説明

キュベット並びにキュベットを製造する方法及び成形工具

体液サンプルを取り込み、この体液サンプルを分析に提供するためのキュベットは、分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞と、遠心分離受け空洞であって、入口空洞から遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つキュベットに遠心力を加えることによって入口空洞からの体液を遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように、入口空洞と連通して構成されている遠心分離受け空洞と、分析サンプル受け空洞であって、遠心分離受け空洞から分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように、遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成されている分析サンプル受け空洞とを備え、この分析サンプル受け空洞は、キュベットの外壁を貫通する開口部を有し、前記開口部が分析サンプル受け空洞の全幅にわたって延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液サンプルを取り込み、この体液サンプルを分析に供給するためのキュベットに関する。本発明は、そのようなキュベットを製造する方法及びそのようなキュベットを形成するための成形工具にも関する。
【背景技術】
【0002】
流体混合物の直接光学分析に使用されるキュベットは、米国特許第4,088,448号に開示されている。このキュベットは、光学通路を決定し且つ空洞を形成するために、互いから所定の距離間隔のあいた2つの平らな表面を含む本体部材を備える。空洞は本体部材の外側と連通する入口を有する。空洞は、所定の固定された容積を有し、且つ表面間の所定の距離によって、空洞は毛細管作用によりサンプルを取り込むことができる。さらに、空洞の表面に試薬が塗布される。
【0003】
米国特許第5,472,671号は、いくつかの空洞を有するキュベットを開示する。これらの空洞は、空洞間の流体の流れが遠心分離によって制御され、且つ毛細管輸送を可能にするように構成され得る。これらのいくつかの空洞は、全血のサンプルが導入され、分析が血漿に対して実施されるのを可能にする。したがって、このキュベットは、米国特許第4,088,448号によるキュベットよりずっと広い範囲内で分析のために使用することができる。さらに、空洞間の流体の輸送のために遠心力を使用することは、異なる空洞内で異なる反応を実行することを可能にし、その結果、次の試薬が使用される前に培養期間を可能にする。
【0004】
米国特許第6,607,701号では、キュベットを製造する方法が開示されている。この方法は、第1及び第2のシートを準備するステップと、所定の深さを有する少なくとも1つのくぼみをシートのうちの少なくとも1つに設けるステップと、空洞を有する本体部材を得るために第1のシートと第2のシートを連結するステップと、マイクロキュベットを本体部材から切り取るステップとを含む。この方法によって、深い空洞が浅い毛細管入口空洞よりもサンプル入口から遠く離れて設けられる、キュベットの製造ができるようになる。したがって、この方法によって、キュベット内に複雑な設計の空洞を製造することが可能になるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サンプルの分離及びサンプルの試薬との混合の良好な制御を可能にするキュベットを提供することが本発明の1つの目的である。キュベットを信頼性高く且つ簡単に製造することを可能にするように設計されるキュベットを提供することが本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこれらの及び別の目的は、独立請求項によるキュベット、キュベットの製造方法、及び成形工具によって達成される。
【0007】
したがって、体液サンプルを取り込み、この体液サンプルを分析に供給するためのキュベットが提供される。このキュベットは、分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞、及び遠心分離受け空洞を備える。この遠心分離受け空洞は、入口空洞から遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つキュベットに遠心力を加えることによって入口空洞からの体液を遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように、入口空洞と連通して構成される。このキュベットは、遠心分離受け空洞から分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように、遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成される、分析サンプル受け空洞をさらに備える。この分析サンプル受け空洞は、キュベットの外壁を貫通する開口部を有し、この開口部は分析サンプル受け空洞の全幅にわたって延びている。
【0008】
