説明

クロスカット用装置

【課題】比較的簡易でかつより費用がかからないデザインを有しており効率的クロスカットとロールの切換えを実施し、かつさらに新しいスリーブへ折目の無いロール切換えができる装置を提供する。
【解決手段】ロール切換え装置(5)に新たなスリーブ(1)がロール切換えのために挿入されており、ロール切換えが装置が流れ間隙(7)の形成時に、スリーブ(1)の一部を取り囲む案内シェル(6)を有しており、材料ウェブをクロスカットするための、かつ案内シェル(6)に取付けられたカッターを備えており、ロール切換え装置(5)がさらにクロスカットにより形成されたウェブ端部が、流れ間隙(7)内に吸引され、かつスリーブ(1)上に巻付けることができるように、流れ間隙(7)内に吹き込む吹込み装置(9)を有しており、そしてスリーブ(1)上でのウェブ端部の付着を改善するための静電チャージ装置(10)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、到来する材料ウェブをロールに巻付ける際に、連続的に供給される材料ウェブ、特にプラスチックフォイルをスリーブ上でクロスカットし、かつロール切換えを行うための装置に関する。“ロール”とは、巻き付けられる材料ウェブあるはプラスチックフォイルの完成したあるいは円筒状のコイルを意味する。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプの装置は、特許文献1に記載されている。この装置において、材料が巻き付けられるスリーブの一部は、ロール切換え作業時に案内シェルにより取り囲まれる。ロール切換え作業時に、連続的に供給されるプラスチックフォイルは、独立したカッターによりクロスカットされる。クロスカット動作領域内において、空気はスロットノズルを通って流れ間隙内に高速で吹込まれる。結果として、部分的な真空がプラスチックフォイルの下方で作られ、ウェブの端部は流れ間隙内に吸込まれ、かつ材料が巻付かれるスリーブに抗して押圧される。この公知の装置が基本的に成功することがわかる一方で、それでもやはりある程度の短所を有していることが特徴となっている。公知の装置は部品の数が比較的多く、従ってデザインが比較的複雑であり、それにより相応して高価なサービスおよびメンテナンス手段が必要になる。さらに、この公知の装置のクロスカットおよびロール切換え作業は比較的時間がかかる。別の短所は、スリーブ上でのウェブ端部の折目の無い巻き付け不可能であることにある。
【0003】
実際の用途から知られている別の側面は、特に付着を行うための、ロール切換え用のスリーブを特に準備することである。しかしながら、この目的のためには、ブレークダウンの傾向があり、かつ高価な設計が必要とされる。
【特許文献1】独国特許第19542906号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対照的に、本発明により解決されるべき課題は、比較的簡易でかつより費用がかからないデザインを有しており、効率的クロスカットとロールの切換えを実施し、かつさらに新しいスリーブへ折目の無いロール切換えをも提供する冒頭で挙げたタイプの装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明は、連続的に到来する材料ウェブを巻きつけて、ロールを形成する際に、供給される材料ウェブ、特にプラスチックフォイルをスリーブ上でクロスカットおよびロール切換えを行うための装置を提示し、この装置は、
ロール切換え装置を備えており、このロール切換え装置に、新しいスリーブがロール切換えのために挿入されており、ロール切換えが装置が流れ間隙の形成時に、スリーブの一部を取り囲む案内シェルを有しており、
材料ウェブをクロスカットするための、かつ案内シェルに取付けられたカッターを備えており、
ロール切換え装置がさらに、クロスカットにより形成されたウェブ端部が、流れ間隙内に吸引され、かつスリーブ上に巻付けることができるように、流れ間隙内に吹き込む吹込み装置を有しており、そして
スリーブ上でのウェブ端部の付着を改善するための静電チャージ装置を備えている。
【0006】
ロールの最終巻取り時に、連続的に供給される材料ウェブ、あるいはプラスチックフォイルがカッターを用いてクロスカットされるのは発明の範囲内にある。次いで、完全に巻き付けられたロールは、ウェブの巻上げられた後端部でもって容易に取去られる。クロスカット材料ウェブの案内ウェブ端部は、材料が巻き付けられるべき新しいスリーブ上に巻付けることにより移動される。したがって、ロール切換え時に、スリーブが回転するように回転させられるかあるいは駆動されるのは本発明の範囲内にある。新しいスリーブ上でウェブのロール切換えを達成するために、高い流れエネルギーの空気流が流れ間隙内に導入あるいは吹込まれ、それによりウェブ案内端部を流れ間隙内に引き込む流れ間隙入口で部分的に真空が発生する。本発明による付加的な静電チャージにより、引込み案内端部は最適な方法でスリーブに付着することができる。
【0007】
従って本発明は、まず第一に、材料ウェブをクロスカットするためのカッターが、案内シェル、もしくは案内シェルの一部に取付けられていると極めて有利であるという認識に基づいている。しかしながら、本発明による設計と組合せて、静電チャージはさらにきわめて特別に意義がある。結果として、この組合せにより、かなり能率的に、かつ同時に機能的に信頼性のある新しいスリーブ上でのロール切換えが確実に行われる。導入部で述べた公知の装置と比べて、運転は全体的に高い巻取り速度で達成される。そして折目の無いロール切換えが機能的に信頼性のある方法で実施できることが最も重要である。
