説明

ガラスレンズ及びアレイユニット

【課題】成形時の収縮によって破損が生じにくく他の部品の正確な位置決めが可能なガラスレンズ及びこれを備えるアレイユニットを提供すること。
【解決手段】テーパー面12jと第1フランジ面12hとの境界を円弧形状とするので、成形金型40の対応するエッジ部EDにおけるエッジが滑らかになり、離型の前にレンズアレイ102が収縮しても、レンズアレイ102に割れや欠けが生じにくい。また、条件式0≦R/7−θを満たすように半径Rと傾斜角θとを設定することにより、半径Rの2乗のレートで傾斜角θを大きくするので、第2レンズ素子12の円弧形又はエッジ部ED状の角がきつい場合にテーパー面12jの傾斜を小さくして割れ等を生じにくくしつつも、半径Rに適した最大限の傾斜角θを確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスのプレスによって成形されるガラスレンズ及びアレイユニットに関し、特に他の部品を組み付けた構造を実現するガラスレンズ等に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスレンズを組み込んだ光学機器として、鏡筒と、これに収納される第1及び第2のレンズとを備え、第1のレンズのコバ外周部に設けたリブ内壁部が円錐面を有し、第2のレンズのコバ外周部に設けたリブ外壁部が円錐面を有するものがある(特許文献1参照)。この光学機器では、第1のレンズを鏡筒に挿入して光軸方向の位置決めを行い、次いで、第2のレンズを鏡筒に挿入して第1のレンズの円錐面と第2のレンズの円錐面とを当接させて光軸と光軸方向との位置決めをし、次いで、鏡筒の挿入部付近で第2のレンズを接着剤で鏡筒に固定する。
【0003】
しかしながら、ガラスのプレスによって形成されるレンズについては、これに対して特許文献1に開示されたレンズのような円錐面を形成しようとすると、成形品としてのガラスが冷却される際に成形によって得られた円錐面が金型中心側に移動するので、ガラス材料の脆性により、レンズが割れたり欠けたりする問題がある。ここで、成形品としてのガラスは、レンズ径が大きくなったり、複数個取りなどで成形品のサイズが大きくなったりすることでその収縮量が増大するため、割れ・欠けのおそれが高まる性質がある。
【0004】
ところで、絞り等の他の部品をガラスレンズの光学面の周辺に形成した溝に嵌め込むように保持させる場合がある。このような溝については、段差にテーパーを設けて上記のような他の部品の位置決めに利用することが考えられる。この際、溝に設けたテーパー角度を緩くすることで、ガラスレンズの成形時にレンズ材料の収縮によって破損が生じやすくなることを防止できる。しかしながら、溝に設けたテーパー角度を緩くすると、上記のような他の部品の挿入に際してガタが生じやすく、他の部品の位置決め精度が劣化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−84926号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、成形時の収縮によって破損が生じにくく他の部品の正確な位置決めが可能なガラスレンズ及びこれを備えるアレイユニットを提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るガラスレンズは、溶融ガラスを金型で成形することにより形成されるガラスレンズであって、光学面を有するレンズ本体と、レンズ本体の周囲に延在し、光学面側に第1フランジ面を有する第1フランジ部と、第1フランジ部の周囲に延在し、光学面側に第2フランジ面を有する第2フランジ部と、第1フランジ部と第2フランジ部との間に設けられ、第1及び第2フランジ面側にテーパー面を有するとともに、別の部材を位置決めして支持する段差部とを備え、第1及び第2フランジ面のうち低い位置にある一方のフランジ面とテーパー面との境界は、円弧形状を有し、円弧形状の半径をR〔μm〕とし、レンズ光軸に垂直な面に対するテーパー面のなす傾斜角をθ〔°〕としたときに、以下の条件式。
0≦R/7−θ (1)
R≧5 (2)
を満たす。なお、第1又は第2フランジ面について低い位置にあるとは、光軸方向を基準として、フランジ面がより深く裏面側に近い位置に配置されていることを意味する。
【0008】
上記ガラスレンズでは、テーパー面とフランジ面との境界を円弧形状とするので、金型の対応する部分におけるエッジが滑らかになり、離型の前にガラスレンズが収縮してもガラスレンズに割れや欠けが生じにくい。また、上記条件式(1)を満たすように半径Rと傾斜角θ°とを設定することにより、半径Rμmの2乗のレートで傾斜角θ°の上限適正値を大きくするので、円弧形状の角がきつい場合に傾斜を小さくして割れ等を生じにくくしつつも、半径Rμmに適した最大限の傾斜角θ°を確保することができる。言い換えるならば、円弧形状の角の滑らかさに合わせて、傾斜を大きくすることで、割れ等の発生を抑えつつも他の部品の位置決め精度を向上させることができる。なお、上記条件式(2)を満たすことにより、円弧形状の半径Rμmをある程度大きくでき、円弧形状による割れ等の防止効果を確保できる。