このキュベットは、容易に製造されるように設計される。分析サンプル受け空洞は、分析サンプル受け空洞の全幅にわたって延びるキュベットの外壁を貫通する開口部を有するように、キュベット内に配置される。これは、成形工具を分析サンプル受け空洞を形成するためにキュベット内に導入することができ、且つキュベットの他の空洞に悪影響を及ぼすことなくキュベットから引き出すことができることを意味する。したがって、分析サンプル受け空洞は、例えばキュベットの安価な且つ簡単な製造を可能にする射出成型によって形成することができる。キュベットの外壁を貫通する開口部を有するように分析サンプル受け空洞を構成することは、分析サンプル受け空洞から引き出すことができる成形工具の使用によってキュベットを依然として容易に製造することを可能にしつつ、キュベットの空洞を通る流体の輸送がいくつかの、別々のステップでできるようにキュベットを設計することができることを意味する。したがってこのキュベットは、キュベットの簡単な製造を可能にしながら複雑な設計の空洞を有することができる。
【0009】
流体のいくつかのステップでの輸送を可能にするキュベットの空洞のこの構成によって、キュベットがいくつかのステップで流体との反応を実現することも可能になる。したがって、より複雑な分析をキュベット内で行うことができるように、いくつかの異なる試薬をキュベットに設けることができる。
【0010】
この分析サンプル受け空洞は、この空洞からのサンプルの自発的な、それより先への輸送を防止し、それによって、画定されたサンプル容積を可能にするように構成することができる。
【0011】
遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続で分析サンプル受け空洞を配置することは、全血のサンプルが入口空洞内に取得されるときでさえ、血漿又は血清に対して測定を行うことができることを意味する。全血のサンプルは、キュベットに遠心力を加えることによって、遠心分離受け空洞内に強制的に入れられる。遠心力はより重い赤血球が遠心分離受け空洞の底部に圧しつけられることによって、赤血球と血漿を分離するであろう。次いで、血漿は毛細管作用によって分析サンプル受け空洞内に引き込まれる。空洞からの自発的なそれより先への輸送を防止する分析サンプル受け空洞は、この分析サンプル受け空洞が空洞内に引き込まれている血漿の容積を画定することを意味する。この明確なサンプル容積は次いで、キュベット内の別の空洞に強制的に入れられ、又は分析サンプル受け空洞それ自体内で分析される。
【0012】
このキュベットは、例えば全血、血漿、血清又は尿のサンプルを取得するように構成されうる。入口空洞内に導入されたサンプルは、遠心分離受け空洞内で分離されうる。例えば、赤血球は全血のサンプルから分離されることができ、妨害要素を尿のサンプルから分離することができる。
【0013】
入口空洞はキュベットの外壁を貫通する開口部を有することができ、この開口部は、入口空洞の全幅にわたり延びている。入口空洞からの流体の自発的な輸送が防止されているので、入口空洞のこの開口部は、いくつかのステップでサンプルを入口空洞に取得するのを可能にする。入口空洞の全幅にわたり延びるこの開口部によって、入口空洞が第2のステップで又は引き続くステップで満たされるとき、入口空洞内の気泡が逃げることが可能になる。入口空洞からの流体の輸送の防止は、正しいサンプル容積が確実に取得されるようにする。したがって、入口空洞が完全に満たされていないことに気付くならば、より多くの流体が毛細管作用によって入口空洞内に引き込まれるように、キュベットはサンプルにすべき流体と再度接触させられうる。
【0014】
このキュベットは、分析サンプル受け空洞からの体液を、キュベットに遠心力を加えることによって測定空洞内に強制的に入れることができるように、分析サンプル受け空洞と連通して構成される測定空洞をさらに備えることができる。分析サンプル受け空洞と連通する測定空洞の構成とは、遠心分離受け空洞から引き込まれたサンプルがさらに輸送されることができることを意味する。それによって、分析サンプル受け空洞内のサンプルを、流体の接触が全くなしに維持されるように遠心分離受け空洞内の残留物から完全に分離することができる。
【0015】
分析サンプル受け空洞は、測定空洞に向かって傾斜するように構成することができる。これは、小さな遠心力で分析サンプル受け空洞からの流体を測定空洞内に強制的に入れることができるように、分析サンプル受け空洞内の流体が測定空洞に向かつて導かれることを意味する。小さな遠心力のみ加えることによって、分析サンプル受け空洞から測定空洞へ流体を輸送する可能性とは、そのような遠心分離中に流体が強制的に遠心分離受け空洞内に戻って入るリスクが減少することも意味する。
【0016】
このキュベットは、分析受け空洞内の流体を遠心分離受け空洞内の流体から分離するようになされた縁部を備え、それによってキュベットが遠心分離受け空洞から測定空洞への流体のサイホン伝導を防止するように構成することができる。したがって、遠心分離受け空洞内の残留物は、測定空洞内のサンプルと混合することが防止される。サイホン伝導の防止は、遠心分離受け空洞と測定空洞の間の流体の交換が全くないであろうことを意味する。したがって、流体の分離が測定空洞内で維持される。
【0017】
分析サンプル受け空洞の傾斜及び遠心分離受け空洞から測定空洞へのサイホン伝導の防止は協働して、サンプルの明確な容積及び内容物が測定空洞内に維持されることを確実にする。
【0018】
分析サンプル受け空洞と測定空洞間の流路は、エルボを備えることができる。このエルボは、測定空洞内の流体を試薬と混合するためにキュベットに攪拌力が加えられる場合でさえ、測定空洞からの流体が分析サンプル受け空洞内に戻って入るのを防止するであろう。
【0019】
試薬は測定空洞内に配置されてもよい。したがって、測定空洞内に輸送されたサンプルは、測定空洞内で試薬と混ざることができる。これは、キュベットにサンプルが取得される前に、サンプルを調製する必要が全くないことを意味する。したがって、このキュベットを使用して測定を非常に容易に行うことができる。
【0020】
