説明

クリーニングシステム

【課題】個々の衣類に最適な洗濯情報を提供することができるとともにシステム内で個々の衣類を追跡管理することができるクリーニングシステムを提供する。
【解決手段】販売店に持ち込まれた衣類の情報が、その衣類に割り付けられた第1識別情報とともに、販売店端末30から本部サーバ10へ送信される。衣類には、第2識別情報を記憶したタグが取り付けられて、支部に搬送される。本部サーバ10は、衣類が搬送された支部端末40より、衣類のタグより読み出された第2識別情報を受信する。そして、本部サーバ10は、販売店端末30より受信した衣類の情報に基づいて生成した洗濯情報を、支部端末40へ送信する。支部では、支部端末40が受信した洗濯情報に基づいて洗濯装置が制御されて支部に搬入された衣類が洗濯される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、委託を受けた衣類をクリーニング(洗濯)するためのクリーニングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、不要になった物を廃棄することなく再利用する、所謂リサイクルが盛んに行われている。例えば特許文献1には、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電のリサイクルシステムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のリサイクルシステムは、システムの管理者が管理するサーバと、廃棄依頼者の端末装置と、購入者の端末装置とがインターネットを介して通信可能に接続されてなる。廃棄依頼者の端末装置では、システム管理者のホームページにアクセスすることにより、売却希望登録画面が表示される。この売却希望登録画面には、廃棄物の売却を選択するための売却希望ボタン、及び廃棄物を売却することなく直接廃棄することを選択するための直接廃棄希望ボタンが設けられている。直接廃棄希望ボタンがクリックされることにより、廃棄物の廃棄が受け付けられる。売却希望ボタンがクリックされることにより、廃棄物に関する情報の入力が受け付けられる。入力された情報は、インターネットを通じて上記サーバへ送信され、上記ホームページに表示される。購入者の端末装置では、システム管理者のホームページにアクセスすることにより、廃棄物に関する情報、及び当該廃棄物の購入を選択するための購入ボタンが表示される。購入ボタンがクリックされることにより、廃棄物の購入が受け付けられる。
【0004】
一方で、インターネットを通じて商品を購入する所謂オンラインショッピングを利用した衣類の売買も盛んに行われている。特許文献2、及び特許文献3には、購入者がより希望に近い衣類を購入するための技術が開示されている。
【0005】
特許文献2に記載の画像表示装置は、インターネット上のファッションサイトから衣類の画像である衣類情報をダウンロードする。ダウンロードされた衣類情報、及びユーザの体型を示す体型情報が合成されて試着画像が生成される。この試着画像が画像表示装置により表示されることによって、購入者は、試着画像を視認してより希望に近い衣類を指定して発注することができる。
【0006】
特許文献3に記載の画像表示システムは、販売者側のサーバ、及び購入者側の端末機が通信可能に接続されて構成される。サーバには、基本となるモデル画像と、衣服並びに服飾品と靴と鞄等のファッションアイテムの画像が記憶されている。購入者が端末装置を操作して所定操作を行うことによって、端末機からサーバへファッションアイテムの画像を指定する指定情報が送信される。サーバは、受信した指定情報により指定されたファッションアイテムの画像をモデル画像に合成して合成画像を生成する。この合成画像は、サーバから端末機へ送信されて端末機が備える表示装置に表示される。このため、購入希望者は、現実の店舗でコーディネートした場合と同様にファッションアイテムを選択することができる。
【0007】
特許文献1以外にも、例えば電気店からリユースセンタに中古品の情報が通知され、リユースセンタで中古品の撮影を行い、販売情報を掲示し、購入者に閲覧させるようなシステムが提供されている(特許文献4参照)。また、サーバで情報を管理する中古車又は中古部品のリサイクルシステムや、車両に関する補修履歴をサーバで管理して中古車として販売する際に情報を提供するシステムなども提案されている(特許文献5〜特許文献7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3411558号公報
【特許文献2】特開2002−74088号公報
【特許文献3】特開2002−194613号公報
【特許文献4】特開2002−092117号公報
【特許文献5】特開2006−155236号公報
【特許文献6】特開2002−269407号公報
【特許文献7】特開2003−323481号公報
【特許文献8】特開2003−085304号公報
【特許文献9】特開2002−133321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1〜特許文献3に記載のシステムと同様のシステムを構築して古着をリサイクルすることを想定した場合、古着は人が身に付けるものであるため、ある程度綺麗な状態で再販されるべきである。このため、不要となった古着を手放そうとする売却予定者は、当該古着を洗濯し、写真を撮って出品することが望ましいし、特に古着が高価なものであるときは、売却予定者も古着を綺麗にして出品したいと願うはずである。しかしながら、このような作業は、古着を不要なものと考えて手放そうとする売却予定者にとって大変面倒な行為である。このため、例えば子供の成長が早いために数回しか着用されていない新品同様の高価な子供服が、リサイクル可能であるにも関わらず処分されてしまうおそれがある。
【0010】
一方で、古着の購入希望者が当該古着を購入した後にクリーニングしてから着用することが考えられる。しかしながら、代金を支払って購入したばかりの古着をクリーニングするといった作業は、購入希望者にとって非常に面倒であるばかりか、金銭的にも大きな負担になると考えられる。
【0011】
そのため、衣類のリサイクルシステムを提供するにあたって、古着の売却予定者にとっては新品のような状態で出品でき、且つ購入希望者にとっては希望に近く清潔で綺麗な状態の古着を選択することができることが望ましい。そこで、衣類のリサイクルシステムに従来のクリーニングシステムを適用することも考えられるが、従来のクリーニングシステムは、クリーニングの対象となる衣類等について、個々に識別するシステムとして確立されていない。
【0012】
ところで、衣類は、衣類個々の素材だけではなく、その衣類の着用状況や保管環境によって、汚れや傷みの状態も個々に異なる。そのため、従来のクリーニングシステムでは、衣類を預かったクリーニング取次店と洗濯を実施する工場とが地理的に離れている場合、工場に搬入された衣類を特定できないことから、適切な洗濯条件を採用することができず、逆に、衣類を傷めるような事故が発生するばかりか、衣類自体を紛失することも多かった。特に、そのシステム内に、衣類を預かる複数のクリーニング取次店と、衣類を洗濯する複数の支部とが存在する場合では、従来のクリーニングシステムでは、上記のような事故は顕著なものとなる。特許文献4〜特許文献9のシステムでは、サーバで情報を一元管理するものではあるが、個々に異なる属性を備えた衣類を識別して管理する必要がある、クリーニングシステム特有の課題を克服するものではない。
【0013】
このような問題を鑑みて、本発明は、個々の衣類に最適な洗濯情報を提供することができるとともにシステム内で個々の衣類を追跡管理することができるクリーニングシステムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のクリーニングシステムは、複数のクリーニング取次店に設置された第1端末装置と、該クリーニング取次店から搬入された衣類を洗濯装置により洗濯する複数の支部に設置された第2端末装置と、該支部それぞれを統括する本部に設置されたサーバ装置とで構成され、上記第1端末装置、上記第2端末装置、及び上記サーバ装置がネットワークを介して通信可能に接続されてなる衣類のクリーニングシステムであって、上記第1端末装置が、預けられた衣類に対して個別に割り当てられる第1識別情報と、該衣類の属性を示す衣類情報との入力を受け付ける第1入力受付部と、該第1入力受付部で受け付けた上記第1識別情報と上記衣類情報とを、上記サーバ装置に送信する第1通信部と、を有し、上記衣類には、割り当てられた上記第1識別情報と一致する第2識別情報が記録されるタグが取り付けられ、上記第2端末装置が、上記クリーニング取次店で上記衣類に取り付けられたタグに記録された第2識別情報の入力を受け付ける第2入力受付部と、該第2入力受付部で受け付けた上記第2識別情報を上記サーバ装置に送信するとともに、上記衣類の洗濯条件を指定する洗濯情報を上記サーバ装置から受信する第2通信部と、該第2通信部で上記洗濯情報を受信したとき、上記衣類が投入された洗濯装置を当該洗濯情報に従って制御する洗濯制御部と、上記洗濯装置による上記衣類の洗濯が完了したとき、上記第2識別情報を付与して上記第2通信部から上記サーバ装置に送信する洗濯完了信号を生成する完了信号生成部と、を有し、上記サーバ装置が、上記第1識別情報及び上記衣類情報を上記第1端末装置から受信し、上記第2識別情報及び上記洗濯完了信号を上記第2端末装置から受信するとともに、上記第2識別情報を送信した上記第2端末装置に対して上記第2識別情報と一致する上記第1識別情報によって特定される洗濯情報を送信する第3通信部と、上記第3通信部で第1端末装置から受信した衣類情報から洗濯情報を生成する洗濯情報生成部と、上記衣類毎に、上記第1識別情報と、上記衣類情報と、上記洗濯情報とを関連づけて記憶するデータベースと、を有することを特徴とする。
【0015】
このようなクリーニングシステムにおいて、上記衣類を上記クリーニング取次店から上記支部へ配送する配送業者によって操作されるとともに、上記ネットワークを介して、上記サーバ装置と通信を行う第3端末装置を、更に備え、上記サーバ装置は、上記第3通信部で上記第1識別情報及び上記衣類情報を受信したとき、該第1識別情報で特定される衣類の配送先となる支部を特定し、該第1識別情報より特定される上記クリーニング取次店から当該支部へ上記衣類を配送することを指示する配送指示情報を、上記第3通信部から上記第3端末装置へ送信するものであってもよい。
【0016】
又、上記衣類を上記クリーニング取次店から上記支部へ配送する配送業者によって操作されるとともに、上記ネットワークを介して、上記第1端末装置と通信を行う第3端末装置を、更に備え、上記第1端末装置は、上記第1入力受付部で受け付けた上記第1識別情報により特定される衣類の配送先となる支部を特定した後、上記第1通信部より、配送先として特定した上記支部の情報を上記第1識別情報と上記衣類情報と同時に上記サーバ装置へ送信するとともに、上記衣類をその配送先となる上記支部に配送することを指示する配送指示情報を第3端末装置へ送信するものであってもよい。なお、衣類の搬送は、取次店の店員によって行われてもよいし、また、支部に常駐する配達員などによって行われてもよい。
【0017】
更に、上記のいずれかのクリーニングシステムにおいて、上記第1識別情報には、当該第1識別情報により特定される衣類を上記クリーニング取次店に預けた委託者の個人情報が含まれるものとしてもよい。
【0018】
又、上記第2端末装置が、上記洗濯装置による上記衣類の洗濯が完了した後、撮影装置により撮影された上記衣類の画像を取得する画像取得部を有するとともに、上記完了信号生成部で、上記衣類に割り当てられた上記第2識別情報を該画像取得部で取得した当該衣類の画像に付与した画像情報を、上記洗濯完了信号として生成するものとしてもよい。なお、衣類の画像は、支部で洗濯された衣類を本部へ搬送し、当該衣類を本部で撮影することによって生成されてもよい。
【0019】
このとき、上記サーバ装置が、上記ネットワークを介してアクセスを行う第4端末装置に対して、上記データベースより衣類の画像を読み出して上記第3通信部より該第4端末装置へ送信して、当該画像の含む画面を該第4端末装置に表示させるものとしてもよい。該第4端末装置は、上記委託者が操作するものであってもよいし、上記委託者以外の第三者が操作するものであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、サーバ装置で、衣類情報及び洗濯情報が第1識別情報により管理されると同時に、第1識別情報と一致する第2識別情報を記憶したタグが衣類に取り付けられる。そのため、委託者がクリーニング取次店に持ち込んだ衣類が支部で洗濯される場合において、その衣類固有となる最適な洗濯情報が支部に与えられることとなり、衣類に最適な洗濯を施すことができる。更に、サーバ装置で、第1識別情報に基づく情報の管理だけでなく、第2識別情報の受信により、その衣類を洗濯している支部を確認することができるため、預かった衣類の追跡管理を正確に行うことができ、従来のクリーニングシステムで問題であった衣類の紛失を防げる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】は、本発明の一実施形態に係るクリーニングシステムを利用した、衣類のリサイクルシステム100の一例を示す構成図である。
【図2】は、本部サーバ10の構成例を示すブロック図である。
【図3】は、販売店端末30の構成例を示すブロック図である。
【図4】は、支部端末40の構成例を示すブロック図である。
【図5】は、携帯情報端末140の構成例を示すブロック図である。
【図6】は、洗濯装置60の模式図である。
【図7】は、フレーム体68の斜視図である。
【図8】は、フレーム体68の断面図である。
【図9】は、図8における要部拡大図である。
【図10】は、上記制御装置105の構成例を示すブロック図である。
【図11】は、洗濯装置60による洗濯の要領を模式的に示す図である。
【図12】は、回転するフレーム体68の内部における洗浄液の流れの様子を模式的に示す図である。
【図13】は、リサイクルシステム100において伝送される各種情報を示す模式図である。
【図14】は、第1識別情報が入力された際に販売店端末30において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】は、第1識別情報を含む情報を受信した際に本部サーバ10において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】は、第2識別情報が入力された際に支部端末40において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】は、電子カルテ23の一例を示す説明図である。
【図18】は、洗濯後の古着の購入希望者が操作する携帯情報端末140において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】は、古着画像が蓄積された後に本部サーバ10において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】は、第1指示情報又は第2指示情報を受信した際に販売店端末30において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るクリーニングシステムを利用した、衣類のリサイクルシステム(以下、単に「リサイクルシステム」とも称される。)100の一例を示す構成図である。