【0009】
本発明の具体的な側面では、上記ガラスレンズは、以下の条件式
30<θ≦70 (3)
を満たしている。テーパー面の傾斜角θ°が30°以下になると、一般的に、テーパー面を他の部品の位置決めとして利用する際に傾斜が不十分なものとなる。逆に、テーパー面の傾斜角θ°が70°よりも大きくなると、一般的に、ガラスレンズの離型が容易でなくなる。
【0010】
本発明の別の具体的な側面では、第1フランジ部が、第2フランジ部よりも低い位置にあって、凹形状を形成している。この場合、第1フランジ部が窪んで他の部品を嵌め込み易くなる。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、第1フランジ面と第2フランジ面とは、レンズ光軸に垂直な面に平行に延びるとともに同心に配置される。この場合、第1フランジ部や第2フランジ部によって他の部品を補助的に支持することができる。
【0012】
本発明のさらに別の側面では、別の部材が、絞り部材である。この場合、絞り部材を簡易な作業によってレンズ本体の光学面に対して正確に位置決めして固定できる。
【0013】
本発明のさらに別の側面では、第1フランジ部は、第1フランジ面側で絞り部材に対向し、第2フランジ部は、第2フランジ面側で別のガラスレンズ部に接合される。この場合、一対のガラスレンズ部によって、絞り部材を挟んだ構造を有するガラスレンズを得ることができる。
【0014】
本発明に係るアレイユニットは、溶融ガラスを金型で成形することにより形成され複数のレンズ部をそれぞれ有する複数のレンズアレイを積層したアレイユニットであって、複数のレンズアレイのうち少なくとも1つのレンズアレイのレンズ部は、光学面を有するレンズ本体と、レンズ本体の周囲に延在し光学面側に第1フランジ面を有する第1フランジ部と、第1フランジ部の周囲に延在し光学面側に第2フランジ面を有する第2フランジ部と、第1フランジ部と第2フランジ部との間に設けられテーパー面を有するとともに別の部材を位置決めして支持する段差部とを備え、第1及び第2フランジ面のうち低い位置にある一方のフランジ面とテーパー面との境界は、円弧形状を有し、円弧形状の半径をR〔μm〕とし、レンズ光軸に垂直な面に対するテーパー面のなす傾斜角をθ〔°〕としたときに、以下の条件式
0≦R/7−θ (1)
R≧5 (2)
を満たす。
【0015】
上記アレイユニットでは、テーパー面とフランジ面との境界を円弧形状とするので、離型の前にガラスレンズが収縮してもガラスレンズに割れや欠けが生じにくい。また、上記条件式(1)を満たすように半径Rμmと傾斜角θ°を設定することにより、円弧形状の角がきつい場合に傾斜を小さくして割れ等を生じにくくしつつも、半径Rに適した最低限の傾斜角θ°を確保して別の部材の位置決めを行うことができる。なお、上記条件式(2)を満たすことにより、円弧形状の半径Rμmを大きくでき、円弧形状による割れ等の防止効果を確保できる。
【0016】
本発明の具体的な側面では、上記アレイユニットは、以下の条件式
30<θ≦70 (3)
を満たしている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は、第1実施形態のガラスレンズである組レンズの平面図であり、(B)は、組レンズの断面図である。
【図2】(A)は、組レンズを構成する第2レンズ素子の裏側の平面図であり、(B)は、図1(B)に示す組レンズの部分拡大断面図であり、(C)は、第2レンズ素子のテーパー面を説明する部分拡大断面図である。
【図3】(A)は、レンズアレイ積層体の平面図であり、(B)は、(A)に示すレンズアレイ積層体のAA矢視断面図である。
【図4】組レンズの材料となるレンズアレイの製造に用いる成形装置を説明する図である。
【図5】レンズアレイの製造に用いる成形装置を説明する図である。
【図6】レンズアレイの成形の際に生じる現象を概念的に説明する拡大断面図である。
【図7】レンズアレイの評価をマトリックス状にまとめたものである。
【図8】第2実施形態のガラスレンズ等を説明する部分拡大断面である。
【図9】第3実施形態のガラスレンズを説明する部分拡大断面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るガラスレンズ及びその製造方法について説明する。
【0019】
図1(A)及び1(B)に示すガラスレンズとしての組レンズ10は、後述するレンズアレイ積層体からダイシングによって切り出された四角柱状の部材であり、レンズ光軸OA方向から見て四角形の輪郭を有する。組レンズ10は、第1レンズ素子11と、第2レンズ素子12と、これらの間に挟まれた絞り15とを備える。なお、組レンズ10は、例えば別途準備したホルダに収納され、撮像レンズとして撮像素子に接着される。
【0020】
