形態の1つに、最も単純な形態として、蓋120(図3−5、及び図8)の下方表面からリザーバ104の底部表面128(図3、4及び図8)のすぐ上の位置まで伸びる排液パイプ132(図3−5及び図8)を一般的に含み、これにより、本質的にリザーバ104内のすべての液体含有物が真空力によって、換気を妨害することなく排液されることになる。プローブ受け組立体124の多くの変形形態が考慮されており、これらに制限されるものでないが、テ−パ状パイプ132;パイプ132の末端部開口133(図3−5及び図8)が塞がれすなわち閉塞された時、蓄積された液体の除去が成されるように、リザーバ104の底部表面128の近くのパイプ132の中に1つ又はそれより多い開口134(図3、4及び図8)を含むこと、蓋120の表面上にあるパイプ132の伸長部、及び/又は種々異なる大きさ及び/又は形状のプローブ220(図5−7)とプローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)の間にシールされた係合を与える蓋120の表面の又は表面上にあるキャップ又はアダプター125(図5)を含むこと、から成る。パイプ132(図3−5及び図8)の付加的開口134(図3及び図4)は又、ドレイン組立体100(図3−5、8及び図9)の耐用年数を延ばすことができるような、パイプ開口133(図3−5及び図8)の乱流洗浄を行い又は可能とすることができる。
【0037】
上に示したような他の変形形態は、記憶特性をもつ材料で形成されたバルブディスク(示されていない)又は同様のものを含み、プローブ220(図5−7)がプローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)から除去される時、ディスクは、プローブ受け組立体124及び換気システム270(図9)双方が「閉状態」のままとすることを可能にするために、最初の又は初期設定された位置に戻る。更に他の変形形態は、1989年9月19日に付与され、Ballard Medical Products(本発明の子会社)に譲渡されたLorenzenの米国特許第4,867,153号に含まれており、この特許はその全体を引用によりここに組み入れられる。多くの例示的変更が述べられ更に参照によりここに組み入れられたが、多くの他の変更が存在し、認識されるであろうし、これらは、本特許の範囲内であるとみなされる。
【0038】
図5から図7を参照すると、本発明により形成され実施されたドレイン組立体に蓄積された液体の除去のための、例示的な閉鎖式液体排液システムが示されている。例えば、図5及び図6に全体を200で示されている排液システムは、換気システム270(図9)のすべてのリザーバ104に蓄積される液体を除去するためにしばしば使用されることができる。
【0039】
図5及び図6に示されている排液システム200は、例えば病院用吸引システムのような真空供給源202(図5)を含み、大容量液体貯蔵バケット204は、いずれも従来の設計で知られている大容量下部レセプタクル206及び圧力適合蓋208を含む。蓋208は、2つの装置210(図5)及び212(図5及び図6)によって中断され、それぞれは導管214(図5)及び216(図5及び図6)と連通状態で示されている。供給源202(図5)で生成された真空は、気密式バケット204の内部へ導管214(図5)と連通状態である。真空圧は、第二導管216の中空を通ってバケット204の内部と連通状態である。示されているように導管216は、適当な合成樹脂材料で望ましいように形成された可撓性チューブ218に結合されている。真空は、全体を220で示されているプローブ末端の中空を通り、プローブ220の末端又はチップ222に位置される口226で放出される。
【0040】
図7を参照すると、プローブ220自体は、壁242を含む細長いスリーブ240、縦方向に刻み目がある外側表面244を含むように描かれている。壁242は又、内側環状表面246を含む。チューブ218の端部248は、適当な接着剤又は粘着剤を使用して表面246の後端部で適合されて取り付けられる。壁242は、チューブ218の内部と液体連通する室250を定める。
【0041】
壁242の厚さは、斜め内部肩部254に近接したサイト252で増大し、サイト252で真空室256の内部直径を減少する。プローブ220の外側直径も又、斜め内部肩部258で減少され、プローブチップ222の外側表面260と一体して合流する。チップ222は、両側に口226を備えた状態で図示されている。第3の軸方向ポート262もまた、プローブ220を通って中央通路の端部に存在する。
【0042】
真空供給源202(図5)が作動すると、陰圧がシールされたバケット204(図5及び図6)の内部へ、更にチューブ218(図5−7)の中空内部通路及びプローブ220(図5−7)の中空室250、256(図7)に沿って移送される。プローブ220は、図5に描かれているように、プローブ受け組立体124に整列して配置されることができる。プローブ220のチップ222が、プローブ受け組立体124の内部に挿入される場合、図7に描かれた位置を想定することができる。プローブ220(図5−7)がプローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)の中に正しく位置されると、プローブ220(図5−7)の中空内部の中に含まれる陰圧が、排液パイプ132(図3−5及び図8)を介して結合されシールされたリザーバ104(図3−5及び図8)に伝えられる。これは、リザーバ104(図3−5及び図8)に蓄積された液体を、プローブ口226(図5−7)及び262(図5及び図6)を通ってプローブ220(図5−7)の内部室256、250(図7)へと、チューブ218(図5−7)の中空通路に沿って、更にシールされた貯蔵バケット204(図5及び図7)へと、排液パイプ132(図3−5及び図8)で吸引することによって排液される。
