説明

キッチン

【課題】コンロで調理した鍋等の調理器具を、簡単に収納することができる収納部を備えたキッチンを提供することを目的としている。
【解決手段】カウンタと、前記カウンタ上に配置されるコンロとを備えたキッチンであって、前記カウンタの上方且つ前記コンロと隣接する位置に、前記コンロに向かって開口する開口部を有する収納部を備え、前記収納部の内部は耐熱構造を有しており、前記開口部には、開閉可能な開閉扉が備わっており、前記開閉扉の開放時において、前記カウンタと前記収納部の底面とが、連続した略水平な面を形成していることを特徴とするキッチン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロを備えたキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンロにて調理を行い、過熱された比較的熱い鍋等がコンロ上に置かれたままになるのを防止するため、コンロの側方のコンロ近くのアイレベル空間に、少なくとも内壁の一部を耐熱部材とした収納キャビネットを設けた厨房装置は既に存在している(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平1−209011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の厨房装置によると、過熱された比較的熱い鍋等もそのまま収納キャビネットに収納できることから、鍋等が冷めるまでコンロ上に置かれたままになるのを防止することが出来る。しかしながら、この厨房装置は、
収納キャビネットがコンロ側方のアイレベル空間に設けられており、どうしてもコンロ上から一度鍋等を持ち上げた上で、収納キャビネット内に収納する必要があった。まだ鍋の中に料理が入っている場合、鍋は非常に重く、持ち上げる際に、作業者に非常に負荷がかかり、使い勝手が悪いと言える。また、鍋の中に入った料理がこぼれてしまう可能性もあり、やはり使い勝手が悪いといえる。
【0004】
本発明の目的は、コンロで調理した鍋等の調理器具を、簡単に収納することができる収納部を備えたキッチンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明にかかるキッチンは、
カウンタと、前記カウンタ上に配置されるコンロとを備えたキッチンであって、
前記カウンタの上方且つ前記コンロと隣接する位置に、前記コンロに向かって開口する開口部を有する収納部を備え、
前記収納部の内部は耐熱構造を有しており、
前記開口部には、開閉可能な開閉扉が備わっており、
前記開閉扉の開放時において、
前記カウンタと前記収納部の底面とが、連続した略水平な面を形成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、コンロで調理した鍋等を、キッチンを利用する作業者が簡単に収納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態を説明するのに先立って、本発明の作用及び効果について説明する。
【0008】
本発明にかかるキッチンは、カウンタと、前記カウンタ上に配置されるコンロとを備えたキッチンであって、前記カウンタの上方且つ前記コンロと隣接する位置に、前記コンロに向かって開口する開口部を有する収納部を備え、前記収納部の内部は耐熱構造を有しており、前記開口部には、開閉可能な開閉扉が備わっており、前記開閉扉の開放時において、前記カウンタと前記収納部の底面とが、連続した略水平な面を形成していることを特徴としている。
【0009】
キッチンがこのような構成を有することで、コンロから収納部に至るまでのカウンタ上には引っかかる部分が存在せず、キッチンの使用者は、コンロで調理した鍋等を、収納部に向けて持ち上げることなく押してスライドさせるだけで、収納部に鍋等を収納することができる。これによって、鍋等をコンロ上から簡単に移動させることができ、使用者の負担は大きく軽減することとなる。
【0010】
また、収納部の内部は耐熱構造を有していることから、比較的熱い状態の鍋等も収納することができ、また収納部内に収納された鍋等は冷めづらいことから、食事の際に暖めなおすという手間を軽減することもできる。
【0011】
また、開口部に開閉可能な開閉扉を備えることにより、収納部に鍋等を閉まった後、扉を閉めて隠せるので、キッチンの外観がスッキリとしたものとなり、美観が向上する。また、開閉扉を備えることにより、収納部に収納した鍋等に虫が集ったりすることも防止することができ、非常に衛生的である。また、開閉扉を閉めることにより収納部を密閉することが可能なため、鍋等の収納物は冷めづらく、料理の保管庫としての機能性も向上する。
【0012】
また、本発明にかかるキッチンにおいて、好ましくは、キッチンが、リビング空間とキッチン空間を仕切るように配置した対面型のキッチンであって、 前記コンロは、キッチン側に設けられており、前記収納部の開口部がリビング側にも設けられているよう形成しても良い。
【0013】
このように対面型キッチンとし、更にリビング側に収納部の開口部を設けることにより、リビング側に位置する使用者は、キッチン側に回り込むことなく、収納部に収納された鍋等から料理を取ることが出来るため、使用者の移動の手間が軽減されることとなる。