【0024】
[リサイクルシステム]
このリサイクルシステム100は、販売店端末30(本発明の第1端末装置に相当する)、支部端末40(本発明の第2端末装置に相当する)、携帯情報端末140、配送業者端末50、及び本部サーバ10(本発明のサーバ装置に相当する)がインターネット102(本発明のネットワークの一例)を介して通信可能に接続されてなるものである。
【0025】
販売店端末30は、古着を販売する複数の販売店にそれぞれ設置されている端末装置である。販売店としては、例えば洋服の古着を扱う洋服店、和服の古着を扱う着物店等が挙げられる。なお、販売店は、古着のみを扱う古着屋であってもよいし、古着と新品の衣類の両方を扱うものであってもよい。古着を売却しようとする売却予定者は、当該古着を販売店に持ち込む。この古着は、配送業者により販売店から最寄りの支部へ搬送される。支部に搬入された古着は、当該支部に設置された洗濯装置60(本発明の洗濯装置の一例、図6参照)により洗濯された後、再販される。このように、本発明では、上記販売店がクリーニング取次店として機能する。
【0026】
配送業者端末50は、配送業者が有する端末装置である。配送業者は、古着の売却予定者が販売店に持ち込んだ古着を支部へ搬送する業者である。本実施形態においては、販売店に持ち込まれた古着が配送業者により当該販売店の最寄りの支部へ搬送される形態について説明するが、古着は他の方法で搬送されてもよい。例えば、売却予定者の古着は、当該古着が持ち込まれた販売店によって最寄りの支部へ搬送されてもよい。また、例えば、売却予定者の古着は、支部に常駐する配達員によって当該支部へ搬送されてもよい。
【0027】
支部端末40は、複数の支部にそれぞれ設置されている端末装置である。各支部には、販売店から搬入された古着を洗濯する洗濯装置60が設置されている。すなわち、各支部は、販売店から搬入された古着を洗濯装置60により洗濯するクリーニング工場に相当するものである。なお、洗濯装置60の構成については、後に詳述される。
【0028】
本部サーバ10は、各支部を統括する本部に設置されたサーバ装置である。後述されるが、各支部に設置された洗濯装置60は、本部サーバ10から送信される洗濯情報(古着の洗濯条件を示す情報)に基づいて、支部端末40によって制御される。また、本リサイクルシステム100によってリサイクルされる古着の各種情報は、この本部サーバ10において管理される(図17参照)。
【0029】
携帯情報端末140は、古着の購入希望者によって操作される複数の端末装置である。古着の購入希望者は、携帯情報端末140から所定操作を行うことにより、洗濯装置60によって洗濯された古着を購入(発注)することができる。携帯情報端末140としては、例えばインターネット102に接続可能な携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。
【0030】
なお、図1には便宜上、3台の支部端末40、1台の配送業者端末50、1台の携帯情報端末140、及び2台の販売店端末30が示されているが、これらの端末の数は図1に示されているものに限定されるものではない。また、販売店端末30、支部端末40、配送業者端末50、携帯情報端末140、及び本部サーバ10の間で行われる通信は、HTTP(hypertext transfer protocol)プロトコルを用いて行われる。
【0031】
[本部サーバ]
図2は、本部サーバ10の構成例を示すブロック図である。
【0032】
本部サーバ10の制御部11は、本部サーバ10の全体動作を制御するものである。制御部11は、図2が示すように、CPU(Central Processing Unit)17、ROM(Read Only
Memory)18、RAM(Random Access Memory)19を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部11は、バス16を介してLAN
I/F(Local Area Network Interface)12、HDD(Hard Disk Drive)13、操作部14、及び表示部15と接続されている。
【0033】
ROM18には、CPU17が本部サーバ10の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM19は、CPU17が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。
【0034】
LAN I/F12は、LAN(Local Area Network)21と本部サーバ10とを通信可能に接続するインターフェースである。LAN21はインターネット102に接続されており、本部サーバ10は、LAN
I/F12を介してインターネット102に接続されている。HDD13は、大容量のメモリ領域を有する記憶媒体を内蔵する記憶装置である。HDD13は、支部の洗濯装置60により洗濯された古着の画像(以下、単に「古着画像」ともいう。)、及び電子カルテ23(本発明のデータベースの一部、図17参照)を格納している。本発明のデータベースとは、本実施形態においては、HDD13に格納された古着画像及び電子カルテ23によって構成されるデータの集合である。各古着画像は、電子カルテ23(テーブル)により当該電子カルテ23に格納された種々の情報と対応付けられてHDD13のデータベースに格納される。この電子カルテ23については、後に詳述される。操作部14は、本部サーバ10に対する動作指示や設定等の操作入力を受け付けるものであり、キーボードやマウス等からなる。表示部15は、各種画面情報を表示するものであり、液晶ディスプレイなどからなる。
【0035】
[販売店端末]
図3は、販売店端末30の構成例を示すブロック図である。
【0036】
販売店端末30は、例えばパーソナルコンピュータ等からなる。制御部31は、販売店端末30の全体動作を制御するものである。制御部31は、図3が示すように、CPU37、ROM38、RAM39を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部31は、バス36を介してLAN
I/F32、HDD33、操作部34、表示部35、及びリーダライタ52と接続されている。
【0037】
ROM38には、CPU37が販売店端末30の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM39は、CPU37が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。
【0038】
LAN I/F32は、LAN29と販売店端末30とを通信可能に接続するインターフェースである。LAN29はインターネット102に接続されており、販売店端末30は、LAN
I/F32を介してインターネット102に接続されている。HDD33は、大容量のメモリ領域を有する記憶媒体を内蔵する記憶装置である。操作部34は、販売店端末30に対する動作指示や設定等の操作入力を受け付けるものであり、キーボードやマウス等からなる。表示部35は、各種画面情報を表示するものであり、液晶ディスプレイなどからなる。
【0039】
リーダライタ52は、ICタグ55に対して無線通信により情報を読み書きするものである。ICタグ55は、売却予定者が販売店に持ち込んだ古着に取り付けられる。リーダライタ52は、本実施形態においては、第1識別情報を第2識別情報として書き込む。第1識別情報及び第2識別情報は、古着同士を判別するための識別情報である。なお、これらの情報については、後に詳述する。販売店に持ち込まれた古着は、第2識別情報を記憶するICタグ55が付着された状態で最寄りの支部へ搬送される。
【0040】
[配送業者端末]
配送業者端末50(図1参照)は、上述のように、販売店から支部へ売却予定者の古着を搬送する配送業者が有する端末装置である。配送業者端末50は、販売店端末30と同様の構成を有するパーソナルコンピュータであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0041】
[支部端末]
図4は、支部端末40の構成例を示すブロック図である。
【0042】
支部端末40は、各支部に設置された端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ等からなる。制御部41は、支部端末40の全体動作を制御するものである。制御部41は、図4が示すように、CPU47、ROM48、RAM49を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部41は、バス46を介してLAN
I/F42、HDD43、操作部44、表示部45、及びリーダライタ57と接続されている。
【0043】
ROM48には、CPU47が支部端末40の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM49は、CPU47が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。
【0044】
LAN I/F42は、LAN28と支部端末40とを通信可能に接続するインターフェースである。LAN28はインターネット102に接続されており、支部端末40は、LAN
I/F42を介してインターネット102に接続されている。LAN28には、洗濯装置60、撮影装置58、及び保管装置59(本発明の保管場所に相当する)が接続されている。なお、図4には、洗濯装置60、撮影装置58、及び保管装置59が便宜上1台に簡略化して示されているが、これらの装置は複数台であってもよい。
【0045】
後述の洗濯装置60(図6参照)は、販売店から搬入された売却予定者の古着を洗濯するものである。この洗濯装置60は、支部端末40からの指示に従って動作する。すなわち、洗濯装置60の動作は、制御部41によって制御される。
【0046】
撮影装置58は、洗濯装置60により洗濯された古着を撮影するものである。撮影装置58は、図には示されていないが、CCD(charge coupled device)やCMOSイメージセンサ(CMOS
Image Sensor)などの撮像素子を有して構成されている。撮影装置58としては、LANによる通信機能を内蔵したデジタルカメラ等が使用される。なお、撮影装置58は、デジタルカメラに限定されるものではない。撮影装置58は、例えば、インターネット102経由で画像や映像を送信できる、所謂ネットワークカメラ(Network Camera)でもよい。撮影装置58により撮影された古着の古着画像は、LAN28を介して支部端末40へ送信されて当該支部端末40に保存される。この古着画像(古着の画像データ)は、インターネット102を介して本部サーバ10へ送信され、当該本部サーバ10により一元管理される。
【0047】
保管装置59は、洗濯装置60により洗濯された古着を保管するための装置である。保管装置59は、図には示されていないが、恒温恒湿器及びデータロガーを有して構成されている。恒温恒湿器は、保管装置59内を一定温度及び一定湿度に保つ装置である。データロガーは、保管装置59内の温度と湿度を記録する装置である。データロガーによって記録された温度情報及び湿度情報は、LAN28を介して支部端末40へ送信される。制御部41は、この温度情報及び湿度情報に基づいて恒温恒湿器を制御する。これにより、保管装置59内が一定温度及び一定湿度に維持されるようになっている。洗濯装置60により洗濯された古着は、少なくとも購入希望者によって売却されるまでの間、この保管装置59に保管される。これにより、洗濯された古着が一定の品質に保たれ、状態の良い古着を購入希望者に提供することができる。なお、保管装置59を本部に設け、洗濯後の古着を支部から本部へ配送して本部で保管してもよい。
【0048】
HDD43は、大容量のメモリ領域を有する記憶媒体を内蔵する記憶装置である。撮影装置58から送信された古着画像は、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やGIF(Graphics
Interchange Format)形式の画像ファイルとしてHDD43に格納される。すなわち、古着画像は、JPEG形式やGIF形式の画像ファイルとして支部端末40から本部サーバ10へ送信される。操作部44は、支部端末40に対する動作指示や設定等の操作入力を受け付けるものであり、キーボードやマウス等からなる。表示部45は、各種画面情報を表示するものであり、液晶ディスプレイなどからなる。リーダライタ57は、ICタグ55に対して無線通信により情報を読み書きするものである。すなわち、リーダライタ57は、販売店から支部へ搬入された古着に付着されているICタグ55から第2識別情報を読み出すものである。
【0049】
[携帯情報端末]
図5は、携帯情報端末140の構成例を示すブロック図である。
【0050】
携帯情報端末140は、洗濯装置60により洗濯された古着の購入希望者によって操作される端末装置である。制御部141は、携帯情報端末140の全体動作を制御するものである。制御部141は、図5が示すように、CPU146、ROM147、RAM148、及びフラッシュメモリ149を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部141は、バス145を介して無線通信部142、操作部143、及び表示部144と接続されている。
【0051】
ROM147には、CPU146が携帯情報端末140の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM148は、CPU146が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。フラッシュメモリ149は、種々の情報を読み書き可能に記憶するメモリである。
【0052】
無線通信部142は、他の電子機器との間で無線通信を行うものである。この無線通信部142は、インターネット102を介して本部サーバ10との間で通信を行う。なお、携帯情報端末140が携帯電話である場合、無線通信部142は、他の携帯電話や固定電話との間で音声通信を行うことも可能である。操作部143は、携帯情報端末140に対する動作指示や設定等の操作入力を受け付けるものであり、プッシュボタン等からなる。表示部144は、各種画面情報を表示するものであり、液晶や無機EL、有機ELなどのディスプレイなどからなる。本発明の選択画面は、この表示部144に表示される。
【0053】
[洗濯装置]
図6は、洗濯装置60の模式図である。
【0054】
洗濯装置60は、洗濯槽ユニット61、支持装置62、回転駆動装置63、洗浄液供給装置64、及び変圧装置66を備える。支持装置62は、洗濯槽ユニット61を支持するものである。回転駆動装置63は、洗濯槽ユニット61を回転させるものである。洗浄液供給装置64は、洗濯槽ユニット61に洗浄液を供給すると共に洗濯槽ユニット61内の洗浄液に強制的に緩やかな流れを生じさせるものである。変圧装置66は、洗濯槽ユニット61の内部圧力を変化させるものである。なお、図6には示されていないが、洗濯装置60は、制御装置105(図10参照)を備えている。制御装置105は、回転駆動装置63、洗浄液供給装置64、及び変圧装置66の作動を制御する。この制御装置105の構成については、後述される。