【0043】
プローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)は、プローブ220(図5−7)の使用者が、リザーバ104(図3−5及び図8)に含まれる液体の真空排液を続けさせるために、図7に図示した挿入された位置にプローブ220を維持する必要があるように設計される。このような実施形態においては、どのような理由があっても、使用者が、排液する位置にあるプローブ220(図5−7)を保持するために必要な力を除去するならば、プローブ220は、図7の挿入された位置から非排液位置に移動するであろう。
【0044】
代替的に、プローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)は、プローブ220(図5−7)を排液位置に維持するためには、どんな外部の圧力又は力も必要ないように設計されるであろう。このことは、介護人が、患者の呼吸システムを最初の組立体又は配置のままで、プローブ受け組立体124(図3−5、7及び図8)の中にプローブ220(図5−7)を挿入させるもので、その結果、リザーバ104(図3−5及び図8)に蓄積された液体を定期的に又は頻繁に観察する必要がなくなるであろう。このような実施形態においては、リザーバ104の中に液体がほとんど存在しない又はまったく液体が存在しない時に、システムの効率に最小の影響しか与えずにリザーバ104から蓄積された液体の排液が可能なように、吸引が比較的低量に設定されるであろう。このような実施形態は又、プローブがプローブ受け組立体124から外れた場合、又は外れた時(例えば故意に又は故意ではなく)でも、液体がプローブ受け組立体124から漏れないように、プローブ受け組立体124(図3−5、7及び8)の中に閉鎖バルブ、機構又は同様のもの(示されていない)を通常持つことが望ましいであろう。
【0045】
再び図3及び図8を参照すると、導管112に対してドレイン組立体100の位置を維持するため、又は維持するのを補助するための保持機構106が示されている。図8に示されているように、保持機構106は、導管112の一部分を包み、接触又は移動、或いはドレイン組立体の重量、特に液体が中に蓄積された時の重量のいずれかにより、導管112からドレイン組立体100が外れる可能性を減少させるか又は妨げる。図3においては、縁部107と109、及び121と123でそれぞれを相互結合又はスナップ係合する2つの部品の保持機構を示している。保持機構106の2つの部品111及び113は、ヒンジ取り付けされるか又は完全に分離したものとすることができる。図8は、保持機構106が、閉状態である一実施形態を表わし、図3は、保持機構106が開状態又は部分的に開状態の位置にある、同じ実施形態を表わしている。
【0046】
1つの又はそれより多い実施形態においては、保持機構106は、例えば、ドレイン組立体100の別の部品に取り付けられることができるか或いは、保持機構106が、挿通部材102及び/又は導管114の周囲に、取り外し可能な状態で取り付け又は固定されることができることが更に知られている。
【0047】
他の実施形態においては、保持機構の他の型又は形態が考慮されている。例えば、クランプ(示されていない)が、ドレイン組立体100を導管112に取り付けるために使用されることができる。更に、他の機構すなわち導管112に対してドレイン組立体100の配置を維持するために又は維持を補助するために、導管112の配置を包む方法が、本発明の範囲内で認識され、更に考慮されるであろう。
【0048】
これまでに記載し又は提案した外部保持機構に加えて、図4に描かれた106′と指示されるような内部保持機構が使用されることができることも考慮される。このような保持機構106′は、導管112内に位置するようになるまで、挿通部材102又は導管114内に押し込むか又はこれらと当接させ、そうなった時点で、機構106′が図示されたような配置になるように活性化或いはトリガされるものとすることができる。
【0049】
どのような型の保持機構が利用されても、ガスケット又は他の型のシール115(図3)が、導管112(図3、4及び図9)からの漏れを減少又は避けるために使用されることができる。このようなシール115(図3)は、例えば、導管112からの漏れを避けるために、導管112(図3、4及び図9)の間の挿通部材102(図3、4及び図9)及び/又は導管114(図3、4及び図8)の周りにあることが認識されるであろう。更に、利用される保持機構の型に応じて、このようなシール115(図3)は、保持機構106(図3)と導管112(図3、4及び図9)の間に配置され、導管112と挿通部材102(図3、4及び図9)又は導管114(図3、4及び図8)の間にある程度の漏れが起きる場合でも、液体がドレイン組立体100の外側を通過することがないようになされる。
