説明

クラウンフォームおよび方法

クラウンフォームおよびその使用方法を開示する。本クラウンフォームは、次の特徴、即ち、クラウンフォームのベースから離れた位置でクラウンフォームに取り付けられているハンドル;クラウンフォームを配置する時に過剰量の硬化性歯科材料が通過できる、排出口が設けられているハンドル;および、充填されたクラウンフォームを配置した後、硬化性歯科材料からクラウンフォームを除去するために分離され得る1本以上の弱め線;の1つ以上を具備し得る。また、クラウンフォームは、包装時に硬化性歯科材料がクラウンフォーム内に配置された状態で包装に入っていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
クラウンフォームは、歯科修復材料に形状を付与するのに使用する在庫品として入手可能である。様々な理由で、歯科医は、修復する歯にクラウンフォームを被せる直前にクラウンフォームに歯科修復材料を充填する。これらに理由の中には、歯科修復材料は、修復される1本又は複数の歯又は周囲の歯に適合する所望の色調又は色彩が得られるように混合されることが多いということがある。別の理由は、歯科修復材料は、周囲の空気、水分、光などに一度曝露されると、使用寿命が限られる場合があるということである。クラウンフォームの例には、例えば、(特許文献1)(ケネディ(Kennedy))、(特許文献2)(ウィルソン(Wilson))、(特許文献3)(ピアソン(Pierson))などに記載されるものが挙げられる。
【0002】
クラウンフォームに関する別の問題は、口内に配置する時の、充填されたクラウンフォームの操作である。(特許文献1)(ケネディ(Kennedy))に記載されるもののように、クラウンフォームには、充填時および配置時にクラウンフォームの操作を助けるため、クラウンフォームの歯肉端にタブを具備するものがある。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,129,946号明細書
【特許文献2】米国特許第5,487,663号明細書
【特許文献3】米国特許第5,951,294号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第04−0005524−A1号明細書
【特許文献5】米国特許第6,084,004号明細書
【特許文献6】米国特許第6,187,836号明細書
【特許文献7】米国特許第5,707,236号明細書
【特許文献8】米国特許第5,538,129号明細書
【特許文献9】米国特許第5,552,177号明細書
【特許文献10】米国特許第5,636,736号明細書
【特許文献11】米国特許第5,785,178号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、次の特徴、即ち、クラウンフォームのベースから離れた位置でクラウンフォームに取り付けられているハンドル;クラウンフォームを配置する時に過剰量の硬化性歯科材料が通過できる、排出口が設けられているハンドル;および、充填されたクラウンフォームを準備された歯に配置した後、歯科材料からクラウンフォームを除去するために分離され得る1本以上の弱め線;の1つ以上を具備し得るクラウンフォームを提供する。
【0005】
クラウンフォームのベースから離れた位置でハンドルがクラウンフォームに取り付けられていることに関連付けられる潜在的利点の中には、歯に配置する時、ハンドルを掴みやすいため、クラウンフォームの操作が簡単なことがある。また、クラウンフォームのベースから延びているハンドルと比較して、ベース又は歯肉部位から離れている領域にハンドルを配置することにより、修復プロセス中、歯肉組織への干渉が回避され得る。
【0006】
排出口が設けられているハンドルがクラウンフォーム上にあることの潜在的利点には、例えば、歯肉部位から離れた位置で過剰量の硬化性歯科材料を除去できることが挙げられる。排出口が設けられている既知のクラウンフォームと比較した別の潜在的利点は、排出される材料が、好ましくは、クラウンフォームの外面に存在するのではなく、ハンドル内に保持され得るということである。
【0007】
1本以上の弱め線を具備するクラウンフォームの潜在的利点は、硬化前又は硬化後のクラウンフォームの除去が、クラウンフォームの切断を必要とすることなく、器具を用いることなく達成され得るということである。
【0008】
本発明のクラウンフォームは、中に硬化性歯科材料が配置されている、プレフィルドクラウンフォームとして包装されていることが好ましい場合がある。プレフィルドクラウンフォームを提供する潜在的利点には、使用前に歯科医がクラウンフォームを充填する必要がないため、歯の修復に要する時間が短くなることが挙げられる。
【0009】
別の潜在的利点は、硬化性歯科材料が、硬化前およびクラウンフォームを除去した後に所望の形状を保持できるタイプである場合、臨床医は、未硬化の歯科材料を準備された歯に所定の位置に配置したままで、クラウンフォームを除去し得るということである。このような場合、臨床医は、例えば、所望の位置における未硬化の歯科材料の咬合接触、近心接触および/又は辺縁接触を調節するため、硬化前に、硬化性歯科材料を付形する機会を有し、その後、適切に付形された硬化性歯科材料を硬化させることができる。
【0010】
一態様では、本発明は、歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を有する本体;歯の形の容積内に配置されている硬化性歯科材料;および、ベースから離れた位置で本体に取り付けられているハンドル;を具備するクラウンフォームを提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を有する本体;歯の形の容積内に配置されている硬化性歯科材料;ベースよりも切縁/咬合部位に近い位置で本体に取り付けられている中空のハンドル;を具備するクラウンフォームを提供し、ここで、ハンドルは、本体に形成されている排出開口部を通して本体の歯の形の容積と流体連通しているハンドル容積を画定する。
【0012】