組レンズ10のうち、第1レンズ素子11は、ガラス製のレンズであり、レンズ光軸OA周辺の中央部に設けられた円形輪郭のレンズ本体11aと、このレンズ本体11aの周辺に延在する方形輪郭のフランジ部11bとを有する。中央のレンズ本体11aは、例えば非球面型のレンズ部であり、一対の光学面11d,11eを有している。周囲のフランジ部11bは、レンズ本体11aを周囲から支持しており、表側の光学面11dの周囲に広がる平坦なフランジ面11gと、裏側の光学面11eの周囲に広がる平坦なフランジ面11hとを有する。両フランジ面11g,11hは、レンズ光軸OAに垂直なXY面に対してそれぞれ平行に配置されている。
【0021】
第2レンズ素子12は、ガラス製のレンズであり、レンズ光軸OA周辺の中央部に設けられる円形輪郭のレンズ本体12aと、このレンズ本体12aの周辺に延在する円形輪郭の第1フランジ部12bと、このレンズ本体12aの外側に延在する方形輪郭の第2フランジ部112bと、第1及び第2フランジ部12b,112bとの間に設けられた段差部12cとを有する。
【0022】
中央のレンズ本体12aは、例えば非球面型のレンズ部であり、一対の光学面12d,12eを有している。
【0023】
レンズ本体12aの外側の第1フランジ部12bと、第2フランジ部112bと、段差部12cとを合わせた全体は、第1レンズ素子11のフランジ部11bに対向しており、レンズ本体12aを周囲から支持するフランジ部と見ることができる。
【0024】
図1(B)及び2(A)に示すように、内側の第1フランジ部12bは、表側の光学面12dの周囲に広がる平坦な表側フランジ面12gと、裏側の光学面12eの周囲に広がる平坦で輪帯状の第1フランジ面12hとを有する。外側の第2フランジ部112bは、第1フランジ部12bと共通する表側フランジ面12gと、裏側の第1フランジ面12hの外側に広がる平坦で内側が円形で外側が四角形の第2フランジ面12iとを有する。第1及び第2フランジ部12b,112bの間の段差部12cは、両フランジ部12b,112bと共通する表側フランジ面12gと、第1及び第2フランジ面12h,12iをつなぐテーパー面12jとを有する。これらのうち、表側フランジ面12gと、第1及び第2フランジ面12h,12iとは、レンズ光軸OAに垂直なXY面に対してそれぞれ平行に配置されて、レンズ光軸OAのまわりに同心に配置されている。ただし、第1フランジ面12hと第2フランジ面12iとは、レンズ光軸OA方向の高さ位置が異なるので、テーパー面12jは、かかる高さ位置の差d(図2(B)参照)に対応して、レンズ光軸OAに垂直なXY面面に対して傾斜しており、レンズ光軸OAのまわりに対称的に配置された平滑面となっている。なお、本実施形態の場合、第2フランジ面12iよりも第1フランジ面12hの方が低い位置にあり、第1フランジ面12hによって凹形状が形成され、テーパー面12jは、レンズ光軸OAある中心側で低くなるすり鉢状の傾斜を有している。
【0025】
絞り15は、中央に開口OPを有する輪帯状の部材(他の部品)であり、第1レンズ素子11のフランジ部11bの内周側と、第2レンズ素子12の第1フランジ部12bとの間に挟まれて固定されている。図示の例において、絞り(他の部品)15は、第2レンズ素子12の第1フランジ部12bの裏側に設けた環状の溝12rに嵌め込まれている。この絞り15は、例えば遮光性の金属板や樹脂フィルムで形成されており、ガラスレンズである組レンズ10で迷光が発生することを防止している。
【0026】
図2(B)に示すように、絞り15は、第2レンズ素子12の第1フランジ部12bに支持されてレンズ光軸OA方向に関する位置決めが行われている。また、絞り15は、その周囲を第2レンズ素子12のテーパー面12jによって囲まれており、レンズ光軸OA方向に垂直なXY面面に平行な方向に関する位置決めが行われている。つまり、絞り15の外縁15pは、絞り15に重力が作用する状況でテーパー面12jに当接することで、テーパー面12jからレンズ光軸OA向きの力を受ける。絞り15の中心軸がレンズ光軸OAからずれると、それを解消するような中心軸向きの力が働くことになるので、センタリング又はセルフアライメントが達成される。なお、図示の例では、絞り15の厚みが第1及び第2フランジ面12h,12iの高低差dよりも少なくなっているが、絞り15の厚みが高低差d程度になれば、溝12r内での絞り15の動きを第1レンズ素子11によって抑えることができる。さらに、絞り15を溝12rに挿入することによって位置決めした後に絞り15をエネルギー硬化性の樹脂接着剤で第1フランジ面12hに固定することによっても、溝12r内で絞り15を固定することができる。
【0027】
以上の組レンズ10において、第1レンズ素子11と第2レンズ素子12とは、フランジ面11hと第2フランジ面12iとの間に介在させた不図示の接着剤によって接合されている。
【0028】