【0050】
保持機構106が組立体100を導管112に取り付ける場合の方法は、使用される保持機構106の型だけでなく使用される導管112の型に応じて種々異ならせることができることが認識されるであろう。包括的ではないが、多くの異なる保持機構及びそれらが作動することができる方法は、上記されている。
【0051】
ドレイン組立体が使用されることができる導管112(図3、4及び図9)の型は、特定の組立体の物理的制限により制限される。すなわち、例えば、使用される幾つかの組立体には、大きすぎる直径を持つ導管112があり、一方使用される幾つかのドレイン組立体の挿通部材には、あまりに剛性である壁を持つ導管112もある。しかしながら、大きい又は強力な部品を使用することができる別のドレイン組立体もある。
【0052】
適当な挿通部材のいずれをも使用できることが分かるであろう。例えば、挿通部材102(図4)は、図4に示されているような先細になる点又は端部103′を持ち次第に拡がる形状か、或いは図3に示されるように全体的に切頭円錐型の形状とすることができる。少なくとも1つの実施形態においては、挿通部材102は、導管112を貫通するために使用されることができる程度の、尖っていないすなわち鈍らな端部(示されていない)を持つことができる。どんな大きさ及び形状の挿通部材も適当であるが、挿通部材102が、導管112の両側部を貫通しない程度の長さであることが一般的に望ましい。
【0053】
上記したように、ドレイン組立体の部品として、あらゆる材料が使用されることができる。しかしながら、ある実施形態においてはより望ましい材料があることが認識されるであろう。例えば、ドレイン組立体の1つ又はそれより多い部品として使用される材料は、その中に電気的要素のないものを使用するより加熱されたワイヤ回路を使用するほうが望ましく、これは、伝導性材料で構成されているドレイン組立体又はその中のある部品(例えば挿通部材)が加熱要素と接触するようなことがあると、回路を流れる電流によって、加熱要素が漏電又は使用者又は介護人を感電させることになるからである。代替的には、図3、4及び図8に示されている実施形態のように、例えば、少なくとも部分的に目立つか又は実質的にそのような組立体を形成する材料を含む、異なる色の部品を提供することができる材料でドレイン組立体を製造することが望ましい。
【0054】
本発明は、ガス誘導チューブ又は導管から蓄積された液体を排液する1つ又はそれより多い方法に向けられている。特に、一実施形態は、図9に示されるような換気システム270を排液するための方法に向けられている。この方法は、上記した型のドレイン組立体を準備し;ドレイン組立体100の挿通部材を、そこに開口を形成するために導管112に挿入し;更に換気システム270及びより特定的に導管112の中の液体が、ドレイン組立体100のりザーバ104に流れることができるように、ドレイン組立体100を導管112に取り付けることを含む。
【0055】
認識されるであろうが、ガスを凝結させ、すなわち「水滴」となった液体は、換気システム270(図9)にある低点272(図9)に、より特定的に患者22(図9)へと導く又は患者から導かれる導管112(図3、4及び図9)にある低点に集まる又は蓄積する傾向にある。このように、挿通部材を挿入する方法は、図9に示されているように導管112にある低点272で成されることが望ましい。ドレイン組立体100は、システム270(図9)の導管112(図3、4及び図9)にある最も低い点に位置される必要はないが、除去されることができる蓄積された液体の量を最大にするために、その近位にあることが望ましいことが認識されるであろう。多数のドレイン組立体100(図3−5、8及び図9)は、導管112(図3、及び図9)にある低点が多く存在する所に、最大の液体除去を提供することができることも認識されるであろう。
【0056】
これまでに示されたように、液体がドレイン組立体100(図3−5、8及び図9)に入ると、リザーバ104(図3−5及び図8)を排液又は空にする必要がある。リザーバ104を空にする1つの方法は、リザーバ104を蓋120(図3−5及び図8)から分離して液体を投棄するか、又はリザーバ104を別のリザーバ104と入れ替えることを含む。しかしながら、蓋120がリザーバ104とかなりしっかりと取り付けられているか、或いは、介護人がその中の液体との接触又は接触する可能性を避けることが望ましいような場合の本発明の実施形態においては、液体は、多くの適当な方法によってリザーバ104から吸引されることができ、そのうちの幾つかはより詳細に述べられる。例えば、リザーバ104(図3−5及び図8)は、排液パイプ132(図3−5及び図8)のような吸引バルブ又は同様のものを含むことができる。上記したように、リザーバ104からの液体吸引のためのアクセス地点は、リザーバ104の蓋120(図3−5及び図8)、リザーバ104の側部、及び幾つかの実施形態においては、リザーバ104の底部とすることもでき、決定されたものではない。述べられているように、上記した方法は、更に、リザーバ104から蓄積された液体を吸引することを含むことができる。吸引段階は、連続したものとも周期的なものともすることができるように考慮されている。この方法は又、リザーバ104(図3−5及び図8)からの流体吸引機構200(例えば、図5及び図6を参照せよ)の付与を含むものである。上記したように、リザーバ104からの流体吸引機構は、これに制限されるものではないが、上記した吸引源及び真空装置、更に計量機能付きポンプ又は同様のものを含むことができる。少なくとも幾つかの実施形態においては、リザーバ104からの流体吸引段階は、リザーバ104(図3−5及び図8)、プローブ受け部材124(図3−5、7及び図8)又はこれらの接合部又は適合部によって得られることができる、220(図5−7)と示されるプローブを含むことができる。
