説明

クラリネット属

【課題】離す操作と押さえる鍵操作が同時に要求される場合を少なくして演奏し易いクラリネット属を提供すること。
【解決手段】ベル側からマウスピース側に向かって音孔0〜24の通常音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属であり、B音、C♯音、D♯音の順、LowE音、LowF♯音、G♯音の順、C、C♯音、D♯音の順、LowF音、LowF♯音、G♯音の順、LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順、及び、LowF音、LowD♯音、LowE音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクラリネット属に係り、更に詳しくは、既存のクラリネット属(クラリネットアルトクラリネット、バスクラリネット等)と実質的に同じような指使いで演奏できるとともに、鍵等を離す操作と押す操作とが同時に必要とされる操作を少なくして操作性の改善を図ることのできるクラリネット属に関する。
【背景技術】
【0002】
クラリネット属は、上管と下管とからなる本体管の前記下管にベルが連結されるとともに、上管にバレル及びマウスピースが順次連結される構成となっている。本体管には、その軸線方向に沿って音孔が所定間隔を隔てて穿設されており、当該音孔を開閉することで、管の有効長さを変化させて特定の音が出せる構成となっている。ここで、音孔は、指先による開閉の他、鍵若しくはリングキー等を介して開閉される。
【0003】
図19には、従来のクラリネット属の鍵(触指部)、リングキー及び一部の音孔と、これらを操作する指との対応関係を示す概略展開図が示され、図20には、全音孔と、これらを操作する鍵、リングキーとの対応関係を示す概略展開図が示されている。ここで、本明細書及び図面におけるクラリネット属の音孔は、通常のベーム式クラリネットと同じ意味の音孔に同じ数字が割り当てられており、図中下方をベル側とし、上方をマウスピース側としたときに、ベル側の音孔を0とする一方、以下昇順にマウスピース側を24として音孔番号が付されている。また、図20中、左側上下に沿って並ぶ音孔を示す丸印において、黒塗りで示した音孔は非操作時において閉塞状態にある一方、白抜きで示した音孔は非操作時に開放状態にあることを示す。
鍵、リングキーに付されている記号は、前記音孔を開閉する対応関係に基づいて付されており、鍵は「K」、リングキーは「R」、タンポ付きのキーは「P」として音孔番号の後ろに付し、同一の音孔番号に付される場合には、A、Bの記号が付されている。なお、音孔番号の後ろに記号が付されていない部分については音孔のみが存在することを示す。
従って、これを図19,図20に付された記号について説明すると、例えば、「0K」は音孔0を操作する鍵、「1KA」は音孔1を操作する第1の鍵、「1KB」は音孔1を開閉する第2の鍵、「16R19P」は音孔16を操作するリングキーであって音孔19をも操作するタンポ付きのキー、「7P」は音孔7を操作するタンポ付きのキー、「5R6R8R9P」は、音孔5、音孔6、音孔8を操作するリングキー及び音孔9を操作するタンポ付きキー、「11」は音孔のみであってリング等が存在しないことを示す。
【0004】
前記従来のクラリネット属においては、一例を挙げると、以下の指使い(運指)によって所定の音が出るように調整されている。
すなわち、図21(A)ないし(D)中、黒く塗りつぶした鍵等を押さえる指使いにより、いずれもD♯の音が出る。
図22(A)の指使いでC♯音が出ることとなり、図22(B)の指使いでC音が出るものとなり、図22(C)及び(D)の指使いではB音が出る。
図23(A)の指使いにより、G♯音、同図(B)ないし(D)の指使いでそれぞれLowF♯音が出る。なお、音を示す記号の前に付される「Low」は、五線紙の下線第3線のF♯音より下の音について用いられる。
図24(A)及び(B)の指使いでLowF音となる。
図25(A)ないし(C)の指使いでLowE音が出る。
図26の指使いでLowD♯音が出る。
なお、クラリネットの鍵機構としては、例えば、特許文献1が存在する。
【0005】
【特許文献1】特公平3−50276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のクラリネット属においては、図27(A)、(B)、(C)にそれぞれ対応したB音、C♯音、D♯音をその順番で演奏する場合において、B音からC♯音に移るときに、右手中指を鍵5R6R8R9Pから離して左手小指で鍵10Kを押す操作が必要となり、C♯音からD♯音に移るときに、左手小指を鍵10Kから離すとともに左手薬指を音孔11から離すと同時に、右手人差し指で鍵12K押さえる操作が必要となる。このように、鍵等に対して離す操作と押さえる操作とが同時に必要となることから、演奏が難しくなる、という不都合がある。
【0007】
また、図28(A)、(B)、(C)に対応するLowE音、LowF♯音、G♯音の順番に演奏する場合において、LowE音からLowF♯音に移るときに、右手小指を鍵1KAから離して左手小指で鍵2KBを押さえる操作が必要となり、LowF♯音からG♯音に移るときに、左手小指を鍵2KBから離して右手小指で鍵4Kを押さえる操作が必要となり、同様に演奏が難しくなる。
【0008】
更に、図29(A)、(B)、(C)に対応するC音、C♯音、D♯音の順に演奏する場合において、C音からC♯音を経てD♯音に移る際のC♯音からD♯に移るときに、左手小指を鍵10Kから離すとともに左手薬指を音孔11から離して右手人差し指で鍵12Kを押さえる操作が必要となり、演奏が難しくなる。
