説明

クレジットカード用レーザ書付けステーション

2つの座標及び強さを制御されるレーザ光線の書付け位置(BP)であって、導入側及び導出側に、光電装置により制御されて駆動される搬送兼押圧ローラ対(1,2;3,4)がそれぞれ設けられ、クレジットカード(C)が、平行な側方案内軌道(5,6)に方向づけられてそのつど書付けに合わせて位置ぎめされ、案内軌道(5,6)が、ローラ対(1,2;3,4)の間に移送コンベヤ(8,12)と共に設けられている反転装置(7)に設けられ、クレジットカード(C)が、第1の移送位置で導入ローラ(1,2)から案内軌道へ押込まれるまで、移送コンベヤによりローラ対(1,2;3,4)の間で移動可能であり、レーザ書付けのため第2の移送位置で縁側のみを保持されて全面へ自由に接近可能にローラ対(1,2;3,4)の間にあり、第3の移送位置で導出ローラ(3,4)により捕捉される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの座標及び強さを制御されるレーザ光線の書付け位置へクレジットカードを移送する装置であって、導入側及び導出側に、光電装置により制御されて駆動される搬送兼押圧ローラ対がそれぞれ設けられ、クレジットカードが、平行な側方案内軌道に方向づけられてそのつど書付けに合わせて位置ぎめされているものに関する。
【背景技術】
【0002】
ラスタ制御されるレーザバーナにより文字、画像、符号等をクレジットカードに設けることは公知であり、カードはレーザの光路中の書付け位置にある。
【0003】
カードは、通常連続操作で、光電装置で制御されるローラ対を介して駆動される複数の処理段階へ順次導入される。カードの両側照射を行う場合、1つのステーションは反転装置であり、カードがスキップ段階でこの反転装置を通過する。ローラ移送の欠点は、ローラが、カードの書付けるべき表面を一部覆うので、カードの全表面に一貫してレーザ照射を行う場合、位置変化を行わねばならないことである。更に反転ステーションは、少なくともカードの長さに相当する付加的な場所を必要とし、従って本来の反転過程に付加的なカード移動時間が加わる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、一層速くかつ精確に動作する一層短い簡単なレーザ書付けステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その解決策は、案内軌道が、ローラ対の間に移送コンベヤと共に設けられている反転装置に設けられ、クレジットカードが、第1の移送位置で導入ローラから案内軌道へ押込まれるまで、移送コンベヤによりローラ対の間で移動可能であり、レーザ書付けのため第2の移送位置で縁側のみを保持されて全面へ自由に接近可能にローラ対の間にあり、第3の移送位置で導出ローラにより捕捉されることである。
【0006】
有利な構成は従属請求項に示されている。
【0007】
詳細に示されている第1の構成では、反転装置が移送装置上に一緒に動くように取付けられている。第2の構成では、反転装置及び移送装置が基礎に固定的に取付けられているので、つかみ片及び偏心輪を持つ移送装置は、両方の案内部の間に作用してカードを移動するが、レーザ照射中にはレーザ光の領域にはなく、反転中にはカードの反転範囲外にある。最後にあげた種類の非常に簡単な装置は、クレジットカードのように導入ローラのローラ駆動装置により制御されて送られかつ戻される滑り板を使用する。カードが入って来る間、滑り板はローラ対から出されて外方転向され、カードの後縁が続いて内方転向されて送られる。
【0008】
装置の第1の構成はケージを持ち、このケージの離れている側方短冊片に、短い脚辺のU字状レールから成る案内軌道が取付けられ、このU字状レールの脚辺幅は、0.8cmの標準化されたカード厚さより少し大きいので、脚辺の間にあるカードは平らであり、レーザ装置に対して一義的に位置ぎめされ、縁側でmm幅の書付け不可能な帯片のみが残る。
【0009】
カードが受取られるか又は供給される時、導入ローラ及び導出ローラが入ることができるようにするため、側方短冊片は凹所を持っている。
【0010】
ケージは、反転伝動装置の軸と、案内軌道の中央で交差して結合されている。反転伝動装置及びその反転駆動電動機は、移送装置のキャリジ上に取付けられている。キャリジは、キャリジ軌道上に移動可能に支持され、一方ではステップモータにより保持され他方では転向ローラにより保持される駆動ベルトと結合されている。
【0011】
電動機はステップモータであり、ステップ状に駆動され、初期位置が制御装置の位置通報器によりそのつど通報される。更にクレジットカードの前縁及び後縁により発生される光電装置信号の評価が加わるので、3つの個々の位置及び反転過程が、レーザ装置と関連して順序正しく制御される。
【0012】
ローラ対の引渡しローラ及び引受けローラは、弾性材料から有利に製造されているので、移送駆動装置がカードを動かす間、カード終端又はカード始端は締付けなしに釈放されており、そうでない場合ローラ駆動装置がカードを固定的に確実につかんでいる。