【0055】
洗濯槽ユニット61は、ケーシング67とフレーム体68とを備えている。フレーム体68は、ケーシング67の内部に配置されており、ケーシング67によって囲繞されている。ケーシング67は、例えばステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属から構成され得る。ケーシング67は、図6が示すように、前面に扉70を備えている。この扉70の右側の端部がヒンジ95を介してケーシング67に取り付けられている。したがって、扉70は、ヒンジ95を中心として左右方向に回動することによってケーシング67を開閉する。また、扉70は、把手65を備えている。この洗濯装置60のユーザが把手65を操作することによって、扉70が開閉される。扉70は、ケーシング67の前面を液密的に開閉する。この扉70が閉じられた後に、後述のように洗浄液がケーシング67に供給される。これにより、ケーシング67内に洗浄液が充填密封される。
【0056】
ケーシング67は、図6が示すように円筒容器状に形成されている。ただし、ケーシング67は、他の形状に形成されていてもよいことは勿論である。要するに、ケーシング67は、洗浄液を充填密封し、且つフレーム体68を収容することができる形状に形成されていればよい。なお、ケーシング67の扉70は、当該ケーシング67の内部を見ることができる窓部を備えていてもよい。この窓部には、例えば透明のアクリル板等が嵌め込まれているのが好ましい。この窓部が設けられることにより、外部から洗濯の様子が観察される。
【0057】
支持装置62は、ケーシング67に取り付けられている。支持装置62は、ケーシング67を安定的に支持している。この支持装置62もステンレス鋼やアルミニウム等の金属から構成されている。支持装置62は、複数の柱や梁が組み合わされたラーメン構造を有する支持フレームとして構成されている。ただし、支持装置62は、支持フレームに加えてコイルバネおよびダンパを備えていてもよい。この場合には、ケーシング67は、これらコイルバネおよびダンパを介して支持フレームに支持され、これにより、ケーシング67に周期的な外力が作用した場合であっても、ケーシング67が安定的に支持される。また、ケーシング67は、その中心軸Nが水平になるように支持装置62に支持されている。なお、ケーシング67の中心軸Nは、洗濯槽ユニット61の中心軸と一致し、且つフレーム体68の中心軸69(図7参照)と一致している。
【0058】
図7は、フレーム体68の斜視図である。図8は、フレーム体68の断面図である。図9は、図8における要部拡大図である。
【0059】
フレーム体68は、図7が示すように、円筒形に形成されている。フレーム体68は、ケーシング67の内部に配置されている(図6参照)。すなわち、フレーム体68は、ケーシング67に対して入れ子状に嵌め込まれている。フレーム体68の内部は、衣類(古着)が収容される洗濯物収容室を構成している。フレーム体68は、籠状に形成されている。具体的には、フレーム体68の周面86に複数のスリット87(87a〜87f)が設けられている。これらのスリット87は、フレーム体68の周面86を径方向に貫通している。したがって、ケーシング67内に供給された洗浄液は、スリット87を通ってフレーム体68に自由に出入りすることができる。これらのスリット87は、図7が示すように、フレーム体68の軸方向に延びている。スリット87の数、幅寸法及び長さ寸法は、適宜設定される。
【0060】
上記スリット87に代えてフレーム体68に多数のパンチング孔が設けられていてもよい。フレーム体68が骨組構造を備えていてもよい。要するに、洗浄液がフレーム体68に自由に出入りすることができるように、フレーム体68が籠状に形成されていればよい。
【0061】
フレーム体68は、中心軸69を備えている。この中心軸69は、フレーム体68の後端面88(図7参照)に突設されている。前述のように、この中心軸69の中心は、上記中心軸N(図6参照)と一致している。すなわち、フレーム体68は、ケーシング67内に当該ケーシング67と同芯状に配置されている。図6が示すように、中心軸69は、図示されていない軸受により支持されている。これにより、フレーム体68は、ケーシング67の内部で上記中心軸Nの周りに自在に回転することができるようになっている。この中心軸69は、後述の駆動モータ73(図10参照)に連結されている。なお、本実施形態では、中心軸69が軸受により支持されることによって、フレーム体68が片持ち状に支持されている。ただし、上記中心軸69がケーシング67の扉70側にも設けられ、フレーム体68が両端支持されていてもよい。
【0062】
図7〜図9が示すように、フレーム体68の内周面89は、波形の凹凸曲面となっている。この凹凸形状は、フレーム体68の内周面89に複数の突条90が形成されることによって構成されている。これらの突条90は、フレーム体68の軸方向に延びている。本実施形態では、多数の突条90が上記内周面89に設けられており、各突条90は、当該内周面89の周方向に均等に並設されている。突条90は、内周面89と一体的に形成されてもよい。ただし、突条90は、フレーム体68とは別の部材として構成され、当該フレーム体68に取り付けられていてもよい。例えば、サインカーブ状に湾曲形成された薄肉プレートがフレーム体68の内周面89に固定されることにより、上記突条90が形成されてもよい。このような薄肉プレートが採用されることにより、フレーム体68の製造コストが低減される。
【0063】
図8が示すように、本実施形態では、フレーム体68の内周面89にサインカーブ状に湾曲形成された薄肉プレート110〜115が取り付けられている。各薄肉プレート110〜115は、樹脂又は金属からなる。各薄肉プレート110〜115の外形形状は、矩形状である。各薄肉プレート110〜115は可撓性を備えている。したがって、各薄肉プレート110〜115は、フレーム体68の内周面89に沿うように容易に変形することができる。
【0064】
フレーム体68に設けられたスリット87a〜87fの位置及びフレーム体68の内周面89の形状は、図8が示す通りである。すなわち、本実施形態では、フレーム体68に6つのスリット87a〜87fが設けられており、各スリット87a〜87fの幅寸法(フレーム体68の周方向の長さ)は、フレーム体68の中心を基準とする角度α(図8参照)により決定されている。本実施形態では、この角度αは、8.80°(degree)に設定されている。また、各スリット87a〜87f間の距離(フレーム体68の周方向の長さ)は、フレーム体68の中心を基準とする角度β(図8参照)及び角度γ(図8参照)により決定されている。
【0065】
本実施形態では、スリット87aとスリット87bとの間の距離、スリット87bとスリット87cとの間の距離、スリット87cとスリット87dとの間の距離、スリット87eとスリット87fとの間の距離およびスリット87fとスリット87aとの間の距離は角度βにより決定される。この角度βは、55.16°に設定されている。また、スリット87dとスリット87eとの間の距離は角度γにより決定される。この角度γは、31.29°に設定されている。
【0066】
図8が示すように、薄肉プレート110は、フレーム体68の内周面89のうちスリット87aとスリット87bとの間の領域を覆うように配置されている。薄肉プレート111は、フレーム体68の内周面89のうちスリット87bとスリット87cとの間の領域を覆うように配置されている。薄肉プレート112は、フレーム体68の内周面89のうちスリット87cとスリット87dとの間の領域を覆うように配置されている。薄肉プレート113は、フレーム体68の内周面89のうちスリット87dとスリット87eとの間の領域を覆うように配置されている。薄肉プレート114は、フレーム体68の内周面89のうちスリット87eとスリット87fとの間の領域を覆うように配置されている。薄肉プレート115は、フレーム体68の内周面89のうちスリット87fとスリット87aとの間の領域を覆うように配置されている。
【0067】
スリット87(87a〜87f)の数、角度α、β、γの値は、種々の設計変更が可能である。たとえば、スリット87は、フレーム体68の内周面89に周方向に均等に配置されていてもよい。スリット87の数は特に限定されるものではないが、4〜10程度に設定され得る。その場合、スリット87の数に対応させて上記各角度α、β、γが決定される。スリット87が均等に配置される場合は、上記角度βおよび角度γは、β=γとなる。
【0068】
前述のように、このスリット87に代えて、フレーム体68の側面に複数のパンチング孔が形成されてもよい。この場合は、単一の薄肉プレートがフレーム体68の内周面89に配置されてもよい。この薄肉プレートも樹脂や金属から構成され、フレーム体68の内周面89を覆うように取り付けられる。そして、上記パンチング孔は、フレーム体68と共に当該薄肉プレートを貫通して設けられる。もっとも、当該薄肉プレートが設けられず、フレーム体68の内周面89が上記波形凹凸曲面に形成されていてもよいことは勿論である。
【0069】
フレーム体68の内周面89の形状、すなわち上記各突条90の表面によって構成される上記凹凸形状は、図9が示すように、径方向に凹凸するサインカーブを構成している。ただし、この内周面89の凹凸形状は、正確なサインカーブでなくてもよい。この内周面89の凹凸形状は、例えば半円形の曲面が周方向に連続することにより、滑らかなサインカーブ状に形成されていてもよい。本実施形態では、フレーム体68の内径寸法Dは、650mmに設定されている。この内径寸法Dは、250mm〜1000mmの範囲で設定されるのが好ましい。ただし、この内径寸法Dは、300mm〜850mmの範囲で設定されるのがより好ましい。また、この内径寸法Dは、600mm〜850mmの範囲、及び300mm〜500mmの範囲で設定されるのがなお一層好ましい。このような範囲でフレーム体68の内径寸法Dが設定されることによる作用効果については、後述される。
【0070】
また、上記内周面89の波形の高さ寸法hおよびピッチpは、フレーム体68の内径寸法Dに対して一定の割合となるように設定されている。具体的には、本実施形態では、上記高さ寸法hは、19.5mmに設定され、上記ピッチpは、62.4mmに設定されている。すなわち、高さ寸法hは、上記内径寸法Dの3%に設定されており、ピッチpは、上記内径寸法Dを直径とする仮想円の円周長さL(πD)の3%に設定されている。もっとも、この高さ寸法hおよびピッチpは、上記値に限定されるものではない。高さ寸法hは、上記内径寸法Dの2.0%〜9.0%の範囲で設定される。また、ピッチpは、上記円周長さL(πD)の2.0%〜9.0%に設定される。ただし、上記高さ寸法hは、上記内径寸法Dの3.0%〜6.0%の範囲で設定されるのが特に好ましい。また、上記ピッチpは、上記内径寸法Dを直径とする仮想円の円周長さL(πD)の3.0%〜6.0%に設定されるのが特に好ましい。
【0071】
図6及び図7が示すように、回転駆動装置63は、上記駆動モータ73(図10参照)を有する。この駆動モータ73は、ケーシング67の端面71に取り付けられている。駆動モータ73の駆動軸74は、上記フレーム体68の中心軸69と連結されている。したがって、駆動モータ73が作動することによって、ケーシング67内でフレーム体68が上記中心軸Nの周りに回転される。なお、駆動モータ73が正転することによってフレーム体68がケーシング67内で正転(一方向に回転)し、駆動モータ73が逆転されることによってフレーム体68がケーシング67内で逆転(他方向に回転)する。
【0072】
本実施形態では、フレーム体68は、毎分15回転程度で回転される。ただし、フレーム体68の回転速度は、毎分5回転程度から45回転程度に設定され得る。特に、フレーム体68の回転速度は、毎分13回転程度から毎分30回転程度に設定されるのが好ましい。換言すれば、フレーム体68は、内周面89の周速が毎分10m以上毎分90m以下となるように回転され、特に、毎分28m以上毎分57m以下となるように回転されるのが好ましい。
【0073】
フレーム体68が上記速度で回転され、上記高さ寸法hおよびピッチpが上記値に設定されることによる作用効果については、後述される。
【0074】
図6が示すように、洗浄液供給装置64は、予め洗浄液がストックされるタンク75と、タンク75に接続された吸入配管76と、吸入配管76が接続されたポンプ77と、ポンプ77に接続された供給配管78と、ケーシング67に接続されたドレン配管79と、ドレン配管79と吸入配管76とを接続するバイパス配管80とを備えている。各配管76、78、79、80は、一般に使用されているステンレス鋼からなるパイプが採用される。吸入配管76、ドレン配管79及びバイパス配管80は、それぞれ当該配管を開閉するバルブ81〜83を備えている。ポンプ77は、タンク75内の洗浄液を吸い上げてケーシング67に送給するほか、後述のように洗浄液を循環させる。なお、洗浄液としては、典型的には水が採用され得る。洗浄液には、一般に界面活性剤が混合される。もっとも、洗浄液として、石油系溶剤、有機系溶剤も採用され得る。
【0075】
洗浄液供給装置64が後述のようにケーシング67内の洗浄液を循環させる場合には、洗浄液は一旦ケーシング67の外部に引き出される。この引き出された洗浄液は、そのまま当該ケーシング67内に戻される。このとき、洗浄液は、所定の圧力でケーシング67内に戻される。したがって、ケーシング67内に洗浄液の流れが形成されることになる。仮にこの流れが強い場合には、ケーシング67内で洗浄液が強い渦を形成し、古着を構成する生地に悪影響を与えることも予想される。ただし、本実施形態では、この洗浄液の流れは緩やかであり、この洗浄液の流れによって古着を構成する生地が損傷を受けることはない。さらに、後述されるように、この洗浄液の流れによって、古着がケーシング67の中央部に強制的に位置決めされ得る。なお、ケーシング67内の洗浄液は、前述のように循環されるほかに、ケーシング67に供給されながら同時にケーシング67から排出されてもよい。
【0076】
変圧装置66は、本実施形態ではシリンダ・ピストン装置からなる。このシリンダ・ピストン装置が上記ケーシング67に接続されている。したがって、上記ピストンが作動することによって、洗濯槽ユニット61の内部圧力、すなわちケーシング67内の内部圧力が変動することになる。もっとも、変圧装置66は、シリンダ・ピストン装置に限定されるものではなく、要するにケーシング67内の圧力(洗浄液の圧力)を変化させることができるものであればよい。
【0077】
図10は、上記制御装置105の構成例を示すブロック図である。
【0078】
この制御装置105は、回転駆動装置63の駆動モータ73、洗浄液供給装置64のポンプ77及びバルブ81〜83、及び変圧装置66の作動等を総合的に制御する。そのため、上記ケーシング67に液位センサ125が設けられ、上記フレーム体68にロータリーエンコーダ126及び回転速度センサ127等が設けられている。上記液位センサ125は、上記ケーシング67内の洗浄液の量を検出する。上記ロータリーエンコーダ126は、上記フレーム体68の回転角度を検出する。上記回転速度センサ127は、上記フレーム体68の回転速度を検出する。