【0014】
この場合においても、収納部の内部が耐熱構造を有していることから、使用者は暖めなおすことなく、熱いままの料理をリビング側から盛り付けることができる。
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係るキッチンについて図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るキッチン1をキッチン側から見た斜視図である。図2は、図1に示したキッチン1をリビング側から見た斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るキッチン1に備わる食洗機100及び食器収納部200を透過的に示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係るキッチン1の食洗機100及び食器収納部200の使用手順を示す説明図である。
【0016】
本発明の一実施形態に係るキッチン1は、図1及び図2に示すように、住居内のリビング空間Lとキッチン空間Kとを仕切るように配置した対面型のキッチンであって、キッチン側において細長のキッチンカウンタの一方の端部にシンク11が設けられ、他方の端部にはコンロ13が設けられ、シンク11とコンロ13の間は調理スペースである調理用カウンタ12となっている。なお、本発明における調理スペースとは、キッチンの使用者が食材を切る等、キッチンカウンタ上で調理作業を行うための部分である。そして、リビング側においては、シンク11の開口部やコンロ13、調理用カウンタ12の備わった上面よりも上側に突出して人の丈ほどには至らない高さを有する食洗機100、食器収納部200、内部が耐熱構造となっている収納部である耐熱収納部300が備わっている。そして、食洗機100は、シンク11に隣接した位置に備わり、食器収納部200は調理用カウンタ12に隣接した位置に備わり、耐熱収納部300はコンロ13に隣接した位置に備わっている。
【0017】
このように食洗機100、食器収納部200、耐熱収納部300が互いに直列に並んでキッチン側のカウンタ面よりも上側に備わっていることで、リビング空間Lとキッチン空間Kを視覚的にある程度仕切るが両空間を完全には別空間とはせず、キッチン空間Kとリビング空間Lをある程度共有空間化し、これら両空間からなる広がりをもった共有空間としての快適性を保っている。なお、本実施形態においては、まず、本発明に直接関連する耐熱収納部300の構造及び作用について主に説明する。
【0018】
本実施例において、耐熱収納部300はコンロ13に隣接するよう、より詳細にはコンロ13から見てリビング空間側に、カウンタ12の上面よりも上方に位置するよう設けられている。耐熱収納部300の開口部であるコンロ側開口部301は、リビング側に位置したコンロ13に向かって設けられており、コンロ側開口部301には開閉扉320が開閉可能なように設けられている。このような構成とすることで、コンロ13から耐熱収納部300までの距離が短いため、作業者がコンロ13で調理した鍋等を耐熱収納部に収納する際の負荷が軽減される。
【0019】
図3に、耐熱収納部300の拡大図を示す。耐熱収納部の内部において、内壁部340はステンレス等の耐熱性を有する部材により構成された耐熱構造を有している。このように、少なくとも耐熱収納部300の内部であるないへき面340を耐熱構造とすることで、加熱されて比較的熱い鍋等をそのまま耐熱収納部300に収納しても、内部が焦げたり溶けたりするようなことはなく、また鍋等の熱も逃げにくいため、空気中に露出した状態でおくよりも中に入った料理が冷めづらい。
【0020】
また、本実施例において、耐熱収納部300の開閉扉320は、フラップ扉となっている。そのため、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300との底面303は、連続した略水平な面を形成している。このような構成にすることにより、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0021】
次に、耐熱収納部300の他の実施例について説明する。
【0022】
図4は、耐熱収納部300の開閉扉320を上下スライド扉とした実施例を示す図である。本実施例においても、開閉扉320の開放時に、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とは、連続した略水平な面を形成している。そのため、本実施例においても、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0023】
開閉扉320を上下スライド機構とすると、開閉扉320の開閉時においてもコンロ13側に開閉扉320が延出することがないため、開閉扉320の近傍のカウンタ12に物品を置いていたとしても、ぶつかることなく開閉扉320を開閉することができる。
【0024】