図2(C)を参照して、段差部12cにおけるテーパー面12j等の形状について説明する。図示の例では、段差部12cにおいて、テーパー面12jは、レンズ光軸OAに垂直なXY面に対する傾斜角θ°が20°以上、より好ましくは30°より大きく70°以下となっている。つまり、以下の条件式(3)が成り立っている。
30<θ≦70 (3)
【0029】
また、テーパー面12jと第1フランジ面12hとの境界には、円弧形状部12vが設けられている。この円弧形状部12vは、レンズ光軸OAを通る平面に沿った断面が円弧形状となっており、曲率半径Rμmが5μm以上となっている。つまり、以下の条件式(2)が成り立っている。
R≧5 (2)
【0030】
テーパー面12jの傾斜角θ°については、これを20°以上、より好ましくは30°より大きくすることで、テーパー面12jによる位置決めの効果を持たせている。つまり、テーパー面12jによって、絞り15の芯出し又はセンタリングが可能になりその精度を高めることができる。また、テーパー面12jの傾斜角θ°を70°以下とすることで、第2レンズ素子12の離型性を確保している。すなわち、テーパー面12jの傾斜角θ°が過度に大きくなると、第2レンズ素子12の冷却及び収縮によってテーパー面12jの部分で金型と成形品としての第2レンズ素子12とが噛み合いやすくなり、離型抵抗が大きくなるとともに第2レンズ素子12の破損のおそれも高まる。
【0031】
円弧形状部12vの曲率半径Rμmについては、これを5μm以上とすることで、離型時にテーパー面12jと第1フランジ面12hとの境界が比較的滑らかになるので、離型時に円弧形状部12v付近に応力が集中して割れ等が発生することを防止できる。
【0032】
なお、テーパー面12jと第2フランジ面12iとの境界には、円弧形状部が設けられていないが、これらの境界に円弧形状部を設けることもできる。ただし、第2レンズ素子12を成形する金型の突起部分の先端側分を囲むガラス部分において収縮等による応力が発生し易いという事情があり、本実施形態の場合、第2レンズ素子12とって窪みに相当するテーパー面12jと第1フランジ面12hとの境界において上記のような円弧形状部12vを設けることに意義がある。
【0033】
以下、テーパー面12jの傾斜角θ°と円弧形状部12vの曲率半径Rμmとの関係について説明する。テーパー面12jの傾斜角θ°と円弧形状部12vの曲率半径Rμmとは、以下の条件式(1)を満たすように設定することが望ましい。
0≦R/7−θ (1)
【0034】
上記条件式(1)は、半径Rの増加に応じて半径Rの2乗のレートで傾斜角θを大きくできることを意味する。つまり、円弧形状部12vの曲率半径Rμmが小さく角がきつい場合は、傾斜角θ°を過度に小さくならないように適宜小さくして離型時の割れ等の防止を優先しつつ、絞り15の位置決めについても一定の効果を確保できるようにする。また、円弧形状部12vの曲率半径Rμmが大きく角が緩やかな場合は、傾斜角θ°の自由度が高まり、離型時の割れ等をあまり気にすることなく傾斜角θ°を適宜大きくでき、絞り15の位置決め精度を十分に向上させることができる。なお、上記条件式(1)は、実験的に導かれたものであり、その根拠については後述する。
【0035】
以下、図1(A)等に示す組レンズ10の製造について説明する。まず、図3(A)及び3(B)に示すような円板状のレンズアレイ積層体100を作製し、ダイシング等を利用してレンズアレイ積層体100を分割することで、同一形状を有する4つの四角柱状のガラスレンズとして、図1(A)等に示す組レンズ10を得る。言い換えれば、レンズアレイ積層体100は、複数の組レンズ10を2次元的に配列して一体化したものとなっている。
【0036】
レンズアレイ積層体100は、第1及び第2レンズアレイ101,102が軸AXに垂直なXY面内での並進及び軸AXのまわりの回転に関してアライメントされて接合されたものであり、第1及び第2レンズアレイ101,102の間には、4つの組レンズ10に対応して4つの絞り15が挿入される。第1レンズアレイ101は、レンズ本体11aとフランジ部11bとを一組とする4つのレンズ素子11をXY面内で2次元的に配列した半製品であり、これら4つのレンズ素子11は、ダイシングによる個片化前には一体化されている。同様に、第2レンズアレイ102も、レンズ本体12aとフランジ部12bとを一組とする4つのレンズ素子12をXY面内で2次元的に配列した半製品であり、これら4つのレンズ素子12は、ダイシングによる個片化前には一体化されている。
【0037】
第1及び第2レンズアレイ101,102を接合する際には、予め、第2レンズアレイ102に設けた4つの第2レンズ素子12の周囲に形成された4つの環状の溝12rに絞り15をそれぞれ嵌め込んでおく。その後、第2レンズアレイ102の第2フランジ面12i部の適所に接着剤を薄く塗布し、第2レンズアレイ102に向けて第1レンズアレイ101を降下させるようにして両レンズアレイ101,102を貼り合わせ、フランジ面11h,12iの間の接着剤を硬化させる。
【0038】
