説明

クッション性のある吸水マット

【課題】快適で滑りにくく速乾性と吸水性のある浴室マットを提供する。
【解決手段】クッション性のある吸水マットで、吸水性があり速乾性の織布層と、オープンセル構造を有する粘弾性のポリウレタン発泡材層であって、織布6層に接着され縫合されて織布と発泡材との縫合体を形成するポリウレタン発泡材層と、縫合体の発泡材側に接着されたゴム引き基材層と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマットに関し、特に吸水面とクッション層とを有するマットに関する。
【背景技術】
【0002】
タイル張りの浴室では、足を乗せるために滑り止め加工された非タイル面と、洗面台、浴室、又はシャワーから跳ね出す水に対処する吸水特性とを提供するための浴室マットが一般に用いられている。そこで、本発明者は、快適で滑りにくく速乾性と吸水性のある浴室マットのニーズがあることを見出した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様は、クッション性のある吸水マットの製造方法に関し、この製造方法は、以下の順序で、マットとして使用されるシートサイズで吸水性があり速乾性の織布を提供し、前記吸水性があり速乾性の織布をオープンセル構造を有する粘弾性のシート状ポリウレタン発泡材へ接着し、前記織布を前記発泡材へ縫い合わせて織布と発泡材との縫合体を作り、前記縫合体の発泡材側をゴム引きされた滑り止め用基材に接着する。
【0004】
本発明の他の態様は、クッション性のある吸水マットに関し、この吸水マットは、吸水性があり速乾性の織布層と、オープンセル構造を有する粘弾性のポリウレタン発泡材層であって、前記織布層に接着され縫合されて織布と発泡材との縫合体を形成するポリウレタン発泡材層と、前記縫合体の発泡材側に接着されたゴム引き基材層と、を備える。
【0005】
これらの及びこれら以外の本発明の目的、特徴、及び特質、また、関連する要素や組み合わされた部分の操作方法及び機能、及び効率的な製造方法は、それぞれが本明細書の一部を構成する以下に示される詳細な説明、添付の特許請求の範囲及び図面からより一層明らかになる。本明細書においては、様々な図面において、類似する部分を示すために同様の参照符番が用いられる。図面は、例示及び説明のためのみに用いられ、本発明を限定する定義として用いることは意図されていないことについて明確に理解されるべきである。本出願の明細書及び特許請求の範囲において用いられている通り、文脈によって別に理解される場合を除き、単数形は複数形の指示対象を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明に係る浴室マットの一実施形態の吸水層の製造に用いられるストランドの断面図を概略的に示す。
【0007】
【図2】図2は、本発明に係る浴室マットの一実施形態の吸水層の材料を形成するために用いられる図1の複数のストランドの断面図を概略的に示す。
【0008】
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る浴室マットの断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、概略断面において、本発明において浴室マットの吸水層を形成する織布(woven textile material)を形成するために用いられるヤーン2を示す。このヤーンは、繊維4の複数のストランドを備える。この繊維4は、繊維供給源から分離され、追加的な複数の繊維と編み合わされてヤーン2を形成する。このヤーンを備えることにより、ストランド及び織布は水5を吸収することができる。これにより、液体は、ストランド及び織布から逸らされるのではなく迅速に吸収される。このようにして、織布が貼り付けられる他面から液体を除去することができ、当該他面における乾燥作用が提供される。一実施形態において、各繊維4は、数ミクロンのオーダーの直径を有する。例えば、1-20μmの範囲にあることが適当であり、5-10μmの範囲が特に利用に適している。比較のために説明すると、この繊維4の直径の範囲は人間の毛髪よりも100倍程度微細であり、典型的には100以上の繊維が各ヤーンを形成するために用いられる。各ストランドはその断面面積が特に小さく各ストランドを他のストランドと組み合わせて図2に示される織物が形成される。一実施形態において、当該繊維は単繊維当たり約1デニール以下の繊維密度を有する微細繊維である。
【0010】
ヤーンから当該織布を形成する製織処理は、ヤーンをヤーンの他のストランドとともに編み込んで図2に示す織布6を形成することを含む。
【0011】
一実施形態において、当該織物はポリエステルのストランドとナイロン等のポリアミドのストランドとの組み合わせを含む。特に、重量比で60-90%をポリエステルとし、残りをポリアミドとすることができる。
【0012】
