説明

クリアホルダ留め具、クリアホルダ留め具シート、クリアホルダ、およびクリアホルダセット

【課題】書類の出し入れの手軽さを損なうことなく収納する書類の落下を防ぎ、書類に吸着することなく簡単にクリアホルダの開放部を留めることができるクリアホルダ留め具、クリアホルダ留め具シート、クリアホルダ、およびクリアホルダセットを提供する。
【解決手段】基材と吸着層とを有し、基材および吸着層は可撓性であり、吸着層を向かい合わせるように折り曲げることができ、クリアホルダを構成する2枚の樹脂板の、開放されている辺のそれぞれの外側の面に、向かい合う吸着層をそれぞれ吸着させることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアホルダに収納された書類の落下を防ぐためのクリアホルダ留め具、クリアホルダ留め具シート、クリアホルダ、およびクリアホルダセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クリアホルダは、一般的には、例えば図10に示すように矩形状の樹脂板(例えば、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等)を重ね合わせるように折り曲げ、折り曲げた辺に隣接した1辺を溶着等によって閉じたものであり、開放されている残りの2辺の側、例えば上方または右方から書類を挿入し、2枚の樹脂板の間に書類を挟んで収納することができる。ところが、クリアホルダを持ち歩いた際に、収納した書類が落下してしまう場合があった。
【0003】
これに対し、特許文献1では、書類を出し入れする開放部の一方のビニール板端部に、インデックス取り付け部と、他方のビニール板を押さえるための押さえ部とを設けたクリアホルダが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、上面シートと下面シートとを重ね合わせ、3辺を接合して1辺を開口部とし、粘着および剥離の繰り返しを可能とする粘着部を当該開口部の内側に、辺と平行な帯状領域として設けたクリアホルダ、および開口部を覆う蓋部を設け、当該蓋部に粘着部を設けたクリアホルダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−71793号公報
【特許文献2】実用新案登録第3139118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のクリアホルダは、押さえ部に片方のビニール板を指し込んだり、さらにビニール板に設けられた半月形状の舌片部の裏面に押さえ部を係合させるため、中に収納する書類が厚いと、書類を上手く押さえることができない。また、使用者が押さえ部を有する補助片を自らクリアホルダに取り付けた場合、ビニール板の辺に対して斜めに取り付けるなど補助片の取り付け位置が悪いと、ビニール板が浮いたり、逆に十分に押さえることができない等の問題があった。また、加工工数が多いためコストアップの要因となっていた。
【0007】
特許文献2に記載のクリアホルダは、3辺が接合されて粘着部が開口部の書類が触れる面(内側)にあるため、書類の出し入れの途中で書類が粘着部に貼りついてしまう場合があり、書類の出し入れがスムーズに行えないという問題があった。また、開口部を覆う蓋部を設けても、蓋部に粘着部を設けた場合、書類の出し入れ時に書類が粘着部に触れる可能性が高いし、蓋部が接する開口部の外側に粘着部を設けても、書類の出し入れ時には蓋部自体を開けておく必要があるため、やはりスムーズに書類の出し入れを行うことができなかった。さらに、開口部が1辺だけであるので、ファイルに綴じて保存する場合は書類の出し入れの手間がさほど問題ではないとしても、開放部が2辺のクリアホルダに適用すると、書類の出し入れが手軽にできるという利点を損なうこととなる。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、書類の出し入れの手軽さを損なうことなく収納された書類の落下を防ぎ、留め具が収納された書類に吸着することなくクリアホルダを構成する樹脂板に吸着することで、簡単にクリアホルダの開放部を留めることができるクリアホルダ留め具、クリアホルダ留め具シート、クリアホルダ、およびクリアホルダセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、基材と吸着層とを有し、前記基材および前記吸着層は可撓性であり、前記吸着層を向かい合わせるように折り曲げることができ、クリアホルダを構成する2枚の樹脂板の、開放されている辺のそれぞれの外側の面に、向かい合う前記吸着層をそれぞれ吸着させることで、前記クリアホルダ内に収納された書類の落下を防ぐことを特徴とするクリアホルダ留め具を提供する。