この分析サンプル受け空洞は、この空洞からの流体の毛細管輸送を防止するように、この空洞に隣接する厚さによって区切ることができる。流体の毛細管輸送は、狭い導管を介して起きることができる。分析サンプル受け空洞を比較的大きな厚さで区切ることによって、分析サンプル受け空洞からの毛細管輸送を防止することができる。
【0021】
流路が分析サンプル受け空洞と遠心分離受け空洞との間の毛細管連通を可能にし、この流路を遠心分離受け空洞の底部からある距離のところで終端するように構成することができる。これは、分析が血漿に対して行われるべきで、全血のサンプルがキュベットによって取得される場合特に適している。遠心分離は、赤血球を遠心分離受け空洞の底部に蓄積させるであろう。したがって、底部からある距離のところで終端するように構成されているこの流路は、赤血球を遠心分離受け空洞の底部のところに残して、分析サンプル受け空洞との毛細管連通が血漿を分析サンプル受け空洞内に引き込むことができることを意味する。
【0022】
分析サンプル受け空洞は、流路との境界面のところで鋭い縁部を示すことができる。分析サンプル受け空洞内のサンプルが測定空洞内に強制的に入れられるとき、この鋭い縁部は、サンプルと遠心分離受け空洞内の残留物及び分析サンプル受け空洞への流路の間の流体接触を遮断するように働く。
【0023】
本発明は、体液サンプルを取り込み、前記体液サンプルを分析に供給するためのキュベットを製造するための方法も提供する。この方法は、キュベットがそれから形成されるべき基材を準備するステップと、少なくとも1つの成形工具を使用してキュベットを成形するステップとを含む。この成形工具は、分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞と、遠心分離受け空洞であって、入口空洞から遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つキュベットに遠心力を加えることによって入口空洞からの体液を遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように入口空洞と連通して構成される遠心分離受け空洞と、分析サンプル受け空洞であって、遠心分離受け空洞から分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成される分析サンプル受け空洞とを有するキュベットを形成するために、前記キュベット基材内に延びるように配置される。この方法は、成形工具をキュベットの側壁を通り引き出すステップをさらに含む。
【0024】
この方法は、キュベット基材内に延びる成形工具を使用してキュベットの空洞を形成するステップと、キュベットの側壁を通してこの成形工具を引き出すステップを含む。したがって、キュベットの製造は、わずかなステップしか必要としない自動プロセスで行うことができる。これらの空洞は少なくとも1つの成形工具を使用して同時に形成することができる。したがって、簡単且つ安価なキュベットの製造方法が提供される。
【0025】
キュベットの形状化は、成形工具を使用するのに適した簡単且つ安価な方法を提供する、射出成型を使用して行うことができる。
【0026】
この成形工具は、キュベットに遠心力を加えることによって分析サンプル受け空洞からの体液を測定空洞内に強制的に入れることができるように、分析サンプル受け空洞と連通して構成される前記測定空洞をさらに備えるキュベットを形成するために、前記キュベット基材内に延びて配置することができる。
【0027】
したがって、遠心分離受け空洞から引き込まれているサンプルをさらに輸送することができるキュベットが製造される。それによって、どのような流体接触も維持されないように、分析サンプル受け空洞内のサンプルを遠心分離受け空洞内の残留物から完全に分離することができる。この測定空洞は成形工具を使用して形成することができ、それによって製造は依然として簡単且つ安価であることができる。
【0028】
この方法は、試薬を測定空洞内に導入するステップと、測定空洞内の試薬を乾燥させるステップをさらに含むことができる。したがって、測定空洞には製造中試薬が供給され、それによってサンプルがキュベットによって取得される前にサンプルの調製を行う必要は全くない。
【0029】
本発明は、キュベットを形成するための成形工具をさらに提供する。この成形工具は、基材内に空洞を形成するためにキュベット基材内に挿入するように構成され、且つ前記空洞が形成されたときキュベット基材から引き出されるようにさらに構成される。この成形工具は、キュベットの入口空洞の逆形状を有する第1の突起部と、キュベットの遠心分離受け空洞の逆形状を有する第2の突起部であって、入口空洞に隣接する遠心分離受け空洞を形成するように構成され、且つ入口空洞から遠心分離受け空洞への流体の毛細管輸送を防止する厚さを有する第2の突起部と、キュベットの分析サンプル受け空洞の逆形状を有する第3の突起部であって、遠心分離受け空洞に隣接する分析サンプル受け空洞を形成するように構成され、且つ遠心分離受け空洞から分析サンプル受け空洞への流体の毛細管輸送を可能にする厚さを有する第3の突起部とを備える。
【0030】
この成形工具は、上記で説明したようにキュベットの簡単且つ安価な製造方法を可能にする。
【0031】
この成形工具は、キュベットの測定空洞の逆形状を有する第4の突起部をさらに備えることができ、前記第4の突起部は、分析サンプル受け空洞に隣接する測定空洞を形成するように構成され、且つ前記第4の突起部は分析サンプル受け空洞から測定空洞への流体の毛細管輸送を防止する厚さを有する。
【0032】