【0079】
制御装置105は、CPU106、ROM107、RAM108、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)109を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。制御装置105は、バス119を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)120に接続されている。
【0080】
ROM107は、洗濯装置60の各種動作を制御するためのプログラム等を格納している。RAM108は、CPU106が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。また、EEPROM109は、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等を記憶する。
【0081】
ASIC120は、CPU106からの指令に従い、駆動モータ73に通電する信号等を生成する。この信号は、駆動モータ73を駆動させる駆動回路128に送られ、この駆動回路128を介して駆動信号が駆動モータ73に通電される。このようにして、駆動モータ73の回転制御が行われ、その結果、上記フレーム体68の回転が制御される。駆動回路128は、駆動モータ73を駆動させるものであり、ASIC120からの出力信号を受けて、駆動モータ73を回転するための電気信号を形成する。この電気信号を受けて駆動モータ73が回転する。
【0082】
ASIC120は、CPU106からの指令にしたがい、ポンプ77に通電する信号等を生成する。この信号は、ポンプ77を駆動させる駆動回路129に付与され、この駆動回路129を介して駆動信号がポンプ77に通電される。このようにして、ポンプ77の回転制御が行われ、その結果、上記ケーシング67への洗浄液の供給が制御される。駆動回路129は、ポンプ77を駆動させるものであり、ASIC120からの出力信号を受けて、ポンプ77を回転するための電気信号を形成する。この電気信号を受けてポンプ77が回転する。
【0083】
ASIC120は、CPU106からの指令にしたがい、変圧装置66を駆動する信号等を生成する。この信号は、変圧装置66を駆動させる駆動回路130に送られ、この駆動回路130を介して変圧装置66に送信される。このようにして、変圧装置66の制御が行われ、その結果、上記ケーシング67内の洗浄液の圧力が制御される。駆動回路130は、変圧装置66を作動させるものであり、ASIC120からの出力信号を受けて、変圧装置66を作動するための電気信号を形成する。この電気信号を受けて変圧装置66が作動する。
【0084】
ASIC120は、CPU106からの指令にしたがい、バルブ81〜83に通電する信号等を生成する。この信号は、各バルブ81〜83のそれぞれの駆動回路131〜133に付与され、これら駆動回路131〜133を介して駆動信号が各バルブ81〜83に通電される。このようにして、各バルブ81〜83の開閉制御が行われ、その結果、上記ケーシング67への洗浄液の供給及び排出が制御される。各駆動回路131〜133は、それぞれ各バルブ81〜83を駆動させるものであり、ASIC120からの出力信号を受けて、各バルブ81〜83を開閉するための電気信号を形成する。この電気信号を受けて各バルブ81〜83が開閉する。
【0085】
図11は、洗濯装置60による洗濯の要領を模式的に示す図である。この洗濯装置60は、次の要領で古着の洗濯を行う。
【0086】
図11(a)が示すように、古着85が洗濯槽ユニット61の内部に収容される。具体的には、ケーシング67に設けられた上記扉70(図6参照)が開けられ、古着85がフレーム体68の内部に投入される。この古着85を洗濯槽ユニット61に収容する作業は、例えば、図示されていない洗濯物搬送装置等によって自動で行われてもよい。その場合、上記制御装置105(図10参照)がこの洗濯物搬送装置等の作動を制御する。古着85が洗濯槽ユニット61内に収容されたときは、バルブ81〜83は、すべて閉じられている。古着85の投入作業と並行して、タンク75内において洗浄液の調合作業が行われてもよい。前述のように、本実施形態では、洗浄液としては水が採用され、この水と洗剤(界面活性剤)とが調合される。もっとも、洗浄液として水のみが使用されてもよいことは勿論である。
【0087】
図11(b)が示すように、洗濯槽ユニット61に洗浄液が充填される。具体的には、洗浄液供給装置64が作動し、洗浄液が洗濯槽ユニット61内に送給される。より詳細には、バルブ81が開かれると共にバルブ82、83が閉じられ、ポンプ77が作動する。これにより、洗浄液がタンク75から吸い上げられ、吸入配管76及び供給配管78を通ってケーシング67内に送給される。ポンプ77は、洗浄液によってケーシング67が満たされるまで洗浄液を送給する。すなわち、この洗浄液は、ケーシング67内に充填されるまで送給される。本実施形態では、ケーシング67は、図11には示されていない液位センサ125(図10参照)を備えている。この液位センサ125は、ケーシング67に供給された洗浄液の液位をセンシングするものである。液位センサ125としては、例えば、洗浄液の液位を直接検出するセンサであってもよいし、洗浄液の圧力を検出する圧力センサであってもよい。上記洗浄液は、ケーシング67内に充填されるまで供給されるから、液位センサ125としては、上記圧力センサが採用されるのが好ましい。
【0088】
ケーシング67に充填された洗浄液は密封される。古着85は、ケーシング67内に充填密封された洗浄液中に配置される。そのため、古着85は、フレーム体68内で無重力に近い状態となる。詳述すれば、フレーム体68内の古着85には、重力が作用すると同時に、当該古着85の体積及び洗浄液の密度に応じた浮力が作用する。しかも、洗浄液がケーシング67内に充填されているので、洗浄液はフレーム体68内を満たしている。したがって、古着85は、フレーム体68内で、ゆらゆらと漂う状態となる。すなわち、上記「無重力に近い状態」とは、「無重力状態」を意味するものではなく、上記のように古着85が洗浄液中に漂う状態を意味する。つまり、古着85は無重力に近い状態でソフトに洗浄される。
【0089】
続いて、図11(c)が示すように、バルブ81〜83が閉じられ、洗濯槽ユニット61が回転される。具体的には、回転駆動装置63(図6参照)が作動し、洗濯槽ユニット61が上記中心軸Nの周りに回転される。より詳細には、回転駆動装置63の駆動モータ73が作動し、フレーム体68が上記中心軸Nを回転中心としてケーシング67内で回転される。フレーム体68が回転されることにより、上記洗浄液はフレーム体68内で当該回転方向に回転する。
【0090】
この洗濯装置60では、前述のように、フレーム体68の中心軸69が水平方向に配置されているから、フレーム体68は、いわゆる横型洗濯槽として機能する。図7〜図9が示すように、フレーム体68の内周面89は、サインカーブ状の波形凹凸曲面であり、フレーム体68の内径寸法D、フレーム体68の内周面89が形成する波形の高さ寸法hおよびピッチp並びにフレーム体68の回転速度が前述の範囲で設定されることにより、次のような作用効果が奏される。
【0091】
仮にフレーム体68の内径寸法Dが非常に小さいとすれば、この洗濯装置60が洗濯の対象とし得る古着85のサイズも非常に小さくなる。このため、たとえば、仮に上記内径寸法Dが250mm未満である場合には、この洗濯装置60の実用的な使用は困難となる。また、仮に上記内径寸法Dが1000mmを超えるような場合には、この洗濯装置60が洗濯の対象とし得る古着85のサイズも大きくなるが、洗浄液の使用量も極端に増大することになる。商業洗濯においては、洗濯効率その他の省エネ問題および環境問題が解決されなければならない。そのため、上記内径寸法Dが1000mmを超えるような場合にはかかる省エネ問題等の解決が困難となり、当該洗濯装置60は、商業洗濯に適用されることが困難となる。
【0092】
洗濯装置60は、フレーム体68の内径寸法Dが250mm以上1000mm以下に設定されるので、ネクタイ、手袋等の小型の洗濯物から背広服、外套、着物等の大型の洗濯物まで洗浄することができると共に、使用される洗浄液の量が一定以下に抑えられる。ただし、フレーム体68の内径寸法Dが300mm以上850mm以下に設定された場合には、この洗濯装置60が特に商業洗濯に適する。なぜなら、使用される洗浄液の量が比較的少量に抑えられ、しかも、ネクタイや手袋等の比較的小型ないし中型の洗濯物のほか、背広服、外套、着物等の大型の洗濯物が洗浄され得るからである。フレーム体68の内径寸法Dが250mm〜500mm程度、特に300mm以上500mm以下に設定された場合は、使用される洗浄液が少量に抑えられ、しかも、ネクタイや手袋等の比較的小型ないし中型の洗濯物が好適に洗浄される。
【0093】
また、フレーム体68の内径寸法Dが500mm〜1000mmに設定されることにより、背広服、外套、着物等の大型の洗濯物が好適に洗浄される。具体的に本実施形態では、上記フレーム体68の内径寸法Dは650mmに設計されている。この内径寸法Dは、600mm以上850mm以下に設定されるのが特に好ましい。フレーム体68の内径寸法Dがかかる寸法に設定されることにより、使用される洗浄液の量が比較的少量に抑えられつつ、背広服、外套、着物等の大型のものが好適に洗浄される。したがって、当該洗濯装置60は、特に効率的な商業洗濯に適する。
【0094】
また、本実施形態では、フレーム体68は、毎分15回転で回転される。したがって、このフレーム体68の内周面89の周速度は、30.6m/minとなる。さらに、フレーム体68の内周面89が形成する波形の高さ寸法hは、フレーム体68の内径寸法Dの3%に設定されており、当該波形のピッチpは、上記内径寸法Dを直径とする仮想円の円周長さL(πD)の3.0%に設定されている。各寸法D、h、pが上記値に設定されることにより、フレーム体68が回転した場合には、古着85は、フレーム体68内で無重力に近い状態が維持されるという現象が起こる。その理由は、およそ次のように考えられる。
【0095】
図12は、回転するフレーム体68の内部における洗浄液の流れの様子を模式的に示す図である。
【0096】
フレーム体68の内周面89は、径方向に凹凸するサインカーブ状に形成されているから、フレーム体68が矢印の方向に回転すると、洗浄液98は、フレーム体68の内周面89に引きずられるようにして周方向へ移動する。また、フレーム体68が回転すると、内周面89が滑らかな曲面に形成されているから、当該内周面89の近傍に渦状の緩やかな流れが発生する。この渦状の緩やかな流れ96は、フレーム体68の内周面89の近傍において径方向および周方向に三次元的に拡がる。なお、同図は模式図であるから、緩やかな流れ96は、図中4箇所にのみ記載されているが、現実には、この緩やかな流れは、フレーム体68の内周面89のあらゆる部位で発生する。
【0097】
一方、フレーム体68が回転することによって、フレーム体68の内部の洗浄液97は遠心力を受け、径方向外方へ移動する。そして、この遠心力により発生する径方向外方への流れと、上記渦状の緩やかな流れ96とが対向衝突する。このように径方向に対向する流れが衝突することにより、いわゆる「流れの壁」99が形成される。この「流れの壁」99は、フレーム体68の周方向に延びる円環状に形成される。
【0098】
この「流れの壁」99が形成されることにより、フレーム体68の周方向へ移動する洗浄液の速度は、径方向に不均一に変化する。すなわち、当該周方向へ移動する洗浄液の速度は、フレーム体68の中心からの距離に比例して変化するものではない。詳述すれば、この「流れの壁」99の外側にある洗浄液98は、フレーム体68の内周面89に沿って周方向に勢いよく移動するが、この「流れの壁」99の内側にある洗浄液97は、きわめて緩やかにフレーム体68の回転方向に移動する。ただし、フレーム体68の前端付近および後端付近では(図7参照)、上記渦状の流れ96も周方向の流れも発生しないから、フレーム体68の内部に洗浄液の圧力変動が生じ、洗浄液は、フレーム体68の軸方向へ緩やかに移動し、対流する。
【0099】
「流れの壁」99が良好に形成されているとすれば、古着85は、「流れの壁」99よりも内側の領域において無重力に近い状態が維持される。なぜなら、無重力に近い状態にある古着85がフレーム体68内で浮遊し、当該フレーム体68の内側から外側に移動したとしても、「流れの壁」99が良好に形成されているならば、古着85は、「流れの壁」99に弾かれて再びフレーム体68の内側に戻されるからである。ただし、仮に何らかの要因により古着85が「流れの壁」99を通過してフレーム体68の内側から外側に移動した場合は、古着85は、「流れの壁」99の外側にある洗浄液98によって周方向へ強く引きずられる。その結果、古着85がフレーム体68の内周面に沿って回転し、上記無重力に近い状態は維持されない。
【0100】
洗浄液に作用する遠心力および上記渦状の緩やかな流れ96が「流れの壁」99の形成に大きな影響を及ぼす。すなわち、フレーム体68の回転速度(すなわち、フレーム体68の内周面89の周速度)並びに上記高さ寸法hおよびピッチpが「流れの壁」99の形成に大きな影響を及ぼす。一般的には、フレーム体68の回転速度が速くなれば上記遠心力が大きくなりすぎ、また、フレーム体68の回転速度が遅くなれば、「流れの壁」99を形成するための洗浄液の対向する流れが発生しない。すなわち、「流れの壁」99が形成されるためには、上記遠心力により発生する径方向外方への流れと、上記渦状の緩やかな流れ96とがバランスすることが重要であると考えられる。本実施形態では、フレーム体68の内径寸法Dが650mmに設定され、且つフレーム体68が毎分15回転で回転され、しかも、上記高さ寸法hが上記内径寸法Dの3%に設定されると共に、上記ピッチpが上記内径寸法Dを直径とする仮想円の円周長さLの3%に設定されている。このことは、良好に「流れの壁」99が形成されるための条件を満たしている。
【0101】
本実施形態では、フレーム体68の内周面89の周速度が30.6m/min(毎分15回転)、上記高さ寸法hが上記内径寸法Dの3.0%、上記ピッチpが上記円周長さLの3.0%に設定されたときに、上記「流れの壁」99が良好に形成される。ただし、フレーム体68は、その内周面89の周速度が10m/min以上90m/minとなるように回転され、上記高さ寸法hが上記内径寸法Dの2.0%〜9.0%に設定され、上記ピッチpが上記円周長さLの2.0%〜9.0%に設定された場合でも、上記「流れの壁」99が形成され得る。特に、フレーム体68の内周面89の周速度が28m/min〜57m/min、上記高さ寸法hが上記内径寸法Dの3.0%〜6.0%、上記ピッチpが上記円周長さLの3.0%〜6.0%に設定されたときに、上記「流れの壁」99が良好に形成される。上記高さ寸法h及び上記ピッチpは、上記範囲内で変更され得る。ピッチpに対する高さ寸法hの割合が相対的に大きい場合は、上記内周面89に形成された凹凸が密となり、ピッチpに対する高さ寸法hの割合が相対的に小さい場合は、上記内周面89に形成された凹凸が粗となる。
【0102】