【0010】
また、前記吸着層は、アクリル酸エステル系エマルジョン、酸化チタン、および硬化剤よりなる発泡層であるのが好ましい。
さらに、前記吸着層の初期吸着力が、20g/30mm以上であるのが好ましい。
また、前記2枚の樹脂板の一方に吸着することのできる前記吸着層の面積が600mm以上であるのが好ましい。
さらに、前記基材と前記吸着層との間に、接着層および/またはコーティング層である少なくとも1以上の層を有する構造であるのが好ましい。
【0011】
また、前記基材は、樹脂であるのが好ましく、また、前記基材は、紙であるのが好ましい。
また、さらに、前記吸着層を向かい合わせて、折り目で折ることができるように前記基材に前記折り目が形成されてもよい。
また、前記折り目はミシン目により入れられてもよく、また、前記折り目はプレス加工により入れられてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明は、上記のいずれかに記載のクリアホルダ留め具と、該クリアホルダ留め具が吸着される保護シートとを有することを特徴とするクリアホルダ留め具シートを提供する。
【0013】
さらに、上記課題を解決するために、本発明は、上記のいずれかに記載のクリアホルダ留め具を有することを特徴とするクリアホルダを提供する。
また、上記課題を解決するために、本発明は、上記のいずれかに記載のクリアホルダ留め具と、クリアホルダとを有することを特徴とするクリアホルダセットを提供する。
さらに、上記課題を解決するために、本発明は、上記に記載のクリアホルダ留め具シートとクリアホルダとを有することを特徴とするクリアホルダセットを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、書類の出し入れの手軽さを損なうことなく収納された書類の落下を防ぎ、留め具が収納された書類に吸着することなくクリアホルダを構成する樹脂板に吸着することで、簡単にクリアホルダの開放部を留めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るクリアホルダ留め具の第1実施形態の、使用直前の状態の一例を表した模式的斜視図である。
【図2】本発明に係るクリアホルダ留め具の一例の模式的断面図である。
【図3】本発明に係るクリアホルダ留め具シートの第1実施形態の一例を示す平面図である。
【図4】本発明に係るクリアホルダの一例を示す平面図である。
【図5】本発明に係るクリアホルダ留め具とクリアホルダをセットにしたクリアホルダセットの説明図である。
【図6】本発明に係るクリアホルダ留め具の使用状態の一例を示す図である。
【図7】本発明に係るクリアホルダ留め具の他の一例を示す模式的断面図である。
【図8】本発明に係るクリアホルダ留め具の第2実施形態の、使用直前の状態の一例を表した模式的斜視図である。
【図9】本発明に係るクリアホルダ留め具シートの第2実施形態の一例を示す平面図である。
【図10】従来のクリアホルダの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るクリアホルダ留め具、クリアホルダ留め具シート、クリアホルダ、およびクリアホルダセットを、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。なお、ここでいうクリアホルダは、必ずしも透明でなくても良く、例えば、顔料等で樹脂板が着色されて収納されている書類が外部から見えないものや、表面に模様や文字が印刷されたものも含まれる。
【0017】
図1は、本発明に係るクリアホルダ留め具の第1実施形態の、使用直前の状態を表した模式的斜視図である。図1に示すクリアホルダ留め具10は、基材12および吸着層14から構成され可撓性を有する。ここで、クリアホルダ留め具10の長辺の略中心部分は、使用時に折り曲げられることが想定された折り曲げ部16である。また、クリアホルダ留め具10の片側の短辺には、剥がしやすいように取っ手部13が設けられている。
図2に、クリアホルダ留め具10の模式的断面図を示す。図2に示すように、基材12の片面には吸着層14が形成されている。
【0018】
基材12は、紙やペン等で記入することが出来る樹脂または紙で構成されている。ここで、基材12に用いることのできる樹脂(プラスチックフィルム)としては、例えばPP(ポリプロピレン)樹脂を主原料とする合成紙が挙げられる。