この第1及び第2の突起部は、共通の、第1の成形コア上に配置され、第3の突起部は第2の成形コア上に配置されてもよい。したがってこの成形工具は、成形コアのうちの1つを交換することによって、わずかに異なる設計のキュベットを製造するために使用されうる。
【0033】
別法として、全ての突起部が共通の成形コア上に配置される。これは、2つの異なる成形コアを互いに対して正確に関係付ける必要は全くないので、成形工具の制御が簡単であることを意味する。
【0034】
本発明の別の態様によれば、体液サンプルを取り込み、この体液サンプルを分析に供給するためのキュベットが提供される。このキュベットは、分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞と、遠心分離受け空洞であって、入口空洞から遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つキュベットに遠心力を加えることによって入口空洞からの体液を遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように入口空洞と連通して構成される遠心分離受け空洞と、分析サンプル受け空洞であって、遠心分離受け空洞から分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成され、この空洞からのサンプルの自発的な、それより先への輸送が防止され、それによって、画定されたサンプル容積を供給するように構成される分析サンプル受け空洞と、測定空洞であって、キュベットに遠心力を加えることによって分析サンプル受け空洞からの体液を測定空洞内に強制的に入れることができるように、分析サンプル受け空洞と連通して構成される測定空洞とを備える。
【0035】
遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続する分析サンプル受け空洞の構成は、全血のサンプルが入口空洞内に取得されたときでさえ、測定を血漿又は血清に対して行うことができることを意味する。全血のサンプルは、キュベットに遠心力を加えることによって遠心分離受け空洞内に強制的に入れられる。この遠心分離力は、より重い赤血球を遠心分離受け空洞の底部に圧しつけることによって、赤血球と血漿を分離するであろう。次いで、血漿は毛細管作用によって分析サンプル受け空洞内に引き込まれる。空洞からの自発的な、それより先への輸送を防止する分析サンプル受け空洞は、分析サンプル受け空洞がこの空洞内に引き込まれている血漿の容積を画定することを意味する。この明確なサンプル容積は次いで、キュベットの別の空洞に強制的に入れられ、又は分析サンプル受け空洞それ自体内で分析される。
【0036】
このキュベットは、明確なサンプル容積を分析サンプル受け空洞内に得る可能性を提供する。このキュベットは、入口空洞内に全血のサンプルを取得することを可能にし、且つ分析サンプル受け空洞に血漿のサンプルを提供することを可能にする。これは、キュベットでサンプルを取得する前に血漿を分離する必要が全くないことを意味する。これによってこのキュベットは非常に使い易くなる。
【0037】
次に本発明を添付の図面を参照して、例示の目的でのみさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0038】
次に図1を参照して、本発明の一実施例によるキュベット10を説明する。このキュベット10は使い捨てであり、分析に使用された後、捨てられることになっている。これは、キュベット10は複雑な取り扱いを要しないことを意味する。
【0039】
キュベット10は、全血、血漿、血清又は尿などの任意の体液のサンプルを分析するために使用される。しかしながら、以下の説明では、言及は全血のサンプルの分析に対してのみ行われる。当業者は以下の説明に基づいて他の体液の分析を実施することができる。
【0040】
このキュベット10は、分析結果に如何なる支障も引き起こすことなく操作者が触ることができる基台14を有する本体部材12を備える。この基台14は、分析装置のキュベット・ホルダーに嵌合することができる突起部16も有することができる。この突起部16は、キュベット10が分析装置内に正しく位置決めされるように配置することができる。
【0041】
キュベット10は、本体部材12内に形成され、本体部材12内の両壁によって形成される空洞を備える。これらの空洞は、空洞が形成されたときキュベット10から引き出される成形工具を使用してキュベット10の製造中に空洞を形成できるように、本体部材12の外壁を貫通して開いている。各空洞は、キュベットの外壁に向かう非減少関数によって説明される幅及び高さを有する。したがってこの成形工具は、形成された空洞に悪影響を与えることなく引き出すことができる。
【0042】
キュベット10は入口空洞18を備える。入口空洞18は、キュベット10内の両壁間に形成され、これらの壁は互いに極めて接近して配置されるので入口空洞18内に毛細管力を作り出すことができる。この入口空洞18は、血液をキュベット10内に引き込むことができるように、キュベット10の外側と連通している。入口空洞18は、サンプルを入口空洞18内に引き上げるのを容易にするために、キュベット10の先端に配置される。
【0043】
キュベット10は、遠心分離受け空洞20をさらに備える。この遠心分離受け空洞20は、入口空洞18からの流体の毛細管輸送を防止する厚さを有する。入口空洞18は、入口空洞18から遠心分離受け空洞20への毛細管輸送が全くないことをさらに確実にするために、非常に狭い厚さを有する領域を遠心分離受け空洞20に隣接して有することができる。キュベット10は、流体を入口空洞18から遠心分離受け空洞20内に強制的に入れるために、外部遠心力に曝されることができる。