別の態様では、本発明は、歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を有する本体;および、ベースから離れた位置で本体に取り付けられている中空のハンドル;を具備するクラウンフォームを提供し、ここで、中空のハンドルは、本体に形成されている排出開口部を通して歯の形の容積と流体連通している。
【0013】
別の態様では、本発明は、歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を有する本体;および、本体に形成されている1本以上の弱め線;を具備するクラウンフォームを提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を有する本体を具備するクラウンフォームを提供する工程であって、クラウンフォームが、ベースから離れた位置で本体に取り付けられているハンドルを更に具備する工程;本体の歯の形の容積内に配置される硬化性歯科材料を提供する工程;準備された歯にクラウンフォームを被せる工程;硬化性歯科材料を硬化させてクラウンを形成する工程;および、クラウンフォームを除去する工程;によるクラウンを提供する方法を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を有する本体を備えるクラウンフォームを提供する工程であって、クラウンフォームが、本体に形成されている1本以上の弱め線を更に具備する工程;本体の歯の形の容積内に配置される硬化性歯科材料を提供する工程;準備された歯にクラウンフォームを被せる工程;硬化性歯科材料を硬化させてクラウンを形成する工程;および、1本以上の弱め線を分離させることによってクラウンフォームを除去する工程;によるクラウンを提供する方法を提供する。
【0016】
本発明の前記および他の特徴および利点を、下記の本発明の様々な例示的実施形態に関連して更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下の例示的実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明が実施され得る具体的な実施形態を例証として示す添付の図面の図を参照する。他の実施形態を使用してもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的な変更がなされてもよいことを理解すべきである。
【0018】
図1は、1つのクラウンフォームの図であり、図2は、同じクラウンフォームの断面図であり、図3は、準備された歯に被嵌されている同じクラウンフォームの断面図である。クラウンフォーム10は、概ね、修復される歯の形状である、歯の形の容積を内部に画定する本体12を具備する。健康な歯は、様々な解剖学的形状を取るため、本体12および歯の形の容積は、健康な歯の解剖学的形状に対応する、様々な解剖学的形状を取り得る。このような場合、当業者には、クラウンフォーム10および歯の形の容積の正確な形状は、修復される歯の解剖学的形状に応じて変わることが分かる。
【0019】
本体12は、修復される歯が挿入される開口部を画定するベース14を具備する。解剖学的な点では、ベース14は実際の歯の歯頸/歯肉部位に対応し得る。クラウンフォーム10は、また、ベース14の反対側に配置されている切縁/咬合部位16も具備する。
【0020】
クラウンフォーム10の本体12は、所望の歯の形状を構造的に維持できる任意の好適な1種類又は複数の材料で製造することができる。本発明のクラウンフォームに好適な幾つかの材料の例には、以下に限定されないが、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリオレフィン、ポリスチレンなどが挙げられる。
【0021】
製造時に、本体12は、他の1つ以上の好ましい特性を有してもよい。例えば、本体12の内面はクラウンフォームに関連して使用される硬化性歯科材料に対する望ましい剥離性を有してもよい。剥離性は、硬化した歯科材料に対するものであっても、および/又は未硬化の歯科材料に対するものであってもよい。場合によっては、クラウンフォーム10とその中に配置される硬化性歯科材料30との接着を低減又は防止するため、本体12の内部に異なる材料(例えば、PTFEフィルムなどの剥離ライナなど)を提供することが望ましいことがある。ライナを具備するクラウンフォームの1つの例示的実施形態を、図7および図8に関連して後述する。
【0022】
クラウンフォーム10の本体12に使用される材料の有用となり得る別の特性は、幾つかの硬化性歯科材料を硬化させるのに使用される化学線に対する透過性である、即ち、クラウンフォーム10は、好ましくは、クラウンフォーム10を除去する前に、臨床医が本体12内の硬化性歯科材料を硬化させることを可能にする。
【0023】
ベースの周囲のフランジおよびフランジから延びているタブを具備する、(特許文献1)(ケネディ(Kennedy))に記載のクラウンフォームとは異なり、本発明のクラウンフォーム10は、好ましくはベース14の周囲の簡単なリップで終端してもよい。この構成の潜在的利点は、クラウンフォーム10が、患者の口内の所定の位置に配置されるとき、周囲の歯および/又は歯肉組織に干渉する可能性が低いということである。
【0024】
クラウンフォーム10は、また、本体12から延びているハンドル20も具備する。ハンドル20がベース14から離れた位置で本体12に取り付けられていることが好ましい場合がある。「ベースから離れた」は、ハンドルが、ベース14ではなく、むしろベース14から少なくともある距離を置いて離間した位置で本体に取り付けられていることを意味する。図示されている実施形態では、ハンドル20は、クラウンフォーム10の唇側面(切縁/咬合部位16より僅かに下)から延びている。或いは、ハンドル20は、クラウンフォーム10の切縁/咬合部位16から、又は舌側面若しくは隣接側面の1つから、直接、延びていてもよい。しかし、隣接する歯の間でクラウンフォーム10を操作および配置し易くするため、ハンドル20が、隣接側面ではなく唇側面又は舌側面で本体12に取り付けられていることが好ましい場合がある。
【0025】
