説明

クリーナー

【課題】 本発明は汚れを粒状物で、汚れの端部を浮き上がらせ、その浮き上がった部分をゴムラテックスで剥し取ることで、水だけでも汚れを効率よく落とすことができるとともに、洗浄剤を使用した場合でも泡立ちがよく、洗浄剤を十分に保持して脱落による無駄な洗浄剤の使用を防止して、効率よく洗浄剤を使用することができるクリーナーを得るにある。
【解決手段】 スポンジと、このスポンジの一側面に貼り合わされた洗浄剤を保持することができる発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布とでクリーナーを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃、洗浄に使用するスポンジを用いた家庭用や業務用のクリーナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用たわしは砥粒を構成繊維表面に付着させた不織布マットの片面に研磨砥粒、樹脂粒、金属粒またはガラスビーズ等の粒状物を、少なくとも1種含有する発泡樹脂液を塗布、発泡させて不織布マット、発泡樹脂充填繊維層、発泡樹脂層を順次積層して構成していた。
【0003】
このため、メラミン製、ガラス製、ステンレス製およびプラスチック製等の表面の光沢を重視する製品の清掃、洗浄に用いると、引っかき傷をつけてしまうことが起こり、その傷が光沢面の美観を損ねたり、傷に汚れが溜まることで変色を起こしたり、有機物を拭い去ることが不完全なために有害バクテリアの発生を許す結果を招くという欠点があった。
また、逆に引っかき傷をつけないために選択した研磨剤は研磨効果を十分に発揮できず、結果として、場合によっては汚れを落としきれないという欠点があるとともに、洗浄剤の保持能力が低く、洗浄剤が脱落したり、泡立ちが悪いという欠点があった。
【特許文献1】実開昭56−79270
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は汚れを粒状物で、汚れの端部を浮き上がらせ、その浮き上がった部分をゴムラテックスで剥し取ることで、水だけでも汚れを効率よく落とすことができるとともに、洗浄剤を使用した場合でも泡立ちがよく、洗浄剤を十分に保持して脱落による無駄な洗浄剤の使用を防止して、効率よく洗浄剤を使用することができるクリーナーを提供することを目的としている。
【0005】
また本発明はメラミン製、ガラス製、ステンレス製およびプラスチック製等の表面の光沢を重視する製品の清掃、洗浄時に引っかき傷をつけることなく、汚れを効率よく落とすことができるクリーナーを提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明はスポンジと、このスポンジの一側面に貼り合わされた洗浄剤を保持することができる発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布とでクリーナーを構成している。
【0008】
本発明はポリウレタン発泡樹脂材で他側面が波形状に形成されたスポンジと、このスポンジの一側面に無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンで貼り合わされた洗浄剤を保持することができる微小孔のポリエステル発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンで貼り合わされた球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布あるいは表面に球状の粒状物入りゴムラテックス混合体が塗布された不織布とでクリーナーを構成している。
【0009】
本発明はスポンジと、このスポンジの一側面に貼り合わされた洗浄剤を保持することができる発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布と、前記スポンジの他側面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布とでクリーナーを構成している。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0011】
(1)スポンジと、このスポンジの一側面に貼り合わされた洗浄剤を保持することができる発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布とで構成されているので、粒状物入りゴムラテックス混合体不織布によって、汚れの端部を粒状物で浮き上がらせ、その浮き上がった汚れの端部をゴムラテックスで剥し取ることができる。
したがって、効率よく汚れを落とすことができる。
【0012】
(2)前記(1)によって、洗浄剤を洗浄剤保持層によって保持することができるとともに、泡立ちをよくすることができる。
したがって、ゴムラテックス混合体不織布やスポンジに付着させた洗浄剤が洗浄剤保持層に吸着され、従来のようにたれ落ちて使用できなくなるのを確実に防止して、洗浄剤を経済的に使用することができる。
【0013】
(3)前記(1)によって、粒状物入りゴムラテックス混合体不織布によって洗浄剤を使用することなく、水だけでも汚れを落とすことができる。
【0014】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布を用いるので、メラミン製、ガラス製、ステンレス製およびプラスチック製等の表面の光沢を重視する製品を、清掃、洗浄時に使用しても引っかき傷をつけることなく、効率よく汚れを落とすことができる。
【0015】
(5)請求項2はスポンジ、洗浄剤保持層および球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布あるいは球状の粒状物入りゴムラテックス混合体が塗布された不織布を無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンを用いて貼り合わせているので、使用中に洗浄剤等によって貼り合わせ部が剥れたりする不具合を確実に防止することができる。
【0016】
(6)請求項3も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1ないし図4に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は縦寸法が110mm、横寸法が70mm、高さ寸法が40mm程度で、長辺側の中央部が凹部となる円弧状に形成された長方体形状の本発明のクリーナーで、このクリーナー1は一般的に使用されているポリウレタン発泡樹脂材で、他側面が波形状に形成された高さ寸法が20mm程度のスポンジ2と、このスポンジ2の一側面に無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンで貼り合わされた洗浄剤を保持することができる微小孔のポリエステル発泡樹脂材製の高さ寸法が15mm程度の洗浄剤保持層3と、この洗浄剤保持層3の表面に無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンで貼り合わされた高さ寸法が5mm程度の球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4とで構成されている。
【0019】