【0044】
入口空洞18からの輸送が防止されるようにキュベット10が構成されているので、入口空洞18を、余分の流体を取得することなくいくつかのステップで、サンプルで満たすことができる。したがって、入口空洞18が適切に満たされていないとき、空洞を満杯にするために入口空洞18内にさらなる流体を引き込むことができる。これは、入口空洞18の容積に対応する明確なサンプル容積を常に取得することができることを意味する。さらに、入口空洞18は、入口空洞18を適切に満たすために気泡が逃げることができるように、キュベット10の外壁を貫通して開いている。
【0045】
このキュベットは、遠心分離受け空洞20と流体連通している分析サンプル受け空洞22をさらに備える。この分析サンプル受け空洞22と遠心分離受け空洞20を接続する流路24が存在する。この流路24は、遠心分離受け空洞20の底部からある距離のところで終端する。流路24及び分析サンプル受け空洞22は、互いに非常に接近して配置される壁を有するので、流体を遠心分離受け空洞20から分析サンプル受け空洞22内に引くための毛細管力を作り出すことができる。流路24が遠心分離受け空洞20の底部からある距離のところで終端するので、サンプルの残留物は遠心分離受け空洞20内に残されるであろう。これは、分析サンプル受け空洞22は、遠心分離中にサンプルの残りから分離された、取得されたサンプルの特定の部分を受けることができることを意味する。この分析サンプル受け空洞22は、流路24に向かう鋭い縁部を有することができる。この鋭い縁部は、分析サンプル受け空洞22から輸送される流体が流路24内の流体から分離されることができるように、流体分割機能を可能にする。
【0046】
分析サンプル受け空洞22は、分析サンプル受け空洞22から離れる毛細管輸送を防止するために、非常に狭い縁部を有する。これは、分析サンプル受け空洞22は空洞22を満たす流体を受けるが、キュベット10が外部力に曝されることなしにどのような流体も空洞22を逃れえないことを意味する。したがって、明確なサンプル容積が分析サンプル受け空洞22内に引き込まれる。
【0047】
キュベット10は、測定空洞26と、分析サンプル受け空洞22とこの測定空洞26を接続する流路28とをさらに備える。この流路28は、分析サンプル受け空洞22からの流体の毛細管輸送を防止するための厚さを有する。キュベット10は、流体を分析サンプル受け空洞22から測定空洞26内に強制的に入れるために、外部遠心力に再度曝されることができる。分析サンプル受け空洞22は、測定空洞26に向かつて傾斜している。これは、流体を分析サンプル受け空洞22から測定空洞26内に強制的に入れるために小さな遠心力しか要しないことを意味する。さらなる遠心分離中、分析サンプル受け空洞22の鋭い縁部は、分析サンプル受け空洞22から測定空洞26内に通過する流体内の流体を分割し、流路24内に押されている流体は遠心分離受け空洞20内に戻される。
【0048】
測定空洞26は試薬を備える。測定空洞26内に受けられたサンプルは、サンプルに対して測定が行われる前にこの試薬と反応する。試薬は、サンプルが測定空洞26に入るや否やそれが試薬と接触するように、測定空洞26の壁の表面に配置することができる。したがって、反応はサンプルが測定空洞26に入るや否や開始する。
【0049】
別法として試薬は、反応が開始する前にサンプルに対して空測定を行うことができるように、測定空洞26の別の部分に配置することができる。試薬が溶解され、サンプルを試薬と完全に混合するために外部攪拌力をキュベット10に加えることができる。
【0050】
流路28はエルボ30を備える。これは、サンプルと試薬の混合中、流体が分析サンプル受け空洞22内に上昇して戻ることが防止されることを意味する。
【0051】
キュベット10は、流体の異なる空洞への輸送を制御するのを可能にする。遠心分離受け空洞20と測定空洞26の間の流体の交換は、サンプルが測定空洞26に持ってこられた後は防止される。第2の遠心分離が流体を異なる空洞内に分離する。その結果、分析サンプル受け空洞22は、完全に乾かされることができる。遠心分離受け空洞20内の流体と測定空洞26内に流体の間に流体接触が全くないので、次いでサイホン伝導が防止される。
【0052】
次に図2を参照して、第2の実施例によるキュベット110が説明される。このキュベット110は、第1の実施例のキュベット10と類似する。しかしながら、キュベット110は、測定空洞を備えていない。キュベット110は、分析サンプル受け空洞122内のサンプルに対して分析を行うように構成されている。試薬は、分析サンプル受け空洞122内に配置される。このキュベット110は、全血のサンプルから血漿を分離するために使用されることができ、且つ緩やかな攪拌力を使用して、赤血球を分析サンプル受け空洞122内に導入することなく、分析サンプル受け空洞122内で血漿を試薬と混合することができる。
【0053】
代替実施例によれば、キュベットの空洞は互いに異なる関係で配置されることができる。一代替形態によれば、測定空洞並びに分析受け空洞と測定空洞との間の流路は本体部材の外壁を貫通して直接開いているように構成する必要はない。代わりに、これらの空間は分析受け空洞の内部に配置されることができ、空洞が形成されたときキュベットから引き出される成形工具を使用して形成されることができる。この流路及び測定空洞は、分析受け空洞より小さな幅及び高さを有して配置することができ、したがって、分析受け空洞の形状に悪影響を及ぼすことなく引き出すことができる成形工具によって形成することができる。別の代替形態によれば、この分析受け空洞は、分析受け空洞に隣接する遠心分離受け空洞の一部分から毛細管作用によって流体を受けるために、遠心分離受け空洞に直接接続して配置される。さらに別の代替形態によれば、この空洞はキュベットの2つの隣接する外壁を貫通して開くように形成される。したがって、キュベット内の2つの隣接する壁から延びるそれぞれの空洞を形成することになっている2つの異なる成形工具によって、異なる空洞を形成することができる。例えば、第1の成形工具は、キュベットの1つの壁から延びる入口空洞及び遠心分離受け空洞を形成することができる。第2の成形工具は、キュベットの隣接する壁から延びる分析受け空洞並びに遠心分離受け空洞と分析受け空洞の間の流路並びに測定空洞を形成することができる。この2つの成形工具は、異なる空洞が互いに接続され得るようにキュベット内で接触する必要がある。