ベース14から離れた位置でクラウンフォーム10に取り付けられているハンドル20を提供することによって、クラウンフォーム10を配置する時、患者の口内におけるクラウンフォーム10の操作が向上し得る。ハンドル20が、ベース14よりも切縁/咬合部位16に近い位置でクラウンフォーム10に取り付けられていることが好ましい場合がある。特に図2を参照すると、クラウンフォーム10は、ベース14から切縁/咬合部位16の最も遠い点までの寸法である全高hを有するものと特徴付けられる。ハンドル20がクラウンフォーム10の本体12にハンドル部位h’(図2参照)内で取り付けられていることが好ましい場合があるが、ハンドル部位h’は、切縁/咬合部位16の最も遠い点から距離h/2内にあるクラウンフォーム10の外面と定義される。ハンドル部位h’は、切縁/咬合部位16の最も遠い点から距離h/3内にあるクラウンフォーム10の外面と定義されることが更に好ましい場合がある。
【0026】
ハンドル20は、本体12から遠位に配置されている先端22を具備する。ハンドル20は、好ましくは中空であってよい、即ち、本体12に形成されている排出開口部21を通して、本体12の歯の形の容積と流体連通しているハンドル容積を有してもよい。中空である場合、ハンドル20は、任意の好適な断面(例えば、円形、楕円形、三角形、長方形など)を有する中空の管の形状を有してもよい。
【0027】
ハンドル20は、好ましくは、クラウンフォーム10の本体12と同じ材料で製造されていてもよい。例えば、本体12が成形されたデバイスである場合、ハンドル20は、好ましくは、本体と一緒に成形されていてもよい。或いは、ハンドル20は、本体12が製造された後、本体12に取り付けられていてもよい。どちらの場合も、即ち、ハンドル20が本体12と一緒に成形若しくはその他の方法で製造されていても、又はハンドル20が後で本体12に取り付けられていても、(必要に応じて)本体12からハンドル20を分離するには、何らかの破壊的操作(例えば、切断、引裂など)を行わなければならないように、本発明のクラウンフォームのハンドルは本体12にしっかりと取り付けられていることが好ましい。
【0028】
(図2に見られるように)ハンドル20が中空であり、本体12の歯の形の容積と、ハンドル20のハンドル容積との流体連通が所望される場合、所望の流体連通を提供するため、本体12に排出開口部を形成する必要がある。
【0029】
本体12の歯の形の容積と流体連通している中空のハンドル20の代替として、本体12に1つ以上の排出口が形成されていてもよく、(図3に見られるように)準備された歯40にクラウンフォーム10を配置するとき、過剰な硬化性歯科材料30はその排出口を通過し得る。包装されている状態で臨床医に提供されたとき、このような排出口がクラウンフォーム10に設けられていてもよく、又は、(例えば、(特許文献3)(ピアソン(Pierson))に記載されるように)包装からクラウンフォームを取り出した後、臨床医によって付け加えられてもよい。
【0030】
ハンドル20が中空の場合、図1および図2に示されるように、先端22は、好ましくは封鎖されていてもよい。封鎖されているとき、ハンドル容積は、好ましくは、先端22を取り囲む周囲の空気と流体連通していない。封鎖は、任意の好適な1つ又は複数の技術で実施され得る。図示されている実施形態では、先端22は、製造中、閉鎖した状態に成形されている。封鎖技術の他の例には、例えば、ヒートシール、ハンドル内にプラグを提供すること、先端の外部を覆うキャップを提供することなどが挙げられる。例えば、クラウンフォーム自体、および/又は、中に配置されている歯科修復材料(存在する場合)を識別するため、何らかの表示がハンドル20に提供されているか、又はそこに取り付けられていることが好ましい場合がある。
【0031】
クラウンフォーム10は、また、好ましくは、本体12内に配置されている一定量の硬化性歯科材料30を具備してもよい。歯科医又は他の臨床医に送給された時、硬化性歯科材料30は形成可能である、即ち、硬化性歯科材料30は、硬化する前にポスト又は準備された歯の周囲で形成できることが好ましい。硬化性歯科材料30がキュアして硬化状態になると記載されるタイプである場合、硬化性歯科材料30は、好ましくは、使用するために供給された時、キュアされていなくてもよい。また、本体12内に提供される硬化性歯科材料30は、硬化性歯科材料の1種に限定されてもよく、又は、或いは、硬化性歯科材料30は、例えば、修復され完成した歯の所望の色調特性、および/又は、未硬化の歯科材料に望ましい流動挙動を提供する、2種類以上の異なる硬化性歯科材料の組み合わせであってもよい。
【0032】
本発明に関連して使用され得る、好適な硬化性歯科材料の例には、例えば、2004年1月8日に公開された(特許文献4)、並びに、(特許文献5)(ワインマン(Weinmann)ら)および(特許文献6)(オックスマン(Oxman)ら)に記載されている、硬化性歯科材料(修復材、充填材など)として使用するために開示されている光重合性および化学重合性組成物が挙げられる。
【0033】
本発明のクラウンフォームが硬化性歯科材料を予め充填されている場合、材料は、フリーラジカル光重合性(例えば、エチレン性非置換材料)又はカチオン光重合性(例えば、エポキシ樹脂材料)であることが好ましい場合がある。臨床医(例えば、歯科医)が、本発明のクラウンフォームに硬化性歯科材料を充填する場合、光重合性又は化学重合性材料のいずれかを使用することが好適な場合がある。このような化学硬化性材料は、「自己硬化型」組成物と称されることがあり、それには、例えば、グラスアイオノマーセメント、樹脂強化グラスアイオノマーセメント、レドックスキュア系、およびこれらの組合わせなどが挙げられる。化学硬化性材料の中で、本発明にはレドックスキュア系が好ましい場合がある。
【0034】
図3は、準備された歯40を覆う所定の位置にある、図1および図2のクラウンフォーム10の断面図である。準備された歯40は、硬化性歯科材料30と準備された歯40との間に適切な結合が形成されるように準備されていてもよい。このような準備には、例えば、付形、エッチング、プライマー処理、歯科接着剤でのコーティングなどが挙げられる。
【0035】