基材12の吸着層14と反対側の表面には、色による識別および文字等が記入しやすいように枠15が設けられており、横長の略長方形である。基材12の厚さは、使用時にクリアホルダ留め具10側が下側になった場合であっても、クリアホルダ内に収納されている書類を保持できる厚さであればよい。
【0019】
また、基材12の大きさ(すなわち、クリアホルダ留め具10の大きさ)は、後述する吸着層14が所定の吸着力を発揮するのに必要な面積が確保されればよく、使いやすい大きさとするのが好ましい。例えば、取っ手部13を含めた大きさが、短辺が20mm程度、長辺が105mm程度であるのが好ましい。なお、クリアホルダ留め具10の大きさは短辺が100mm、長辺が420mm以下であるのが好ましい。
なお、本実施例では長方形であるが、形状はこれに限られず、吸着層14が所定の吸着力を発揮するのに必要な面積が確保され、吸着させやすく剥がしやすい形状であれば、楕円、台形等の他の形状でもよい。
【0020】
取っ手部13は、樹脂板に吸着されたクリアホルダ留め具10を剥がすときに、容易に剥がせるように設けられたものである。なお、取っ手部13は、より剥がしやすいように吸着層14を設けない構造としてもよい。
【0021】
吸着層14は、例えばアクリル酸エステル系エマルジョン、酸化チタン、および硬化剤で形成された発泡層であり、表面の滑らかなもの(いわゆる、ツルツルした表面性状をもつもの(樹脂(例えば、PP,PET)板、ガラス等))に、自在に吸着させたり剥がしたりすることが可能である。吸着層14は、表面の滑らかなものには吸着させることが可能であるが、紙などの滑らかでないもの(いわゆる、ザラザラした表面性状をもつもの)には、吸着させることができない性質を持つものである。
【0022】
吸着層14の吸着力は、例えば、樹脂板(被着体)が無処理PPまたは無処理PETである場合、初期吸着力が10g/30mm以上であればよく、20g/30mm(65.3×10−3N/10mm)以上であることがより好ましい。また、吸着力は、被着体によって限定されず、1000g/30mm以下であることが好ましい。
ここで、吸着力は、JIS Z 0237に規定される粘着テープ・粘着シート試験方法に準じて測定すればよい。
【0023】
クリアホルダ留め具10は、使用時に折り曲げ部16で折り曲げられる。このとき、2枚の樹脂板の一方には、クリアホルダ留め具10の折り曲げ部16で折り曲げられた一方(つまり、クリアホルダ留め具10の長辺の長さから収納される書類の厚さを除き、略半分の長さの部分)が吸着され、2枚の樹脂板の他方にはクリアホルダ留め具10の他方が吸着される。この吸着される面積は、収納される書類が落下しない程度であればよく、例えば、600mm以上とするのがよい。なお、吸着される面積の上限はクリアホルダ留め具10が折り曲げられて使用されるため、基材12の面積の略1/2を最大として制限されるが、使用時に容易に扱えるように、例えば21000mm以下とするのがよい。
【0024】
折り曲げ部16は、クリアホルダ留め具10が、2つ折りにされる部分である。折り曲げ部16の吸着層14と反対側の表面は、色による識別がしやすいように着色されていてもよい。
【0025】
続いて、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具シート30について説明する。
図3は、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具10が、6つ吸着されたクリアホルダ留め具シート30の一実施形態を示す平面図である。
クリアホルダ留め具シート30は、保護シート28とクリアホルダ留め具10とで構成され、保護シート28上に、クリアホルダ留め具10が吸着された状態となっている。
【0026】
保護シート28は、例えば無処理PP、無処理PET等の樹脂板からなり、表面は滑らかである(いわゆる、ツルツルした表面性状をもつもの)。保護シート28は、クリアホルダ留め具10を自在に吸着させたり剥がしたりすることができ、クリアホルダ留め具10が初期吸着力20g/30mm程度で吸着可能なものである。
クリアホルダ留め具10に文字等を記入する場合、保護シート28に吸着させた状態で枠15内に記入することで容易に記入することができる。また、複数のクリアホルダ留め具10を色で分類しやすいように、複数種類の色が着色された、折り曲げ部16および枠15を有するクリアホルダ留め具10が吸着されたクリアホルダ留め具シート30としてもよい。