【0054】
次にキュベット10を使用して分析を行う方法を説明する。全血のサンプルがキュベット10内に引き込まれる。このサンプルは、刺された指先から直接取得することができる。したがって、血液サンプルは、患者に実際的に何らの痛みも起こさせずに非常に容易に取得できる。キュベット10は次いで、分析装置内に配置される。キュベット10は、入口空洞18内の流体をキュベット10の動作によって遠心分離受け空洞20内に強制的に入れるように、分析装置によって回転させられる。その後このキュベット10は、サンプルが遠心分離受け空洞20内にある間に静止させられる。全血のこのサンプルは、今は赤血球と血漿に分離されている。比較的重い赤血球は、遠心分離受け空洞20の底部に圧されている。血漿は毛細管力によって流路24を通り分析サンプル受け空洞22内に引き込まれる。次いで、キュベット10は、分析サンプル受け空洞22内の血漿のサンプルが測定空洞26内に強制的に入れられるように再度回転させられる。キュベット10は、分析サンプル受け空洞22が測定空洞26を回転動作に導くように回転させられる。これは、分析サンプル受け空洞22内の流体も回転動作によって測定空洞26に向かっていくらか圧されることを意味し、それが分析サンプル受け空洞22内のサンプルが測定空洞26内に強制的に入れられるのをさらに確実にする。
【0055】
図3を参照して、製造中キュベットを成形する成形工具200を説明する。この成形工具200は、キュベットの製造中器具によって取り扱われるためのグリップを形成する基台202を有する。成形工具200は、製造中空洞を形成するためにキュベット内に延びるように導入され、これらの空洞が形成された後キュベットから引き出されるようになっている。成形工具200は、形成されるべき空洞に対応する突起部204、206、208、210を有する。これらの突起部204、206、208、210は、空洞に対して逆形状を有する。突起部204、206、208、210は、空洞がキュベット内で互いに接続されて形成されるように、成形工具200上に並んで配置される。突起部204、206、208、210は、図3に示すように共通の成形コア上に配置される。
【0056】
別法として、成形工具200は、1つ又は複数の突起部を形成することができる、2つ又はそれ以上の別々の成形コアを備えることができる。生産されるキュベットの設計を、1つ又は複数の成形コアを単純に交換することによって、生産ライン内で柔軟に変更することができる。したがって、同じ成形コアをキュベットのいくつかの異なる設計に対して使用することができる。
【0057】
成形工具200は、キュベットの入口空洞の逆形状を有する第1の突起部204、キュベットの遠心分離受け空洞の逆形状を有する第2の突起部206、キュベットの分析サンプル受け空洞の逆形状を有する第3の突起部208、及びキュベットの測定空洞の逆形状を有する第4の突起部210とを有する。
【0058】
次に図4を参照して、キュベットの製造方法を説明する。最初に、キュベット基材が準備される、ステップ300。これは、分析中に使用されることになっている波長内の放射の低い吸収度を有するプラスチック材料であることができる。そのような材料は、例えばポリスチレン、PMMA、又はポリカーボネートであることができる。
【0059】
このキュベット基材は成型材料を作り出すために溶解され、この成型材料は鋳型空洞内に射出成型される(ステップ302)。成形工具は、キュベット内に空洞が形成されるように、鋳型空洞内に延びる。このキュベットは、鋳型空洞内で所望の形状を取るように冷却される(ステップ304)。形状が安定化したとき、この成形工具はキュベットから引き出され、完成したキュベットを鋳型空洞から引き出すことができる(ステップ306)。
【0060】
この製造方法は、完全に自動化するのに適している。キュベットは、高率で製造することができる。これは、製造方法を簡単且つ安価にする。
【0061】
本明細書で説明した好ましい実施例は、決して限定するものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲内で多くの代替の実施例が可能であることは強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施例によるキュベットの斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例によるキュベットの斜視図である。
【図3】図1のキュベットの製造用の成形工具の斜視図である。
【図4】キュベットの製造方法の流れ図である。
【図1a】

【図1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液サンプルを取り込み、前記体液サンプルを分析に供給するためのキュベットであって、
分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞と、