クラウンフォーム10の一定量の硬化性歯科材料30の一部は、クラウンフォーム10が所定の位置に移動するとき、準備された歯40によって排除される。準備された歯によって排除される硬化性歯科材料30の量は、好ましくは、クラウンフォーム10の本体12内から出て、排出開口部21を通りハンドル20の容積に入り得る。硬化性歯科材料30がハンドル20の中に移動し易くなるように、好ましくは、ハンドル20に周囲の大気への排出口が設けられてもよい。
【0036】
図1および図2に示されるように、ハンドル20の先端22が封鎖されている場合、排出口を設けることは、例えば、挟み、ナイフ、又は他の器具で先端22を切断することによる先端22の除去を必要としてもよい。先端22が他の技術で封鎖されている場合、その封鎖技術に適切な行為(例えば、先端からプラグ又はキャップを除去することなど)が採用されてもよい。
【0037】
本体12からハンドル20の中に押し込まれ排除される硬化性歯科材料30が、ハンドル20内に保持されるようにハンドル20の容積を選択することが好ましい場合がある。排除された硬化性歯科材料30をハンドル20内に保持することによって、臨床医は、排除された材料30を患者の口から除去するために他の措置を取る必要がない。排除された硬化性歯科材料30を保持するため、ハンドル容積は、好ましくは本体12の歯の形の容積の5%以上であってよい。場合によっては、ハンドル容積は、本体の歯の形の容積の10%以上であってもよい。
【0038】
ハンドル20が中空である場合、ハンドル20は、例えば、ハンドル20を通る硬化性歯科材料30の流れを制限できる材料のプラグ28を具備してもよい。プラグ28は、封鎖されている先端22に加えて、又は封鎖されている先端22の代わりに設けられてもよい。プラグ28に好適な幾つかの材料の例は、例えば、(特許文献7)(スワンソン(Swanson)ら)に記載されるような、歯科材料を吸収するように設計された吸収材であってもよい。
【0039】
準備された歯40を覆う所望の位置にあるクラウンフォーム10に関して、臨床医は多くの選択肢を有し得る。硬化性歯科材料30が、硬化前およびクラウンフォーム10の内面から剥離した後に所望の形状を保持できるタイプである場合、臨床医は、歯科材料30を硬化させる前に、(硬化性歯科材料30を準備された歯40に所定の位置に配置したままで)クラウンフォーム10を除去してもよい。本方法では、臨床医は、例えば、咬合接触、近心接触、および/又は辺縁接触を調節するため、硬化前に硬化性歯科材料30を付形する機会を有し、その後、適切に付形された硬化性歯科材料30を硬化させることができる。硬化後、準備された歯40からクラウン(即ち、付形され硬化した歯科材料30)を除去し、準備された歯40上にクラウンを保持するのに必要な接着剤又は他の結合剤の塗布、クラウン(例えば、その辺縁)のトリミング、クラウンの調節、クラウンの研磨などを行ってもよい。
【0040】
或いは、クラウンフォーム10が硬化性歯科材料30とまだ接触している状態で、硬化性歯科材料30の硬化を達成できる場合、臨床医は、準備された歯40からクラウンフォーム10を除去する前に(硬化性歯科材料30がその中に配置されている状態で)、歯科材料30を硬化させてもよい。歯科材料30の硬化後、そこからクラウンフォーム10を除去してもよい。また、準備された歯40から硬化性歯科材料30(即ち、クラウン)を除去し、準備された歯40上にクラウンを保持するのに必要な接着剤又は他の結合剤の塗布、クラウン(例えば、その辺縁)のトリミング、クラウンの調節、クラウンの研磨などを行ってもよい。
【0041】
硬化性歯科材料30がまだクラウンフォーム10内にある時に硬化性歯科材料30を硬化させる潜在的利点は、クラウンフォーム10によって保護されるため、硬化プロセス中、硬化性歯科材料30の外面の酸素への曝露が低減又は防止され得るということである。硬化性歯科材料には、硬化中、酸素に曝露されることが望ましくないものがある。
【0042】
更に別の代替では、臨床医は、硬化性歯科材料30からクラウンフォーム10を除去する前に硬化性歯科材料30を部分硬化させ、続いて、クラウンフォーム10を除去した後、十分に又は完全に硬化させることを選択してもよい。この実施形態では、硬化性歯科材料30は、まだクラウンフォーム内に配置されており、外層は硬化されているため、硬化中、硬化性歯科材料30の外面が酸素に曝露されることが制御され得る。
【0043】
図4は、本発明による別のクラウンフォーム110の隣接側面の側面図である。クラウンフォーム110は、前述のものと同様の、歯の形の内部容積を画定する本体112、並びに、ベース114および切縁/咬合部位116を具備する。本体112の歯の形の容積は、包装され臨床医に送給された時に、硬化性歯科材料を収容していてもよい。
【0044】
また、クラウンフォーム110は、本体112に形成されている少なくとも1つの弱め線140を具備する。図4には弱め線140が1本だけ示されているが、好ましくは、クラウンフォーム110の反対側の隣接側面に第2の弱め線が設けられていてもよい。
【0045】
好ましくは、弱め線140は、好ましくは、弱め線140全体に張力が加えられるとき、本体112が分離し得る線を画定する。弱め線140は、例えば、本体の壁厚が周囲の壁の厚さと比較して減少している薄肉線、クラウンフォーム110が製造された後に形成される縦筋、穿孔線など、様々な形態を取ってよい。更に別の変形では、本体がフィラメントに沿って優先的に分離するように、弱め線は本体112に成形されたフィラメントによって画定されてもよい。当業者は、分離手段を提供する他の変形を想到し得る。
【0046】
1本以上の弱め線140に沿った本体112の分離は、様々な任意選択的特徴によって容易になり得る。例えば、弱め線140の端部に切欠き142を設けてもよい。切欠き142は、弱め線140に沿った分離を開始するための応力集中部分の役割をし得る。
【0047】
クラウンフォーム110は、また、タブ150を具備してもよい。タブ150は、準備された歯に配置する時にクラウンフォームを操作し易くするためと、本体112の1本以上の弱め線を分離するのに必要な力を加えるためクラウンフォームを把持し得る位置を提供するための両方に使用され得る。このような場合、図4および図5に示すように本体112のベース114の両側に2つ以上のタブ150を設けることが好ましいことがある。或いは、タブ150は、ベース114から離れた位置に配置されていてもよい。例えば、クラウンフォーム自体、および/又は、その中に配置されている歯科修復材料(存在する場合)を識別するため、何らかの表示がタブ150に具備されていても、又はそこに取り付けられていてもよい。