なお、図3(A)に示すレンズアレイ積層体100において、X方向に延びる境界線L1やY方向に延びる境界線L2は、格子点に配置された4つの組レンズ10の外縁を示している。これらの境界線L1,L2は、レンズアレイ積層体100に対してダイシングを行う際の基準となっている。
【0039】
以下、図3(A)に示すレンズアレイ積層体100を構成する第1及び第2レンズアレイ101,102の製造方法の一例について説明する。図4、5に示す成形装置200は、原材料であるガラスを溶融して直接プレスする加圧成形用の装置であり、図3(A)等に示すレンズアレイ積層体100を構成するレンズアレイ101,102を製造することができる。なお、成形装置200は、主要な部材である成形金型40の他に、レンズアレイ101,102の製造にあたって成形金型40に移動、開閉動作等を行わせるための制御駆動装置60、ガラス滴形成装置80(図5参照)等をさらに備える。
【0040】
図4に示すように、成形金型40は、可動側の上型41と、固定側の下型42とを備える。成形の際、下型42は固定状態に維持され、上型41は下型42に対向するように移動して、両型41,42を互いに突き合わせるような型閉じが行われる。
【0041】
上型41は、型本体41aと支持部41bとヒータ部41cとを備える。下型42も、型本体42aと支持部42bとヒータ部42cとを備える。上型41のうち型本体41aは、型面41e上に、成形に際しての転写面として複数の光学面転写面51aと、これらを囲む周辺部転写面51bとを有し、下型42のうち型本体42aは、型面42e上に、成形に際しての転写面として複数の光学面転写面52aと、これを囲む周辺部転写面52bとを有する。
【0042】
成形金型40がレンズアレイ101を成形するものである場合、型本体41aに設けた光学面転写面51aは、第1レンズ素子11を構成するレンズ本体11aの光学面11eに対応し、周辺部転写面51bは、第1レンズ素子11を構成するフランジ部11bのフランジ面11hに対応するものとなる。また、型本体42aに設けた光学面転写面52aは、第1レンズ素子11を構成するレンズ本体11aの光学面11dに対応し、周辺部転写面52bは、第1レンズ素子11を構成するフランジ部11bのフランジ面11gに対応するものとなる。
【0043】
同様に、成形金型40がレンズアレイ102を成形するものである場合、型本体41aに設けた光学面転写面51aは、第2レンズ素子12を構成するレンズ本体12aの光学面12eに対応し、周辺部転写面51bは、第1レンズ素子11を構成する第1及び第2フランジ部12b,112bのフランジ面12h,12iと、段差部12cのテーパー面12jとに対応するものとなる。また、型本体42aに設けた光学面転写面52aは、第2レンズ素子12を構成するレンズ本体12aの光学面12dに対応し、周辺部転写面52bは、第2レンズ素子12を構成する第1及び第2フランジ部12b,112b等の表側フランジ面12gに対応するものとなる。
【0044】
図5に示すように、ガラス滴形成装置80は、原材料供給部81を有する。原材料供給部81は、不図示の坩堝等で溶融させた溶融ガラスGを溜めて適当な粘度に維持しており、所定のタイミングで溶融ガラスGから得たガラス滴GDをノズル81aから滴下させて、下型42の型面42eに供給する部分である。型面42eに着地したガラス滴GDは、光学面転写面52aを埋め、周辺部転写面52b全体を覆うように広がって平坦化する。型面42eに着地したガラス滴GDが、さらに多量のガラス滴であった場合には、型本体42aの側面にまで流れ込む場合もある。例えば、型本体42aが、投影面積でレンズアレイ101,102よりも十分大きくない場合に、型本体42aの側面にガラス滴が回りこんでしまう。その場合、型本体42aから、成型品であるレンズアレイ101,102が抜けなくなることがあり得るので、型本体42aは、レンズアレイ101,102よりも投影面積に関してある程度大きく構成し、或いは型本体42aの側面をテーパー面としている。なお、型面42e上のガラス滴GDは、そのままの状態では徐々に冷却されるが、ヒータ部42cによる加熱などで冷却速度を制御されつつ、成形金型40による加圧成形によりレンズアレイ101,102が成形される。
【0045】
図4に戻って、上型41と下型42とは、加圧成形時において、上型41の各光学面転写面51aと、下型42の対応する各光学面転写面52aとがそれぞれ同軸に配置され、プレス時及び冷却時に互いに所定間隔だけ離間する等、適切な位置関係を保つものとなっている。
【0046】
制御駆動装置60は、成形金型40によるレンズアレイ101,102の成形のために、ヒータ部41c,42cへの給電の制御や、上型41及び下型42の開閉動作等の、成形金型40を組み込んだ成形装置200全体の制御を行う。なお、制御駆動装置60に駆動された上型41は、図4に示すように、水平なAB方向に移動可能であるとともに、鉛直のCD方向に移動可能になっている。例えば両型41,42を合わせて型閉じを行う際には、まず下型42の上方位置に上型41を移動させて両型41,42の軸CX1,CX2を一致させ、延いては上側の光学面転写面51aと下側の光学面転写面52aとをそれぞれ一致させ、上型41を降下させて下型42側に所定の力で押し付ける。