【0057】
上記したように、本発明は、加熱したワイヤ回路を使用することも考慮されている。本発明のドレイン組立体100(図3−5、8及び図9)が、加熱したワイヤ回路と使用されるような場合においては、挿通部材102(図3、4及び図9)は、その中を通る電気的/加熱要素276(図4)を妨げたり或いは中断しないように挿入されなければならない。
【0058】
従来の装置とは異なり、本発明は、流体が導管112を通して流通する前又は後に、ドレイン組立体100の据え付けすることを可能とすることが認識されるであろう。更に、上記したように、本発明は、2つの導管の間に又は1つの導管を分断(すなわち分離)して挿入する必要がなく、むしろ本発明は、予め存在する導管(図9に示されているように)に挿入されることができる。本発明を利用する能力は、導管を通る流体の流れを最小にしか遮らない又は全く遮らないで、導管を使用する間にドレイン組立体を設置する能力を提供することである。一方従来の技術は、2片の導管の間に部材を挿入することを可能とするために導管を完全に分離する必要があった。このような分離は、明らかに設置する間の導管を通る流体の流れを妨げるものであった。このような中断は、このような状況においては、容認できないものではないにせよ、望ましいものではないであろう。更に、従来の装置が、使用する前に導管内に設置されることができても、導管の間又は導管の片の間に挿入させることが必要な従来技術は、多くの接合点を形成し、これによりシステムの漏れの機会を増加させるものである。
【0059】
本発明は、これらの特定の実施形態に対して詳細を述べてきたが、本発明の理解を得るにあたって、当業者は上記した実施形態及びこれらの形成方法の代替物、変更及び均等手段を容易に認識するものである。本発明は、添付された特許請求及びその均等手段の範囲内である修正及び変更を含むことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】患者用呼吸回路の従来技術の実施形態を描いた斜視図である。
【図2】別の公知の換気システムの図である。
【図3】ガス誘導チューブの断面図と、そのチューブに接触する本発明の一実施形態の側面図である。
【図4】本発明による別の実施形態の側面図と、ガス誘導チューブの断面図である。
【図5】図3(導管114又は保持機構106を除いて)及び吸引機構を示した実施形態の図である。
【図6】図5に示す吸引機構の一部分の別の図である。
【図7】プローブ受け組立体に位置された図5のプローブの横断面図である。
【図8】閉状態の保持機構を持つ、図3に示された実施形態の側面図である。
【図9】本発明に2つのドレイン組立体を持つ換気回路の図である。
【符号の説明】
【0061】
100 ドレイン組立体
102 挿通部材
104 集積リザーバ
106 保持機構
108 流体流路
110 内部
112 ガス誘導チューブ
114 導管
116 開口
120 蓋
122 へり
124 プローブ受け組立体
126 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス誘導チューブから凝結した蒸気及び湿分を集積する組立体であって、
少なくとも一部分に流体流路が貫通形成された挿通部材と、
内部を有し、前記挿通部材と流体連通状態にある集積リザーバと、
前記ガス誘導チューブに対して前記集積リザーブの位置を維持するための保持機構と、
を備えることを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記挿通部材は、導管を含み、前記導管は、流体を前記集積リザーバに導くことが可能であることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記挿通部材は、前記導管の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記集積リザーバは、開口を持つ蓋部材を含み、前記蓋部材は、流体が前記開口を通って前記集積リザーバに流通することが可能なように前記挿通部材と連通状態にあることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記挿通部材は、流体が前記挿通部材の少なくとも一部分を通って流通することが可能なように複数の開口を持ち、前記開口の少なくとも1つは、前記ガス誘導チューブの中にある流体が前記組立体の中に入ることを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記挿通部材は、流体が前記挿通部材の少なくとも一部分を通って流通することが可能なように、そこに複数の開口を持ち、前記挿通部材にある少なくとも1つの開口が、流体を前記リザーバの中に通すことを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項7】