【0048】
図5に示すようにクラムシェル方式でクラウンフォーム110が開放できるように、本体112が2本の弱め線140を具備することが好ましい場合がある。クラムシェル開放手順を容易にするため、図示されるように、弱め線140がクラウンフォーム110の隣接側面に配置されていることが更に好ましい場合がある。
【0049】
図6は、本体212の一方側から延びているハンドル220、および本体212のその反対側から延びているタブ250を備えるクラウンフォーム210の別の例示的実施形態を示す。ハンドル220は、好ましくは、中空であり、図1〜図3に示される実施形態に関連して記載されるような本体212内に画定されている歯の形の容積と流体連通していてもよい。
【0050】
クラウンフォーム210は、また、好ましくは、ハンドル220とタブ250との間に、例えば、切縁/咬合部位216を通って延びている、好ましくは本体212のベース214まで延びている弱め線240を具備する。このような場合、ハンドル220とタブ250を把持して弱め線240全体に張力を加え、クラウンフォーム210の本体212を弱め線240に沿って分離させることができる。クラウンフォーム210の設計に導入され得る幾つかの変形には、例えば、クラウンフォーム210が、弱め線によって分離される2つの対向するタブを備えるように、ハンドル220の代わりに第2のタブを使用することが挙げられ、タブは、好ましくはクラウンフォーム210の切縁/咬合部位に近接したところに配置されることが分かる。別の代替では、タブ250の代わりに、中空であっても又は中空でなくてもよい第2のハンドルを使用することができる。
【0051】
図7は、本発明による別のクラウンフォーム310の断面図である。クラウンフォーム310は、前述のクラウンフォーム210と同様の、本体312、ベース314、および切縁/咬合部位316、並びに、1対の対向するタブ350を具備する。しかし、クラウンフォーム310は、また、本体312内に配置されているライナ360を具備する。図7に示すように、クラウンフォーム310は、その中に一定量の硬化性歯科材料330が配置されており、準備された歯340を覆う所定の位置にある。
【0052】
ライナ360は、多くの異なる任意選択的特徴を提供してもよい。ライナ360は、クラウンフォーム310内に配置されている硬化性歯科材料の接着が制限されるか又は存在しないような組成を有することが好ましい場合がある。例えば、ライナ360は、クラウンフォーム310内に配置される硬化性歯科材料330との接着を制限又は防止するため、PTFE,シリコーンなどの低表面エネルギー材料を含んでもよい。ライナ360は、クラウンフォーム310の本体312の内部に固定されていても、又は固定されていなくてもよい。
【0053】
ライナ360が本体312の内面に取り付けられていない場合、クラウンフォーム310を準備された歯340に被せた後、硬化性歯科材料330および準備された歯340を覆う所定の位置にライナ360を配置したままで、本体312をライナ360から除去してもよい。硬化性歯科材料330が光キュア性(photocurable)又は光重合性である場合、本体312は、好ましくは、作用光バリアとして機能し、化学線から保護し得るが、さもなければ、化学線によって、クラウンフォーム310内の硬化性歯科材料330が尚早に硬化する場合がある。例えば、作用光バリアである本体材料を透過して本体312の歯の形の容積に入るのは、好ましくは、本体材料に入射する化学線の1%未満となり得る。
【0054】
また、ライナ360が可撓性であることが好ましい場合がある。ライナ360が可撓性であり、本体312の内部に取り付けられていない場合、硬化性歯科材料330を覆う所定の位置にライナ360を配置したままで、本体312を除去できる場合がある。ライナ360が可撓性である場合、例えば、咬合接触、近心接触、および/又は辺縁接触を調節するため、ライナ360を除去する前に、下にある硬化性歯科材料30を付形することができ、その後、付形された硬化性歯科材料330を硬化させることができる。硬化性歯科材料330を付形した後、硬化性歯科材料330の硬化前又は硬化後にライナ360を除去してもよい。しかし、硬化性歯科材料330が少なくとも部分的に硬化するまで、ライナ360が硬化性歯科材料330上に保持される場合、硬化プロセス中、硬化性歯科材料330の外面は、酸素への曝露から保護され得る。ライナ360が、硬化中、所定の位置に配置されたままであり、硬化性歯科材料330が光キュア性である場合、典型的には、ライナ360が硬化性歯科材料330の硬化に必要な化学線を透過させることが好ましい。透過させるとは、ライナが、入射する化学線の25%だけ又はそれより多く(好ましくは50%以上)を透過させることが十分な場合がある。
【0055】
硬化後、クラウン(即ち、付形され、硬化した歯科材料330)を準備された歯340から除去して、クラウンを準備された歯340上に保持するのに必要な接着剤又は他の結合剤を塗布することができる(硬化性歯科材料330がそれ自体で準備された歯340に十分結合できない場合)。
【0056】
別の変形では、クラウンフォーム310の本体312の内面が、硬化性歯科材料330と本体312との接着を制限するように設計された剥離材でコーティングされていてもよい。剥離コーティングの代わりに、又はそれに加えて、本体312自体が、本体312内に配置されるどの硬化性歯科材料とも限られた程度しか接着しない材料で製造されていてもよい。
【0057】
図8は、クラウンフォーム310の隣接側面の図である。前述のように、クラウンフォーム310は、本体312、ベース314、および切縁/咬合部位316、並びにタブ350を具備する。図8は、また、クラウンフォーム310の本体に形成されている弱め線340を示し、弱め線340は、ノッチ342、および本体312に貫設されている穿孔344を具備し、穿孔はそれぞれランド部分によって分離されている。穿孔344は本体312を貫通する空隙として形成されているが、下にあるライナ360は穿孔されていないことが好ましい場合がある。ライナ360が穿孔されていない場合、ライナ360はその中に硬化性歯科材料をより効果的に収容するだけでなく、硬化中、硬化性歯科材料を酸素への曝露から保護するなどの機能をし得る。弱め線340は、好ましくは、クラウンフォーム310の近心−切縁(inciso)−遠心線上に延びていてもよい。