前記球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4はポリエステル、ナイロン、アクリル等の化学繊維を不織布5に仕上げ、ゴムラテックス混合体6に球状のガラスビーズ、樹脂、金属、竹炭、セラミックス等で球状に形成された粒状物7を混合させた液体に前記不織布5を漬け、該不織布5にゴムラテックス混合体6と球状の粒状物7を付着させて形成したもので、不織布5の内部にまで球状の粒状物入りゴムラテックス混合体が入り込むため、表面の粒状物が脱落しても内部の粒状物で汚れ落としの機能低下を防止できる。
【0020】
上記構成のクリーナー1は水に漬けると洗浄剤保持層3に水を保持するので、水道の蛇口に付いた軽い水垢汚れは球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4部分でこすることにより、図4に示すように球状の粒状物7で汚れの端部を浮き上がらせ、その浮き上がった汚れの端部をゴムラテックス混合体6で剥して効率よく汚れを取り除くことができる。
洗浄剤を用いて清掃、洗浄する場合には、スポンジ2あるいは球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4より洗浄剤を付着させることにより、洗浄剤保持層3に洗浄剤が保持されるため、たれ落ちたりすることなく経済的に洗浄剤を使用することができるとともに、洗浄剤保持層3によって泡立ちをよくすることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0021】
次に、図5ないし図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0022】
図5および図6に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、不織布5の表面に球状の粒状物7入りゴムラテックス混合体6を塗布したものを用いた点で、このような不織布5の表面に球状の粒状物7入りゴムラテックス混合体6を塗布したものを用いたクリーナー1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0023】
図7および図8に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、他側面が平坦面に形成されたスポンジ2Aを用いた点で、このようなスポンジ2Aを用いて構成したクリーナー1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、球体以外の粒状物7Aを用いた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4Aを用いた点で、このような粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4Aを用いて構成したクリーナー1C にすることにより、頑固な汚れを効率よく除去することができる。
【0025】
図12および図13に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための第3の形態と主に異なる点は、スポンジ2Aの他側面に球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4を張り合わせた点で、このように構成したクリーナー1Dにしてもよい。
なお、本発明を実施する形態では両面に球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4、4や球体以外の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4A、4Aを張り合わせたり、一方に球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4を、他方に球体以外の粒状物を用いた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布4Aを張り合わせたクリーナー1Dにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明はスポンジを用いたクリーナーを製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の斜視図。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図。
【図3】図2のA部拡大図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の汚れを落とすメカニズムの説明図。
【図5】本発明を実施するための第2の形態の斜視図。
【図6】図5の6−6線に沿う拡大断面図。
【図7】本発明を実施するための第3の形態の斜視図。
【図8】図7の8−8線に沿う拡大断面図。
【図9】本発明を実施するための第4の形態の斜視図。
【図10】図9の10−10線に沿う拡大断面図。
【図11】図10のB部拡大図。
【図12】本発明を実施するための第5の形態の斜視図。
【図13】図12の13−13線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0028】
1、1A、1B、1C、1D:クリーナー、
2、2A:スポンジ 、 3:洗浄剤保持層、
4、4A:粒状物入りゴムラテックス混合体不織布、
5:不織布、
6:ゴムラテックス混合体エマルジョン、
7、7A:粒状物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポンジと、このスポンジの一側面に貼り合わされた洗浄剤を保持することができる発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布とからなることを特徴とするクリーナー。
【請求項2】
ポリウレタン発泡樹脂材で他側面が波形状に形成されたスポンジと、このスポンジの一側面に無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンで貼り合わされた洗浄剤を保持することができる微小孔のポリエステル発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に無溶剤製のホットメルトや水溶性ポリウレタンで貼り合わされた球状の粒状物入りゴムラテックス混合体不織布あるいは表面に球状の粒状物入りゴムラテックス混合体が塗布された不織布とからなることを特徴とするクリーナー。
【請求項3】
スポンジと、このスポンジの一側面に貼り合わされた洗浄剤を保持することができる発泡樹脂材製の洗浄剤保持層と、この洗浄剤保持層の表面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布と、前記スポンジの他側面に貼り合わされた粒状物入りゴムラテックス混合体不織布とからなることを特徴とするクリーナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−144030(P2008−144030A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332808(P2006−332808)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(398071680)
【Fターム(参考)】