【0027】
さらに、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ32、およびクリアホルダセット50について説明する。
【0028】
図4に示すように、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具10を既存のクリアホルダ20に付属させて、クリアホルダ32としてもよい。
ここで、既存のクリアホルダ20として例えば、図10に示すような、矩形状の樹脂板(例えばPP、PET等)を重ね合わせるように折り曲げ部23で折り曲げ、折り曲げた辺に隣接した1辺を溶着等によって閉じて溶着部25としたものを用いることができる。クリアホルダ20は、開放されている残りの2辺の側、例えば上方の開放部21a、または右方の開放部21bから書類を挿入し、2枚の樹脂板27a、27bの間に書類を挟んで収納することができる。また、一方の樹脂板27aの右方の開放部21bには書類の出し入れがしやすいように上部に切り欠き部24が、下部に切り欠き部26が設けられている。
【0029】
クリアホルダ32のクリアホルダ留め具10は、クリアホルダ20に吸着させてもよいし、外す必要がなければクリアホルダ20の一方の樹脂板と略半分を接着してもよい。クリアホルダ留め具10は、クリアホルダ20の開放部21a、21bのどこに吸着または接着させてもよいが、切り欠き部24の上下付近に吸着または接着させると、収納された書類の落下を効果的に防ぐことができる。また、クリアホルダ留め具10は収納される紙のサイズに応じて吸着される場所が変更されてもよい。例えば、収納される紙のサイズが小さい場合には、収納された紙の上部付近の開放部21bに、クリアホルダ留め具10が吸着されてもよい。クリアホルダ留め具10の略半分をクリアホルダ20の一方の樹脂板と接着した場合には、留める位置は固定されてしまうが、クリアホルダ留め具10の紛失を防ぐことができる。
【0030】
また、図5に示すように、既存のクリアホルダ20とクリアホルダ留め具シート54とを、袋56で包装してクリアホルダセット50としてもよい。ここで、クリアホルダ留め具シート54は、例えば、図5に示すように、既存のクリアホルダ20の1枚毎にクリアホルダ留め具10を1つ付属させることができるように、保護シート52にクリアホルダ留め具10が1つ吸着されたものを用いることができる。
さらに、複数枚の既存のクリアホルダ20と、当該クリアホルダ20と同じ枚数のクリアホルダ留め具10が吸着されたクリアホルダ留め具シートとがセットになっていてもよい。例えば、6枚の既存のクリアホルダ20と、図3に示すクリアホルダ留め具シート30とをセットにしてもよい。なお、必ずしも既存のクリアホルダ20の枚数とクリアホルダ留め具10の数は同一である必要はない。
【0031】
次に、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具10の作用を説明する。
【0032】
図6は、クリアホルダ留め具10の使用状態を表す図である。
まず、既存のクリアホルダ20に書類22が収納される。既存のクリアホルダ20は上記で説明した通り、書類の出し入れがしやすいように、開放部21bの上部に切り欠き部24が、下部に切欠き部26が設けられている。
書類22が収納された状態の既存のクリアホルダ20の開放部21bの、2枚の樹脂板27a,27bの外側に、開放部21bを跨ぐようにクリアホルダ留め具10が折り曲げ部16で折り曲げられ、クリアホルダ留め具10の吸着層14がそれぞれの樹脂板27a,27bに吸着される。
【0033】
クリアホルダ留め具10が、既存のクリアホルダ20の開放部21bを跨ぐように吸着されることで、既存のクリアホルダ20の開放部21bを、収納されている書類22に吸着することなく簡単に留めることができ、書類の出し入れの手軽さを損なうことなく書類22の落下を防ぐことができる。また、書類22が厚くても、吸着層14が必要な吸着力を発揮できるだけの面積が樹脂板27a,27bに吸着されれば、同様に簡単に留めることができる。
【0034】
なお、クリアホルダ留め具10は、図7の断面図に示すように、基材12上に直接吸着層14を形成せず、基材12と吸着層14との間に接着層18を設けて多層構造としてもよい。さらに、接着層18は接着層だけでなく、コーティング層等の他の層であってもよいし、これらの層を複数設けてもよい。
【0035】
次に、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具シート30の作用を説明する。