【0009】
また、図30(A)、(B)、(C)に対応するLowF音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する場合において、LowF音からLowF♯音に移るときに、右手小指を鍵3KAから離して左手小指で鍵2KBを押さえる操作が必要となり、LowF♯音からG♯音に移るときに、左手小指を鍵2KBから離して右手小指で鍵4Kを押さえる操作が必要となり、同様に演奏が難しくなる。
【0010】
更に、図31(A)、(B)、(C)に対応するLowD♯音、LowE音、LowF♯音の順に演奏する場合において、LowD♯音からLowE音に移るときに、右手小指を鍵0Kから離して左手小指で鍵1KBを押さえる操作が必要となり、LowE音からLowF♯音に移るときに、左手小指を鍵1KBから離して右手小指で鍵2KAを押さえる操作が必要となる。
【0011】
また、図32(A)、(B)、(C)に対応するLowF音、LowD♯音、LowE音の順に演奏する場合において、LowF音からLowD♯音に移るときに、左手小指を鍵3KBから離して右手小指で鍵0Kを押さえる操作が必要となり、LowD♯音からLowE音に移るときに、右手小指を鍵0Kから離して左手小指で鍵1KBを押さえる操作が必要となり、同様に演奏が難しくなる。
【0012】
なお、前記特許文献1に開示されたクラリネットにおいても、実質的に同様の指使いとなるため、演奏が難しいものといえる。
【0013】
[発明の目的]
本発明は、前述した不都合に着目して案出されたものであり、鍵等の操作において、既存のクラリネット属と実質的に同一の指使いで演奏することができるとともに、離す操作と押さえる操作とが同時に要求される場合を少なくして演奏し易いクラリネット属を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明は、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
B音、C♯音、D♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたものである。
【0015】
また、本発明は、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowE音、LowF♯音、G♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としてもよい。
【0016】
更に、本発明は、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
C音、C♯音、D♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列とすることもできる。
【0017】
また、本発明は、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowF音、LowF♯音、G♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列することができる。
【0018】
更に、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としてもよい。
【0019】
また、本発明は、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowF音、LowD♯音、LowE音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列が採用される。
【0020】
更に、本発明は、ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、当該音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、(1)B音、C♯音、D♯音の順、(2)LowE音、LowF♯音、G♯音の順、(3)C、C♯音、D♯音の順、(4)LowF音、LowF♯音、G♯音の順、(5)LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順、及び(6)LowF音、LowD♯音、LowE音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列とすることで、前述した目的をより良く達成することができる。
【0021】
また、本発明は、ベル側に最も近い音孔を0とし、前記ベル側から昇順として、マウスピース側に最も近い音孔を24とするとともに、0、2、4、10番目の音孔を標準音孔としたときに、当該標準音孔に追加音孔をそれぞれ併設し、これら標準音孔及び追加音孔を所定の鍵等の操作によって開放若しくは閉塞することで、鍵等を離す操作と押す操作とを同時に必要としない操作を可能とする構成を採ることができる。
