説明

クロマトグラフィーによる分離方法

【課題】従来のクロマトグラフィーでは、細胞核、ミトコンドリア、細胞内小器官等の内容物の分離ができない。ある微生物の細胞核は多核で多型であるため、その細胞核を予め分離しなければ、ゲノム解析が難しい。培地上の微生物コロニーから分離する手法では、供試培地上で生長しない、あるいは生長しにくい微生物を分離できない。本発明は、これらを分離できる新規なクロマトグラフィーによる分離方法である。
【解決手段】本発明の充填剤は、液体または気体内でふんわりと分散しやすく、吸着力、凝集力、分子ふるい力および浮力を有している。液体クロマトグラフィーの場合は、1.1以上1.4以下の比重の充填剤が望ましい。この特性を有する充填剤としては、天然ゼオライトや、吸着力、凝集力、分子ふるい力、浮力および比重を理化学的に調整した人工ゼオライトがある。これら特性を備えたポリマー等の充填剤も望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、細胞、細胞内容物、微生物および化学物質等の所定成分をクロマトグラフィーにて分離する分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のクロマトグラフィーは、比較的大きな細胞核、ミトコンドリア、葉緑体および細胞内小器官のような様々な内容物を含む細胞や、染色体のような壊れやすいものを分離又は分取することが容易でない。
【0003】
また、動植物や人間の細胞核は多核かつ単型であるが、例えばアーバスキュラー菌根菌(AMF)等の特定の微生物の細胞核は、多核かつ多型であるため、これらの細胞核を予め分離しておかなければ、現状の手法のゲノム解析では解析が容易でない。
【0004】
ここで、AMFの細胞核が多型であるのは、AMF本来の細胞核以外に、この菌が宿主細胞の根から細胞核を奪い、原始的な情報伝達というシステムを有する所以であり、共生というメカニズムを形成するために、宿主植物に由来する細胞核が数多く含まれるからである(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
一方、微生物の分離を行う際においては、例えば、下記特許文献2に記載のように、供試培地上に形成される微生物コロニーから分離する方法が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献1】石井孝昭、外3名、「アーバスキュラー菌根菌は宿主から細胞核を奪い、その多様性を高める」、園芸学研究、園芸学会、2011年、第10巻(別1)、p.59
【特許文献2】特開平11−346796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2にかかる分離方法においては、供試培地上で生長しない、または生長しにくい微生物の分離が容易ではないという問題を有している。
【0008】
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、供試培地上で生長しない、または生長しにくい微生物等の所定成分の分離が容易にできる新規なクロマトグラフィーによる分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するため、請求項1にかかる本発明は、所定成分をクロマトグラフィーにて分離する分離方法であって、吸着力、凝集力、分子ふるい力および浮力を有し、カラム内の溶媒に分散させることができる程度の比重に調整された充填剤を、前記カラム内の溶媒で分散させて、前記所定成分をクロマトグラフィーにて分離する、ことを特徴とする分離方法である。
【0010】
請求項2は、請求項1の分離方法において、充填剤は、天然ゼオライト、人工ゼオライトおよび人工ポリマーのいずれかである、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3は、請求項1または2の分離方法において、所定成分は、細胞、細胞内容物、微生物および化学物質のいずれかである、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、請求項1ないし3いずれかに記載の分離方法であって、充填剤は、溶媒として液体を用いる場合に、脱気されて1.1以上1.4以下の比重に調整されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、吸着力、凝集力、分子ふるい力および浮力を有しカラム内の溶媒に分散させることができる程度の比重に調整された充填剤を、カラム内の溶媒で分散させて、所定成分をクロマトグラフィーにて分離することにより、例えば、比較的大きな細胞核、ミトコンドリア、葉緑体および細胞内小器官のような様々な内容物を含む細胞、染色体等の壊れやすいもの、および供試培地上で生長しない、または生長しにくい微生物等の所定成分であっても容易に分離することができる。