【0047】
以上の成形装置200により、図3(A)に示す第1及び第2レンズアレイ101,102を、一体化した成形品として直接的に形成することができる。
【0048】
図4、6等を参照して、レンズアレイ102の成形の際に生じる現象を概念的に説明する。プレス後、成形金型40を構成する上型41及び下型42間で徐々に冷却されたレンズアレイ102は、かかる冷却に伴って徐々に収縮するので、レンズアレイ102を構成する第2レンズ素子12のテーパー面12j等は矢印ABの方向に移動しようとする。この際、上型41の周辺部転写面51bは、第1転写面T1と第2転写面T2と第3転写面T3とを有する。周辺部転写面51bが突起する部分のうち第1転写面T1と第3転写面T3との境界に設けたエッジ部EDは、レンズアレイ102と干渉しやすい部分となっている。しかしながら、図示のエッジ部EDは滑らかに加工されており、レンズアレイ102においてエッジ部EDに対応する部分は円弧形状部12vとなっている。よって、レンズアレイ102の円弧形状部12v及びその周辺については、応力の集中による割れや欠けが生じにくくなっている。
【0049】
以下、レンズ素子12の段差部12cに設けたテーパー面12jの傾斜角θ°とテーパー面12jに隣接する円弧形状部12vの曲率半径Rμmとの間の大小関係を決定した実験について説明する。以下の表1は、傾斜角θ°と曲率半径Rμmとを変化させつつ成形を行った結果を示している。
【表1】

表の左側に記載した項目のうち、「レンズの割れ・ヒビ」は、成形によって得られたレンズアレイにおいて割れやヒビが観察されたか否かを意味しており、割れやヒビが観察されなかった場合、「○」となり、割れやヒビが観察された場合、「×」となっている。「絞りの設置位置」は、組レンズ10に組み立てる際に絞り15が適正に芯出しされて配置されたか否かを意味しており、絞り15の配置が完全に許容範囲内である場合、「○」となり、絞り15の配置が完全に許容範囲外である場合、「×」となり、絞り15の配置が許容範囲内外の境界である場合、「△」となっている。「総合評価」は、「レンズの割れ・ヒビ」に関して「○」と評価され、「絞りの設置位置」に関して「○」と評価されたもののみを「○」とし、それ以外を「×」としている。なお、最下欄の「R/7−θ」は、条件式(1)の値を上の欄の傾斜角θ°と曲率半径Rμmとに基づいて算出したものである。
【0050】
表1の実験条件について説明すると、図4に示すような成形金型40により、溶融ガラスを下型42上に受けて直接成形する液滴法を行うことで、図3(A)等に示すレンズアレイ101,102すなわち試料の成形が行われた。レンズアレイ101,102は、碁盤目状に2×2のレンズ素子11,12を有しており、その配列ピッチは約3mmとした。レンズアレイ101,102の材料は、一般的な光学ガラスであり、滴下温度はおよそ900℃とした。成形金型40を構成する型本体41a,41bは、超硬合金(具体的にはタングステンカーバイド)であり、型面に耐熱保護膜を形成したものとした。成形金型40による成形条件は、金型温度がおよそ420〜460℃であり、成形圧力が14MPaであった。
表1中の割れ等の評価は、上記の成形条件で100ショット成形したときのものであり、レンズアレイ102の第2レンズ素子12の部分を工具顕微鏡で観察した結果である。また、表1中の絞りの設置位置の評価については、一般的な搬送供給装置を用い、絞り15を第2レンズ素子12の第1フランジ面12hの上方に近接して配置した状態で、絞り15の把持を解除して落下させた。搬送供給装置による絞り15の位置決め精度はおよそ10μmであった。絞り部材15を第2レンズ素子12上に供給後、第2レンズ素子12の第2フランジ面12i等に紫外線硬化性接着材を塗布し第1レンズ素子11を有するレンズアレイ101を接合する。100セットの接合後、絞り部材15の設置位置を工具顕微鏡で検査した。
【0051】
図7は、「総合評価」をマトリックス状にまとめたものである。この際、横方向を曲率半径Rμmの値とし、縦方向を傾斜角θ°の値としている。このマトリックス表示において、濃い背景で示された右側の領域A1は、指標値R/7−θがとなる領域であり、白い背景で示された左上側の領域A2は、指標値R/7−θが0より小さくなる領域である。つまり、マトリックス表示を一種のグラフと考えれば、領域A1,A2の境界は、θ=R/7に対応する曲線となっている。領域A1の条件とすること、言い換えれば指標値R/7−θの値を0以上とすることにより、「総合評価」特に「レンズの割れ・ヒビ」の評価を「○」とすることができる。
【0052】