なお、フレーム体68の内周面89の周速度が10m/minであるときは、フレーム体68の内径寸法が300mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分10.6回転であり、フレーム体68の内径寸法が650mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分4.9回転であり、フレーム体68の内径寸法が850mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分3.7回転である。また、フレーム体68の内周面89の周速度が28m/minであるときは、フレーム体68の内径寸法が300mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分29.7回転であり、フレーム体68の内径寸法が650mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分13.7回転であり、フレーム体68の内径寸法が850mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分10.5回転である。さらに、フレーム体68の内周面89の周速度が57m/minであるときは、フレーム体68の内径寸法が300mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分60.5回転であり、フレーム体68の内径寸法が650mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分27.9回転であり、フレーム体68の内径寸法が850mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分21.4回転である。加えて、フレーム体68の内周面89の周速度が90m/minであるときは、フレーム体68の内径寸法が300mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分95.5回転であり、フレーム体68の内径寸法が650mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分44.1回転であり、フレーム体68の内径寸法が850mmであるならば、フレーム体68の回転速度は、毎分33.7回転である。
【0103】
古着85がフレーム体68の内部で無重力に近い状態が維持されると、古着85とフレーム体68の内周面89との接触が防止され、古着85を構成する生地への損傷が確実に防止される。さらに、フレーム体68の中心から外側に移動する洗浄液および軸方向に移動する洗浄液は、フレーム体68の内部で古着85を大きく拡げる。これにより、この古着85と洗浄液との接触面積が大きくなり、したがって、洗浄液に含まれる界面活性剤が古着85を構成する生地の繊維に深く浸透する。界面活性剤が古着85を構成する生地の繊維に深く浸透することにより、この古着85に物理的外力が加えられなくとも、すなわち、古着85に機械的な外力が加えられたり、水流が噴射されることによって古着85が叩かれたり捩られたりすることなく、繊維に付着した汚れが容易に離脱する。
【0104】
古着85の洗浄が終了すると、図11(d)が示すように、バルブ81、83が閉じられると共にバルブ82が開かれ、洗浄液が排出される。
【0105】
洗濯装置60は、古着85に物理的外力を加えることなく、古着85に付着した汚れを除去するから、古着85がウール等のデリケートな生地からなる場合であっても、この生地が損傷を受けることがない。すなわち、古着85の形が崩れず、しかも風合いが損なわれることなく、生地に付着した汚れが除去される。したがって、ウール等のデリケートな生地からなる古着85の水洗いが可能となり、その結果、古着85に付着した汗や泥等の水溶性の汚れも確実に除去される。加えて、古着85の形が崩れることがないから、洗浄後に生地に皺が生じにくく、仕上作業が容易になるという利点もある。
【0106】
特に、本実施形態では、フレーム体68は、水平に配置された中心軸69を中心に回転する。つまり、フレーム体68の内部において、洗浄液は、上記中心軸Nの周りに回転する。これにより、洗浄液が古着85を通過しやすいという利点がある。その理由は明らかではないが、フレーム体68の軸方向中心が鉛直方向に沿って配置されるよりも良好な洗濯が実現されることが確認されている。
【0107】
上記フレーム体68は、間欠的に回転されてもよい。フレーム体68が間欠的に回転されるためには、上記駆動モータ73の回転が制御されればよい。この駆動モータ73の回転制御は、上記制御装置105によって簡単に行われる。このように、フレーム体68が間欠的に回転されることにより、フレーム体68内の洗浄液の流れが一様でなくなる。したがって、洗浄液の流れは緩やかではあるものの、洗浄液は、確実に古着85の繊維の間を流れる。
【0108】
例えば、フレーム体68は、1〜240秒だけ回転され、その後に1〜60秒だけ停止され、さらにその後に1〜240秒だけ回転されるサイクルを繰り返す。最初のフレーム体68の回転時間は、5〜200秒であることが好ましく、10〜120秒であることがさらに好ましく、20〜80秒であることがなお好ましい。上記フレーム体68の停止時間は、例えば1秒以下に設定されていてもよい。停止後のフレーム体68の回転時間は、5〜200秒であることが好ましく、10〜120秒であることがさらに好ましく、20〜80秒であることがなお好ましい。これにより、洗浄液は、古着85の繊維の間をより確実に流れる。したがって、古着85は、洗浄による損傷を受けることなく、古着85に付着した汚れが当該古着85から一層確実に分離される。なお、最初のフレーム体68の回転時間と、一旦停止後のフレーム体68の回転時間とが異なっていてもよいことは、勿論である。
【0109】
また、このフレーム体68は、規則的に正転及び逆転されてもよい。具体的には、上記駆動モータ73の回転が規則的に正転及び逆転される。このような駆動モータ73の回転制御は、上記制御装置105によって簡単に行われる。これにより、洗浄液が古着85の繊維の間をより一層確実に流れる。
【0110】
例えば、フレーム体68は、右方向(一方向)に1〜540秒だけ回転され、その後に1〜60秒だけ停止され、さらにその後に左方向(他方向)に1〜540秒だけ回転される。フレーム体68の右方向への回転時間は、5〜440秒であることが好ましく、10〜280秒であることがさらに好ましく、20〜180秒であることがなお好ましい。当該右回転後のフレーム体68の停止時間は、例えば1秒以下に設定されていてもよい。停止後のフレーム体68の左方向への回転時間は、5〜440秒であることが好ましく、10〜280秒であることがさらに好ましく、20〜180秒であることがなお好ましい。そして、この正転及び逆転を1サイクルとして、これが繰り返される。フレーム体68が正転及び逆転されることにより、洗浄液が古着85の繊維の間をより一層確実に流れる。したがって、古着85は、洗浄による損傷を受けることなく、古着85に付着した汚れが当該古着85からなお一層確実に分離される。
【0111】
なお、右方向への回転が正転とされ、左方向への回転が逆転とされているが、これが逆であってもよいことは勿論である。また、正転時間と逆転時間とが異なっていてもよいことも勿論である。
【0112】
本実施形態では、後述の洗濯情報に基づいて、変圧装置66によってケーシング67内の洗浄液、すなわちフレーム体68内の洗浄液が加圧又は減圧される場合がある。洗浄液の圧力が増減されることにより、洗浄液は、古着85を構成する繊維の奥まで浸透する。しかも、洗浄液の圧力が増減されることによって繊維に含まれる空気が除去されるので、洗浄液は、繊維の奥まで確実に浸透する。また、この洗浄液はフレーム体68の内部に充填密封されているから、洗浄液の圧力が変化したとしても、フレーム体68内に強い渦等が発生することはない。したがって、洗浄液の圧力変化を原因として古着85が損傷を受けることはない。
【0113】
このように洗浄液が加圧されることにより、古着85が損傷を受けることなく、繊維の表面に付着した汚れ並びに繊維の奥まで入り込んだ汚れ(沈着した汚れ)も確実に除去される。特に、この繊維の奥に入り込んだ汚れは、酸化されて生地の黄ばみの原因となる。しかし、この汚れが確実に除去されるので、生地の黄ばみが確実に防止されるという利点がある。
【0114】
さらに、洗濯情報に基づいて、古着85の洗浄中にフレーム18内に洗浄液の緩やかな噴流が形成される場合がある。具体的には、古着85の洗浄中に洗浄液供給装置64が作動される。図11(c)が示すように、バルブ81、82が閉じられ、バルブ83が開かれると共に、ポンプ77が作動される。これにより、洗浄液が洗濯槽ユニット61から引き出され、バイパス配管80及び供給配管78を通って再び洗濯槽ユニット61に戻される。このときに、洗濯槽ユニット61内に洗浄液の緩やかな流れが形成される。ただし、この流れは、古着85を強く捻るような強いものではなく、きわめて弱いものであることが必要である。このような緩やかな流れは、上記ポンプ77の作動が制御装置105によって制御されることによって容易に形成され得る。このように洗浄液の流れが形成され、洗浄液が循環されることにより、洗浄液は、古着85の繊維の間を一層流れやすくなる。その結果、一層高い洗浄力の発揮が期待される。
【0115】
上記緩やかな水流は、逆方向にも形成され得る。すなわち、バルブ81、82が閉じられ、バルブ83が開かれると共に、ポンプ77が逆方向に作動される。これにより、洗浄液が洗濯槽ユニット61の上方から引き出され、供給配管78及びバイパス配管80を通って再び洗濯槽ユニット61に戻される。このときに、洗濯槽ユニット61内に下方から上方に向かう洗浄液の流れが形成される。このように洗浄液の流れが形成されることによって、古着85が洗濯槽ユニット61の中央部に強制的に位置決めされる。
【0116】
詳述すれば、洗濯槽ユニット61内に配置された古着85は、前述のように無重力に近い状態になる。この状態は、この古着85に作用する浮力に起因して生じる。ただし、古着85には常に重力が作用しているから、古着85は、洗濯槽ユニット61の底部(鉛直下方)に沈下する傾向にある。しかし、洗浄液の流れが洗濯槽ユニット61内で下方から上方に形成されることによって、古着85は、常に洗濯槽ユニット61の中心部に押し上げられる。これにより、古着85が洗濯槽ユニット61の内壁面に接触することが確実に回避され、古着85の損傷が確実に防止される。
【0117】
なお、万一、古着85が洗浄液の流れによって洗濯槽ユニット61の上方に移動した場合には、前述のように、洗濯槽ユニット61の上方から下方へ向かう洗浄液の流れが形成されることにより、古着85は、再び洗濯槽ユニット61の中央部に位置決めされ得る。
【0118】
洗濯装置60は、洗浄液の温度を調整する温度調整装置を備えていてもよい。この温度調整装置は、洗濯槽ユニット61の内部に配置されたヒータ等により構成される。そして、このヒータは、上記制御装置105によってその出力が制御され得る。温度調整装置によって、洗浄液の温度は、古着85に付着した汚れの種類、程度に応じて当該汚れを除去するための最適な温度に設定され得る。洗浄液の温度が調整されることによって、古着85に付着した汚れが迅速かつ確実に除去される。
【0119】
[古着の洗濯手順]
以下、本実施形態に係るリサイクルシステム100において、販売店に持ち込まれた売却予定者の古着が配送業者により支部へ搬入され、当該古着が本部の指示に基づいて支部の洗濯装置60により洗濯される手順について説明する。
【0120】
図13は、リサイクルシステム100において伝送される各種情報を示す模式図である。図14は、第1識別情報が入力された際に販売店端末30において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図15は、第1識別情報を含む情報を受信した際に本部サーバ10において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図16は、第2識別情報が入力された際に支部端末40において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【0121】
なお、以下のフローチャートに基づいて説明する販売店端末30の処理は、ROM38に格納されているプログラムに基づいて制御部31が発行する命令に従って行われる。また、本部サーバ10の処理は、ROM18に格納されているプログラムに基づいて制御部11が発行する命令に従って行われる。また、支部端末40の処理は、ROM48に格納されているプログラムに基づいて制御部41が発行する命令に従って行われる。
【0122】
まず、クリーニング(洗濯)すべき古着が当該古着の売却予定者によって販売店に持ち込まれる。持ち込まれた古着には、販売店において第1識別情報が付与される。ここで、第1識別情報は、売却予定者の古着を特定するための情報である。この第1識別情報により売却予定者の古着が識別される。第1識別情報としては、売却予定者の個人情報である売却予定者の氏名、売却予定者の住所、売却予定者の電話番号のほか、古着の品番等が例として挙げられる。なお、第1識別情報は、本実施形態においては、上記売却予定者の個人情報を基に作成される、複数桁の数字やアルファベットから構成される識別番号である。また、第1識別情報の作成方法は特に限定されるものではないが、例えば売却予定者の電話番号の一部を含むような識別番号を作成したり、或いは、売却予定者の氏名や住所に数値を対応付けてこれらの数値を組み合わせて識別番号とすればよい。
【0123】
売却予定者の古着には、ICタグ55(図3参照)が付着される。ICタグ55は、IC(Integrated Circuit)及びアンテナを搭載したタグである。販売店端末30において、第1識別情報が操作部34から入力される。入力された第1識別情報は、リーダライタ52(図3参照)によりICタグ55へ送信されて当該ICタグ55に第2識別情報として格納される。これにより、売却予定者の古着に第2識別情報が付与される。ここで、第2識別情報は、第1識別情報と同様の情報である。つまり、後述のように販売店端末30から本部サーバ10へ送信される識別情報が第1識別情報であり、売却予定者の古着に付着された上記ICタグ55に格納される識別情報が第2識別情報である。
【0124】
[販売店端末の処理]
図14が示すように、販売店端末30の制御部31は、売却予定者の個人情報を含む第1識別情報が操作部34から入力されたか否かを判断する(S1)。第1識別情報が入力されていないと制御部31が判断した場合(S1:NO)、処理がステップS1へ戻される。制御部31は、第1識別情報が入力されたと判断した場合(S1:YES)、古着情報(本発明の古着に関する情報に相当する)の入力を促す旨を報知する(S2)。具体的には、制御部31は、例えば「古着に関する情報を入力してください」等の古着情報の入力を促すメッセージを表示部35に表示させる。ここで、古着情報は、古着の色、生地、及びサイズである。販売店端末30のユーザ(販売店の店員又は売却予定者)は、操作部34から古着情報を入力することができる。なお、古着情報はこれに限定されるものではなく、古着の色、生地、サイズのうち少なくとも一つを含めばよい。すなわち、古着情報は、古着の生地のみでもよい。また、このステップS2の処理は、販売店端末30に接続されたスピーカ(不図示)からの音声ガイダンスにより行われてもよいし、或いは、メッセージの表示と音声ガイダンスとを伴うものであってもよい。