【0058】
図9は、本発明のクラウンフォームで具体化され得る、別の概念を示す概略図である。前述のように、臨床医に送られる時に一定量の硬化性歯科材料430が封入されているクラウンフォーム410を提供することが有利な場合がある(しかし、準備された歯に被せる前に、臨床医が本発明のクラウンフォームに硬化性歯科材料を充填できることを理解されたい)。硬化性歯科材料は、典型的には、長時間、大気に曝露されるほど十分に安定ではないため、中に硬化性歯科材料430が配置された状態で提供されるクラウンフォーム410は、好ましくは、臨床医に提供される時、包装460に入っていてもよい。
【0059】
包装460は、包装分野で既知の任意の好適な構造(例えば、エンベロープ、ブリスターパックなど)の形態を取ってもよい。好適な幾つかの包装材料の例は、(特許文献8)(チェスター(Chester)ら)、(特許文献9)(ジェーコブス(Jacobs)ら)、(特許文献10)(ジェーコブス(Jacobs)ら)、および(特許文献11)(クビトルード(Kvitrud)ら)などに記載されている。
【0060】
包装460は、好ましくは、クラウンフォーム410内の硬化性歯科材料430の作業性を維持するのに必要な任意の特徴を提供し得る。例えば、包装460は、プレフィルドクラウンフォームを1つ以上収容する、密封された容積を提供し得る(プレフィルドクラウンフォームとは、一定量の硬化性歯科材料を収容しているクラウンフォームである)。硬化性歯科材料430が光キュア性又は光重合性である場合、包装460は、また、好ましくは、作用光バリアとして機能し、化学線から保護し得るが、さもなければ、化学線によって、クラウンフォーム310内の硬化性歯科材料330が尚早に硬化する場合がある。例えば、作用光バリアである包装材料を透過して包装460の内部に入るのは、好ましくは、包装材料に入射する化学線の1%未満となり得る。
【0061】
本発明の例示的実施形態を検討し、本発明の範囲内で可能な変形を参照してきた。本発明の前記および他の変形および変更は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかであり、本発明は前述の例示的実施形態に限定されないことを理解されたい。従って、本発明は、前述の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】ハンドルを具備する本発明による1つのクラウンフォームの舌側面の図である。
【図2】図1の線2−2に沿った図1のクラウンフォームの断面図である。
【図3】準備された歯に配置した後の、図2のクラウンフォームの断面図である。
【図4】クラウンフォームに形成されている弱め線を示す、本発明による別のクラウンフォームの隣接面の図である。
【図5】クラウンフォームの弱め線に沿って分離した後の、図4のクラウンフォームの側面図である。
【図6】ハンドル、タブ、および弱め線を具備する、本発明による別のクラウンフォームの隣接面の図である。
【図7】内側ライナを具備する代替のクラウンフォームの断面図である。
【図8】弱め線を具備する図7のクラウンフォームの隣接面の図である。
【図9】硬化性歯科材料を充填され、密封包装に入っている、本発明によるクラウンフォームを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を備える本体、
前記歯の形の容積内に配置されている硬化性歯科材料、および
前記ベースから離れた位置で前記本体に取り付けられているハンドル、
を備えるクラウンフォーム。
【請求項2】
歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を備える本体、および
前記ベースから離れた位置で前記本体に取り付けられている中空のハンドル、
を備えるクラウンフォームであって、前記中空のハンドルが、前記本体に形成されている排出開口部を通して前記歯の形の容積と流体連通している、クラウンフォーム。
【請求項3】
前記歯の形の容積内に配置されている硬化性歯科材料を更に備える、請求項2に記載のクラウンフォーム。
【請求項4】
前記ハンドルが、前記ベースよりも前記切縁/咬合部位に近い位置で前記本体に取り付けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項5】
前記ハンドルが中空のハンドルを含み、前記中空のハンドルが、前記本体に形成されている排出開口部を通して前記本体の前記歯の形の容積と流体連通しているハンドル容積を画定する、請求項1又は4に記載のクラウンフォーム。
【請求項6】
前記ハンドルが、中空の管状ハンドルを含む、請求項5に記載のクラウンフォーム。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記本体から遠位の封鎖されている先端を備える、請求項5に記載のクラウンフォーム。
【請求項8】
前記ハンドル容積が、前記歯の形の容積の5%以上である、請求項5に記載のクラウンフォーム。
【請求項9】
前記クラウンフォームが、密封包装に入っている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項10】
前記クラウンフォームが、作用光バリア包装に入っている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項11】
歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を備える本体、および
前記本体に形成されている1本以上の弱め線、
を備えるクラウンフォーム。
【請求項12】
前記1本以上の弱め線の各弱め線が、その一端に形成されている切欠きを備える、請求項11に記載のクラウンフォーム。
【請求項13】