【0013】
有利な構成が図1及び2に示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は通常垂直に立つ取付け壁80を示し、この取付け壁は、一部開いて示されているケージ9の両側にある導入ローラ対1,2及び導出ローラ対3,4を持っている。それは前面及び後面の短冊板90,91から成り、これらの短冊板は互いに平行に保持されて、破線で示すクレジットカードCが、これらの間で、水平に設けられるU字状案内軌道5,6内に移動可能に保持されている。
【0015】
短冊板90,91は両側に凹所Fを持ち、これらの凹所は、ケージ9がその案内軌道5,6により一方又は他方のローラ対の所まで移動するのを可能にし、ローラの軸15,25,35,45が凹所Fを貫通している。このためケージ9は、反転伝動装置によりキャリジ8A上に設けられ、このキャリジ8Aは下から見えるキャリジ軌道8上に移動可能に支持され、キャリジ駆動装置12に伝動結合されている。キャリジ駆動装置12は、転向歯車12Bを介してキャリジ軌道8の他端で案内される歯付きベルト12Aを駆動するステップモータから成っている。位置通報器13はステップモータの初期位置を示す。
【0016】
キャリジ又は反転装置7の3つの移送位置が設けられている。
【0017】
第1の位置で、導入ローラ対1,2を通って送られるクレジットカードが案内軌道5,6の中央に置かれるまで、ケージ9が左にある。上部ローラ1が駆動され、軸線に対して平行な弾性歯16を周面に持っているので、カードは所定の位置でローラ1,2から離れる。
【0018】
図示されている第2の位置即ち書付け位置BPで、クレジットカードCの全表面がローラ1〜4外にあるので、概略的に示すレーザスキャン範囲がカード全体を覆っている。
【0019】
カードの一方の側へのレーザ照射後、反転装置7が、ケージ9をクレジットカードCと共に、案内軌道5,6と交差する中心軸Aの周りに旋回する。それから第2のレーザ照射が始まる。続いて第3の位置への移送が行われ、この第3の位置でクレジットカードCが導出ローラ対3,4へかみ合う。このローラ対も、カードの精確な引受けを保証する弾性歯36を有する上部駆動ローラ3を持っている。ローラ対の相手ローラ2,4は滑らかなプラスチックから製造されている。
【0020】
ローラ対1,2;3,4の所にある光電装置L1,L2は、カードCがこれらローラ対の間にある間、ローラ送りをそれぞれ制御する。
【0021】
図2は図1の平面図を示す。取付け壁80の後ろに一部を設けられる反転装置7が更に認められ、その軸Aは取付け壁80の水平なスリットを貫通している。軸Aは、反転駆動装置11即ちステップモータにより操作される反転伝動装置10にある。位置通報器14は、案内軌道5,6がローラ対1,2;3,4の間隙の間に案内軌道5,6が方向づけられている初期位置を表示する。
【0022】
装置全体は比較的短く構成される。スペーサ92〜95は、レーザ照射領域を空けるため、カード表面の前後にある。ケージ9の反転の際、スペーサはローラ対1,2;3,4の前を通って回転できねばならず、それによりローラ対の最小間隔が得られる。移送及び反転の際カードの運動は、それぞれ1つの方向のみであるが、反転装置が新しいカードを受入れる前に、反転装置はカードの移送行程だけ戻されねばならない。この移送行程は、ローラ対の最小間隔からカード長さを差引いた値から得られる。この移送行程は、例が示すように、カード長さより小さい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 一部開かれた側面図を概略的に示す。
【図2】 一部開かれた平面図を概略的に示す。
【符号の説明】
【0024】
1 導入駆動ローラ
2 導入押圧ローラ
3 導出駆動ローラ
4 導出押圧ローラ
5 カードの第1の案内軌道
6 カードの第2の案内軌道
7 反転装置
8 キャリジ軌道−移送コンベヤ
8A キャリジ
9 ケージ
10 反転伝動装置
11 反転駆動装置
12 キャリジ駆動装置−移送コンベヤ
12A 歯付きベルト
12B 転向歯車
13 位置通報器−キャリジ
14 位置通報器−反転装置
15,25,35,45 1,2,3,4の軸
16 1にある歯
36 3にある歯
80 取付け壁
90 ケージ9の短冊板
91 短冊板
92〜95 9のスペーサ
A 反転装置の軸
BP 書付け位置
C クレジットカード
F 90,91にある凹所
L1 光電装置
L2 光電装置