【0125】
制御部31は、操作部34からの所定操作の有無に基づいて、古着情報が入力されたか否かを判断する(S3)。古着情報が入力されていないと制御部31が判断した場合(S3:NO)、ステップS2の処理が継続される。制御部31は、古着情報が入力されたと判断した場合(S3:YES)、支払情報及び希望再販価格の入力を促す旨を報知する(S4)。具体的には、制御部31は、例えば「支払情報及び希望再販価格を入力して下さい」等のメッセージを表示部35に表示させる。ここで、支払情報は、古着の洗濯(クリーニング)の対価として当該古着の売却予定者から支払われた代金を示す情報である。換言すれば、支払情報は、売却予定者によって支払われたクリーニング代の金額を示す情報である。希望再販価格は、売却予定者が売却を希望する古着の販売価格(再販価格)である。すなわち、希望再販価格は、売却予定者が自身の古着を販売することを考えた場合に、当該古着を売るために妥当であると考える金額である。なお、この希望再販価格は、売却予定者が自由に設定するのではなく、例えば売却予定者と販売店の店員との交渉により適切な金額に設定されることが好ましい。また、このステップS4の処理は、上記スピーカからの音声ガイダンスにより行われてもよいし、或いは、メッセージの表示と音声ガイダンスとを伴うものであってもよい。
【0126】
制御部31は、操作部34からの所定操作の有無に基づいて、支払情報及び希望再販価格が入力されたか否かを判断する(S5)。支払情報及び希望再販価格が入力されていないと制御部31が判断した場合(S5:NO)、ステップS4の処理が継続される。支払情報及び希望再販価格が入力されたと判断した場合(S5:YES)、制御部31(第1処理手段、第7処理手段)は、第1識別情報、古着情報、支払情報、及び希望再販価格をインターネット102を介して本部サーバ10へ送信する(S6、P1〜P4)。
【0127】
続いて、制御部31は、配送指示情報を配送業者端末50へ送信する(S7)。ここで、配送指示情報は、ICタグ55が付着された古着を最寄りの支部へ配送することを配送業者に指示するための情報である。この配送指示情報は、具体的には、古着の配送を依頼した販売店を示す情報(販売店名や販売店の住所)や、当該古着を配送すべき支部を示す情報(支部名や支部の住所)を含むものである。
【0128】
[配送業者端末の処理]
図には示されていないが、配送業者端末50(図1参照)が配送指示情報を受信することにより、古着の配送を指示した販売店及び古着の配送先である支部に関する情報が配送業者端末50のモニタに表示される。例えば、「支部Bへの古着の配送が販売店Aから依頼されました」、「販売店Aに行って古着を受け取ってください」等のメッセージが配送業者端末50のモニタに表示される。これを受けて、配送業者は、販売店Aに行ってICタグ55が付着された古着を受け取り、当該古着を販売店Aから指定された支部Bへ配送する(P5)。これにより、第2識別情報が付与されている、売却予定者の古着が販売店から支部へ配送される。なお、売却予定者の古着を配送すべき支部は、本実施形態においては販売店によって当該販売店の最寄りの支部に指定されるが、本部から指定されてもよい。
【0129】
[本部サーバの処理]
図15が示すように、本部サーバ10の制御部11(図2参照)は、販売店端末30から送信された第1識別情報、古着情報、支払情報、及び希望再販価格を受信したか否かを判断する(S21)。第1識別情報、古着情報、支払情報、及び希望再販価格のいずれか1つでも受信していない情報があると制御部11が判断した場合(S21:NO)、処理がステップS21へ戻される。制御部11(第2処理手段)は、第1識別情報、古着情報、支払情報、及び希望再販価格を受信したと判断した場合(S21:YES)、販売店端末30から受信した古着情報に基づいて洗濯情報を生成する(S22)。ここで、洗濯情報は、古着の洗濯条件を示す情報である。洗濯情報は、本実施形態においては、第1制御情報および第2制御情報を含むものである。第1制御情報は、制御部41(図4参照)が洗濯装置60の変圧装置66(図6参照)を制御するための情報である。変圧装置66は、上述のように、フレーム体68内の洗浄液を加圧又は減圧するものである。第2制御情報は、制御部41が洗濯装置60の洗浄液供給装置64(図6参照)を制御するための情報である。洗浄液供給装置64は、上述のように、ポンプ77、及びバルブ81〜83により、古着の洗浄中にケーシング67(図6参照)内に洗浄液の流れを形成するものである。すなわち、第2制御情報は、ポンプ77の作動、及びバルブ81〜83の開閉を制御するための情報である。
【0130】
続いて、制御部11(第8処理手段)は、販売店端末30から受信した支払情報及び希望再販価格に基づいて、上記P5(図13参照)で支部へ搬送された古着の再販価格を設定する(S23)。支部へ搬送された古着は、当該支部に設置された洗濯装置60によって洗濯される。したがって、このステップS23では、洗濯された古着の再販価格が設定される。古着の再販価格は、支払情報で示される金額に手数料などが上乗せされて、希望再販価格よりも高くなるように設定される。なお、古着の再販価格は、予め規定された演算式に基づいて算出された額が制御部11によって設定されてもよいし、本部サーバ10の管理者が操作部14から入力した情報に基づいて設定されてもよい。
【0131】
制御部11は、第1識別情報、古着情報、洗濯情報、支払情報、希望再販価格、及び再販価格を電子カルテ23に格納する(S24)。
【0132】
[電子カルテ]
図17は、電子カルテ23の一例を示す説明図である。
【0133】
図17が示すように、電子カルテ23は、本実施形態においては、便宜的に「番号」、「氏名」、「住所」、「識別情報」、「受付日時」、「販売店」、「支部」、「生地」、「サイズ」、「色」、「流れ調整」、「圧力調整」、「支払情報」、「希望再販価格」、「再販価格」、「状態」、「画像」、及び「完了日時」と命名した18個のフィールドを持つ多数のレコードで構成される。
【0134】
電子カルテ23の各フィールドに格納される情報は、以下の通りである。「番号」フィールドには、販売店端末30から第1識別情報、古着情報、支払情報、及び希望再販価格を受信した時間順に付けられる番号が格納される。「氏名」フィールドには、販売店に古着を持ち込んだ当該古着の売却予定者の氏名や名称が格納される。「住所」フィールドには、販売店に古着を持ち込んだ当該古着の売却予定者の住所が格納される。「氏名」フィールド及び「住所」フィールドに格納される情報は、上記第1識別情報に含まれている売却予定者の個人情報から得られるものである。
【0135】
「識別情報」フィールドには、販売店端末30から受信した第1識別情報に含まれる識別番号が格納される。「受付日時」フィールドには、販売店端末30から第1識別情報、古着情報、支払情報、及び希望再販価格を受信した日時が格納される。「販売店」フィールドには、売却予定者が古着を持ち込んだ販売店の店名、すなわち、第1識別情報等の送信元である販売店の店名が格納される。「支部」フィールドには、販売店から売却予定者の古着が搬入された支部の店名が格納される。本実施形態においては、図17が示すように、第1識別情報に顧客の古着が搬入される支部を特定するための情報(本実施形態では、アルファベット)が含まれている。したがって、「支部」フィールドには、第1識別情報に基づいて得られた支部の店名が格納される。ただし、第1識別情報等に加えて、古着が搬入される支部を示す情報である支部情報を販売店端末30から本部サーバ10へ送信し、当該支部情報に基づいて支部の店名が「支部」フィールドに格納されてもよい。
【0136】
「生地」フィールドには、販売店端末30から受信した古着情報のうち、当該古着の生地を示す情報が格納される。「生地」フィールドにおける「着物」は、そのレコードに対応する古着が着物であることを意味する。「生地」フィールドにおける「単一生地の洋服」は、そのレコードに対応する古着が単一の生地から構成される洋服であることを意味する。「生地」フィールドにおける「複数生地の洋服」は、そのレコードに対応する古着が複数の生地から構成される洋服であることを意味する。
【0137】
「サイズ」フィールドには、販売店端末30から受信した古着情報のうち、当該古着のサイズを示す情報が格納される。「サイズ」フィールドにおける「L」は、そのレコードに対応する古着のサイズが所謂「Lサイズ」であることを示す。「サイズ」フィールドにおける「M」は、そのレコードに対応する古着のサイズが所謂「Mサイズ」であることを示す。「サイズ」フィールドにおける「S」は、そのレコードに対応する古着のサイズが所謂「Sサイズ」であることを示す。なお、「サイズ」フィールドに格納される情報は、例えば古着の襟周りの長さやボタンの位置など、当該古着の各部の詳細な寸法であってもよい。「色」フィールドには、販売店端末30から受信した古着情報のうち、当該古着の色を示す情報が格納される。
【0138】
「流れ調整」フィールドには、洗浄液供給装置64(図6参照)によって洗濯槽ユニット61内の洗浄液に強制的に緩やかな流れを生じさせるか否かを示す情報である。電子カルテ23中の「流れ調整」フィールドにおける「○」は、洗浄液供給装置64によって洗濯槽ユニット61内の洗浄液に強制的に緩やかな流れを生じさせることを意味する。また、「流れ調整」フィールドにおける「−」は、洗濯槽ユニット61内の洗浄液に流れを生じさせないことを意味する。すなわち、「流れ調整」フィールドには、洗濯情報の一部である上記第2制御情報が格納される。
【0139】
「圧力調整」フィールドには、変圧装置66(図6参照)によりフレーム体68内の洗浄液を加圧又は減圧するか否かを示す情報である。電子カルテ23中の「圧力調整」フィールドにおける「○」は、変圧装置66によりフレーム体68内の洗浄液を加圧又は減圧することを意味する。また、「圧力調整」フィールドにおける「−」は、フレーム体68内の洗浄液を変圧しないことを意味する。すなわち、「圧力調整」フィールドには、洗濯情報の一部である上記第1制御情報が格納される。
【0140】
「支払情報」フィールドには、本部サーバ10が販売店端末30から受信した支払情報が格納される。「希望再販価格」フィールドには、本部サーバ10が販売店端末30から受信した希望再販価格が格納される。「再販価格」フィールドには、本部サーバ10の制御部11がステップS23の処理で設定した古着の再販価格が格納される。
【0141】
「状態」フィールドには、販売店から支部へ搬入された古着の状況を示す情報が格納される。当該古着が配送業者によって搬送中である場合、「状態」フィールドに「搬送中」が格納される。当該古着が支部へ搬入されて洗濯待ちとなった場合、「状態」フィールドの情報が「搬送中」から「洗濯待ち」に更新される。洗濯後の当該古着が保管装置59(図4参照)に保管されて発注待ちの状態となった場合、「状態」フィールドの情報が「洗濯待ち」から「発注待ち」に更新される。保管装置59に保管された古着が購入希望者によって発注された場合、「状態」フィールドの情報が「発注待ち」から「発注済み」に更新される。洗濯後に保管装置59に保管された古着が発注されることなく所定期間(例えば半年)を経過した場合、「状態」フィールドの情報が「発注待ち」から「買取済み」に更新される。買取済みとは、古着の洗濯が完了してから所定期間内に発注されなかった当該古着を本部の管理会社が売却予定者から買い取ることを意味する。本部サーバ10の管理者は、電子カルテ23におけるこの「状態」フィールドの情報から、売却予定者からリサイクルの依頼を受けた古着の状況を把握することができる。この「状態」フィールドには、上記ステップS24の処理に伴って、まずは上記「搬送中」が格納される。なお、「状態」フィールドに格納された情報の更新タイミングについては後述される。
【0142】
「画像」フィールドには、上記古着画像のファイル名が格納される。支部において古着が洗濯されると、当該古着の古着画像(古着の画像ファイル)が支部端末40から本部サーバ10へ送信される。「画像」フィールドには、本部サーバ10が支部端末40から送信された古着画像を受信した際に、当該古着画像に付与されているファイル名が格納される。古着画像は、この「画像」フィールドにファイル名が格納されることにより、同一レコードに格納された他のフィールドの情報と対応付けられてHDD13のデータベースに蓄積されることとなる。
【0143】
「完了日時」フィールドには、支部における古着の洗濯が完了した日時が格納される。具体的には、「完了日時」フィールドには、本部サーバ10が支部端末40から古着画像を受信した日時が格納される。このように構成された電子カルテ23において、同一レコードに情報が格納されることにより、各フィールドの情報が対応付けられてHDD13に格納される。
【0144】
[支部端末の処理]
支部では、古着が搬入されることによって以下の処理が行われる。図16が示すように、支部端末40の制御部41(図4参照)は、第2識別情報がリーダライタ57(図4参照)により入力されたか否かを判断する(S41)。ここで、第2識別情報は、前述のように第1識別情報と同様の情報であって、売却予定者が販売店に持ち込んだ古着を特定する情報である。この第2識別情報は、販売店から搬入された古着に付着されているICタグ55から得られる。したがって、ICタグ55から得られる情報が販売店で格納された正規の第1識別情報である場合、第2識別情報は、販売店端末30から本部サーバ10へ送信された第1識別情報と一致する。
【0145】
第2識別情報が入力されていないと制御部41が判断した場合(S41:NO)、すなわち、ICタグ55に格納されている情報がリーダライタ57によって読み出されていない場合、処理がステップS41へ戻される。制御部41は、第2識別情報が入力されたと判断した場合(S41:YES)、すなわち、ICタグ55に格納されている第2識別情報がリーダライタ57によって読み出された場合、その第2識別情報をインターネット102を介して本部サーバ10及び販売店端末30へ送信する(S42、P6、P7)。
【0146】
なお、支部に搬入された古着は、上記ステップS41において第2識別情報の入力が受け付けられた直後に、洗濯装置60の洗濯槽ユニット61に収容される。この場合、第2識別情報の入力が受け付けられたことを条件に、古着が洗濯物搬送装置等により自動的に洗濯槽ユニット61に収容されてもよい。
【0147】
[販売店端末の処理]
販売店端末30の制御部31(図3参照)は、図14が示すように、上記ステップS7の処理に続いて、支部端末40から第2識別情報を受信したか否かを判断する(S8)。制御部31は、第2識別情報を受信していないと判断した場合(S8:NO)、上記ステップS7において配送指示情報を送信してから設定期間(例えば3日間)を経過したか否かを判断する(S9)。ここで、設定期間を経過していないと制御部31が判断した場合(S9:NO)、処理がステップS8へ戻される。逆に、制御部31は、設定期間を経過したと判断した場合(S9:YES)、配送エラーを報知する(S10)。具体的には、制御部31は、「支部へ古着が搬入されていません」、「確認してください」等のメッセージを表示部35に表示させる。