クリアホルダ留め具シート30は、図3に示すようにクリアホルダ留め具10が保護シート28に吸着された状態になっている。すると、クリアホルダ留め具シート30は、重ねてもクリアホルダ留め具10が互いに吸着することなく、他のものに不用意に吸着することもなく、クリアホルダ留め具10を保存することができる。
【0036】
なお、図3では、保護シート28に6つのクリアホルダ留め具10を吸着させた例を挙げたが、これに限定されず、保護シート28は、少なくとも1つ以上のクリアホルダ留め具10を吸着させることができればよい。
【0037】
続いて、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ32、およびクリアホルダセット50の作用を説明する。
図4に示すように、本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具10を既存のクリアホルダ20に付属させて、クリアホルダ32とすることで、使用者が別途クリアホルダ留め具10を用意することなく、クリアホルダ32の開放部21bを留めることができる。
また、図5に示すように、既存のクリアホルダ20とクリアホルダ留め具シート54とを、袋56で包装してクリアホルダセット50とすることで、使用者が別途クリアホルダ留め具10を用意することなく、クリアホルダ20の開放部21a、21bを留めることができる。
なお、袋56を用いずに、クリアホルダ留め具シート54が既存のクリアホルダ20内に収納される、あるいは添付されるクリアホルダセットでもよい。
【0038】
図8は、本発明に係る第2実施形態のクリアホルダ留め具60の、使用直前の状態を表した模式的斜視図である。
クリアホルダ留め具60は、図1に示す本発明に係る第1実施形態のクリアホルダ留め具10と比べ、折り曲げ部16に相当する部分を折り目66としたものであり、基本的に同様の構成を有するものである。よって、同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0039】
折り目66は、クリアホルダ留め具60が、2つ折りにされるために設けられている。折り目66は、容易に折り曲げることができれば、ミシン目により入れられてもよいし、プレス加工により入れられてもよく、その他の加工法で入れられてもよい。
【0040】
続いて、本発明に係る第2実施形態のクリアホルダ留め具シート80について説明する。
図9は、本発明に係る第2実施形態のクリアホルダ留め具60が、6つ吸着されたクリアホルダ留め具シート80の一実施形態を示す平面図である。
クリアホルダ留め具シート80は、保護シート78とクリアホルダ留め具60とで構成され、保護シート78上に、クリアホルダ留め具60が吸着されている。
【0041】
保護シート78は、第1実施形態の保護シート28と同様に、クリアホルダ留め具60を自在に吸着させたり剥がしたりすることができる。
【0042】
本発明に係る第2実施形態のクリアホルダ留め具60の作用は、第1実施形態のクリアホルダ留め具10の場合とほぼ同様であり、また、本発明に係る第2実施形態のクリアホルダ留め具シート80の作用も第1実施形態のクリアホルダ留め具シート30の場合とほぼ同様であるから、繰り返しの説明は省略する。
【0043】
ここで、第1実施形態の場合と異なる点として、本発明に係る第2実施形態のクリアホルダ留め具シート80の保護シート78には、クリアホルダ留め具60の折り目66に合わせて、ガイド79を設けてもよい。保護シート78にガイド79を設けることで、一度使用されたクリアホルダ留め具60が、ユーザにより保護シート78に再度吸着させられる場合に、吸着させる場所の目安となり、クリアホルダ留め具60を容易に整列させて、保護シート78に吸着させることができる。ガイド79は、クリアホルダ留め具60の折り目66と同様に、プレス加工等により設けてもよいし、印刷等で設けてもよい。
なお、図9では、保護シート78に6つのクリアホルダ留め具60を吸着させた例を挙げたが、これに限定されず、保護シート78は、少なくとも1つ以上のクリアホルダ留め具60を吸着させることができればよい。
【0044】
また、第1実施形態のクリアホルダ32、およびクリアホルダセット50と同様、クリアホルダ留め具60をクリアホルダ20に付属させ、またはクリアホルダセットとしてもよい。
【0045】