【0008】
ロール切換え作業時に、案内シェルは、少なくとも45°、好ましくは60°、特に好ましくは100°の角度にわたり、ロール切換え装置に挿入されたスリーブの周囲を取り囲むことが推奨されている。従って、案内シェルとスリーブの間に形成された流れ間隙がこの角度で延在していることも本発明の範囲内にある。
【0009】
ロール切換え作業の開始時に、取付けられたカッターと協働する案内シェルは材料が新たに巻き付けられるスリーブ上に枢着していると有利であり、結果として、材料ウェブ、あるいはプラスチックフォイルはカッターでクロスカットされる。材料ウェブがスリーブ上を通過し、材料ウェブが進行方向におけるスリーブの下流でカッターによりクロスカットされるように、取付けられたカッターを備えたカッターが、スリーブに枢着しているのが好ましい。スリーブが回転している間、クロスカットは行われる。さらに案内シェルがスリーブ上で枢着していることは、流れ間隙に相応している、スリーブとシェルの間の半径方向のスペースが常にそこにあることを意味している。
【0010】
カッターが常に案内シェルに取付けられていることは本発明の範囲内にある。従って、カッターは案内シェルと一緒に可動であるか、あるいは一緒に旋回軸で回転する。本発明の特に好ましい実施形態は、案内シェルに取付けられたカッターがチョッパーであることを特徴としている。本発明の特に好ましい実施形態において、カッターが鋸歯状の刃、あるいは鋸歯状の刃の形状のチョッパーに関係している。チョッパーあるいは鋸歯状の刃の形状に実施は、本発明の範囲内で特に上手くいく。特殊な機能的信頼性と精度を有するロール切換え装置は、クロスカットが案内シェルに常に取付けられているチョッパーあるいは鋸歯状の刃により行われること、さらに静電チャージが上記と組合されて実施されることにより提供される。
【0011】
空気がカッターの近くの流れ間隙内に吹込まれるか、あるいは流れ間隙内に案内されるのは本発明の範囲内にある。ここで関係のあることは高い流れエネルギーの空気あるいは高流速の空気があると有利である。吹込み装置に対して本発明の範囲内で参照する場合、まず第一に意味するものは、空気を流れ間隙の入口に吹込む装置である。しかしながら第二として、別の実施形態において同様に意味するものは、流れ間隙内に空気を引込むかあるいは吸込む吸込み装置であり、それにより流れ間隙の入口で部分的に上記記載の真空が生じる。吹込み装置が案内シェル一部であるか、あるいは案内シェルに取付けられていることは本発明の範囲内にある。本発明の特に好ましい実施形態において、吹込み装置は、トランスベクターに関する。本発明の範囲内において、“トランスベクター”は、材料ウェブの少なくとも幅の広い部分にわたり横方向に延在すると有利である、好ましくは材料ウェブの前幅にわたり、あるいはほぼ前幅にわたり延在しているスロットノズルである。高い流れエネルギー、あるいは高流速を有するエアカーテンは、このスロットノズルにより作られ、かつ流れ間隙内に吹込まれ、それにより流れ間隙の入口に部分的に真空が生じる。結果として、クロスカット走行材料ウェブのウェブ端部は、流れ間隙内に引込まれ(射出の原理)、ウェブ端部は新しいスリーブに置かれる。
【0012】
すでに上記で説明したように、本発明の範囲内において、静電チャージは本発明の他の特徴と組合せて特に意義がある。静電チャージ装置は、少なくとも一つのチャージ電極に関すると有利である。本発明の特に好ましい実施形態は、材料が新たに巻き付けられるスリーブが静電チャージ装置によりチャージされていることを特徴とする。これにより、特に機能的に信頼性のある、スリーブ上でのロール切換えを行うことができる。さらに基本的には、材料ウェブあるいはシートが、静電帯電していることも本発明の範囲内にある。さらに、ウェブ端部が(別のやり方で)用意されていない(特に付着しない)スリーブ上で巻付けることにより移送されるのは有利である。
【0013】
本発明のかなり推奨される実施形態において、巻付けスリーブに向かって内側へ向けられた案内シェルの面は、多孔質かあるいは微小孔質の設計である。このような案内シェルの設計により、案内シェル上においてウェブ端部あるいはシートのいかなる所望されていない付着も防ぐことができる。この特徴は、すでに上記で明らかにした本発明の特徴と組合せて特別に意義がある。
【0014】
本発明の装置によれば、極めて効率的なクロスカットとロール切換え作業を行うことができる。材料が本発明による装置を使用する極めて機能的に信頼性のある方法で巻き付けられる新しいスリーブ上で巻付けることによりウェブ端部を移動することができる。特にここでハイライトを当てた一側面は、従来技術から知られた方法とは対照的に、折目無しで実施できることである。さらに本発明による装置は、簡易でかつ費用がかからないデザインを有していることを特徴としている。結果として従来技術から知られた装置と比べて、費用がかからないサービスおよびメンテナンス手段が必要とされる。特定の一長所は、すでに存在しているか、あるいは稼動している巻付け装置が、本発明による構成部材を備えているという事実にある。結果として、驚くほど簡易で、効率的でかつ精密なロール切換え装置が本発明による装置を用いることにより可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
唯一の実施例を示す図に基づき本発明を以下に詳しく説明する。
【実施例】
【0016】