なお、本明細書において、「鍵等」というときは、鍵、リングキー、タンポ付きキーの他、必要に応じて音孔を含む概念として用いられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、B音、C♯音、D♯音の順、LowE音、LowF♯音、G♯音の順、C音、C♯音、D♯音の順、LowF音、LowF♯音、G♯音の順、LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順、及びLowF音、LowD♯音、LowE音を、それらの順番で演奏するときに、離す操作と押さえる操作とが同時に必要とされないので、つまり、離す操作か押さえる操作かの何れかの選択的な操作となるため、当該操作に際して異音が出るような不都合はなく、楽な演奏を実現する。
特に、前記指使いを実現するために、追加音孔を既存の音孔に併設するだけであり、従って、鍵配列等を複雑化させるようなことはなく、また、特別な演奏技術も要求されることがないので、既存のクラリネット属の利用者にとっての使い勝手も良好に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係るクラリネット属の鍵、リングキー、タンポ付きキー及び一部の音孔と、これらを操作する指との対応関係を示す概略展開図が示され、図2には、全音孔とこれらを操作する鍵、リングキー、タンポ付きキーとの対応関係を示す概略展開図が示されている。これらの図において、クラリネット属を形成する本体管(図示省略)の下半部には、右手で操作される鍵等が配列されている。すなわち、音孔1を開閉するタンポ付きキー1Pを操作する第1の鍵1KA、音孔0Aを開閉するタンポ付きキー0APを操作する第1の鍵0AKA、音孔4Bを開閉するタンポ付きキー4BPを操作する鍵4BKが一群となって右手小指の操作領域に配置されている。これらの鍵の上方には、右手薬指を用いて音孔4Aを操作するリングキー4AR及び音孔7を開閉するタンポ付きキー7Pを操作する鍵7Kが配置され、更に、右手中指を用いて音孔6Bを開閉するタンポ付きキー6BPを操作する鍵6BKが配置されている。この鍵6BKの上方における側部には、音孔6Aを操作するとともに音孔8を開閉するタンポ付きのキー8Pが連結されたリングキー6AR8P、音孔12を開閉するタンポ付きキー12Pを操作する鍵12Kと、音孔17を開閉するタンポ付きキー17Pを操作する鍵17Kと、音孔22を開閉するタンポ付きキー22Pを操作する鍵22K、音孔23を開閉するタンポ付きキー23を操作する鍵23Kが右手人差し指の操作領域に配置されている。
【0024】
本体管の上半部には、左手で操作される鍵等が配置されている。すなわち、左手小指で操作されるとともに、音孔1を開閉するタンポ付きキー1Pを操作する第2の鍵1KB、音孔0Bを開閉するタンポ付きキー0BPを操作する鍵0BK、音孔2Bを開閉するタンポ付きキー2BPを操作する鍵2BK及び音孔10Bを開閉するタンポ付きキー10BPを操作する鍵10BKが一群となって配置されている。この鍵10BKの上方には、左手薬指を用いて音孔10A開閉用のリングキー10AR及び音孔13を開閉するタンポ付きキー13Pを操作する鍵13Kが配置され、更に、左手中指で、音孔14を操作するリングキー14R、左手人差し指で音孔16を開閉操作するとともに、音孔19をタンポ付きキー19Pを介して開閉するリングキー16R19Pと、音孔21を開閉するタンポ付きキー21Pを操作する鍵21K及び音孔20を開閉するタンポ付きキー20Pを操作する鍵20Kが配置されている。前記リングキー16R19Pに対してバレル周方向反対側には、左手親指で音孔18を操作するリングキー18R及び音孔24を開閉するタンポ付きキー24Pを操作する鍵24Kが配置されている。
【0025】
図2に示されるように、音孔0A、2B、4B、10Bは、既存の音孔と実質的に同一の意味を有するものであるが、これら音孔には、略同一高さ位置に音孔0B、2A、4A、10Aが追加音孔として形成されている。なお、音孔6A、9B、11Bは、前記追加音孔とは区別される音孔であり、演奏時の音の抜けを良好とするために形成されている。
【0026】
図3には、本実施形態にかかるクラリネット属と、従来のクラリネット属とを対称的に表す概略展開図が示されている。同図に示されるように、前記追加音孔0B、2A、4A、10A及び音抜け用の音孔6A及び9B、11Bを除き、音孔0〜24までは、基本的に共通しており、これにより、従来のクラリネット属と実質的に同様の指使いで同一の音を出すことができるようになっている。
【0027】
本発明におけるクラリネット属は、従来のクラリネット属と同様の指使いに加え、図4(A)ないし(G)に示される指使いにより、D♯音、C♯音、G♯音、G♯音、LowE音、LowE音及びLowD♯音をそれぞれ出すことができる。すなわち、図4(A)に示されるように、鍵18R、16R19P、10BKを操作する(押さえる)ことにより、D♯音を出すことができ、図4(B)に示されるように、鍵18R、16R19P、14R、6BKを操作することによりC♯音を出すことができ、図4(C)に示されるように、鍵18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、2BKを操作することによりG♯音を出すことができる。なお、図4(C)における鍵2BKの操作に代えて鍵0BKを操作することによってもG♯音を出すことができる(図4(D)参照)。また、図4(E)に示されるように、鍵18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、4AR、1KA、0BKを操作することにより、LowE音を出すことができる。図4(E)において、鍵1KA、0BKの操作に代えて、鍵1KBを操作することによってもLowE音を出すことができる(図4(F)参照)。更に、図4(G)に示されるように、鍵18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、4AR、1KB、0AKAを操作することでLowD♯音を出すことができる。なお、これらの指使いにおいて、鍵24Kを押すことで、12度上の音を出すことができる。