遠心分離受け空洞であって、前記入口空洞から前記遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つ前記キュベットに遠心力を加えることによって前記入口空洞からの体液を前記遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように、前記入口空洞と連通して構成される遠心分離受け空洞と、
分析サンプル受け空洞であって、前記遠心分離受け空洞から前記分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように、前記遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成される分析サンプル受け空洞と
を備え、前記分析サンプル受け空洞が前記キュベットの外壁を貫通する開口部を有し、前記開口部が前記分析サンプル受け空洞の全幅にわたって延びる、キュベット。
【請求項2】
前記分析サンプル受け空洞が、該空洞からの前記サンプルの自発的な、それより先への輸送が防止され、それによって、画定されたサンプル容積を提供するように構成されている、請求項1に記載のキュベット。
【請求項3】
測定空洞であって、前記キュベットに遠心力を加えることによって前記分析サンプル受け空洞からの体液を前記測定空洞内に強制的に入れることができるように、前記分析サンプル受け空洞と連通して構成される測定空洞をさらに備える、請求項1又は2に記載のキュベット。
【請求項4】
前記分析サンプル受け空洞が、前記測定空洞に向かって傾斜するように構成されている、請求項3に記載のキュベット。
【請求項5】
前記キュベットが、前記分析受け空洞内の流体を前記遠心分離受け空洞内の流体から分離するようになされた縁部を備え、それによって前記キュベットが、前記遠心分離受け空洞から前記測定空洞への流体のサイホン伝導を防止するように構成されている、請求項3又は4に記載のキュベット。
【請求項6】
前記分析サンプル受け空洞と前記測定空洞との間の流路がエルボを備えている、請求項3から5のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項7】
試薬が前記測定空洞内に配置されている、請求項3から6のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項8】
前記分析サンプル受け空洞が、前記空洞からの流体の毛細管輸送を防止するように、前記空洞に隣接する厚さによって区切られている、請求項1から7のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項9】
1つの流路が前記分析サンプル受け空洞と前記遠心分離受け空洞との間の毛細管連通を可能にし、前記流路が前記遠心分離受け空洞の底部からある距離のところで終端するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項10】
前記分析サンプル受け空洞が前記流路との境界面のところで鋭い縁部を示している、請求項1から9のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項11】
前記キュベットが本体部材内で前記空洞を形成する内壁を有する本体部材を備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項12】
体液サンプルを取り込み、前記体液サンプルを分析に提供するためのキュベットを製造するための方法であって、
前記キュベットがそれから形成されるべきキュベット基材を準備するステップと、
少なくとも1つの成形工具を使用してキュベットを成形するステップであって、前記成形工具が、
分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞と、
遠心分離受け空洞であって、前記入口空洞から前記遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つ前記キュベットに遠心力を加えることによって前記入口空洞からの体液を前記遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように、前記入口空洞と連通して構成されている、遠心分離受け空洞と、
分析サンプル受け空洞であって、前記遠心分離受け空洞から前記分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように、前記遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成されている、分析サンプル受け空洞と
を有するキュベットを形成するために、前記キュベット基材内に延びるように配置されるステップと、
前記成形工具を前記キュベットの側壁を通り引き出すステップと
を含む、方法。
【請求項13】
測定空洞であって、前記キュベットに遠心力を加えることによって前記分析サンプル受け空洞からの体液を前記測定空洞内に強制的に入れることができるように、前記分析サンプル受け空洞と連通して構成されている測定空洞をさらに備えるキュベットを形成するために、前記成形工具が前記キュベット基材内に延びるように配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記測定空洞内に試薬を導入するステップと、前記測定空洞内で前記試薬を乾燥させるステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記キュベットの成形が射出成型を使用して行われる、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