【0148】
制御部31は、支部端末40から第2識別情報を受信したと判断した場合(S8:YES)、ステップS6において本部サーバ10へ送信した第1識別情報と、第2識別情報とが一致するか否かを判断する(S11)。制御部31は、第1識別情報及び第2識別情報が一致しないと判断した場合(S11:NO)、古着が指定の支部へ搬入されていないと判断して上記ステップS10の処理を行う。逆に、制御部31は、第1識別情報及び第2識別情報が一致すると判断した場合(S11:YES)、指定の支部へ古着が搬入された旨の情報を報知する(S12)。具体的には、制御部31は、「指定された支部に古着が搬入されました」等のメッセージを表示部35に表示させる。販売店端末30は、このようにステップS10又はステップS12の処理を行って一連の処理を完了する。このステップS10又はステップS12の処理が行われることにより、販売店端末30のユーザは、配送業者に依頼した古着の搬送が問題なく完了したか否かを簡単且つ確実に確認することができる。
【0149】
[本部サーバの処理]
本部サーバ10の制御部11は、図15が示すように、上記ステップS24の処理の後、古着が搬入された支部端末40から第2識別情報を受信したか否かを判断する(S25)。ここで、第2識別情報を受信していないと制御部11が判断した場合(S25:NO)、処理がステップS25へ戻される。逆に、制御部11は、第2識別情報を受信したと判断した場合(S25:YES)、ステップS21において販売店端末30から受信した第1識別情報と、ステップS25において支部端末40から受信した第2識別情報とが一致するか否かを判断する(S26)。具体的には、制御部11は、電子カルテ23の「識別情報」フィールドに格納された第1識別情報と、受信した第2識別情報とが一致するか否かを判断する。制御部11は、第1識別情報及び第2識別情報が一致しないと判断した場合(S26:NO)、認証エラーを報知する(S27)。具体的には、制御部11は、「識別情報が間違っています」、「支部に問い合わせて確認してください」等のメッセージを表示部15に表示させる。このステップS27の処理は、ステップS26の処理でYESと判断されるまで継続される。
【0150】
制御部11(第2処理手段)は、第1識別情報及び第2識別情報が一致すると判断した場合(S26:YES)、第2識別情報の送信元である支部端末40へ洗濯情報を送信する(S28、P8)。具体的には、制御部11は、支部端末40から受信した第2識別情報と同一の第1識別情報が格納されているレコードの「流れ調整」フィールド及び「圧力調整」フィールドに格納されている洗濯情報を読み出す。そして、制御部11は、第2識別情報の送信元である支部端末40へ読み出した洗濯情報を送信する。このように、本部サーバ10の制御部11は、第1識別情報及び第2識別情報が一致したことを条件に、当該第2識別情報の送信元である支部端末40へ生成した洗濯情報を送信する。
【0151】
なお、正規な第2識別情報を受信したことにより、ステップS21で受信した第1識別情報が付与された古着が指定の支部へ搬入されたと判断することができる。このため、制御部11は、ステップS26においてYESと判断したことを条件として、電子カルテ23における「状態」フィールドの情報を「搬送中」から「洗濯待ち」へ書き換える。
【0152】
[支部端末の処理]
支部端末40の制御部41は、図16が示すように、ステップS42の処理に続き、本部サーバ10から洗濯情報を受信したか否かを判断する(S43)。制御部41は、洗濯情報を受信していないと判断した場合(S43:NO)、タイムアウトしたか否かを判断する(S44)。具体的には、制御部41は、ステップS42において本部サーバ10へ第2識別情報を送信してから予め規定された時間を経過したか否かを判断する。タイムアウトしていないと制御部41が判断した場合(S44:NO)、処理がステップS43へ戻される。制御部41は、タイムアウトしたと判断した場合(S44:YES)、送信した第2識別情報が正規のものでないか、或いは第2識別情報の送信エラーが発生したと判断し、第2識別情報の再入力を促す旨を報知する(S45)。具体的には、制御部41は、例えば「識別情報を再入力して下さい」などのメッセージを表示部45に表示させる。
【0153】
制御部41(第3処理手段)は、本部サーバ10から洗濯情報を受信したと判断した場合(S43:YES)、その洗濯情報に基づいて洗濯装置60を制御する(S46)。具体的には、制御部41は、洗濯情報に基づいて洗濯装置60の駆動モータ73、ポンプ77、変圧装置66、及びバルブ81〜83を制御する。この洗濯装置60による古着の洗濯は、制御部41が洗濯情報を受信したことを条件に開始される。
【0154】
例えば、着物に対応する洗濯情報が本部サーバ10から送信された場合、制御部41は、駆動モータ73を制御して洗濯を実施すると共に、ポンプ77、及びバルブ81〜83を制御して古着の洗浄中にケーシング67内に洗浄液の流れを形成する(図17参照)。また、単一生地から構成される洋服に対応する洗濯情報が本部サーバ10から送信された場合、制御部41は、駆動モータ73を制御して洗濯を実施すると共に、変圧装置66を制御してフレーム体68の洗浄液を加圧又は減圧する。また、複数生地から構成される洋服に対応する洗濯情報が本部サーバ10から送信された場合、制御部41は、古着の洗浄中に変圧装置66、ポンプ77、及びバルブ81〜83を制御することなく駆動モータ73を制御して、通常の洗濯を実施する。すなわち、制御部41は、ケーシング67内に洗浄液の流れを形成したり、洗浄液を加圧又は減圧させることなく古着を洗濯する。
【0155】
そして、制御部41は、ステップS46の処理を開始した後に、洗濯装置60による古着の洗濯が完了したか否かを判断する(S47)。古着の洗濯が完了していないと制御部41が判断した場合(S47:NO)、洗濯が完了するまでステップS46の処理が継続される。逆に、制御部41は、洗濯装置60による洗濯が完了したと判断した場合(S47:YES)、古着の撮影を促す旨を報知する(S48)。具体的には、制御部41は、例えば「古着を撮影して下さい」などのメッセージを表示部45に表示させる。撮影装置58(図4参照)によって古着が撮影されると、その古着画像がLAN28を介して支部端末40へ入力される。制御部41は、撮影装置58から古着画像が入力されたか否かを判断する(S49)。古着画像が入力されていないと制御部41が判断した場合(S49:NO)、ステップS48の処理が継続される。制御部41は、古着画像が入力されたと判断した場合(S49:YES)、当該古着画像を本部サーバ10へ送信する(S50、P9)。なお、古着画像は、第2識別情報が付与された状態で支部端末40から本部サーバ10へ送信される。具体的には、制御部41は、古着画像(画像ファイル)のヘッダに第2識別情報を記載して当該古着画像を本部サーバ10へ送信する。これにより、本部サーバ10が支部端末40から受信した古着画像に対応する電子カルテ23のレコードを判断することができる。制御部41は、ステップS50の処理を行った後、古着の保管を促す旨を報知する(S51)。具体的には、制御部41は、「古着を保管装置に保管して下さい」等のメッセージを表示部45に所定時間表示させ、処理が終了する。
【0156】
なお、古着の取り違えを防止するために、洗濯装置60から古着を取り出して撮影装置58により撮影する処置と、当該古着を保管装置59へ保管する処理とをロボットなどにより自動化してもよい。また、当該古着にはICタグ55が付着されており、当該ICタグ55には第2識別情報が格納されている。したがって、少なくとも洗濯装置60から保管装置59へ搬送されるまでの間に、再度ICタグ55から第2識別情報を読み出して、古着の取り違えがないか否かを制御部41が判断するようにしてもよい。
【0157】
[本部サーバの処理]
本部サーバ10の制御部11は、図15が示すように、ステップS28の処理に続いて、洗濯情報の送信先である支部端末40から古着画像を受信したか否かを判断する(S29)。制御部11は、古着画像を受信していないと判断した場合(S29:NO)、ステップS28において洗濯情報を送信してから設定時間(例えば2時間)を経過したか否かを判断する(S30)。設定時間を経過していないと制御部11が判断した場合(S30:NO)、処理がステップS29へ戻される。支部端末40から古着画像を受信することなく設定時間を経過した場合(S30:YES)、制御部11は、洗濯エラーを報知する(S31)。具体的には、制御部11は、「洗濯が完了していません」、「○○支部に確認してください」等のメッセージを表示部15に表示させる。これにより、本部サーバ10の管理者が支部に問い合わせて古着の洗濯について確認することができる。なお、支部端末40から受信した古着画像に含まれている第2識別情報と一致する識別情報が電子カルテ23の「識別情報」フィールドに格納されていない場合には、上記ステップS29においてNOの判断がなされる。すなわち、制御部11は、支部端末40から受信した古着画像に含まれている第2識別情報と一致する第1識別情報が上記「識別情報」フィールドに格納されている場合に、上記ステップS29においてYESと判断する。
【0158】
制御部11(第4処理手段、第9処理手段)は、古着画像を受信(取得)したと判断した場合(S29:YES)、当該古着画像をHDD13のデータベースに蓄積する(S32)。具体的には、制御部11は、支部端末40から受信した古着画像をHDD13に格納する。続いて、制御部11は、当該古着画像に対応する電子カルテ23におけるレコードを判断する。そして、制御部11は、当該レコードの「画像」フィールドに当該古着画像のファイル名を格納する。電子カルテ23の当該レコードには、ステップS24の処理によって予め第1識別情報、古着情報、洗濯情報、支払情報、希望再販価格、及び再販価格が格納されている。したがって、ステップS32の処理が行われることにより、古着画像は、第1識別情報、古着情報、洗濯情報、支払情報、希望再販価格、及び再販価格に対応付けられてデータベースに蓄積される。支部端末40から古着画像を受信したことによって洗濯が完了したと判断できるので、制御部11は、上記レコードの「状態」フィールドの情報を「洗濯待ち」から「発注待ち」に書き換える。また、「完了日時」フィールドには、洗濯装置60による洗濯が完了した日時として、電子カルテ23に古着画像が蓄積された日時が格納される。
【0159】
このように、リサイクルシステム100では、洗濯情報等の管理は本部で行われ、支部は、販売店を介して顧客から古着の洗濯を請け負い、本部の情報を利用して所定の洗濯方法を実施する。このような本部、支部、及び販売店から構成されるリサイクルシステム100では、洗濯条件のような情報が本部でのみに管理されるので、各支部に洗濯条件を管理運用するための装置を設置する必要がなく、多量のクリーニングサービスが安価に提供され得る。
【0160】
また、上記第1識別情報と第2識別情報とは同一の内容である。したがって、本来的に両者は一致するはずである。両者が一致しないとすれば支部において古着から取得された当該古着を特定する情報と本部サーバ10へ送信された当該古着を特定する情報とが一致しないことになる。すなわち、クリーニングの対象となる古着について、本部と支部との認識の不一致が発生する。リサイクルシステム100では、第1識別情報と第2識別情報との一致が確認されるので、古着の取り違えによる事故が防止される。
【0161】
なお、便宜上、洗濯情報が第1制御情報及び第2制御情報からなるものである形態について説明したが、洗濯情報はこれに限定されるものではない。すなわち、洗濯情報は、洗濯装置60による洗濯時間を制御するための時間情報、洗浄液の温度を制御するための温度情報など、通常考えられる他の洗濯条件を指示する情報が含まれていてもよい。
【0162】
[古着の再販手順]
以下、洗濯後の古着が再販される手順について説明する。
【0163】
図18は、洗濯後の古着の購入希望者が操作する携帯情報端末140において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図19は、古着画像が蓄積された後に本部サーバ10において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図20は、第1指示情報又は第2指示情報を受信した際に販売店端末30において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【0164】
なお、以下のフローチャートに基づいて説明する携帯情報端末140(図5参照)の処理は、ROM147に格納されているプログラムに基づいて制御部141が発行する命令に従って行われる。また、本部サーバ10(図2参照)の処理は、ROM18に格納されているプログラムに基づいて制御部11が発行する命令に従って行われる。また、販売店端末30(図3参照)の処理は、ROM38に格納されているプログラムに基づいて制御部31が発行する命令に従って行われる。
【0165】
[携帯情報端末の処理]
図18が示すように、携帯情報端末140の制御部141は、選択画面を表示させるための所定操作が操作部143において行われたか否かを判断する(S61)。ここで、選択画面は、古着の購入希望者が購入する古着を選択するために表示部144に表示される表示画面である。所定操作が行われていないと制御部141が判断した場合(S61:NO)、処理がステップS61へ戻される。制御部141は、選択画面を表示させるための所定操作が行われたと判断した場合(S61:YES)、無線通信部142によりインターネット102を介して本部サーバ10にアクセスする(S62)。制御部141(第5処理手段、第10処理手段)は、HDD13のデータベースから古着画像、古着情報、及び再販価格を取得する(S63、P10、P11、P12)。すなわち、本部サーバ10の制御部11は、電子カルテ23を参照して、携帯情報端末140から要求された古着の古着情報及び再販価格を電子カルテ23から読み出す。これとともに、制御部11は、読み出した古着情報及び再販価格に対応する古着画像を、電子カルテ23の「画像」フィールドにおける当該古着情報及び再販価格と同一レコードに格納された情報から特定してHDD13のデータベースから読み出す。そして、制御部11は、これらの古着画像、古着情報、及び再販価格を携帯情報端末140へ送信する。携帯情報端末140の制御部141は、表示部144に選択画面を表示させる(S64)。図には示されていないが、この選択画面には、それぞれ古着情報及び再販価格が対応付けられた古着画像の一覧が表示される。すなわち、古着画像との対応関係が分かるように、例えば古着画像の横に、対応する古着の古着情報、再販価格が併せて表示される。
【0166】
選択画面には、本実施形態では、例えばTシャツとズボン、セーターとスカートというように、複数の古着画像が組み合わせて表示される。すなわち、複数の古着画像を合成した合成画像が選択画面に一覧表示される。また、選択画面には、古着の色、生地、サイズなどの上記古着情報が古着の合成画像に併せて表示される。このため、古着の購入希望者は、選択画面を見てより希望に近い古着を選択することができる。
【0167】