【0028】
図6ないし図12には、前記図4(A)ないし(G)に示された指使いをした時における音孔の開閉状態がそれぞれ示されており、その動作について、以下、図5の分解図をも参照しながら説明する。ここで、図5中、三桁の数字で示される部分は、鍵、リングに一体若しくは連結されたレバー、軸等が相互に係合若しくは接触し合う部分を示すものであり、これらの部分については、説明の便宜上、以下、単に「部位」と称する。各部位の相互関係は、点線で結ぶ線によって示されており、同点線の先端に矢印のある部位は、矢印のない部位に乗る関係にある。また、図5中「0B・2B−5C」は、鍵0BK又は鍵12Kによって音孔5を開閉させるための連絡キーである。なお、音孔の初期状態、すなわち、非操作時における音孔0〜24の開閉状態は、図2に示されるように、音孔0B、2B、4B、7,10B、12、13、17、20〜24が閉塞し、それら以外の音孔は全て開放している状態となっている。
【0029】
(1)18R、16R19P、10BKを押さえた場合(図4(A)の指使い)
図5及び図6に示されるように、リングキー18Rを押さえることで音孔18が閉塞される。リングキー16R19Pを押さえることで音孔16が閉塞されるとともに、タンポ付きキー19によって音孔19が閉塞される。鍵10BKを押さえることにより、タンポ付きキー10BPが上がって音孔10Bが開放し、部位116が上がる(バレル表面に対して離れる)。これにより、音孔11Aがタンポ付きキー11APにより閉塞するとともに部位115が下がり(バレル表面に対して近づく)、部位150が下がって音孔15がタンポ付きキー15Pにより閉塞される。これにより、図6に示されるように、音孔14までの管の有効長さになり、D♯音が出る。なお、ここで、「管の有効長さ」とは、マウスピースからベルに向かって最初に開放されている音孔までの長さであって、その当該音程に対する気柱振動現象が生じている区間を意味する。
【0030】
(2)18R、16R19P、14R、6BKを押さえた場合(図4(B)の指使い)
図5及び図7に示されるように、リングキー18を押さえることで音孔18が閉塞される。リングキー16R19Pを押さえることで音孔16が閉塞されるとともに、タンポ付きキー19によって音孔19が閉塞される。リングキー14Rを押さえることによって音孔14が閉塞されるとともに、部位140が上がって部位117が上がり、音孔11Bがタンポ付きキー11BPにより閉塞される。同時に、部位145が下がって音孔15がタンポ付きキー15Pにより閉塞される。鍵6BKを押さえることにより、部位061が上がる。これにより、部位096が上がって音孔9Aがタンポ付きキー9APにより閉塞する。部位096が上がることで部位095が下がり、部位110が下がって音孔11Aがタンポ付きキー11APにより閉塞される。また6BKを押さえたときに、部位062も上がって部位065が上がり、音孔6Bがタンポ付きキー6BPにより閉塞される。これにより、図7に示されるように、音孔10までの有効長さになり、C♯音が出ることとなる。
【0031】
(3)18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、2BKを押さえた場合(図4(C)の指使い)
図5及び図8に示されるように、リングキー18Rを押さえることで音孔18が閉塞する。リングキー16R19Pを押さえることで音孔16が閉塞されるとともに、タンポ付きキー19によって音孔19が閉塞される。リングキー14Rを押さえることによって部位140が上がって部位117が上がり、音孔11Bが閉塞される。同時に、部位145が下がって音孔15がタンポ付きキー15Pによって閉塞される。リングキー10ARを押さえることにより、音孔10Aが閉塞されるとともに、部位100が上がって部位097が上がり、音孔9Bがタンポ付きキー9BPにより閉塞され、また、部位105が下がって音孔11Aがタンポ付きキー11APによって閉塞される。リングキー6AR8Pを押さえることにより、音孔6Aが閉塞するとともに、タンポ付きキー8Pで音孔8が閉塞される。同時に、部位060が上がって部位096が上がり、音孔9Aがタンポ付きキー9APによって閉塞される。鍵6BKを押さえることで、部位062が上がって部位065が上がり、音孔6Bがタンポ付きキー6BPにより閉塞される。鍵2BKを押さえることにより、タンポ付きキー2BPが上がって音孔2Bが開放する。同時に、部位020が上がることで、部位005が上がり、タンポ付きキー0APにより音孔0Aが閉塞される。また、部位005が上がることで鍵0AKAが下がり、当該鍵0AKAとバレルとの間に位置するタンポ付きキー3Pにより音孔3が閉塞される。また、部位005が上がることで更に部位001が上がって部位025が上がり、タンポ付きキー2APにより音孔2Aが閉塞される。また、前記鍵2BKを押さえたときに、更に、部位021及び007がそれぞれ上がり、部位006が下がることでタンポ付きキー5Pにより音孔5が閉塞される。
これにより、図8に示されるように、音孔4Aまで管の有効長さになり、G♯音が出ることとなる。
【0032】
(4)18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、0BKを押さえたとき(図4(D)の指使い)