前記1本以上の弱め線の各弱め線が、前記本体の前記ベースに近接したところから前記切縁/咬合部位の方に延びている、請求項11又は12のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項14】
前記1本以上の弱め線が、前記本体の一方側の前記ベースに近接したところから延びて、前記切縁/咬合部位を越え、前記本体の反対側の前記ベースに近接したところで終端する弱め線を1本だけ含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項15】
前記本体の内面に剥離コーティングを更に備える、請求項11〜14のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項16】
前記クラウンフォームの前記本体内に配置されているライナを更に備える、請求項11〜14のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項17】
前記1本以上の弱め線が、前記本体に貫設されている1つ以上の穿孔を含む、請求項16に記載のクラウンフォーム。
【請求項18】
前記クラウンフォームが、前記本体の前記歯の形の容積内に配置されている光キュア性(photocurable)硬化性歯科材料を更に備え、前記ライナが、前記光キュア性硬化性歯科材料を硬化できる化学線を透過させる、請求項16又は17に記載のクラウンフォーム。
【請求項19】
前記本体が、前記光キュア性硬化性歯科材料を硬化できる化学線に対する作用光バリアを備える、請求項18に記載のクラウンフォーム
【請求項20】
前記本体に取り付けられている1つ以上のタブを更に備える、請求項11〜19のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項21】
前記本体に取り付けられている2つのタブを更に備え、前記2つのタブが前記本体の両側に配置されている、請求項20に記載のクラウンフォーム。
【請求項22】
前記2つのタブが、前記ベースに近接したところで前記本体に取り付けられている、請求項21に記載のクラウンフォーム。
【請求項23】
前記2つのタブが、前記切縁/咬合部位に近接したところで前記本体に取り付けられている、請求項21に記載のクラウンフォーム。
【請求項24】
前記本体に取り付けられている中空のハンドルを更に備え、前記中空のハンドルが、前記本体に形成されている排出開口部を通して前記歯の形の容積と流体連通している、請求項11〜23のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項25】
前記ハンドルが、前記ベースよりも前記切縁/咬合部位に近い位置で前記本体に取り付けられている、請求項24に記載のクラウンフォーム。
【請求項26】
前記ハンドル容積が、前記歯の形の容積の5%以上である、請求項24又は25に記載のクラウンフォーム。
【請求項27】
前記クラウンフォームが、前記歯の形の容積内に配置されている硬化性歯科材料を更に備え、密封包装に入っている、請求項11〜26のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項28】
前記クラウンフォームが、前記歯の形の容積内に配置されている硬化性歯科材料を更に備え、作用光バリア包装に入っている、請求項11〜26のいずれか1項に記載のクラウンフォーム。
【請求項29】
クラウンを提供する方法であって、
歯の形の容積を画定し、ベースおよびベースから遠位の切縁/咬合部位を備える本体を備えるクラウンフォームを提供する工程であって、前記クラウンフォームが、前記ベースから離れた位置で前記本体に取り付けられているハンドルを更に備える工程、
前記クラウンフォームの本体の前記歯の形の容積内に配置される硬化性歯科材料を提供する工程、
準備された歯に前記クラウンフォームを被せる工程、
前記硬化性歯科材料を硬化させてクラウンを形成する工程、および
前記クラウンフォームを除去する工程、
を含む方法。
【請求項30】
前記ハンドルが、前記ベースよりも前記切縁/咬合部位に近い位置で前記本体に取り付けられている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ハンドルが、前記本体に形成されている排出開口部を通して前記本体の前記歯の形の容積と流体連通しているハンドル容積を画定する中空のハンドルを含み、前記準備された歯に前記クラウンフォームを被せるとき、前記硬化性歯科材料の一部を前記ハンドル容積の中に押し込む工程を更に含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記準備された歯に前記クラウンフォームを被せた後、前記硬化性歯科材料の実質的に全てが、前記本体又は前記中空のハンドル内に保持される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ハンドルが、前記本体から遠位の封鎖されている先端を備え、更に、前記準備された歯に前記クラウンフォームを被せる前に、前記封鎖されている先端に排出口を設ける工程を含む、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記クラウンフォームを除去する工程を含む、請求項29〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記クラウンフォームを除去した後、および前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記硬化性歯科材料を付形する工程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記硬化性歯科材料を少なくとも部分的に硬化させた後、前記クラウンフォームを除去する工程を含む、請求項29〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
クラウンを提供する方法であって、
歯の形の容積を画定し、ベースおよび前記ベースから遠位の切縁/咬合部位を備える本体を備えるクラウンフォームを提供する工程であって、前記クラウンフォームが、前記本体に形成されている1本以上の弱め線を更に備える工程、