【0014】
そして、天然ゼオライト、人工ゼオライトおよび人工ポリマーのいずれであっても、充填剤として用いることができる。
【0015】
特に、細胞、細胞内容物、微生物および化学物質のいずれかが所定成分であっても、この所定成分を容易に分離することができる。
【0016】
さらに、溶媒として液体を用いる場合は、脱気されて1.1以上1.4以下の比重に調整されたゼオライトが、充填剤として好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係る植物細胞核の分離結果を示すクラフトグラムである。
【図2】本発明の実施例2に係る植物細胞破砕物の分離結果を示すクロマトグラムである。
【図3】上記実施例2に係る植物細胞破砕物の光学顕微写真である。
【図4】上記実施例2に係る植物細胞破砕物の光学顕微写真であって、左:インジェクト前の植物細胞破断物の写真、右:分取した植物細胞核の写真である。
【図5】本発明の実施例3に係る微生物の分離結果を示すクロマトグラムである。
【図6】上記実施例3に係る微生物の分離結果の分画AからCおよびGの分取液の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施の形態に係る分離方法について図1を参照して説明する。
【0019】
本発明に係る分離方法は、いわゆるカラムクロマトグラフィーを用いた所定成分の分離・分取方法としての分離精製方法であって、所定の充填剤を用い、この充填剤をカラム内に充填させて、細胞内小器官、微生物および細菌等の従前の手法では分離しにくい所定成分を効率良く分離分取することを可能とし、発明者らにより、『分散系クロマトグラフィー(Dispersed medium chromatography)』と名付けられている。ここで、この分離方法にて分離・分取可能な所定成分としては、細胞核・染色体・細胞小器官(オルガネラ)等の細胞内容物、ウイルス・バクテリア・微生物等の生命体、細胞、種々の化学物質等である。
【0020】
次いで、上記分離方法を用いるための分離装置であるクロマト装置のカラムに充填される充填剤としては、例えば蒸留水や生理的食塩水等の液体、または気体である溶媒内で分散させやすく、静電引力・ファンデルワールス力等の凝集力、吸着力、分子ふるい力および浮力等の特性を有しており、このカラム内の溶媒にふんわりと分散させて充填させやすいものであり、例えばゼオライト、ポリマー、シリカゲル、炭等が用いられる。また、これらの充填剤は、溶媒として液体を用いる場合には、この液体に分散可能な比重、すなわち1.1以上1.4以下、または1.3前後の比重に調整されたものが良い。ここで、充填剤の比重が1.1より小さい場合は、液体内で浮き過ぎてしまい、この液体に効率良く分散せず、この液体にふんわりと分散させることができない。また、充填剤の比重が1.4より大きい場合は、液体内で沈み過ぎてしまい、この液体にふんわりと徐々に分散させることができない。なお、カラムとしては、ガラスまたはステンレス等のいずれであっても良い。
【0021】
また、カラム内に注入する際の溶媒の流速は、このカラム内に充填された充填剤を、溶媒内においてふんわりと分散させることができる程度に調整させる。
【0022】
特に、充填剤として用いられるゼオライトとしては、上記特性を有する天然ゼオライトに加え、これら特性を理化学的に調整した人工ゼオライトが用いられる。また、これらゼオライトは、20μm以上35μm以下の粒径が好ましく、脱気されて比重調整されている。一方、ポリマーとしては、例えばSt(ストロンチウム)、Fe(鉄)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Sn(錫)、Az(亜鉛)等の所定の金属元素が付加されて比重調整された人工ポリマーが用いられる。さらに、このポリマーとしては、ゼオライトと同様の特性、すなわち吸着力、凝集力、分子ふるい力および浮力等の特性を有しているものが用いられる。
【0023】
なお、これら充填剤、特にゼオライトには、微小な空隙(孔)が形成されており、これら空隙に、分離する所定成分が入り込んだり入らなかったりすることによって徐々に層状に分離されて凝集されていくものと考えられる。また、これら充填剤は、表面電荷(ゼオライトの場合は陽イオン:陽極)と、分離する成分の電荷とのイオン的凝集や、これら充填剤と、分離する成分との結合状況になる凝集によって、所定成分を分離・分取できるものと考えられる。
【0024】