図5及び図9に示されるように、リングキー18Rを押さえることで音孔18が閉塞する。リングキー16R19Pを押さえることで音孔16が閉塞されるとともに、タンポ付きキー19によって音孔19が閉塞される。リングキー14Rを押さえることによって部位140が上がって部位117が上がり、音孔11Bが閉塞される。同時に、部位145が下がって音孔15がタンポ付きキー15Pによって閉塞される。リングキー10ARを押さえることにより、音孔10Aが閉塞されるとともに、部位100が上がって部位097が上がり、音孔9Bがタンポ付きキー9BPにより閉塞され、また、部位105が下がって音孔11Aがタンポ付きキー11APによって閉塞される。リングキー6AR8Pを押さえることにより、音孔6Aが閉塞するとともに、タンポ付きキー8Pで音孔8が閉塞される。同時に、部位060が上がって部位096が上がり、音孔9Aがタンポ付きキー9APによって閉塞される。鍵6BKを押さえることで、部位062が上がって部位065が上がり、音孔6Bがタンポ付きキー6BPにより閉塞される。0BKを押さえることにより、タンポ付きキー0BPが上がって音孔0Bが開放する。同時に、部位003が上がって部位019が上がり、これにより、音孔1はタンポ付きキー1Pにより閉塞される。部位019が上がったときには、部位018が下がって部位030も下がり、タンポ付きキー3Pにより音孔3が閉塞される。また、鍵0BKを押さえることにより、更に、部位002が上がり、部位007が上がる。これにより、部位006が下がって音孔5がタンポ付きキー5Pによって閉塞される。
これにより、図9に示されるように、音孔4まで管の有効長さになり、図8の場合と同様にG♯音が出ることとなる。
【0033】
(5)18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、4AR、1KA、0BKを押さえたとき(図4(E)の指使い)
図5及び図10に示されるように、リングキー18Rを押さえることで音孔18が閉塞する。このとき、部位180が上がり、部位165も上がってタンポ付きキー19Pは音孔19Pを閉塞するが、当該音孔19Pは、リングキー16R19Pを押さえることでも音孔16と共に閉塞される。リングキー14Rを押さえることによって部位140が上がって部位117が上がり、音孔11Bが閉塞される。同時に、部位145が下がって音孔15がタンポ付きキー15Pによって閉塞される。リングキー10ARを押さえることにより、音孔10Aが閉塞されるとともに、部位100が上がって部位097が上がり、音孔9Bがタンポ付きキー9BPにより閉塞され、また、部位105が下がって音孔11Aがタンポ付きキー11APによって閉塞される。リングキー6AR8Pを押さえることにより、音孔6Aが閉塞するとともに、タンポ付きキー8Pで音孔8が閉塞される。同時に、部位060が上がって部位096が上がり、音孔9Aがタンポ付きキー9APによって閉塞される。鍵6BKを押さえることで、部位062が上がって部位065が上がり、音孔6Bがタンポ付きキー6BPにより閉塞される。リングキー4ARを押さえることで、部位045が下がって部位041も下がり、部位040が上がることで部位055が上がり、タンポ付きキー5により音孔5が閉塞される。また、鍵1KAを押さえることで、部位017が下がって部位012が下がり、タンポ付きキー1Pにより音孔1が閉塞される。部位012が下がったときに、同時に部位018も下がり、部位030が下がって音孔3がタンポ付きキー3Pにより閉塞される。また、鍵1KAの押さえ操作は、部位000を下げることとなり、鍵0AKAが下がる。これにより、部位001が上がって部位025が上がり、音孔2Aがタンポ付きキー2APにより閉塞されるとともに、音孔0Aがタンポ付きキー0APにより閉塞される。更に、鍵0BKを押さえることで、タンポ付きキー0BPが上がって音孔0Bが開放する。
これにより、LowEの音が出ることとなる。
【0034】
(6)18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、4AR、1KBを押さえたとき(図4(F)の指使い)
図5及び図11に示されるように、リングキー18Rを押さえることで音孔18が閉塞する。リングキー16R19Pを押さえることで音孔16が閉塞されるとともに、タンポ付きキー19によって音孔19が閉塞される。リングキー14Rを押さえることによって部位140が上がって部位117が上がり、音孔11Bが閉塞される。同時に、部位145が下がって音孔15がタンポ付きキー15Pによって閉塞される。リングキー10ARを押さえることにより、音孔10Aが閉塞されるとともに、部位100が上がって部位097が上がり、音孔9Bがタンポ付きキー9BPにより閉塞され、また、部位105が下がって音孔11Aがタンポ付きキー11APによって閉塞される。リングキー6AR8Pを押さえることにより、音孔6Aが閉塞するとともに、タンポ付きキー8Pで音孔8が閉塞される。同時に、部位060が上がって部位096が上がり、音孔9Aがタンポ付きキー9APによって閉塞される。鍵6BKを押さえることで、部位062が上がって部位065が上がり、音孔6Bがタンポ付きキー6BPにより閉塞される。リングキー4ARを押さえることで、部位045が下がって部位041も下がり、部位040が上がることで部位055が上がり、タンポ付きキー5により音孔5が閉塞される。鍵1KBを押さえることにより、部位011が上がって部位015も上がり、更に、部位010と026が上がることで、音孔2Aがタンポ付きキー2APにより閉塞される。また、部位015が上がったときに部位016が下がって音孔1がタンポ付きキー1Pにより閉塞され、部位018が下がって部位030が下がり、音孔3がタンポ付きキー3Pにより閉塞される。これにより、音孔0Aを除く他の音孔が閉塞されてLowEの音が出る。