図3に示される浴室マット20を形成するために、複数のヤーン2が織り込まれ、吸水性及び乾燥特性に非常に優れた織布6が形成される。一実施形態において、当該織物は200から300 g/m2の範囲の重さを有する材料に編み込まれる。一実施形態において、当該材料は、250 から275g/m2の範囲の重さを有する。
【0013】
そのような織布は、従来の綿織物やポリエステル織物よりも優れた吸収性を実際に備える。また、かかる織布は、従来の綿織物や100%ポリエステル材よりも乾燥速度が速い。一実施形態において、織布6は積層方向の高さが約0.1-0.175インチであり、特に約0.157インチであってもよい。
【0014】
織布6は、接着剤を用いてクッション層8に接着される。この接着剤は、一実施形態において、ポリウレタンと織物とを強固に結合するとともに、接着層を破壊することなくマットを曲げることができる程度に十分に柔軟であるように選択される。一実施形態において、接着剤は、織物の乾燥機能を妨げず、発泡ウレタンから織物へ水分が通過できるものであることが望ましい。この接着剤は、一実施形態において、中華人民共和国広東省にあるTai Jiaから入手することができる680S等の発泡体とともに用いるのに適した噴霧型の室内装飾用接着剤であってもよい。
【0015】
クッション層8は、オープンセル構造を有する粘弾性の発泡ポリウレタン等の形状記憶発泡材から作ることができる。そのような物質は、一般に吸水性を有するが、例えば上述した微細繊維織物と比較して乾燥速度が遅い。
【0016】
一例として、クッション層は、厚さが1cmから5cmの範囲にある。クッション層の厚さは、約2.5cmであってもよい。より薄いクッション層を用いると、緩衝材としての機能が十分でなくなるおそれがある一方、より厚いクッション層を用いるとマット全体が厚くなりすぎて、利用者がマットへ深く沈みこみ過ぎると受け取られる可能性がある。典型的なマットにおけるフォーム密度(発泡密度)は2.8ポンド/立法フィートである。
【0017】
本発明者は、上述の組み合わせにおいて、織布6の吸水性と乾燥特性によって浴室のような湿気の多い環境においても比較的吸水性に優れ、ゆっくりと乾燥する発泡ポリウレタンが得られることを見出した。この組み合わせにおいて、吸収性織布6はポリウレタンの水分をその一側面22から逃がし、他側面24において比較的速く乾燥させる。
【0018】
織布6がクッション層8に接着された後、織布6とクッション層8とが縫い合わされてさらに補強される。織布の上面24には図示しない装飾的な模様が施されてもよい。
【0019】
縫い合わされ接着された複合マットは、ゴム引きされた滑り止め用基材10に接着される。当該滑り止め層は、例えば、ポリウレタンポリウレアベースのスパンデックス等のポリウレタン材から作られる。この集合体は、例えばポリエステル織物から作られる縁に取り付けられる。
【0020】
一実施形態において、マットは、4−8平方フィートの面積を有する。
【0021】
本発明は、現時点で最も実用的で望ましい実施形態と考えられている態様に基いて例示のために詳細に説明されたが、かかる詳細な説明はあくまで例示を目的としており、本発明は開示された実施形態には限定されず、詳細な説明は、むしろ本発明の趣旨や範囲内において変更及び均等な配置を含むことを意図して記述されている。例えば、本発明は、1つの実施形態における1つ又は複数の特徴部分が他の実施形態における1つ又は複数の特徴部分と互いに可能な限り組み合わせられることを企図して記述されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の順序で、
マットとして使用されるシートサイズで吸水性があり速乾性の織布を提供し、
前記吸水性があり速乾性の織布をオープンセル構造を有する粘弾性のシート状ポリウレタン発泡材へ接着し、
前記織布を前記発泡材へ縫い合わせて織布と発泡材との縫合体を作り、
前記縫合体の発泡材側をゴム引きされた滑り止め用基材に接着する、
クッション性のある吸水マットの製造方法。
【請求項2】
吸水性があり速乾性の織布層と、
オープンセル構造を有する粘弾性のポリウレタン発泡材層であって、前記織布層に接着され縫合されて織布と発泡材との縫合体を形成するポリウレタン発泡材層と、
前記縫合体の発泡材側に接着されたゴム引き基材層と、
を備えるクッション性のある吸水マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−136140(P2011−136140A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−108974(P2010−108974)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(510129093)マインズインシンク、インク (1)
【氏名又は名称原語表記】MindsInSync Inc.
【住所又は居所原語表記】1350 Broadway, Suite 401,New York City, NY 10018, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】