ここで、現在、広く使用されているクロマト装置では、様々な化学物質を分離するための技術が開発されている。ところが、これらクロマト装置では、比較的大きな細胞核・細胞内小器官のような様々な内容物を含む細胞や、染色体のような取り扱い中に壊れやすい所定成分を分離することが容易ではない。また、多核かつ多型の核を有する微生物については、微生物本来の核を分離できる技術が確立されておらず、これら微生物のゲノム解析が非常に困難な状況にある。
【0025】
一方、この種の微生物の分離は、一般に培地上に形成される微生物コロニーから分離する方法が広く用いられている。ところが、この方法では、供試培地上で生長しない、または生長しにくい微生物を分離することができず、微生物の分離のおおきな支障となっている。
【0026】
そこで、上述したように、充填剤として、吸着力、凝集力、分子ふるい力および浮力等の特性を持ち、1.1以上1.4以下の比重の天然ゼオライトや、これらの特性を兼ね備えた人工ゼオライトおよび人工ポリマー等を、カラム内でふんわりと分散させたものを用いたクロマトグラフィーによって、供試培地上で生長しない、または生長しにくい微生物を分離することができるとともに、細胞核・染色体等の細胞小器官(オルガネラ)等の細胞内容物、ウイルス・バクテリア・微生物等の生命体、細胞、種々の化学物質等の一般の手法では分離しにくい成分を効率良く分離・分取することができる。
【0027】
なお、上記一実施の形態の分離方法については、クロマト装置の改良や、その応用等を検討することによって、ゲノム解析等の遺伝子研究、細胞内小器官の機能解析、微生物の分離技術等といった様々な研究分野において広く活用できる。
【0028】
さらに、上記一実施の形態の分離方法においては、蒸留水・生理的食塩水等の液体を溶媒として用いたが、液体以外の、種々の気体(ガス)を溶媒として用いることも可能である。また、重力が存在しない宇宙空間での分離・分取も可能と考えられる。
【0029】
また、上記一実施の形態の分離方法においては、ゼオライトまたはポリマーをそのまま充填剤として用いたが、これらゼオライトまたはポリマーを種々のイオン交換樹脂等の他の充填剤に付加したりすることもできる。この場合には、所定の金属元素を付加して1.1以上1.4以下の比重にポリマーを調整することができ、人工ポリマーの比重調整が容易にできる。
【0030】
さらに、分離する所定成分の浮力や溶解性、または充填剤の比重をコントロールすることによって、この所定成分の分離度(Rs)を向上できると考えられる。
【実施例1】
【0031】
<植物細胞核の分離>
上記分離方法の実施例1として、植物細胞核の実験例を説明する。
【0032】
まず、上記特性を有する天然ゼオライトを用意し、この天然ゼオライト中の蒸留水や生理食塩水等で沈殿しやすい微粉末、および沈殿しにくい微粉末のそれぞれを取り除く。次いで、この天然ゼオライトをカラム容量で1/5程度、ガラス製のカラム内に注入した後、送液ポンプを駆動させ、このカラムの下部から4ml/minの流速で、溶媒として蒸留水を注入していき、このカラム内に充填剤を分散させた。
【0033】
この後、このカラム内に天然ゼオライトがほぼ均一に分散した状態で、ヒマワリの胚軸から抽出し大きさがほぼ均一な約200個の細胞核をカラム内に注入した。この細胞核は、ヒマワリの胚軸をホモジネートし2重の不織布でろ過したろ液を、250xgで5分間に亘って遠心分離した沈殿物を蒸留水または1%食塩水で懸濁して得たものを用いた。
【0034】
また、このときの分析条件は、クロマト装置:中圧分取液体クロマトグラフ用送液ポンプ600−A(山善株式会社製)、カラム:直径20mm×長さ300mm、UV検出器:254nm(EYELA UV−2000)である。
【0035】
この結果、図1に示すように、細胞核は、分散したゼオライトの溶液内で均一に分離され、非常にシャープなピークが示された。また、カラム容量から判断した溶出時間(図1中の矢印「↑」)から判断すると、分散したゼオライトが細胞核を保持していることが分かった。
【0036】
ここで、例えば牛乳のような分散系の溶質の一つであるコロイド状の液体に添加した物質は、牛乳に含まれる疎水性の物質(脂質等)や親水性の物質(ミネラル、タンパク質等)によって、牛乳内に分散してしまう。ところが、上述のように、ゼオライトを用いた分散系の溶液内においては、この溶液に添加した物質が均一に分離される。
【実施例2】
【0037】
<植物細胞粉砕物の分離>
上記分離方法の実施例2として、植物細胞粉砕物の実験例を説明する。
【0038】
まず、上記特性を有するゼオライトを、カラム容量で1/10程度、ガラス製のカラム内に注入した後、送液ポンプを駆動させ、このカラムの下部から7.5ml/minの流速で、溶離液として1%食塩水(生理的食塩水)を注入していき、このカラム内にゼオライトを分散させた。
【0039】