キュベット基材内に空洞を形成するために成形工具が前記基材内に挿入されるように構成され、且つ前記空洞が形成されたとき前記キュベット基材から引き出されるようにさらに構成される、キュベットを形成するための成形工具であって
前記キュベットの入口空洞の逆形状を有する第1の突起部と、
前記キュベットの遠心分離受け空洞の逆形状を有する第2の突起部であって、前記入口空洞に隣接する前記遠心分離受け空洞を形成するように構成され、且つ前記入口空洞から前記遠心分離受け空洞への流体の毛細管輸送を防止する厚さを有している、第2の突起部と、
前記キュベットの分析サンプル受け空洞の逆形状を有する第3の突起部であって、前記遠心分離受け空洞に隣接する前記分析サンプル受け空洞を形成するように構成され、且つ前記遠心分離受け空洞から前記分析サンプル受け空洞への流体の毛細管輸送を可能にする厚さを有している、第3の突起部と
を備える、成形工具。
【請求項17】
前記キュベットの測定空洞の逆形状を有し、前記分析サンプル受け空洞に隣接する前記測定空洞を形成するように構成され、前記分析サンプル受け空洞から前記測定空洞への流体の毛細管輸送を防止する厚さを有する第4の突起部をさらに備える、請求項16に記載の成形工具。
【請求項18】
前記第1及び第2の突起部が共通の第1の成形コア上に配置され、前記第3の突起部が第2の成形コア上に配置される、請求項16又は17に記載の成形工具。
【請求項19】
全ての突起部が共通の成形コア上に配置される、請求項16又は17に記載の成形工具。
【請求項20】
体液サンプルを取り込み、前記体液サンプルを分析に提供するためのキュベットであって、
分析すべき体液サンプルを受けるための入口空洞と、
遠心分離受け空洞であって、前記入口空洞から前記遠心分離受け空洞への自発的な流れが妨げられ、且つ前記キュベットに遠心力を加えることによって前記入口空洞からの体液を前記遠心分離受け空洞内に強制的に入れることができるように、前記入口空洞と連通して構成されている、遠心分離受け空洞と、
分析サンプル受け空洞であって、前記遠心分離受け空洞から前記分析サンプル受け空洞に毛細管作用によってサンプルの輸送を可能にするように、前記遠心分離受け空洞の少なくとも一部分と毛細管接続して構成され、前記空洞からの前記サンプルの自発的な、それより先への輸送が防止され、それによって、画定されたサンプル容積を提供するように構成されている、分析サンプル受け空洞と、
測定空洞であって、前記キュベットに遠心力を加えることによって前記分析サンプル受け空洞からの体液を前記測定空洞内に強制的に入れることができるように、前記分析サンプル受け空洞と連通して構成されている、測定空洞と
を備える、キュベット。
【請求項21】
前記分析サンプル受け空洞が、前記空洞からの流体の毛細管輸送を防止するように前記空洞に隣接する厚さによって区切られている、請求項20に記載のキュベット。
【請求項22】
1つの流路が前記分析サンプル受け空洞と前記遠心分離受け空洞との間の毛細管連通を可能にし、前記流路が前記遠心分離受け空洞の底部からある距離のところで終端するように構成されている、請求項20又は21に記載のキュベット。
【請求項23】
前記分析サンプル受け空洞が前記流路との境界面のところで鋭い縁部を示す、請求項20から22のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項24】
前記分析サンプル受け空洞が、前記測定空洞に向かつて傾斜するように構成されている、請求項20から23のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項25】
前記キュベットが、前記分析受け空洞内の流体を前記遠心分離受け空洞内の流体から分離するようになされた縁部を備え、それによって前記キュベットが、前記遠心分離受け空洞から前記測定空洞への流体のサイホン伝導を防止するように構成されている、請求項20から24のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項26】
前記分析サンプル受け空洞と前記測定空洞との間の流路がエルボを備えている、請求項20から25のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項27】
試薬が前記測定空洞内に配置されている、請求項20から26のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項28】
前記キュベットが本体部材内で前記空洞を形成する内壁を有する本体部材を備えている、請求項20から27のいずれか一項に記載のキュベット。
【請求項29】
前記分析サンプル受け空洞が前記キュベットの外壁を貫通する開口部を有し、前記開口部が前記分析サンプル受け空洞の全幅にわたって延びている、請求項20から28のいずれか一項に記載のキュベット。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−542747(P2008−542747A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514593(P2008−514593)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000788
【国際公開番号】WO2007/008137
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(500154353)ヘモク アクチボラゲット (11)
【Fターム(参考)】