以上のように、本実施形態の組レンズ10又は第2レンズ素子12によれば、テーパー面12jと第1フランジ面12hとの境界を円弧形状とするので、成形金型40の対応するエッジ部EDにおけるエッジが滑らかになり、離型の前にレンズアレイ102が収縮しても、レンズアレイ102に割れや欠けが生じにくい。また、上記条件式(1)を満たすように半径Rと傾斜角θとを設定することにより、半径Rの2乗のレートで傾斜角θを大きくするので、第2レンズ素子12の円弧形状又はエッジ部ED状の角がきつい場合にテーパー面12jの傾斜を小さくして割れ等を生じにくくしつつも、半径Rに適した最大限の傾斜角θを確保することができる。言い換えるならば、第2レンズ素子12の円弧形状又はエッジ部EDの角の滑らかさに合わせて、傾斜を大きくすることで、割れ等の発生を抑えつつも他の部品の位置決め精度が向上するようにできる。
【0053】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るガラスレンズ等について説明する。なお、第2実施形態のガラスレンズ等は、第1実施形態のガラスレンズ等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
【0054】
図8に示すように、本実施形態の場合、円弧形状部212vと、テーパー面12j又は第1フランジ面12hとの境界が略角度ゼロで接するように接続されるのではなく、円弧形状部112vと、テーパー面12j又は第1フランジ面12hとが一定以上の角度をなして接続されている。この場合も、円弧形状部212vやテーパー面12jについて、上記条件式(1)を満たすように半径Rと傾斜角θとを設定することにより、第2レンズ素子12の円弧形状又はエッジ部ED状の角がきつい場合にテーパー面12jの傾斜を小さくして割れ等を生じにくくしつつも、半径Rに適した最大限の傾斜角θを確保することができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るガラスレンズ等について説明する。なお、第3実施形態のガラスレンズ等は、第1実施形態のガラスレンズ等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
【0056】
図9は、第3実施形態におけるレンズアレイ102や上型41を説明する図である。図示のレンズアレイ102すなわち第2レンズ素子12の場合、第1フランジ部12bの外側に、第1フランジ部12bよりも低い第2フランジ部112bを設けている。つまり、第2フランジ部112bの第2フランジ面12iの方が第1フランジ部12bの第1フランジ面12hよりも低い位置にあり、第2フランジ面12iによって凹形状が形成されている。さらに、この例では、上型41の中心軸(不図示)が図面外の左側に大きく離れて存在するものとする。レンズアレイ102が冷却されて徐々に収縮する際に、レンズアレイ102を構成する第2レンズ素子12のテーパー面12j等は、必ずしも矢印ABの方向に移動せず、矢印CDの方向に移動しようとする場合がある。このような場合であっても、上型41の周辺部転写面51bが突起する部分のうち第2転写面T2と第3転写面T3との境界に設けたエッジ部EDが滑らかに加工されておれば、レンズアレイ102の対応する部分は円弧形状部12vとなる。これにより、レンズアレイ102の円弧形状部12v及びその周辺については、割れや欠けが生じにくくなっている。
【0057】
以上、本実施形態に係る光学素子の製造方法等について説明したが、本発明に係る光学素子の製造方法等は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、光学面11d,11e,12d,12eの形状、大きさは、用途や機能に応じて適宜変更することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、第2レンズ素子12に設けたテーパー面12jを利用して絞り15の位置決めを行っているが、絞り15ではなく第1レンズ素子11の位置決めを行うこともできる。つまり、第2レンズ素子12の割れ等の製造不良を防止しつつ、第2レンズ素子12に設けたテーパー面12jを利用して、第1レンズ素子11と第2レンズ素子12とを相互に位置決めすることができる。
【0059】
組レンズ10は、撮像レンズに限らず、光学面の変更により、光ピックアップレンズ等に適用可能である。
【0060】
また、組レンズ10は、上記第1及び第2レンズ素子11,12のみで構成する場合に限らず、3枚以上のレンズ素子で構成することができ、この場合も、これに組み込まれるレンズ素子と絞りとの相対的な位置決めや、レンズ素子相互の相対的な位置決めに上述した形状的な条件を満たすテーパー面12jを利用することができる。
【0061】
組レンズ10は、正方形柱状である必要はなく、円柱状又は長方形柱状とすることができる。
【符号の説明】
【0062】