L レーザスキャン範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの座標及び強さを制御されるレーザ光線の書付け位置(BP)であって、導入側及び導出側に、光電装置により制御されて駆動される搬送兼押圧ローラ対(1,2;3,4)がそれぞれ設けられ、クレジットカード(C)が、平行な側方案内軌道(5,6)に方向づけられてそのつど書付けに合わせて位置ぎめされているものにおいて、案内軌道(5,6)が、ローラ対(1,2;3,4)の間に移送コンベヤ(8,12)と共に設けられている反転装置(7)に設けられ、クレジットカード(C)が、第1の移送位置で導入ローラ(1,2)から案内軌道へ押込まれるまで、移送コンベヤによりローラ対(1,2;3,4)の間で移動可能であり、レーザ書付けのため第2の移送位置で縁側のみを保持されて全面へ自由に接近可能にローラ対(1,2;3,4)の間にあり、第3の移送位置で導出ローラ(3,4)により捕捉されることを特徴とする、書付け位置。
【請求項2】
反転装置(7)が、キャリジ軌道(8)上にあってキャリジ駆動装置(12)と結合されるキャリジ(8A)である移送コンベヤ(8,12)上に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
反転装置(7)及び移送装置が固定的に取付けられ、移送装置が、クレジットカード(C)を、案内軌道(5,6)の間でつかみ片によりそのつど対称に位置ぎめし、反転の際クレジットカードを釈放することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
つかみ片が導入駆動ローラ(1,2)と伝動結合可能であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
案内軌道(5,6)が反転伝動装置(10)の回転軸(A)に取付けられるケージ(6)内にあり、この反転伝動装置が電動反転駆動装置(11)と共にキャリジ軌道(8)上に支持され、回転軸(A)が延長されて両方の案内軌道(5,6)とそれぞれほぼ中央で交差していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
案内軌道(5,6)が低いU型材であり、その幅が、ゆるいはめ合いで、規格化されたカード厚さに一致していることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の装置。
【請求項7】
スペーサ(92〜95)により平行に間隔をおいて保持されかつ案内軌道(5,6)の横にローラ対(1,2;3,4)の駆動軸(15,25,35,45)の貫通用間隙(F)を残す短冊板(90,91)上に、案内軌道(5,6)がそれぞれ設けられていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の装置。
【請求項8】
キャリジ駆動装置(12)及び反転駆動装置(11)がステップモータを含み、これらのステップモータが、クレジットカード(C)の3つの移送位置及び2つの反転位置を、それぞれステップ制御されて、位置通報器(13,14)により通報される基準位置に対して、順序正しく制御することを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の装置。
【請求項9】
駆動ローラ(1,3)が、それぞれ弾性材料から成る歯(16,36)を持っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の装置。
【請求項10】
ローラ対(1,2;3,4)及びキャリジ軌道(8)が、垂直に立つ取付け壁(80)に、ローラ駆動装置、光電装置(L1,L2)、位置通報器(13,14)及びキャリジ駆動装置(12)と共に取付けられていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の装置。
【請求項11】
キャリジ駆動装置(12)が、ステップモータ及び転向される歯付きベルトから成っていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
駆動ローラ(1,3)、反転駆動装置(11)及びキャリジ駆動装置(12)の駆動電動機が、制御装置を介して作動せしめられ、この制御装置が、書付け位置(BP)及び両方の反転位置への到達をレーザ書付け制御装置へ与え、レーザ書付け装置から来る完了信号を評価することを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−524149(P2006−524149A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505156(P2006−505156)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004025
【国際公開番号】WO2004/095381
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505350053)ベーヴエ・カルトテク・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (1)
【Fターム(参考)】