前記クラウンフォームの本体の前記歯の形の容積内に配置される硬化性歯科材料を提供する工程、
準備された歯に前記クラウンフォームを被せる工程、
前記硬化性歯科材料を硬化させてクラウンを形成する工程、および
前記1本以上の弱め線を分離させることによって前記クラウンフォームを除去する工程、
を含む方法。
【請求項38】
前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記クラウンフォームを除去する工程を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記クラウンフォームを除去した後、および前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記硬化性歯科材料を付形する工程を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記クラウンフォームが、前記本体内に配置されているライナを更に備え、前記ライナが前記本体と前記硬化性歯科材料との間に位置決めされており、前記クラウンフォームを除去する工程が、同時に前記ライナを除去する工程を含む、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記1本以上の弱め線が、前記本体に貫設されている1つ以上の穿孔を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記クラウンフォームが、前記本体内に配置されているライナを更に備え、前記ライナが前記本体と前記硬化性歯科材料との間に位置決めされており、前記クラウンフォームを除去した後、前記ライナが前記歯科材料上に残存する、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記ライナを除去する工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ライナを除去した後、および前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記硬化性歯科材料を付形する工程を更に含む、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記ライナを除去する前、および前記硬化性歯科材料を硬化させる前に、前記硬化性歯科材料を付形する工程を更に含む、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項46】
前記硬化性歯科材料が光キュア性材料を含み、前記ライナが、前記硬化性歯科材料を硬化できる化学線を透過させる、請求項40〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記1本以上の弱め線の各弱め線が、その一端に形成されている切欠きを備える、請求項37〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記1本以上の弱め線の各弱め線が、前記本体の前記ベースに近接したところから前記切縁/咬合部位の方に延びている、請求項37〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記1本以上の弱め線が、前記本体の一方側の前記ベースに近接したところから延びて、前記切縁/咬合部位を越え、前記本体の反対側の前記ベースに近接したところで終端する弱め線を1本だけ含む、請求項37〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記本体に取り付けられている1つ以上のタブを更に備え、前記クラウンフォームを除去する工程が、前記1つ以上のタブを把持して前記1本以上の弱め線を分離させる工程を含む、請求項37〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記本体に取り付けられている2つのタブを更に備え、前記2つのタブが前記本体の両側に配置されており、前記クラウンフォームを除去する工程が、前記2つのタブを把持して前記1本以上の弱め線を分離させる工程を含む、請求項37〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記クラウンフォームが、前記本体に形成されている排出開口部を通して前記本体の前記歯の形の容積と流体連通しているハンドル容積を画定する中空のハンドルを更に備え、前記準備された歯に前記クラウンフォームを被せるとき、前記硬化性歯科材料の一部を前記ハンドル容積の中に押し込む工程を更に含む、請求項37〜51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記準備された歯に前記クラウンフォームを被せた後、前記硬化性歯科材料の実質的に全てが、前記本体又は前記中空のハンドル内に保持される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記クラウンフォームを前記包装から取り出す前に前記硬化性歯科材料が前記本体の前記歯の形の容積内に配置されている前記クラウンフォームを密封包装から取り出す工程を更に含む、請求項29〜53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記クラウンフォームを前記包装から取り出す前に前記硬化性歯科材料が前記本体の前記歯の形の容積内に配置されている前記クラウンフォームを作用光バリア包装から取り出す工程を更に含む、請求項29〜53のいずれか1項に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−502655(P2007−502655A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523874(P2006−523874)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/024974
【国際公開番号】WO2005/018476
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】