42e…型面、 10…組レンズ、 11,12…レンズ素子、 11a…レンズ本体、 11b…フランジ部、 11d,11e…光学面、 11g,11h…フランジ面、 12…レンズ素子、 12a…レンズ本体、 12b…第1フランジ部、 112b…第2フランジ部、 12c…段差部、 12d,12e…光学面、 12g…表側フランジ面、 12h…第1フランジ面、 12i…第2フランジ面、 12j…テーパー面、 12r…溝、 12v…円弧形状部、 40…成形金型、 41…上型、 41a…型本体、 41e…型面、 42…下型、 42a…型本体、 42e…型面、 51a…光学面転写面、 51b…周辺部転写面、 52a…光学面転写面、 52b…周辺部転写面、 80…ガラス滴形成装置、 100…レンズアレイ積層体、 101,102…レンズアレイ、 200…成形装置、 AX…軸、 CX1,CX2…軸、 ED…エッジ部、 G…溶融ガラス、 GD…ガラス滴、 OA…レンズ光軸、 OP…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融ガラスを金型で成形することにより形成されるガラスレンズであって、
光学面を有するレンズ本体と、
前記レンズ本体の周囲に延在し、前記光学面側に第1フランジ面を有する第1フランジ部と、
前記第1フランジ部の周囲に延在し、前記光学面側に第2フランジ面を有する第2フランジ部と、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に設けられ、前記第1及び第2フランジ面側にテーパー面を有するとともに、別の部材を位置決めして支持する段差部と、を備え、
前記第1及び第2フランジ面のうち低い位置にある一方のフランジ面と前記テーパー面との境界は、円弧形状を有し、
前記円弧形状の半径をRμmとし、レンズ光軸に垂直な面に対する前記テーパー面のなす傾斜角をθ°としたときに、以下の条件式を満たすことを特徴とするガラスレンズ。
0≦R/7−θ
R≧5
【請求項2】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載のガラスレンズ。
30<θ≦70
【請求項3】
前記第1フランジ部は、前記第2フランジ部よりも低い位置にあって、凹形状を形成していることを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載のガラスレンズ。
【請求項4】
前記第1フランジ面と前記第2フランジ面とは、前記レンズ光軸に垂直な面に平行に延びるとともに同心に配置されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のガラスレンズ。
【請求項5】
前記別の部材は、絞り部材であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のガラスレンズ。
【請求項6】
前記第1フランジ部は、前記第1フランジ面側で前記絞り部材に対向し、前記第2フランジ部は、前記第2フランジ面側で別のガラスレンズ部に接合されることを特徴とする請求項5に記載のガラスレンズ。
【請求項7】
溶融ガラスを金型で成形することにより形成され複数のレンズ部をそれぞれ有する複数のレンズアレイを積層したアレイユニットであって、
前記複数のレンズアレイのうち少なくとも1つのレンズアレイのレンズ部は、光学面を有するレンズ本体と、前記レンズ本体の周囲に延在し前記光学面側に第1フランジ面を有する第1フランジ部と、前記第1フランジ部の周囲に延在し前記光学面側に第2フランジ面を有する第2フランジ部と、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に設けられ前記第1及び第2フランジ面側にテーパー面を有するとともに別の部材を位置決めして支持する段差部と、を備え、
前記第1及び第2フランジ面のうち低い位置にある一方のフランジ面と前記テーパー面との境界は、円弧形状を有し、
前記円弧形状の半径をRμmとし、レンズ光軸に垂直な面に対する前記テーパー面のなす傾斜角をθ°としたときに、以下の条件式を満たすことを特徴とするアレイユニット。
0≦R/7−θ
R≧5
【請求項8】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項7に記載のアレイユニット。
30<θ≦70
【請求項9】
前記第1フランジ部は、前記第2フランジ部よりも低い位置にあって、凹形状を形成していることを特徴とする請求項7及び8のいずれか一項に記載のアレイユニット。
【請求項10】
前記別の部材は、絞り部材であることを特徴とする請求項5から7までのいずれか一項に記載のアレイユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−14466(P2013−14466A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147779(P2011−147779)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)