この後、このカラム内にゼオライトがほぼ均一に分散した状態で、ブドウ葉6gを1%食塩水(生理的食塩水)24mlでホモジネートし、不織布、または目開き20μmのナイロンメッシュシートでろ過したろ液4mlを、カラム内に注入して細胞粉砕物の分離を行った。このときの分析条件は、クロマト装置:中圧分取液体クロマトグラフ用送液ポンプ600−A(山善株式会社製)、カラム:直径20mm×長さ300mm、UV検出器:280nm(EYELA UV−2000)である。
【0040】
ここで、溶離液は、ほぼピークが出終えた後、1%食塩水から5%食塩水に変えた。なお、図2中の『SENS.』の部分は、検出器の感度を上げたことを示す。
【0041】
この結果、図2に示すように、32のピークがみられ、それぞれのピークの内容物を分取した。そして、これら内容物を、光学顕微鏡を用いて調査したところ、図3に示すように、ピーク1にはミトコンドリア、ピーク2には小胞、ピーク3には細胞核、ピーク4には小胞、ピーク5には液胞、ピーク6には葉緑体、ピーク7から15までは様々な形の細胞内小器官、ピーク16には中心体、ピーク17には褐色の細胞内小器官、ピーク18には祖面小胞体様器官、ピーク19にはゴルジ体様器官、ピーク20にはリソゾーム様器官等が分離されていた。ピーク21から23には細胞内小器官ややや大きな小胞、ピーク24から26には葉の毛じおよび細胞内小器官等が溶出され、これ以外のピークには細胞質基質や小さな塊がみられた。なお、5%食塩水に変更後は、毛じや葉の破砕物が多量に溶出された。なお、図3中の番号は、図2のピーク番号に相当し、横線は5μmを示す。
【0042】
次いで、図4は、図2とほぼ同条件下でカラム注入前のブドウ葉の細胞破砕物の写真と、細胞核分離後の写真とを比較調査したものである。本発明のカラムクロマトグラフィーによる分離方法によって、細胞内小器官等が取り除かれた非常にきれいな細胞核を分離できていることが分かった。
【実施例3】
【0043】
<微生物の分離>
上記分離方法の実施例3として、微生物の実験例を説明する。
【0044】
まず、上記実施例2と同様に、上記特性を有するゼオライトを、カラム容量で1/10程度、ガラス製のカラム内に注入した後、送液ポンプを駆動させ、このカラムの下部から6ml/minの流速で、溶媒として1%食塩水(生理的食塩水)を注入していき、このカラム内にゼオライトを分散させた。
【0045】
この後、このカラム内にゼオライトがほぼ均一に分散し26℃に保持した状態で、1週間培養した4種類の微生物の培養液から2mlを採取してカラム内に注入した。ここで、この4種類の微生物は、枯草菌、乳酸菌、酵母および黄色ブドウ状球菌とした。また、このときの分析条件は、クロマト装置:中圧分取液体クロマトグラフ用送液ポンプ600−A(山善株式会社製)、カラム:直径20mm×長さ150mm、UV検出器:280nm(EYELA UV−2000)である。
【0046】
この結果、図5に示すクロマトグラムが得られた。そして、図5中のピークAからGまでの各ピーク周辺の液を分取し、これら液の一部を標準寒天培地(日水製薬株式会社製)上で26℃に保持して培養した。この培養を開始してから3日後、分画Aから分画Cまで、および分画Gにおいてのみ、微生物のコロニーが観察できた。
【0047】
そこで、これら微生物が存在する分画Aから分画Cまで、および分画Gからの分取液を用いてグラム染色した後、光学顕微鏡下で観察したところ、図6に示すように、供試した4種類の微生物のうち、酵母が分画A、枯草菌が分画B、乳酸菌が分画C、黄色ブドウ状球菌が分画Gに分離されていることが分かった。なお、分画Dから分画Fまでは、培養液中の物質であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定成分をクロマトグラフィーにて分離する分離方法であって、
吸着力、凝集力、分子ふるい力および浮力を有し、カラム内の溶媒に分散させることができる程度の比重に調整された充填剤を、前記カラム内の溶媒に分散させて、前記所定成分をクロマトグラフィーにて分離する
ことを特徴とする分離方法。
【請求項2】
充填剤は、天然ゼオライト、人工ゼオライトおよび人工ポリマーのいずれかである
ことを特徴とする請求項1記載の分離方法。
【請求項3】
所定成分は、細胞、細胞内容物、微生物および化学物質のいずれかである
ことを特徴とする請求項1または2記載の分離方法。
【請求項4】
充填剤は、溶媒として液体を用いる場合に、脱気されて1.1以上1.4以下の比重に調整されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−7690(P2013−7690A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141453(P2011−141453)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(596096825)ジェイ・アイ・サイエンス有限会社 (1)