図5は、耐熱収納部300の開閉扉320をアップステーとした実施例を示す図である。本実施例においても、開閉扉320の開放時に、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とは、連続した略水平な面を形成している。そのため、本実施例においても、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0025】
開閉扉320をアップステーとすることにより、開閉扉320はさほどコンロ13側に延出しない状態で開閉が可能である。また、開閉扉320の全体が耐熱収納部300の上方に移動することから、コンロ側開口部301を最大限大きく利用することが出来る。
【0026】
図6は、耐熱収納部300の開閉扉320を引き戸とし、開閉扉320を移動させるためのレール部361、362に埋め込む形状とした実施例を示す図である。図6(a)は本実施例に係る耐熱収納部300の斜視図、図6(b)は図6(a)のA−A断面におけるコンロ側開口部301付近の詳細図であり、図6(c)はレール部361の詳細図である。本実施例において、開閉扉320は、耐熱収納部300に設けられたレール部361、362に嵌り込むような構成となっている。この際、耐熱収納部300の底面303に設けられたレール部361は下方に凹んだ形状を有しており、開閉扉320が位置していない部分においては、レール部361の上方に延出した部分は存在しない。
【0027】
本実施例においても、開閉扉320の開放時に、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とは、連続した略水平な面を形成している。本発明において略面一及び略水平とはすなわち、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350が完全な水平面となっている構成はもちろん、上方に延出した部分が存在せず、スライド部350における物品のスライド移動を阻害しない構成となっている状態も含むものである。本実施例においてはレール部361がカウンタ12よりも下方に凹んだ形状となっているが、その場合においてもカウンタ12よりも上方に延出した部分は存在しないため、物品のスライドは阻害されない。そのため、本実施例においても、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0028】
図7は、耐熱収納部300の開閉扉320を引き戸とし、開閉扉320を移動させるためのレール部363に吊り戸状に取り付けた場合の実施例を示す図である。図7(a)は本実施例に係る耐熱収納部300の斜視図、図7(b)は図7(a)のA−A断面におけるコンロ側開口部301付近の詳細図であり、図7(c)はレール部363の詳細図である。本実施例において、開閉扉320はその上端にレール部363に引っ掛かる部分となる引っ掛け部321を有し、耐熱収納部300に設けられたレール部363に引っ掛け部321が係合し、開閉扉320が吊り戸状に取り付けられる構成となっている。
【0029】
本実施例においても、開閉扉320の開放時に、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とは、連続した略水平な面を形成している。そのため、本実施例においても、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0030】
図8は他の実施例に係る耐熱収納部300の図であり、図8(a)は、耐熱収納部300の開閉扉320をシャッター状に構成した場合の、開閉扉320が閉じられた状態を示す図であり、図8(b)は開閉扉320が開放された状態を示す図である。開閉扉320が開放された状態において、開閉扉320は、耐熱収納部300に設けられた開閉扉収納部302に収納される。
【0031】
本実施例においても、開閉扉320の開放時に、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とは、連続した略水平な面を形成している。そのため、本実施例においても、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0032】
開閉扉320をシャッターとした場合においても、開閉扉320の開閉時においてもコンロ13側に開閉扉320が延出することがないため、開閉扉320の近傍のカウンタ12に物品を置いていたとしても、ぶつかることなく開閉扉320を開閉することができる。
【0033】
図9は他の実施例に係る耐熱収納部300の図であり、図9(a)は、耐熱収納部300の開閉扉320をスライドインが可能なように構成した場合の、開閉扉320が閉じられた状態を示す図であり、図9(b)は開閉扉320が開放された状態を示す図である。開閉扉320が開放された状態において、開閉扉320は、耐熱収納部300に設けられた開閉扉収納部302に収納される。本実施例において、開閉扉320を開放する際は、開閉扉320をキッチン空間側に引く様にして開放し、その後開閉扉320を開閉扉収納部302に向けて、すなわちリビング空間側に押し込むようにして収納する。
【0034】