【0035】
(7)18R、16R19P、14R、10AR、6AR8P、6BK、4AR、0AKA、1KBを押さえたとき(図4(G)の指使い)
リングキー18Rを押さえることで音孔18が閉塞する。リングキー16Rを押さえることで音孔16が閉塞されるとともに、タンポ付きキー19によって音孔19が閉塞される。リングキー14Rを押さえることによって部位140が上がって部位117が上がり、音孔11Bが閉塞される。同時に、部位145が下がって音孔15が閉塞される。リングキー10ARを押さえることにより、部位100が上がって部位097が上がり、音孔9Bが閉塞する。同時に、部位105が下がって音孔11Aが閉塞する。リングキー6AR8Pを押さえることにより、音孔6Aが閉塞するとともに、タンポ付きキー8Pで音孔8が同時に閉塞する。同時に、部位060が上がって部位096が上がり、音孔9Aがタンポ付きキー9APによって閉塞される。鍵6BKを押さえることで、部位062が上がって部位065が上がり、音孔6Bがタンポ付きキー6BPにより閉塞される。リングキー4ARを押さえることで、部位045が下がって部位041も下がり、部位040が上がることで部位055が上がり、これにより、タンポ付きキー5により音孔5が閉塞される。鍵0AKAを押さえることにより、音孔0Aがタンポ付きキー0APにより閉塞される。また、鍵1KBを押さえることにより、部位011が上がって部位015も上がり、更に、部位010と026が上がることで、音孔2Aがタンポ付きキー2APにより閉塞される。また、部位015が上がったときに部位016が下がって音孔1がタンポ付きキー1Pにより閉塞され、部位018が下がって部位030が下がり、これにより、音孔3がタンポ付きキー3Pにより閉塞される。これにより、LowD♯の音が出る。
【0036】
次に、以上の構成に基づく本実施形態に係る指使いの容易性について、図13〜図18を参照しながら説明する。なお、図13〜図18は、従来のクラリネット属における指使いの難しい場合を示した図27〜図32にそれぞれ対応するものである。
【0037】
図13(A)、(B)、(C)にそれぞれ対応したB音、C♯音、D♯音をその順番で演奏する場合において、B音は、図22(C)に示される従来例と実質的に同様に、左手親指でリングキー18R、左手人差し指でリングキー16R19P、左手中指でリングキー14R、左手薬指でリングキー10ARを押さえる一方、右手中指で鍵6BKを押さえる状態となる。B音からC♯音に移るときは、本実施形態に係る図4(B)及び図7に基づいて説明した指使いを用いることにより、左手薬指をリングキー10ARから離すだけで対応することができる。そして、C♯音からD♯音に移るときは、図21(D)に示した従来の指使いを用いることにより、すなわち、左手中指をリングキー14Rから離すだけで対応することが可能となる。従って、B音、C♯音、D♯音の順に演奏するときは、指を順番に離すだけの操作となり、演奏が楽になる。
【0038】
図14(A)、(B)、(C)にそれぞれ対応するLowE音、LowF♯音、G♯音の順番に演奏する場合において、LowE音は、図25(A)の従来と実質的に同様の指使いが用いられる。すなわち、左手親指でリングキー18R、左手人差し指でリングキー16R19P、左手中指でリングキー14R、左手薬指でリングキー10AR、左手小指で鍵0BKを押さえる一方、右手人差し指でリングキー6AR8P、右手中指で鍵6BK、右手薬指でリングキー4AR、右手小指で鍵0AKAを押さえる。LowE音からLowF♯音に移るときは、図23(C)に示した従来と実質的に同様の指使いを用いればよく、従って、鍵0AKAから右手小指を離すだけで足りる。LowF♯音からG♯音に移るときは、本実施形態に係る図4(D)及び図9に示した指使いを用いることができるため、右手薬指をリングキー4ARから離すだけの操作でよい。
従って、LowE音、LowF♯音、G♯音の順番に演奏するときも、指を順番に離すだけの操作となり演奏が楽になる。
【0039】
図15(A)、(B)、(C)に対応するC音、C♯音、D♯音の順に演奏する場合において、C音は、図22(B)に示した従来の指使いと同様に、左手親指でリングキー18R、左手人差し指でリングキー16R19P、左手中指でリングキー14R、左手薬指でリングキー10ARを押さえる。C♯音に移るときも、図22(A)に示した従来と同様の指使いにより、左手小指で鍵10BKを押さえればよい。そして、D♯音に移るときは、本実施形態に係る図4(A)及び図6に示し得た指使いにより、リングキー10AR、14Rを押さえている左手薬指と中指をそれぞれ離すことによって対応可能となる。従って、C音、C♯音、D♯音の順に演奏する場合には、押さえるか離すかの何れか一方の操作となり、演奏が楽になる。
【0040】