前記導管は、流体が前記導管の少なくとも一部分を通って流通することが可能なように複数の開口を持ち、前記開口の少なくとも1つは、前記ガス誘導チューブにある流体が前記組立体に入ることを可能にすることを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項8】
前記導管は、流体が前記導管の少なくとも一部分を通って流通することが可能なように複数の開口を持ち、前記導管にある開口の少なくとも1つは、流体が前記リザーバに通ることを可能にすることを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項9】
前記リザーバは、前記リザーバから流体を吸引するアクセス口を持つことを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項10】
前記アクセス口は、プローブを受け取ることが可能な前記リザーバ内にある通常は閉状態の開口であり、該開口を通して、吸引力が選択的に連通させられて前記リザーバから流体を除去することを特徴とする請求項9に記載の組立体。
【請求項11】
前記リザーバの通常は閉状態の開口と前記リザーバの前記内部の間に排液チューブが介在させられたことを特徴とする請求項10に記載の組立体。
【請求項12】
前記保持機構は、前記ガス誘導チューブの一部分を囲んで前記チューブに対して前記組立体の位置を維持することを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項13】
前記保持機構は、クランプを含むことを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項14】
前記チューブ又は前記組立体から流体漏れを減少するための少なくとも1つのシール部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項15】
前記シール部材は、前記保持機構の少なくとも一部分に配置されることを特徴とする請求項14に記載の組立体。
【請求項16】
換気システムの排液方法であって、
ガス誘導チューブから凝結した蒸気及び湿分を集積するために、
少なくとも一部分に流体流路が貫通形成された挿通部材と、
内部を有し、前記挿通部材と流体連通状態にある集積リザーバと、
前記ガス誘導チューブに対して前記組立体の位置を維持するための保持機構と、
からなる組立体を準備し、
前記ガス誘導チューブの中に前記挿通部材を挿入して前記ガス誘導チューブの中に開口を形成し、
前記チューブに前記組立体を取り付けて、前記チューブ内の液体が前記集積リザーバの中に流れるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記集積リザーバから流体を吸引する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
吸引する前記段階は、蓄積された流体を前記リザーバから周期的に吸引することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記挿通部材を挿入する段階は、前記チューブに沿った低点で起こることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記吸引する段階は、プローブによって成されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記吸引する段階は、吸引源を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
加熱ワイヤ回路を排液する方法であって、
回路から凝結した蒸気及び湿分を集積するために、
少なくとも一部分に流体流路が貫通形成された挿通部材と、
内側を有し、前記挿通部材と流体連通状態にある集積リザーバと、
前記回路に対して前記組立体の位置を維持するための保持機構と、
からなる組立体を準備し、
前記回路に前記挿通部材を挿入して前記回路内に開口を形成し、
前記回路に前記組立体を取り付けて前記回路内の流体が前記リザーバに流れるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記挿通部材は、前記回路の低点で前記回路に挿入されることを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−521172(P2006−521172A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508759(P2006−508759)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/004722
【国際公開番号】WO2004/093955
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)