本実施例においても、開閉扉320の開放時に、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とは、連続した略水平な面を形成している。そのため、本実施例においても、作業者がコンロ13から耐熱収納部300に鍋等を収納する際、鍋等を持ち上げることなく、スライド部350の上で鍋等をそのまま耐熱収納部300に押し込むようにして収納することが出来るため、作業者の負担は大きく軽減することとなる。また、料理の入った鍋等を持ち上げる動作によるこぼれが生じることもなく、衛生的である。
【0035】
また、本発明にかかるキッチンは、図2に示すように、耐熱収納部の開口部がリビング側にも設けられているように形成してもよい。本実施例においては、リビング側の開口部であるリビング開口部には、開閉扉330を備えている。
【0036】
このように、リビング側に耐熱収納部300のリビング側開口部を設けることにより、リビング側に位置する使用者は、キッチン側に回り込むことなく、収納部に収納された鍋等から料理を取ることが出来るため、使用者の移動の手間が軽減されることとなる。
【0037】
また、この場合においても、収納部の内部が耐熱構造を有していることから、使用者は暖めなおすことなく、熱いままの料理をリビング側から盛り付けることができる。また、開閉扉330を備えていることにより、耐熱収納部300は開閉扉320,330が閉じられた状態において密閉されることから、保温性能は更に向上し、虫が集ることも防止できるため衛生的である。
【0038】
次に、本実施形態に掛かる食洗機及び食器収納部について説明する。
【0039】
本実施形態に係る食洗機100は、本実施形態の場合、通常の食洗機に見られるようなシンク側に設けられた食器及び調理器具の出し入れ用の開閉部である開閉扉120に加えて、図2に示すようにリビング側にも食器出し入れ用の開閉部である開閉扉130を有している。
【0040】
食器収納部200は、食洗機100で洗った食器等を収納する部分であり、食器収納部200の食器取出し用の開閉扉220、230は、それぞれキッチンの調理カウンタ12側とリビング側の双方に向けられて備わっており、食洗機100で洗った後の食器や調理器具をキッチン側及びリビング側から取り出せるようになっている。
【0041】
次に、図1及び図2を用いて、作業者によるキッチンの利用シーンについて説明する。
【0042】
キッチンを利用する作業者は、キッチン空間側から、調理スペース12を利用して切った食材を、コンロ13を利用して鍋やフライパン等で調理する。その後、更にコンロ13を利用して調理作業を進める際、先に調理した鍋等が邪魔になることがある。そういった際には、調理者はコンロ13に載置された、料理が入ったままでまだ比較的熱い鍋等を、そのまま耐熱収納部300に向けて押してスライドさせる。具体的には、耐熱収納部300の開閉扉320を開けた後、耐熱収納部320のコンロ側開口部301に向けて鍋等を持ち上げることなく、押してスライドさせる。鍋等は、カウンタ12上に載置された後、コンロ13と耐熱収納部300との間に位置するスライド部350上をスライドし、耐熱収納部300の内部に収納されることとなる。
【0043】
本発明においてスライド部350とは、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12から耐熱収納部300の間において、耐熱収納部300に収納するための物品が、耐熱収納部300に収納するまでスライドして移動する際に通る部分を示す。
【0044】
また、リビング側で食事を行っている使用者が料理のおかわり等をする場合、キッチン側に回り込まずとも、開口部330を開放することにより、耐熱収納部300に収納された鍋等を利用することができる。
【0045】
鍋等をスライド移動させて耐熱収納部300に収納する際において、開閉扉320の開放時に、コンロ13の奥側に位置するカウンタ12と耐熱収納部300の底面303との間の部分であるスライド部350は、開閉扉320が開放している状態において、カウンタ12の上方に突出する部分の無い、略面一な構成となっている。すなわち、カウンタ12と耐熱収納部300の底面303とが、連続した略水平な面を形成していることにより、作業者は料理が入った鍋等を持ち上げる事無く押してスライドさせるだけで耐熱収納部300に収納することができるため、負荷が大幅に軽減されることとなる。また、持ち上げて運ぶ動作が必要な場合は、持ち上げて運ぶ動作の際に鍋等から料理がこぼれる可能性があったが、スライドさせるだけで収納できることから、料理等がこぼれることもなく、衛生的である。
【0046】
また、耐熱収納部300には開閉扉320が備えられており、開閉扉320を閉めた場合、耐熱収納部300は密閉される。そのため、虫等が集ることを防止できるため衛生性が向上するとともに、保温性能についても向上することとなる。
【0047】
また、リビング側に耐熱収納部300のリビング側開口部を設けることにより、リビング側に位置する使用者は、キッチン側に回り込むことなく、収納部に収納された鍋等から料理を取ることが出来るため、使用者の移動の手間が軽減されることとなる。
【0048】