また、図16(A)、(B)、(C)に対応するLowF音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する場合において、LowF音は、図24(A)に示した従来例と実質的に同様の指使いを用いる。すなわち、左手親指でリングキー18R、左手人差し指でリングキー16R19P、左手中指でリングキー14R、左手薬指でリングキー10ARを押さえ、右手人差し指でリングキー6AR8P、右手中指で鍵6BK、右手薬指でリングキー4AR、右手小指で鍵0AKAを押さえる。LowF♯音に移るときも図23(B)に示した従来例と実質的に同様の指使いを行うことにより、左手小指で鍵2BKを押さえるだけで足りる。そして、G♯音に移る際に、本実施形態に係る図4(C)及び図8の指使いを採用することで、鍵0AKA及びリングキー4ARから右手小指と薬指を離すだけで対応することができる。従って、LowF音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する際の操作は、押さえるか離すだけの操作となり、演奏が楽になる。
【0041】
図17(A)、(B)、(C)に対応するLowD♯音、LowE音、LowF♯音の順に演奏する場合において、LowD♯音は、従来の指使いとして示した図26と実質的に同様の指使いが用いられる。すなわち、左手親指でリングキー18R、左手人差し指でリングキー16R19P、左手中指でリングキー14R、左手薬指でリングキー10ARを押さえ、右手人差し指でリングキー6AR8P、右手中指で鍵6BK、右手薬指でリングキー4AR、右手小指で鍵1KAを押さえる。LowE音に移るときは、本実施形態で示した図4(E)及び図10の指使いを採用すればよく、従って、左手小指で鍵0BKを押さえればよい。そして、LowF♯音に移るときは、図23(C)に示した従来と実質的に同様の指使いを用いればよく、鍵1KAから右手小指を離すだけの操作となる。従って、この場合においても、押さえるか離すかの選択的な操作となり、演奏が楽になる。
【0042】
図18(A)、(B)、(C)に対応するLowF音、LowD♯音、LowE音の順に演奏する場合において、LowF音は、図24(A)に示した従来例と実質的に同様の指使いを用いる。すなわち、左手親指でリングキー18R、左手人差し指でリングキー16R19P、左手中指でリングキー14R、左手薬指でリングキー10ARを押さえ、右手人差し指でリングキー6AR8P、右手中指で鍵6BK、右手薬指でリングキー4AR、右手小指で鍵0AKAを押さえる。LowD♯音に移るときは、本実施形態に係る図4(G)及び図12の指使いにより、左手小指で鍵1KBを押さえるだけでよく、LowEに移るときは、本実施形態に係る図4(F)及び図11の指使いにより、右手小指を鍵0AKAから離すだけの操作となる。従って、LowD♯音、LowE音の順に演奏する場合も、押さえる操作か離す操作の何れかとなり演奏が楽になる。
【0043】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施例に対し、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0044】
例えば、前記実施形態では、(1)B音、C♯音、D♯音の順、(2)LowE音、LowF♯音、G♯音の順、(3)C、C♯音、D♯音の順、(4)LowF音、LowF♯音、G♯音の順、(5)LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順、及び(6)LowF音、LowD♯音、LowE音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押さえる操作を同時に必要としない構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも、これら(1)ないし(6)の何れかについて離す操作と押さえる操作とが選択的になれば足りる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態に係るクラリネット属の鍵、リングキー、タンポ付きキー及び一部の音孔と、これらを操作する指との対応関係を示す概略展開説明図。
【図2】本実施形態に係る全音孔とこれらを操作する鍵、リングキー、タンポ付きキーとの対応関係を示す概略展開図。
【図3】本実施形態の鍵、リングキー、音孔を、従来のクラリネット属と対称的に示した展開図。
【図4】(A)〜(G)は、本実施形態の新規な指使いを示した概略展開説明図。
【図5】本実施形態に係る鍵、リングキー、タンポ付きキーを分解した展開図。
【図6】図4(A)の指使いでD♯音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図7】図4(B)の指使いでC♯音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図8】図4(C)の指使いでG♯音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図9】図4(D)の指使いでG♯音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図10】図4(E)の指使いでLowE音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図11】図4(F)の指使いでLowE音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図12】図4(G)の指使いでLowD♯音を出す音孔状態を示す概略展開図。
【図13】B音、C♯音、D♯音の順に演奏する指使いを示す説明図。