図1および2は、連続的に到来する材料ウェブを巻きつけロール2を形成する際に、スリーブ1上に供給される材料ウェブをクロスカットし、かつロールの切替えを行うための本発明による装置を示す。材料ウェブの術語において、これは、好ましくは及び図示した実施例においてはプラスチックフォイル3に関する。実施例において、シート3は接触ローラ4の周囲を通過し、その後、スリーブ1上を走り、スリーブ上において、材料は新たに巻き付けられ、ロール切換えを目的として、ロール切換え装置5にセットされる。このロール切換え装置5は、図示したように、ロール切換え位置でスリーブ1の一部を取り囲む案内シェル6を有している。流れ間隙7は、ロール切換え位置の、スリーブ1と案内シェル6の間に形成されている。
【0017】
本発明によれば、シート3をクロスカットするためのカッターは、案内シェル6に取付けられている。カッターは、好ましくはそして実施例においては、鋸歯状の刃8の形状のチョッパーに関する。ロール切換え位置内への移行時に、取付けられた鋸歯状の刃8と協働する案内シェル6は、スリーブ1に枢着しており、結果として、スリーブ1上を通過するシート3はクロスカットされる。案内シェル6の枢着性は、矢印で図に示してある。
【0018】
さらに、ロール切換え装置5は、案内シェル6に枢着している吹込み装置9を有しており、この吹込み装置により、高い流れエネルギー、あるいは高い流速の吹込み装置空気を、流れ間隙7内に吹込ませることができる。それにより、クロスカット後に形成される案内ウェブ端部は、流れ間隙内に吸い込まれ(射出の原理)、それによりスリーブ上での機能的に信頼性のあるロール切換えを効果的に支持している。
【0019】
さらに、本発明による装置のロール切換え装置5は、本発明によれば静電チャージ装置10を有している。本発明の好ましい実施例において、材料が新たに巻き付けられたスリーブ1は、静電チャージ装置10により静電帯電している。これにより、ロール切換えのための案内ウェブ端部スリーブ1上への最適な付着が達せられる。一方では、案内シェルに取付けられるカッターと静電チャージ装置の組合せが最も重要であり、他方では、スリーブ1上でのウェブ端部の機能的に信頼性のある折目の無いロール切換えが驚くほど確実に行われる。
【0020】
図1の左側において、本質的に完全に巻き付けられたロール2が巻付け位置で見て取れる。チョッパー8によるクロスカットに引き続いて、仕上げられたロール2は、ウェブの巻上げられた後端部でもって取去られる。新しいスリーブ1上での案内ウェブ端部のロール切換えの後、このスリーブはロール切換え位置から巻取り位置へ移動する。これにより、ロール2を次々と巻取りかつ移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による装置の側面図である。
【図2】図1のAで示した部分の拡大詳細図である。
【符号の説明】
【0022】
1 スリーブ
2 ロール
3 プラスチックフォイル
5 ロール切換え装置
6 案内シェル
7 流れ間隙
8 鋸歯状の刃
9 吹込み装置
10 静電チャージ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
到来する材料ウェブを巻きつけて、ロール(2)を形成する際に、供給される材料ウェブ、特にプラスチックフォイル(3)をスリーブ(1)上でクロスカットおよびロール切換えを行うための装置であって、
ロール切換え装置(5)を備えており、このロール切換え装置に、新たなスリーブ(1)がロール切換えのために挿入されており、ロール切換えが装置が流れ間隙(7)の形成時に、スリーブ(1)の一部を取り囲む案内シェル(6)を有しており、
材料ウェブをクロスカットするための、かつ案内シェル(6)に取付けられたカッターを備えており、
ロール切換え装置(5)がさらに、クロスカットにより形成されたウェブ端部が、流れ間隙(7)内に吸引され、かつスリーブ(1)上に巻付けることができるように、流れ間隙(7)内に吹き込む吹込み装置(9)を有しており、そして
スリーブ(1)上でのウェブ端部の付着を改善するための静電チャージ装置(10)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
案内シェルが、少なくとも45°、好ましくは60°、特に好ましくは少なくとも100°の角度にわたり、スリーブ(1)の周囲を取り囲んでいることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
案内シェル(6)が、材料ウェブがクロスカットされるように、スリーブ(1)上で、取付けられたカッターと協働して枢着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
案内シェル(6)に取付けられたカッターが、チョッパー、好ましくは鋸歯状の刃(8)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
吹込み装置(9)がトランスベクターであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
スリーブ(1)が静電チャージ装置(10)により静電帯電可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
材料ウェブが静電チャージ装置(10)により静電帯電可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
案内シェル(6)の巻き付け管面が、多孔質かあるいは微小孔質の設計であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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