なお、この合成画像は、携帯情報端末140により生成されてもよいし、本部サーバ10が生成した合成画像を複数の古着画像として携帯情報端末140の制御部141が取得してもよい。また、古着情報は、古着の色、生地、及びサイズのうち、少なくともいずれか1つを含んでいればよい。すなわち、選択画面において、例えば古着画像に併せて古着の色及びサイズが表示される形態でもよい。
【0168】
制御部141は、操作部143からの所定操作の有無に基づいて、選択画面に対して古着が選択されたか否かを判断する(S65)。すなわち、制御部141は、選択画面に表示された古着画像を選択するための操作が行われたか否かを判断する。制御部141は、古着が選択されていないと判断した場合(S65:NO)、終了操作が行われたか否かを判断する(S65)。終了操作とは、古着を発注するための操作を中止すべく選択画面を閉じる操作である。終了操作が行われていないと制御部141が判断した場合(S66:NO)、処理がステップS65へ戻される。制御部141は、終了操作が行われたと判断した場合(S66:YES)、処理が終了される。
【0169】
制御部141は、選択画面に対して古着が選択されたと判断した場合(S65:YES)、選択された古着の発注情報を生成する。発注情報は、購入希望者が発注する古着を特定するための情報、及び購入希望者の個人情報(氏名、住所、電話番号など)を含む情報である。制御部141(第6処理手段)は、生成した発注情報を本部サーバ10へ送信する(S68、P13)。制御部141は、購入希望者に再販価格の支払いを促す旨を報知する(S69)。具体的には、制御部141は、「発注した古着の代金○○○○円を入金してください」などのメッセージを表示部144に表示させる(S69)。
【0170】
[本部サーバの処理]
本部サーバ10の制御部11は、図19が示すように、古着画像がHDD13の電子カルテ23に蓄積されると、古着の発注情報を受信したか否かを判断する(S71)。制御部11は、古着の発注情報を受信していないと判断した場合(S71:NO)、古着画像が蓄積されてから所定期間(例えば半年)を経過したか否かを判断する(S72)。具体的には、制御部11は、電子カルテ23における「完了日時」フィールドに格納されている日時から所定期間を経過したか否かを判断する。この処理は、電子カルテ23のレコード毎に行われる。古着画像が蓄積されてから所定期間を経過していないと制御部11が判断した場合(S72:NO)、処理がステップS71へ戻される。制御部11は、古着画像が蓄積されてから所定期間を経過したと判断した場合(S72:YES)、洗濯装置60による洗濯が完了してから所定期間を経過したと判断し、これを条件としてステップS73の処理を実行する。すなわち、制御部11(第12処理手段)は、売却予定者の古着が売れ残ったと判断して、当該古着が持ち込まれた販売店の販売店端末30へ第2指示情報を送信する(S73、P15)。具体的には、制御部11は、洗濯完了から所定期間を経過したと判断した古着の古着情報が格納されている電子カルテ23のレコードを判断する。次に、制御部11は、当該レコードにおける「販売店」フィールドの情報に基づいて販売店を特定する。そして、制御部11は、当該販売店に第2指示情報を送信する。ここで、第2指示情報は、古着の売却予定者に対する支払情報で示される金額よりも高い金額(後述の保証金額)の金銭の支払いを指示する情報である。そして、制御部11は、上記レコードにおける「状態」フィールドの情報を「発注待ち」から「買取済み」に書き換える(図17参照)。
【0171】
制御部11は、古着の発注情報を受信したと判断した場合(S71:YES)、発注された古着が保管されている支部の支部端末40へ購入通知情報を送信する(S74、P14)。具体的には、制御部11は、受信した発注情報に対応する古着の古着情報が格納されている電子カルテ23のレコードを当該発注情報から判断する。制御部11は、判断したレコードにおける「支部」フィールドの情報に基づいて、発注された古着が保管されている支部を特定し、当該支部の支部端末30へ購入通知情報を送信する。ここで、購入通知情報は、支部の保管装置59に保管されている古着が発注されたことを当該支部に通知する情報、及び当該古着を発注した購入希望者の個人情報を含む情報である。
【0172】
続いて、制御部11(第11処理手段)は、古着が持ち込まれた販売店の販売店端30へ第1指示情報を送信する(S75、P15)。ここで、第1指示情報は、古着の売却予定者に対する希望再販価格の金銭の支払いを指示する情報である。なお、このステップS75の処理における販売店の特定方法は、上記ステップS73の処理と同様である。
【0173】
[支部端末の処理]
図には示されていないが、支部端末30の制御部31は、本部サーバ10から上記購入通知情報を受信すると、当該購入通知情報に対応する古着を購入希望者へ配送することを指示する配送情報を配送業者端末50へ送信する。これを受けて、配送業者端末50を備える配送業者は、上記配送情報の送信元である支部端末40を備える支部から携帯情報端末140を所有する購入希望者宅などへ古着を配送する(P16)。
【0174】
[販売店端末の処理]
販売店端末30の制御部31(図3参照)は、図20が示すように、本部サーバ10から指示情報を受信したか否かを判断する(S81)。指示情報を受信していないと制御部31が判断した場合(S81:NO)、処理がステップS81へ戻される。制御部31は、指示情報を受信したと判断した場合(S81:YES)、受信した指示情報が第1指示情報であるか又は第2指示情報であるかを判断する(S82)。制御部31は、受信した指示情報が第1指示情報であると判断した場合(S82:第1指示)、受信した第1指示情報に基づいて、希望再販価格の金銭の支払いを指示する旨を報知する(S83)。具体的には、制御部31は、「○○さんの古着が売却されました」、「○○さんに△△△△円支払ってください」などのメッセージとともに、売却予定者(○○さん)の個人情報などを表示部35に表示させる。これに基づいて、売却予定者に金銭が支払われることによって、売却予定者は、希望再販価格とクリーニング代との差額を手放した古着の対価として得ることができる。
【0175】
制御部31は、受信した指示情報が第2指示情報であると判断した場合(S82:第2指示)、受信した第2指示情報に基づいて保証金額の金銭の支払いを指示する旨を報知する(S84)。具体的には、制御部31は、「○○さんの古着が売却されませんでした」、「○○さんに□□□□円支払ってください」などのメッセージとともに、売却予定者(○○さん)の個人情報などを表示部35に表示させる。ここで、保証金額は、当該売却予定者がクリーニング代として先に支払った金額(支払情報で示される金額)よりも高く、且つ希望再販価格よりも低い金額である。売却予定者に対して保証金額の金銭が支払われることにより、売却予定者は、保証金額とクリーニング代との差額を手放した古着の対価として得ることができる。なお、ステップS83又はステップS84の処理を受けて行われる金銭の支払いは、例えば販売店における現金の手渡し、銀行振り込みなど、特に限定されるものではない。
【0176】
以上説明したように、売却予定者が販売店に持ち込んだ古着が最寄りの支部に設置された洗濯装置60によって洗濯される。洗濯された古着は、撮影装置58によって撮影された後に保管装置59に保管される。一方で、洗濯された古着の画像(古着画像)が本部サーバ10の電子カルテ23に蓄積される。携帯情報端末140は、本部サーバ10にアクセスして電子カルテ23から古着画像を取得して選択画面を表示する。表示される古着画像は、洗濯装置60によって洗濯された後に当該古着を撮影して得られたものである。購入希望者によって選択画面に対して古着を選択するための所定操作が行われると、選択された古着の発注情報が携帯情報端末140から本部サーバ10へ送信される。
【0177】
このように、売却予定者が販売店に持ち込んだ古着が支部で洗濯され、当該古着の古着画像が携帯情報端末140からアクセス可能な本部サーバ10のHDD13の電子カルテ23に蓄積される。このため、売却予定者が古着を洗濯した後に撮影して出品するといった面倒な作業を行う必要がなく、当該古着を新品のような状態で出品できる。また、古着の売却予定者が古着を売却する際に当該売却予定者にかかる負担を軽減することができる。また、選択画面に表示される古着は洗濯装置60で洗濯されたものであるので、購入希望者が選択画面を見ながらより希望に近く清潔で綺麗な状態(洗濯された状態)の古着を選択することができる。
【0178】
なお、本実施形態においては、本発明の第3端末装置が携帯情報端末140である場合について説明したが、第3端末装置はこれに限定されるものではない。本発明の第3端末装置は、例えば、古着の購入希望者の自宅などに設置されたパーソナルコンピュータであってもよい。また、本発明の第3端末装置は、販売店に設置された販売店端末30であってもよい。すなわち、販売店端末30は、売却予定者が販売店に持ち込んだ古着の古着情報を入力するために使用され、且つ、古着の購入希望者が古着を購入するために使用されるものでもよい。この場合、本実施形態において制御部141によって実行された処理が制御部31によって実行され、操作部143に対する操作入力が操作部34によって受け付けられ、表示部144に表示される選択画面が表示部35に表示されることとなる。これにより、古着の購入希望者は、販売店に展示されている古着のほか、支部へ搬入されて洗濯された古着を購入することが可能となる。すなわち、販売店は、実際の店舗に展示された衣類のほか、支部に保管されている洗濯後の古着を商品として扱うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、委託された衣類を洗濯(クリーニング)するクリーニングシステムとして適用可能である。更に、本発明は、古着の売却予定者から委託を受けた古着をクリーニング(洗濯)して購入希望者に再販するための衣類のリサイクルシステムにも適用され得る。
【符号の説明】
【0180】
10 本部サーバ
11 制御部
23 電子カルテ
30 販売店端末
31 制御部
40 支部端末
41 制御部
50 配送業者端末
59 保管装置
60 洗濯装置
102 インターネット
140 携帯情報端末
141 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクリーニング取次店に設置された第1端末装置と、該クリーニング取次店から搬入された衣類を洗濯装置により洗濯する複数の支部に設置された第2端末装置と、該支部それぞれを統括する本部に設置されたサーバ装置とで構成され、上記第1端末装置、上記第2端末装置、及び上記サーバ装置がネットワークを介して通信可能に接続されてなる衣類のクリーニングシステムであって、
上記第1端末装置が、
預けられた衣類に対して個別に割り当てられる第1識別情報と、該衣類の属性を示す衣類情報との入力を受け付ける第1入力受付部と、
該第1入力受付部で受け付けた上記第1識別情報と上記衣類情報とを、上記サーバ装置に送信する第1通信部と、
を有し、
上記衣類には、割り当てられた上記第1識別情報と一致する第2識別情報が記録されるタグが取り付けられ、
上記第2端末装置が、
上記クリーニング取次店で上記衣類に取り付けられたタグに記録された第2識別情報の入力を受け付ける第2入力受付部と、
該第2入力受付部で受け付けた上記第2識別情報を上記サーバ装置に送信するとともに、上記衣類の洗濯条件を指定する洗濯情報を上記サーバ装置から受信する第2通信部と、
該第2通信部で上記洗濯情報を受信したとき、上記衣類が投入された洗濯装置を当該洗濯情報に従って制御する洗濯制御部と、
上記洗濯装置による上記衣類の洗濯が完了したとき、上記第2識別情報を付与して上記第2通信部から上記サーバ装置に送信する洗濯完了信号を生成する完了信号生成部と、
を有し、
上記サーバ装置が、
上記第1識別情報及び上記衣類情報を上記第1端末装置から受信し、上記第2識別情報及び上記洗濯完了信号を上記第2端末装置から受信するとともに、上記第2識別情報を送信した上記第2端末装置に対して上記第2識別情報と一致する上記第1識別情報によって特定される洗濯情報を送信する第3通信部と、
上記第3通信部で第1端末装置から受信した衣類情報から洗濯情報を生成する洗濯情報生成部と、
上記衣類毎に、上記第1識別情報と、上記衣類情報と、上記洗濯情報とを関連づけて記憶するデータベースと、
を有することを特徴とする、クリーニングシステム。
【請求項2】
上記衣類を上記クリーニング取次店から上記支部へ配送する配送業者によって操作されるとともに、上記ネットワークを介して、上記サーバ装置と通信を行う第3端末装置を、更に備え、
上記サーバ装置は、
上記第3通信部で上記第1識別情報及び上記衣類情報を受信したとき、
該第1識別情報で特定される衣類の配送先となる支部を特定し、
該第1識別情報より特定される上記クリーニング取次店から当該支部へ上記衣類を配送することを指示する配送指示情報を、上記第3通信部から上記第3端末装置へ送信することを特徴とする、請求項1に記載のクリーニングシステム。
【請求項3】
上記衣類を上記クリーニング取次店から上記支部へ配送する配送業者によって操作されるとともに、上記ネットワークを介して、上記第1端末装置と通信を行う第3端末装置を、更に備え、
上記第1端末装置は、
上記第1入力受付部で受け付けた上記第1識別情報により特定される衣類の配送先となる支部を特定した後、
上記第1通信部より、配送先として特定した上記支部の情報を上記第1識別情報と上記衣類情報と同時に上記サーバ装置へ送信するとともに、上記衣類をその配送先となる上記支部に配送することを指示する配送指示情報を第3端末装置へ送信することを特徴とする、請求項1に記載のクリーニングシステム。
【請求項4】
上記第1識別情報には、当該第1識別情報により特定される衣類を上記クリーニング取次店に預けた委託者の個人情報が含まれることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項5】
上記第2端末装置が、
上記洗濯装置による上記衣類の洗濯が完了した後、撮影装置により撮影された上記衣類の画像を取得する画像取得部を有するとともに、
上記完了信号生成部で、上記衣類に割り当てられた上記第2識別情報を該画像取得部で取得した当該衣類の画像に付与した画像情報を、上記洗濯完了信号として生成することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項6】
上記サーバ装置が、上記ネットワークを介してアクセスを行う第4端末装置に対して、上記データベースより衣類の画像を読み出して上記第3通信部より該第4端末装置へ送信して、当該画像の含む画面を該第4端末装置に表示させることを特徴とする、請求項5に記載のクリーニングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−272133(P2010−272133A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173757(P2010−173757)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【分割の表示】特願2007−113527(P2007−113527)の分割
【原出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(306021424)株式会社ハッピー (9)