【図14】LowE音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する指使いを示す説明図。
【図15】C音、C♯音、D♯音の順に演奏する指使いを示す説明図。
【図16】LowF音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する指使いを示す説明図。
【図17】LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順に演奏する指使いを示す説明図。
【図18】LowF音、LowD♯音、LowE音の順に演奏する指使いを示す説明図。
【図19】従来のクラリネット属の鍵、リングキー、タンポ付きキー及び一部の音孔と、これらを操作する指との対応関係を示す概略展開説明図
【図20】従来のクラリネット属における全音孔とこれらを操作する鍵、リングキー、タンポ付きキーとの対応関係を示す概略展開図。
【図21】従来のクラリネット属における指使いを示す説明図。
【図22】従来のクラリネット属における指使いを示す説明図。
【図23】従来のクラリネット属における指使いを示す説明図。
【図24】従来のクラリネット属における指使いを示す説明図。
【図25】従来のクラリネット属における指使いを示す説明図。
【図26】従来のクラリネット属における指使いを示す説明図。
【図27】B音、C♯音、D♯音の順に演奏する指使いの困難性を説明するための概略展開図。
【図28】LowE音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する指使いの困難性を説明するための概略展開図。
【図29】C音、C♯音、D♯音の順に演奏する指使いの困難性を説明するための概略展開図。
【図30】LowF音、LowF♯音、G♯音の順に演奏する指使いの困難性を説明するための展開図。
【図31】LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順に演奏する指使いの困難性を説明するための展開図。
【図32】LowF音、LowD♯音、LowE音の順に演奏する指使いの困難性を説明するための展開図。
【符号の説明】
【0046】
K…鍵、R…リングキー、P…タンポ付きキー、0A、2B、4B、10B…通常音孔、0B、2A、4A、10A…追加音孔、0〜24…音孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
B音、C♯音、D♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項2】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowE音、LowF♯音、G♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項3】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
C音、C♯音、D♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項4】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowF音、LowF♯音、G♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項5】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項6】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、これら音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
LowF音、LowD♯音、LowE音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項7】
ベル側からマウスピース側に向かって音孔が形成され、当該音孔及び音孔を開閉する鍵等を所定操作することにより特定の音を発するクラリネット属において、
(1)B音、C♯音、D♯音の順、(2)LowE音、LowF♯音、G♯音の順、(3)C、C♯音、D♯音の順、(4)LowF音、LowF♯音、G♯音の順、(5)LowD♯音、LowE音、LowF♯音の順、及び(6)LowF音、LowD♯音、LowE音の順番で演奏する際に、鍵等を離す操作と押す操作を同時に必要としない音孔配列及び鍵配列としたことを特徴とするクラリネット属。
【請求項8】
ベル側に最も近い音孔を0とし、前記ベル側から昇順として、マウスピース側に最も近い音孔を24とするとともに、0、2、4、10番目の音孔に追加音孔をそれぞれ併設し、これら音孔を所定の鍵等の操作によって開放若しくは閉塞することで、鍵等を離す操作と押す操作とを同時に必要としないことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のクラリネット属。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−216832(P2008−216832A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56677(P2007−56677)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)