なお、上記の説明では、クリアホルダ留め具10または60をクリアホルダの長辺側の開放部に吸着させたが、クリアホルダが持たれる方向によっては、短辺側の開放部に吸着させてもよいし、クリアホルダ留め具10または60を2つ以上用いて長辺側と短辺側の両方の開放部に吸着させてもよいのはもちろんである。
【0046】
以上、本発明に係るクリアホルダ留め具、クリアホルダ留め具シート、クリアホルダ、クリアホルダセットについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10,60 クリアホルダ留め具
12 基材
13 取っ手部
14 吸着層
15 枠
16 折り曲げ部
18 接着層
20 既存のクリアホルダ
21a,21b 開放部
22 書類
23 折り曲げ部
24,26 切り欠き部
25 溶着部
27a,27b 樹脂板
28,52,78 保護シート
30,54,80 クリアホルダ留め具シート
32 クリアホルダ
50 クリアホルダセット
56 袋
66 折り目
79 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と吸着層とを有し、
前記基材および前記吸着層は可撓性であり、前記吸着層を向かい合わせるように折り曲げることができ、
クリアホルダを構成する2枚の樹脂板の、開放されている辺のそれぞれの外側の面に、向かい合う前記吸着層をそれぞれ吸着させることで、前記クリアホルダ内に収納された書類の落下を防ぐことを特徴とするクリアホルダ留め具。
【請求項2】
前記吸着層は、アクリル酸エステル系エマルジョン、酸化チタン、および硬化剤よりなる発泡層であることを特徴とする請求項1に記載のクリアホルダ留め具。
【請求項3】
前記吸着層の初期吸着力が、20g/30mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のクリアホルダ留め具。
【請求項4】
前記2枚の樹脂板の一方に吸着することのできる前記吸着層の面積が600mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリアホルダ留め具。
【請求項5】
前記基材と前記吸着層との間に、接着層および/またはコーティング層である少なくとも1以上の層を有する構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクリアホルダ留め具。
【請求項6】
前記基材は、樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクリアホルダ留め具。
【請求項7】
前記基材は、紙であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクリアホルダ留め具。
【請求項8】
さらに、前記基材に折り目が形成され、前記吸着層を向かい合わせるように前記折り目で折ることができることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のクリアホルダ留め具。
【請求項9】
前記折り目はミシン目により入れられていることを特徴とする請求項8に記載のクリアホルダ留め具。
【請求項10】
前記折り目はプレス加工により入れられていることを特徴とする請求項8に記載のクリアホルダ留め具。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載のクリアホルダ留め具と、該クリアホルダ留め具が吸着される保護シートとを有することを特徴とするクリアホルダ留め具シート。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載のクリアホルダ留め具を有することを特徴とするクリアホルダ。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかに記載のクリアホルダ留め具と、クリアホルダとを有することを特徴とするクリアホルダセット。
【請求項14】
請求項11に記載のクリアホルダ留め具シートとクリアホルダとを有することを特徴とするクリアホルダセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−121296(P2011−121296A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281496(P2009−281496)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(593001819)エーワン株式会社 (3)
【Fターム(参考)】