また、この場合においても、耐熱収納部300の内部が耐熱構造を有していることから、使用者は暖めなおすことなく、熱いままの料理をリビング側から取ることができる。また、鍋等の保温効果は、リビング側開閉扉330を設けることで、更に向上する。
【0049】
図10は、キッチン1の食洗機100、食器収納部200、コンロ13及び耐熱収納部300に関する人の動線を示した説明図である。
【0050】
図10に示すように、キッチン側ではコンロ13を用いて料理した後、この料理を、調理カウンタ12において、食器収納部200より取り出した食器(図10の動線A2参照)に盛り付ける(図10の動線C2参照)。その後、コンロ13で調理した料理の入った鍋等は、コンロ13上に置いたままにはせず、
コンロ13に隣接して設けられた耐熱収納部300のキッチン側の開閉扉320から耐熱収納部330内に入れる(図10の動線C1参照)。盛り付けた後、盛り付けに使用した調理器具や料理の入っていない鍋等は、食洗機100のキッチン側の開閉扉120から食洗機内に入れて食洗機内の食器受け台150に載せる(図10の動線C2及びB2参照)。また、耐熱収納部300のリビング側の開閉扉330から耐熱収納部300に入れられた調理物を取り出してリビング側の食卓に置く(図10の動線C3参照)。そして、食事中にこの調理物をある程度取り分けた後に再びリビング側の開閉扉330から耐熱収納部内に入れて調理物が冷めないようにする(図10の動線C4参照)。
【0051】
このように、本実施例において耐熱収納部を備えることにより、様々な使用シーンにおける人の動線を短くすることができ、これらに伴う人の労力を低減して使い勝手の良いキッチンとすることができる。
【0052】
また、本実施例において食洗機や食器収納部を備えたキッチン1にあっては、更に食事の準備や後片付け等に関する人の動線についても短くすることができ、これらに伴う人の労力を低減して更に使い勝手の良いキッチンとすることができる。
【0053】
以上説明したように、本発明によるキッチンによると、コンロで調理した鍋等を簡単に耐熱構造を有した収納部に収納することができるため、コンロ上に鍋等が置かれたままになることを抑制し、キッチンの使い勝手を向上させることができる。また、鍋等をスライドさせるだけでコンロから収納部に収納できるため、鍋等を持ち上げる手間が掛からず使い勝手が良いだけでなく、持ち運びの際の鍋等からの料理のこぼれも防止することができ、衛生的である。
【0054】
また、収納部の開口部がリビング側にも設けられていることから、リビング側で食事をしている使用者が、キッチン側に回りこむことなくおかわり等、料理を取る作業を行うことが出来るため、使い勝手は更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るキッチンをキッチン側から見た斜視図である。
【図2】図1に示したキッチンをリビング側から見た斜視図である
【図3】本発明の一実施形態に係るキッチンに備わる耐熱収納部の斜視図である。
【図4】図3に示した耐熱収納部の変形例を示す図である。
【図5】図3に示した耐熱収納部の変形例を示す図である。
【図6】図3に示した耐熱収納部の変形例を示す図である。
【図7】図3に示した耐熱収納部の変形例を示す図である。
【図8】図3に示した耐熱収納部の変形例を示す図である。
【図9】図3に示した耐熱収納部の変形例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るキッチンにおける人の動線を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 キッチン
11 シンク
12 調理用カウンタ
13 コンロ
100 食洗機
120,130 開閉扉
200 食器収納部
220,230 開閉扉
300 耐熱収納部
301 開口部
302 開閉扉収納部
303 底面
320,330 開閉扉
321 引っ掛け部
340 内壁部
350 スライド部
361,362,363 レール部


A1,A2,B1,B2,C1,C2,C3,C4 人の動線
L リビング空間
K キッチン空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンタと、前記カウンタ上に配置されるコンロとを備えたキッチンであって、
前記カウンタの上方且つ前記コンロと隣接する位置に、前記コンロに向かって開口する開口部を有する収納部を備え、
前記収納部の内部は耐熱構造を有しており、
前記開口部には、開閉可能な開閉扉が備わっており、
前記開閉扉の開放時において、
前記カウンタと前記収納部の底面とが、連続した略水平な面を形成していることを特徴とするキッチン。
【請求項2】
前記キッチンは、リビング空間とキッチン空間を仕切るように配置した対面型キッチンであって、
前記コンロは、キッチン側に設けられており、
前記収納部の開口部がリビング側にも設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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